JP2001049135A - 非対称ジオキサジン化合物、二色性色素、液晶組成物及び液晶表示素子 - Google Patents

非対称ジオキサジン化合物、二色性色素、液晶組成物及び液晶表示素子

Info

Publication number
JP2001049135A
JP2001049135A JP2000143649A JP2000143649A JP2001049135A JP 2001049135 A JP2001049135 A JP 2001049135A JP 2000143649 A JP2000143649 A JP 2000143649A JP 2000143649 A JP2000143649 A JP 2000143649A JP 2001049135 A JP2001049135 A JP 2001049135A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
formula
liquid crystal
compound
represented
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000143649A
Other languages
English (en)
Inventor
Toshihiko Tanaka
利彦 田中
Toru Ashida
徹 芦田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST
Sumitomo Chemical Co Ltd
New Energy and Industrial Technology Development Organization
Original Assignee
Agency of Industrial Science and Technology
Sumitomo Chemical Co Ltd
New Energy and Industrial Technology Development Organization
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Agency of Industrial Science and Technology, Sumitomo Chemical Co Ltd, New Energy and Industrial Technology Development Organization filed Critical Agency of Industrial Science and Technology
Priority to JP2000143649A priority Critical patent/JP2001049135A/ja
Publication of JP2001049135A publication Critical patent/JP2001049135A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Nitrogen And Oxygen Or Sulfur-Condensed Heterocyclic Ring Systems (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】光吸収の波長幅が狭く、かつ高二色比を有する
新規な非対称ジオキサジン化合物、二色性色素、液晶組
成物及びこれを用いた液晶表示素子を提供すること。 【解決手段】式(1−1)又は式(1−2)で示される非対
称ジオキサジン化合物、二色性色素、これを用いた液晶
組成物及びこれを用いた液晶表示素子。 【化1】 (Y1〜Y3:式(2)又は(3)で示される基、XはH等、
hは0〜2の整数、Aはフェニレン等、Eはフェニレン
等、GはH、F等、iは1〜2の整数、jは0〜2の整
数、J及びMはフェニレン等、QはH、F等を表す。) 【化2】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液晶表示素子の分
野で有用な二色性色素等に利用できる、新規な非対称ジ
オキサジン化合物、二色性色素、液晶組成物及びこれを
利用した液晶表示素子に関する。
【0002】
【従来技術】液晶性材料に少量の二色性色素を添加した
組成物は、ゲストホスト(以後GHと称する)と称される
液晶表示素子に使用される。このGHは液晶表示素子の
重要な形式の一つである。近年、この方式は二色性色素
の色を利用してカラー表示を行なうことにより、カラー
フィルターを使用せずにカラー液晶表示素子の光利用効
率を高める方法として着目されている。例えば、ハルマ
イヤー型GHセルを積層したGH型液晶表示素子、ダブ
ルレイヤーGH型液晶表示素子(DGH)を積層したGH
型液晶表示素子、コレステリックネマティックフェイズ
チェンジGH型液晶表示素子(PCGH)を積層したGH
型液晶表示素子等の各種GH型液晶表示素子が注目され
ている。近年は、特に省エネルギー又は携帯機器に於け
る電池駆動時間の確保の点から反射型の液晶表示素子が
着目されている。反射型の液晶表示素子は、バックライ
ト等の補助光源がないため、光利用効率の高いこれらG
H型液晶表示素子の利用が有望視されている。
【0003】GHに使用される二色性色素としては、ア
ゾ色素、アントラキノン色素、キノフタロン色素等であ
って、高二色比を有する優れた材料が開発されてきた。
これらの材料は多くの液晶性材料中で高二色比を示す
(アレキサンダー・ヴィ・イバシュチェンコ(AleXander
V.Ivashchenko)著、ダイクロイックダイズ・フォア・
リキッドクリスタル・ディスプレイズ(Dichroic Dyes f
or Liquid Crystal Displays),p165-337,(CRC Press),1
994)。
【0004】一般的に、GHでカラー表示を行う場合、
二色性色素の吸収スペクトル形状がカラー表示に大きな
影響を与える。このため、表示可能な色調を増し演色性
を確保するためには各原色を独立に制御する必要があ
り、吸収波長の重複が少ない色素を組合わせる必要があ
る。
【0005】しかし、吸収波長の重複によって、各原色
を完全に独立して制御できず、表現できる色の範囲が狭
まり、また余計な光吸収によって光利用効率も低下す
る。吸収波長の重複を避けるためには、各色の吸収ピー
ク波長の選定も重要であるが、一般的に色素の吸収スペ
クトルはブロードであるので吸収ピーク波長の選定だけ
では幾分かの重複部分が発生する。従って、二色性色素
の吸収スペクトル形状は、重複部分を減らすために、光
吸収の波長幅が少しでも狭いことが特に有用である。
【0006】ジオキサジン色素は、元来顔料の一種とし
て開発されたが、光吸収の波長幅が狭く鮮明な色調を示
すことが一般に知られている。
【0007】しかし、従来のジオキサジン骨格を有する
二色性色素の液晶中での二色比は、アゾ色素又はアント
ラキノン色素と比較してやや低く6〜7程度であり(ア
レキサンダー・ヴィ・イバシュチェンコ(AleXander V.
Ivashchenko)著、ダイクロイックダイズ・フォア・リキ
ッドクリスタル・ディスプレイズ(Dichroic Dyes forLi
quid Crystal Displays),p173,(CRC Press),1994)、よ
り高二色比を有するジオキサジン色素の開発が望まれて
いる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、光吸
収の波長幅が狭く、かつ高二色比を有する新規な非対称
ジオキサジン化合物、二色性色素、液晶組成物及びこれ
を用いた液晶表示素子を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題を
解決するために銃意検討した結果、非対称ジオキサジン
骨格に特定の置換基を置換した新規な化合物が、液晶中
で高い二色比を示すことを見出し、本発明を完成した。
【0010】本発明によれば、式(1−1)又は式(1−
2)で示される非対称ジオキサジン化合物が提供され
る。
【0011】
【化6】
【0012】(式(1−1)及び(1−2)中、Y1〜Y
3は、それぞれ独立に式(2)又は式(3)で示される基を
表し、かつY1〜Y3の少なくとも1つは式(2)で示され
る基である。Xは、水素原子、ハロゲン原子、シアノ
基、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アシルア
ミノ基又はカルボン酸エステル基を表す。)
【0013】
【化7】
【0014】(式(2)及び(3)中、hは0〜2の整数、
iは1〜2の整数、jは0〜2の整数を表す。Aは下記
式で示される基からなる群(I)より選択される基を表
す。)
【0015】
【化8】
【0016】(ここで、kは1〜6の整数を表す。フェ
ニレン基中の水素原子は、炭素数1〜12のアルキル
基、炭素数1〜12のアルコキシ基、炭素数1〜6のパ
ーフルオロアルキル基又はハロゲン原子で置換されてい
ても良い。また、(a)端及び(b)端を有する基の場合は
(a)端はE又はGと結合し、(b)端は式(2)のエステル基
と結合する。) E、J及びMはそれぞれ独立に下記式で示される基から
なる群(II)より選択される基を表す。
【0017】
【化9】
【0018】(ここで、mは1〜12の整数を表し、q
及びrは1〜8の整数を表す。フェニレン基中の水素原
子は、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアル
コキシ基、炭素数1〜6のパーフルオロアルキル基又は
ハロゲン原子で置換されていても良い。また、前記群(I
I)から選択される、(a)端及び(b)端を有する基が式(2)
における上記Eである場合、(a)端はG又はEに結合
し、(b)端はA又はEに結合する。(a)端及び(b)端を有
する基が式(3)における上記Jである場合、(a)端は
M、J又はQに結合し、(b)端はJに結合するか又はト
リフェノジオキサジン骨格に結合する。(a)端及び(b)端
を有する基が式(3)における上記Mである場合、(a)端
はM又はQに結合し、(b)端はM又はJに結合する。) G及びQはそれぞれ独立に下記式で示される基からなる
群(III)より選択される基を表す。
【0019】
【化10】
【0020】(ここで、nは1〜12の整数を表し、
q、r及びsはそれぞれ独立に1〜8の整数を表す。)) また本発明によれば、上記式(1−1)又は(1−2)で示
される非対称ジオキサジン化合物からなる二色性色素が
提供される。
【0021】更に本発明によれば、上記二色性色素の少
なくとも一種と、液晶性物質とを含む液晶組成物が提供
される。
【0022】更にまた本発明によれば、液晶材料として
上記液晶組成物の少なくとも一種を備えた液晶表示素子
が提供される。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。
【0024】本発明の非対称ジオキサジン化合物は、上
記式(1−1)又は(1−2)で示され、これらの化合物は
二色性を示し、二色性色素として使用できる。例えば、
GHに用いる液晶組成物に含有させる二色性色素として
使用できる。
【0025】式(1−1)又は式(1−2)で示される非対
称ジオキサジン化合物において、液晶への溶解度の点で
式(1−1)で示される化合物が好ましい。
【0026】式(1−1)又は(1−2)において、Xは、
水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、アルキル基、アリ
ール基、アルコキシ基、アシルアミノ基又はカルボン酸
エステル基を表す。このXは、液晶性物質に溶解する場
合に用いる液晶性物質の種類、必要な溶解度等に応じて
適宜選択することができる。一般的な液晶組成物中での
二色比を良好にする点から、Xは、水素原子、ハロゲン
原子、シアノ基、アシルアミノ基又はカルボン酸エステ
ル基が好ましく、水素原子、塩素原子、臭素原子又はフ
ッ素原子がさらに好ましく、水素原子又は塩素原子が特
に好ましい。
【0027】式(1−1)又は(1−2)において、Y1
3は、上記式(2)又は式(3)で示される基を示し、Y1
〜Y3のうちの少なくとも1箇所又は2箇所が、式(2)
で表される構造のエステル基である。
【0028】式(2)におけるAは上記群(I)に列挙した
基から選ばれる。群(I)における基において、フェニレ
ン基中の水素原子は、炭素数1〜12のアルキル基、炭
素数1〜12のアルコキシ基、炭素数1〜6のパーフル
オロアルキル基又はハロゲン原子で置換されていても良
い。このような置換基の数は、液晶性物質中において、
得られる目的の非対称ジオキサジン化合物が良好な二色
比を示す点から0〜2が好ましい。置換基としては、容
易に合成できる点から炭素数1〜12のアルキル基、炭
素数1〜12のアルコキシ基が好ましく、炭素数1〜8
のアルキル基、炭素数1〜8のアルコキシ基が特に好ま
しい。
【0029】上記Aは、液晶性物質に溶解する場合に用
いる液晶性物質の種類、必要な溶解度等に応じて群(I)
から適宜選択することができる。一般的には容易に合成
するためにはフェニレン基を含む基が好ましく、フェニ
レン基が特に好ましい。
【0030】式(2)において、上記群(I)より選択され
た基における(a)端はE又はGと結合し、(b)端は式(2)
のエステル基と結合する。群(I)において、kは1〜6
の整数を示す。
【0031】式(2)におけるEは上記群(II)に列挙した
基から選ばれる。これらの基は液晶性物質に溶解する場
合に用いる液晶性物質の種類、必要な溶解度等に応じて
群(II)から適宜選択することができる。上記群(II)から
選択される、(a)端及び(b)端を有する基が式(2)におけ
るEである場合、(a)端は、hが1の場合Gに結合し、
hが2の場合、一方のEの(a)端は他方のEに結合し、
他方のEの(a)端はGに結合する。(b)端は、hが1の場
合Aに結合し、hが2の場合、一方のEの(b)端は他方
のEに結合し、他方のEの(b)端はAに結合する。hは
0〜2の整数を示すが、合成の容易性からhは0又は1
が好ましく、0が特に好ましい。
【0032】式(2)におけるGは上記群(III)に列挙し
た基から選ばれる。これらの基は液晶性物質に溶解する
場合に用いる液晶性物質の種類、必要な溶解度等に応じ
て群(III)から適宜選択することができる。一般的には
容易に合成するためにアルキル基、アルキルシクロアル
キル基又はアルコキシ基が好ましく、アルキル基又はア
ルコキシ基が特に好ましい。また、nは1〜12の整数
を表し、q、r及びsはそれぞれ独立に1〜8の整数を
示す。
【0033】式(3)におけるJ及びMはそれぞれ独立に
上記群(II)に列挙した基から選ばれる。これらの基は液
晶性物質に溶解する場合に用いる液晶性物質の種類、必
要な溶解度等に応じて群(II)から適宜選択することがで
きる。一般的には容易に合成するために、Jは(b)端(ジ
オキサジン環と結合する部分)に酸素原子を有する基が
好ましく、(b)端に酸素を有するアルコキシ基が特に好
ましい。またMも(b)端に酸素を有する基が好ましい。
上記群(II)から選択される、(a)端及び(b)端を有する基
が式(3)におけるJである場合、(a)端は、i及びjの数
によってM、J又はQに結合し、(b)端はi及びjの数に
よって、Jと結合するか又はジオキサジン骨格に結合す
る。上記群(II)から選択される、(a)端及び(b)端を有す
る基が式(3)におけるMである場合、(a)端は、jの数
によってM又はQに結合し、(b)端はM又はJに結合す
る。また、式(3)におけるiは1〜2の整数、jは0〜
2の整数であるが、一般的には合成の容易性の点から、
iとjの和は3以下が好ましく、2以下が特に好まし
い。
【0034】式(3)におけるQは上記群(III)に列挙し
た基から選ばれる。これらの基も同様に液晶性物質に溶
解する場合に用いる液晶性物質の種類、必要な溶解度等
に応じて群(III)から適宜選択することができる。一般
的には容易に合成するためにアルキル基、アルキルシク
ロアルキル基又はアルコキシ基が好ましく、アルキル基
又はアルコキシ基が特に好ましい。また、nは1〜12
の整数を表し、q、r及びsはそれぞれ独立に1〜8の
整数を示す。
【0035】上記式(2)及び(3)において、E、J及び
Mを示す群(II)に列挙した基のうち、フェニレン基中の
水素原子は、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6
のアルコキシ基、炭素数1〜6のパーフルオロアルキル
基又はハロゲン原子で置換されていても良い。
【0036】本発明の非対称ジオキサジン化合物として
は、以下に示す構造の化合物が例示できる。
【0037】
【化11】
【0038】
【化12】
【0039】本発明の非対称ジオキサジン化合物は、公
知の方法及びその組み合わせによって合成できる。その
詳細は合成する非対称ジオキサジン化合物の分子構造に
より異なるが、一般には以下の方法で、対応する式(4)
で示される非対称の2,5−ジアミノ−1,4−ベンゾ
キノン化合物より合成できる。
【0040】
【化13】
【0041】(式中、Y1〜Y3は、それぞれ独立に前記
式(2)又は(3)で示される構造から選ばれる基を表す
が、Y1〜Y3の中少なくとも1つは、式(2)で表される
構造の基であり、Xは、水素原子、ハロゲン原子、シア
ノ基、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アシル
アミノ基又はカルボン酸エステル基を表す。) 前記2,5-ジアミノ-1,4-ベンゾキノン化合物は、例えば、
米国特許第2267741号明細書に示された方法に準じて合
成することができる。すなわち、 3-アルコキシ-2,4,5-
トリクロロ-1,4-ベンゾキノン化合物、式(4A)で示される
アニリン化合物及び式(4B)で示されるアミノナフタレン
化合物を一度に混合し反応させる方法、又は3-アルコキ
シ-2,4,5-トリクロロ-1,4-べンゾキノン化合物を式(4A)
で示されるアニリン化合物及び式(4B)で示されるアミノ
ナフタレン化合物の一方と反応させた後、式(4A)で示さ
れるアニリン化合物及び式(4B)で示されるナフタレン化
合物の他方を反応させる方法等により合成することがで
きる。
【0042】
【化14】
【0043】式中X及びY1〜Y3は、前記式(4)におけ
るX及びY1〜Y3と同一のものを表わす。
【0044】このときの反応は、必要に応じ反応媒体を
用いることもできる。反応媒体としては、水、メタノー
ル、エタノール及びイソプロパノールなどのアルコール
類、トルエン及びキシレンなどの芳香族炭化水素類、ア
セトン及びメチルイソブチルケトンなどのケトン類、テ
トラヒドロフラン及びジオキサンなどのエーテル類、又
はこれらの混合物などを挙げることができる。
【0045】また、式(4A)で示されるアニリン化合物及
び式(4B)で示されるアミノナフタレン化合物の一方並び
に3-アルコキシ-2,4,5-トリクロロ-1,4-ベンゾキノン化
合物の反応と,式(4A)で示されるアニリン化合物及び式
(4B)で示されるアミノナフタレン化合物の他方並びに3-
アルコキシ-2,4,5-トリクロロ-1,4-ベンゾキノン化合物
の反応との間で、互いに異なる反応媒体を用いてもよい。
【0046】上記式(4A)で示されるアニリン化合物及び
式(4B)で示されるアミノナフタレン化合物は、公知の方
法に準じて、例えば、対応するニトロ化合物を、接触還元
等の慣用の還元剤で処理する方法などで製造することが
できる。
【0047】かかるニトロ化合物は、公知の方法に準じ
て、例えば、対応する芳香族化合物を、硝酸等の慣用のニ
トロ化剤で処理する方法などで製造することができる。
【0048】得られた2,5-ジアミノ-1,4-ベンソキノン
化合物を閉環させることにより目的の非対称のジオキサ
ジン化合物が得られるが、一般に酸性縮合剤存在の雰囲
気で加熱することにより閉環させることができる。
【0049】前記酸性縮合剤としては、カルボン酸又は
スルホン酸の酸塩化物(例えば、ベンゾイルクロライ
ド、ブチルベンゾイルクロライド、パラトルエンスルホ
ニルクロライド等)、カルボン酸又はスルホン酸の酸臭
化物、チオニルクロライド、五塩化リン、塩酸、臭化水
素酸、無水酢酸、発煙硫酸、パラトルエンスルホン酸、
又は金属塩化物(例えば、塩化アルミニウム、塩化亜鉛
等)が挙げられる。中でも反応の収率や使い易さの点
で、カルボン酸の酸塩化物(例えば、ベンゾイルクロラ
イド、パラブチルベンゾイルクロライド等)が好まし
い。また2,5−ジアミノ−1,4−ベンゾキノン化合
物がメトキシ基を有する場合、カルボン酸の酸塩化物又
はカルボン酸の酸臭化物を使用するとメトキシ基部分に
カルボン酸の酸塩化物又は酸臭化物に対応するエステル
置換基が形成される場合がある。
【0050】反応条件は、酸性縮合剤の種類、2,5−
ジアミノ−1,4−ベンゾキノン化合物の種類により異
なる。例えば、酸性縮合剤がカルボン酸の酸塩化物の場
合には、一般に2,5−ジアミノ−1,4−ベンゾキノ
ン化合物をカルボン酸の酸塩化物の存在下、溶媒中で加
熱することにより閉環させることができ、目的の非対称
ジオキサジン化合物が得られる。反応温度は、通常、1
00℃〜220℃の範囲で行なうことができるが、13
0℃〜180℃の範囲が好ましい。
【0051】反応には、溶媒を用いることができ、例え
ば、ニトロベンゼン、オルトジクロロベンゼン、ジメチ
ルホルムアミド、ジメチルスルフォキシド等の極性有機
溶媒を挙げることができる。この中ではニトロベンゼ
ン、オルトジクロロベンゼンが好ましく、ニトロベンゼ
ンが特に好ましい。
【0052】その他の合成方法としては、例えば、式
(1−1)又は(1−2)におけるXがハロゲン原子に相当
する非対称ジオキサジン化合物をまず合成し、これを各
種試薬により処理して、式(1−1)又は(1−2)におけ
るXを、他の基に変換する方法が挙げられる。具体的に
は、式(1−1)又は(1−2)におけるXが塩素原子又は
臭素原子に相当するジオキサジン化合物をまず合成し、
これを金属(スズ、鉄等)及び酸(ポリ燐酸等)により処理
して、式(1−1)又は(1−2)におけるXを水素原子に
変換する方法、あるいは式(1−1)又は(1−2)におけ
るXが臭素原子に相当する非対称ジオキサジン化合物を
まず合成し、これを金属シアン化物(シアン化第一銅等)
により処理して式(1−1)又は(1−2)におけるXをシ
アノ基に変換する方法等が挙げられる。
【0053】本発明の液晶組成物は、少なくとも上記本
発明の非対称ジオキサジン化合物からなる二色性色素
と、液晶性物質とを含有する。
【0054】本発明の液晶組成物に用いる液晶性物質の
種類と量は、目的とする液晶相に応じて適宜選択でき
る。液晶相の種類としては、ネマチック相、コレステリ
ック相、スメクティック相、ディスコティック相等の公
知の相とすることができる。
【0055】液晶組成物をGHに使用する場合には、ネ
マチック相、コレステリック相、スメクティック相とな
る液晶性物質の使用が好ましく、コレステリック相、ネ
マチック相となる液晶性物質の使用が特に好ましい。一
般的に、液晶性物質の種類に応じて液晶相の種類がほぼ
決まるが、少量の添加物により相が変化する場合もあ
る。このような例としては少量の旋光性物質によってコ
レステリック相が現れる場合が挙げられる。また、本発
明の液晶組成物の誘電率異方性は正でも負でもよく、目
的の液晶表示素子の形式に合わせて選択することができ
る。
【0056】本発明の液晶組成物において、安定な液晶
相を広い温度範囲で発現させるために、液晶性物質の含
有割合は、組成物全量に対して、通常80重量%以上が
好ましく、90重量%以上がさらにに好ましく、95重
量%以上が特に好ましい。また液晶性物質は、単一の化
合物でも複数の化合物の混合物でも使用できるが、安定
な液晶相を広い温度範囲で発現させるために、一般に複
数の化合物を混合して使用することが好ましい。
【0057】液晶性物質としては、「液晶デバイスハン
ドブック;日本学術振興会第142委員会編(1989);p15
2〜192、p715〜722」に記載されるようなネマティック
相あるいはスメクティック相を示すビフェニル系、フェ
ニルシクロヘキサン系、フェニルピリミジン系、シクロ
ヘキシルシクロヘキサン系等の各種化合物又は混合物が
使用できる。好ましくは下記構造の化合物又はこれらの
混合物が挙げられる。
【0058】
【化15】
【0059】上記各構造式中のフェニル基は、1〜4個
のフッ素原子、塩素原子等のハロゲン原子又はシアノ基
でさらに置換されても良い。V及びWは、それぞれ、ア
ルキル基、アルコキシ基、アルコキシアルキル基、アル
キルフェニル基、アルコキシアルキルフェニル基、アル
コキシフェニル基、アルキルシクロヘキシル基、アルコ
キシアルキルシクロヘキシル基、アルキルシクロヘキシ
ルフェニル基、シアノフェニル基、シアノ基、ハロゲン
原子、フルオロメチル基、フルオロメトキシ基、アルキ
ルフェニルアルキル基、アルコキシフェニルアルキル
基、アルキルシクロヘキシルアルキル基、アルコキシア
ルコキシヘキシルアルキル基、アルコキシフェニルアル
キル基又はアルキルシクロヘキシルフェニルアルキル基
を表し、これらのアルキル鎖およびアルコキシ鎖中に光
学活性中心を有しても良い。また、V及びW中のフェニ
ル基又はフェノキシ基は、フッ素原子、塩素原子等のハ
ロゲン原子又はシアノ基でさらに置換されていても良
い。Uは水素原子、ハロゲン原子又はシアノ基を表す。
【0060】液晶性物質は上記化合物に限定されない。
例えば、薄膜トランジスタ方式液晶ディスプレイ(TF
T・LCD)に好ましいとされる、フッ素原子又は−C
3、−OCF3等のフッ素含有基を置換基として有す
る、フッ素含有液晶性物質等を用いることもできる。
【0061】本発明の液晶組成物に用いる、二色性色素
としての非対称ジオキサジン化合物は、上記式(1−1)
又は(1−2)で示される化合物であるが、その純度は色
素の種類、合成方法により若干異なる。その純度は、通
常、90〜100重量%の範囲が使用でき、好ましくは
98〜100重量%の範囲が、さらに好ましくは99〜
100重量%の範囲が、特に好ましく99.5〜100
重量%の範囲が使用される。
【0062】本発明の液晶組成物に用いる二色性色素と
しての非対称ジオキサジン化合物の配合割合は、特に限
定されず、非対称ジオキサジン化合物の種類、得られる
液晶相の種類等に応じて適宜選択することができる。通
常、組成物全量に対して、0.01〜10重量%、好ま
しくは0.01〜5重量%である。
【0063】本発明の液晶組成物には、二色性色素とし
ての上記非対称ジオキサジン化合物及び液晶性物質以外
の他の成分も目的に応じて添加することができる。他の
成分としては、例えば、旋光性物質、安定化剤等が挙げ
られる。他の成分を混合する場合、液晶相を阻害しない
ようにその添加量を適宜抑制する必要がある。
【0064】本発明の液晶組成物を調製するには、二色
性色素としての上記非対称ジオキサジン化合物、液晶性
物質等を混合することにより得られる。混合は公知の方
法が用いられる。例えば、液晶性物質を加熱して等方性
液体に融解し、これに二色性色素としての非対称ジオキ
サジン化合物を混合して溶解する方法等が挙げられる。
【0065】本発明の非対称ジオキサジン化合物を含有
する液晶組成物は二色比が高くかつ吸収の波長幅(吸収
半値幅)が狭いため、これを使用した液晶表示素子は鮮
明で多彩な色調を表示でき工業的価値が大きい。
【0066】本発明の液晶表示素子は、液晶材料とし
て、上記液晶組成物を少なくとも1種を備える。液晶表
示素子の基本構成としては、一般にGH型と呼ばれる液
晶表示素子のすべてが含まれるが、特にこの中でもカラ
ーフィルタを使用せずに液晶層の着色によってカラー表
示を行う各種の基本構成に好適に使用される。この種の
基本構成において本発明の液晶組成物を含む液晶相の着
色は鮮明であり、したがって一般より鮮明なカラー表示
を行うことができる。
【0067】
【実施例】以下本発明を実施例及び比較例により詳細に
説明するが、本発明はこれらに限定されない。なお、例
中の各測定は以下のように行なった。 (i)二色比は、調製した非対称ジオキサジン化合物を含
む液晶組成物(1a)と、非対称ジオキサジン化合物を含
まない同様の液晶組成物(1b)とを、以下に示す方法
により作製した測定セルにそれぞれ注入し、これら測定
セルの偏光吸収スペクトルを測定することによって求め
た。具体的には、特定の波長(300〜800nm)にお
いて、測定セルのラビング方向と同一方向に偏光した光
の吸光度(a1)と、測定セルのラビング方向に垂直な方
向に偏光した光の吸光度(a2)とをそれぞれ測定し、組
成物(1a)及び(1b)の各ピーク吸光度の差を非対称ジ
オキサジン化合物そのものの吸収度として、(a1)の差
を(A1)及び(a2)の差を(A2)とし次式により求めた。
【0068】二色比=(A1)/(A2) <測定セルの作製>まず、2枚の各石英製基板の片面
に、ポリイミド配向膜材料(日立化成製、商品名「LX
1400」)を約20nmの厚さで塗布し加熱を行った
後、それぞれ一方向に布でラビング処理した。次いで、
この石英製基板2枚を、ラビング方向が互いに同一方向
となるように、且つ配向膜面を内側にして対向させ、2
枚の石英製基板の間隔が17〜24μmとなるように、
周辺部にスペーサを含む接着剤を塗布し硬化させること
によって貼合わせ、測定セルを作製した。 (ii)吸収半値幅は、上記測定セルのラビング方向と同一
方向に偏光した光に対する吸収スペクトルの、ある特定
の吸収ピークについて、その吸収ピークの半分の高さ
(吸光度)を示すピークの左右2つの波長W1及びW2の値
を以下の式に導入して算出した。
【0069】吸収半値幅=|W1−W2実施例1 <式(5)で示される2,5−ジアミノ−1,4−ベン
ゾキノン化合物の合成>米国特許第2267741号明
細書に示された方法と同様に、3−エトキシ−2,4,
5−トリクロロ−1,4−ベンゾキノン化合物から式
(5)で示される2,5−ジアミノ−1,4−ベンゾキノ
ン化合物を合成した。得られた化合物の構造は質量スペ
クトル(FDMS)にて確認した。
【0070】
【化16】
【0071】<式(6)で示される非対称ジオキサジン
化合物の合成>得られた式(5)で示される2,5−ジ
アミノ−1,4−ベンゾキノン化合物1.7gと、4−
(n)−ブチルベンゾイルクロライド0.4gとを、ニト
ロベンゼン40g中に加え150〜160℃で4時間保
温した。冷後ろ過し、分離した沈殿物をシリカゲルの薄
層クロマトグラフィーにて精製を繰り返し、化合物を得
た。
【0072】得られた化合物の構造を、質量スペクトル
(FDMS)及び核磁気共鳴スペクトル(1H−NMR)に
て確認した。得られた化合物のFDMSは対応する質量
数794を示した。1H−NMR(500MHz)の測定
結果は以下のとおりであった。8.12〜8.16pp
m(H,d.ナフタレン環)、8.01〜8.04ppm(2
H,d.フェニレン環)、7.5〜7.53ppm(H,d.ナフ
タレン環)、7.39〜7.42ppm(H,d.ナフタレン
環)、7.24〜7.26ppm(2H,d.フェニレン環)、
7.11〜7.15ppm(H,m.ナフタレン環)、7.0
6ppm(1H,s.、ジオキサジン環)、6.99ppm(1
H,s.ジオキサジン環)、6.95〜6.96ppm(H,d.
ナフタレン環)、3.89〜3.93ppm(2H,t.−O
−CH2−)、3.82ppm(3H,s.−O−CH3)、2.
62〜2.67ppm(2H,t.−CH2−)、1.55〜
1.65ppm(4H,m.−CH2−)、1.3〜1.35p
pm(2H,m.−CH2−)、1.0〜1.26ppm(20H,b
r.−CH2−)、0.8〜0.95ppm(6H,m.−C
3)。
【0073】なお、化学シフト値はテトラメチルシラン
を基準物質(0ppm)とした値である。
【0074】以上の結果から得られた非対称ジオキサジ
ン化合物の構造が、式(6)で示される構造を有する非
対称ジオキサジン化合物であることが判った。
【0075】
【化17】
【0076】<二色性比の評価>得られた式(6)で示
される非対称ジオキサジン化合物を液晶組成物E7(メ
ルク社製)に0.1重量%混合した液晶組成物と、液晶
組成物E7とを、それぞれ測定セルに注入し、吸光度、
二色比及び吸収半値幅を測定した。同様の実験を液晶組
成物E7(メルク社製)の代わりに液晶組成物E9又は液
晶組成物ZLI1132(メルク社製)を使用して行った。それ
ぞれの結果を表1に示す。
【0077】また、得られた式(6)で示される非対称
ジオキサジン化合物を、液晶組成物E9(メルク社製)に
0.1重量%混合した液晶組成物の偏光吸収スペクトル
を図1に示す。図1において、1は測定セルのラビング
方向と同一方向に偏向した光に対する吸収スペクトル、
2は測定セルのラビング方向に垂直な方向に偏向した光
に対する吸収スペクトル、3は波長W1、4は波長W2
5は吸収半値幅、6は吸収スペクトルのピークをそれぞ
れ示す。
【0078】実施例2 <式(7)で示される2,5−ジアミノ−1,4−ベン
ゾキノン化合物の合成>米国特許第2267741号明
細書に示された方法と同様に、3−エトキシ−2,4,
5−トリクロロ−1,4−ベンゾキノン化合物から式
(7)で示される2,5−ジアミノ−1,4−ベンゾキノ
ン化合物を合成した。得られた化合物の構造は質量スペ
クトル(FDMS)にて確認した。
【0079】
【化18】
【0080】<式(8)で示される非対称ジオキサジン
化合物の合成>得られた式(7)で示される2,5−ジ
アミノ−1,4−ベンゾキノン化合物1.7gと、4−
(n)−ブチルベンゾイルクロライド0.4gとを、ニト
ロベンゼン40g中に加え150〜160℃で4時間保
温した。冷後ろ過し、分離した沈殿物をシリカゲルの薄
層クロマトグラフィーにて精製を繰り返し、化合物を得
た。
【0081】得られた化合物の構造を、質量スペクトル
(FDMS)及び核磁気共鳴スペクトル(1H−NMR)に
て確認した。得られた化合物のFDMSは対応する質量
数794を示した。1H−NMR(500MHz)の測定
結果は以下のとおりであった。8.07〜8.09pp
m(2H,d,ベンゼン環)、7.58〜7.60ppm(1H,
d,ナフタレン環)、7.50〜7.51ppm(1H,d,ナ
フタレン環)、7.49〜7.51ppm(1H,d,ナフタ
レン環)、7.44〜7.46ppm(1H,d,ナフタレン
環)、7.29〜7.31ppm(2H,d,ベンゼン環)、
7.11ppm(1H,s,ジオキサジン環)、7.08〜
7.10ppm(1H,d,ナフタレン環)、7.06ppm
(1H,s,ジオキサジン環)、3.98ppm(3H,s,メトキ
シ基)、3.95〜3.96ppm(2H,m,-OCH2-)、2.
68〜2.71ppm(2H,t,-CH2-)、1.61〜1.6
7ppm(2H,m,-CH2-)、1.36〜1.40ppm(2H,
m,-CH2-)、1.16〜1.31ppm(18H,br,-CH2-)、
0.85〜0.96ppm(6H,m,-CH3)なお、化学シフ
ト値はテトラメチルシランを基準物質(0ppm)とした
値である。
【0082】以上の結果から得られた非対称ジオキサジ
ン化合物の構造が、式(8)で示される構造を有する非
対称ジオキサジン化合物であることが判った。
【0083】
【化19】
【0084】<二色性比の評価>実施例1と同様に、得
られた式(8)で示される非対称ジオキサジン化合物を
液晶組成物E7(メルク社製)に0.1重量%混合した液
晶組成物と、液晶組成物E7とを、それぞれ測定セルに
注入し、吸光度、二色比及び吸収半値幅を測定した。結
果を表1に示す。実施例3 式(5)で示される2,5−ジアミノ−1,4−ベンゾ
キノン化合物の代わりに、下記式(9)で示される2,
5−ジアミノ−1,4−ベンゾキノン化合物を用いた他
は、実施例1と同様に操作し、式(10)で示される非
対称ジオキサジン化合物を得た。
【0085】
【化20】
【0086】
【化21】
【0087】得られたジオキサジン化合物の構造は、質
量スペクトル(FDMS)にて確認した。 <二色性比の評価>実施例1と同様に、得られた式(1
0)で示される非対称ジオキサジン化合物を液晶組成物
E7(メルク社製)に0.1重量%混合した液晶組成物
と、液晶組成物E7とを、それぞれ測定セルに注入し、
吸光度、二色比及び吸収半値幅を測定した。結果を表1
に示す。実施例4 式(5)で示される2,5−ジアミノ−1,4−ベンゾ
キノン化合物の代わりに、下記式(11)で示される
2,5−ジアミノ−1,4−ベンゾキノン化合物を用い
た他は、実施例1と同様に操作し、式(12)で示され
る非対称ジオキサジン化合物を得た。
【0088】
【化22】
【0089】
【化23】
【0090】得られたジオキサジン化合物の構造は、質
量スペクトル(FDMS)にて確認した。 <二色性比の評価>実施例1と同様に、得られた式(1
2)で示される非対称ジオキサジン化合物を液晶組成物
E7(メルク社製)に0.1重量%混合した液晶組成物
と、液晶組成物E7とを、それぞれ測定セルに注入し、
吸光度、二色比及び吸収半値幅を測定した。結果を表1
に示す。実施例5 式(5)で示される2,5−ジアミノ−1,4−ベンゾ
キノン化合物の代わりに、前記式(9)で示される2,
5−ジアミノ−1,4−ベンゾキノン化合物を用い、4
−(n)−ブチルベンゾイルクロライドの代わりに、パラ
メチルベンゾイルクロライドを用いた他は、実施例1と
同様に操作し、式(13)で示される非対称ジオキサジ
ン化合物を得た。
【0091】
【化24】
【0092】得られたジオキサジン化合物の構造は、質
量スペクトル(FDMS)にて確認した。 <二色性比の評価>実施例1と同様に、得られた式(1
3)で示される非対称ジオキサジン化合物を液晶組成物
E7(メルク社製)に0.1重量%混合した液晶組成物
と、液晶組成物E7とを、それぞれ測定セルに注入し、
吸光度、二色比及び吸収半値幅を測定した。結果を表1
に示す。実施例6 式(5)で示される2,5−ジアミノ−1,4−ベンゾ
キノン化合物の代わりに、前記式(9)で示される2,
5−ジアミノ−1,4−ベンゾキノン化合物を用い、4
−(n)−ブチルベンゾイルクロライドの代わりに、4−
(t)−ブチルベンゾイルクロライドを用いた他は、実
施例1と同様に操作し、式(14)で示される非対称ジ
オキサジン化合物を得た。
【0093】
【化25】
【0094】得られたジオキサジン化合物の構造は、質
量スペクトル(FDMS)にて確認した。 <二色性比の評価>実施例1と同様に、得られた式(1
4)で示される非対称ジオキサジン化合物を液晶組成物
E7(メルク社製)に0.1重量%混合した液晶組成物
と、液晶組成物E7とを、それぞれ測定セルに注入し、
吸光度、二色比及び吸収半値幅を測定した。結果を表1
に示す。
【0095】比較例1 <ジアニリド化合物の合成>式(15)で示されるアニリ
ン体1.6g、クロラニル0.6g及び酢酸ナトリウム
0.6gを、エタノール50g中に加え7時間還流させ
た。反応マスを水100mlにチャージし、濾過した。
水洗、温水洗、5%塩酸水、水洗して乾燥させ、式(1
6)で示されるジアニリド化合物1.4gを得た。
【0096】
【化26】
【0097】
【化27】
【0098】<ジオキサジン化合物の合成>得られたジ
アニリド化合物1.4g及びベンゾイルクロライド0.
3gを、ニトロベンゼン40g中に加え、150〜16
0℃で4時間保温した。冷後生じた沈殿物を濾取した。
この沈殿物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて
精製を繰り返しジオキサジン化合物を得た。得られた色
素の構造はFDMSにて確認したところ下記構造式(1
7)で示される化合物であった。
【0099】
【化28】
【0100】<二色比の評価>得られたジオキサジン色
素を液晶組成物E7(メルク社製)に0.1重量%混合し
た。これを測定セルに注入し、実施例1と同様に各測定
を行なった。結果を表1に示す。
【0101】比較例2 式(18)で示されるジオキサジン色素を液晶組成物E7
(メルク社製)に0.1重量%混合した。これを測定セル
に注入し、実施例1と同様に各測定を行なった。結果を
表1に示す。
【0102】
【化29】
【0103】比較例3 <二色比の評価>式(19)で示されるアゾ色素(日本感
光色素(株)製、G205)を液晶組成物E7(メルク社
製)に0.1重量%混合した。これを測定セルに注入
し、実施例1と同様に各測定を行なった。結果を表1に
示す。
【0104】
【化30】
【0105】
【表1】
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で測定した測定セルの偏光吸収スペク
トルを示すチャートである。
【符号の説明】
1:測定セルのラビング方向と同一方向に偏向した光に
対する吸収スペクトル 2:測定セルのラビング方向に垂直な方向に偏向した光
に対する吸収スペクトル 3:波長W1 4:波長W2 5:吸収半値幅 6:吸収スペクトルのピーク
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成12年5月22日(2000.5.2
2)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0041
【補正方法】変更
【補正内容】
【0041】(式中、Y1〜Y3は、それぞれ独立に前記
式(2)又は(3)で示される構造から選ばれる基を表す
が、Y1〜Y3の中少なくとも1つは、式(2)で表される
構造の基であり、Xは、水素原子、ハロゲン原子、シア
ノ基、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アシル
アミノ基又はカルボン酸エステル基を表す。) 前記2,5-ジアミノ-1,4-ベンゾキノン化合物は、例えば、
米国特許第2267741号明細書に示された方法に準じて合
成することができる。すなわち、 3-アルコキシ-2,5,6-
トリクロロ-1,4-ベンゾキノン化合物、式(4A)で示される
アニリン化合物及び式(4B)で示されるアミノナフタレン
化合物を一度に混合し反応させる方法、又は3-アルコキ
シ-2,5,6-トリクロロ-1,4-べンゾキノン化合物を式(4A)
で示されるアニリン化合物及び式(4B)で示されるアミノ
ナフタレン化合物の一方と反応させた後、式(4A)で示さ
れるアニリン化合物及び式(4B)で示されるナフタレン化
合物の他方を反応させる方法等により合成することがで
きる。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0045
【補正方法】変更
【補正内容】
【0045】また、式(4A)で示されるアニリン化合物及
び式(4B)で示されるアミノナフタレン化合物の一方並び
に3-アルコキシ-2,5,6-トリクロロ-1,4-ベンゾキノン化
合物の反応と,式(4A)で示されるアニリン化合物及び式
(4B)で示されるアミノナフタレン化合物の他方並びに3-
アルコキシ-2,5,6-トリクロロ-1,4-ベンゾキノン化合物
の反応との間で、互いに異なる反応媒体を用いてもよい。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0069
【補正方法】変更
【補正内容】
【0069】吸収半値幅=|W1−W2実施例1 <式(5)で示される2,5−ジアミノ−1,4−ベン
ゾキノン化合物の合成>米国特許第2267741号明
細書に示された方法と同様に、3−エトキシ−2,5,
−トリクロロ−1,4−ベンゾキノン化合物から式
(5)で示される2,5−ジアミノ−1,4−ベンゾキノ
ン化合物を合成した。得られた化合物の構造は質量スペ
クトル(FDMS)にて確認した。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0078
【補正方法】変更
【補正内容】
【0078】実施例2 <式(7)で示される2,5−ジアミノ−1,4−ベン
ゾキノン化合物の合成>米国特許第2267741号明
細書に示された方法と同様に、3−エトキシ−2,5,
−トリクロロ−1,4−ベンゾキノン化合物から式
(7)で示される2,5−ジアミノ−1,4−ベンゾキノ
ン化合物を合成した。得られた化合物の構造は質量スペ
クトル(FDMS)にて確認した。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田中 利彦 茨城県つくば市北原6 住友化学工業株式 会社内 (72)発明者 芦田 徹 茨城県つくば市北原6 住友化学工業株式 会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 式(1−1)又は式(1−2)で示される非
    対称ジオキサジン化合物。 【化1】 (式(1−1)及び(1−2)中、Y1〜Y3は、それぞれ独
    立に式(2)又は式(3)で示される基を表し、かつY1
    3の少なくとも1つは式(2)で示される基である。X
    は、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、アルキル基、
    アリール基、アルコキシ基、アシルアミノ基又はカルボ
    ン酸エステル基を表す。) 【化2】 (式(2)及び(3)中、hは0〜2の整数、iは1〜2の
    整数、jは0〜2の整数を表す。Aは下記式で示される
    基からなる群(I)より選択される基を表す。) 【化3】 (ここで、kは1〜6の整数を表す。フェニレン基中の
    水素原子は、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数1〜
    12のアルコキシ基、炭素数1〜6のパーフルオロアル
    キル基又はハロゲン原子で置換されていても良い。ま
    た、(a)端及び(b)端を有する基の場合は(a)端はE又は
    Gと結合し、(b)端は式(2)のエステル基と結合する。) E、J及びMはそれぞれ独立に下記式で示される基から
    なる群(II)より選択される基を表す。 【化4】 (ここで、mは1〜12の整数を表し、q及びrは1〜
    8の整数を表す。フェニレン基中の水素原子は、炭素数
    1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭
    素数1〜6のパーフルオロアルキル基又はハロゲン原子
    で置換されていても良い。また、前記群(II)から選択さ
    れる、(a)端及び(b)端を有する基が式(2)における上記
    Eである場合、(a)端はG又はEに結合し、(b)端はA又
    はEに結合する。(a)端及び(b)端を有する基が式(3)に
    おける上記Jである場合、(a)端はM、J又はQに結合
    し、(b)端はJに結合するか又はトリフェノジオキサジ
    ン骨格に結合する。(a)端及び(b)端を有する基が式(3)
    における上記Mである場合、(a)端はM又はQに結合
    し、(b)端はM又はJに結合する。) G及びQはそれぞれ独立に下記式で示される基からなる
    群(III)より選択される基を表す。 【化5】 (ここで、nは1〜12の整数を表し、q、r及びsは
    それぞれ独立に1〜8の整数を表す。))
  2. 【請求項2】 請求項1記載の非対称ジオキサジン化合
    物からなる二色性色素。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の二色性色素の少なくとも
    一種と、液晶性物質とを含む液晶組成物。
  4. 【請求項4】 液晶材料として請求項3記載の液晶組成
    物の少なくとも一種を備えた液晶表示素子。
JP2000143649A 1999-05-27 2000-05-16 非対称ジオキサジン化合物、二色性色素、液晶組成物及び液晶表示素子 Pending JP2001049135A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000143649A JP2001049135A (ja) 1999-05-27 2000-05-16 非対称ジオキサジン化合物、二色性色素、液晶組成物及び液晶表示素子

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP14824699 1999-05-27
JP11-148246 1999-05-27
JP2000143649A JP2001049135A (ja) 1999-05-27 2000-05-16 非対称ジオキサジン化合物、二色性色素、液晶組成物及び液晶表示素子

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001049135A true JP2001049135A (ja) 2001-02-20

Family

ID=26478518

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000143649A Pending JP2001049135A (ja) 1999-05-27 2000-05-16 非対称ジオキサジン化合物、二色性色素、液晶組成物及び液晶表示素子

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2001049135A (ja)

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS61275703A (ja) * 1985-05-09 1986-12-05 Sumitomo Chem Co Ltd 高耐久偏光フイルム
JPH04212103A (ja) * 1990-01-10 1992-08-03 Bayer Ag トリフエンジオキサジン又はトリフエンジチアジン染料を含む偏光フイルム又は箔
JP2000044825A (ja) * 1998-05-29 2000-02-15 Agency Of Ind Science & Technol トリフェノジオキサジン化合物とその製造方法ならびに二色性色素および液晶組成物
JP2000219818A (ja) * 1997-12-25 2000-08-08 Sumitomo Chem Co Ltd 非対称ジオキサジン化合物およびそれを用いて繊維材料を染色または捺染する方法
JP2000327936A (ja) * 1999-05-18 2000-11-28 Sumitomo Chem Co Ltd ジオキサジン化合物及びそれを含有する染料系偏光膜
JP2001192581A (ja) * 2000-01-05 2001-07-17 Sumitomo Chem Co Ltd 非対称ジオキサジン化合物又はその塩及びそれらの適用

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS61275703A (ja) * 1985-05-09 1986-12-05 Sumitomo Chem Co Ltd 高耐久偏光フイルム
JPH04212103A (ja) * 1990-01-10 1992-08-03 Bayer Ag トリフエンジオキサジン又はトリフエンジチアジン染料を含む偏光フイルム又は箔
JP2000219818A (ja) * 1997-12-25 2000-08-08 Sumitomo Chem Co Ltd 非対称ジオキサジン化合物およびそれを用いて繊維材料を染色または捺染する方法
JP2000044825A (ja) * 1998-05-29 2000-02-15 Agency Of Ind Science & Technol トリフェノジオキサジン化合物とその製造方法ならびに二色性色素および液晶組成物
JP2000327936A (ja) * 1999-05-18 2000-11-28 Sumitomo Chem Co Ltd ジオキサジン化合物及びそれを含有する染料系偏光膜
JP2001192581A (ja) * 2000-01-05 2001-07-17 Sumitomo Chem Co Ltd 非対称ジオキサジン化合物又はその塩及びそれらの適用

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6596101B2 (ja) 光吸収異方性膜、偏光素子および画像表示装置
JP5186821B2 (ja) 二色性色素、及びそれを用いた液晶組成物、液晶素子
JPH0256456A (ja) アゾ系化合物及び該化合物を含有する液晶組成物
JPH0517274B2 (ja)
JP4139305B2 (ja) 二色性色素およびその組成物、二色性色素を含有する液晶組成物、ならびに液晶ディスプレイ素子
JP2001049135A (ja) 非対称ジオキサジン化合物、二色性色素、液晶組成物及び液晶表示素子
KR100647045B1 (ko) 비대칭 디옥사진 화합물, 이색성 색소, 액정조성물 및액정표시소자
JPH0457716B2 (ja)
KR100553514B1 (ko) 트리페노디옥사진 화합물, 그의 제조방법, 2 색성 색소로서의 용도 및 액정 조성물
JP2002294092A (ja) トリフェノジオキサジン化合物、その中間体、それら製造方法並びに二色性色素及び液晶組成物。
JP2000044825A (ja) トリフェノジオキサジン化合物とその製造方法ならびに二色性色素および液晶組成物
JPH1088143A (ja) 二色性色素、該色素を含む液晶組成物および液晶素子
JP5453805B2 (ja) 二色性色素
JP6631182B2 (ja) 新規なアゾ系二色性色素、並びに、該アゾ系二色性色素を含有する液晶組成物及び液晶素子
JPS6372760A (ja) アントラキノン系化合物及びこれを含有する液晶組成物
JP2567075B2 (ja) 液晶表示用二色性色素
JPS63502988A (ja) 液晶化合物、混合物及びデバイス
JP3593710B2 (ja) 二色性色素、該色素を含む液晶組成物および液晶素子
JPS62265355A (ja) 液晶組成物
JP6582716B2 (ja) 二色性色素、液晶組成物、及び液晶素子
JP3588813B2 (ja) 二色性色素、該色素を含む液晶組成物および液晶素子
JPS58157883A (ja) 液晶用二色性色素
JPH042626B2 (ja)
TWI290166B (en) Liquid crystal compounds, liquid crystal compositions and liquid crystal device employing the same
JPH06256675A (ja) 二色性色素、該色素を含む液晶組成物および液晶素子

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070423

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20070720

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20070831

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20090731

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100112

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20100518