JP2001047627A - インクジェットヘッド - Google Patents

インクジェットヘッド

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JP2001047627A
JP2001047627A JP22474599A JP22474599A JP2001047627A JP 2001047627 A JP2001047627 A JP 2001047627A JP 22474599 A JP22474599 A JP 22474599A JP 22474599 A JP22474599 A JP 22474599A JP 2001047627 A JP2001047627 A JP 2001047627A
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JP
Japan
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jet head
ink jet
diaphragm
glass substrate
electrode
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JP22474599A
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English (en)
Inventor
Yoichiro Miyaguchi
耀一郎 宮口
Takeshi Takemoto
武 竹本
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Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
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Publication date
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B41PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
    • B41JTYPEWRITERS; SELECTIVE PRINTING MECHANISMS, i.e. MECHANISMS PRINTING OTHERWISE THAN FROM A FORME; CORRECTION OF TYPOGRAPHICAL ERRORS
    • B41J2/00Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed
    • B41J2/005Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed characterised by bringing liquid or particles selectively into contact with a printing material
    • B41J2/01Ink jet
    • B41J2/135Nozzles
    • B41J2/14Structure thereof only for on-demand ink jet heads
    • B41J2/14314Structure of ink jet print heads with electrostatically actuated membrane

Landscapes

  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 コストが高くなる。 【解決手段】 振動板12を有する第1ガラス基板1と
電極15を設けた第2ガラス基板2とをSiO2膜1
3、18を介して接合した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はインクジェットヘッドに
関し、特に静電型インクジェットヘッドに関する。
【0002】
【従来の技術】プリンタ、ファクシミリ、複写装置、プ
ロッタ等の画像記録装置(画像形成装置)として用いる
インクジェット記録装置において使用するインクジェッ
トヘッドは、インク滴を吐出するノズル孔と、このノズ
ル孔が連通する吐出室(圧力室、加圧液室、液室、イン
ク流路等とも称される。)と、この吐出室内のインクを
加圧するエネルギーを発生するエネルギー発生手段とを
備えて、エネルギー発生手段を駆動することで吐出室内
インクを加圧してノズル孔からインク滴を吐出させるも
のであり、記録の必要なときにのみインク滴を吐出する
インク・オン・デマンド方式のものが主流である。
【0003】従来、吐出室内のインクを加圧するエネル
ギーを発生するエネルギー発生手段として、圧電素子を
用いて吐出室の壁面を形成する振動板を変形させて吐出
室内容積を変化させてインク滴を吐出させるようにした
もの(特開平2−51734号公報参照)、或いは、発
熱抵抗体を用いて吐出室内でインクを加熱して気泡を発
生させることによる圧力でインク滴を吐出させるように
したもの(特開昭61−59911号公報参照)などが
知られている。
【0004】しかしながら、前者の圧電素子を用いる方
式においては、吐出室に圧力を生じさせるために振動板
に圧電素子のチップを貼り付ける工程が複雑であり、高
速、高印字品質に対する限界があること、後者のインク
を加熱する方式においては、圧電素子を用いる場合の問
題は生じないものの、発熱抵抗体の急速な加熱、冷却の
繰り返し、気泡消滅時の衝撃によって、発熱抵抗体がダ
メージを受けるために、総じてインクジェットヘッドの
寿命が短くなるなどの不都合がある。
【0005】そこで、特開平6−71882号公報に記
載されているように、吐出室の壁面を形成する振動板と
電極とを平行に配置し、振動板と電極との間に発生させ
る静電力によって振動板を変形させることで、吐出室内
容積を変化させてインク滴を吐出させる静電型インクジ
ェットヘッドが提案されている。
【0006】このような静電型インクジェットヘッドに
おいても、高解像度の画像を高速に印字するためには、
ノズルやインク流路である吐出室、吐出室の壁面を形成
する振動板などを高密度に配置する必要があることか
ら、一般に、液室側には結晶面方位(110)のシリコ
ン基板を用いて異方性エッチングで吐出室等を形成し、
電極側にパイレックスガラスなどのガラス基板やシリコ
ン基板を用いて両者を接合するようにしている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述したよ
うな高密度配置の静電型インクジェットヘッドにシリコ
ン基板を用いる場合、シリコンウエハを用いて複数のヘ
ッドチップを作製して分割するようにしてもコストが高
くなるという課題がある。
【0008】本発明は上記の点に鑑みてなされたもので
あり、低コストの静電型インクジェットヘッドを提供す
ることを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
め、本発明に係るインクジェットヘッドは、インク流路
となる凹部又は貫通穴及び振動板を有する第1ガラス基
板と、振動板に対して少なくとも一端部側に連続的に傾
斜する傾斜領域を有する電極を設けた第2ガラス基板と
を接合した構成とした。また、第1ガラス基板にはノズ
ルを形成するための第3ガラス基板を接合した構成とし
た。
【0010】ここで、ガラス基板同士は0.05〜0.
5μmの厚さのSiO2層を介して接合することが好ま
しい。また、ガラス基板同士はガラス界面を活性化して
化学結合で接合することができる。この場合、ガラス界
面の活性化は、ガラス界面のアルカリイオンを溶出除去
し、フッ素イオンによるSiO2を部分溶出させて行う
ことができ、或いは、ガラス界面のアルカリイオンを溶
出除去し、多価金属イオンにイオン交換して行うことが
できる。さらに、ガラス基板同士は多価金属表面に亜鉛
化層を形成した層を介して接合することができる。
【0011】さらに、ガラス基板同士は、大気圧、加圧
0.1〜10kg/cm2、加熱200〜400℃の条
件下で接合し、或いは、1気圧減圧以下、加圧0.1〜
10kg/cm2、加熱200〜400℃の条件下で接
合し、若しくは、還元性ガス又は不活性ガス雰囲気、加
圧0.1〜10kg/cm2、加熱200〜400℃の
条件下で接合することができる。
【0012】また、電極は振動板に対して少なくとも一
端部側に直線的又は曲線的に傾斜する傾斜領域を有する
構成とすることができる。この場合、電極は少なくとも
傾斜領域の始点が直接又は絶縁膜を介して振動板と接触
している構成とすることが好ましい。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を添付
図面を参照して説明する。図1は本発明の第1実施形態
に係るインクジェットヘッドの長手方向の断面説明図、
図2は同ヘッドの短手方向の断面説明図である。
【0014】このインクジェットヘッドは、吐出室及び
振動板等を有する液室基板である第1ガラス基板1と、
この第1ガラス基板1の下側に設けた電極を設ける電極
基板である第2ガラス基板2と、ノズル連通路等を形成
するための天板である第3ガラス基板3とを備え、複数
(便宜上1個のみ図示する。)のインク滴を吐出するノ
ズル4、各ノズル4がノズル連通路5を介して連通する
インク流路である吐出室6、各吐出室6にインク供給路
を兼ねた流体抵抗部7を介して連通する共通インク室8
などを形成している。
【0015】第1ガラス基板1には、吐出室6を形成す
る貫通穴10と共通インク室8を形成する貫通穴11を
形成し、第2ガラス基板2側面に吐出室6の壁面を形成
するNi或いはNi−Crなどからなる振動板12を設
け、この振動板12の第2ガラス基板2側面にはSiO
2膜13を成膜している。
【0016】また、第2ガラス基板2にはギャップを形
成するための凹部14を形成して、この凹部14底面に
振動板12に対向する電極(第2の電極)15を設け、
振動板12と電極15との間にギャップ16を形成し、
これらの振動板12と電極15とによってアクチュエー
タ部を構成している。
【0017】そして、電極15の表面及び第2ガラス基
板2の第1ガラス基板1側面にはSiO2膜17、18
を成膜している。なお、第1ガラス基板1のSiO2
13と第2ガラス基板2のSiO2膜17、18との膜
厚は、両者を合わせて50〜5000Å(0.05〜
0.5μm)の範囲内にすることが好ましい。膜厚が
0.05μm未満では電極15の保護膜としての十分な
機能を果たさなくなり、0.5μmを越えると、振動板
12と電極15との間のギャップ16が大きくなりすぎ
るか、実効的なギャップ(ここではSiO2膜13、1
7表面間のギャップ)が小さくなりすぎる。
【0018】また、電極15としては、Al、Al合
金、Cr、Ni、Ni−Cr、Pt、Au、Mo等の金
属材料や、Ti、TiN、W等の高融点金属などを用い
ることができる。そして、電極15は、長手方向の一方
側から振動板12に対して直線的に傾斜する傾斜領域1
5aと、この傾斜領域15aに連続して振動板12に平
行な底部領域15cと、傾斜領域15aに連続して第2
ガラス基板2の上部に形成した上部領域15dを有して
いる。ここで、電極15の膜厚を300〜1000Åの
範囲内にすることで段差を小さくして且つ有効な傾斜領
域を形成することができる。なお、電極15の短手方向
では振動板12に対して平行な面として間隔(=空隙、
実効ギャップ)を設けている。
【0019】そして、電極15の傾斜領域15aの始点
19はSiO2膜18、13を介して振動板12に接触
させている。また、電極15の上部領域15dもSiO
2膜18、13を介して振動板12に接触させている。
【0020】ギャップ16の断面形状は、電極15に傾
斜領域15aを設けていることから長手方向一端部から
スロープ(傾斜)を有し、スロープの終点(最下点)か
ら所定の間隔で平行になる形状となる。このギャップ1
6の短辺方向、長辺方向の長さ、ギャップ深さ(ギャッ
プ寸法)等の寸法は、使用目的、変位範囲、駆動する電
圧等により選択されるが、一般的には、短辺長さ60〜
500μm、長辺長さは200〜4000μm、ギャッ
プ深さとしては0.1〜0.8μmの範囲で設定され
る。
【0021】第3ガラス基板3にはノズル4及びノズル
連通路5を形成する溝部21と、流体抵抗部7を形成す
る溝部22と、共通インク室8に外部からインクを供給
するインク供給口23を形成している。そして、この第
3ガラス基板3の第1ガラス基板1側面にもSiO2
24を形成している。
【0022】そして、第1ガラス基板1と第2ガラス基
板2とをSiO2膜13、18を介して接合している。
また、第1ガラス基板1と第3ガラス基板3もSiO2
膜24を介して接合している。これらのガラス基板1、
2或いはガラス基板1、3は、界面の活性化(SiO
*)の化学結合による接合、或いは化学処理による界面
活性化を行った後加熱及び加圧による接合、若しくは界
面活性化の化学処理を行った後陽極接合などで接合する
ことができる。
【0023】このように構成したインクジェットヘッド
においては、振動板12と電極15(いずれか一方を共
通電極とし、他方を個別電極とする。)との間に駆動電
圧を印加することによって静電力によって振動板12が
変形変位して、吐出室6の内容積が変化することによっ
てノズル4からインク滴が吐出される。
【0024】このインクジェットヘッドにおいては、振
動板の変位駆動方式として振動板12を電極15に当接
させないで状態で電極15側に変位させて、この状態か
ら放電して振動板12を復帰させることでインク滴を吐
出させる非当接駆動方式も可能であるが、振動板12を
電極15に当接するまで変位させて、この状態から放電
して振動板12を復帰させることでインク滴を吐出させ
る当接駆動方式の方が安定したインク滴吐出を行うこと
ができる。
【0025】ここで、電極15は上部領域15dから傾
斜領域15aの始点19までが振動板12に接触して実
効的なギャップ長が「0」であるので、駆動電圧を印加
したとき上部領域15dから傾斜領域15aの始点19
までの部分でクーロン力(静電力)が発生し、極めて低
電圧で振動板12が変形変位を開始する。
【0026】すなわち、静電アクチュエータは振動板1
2と電極15との間に発生する静電力と振動板12の剛
性力の釣り合いにより動作するが、この静電力は2つの
電極間の距離tの二乗に反比例するので、電極間距離t
が小さいほどより低い電圧Vで所望の静電力を得ること
ができる。
【0027】したがって、振動板12と電極15との間
のギャップ16は振動板12の端部側が小さくなってい
るために、駆動電圧の印加に従って振動板12の変位は
距離tが小さい端部から開始する。この時の変位開始電
圧は、振動板中央部の変位開始電圧より低い。そして、
振動板12の端部の変位開始に従い、振動板12と電極
15との間隔が順次小さくなり、小さな電圧増加で大き
な変位量が得られる。
【0028】そして、このインクジェットヘッドでは、
振動板12と電極15とは上述したように電極15の上
部領域15a及び傾斜領域始点19が振動板12に接触
しているので、振動板12は実効的なギャップ長「0」
から変位を開始し、より低電圧で変位を開始させること
ができると共に、傾斜領域始点19が振動板12に接触
していることから振動板12の変位開始位置のバラツキ
が低減する。
【0029】さらに、このインクジェットヘッドは、電
極15は傾斜領域15aに連続して振動板12に対して
平行な底部領域15cを有していることから、振動板1
2の一端部から他端部に向かって直線的に傾斜させた場
合に比べて、振動板12の最大変位領域を大きくとるす
ることができ、十分なインク滴体積でインク滴を吐出さ
せることができる。また、電極15は長手方向でのみ傾
斜領域15aを持たせて短手方向は振動板12に対して
平行な面に形成しているので、第1ガラス基板との接合
で凹凸の精度が高くなり、相互干渉(複数のチャンネル
間での影響)が少なくなる。
【0030】次に、このインクジェットヘッドの第1ガ
ラス基板1と第2ガラス基板2との接合、或いは第1ガ
ラス基板1と第3ガラス基板3との接合というガラス基
板同士の接合について図3及び図4をも参照して説明す
る。
【0031】先ず、2つのガラス基板は加圧及び加熱に
よって接合することができる。つまり、ガラス基板のガ
ラス界面のNaSiO3(Na、K、Ca)は加熱によ
る移動性を有することから、加熱することによって、他
方面にSiO2の非化学量論組成であるSiO(2-x)を形
成する。そこで、ガラス基板を貼り合わせて0.5〜1
0kg/cm2、250〜400℃の加圧及び加熱を1
時間程度行うことによって、表面反応が生じて2つのガ
ラス基板を接合することができる。なお、この接合方法
は青板ガラス同士の接合に用いることはできない。
【0032】また、2つのガラス基板は陽極接合で接合
することができる。つまり、図3に示すように、ガラス
基板31とガラス基板32とをSiO2層33を介して
貼り合わせ、200℃以上の高温状態で電界を印加する
と、特に青板ガラスはNa+伝導度でガラス内部抵抗が
小さいので、SiO2に電界が集中する。そこで、Si
2界面とNaSiO3 -との間でH2Oの脱水とSi-O-
Siの化学結合が起こり、2つのガラス基板31、32
が接合される。
【0033】さらに、ガラス界面の化学処理を行って接
合することができる。つまり、図4に示すように、ガラ
ス基板32のガラス界面のNa、K、Caイオン(アル
カリイオン)は、80℃−30分の熱H2SO4処理で溶
出するので、次に、BHF(HFとNH4OH)で5分
程度エッチングすることによってガラス界面を活性化す
る。
【0034】これにより、ガラス基板32のガラス界面
にはNaSiO3 -、HSiO3 -、Si-OHが付与され
る。これにクリーンなSiO2面33を有するガラス基
板31を貼り合わせ、0.5〜10kg/cm2で加圧
し、200℃以上で加熱しながら1時間程度保持するこ
とにより、脱水反応とSi-O-Siの結合が起こり接合
することができる。
【0035】すなわち、フッ酸(HF)でガラス表面を
ライトエッチングすると、ガラスの安定したNa2Si
3の一部であるSiO2がH2SiF6として一部溶出す
る。この溶出した部分は、化学結合が欠損した状態を表
面につくり、化学的に活性状態になる。この場合、空気
中に放置すると、酸素により酸化して安定化するので、
好ましくは30分以内程度で貼り合わせて加熱接合す
る。
【0036】さらに、ガラス基板の表面にイオン交換で
多価金属を付与することで、他方のガラス基板のガラス
界面の酸素イオンを共有することで化学結合を起こして
接合することができる。通常、イオン交換することで、
SiOH、SiO(OH)が表面に形成され、加熱時の
脱水反応があり、このとき活性化したSi-Oが他方の
ガラスのSiと反応して結合する。
【0037】ガラス基板表面の多価金属イオンへのイオ
ン交換は、金属元素、例えば、Cs、Sn、Zn、I
n、Sb、Al、W、Ti、Co、Mn、Au、Ag等
のイオンの1種又は2種以上の組み合わせをイオン注入
機で注入して行ったり、ガラス基板からカチオンの脱離
溶出処理後、スパッタ法、EB電子ビーム法、イオンプ
レーティング法などで多価金属イオンの金属蒸着膜を形
成し、或いは多価金属イオン溶液中に含浸して行うこと
ができる。
【0038】この場合、多価金属表面に亜酸化膜層を形
成して、他方のガラス基板のSiO (2-x)との反応性接
合を行うことができる。このとき、加圧・加熱法、陽極
接合法のいずれを用いることもできる。
【0039】次に、接合条件について説明すると、加圧
は0.1〜10kg/cm2、加熱は200〜400℃
が好ましく、このとき、大気圧下でもよく、或いは、1
気圧減圧以下でもよく、また、雰囲気は還元性ガス(H
2等)又は不活性ガス(N2、Ar、Heなど)下でもよ
い。
【0040】大気圧中でも接合する界面に接する大気の
量は少量であるので、接合を行うことができる。しか
し、より好ましくは、1気圧減圧下であり、これにより
脱水、余分な酸素を除去して妨害反応を防止し、接合反
応を促進することができる。また、還元性ガスや不活性
ガス雰囲気中で行うことにより、酸素ガスによる妨害反
応を制限して効率よく接合することができる。
【0041】このようにインク流路を形成する凹部又は
貫通穴と振動板を有する第1ガラス基板と電極を設けた
第2ガラス基板とを接合し、或いは、第1ガラス基板に
ノズル等を形成するための第3ガラス基板を接合してヘ
ッドを構成することで、コストを低減することができ、
また、膨張係数が同等の材料で接合することができて内
部応力が極めて少なくなる。
【0042】また、振動板に対向する電極は、長手方向
で、振動板に対して連続的に傾斜する傾斜領域と、この
傾斜領域に連続して振動板に対して平行な底部領域とを
有することで、インク滴体積を確保しつつ効率的に低電
圧で駆動することが可能になる。
【0043】次に、本発明の第2実施形態に係るインク
ジェットヘッドについて図5及び図6を参照して説明す
る。なお、図5は同ヘッドの長手方向の断面説明図、図
6は同ヘッドの長手方向の模式的説明図である。
【0044】このインクジェットヘッドにおいては、電
極15は長手方向の両側から振動板12に対して傾斜す
る傾斜領域15a,15aと、この傾斜領域15a、1
5aに連続して振動板12に平行な底部領域15cと、
傾斜領域15a、15aに連続して第2ガラス基板2の
上部に形成した上部領域15d、15dを有している。
【0045】そして、この場合、図5に示すように、イ
ンク流路である吐出室6に対応する振動板12の長さを
L、電極15の底部領域15cの長さをlとしたとき、
l/Lが0.1以上の関係にあり、且つ、振動板12と
電極15の底部領域15cとの間隔をHとしたとき、2
H/(L−l)が1/10を越えないようにしている。
【0046】この場合、l/Lの値が0.1未満になる
と、実効的な底部領域15cを形成できなくなって十分
な滴体積Mjを確保できなくなる。このl/Lの値は、
実効的な底部領域15cを確保するためには0.5以上
にすることが好ましい。また、2H/(L−l)の値が
1/10を越えると、傾斜領域15aの傾斜角度が大き
くなりすぎて、十分に低電圧化を図ることが困難にな
る。この2H/(L−l)の値は、十分な低電圧化を図
るためには1/50を越えないことが好ましい。
【0047】このように、電極の長手方向の両側から傾
斜領域を形成する場合、インク流路に対応する振動板の
長さL、電極の底部領域の長さlとしたとき、l/Lが
0.1以上の関係にあり、且つ、振動板と電極の底部領
域との間隔をHとしたとき、2H/(L−l)が1/1
0を越えないように構成することで、滴体積Mjを確保
した効率的な低電圧駆動を確実に行うことができる。
【0048】次に、本発明の第3実施形態に係るインク
ジェットヘッドについて図7乃至図9を参照して説明す
る。なお、図7は同ヘッドの長手方向の断面説明図、図
8は同ヘッドの短手方向の断面説明図、図9は同ヘッド
の短手方向の模式的説明図である。
【0049】このインクジェットヘッドにおいては、電
極15は短手方向の両側から振動板12に対して傾斜す
る傾斜領域15b,15bと、この傾斜領域15b、1
5bに連続して振動板12に平行な底部領域15cと、
傾斜領域15b、15bに連続して第2ガラス基板2の
上部に形成した上部領域15e、15eを有している。
また、電極15は長手方向では振動板12に対して平行
な面にして間隔(=空隙、実効ギャップ)を設けてい
る。
【0050】そして、この場合、図7に示すように、イ
ンク流路である吐出室6に対応する振動板12の幅を
W、電極15の底部領域15cの幅をwとしたとき、w
/Wが0.1以上の関係にあり、振動板12と電極15
の底部領域15との間隔をHとしたとき、2H/(W−
w)が0.1を越えないようにしている。
【0051】この場合、w/Wの値が0.1未満になる
と、実効的な底部領域15cを形成できなくなって十分
な滴体積Mjを確保できなくなる。また、2H/(W−
w)の値が1/10を越えると、傾斜領域15bの傾斜
角度が大きくなりすぎて、十分に低電圧化を図ることが
困難になる。この2H/(L−l)の値は、十分な低電
圧化を図るためには1/50を越えないこと、特に好ま
しくは1/50〜1/100である。
【0052】さらに、このインクジェットヘッドにおい
ても、電極15の傾斜領域15bの始点20はSiO2
膜17、13を介して振動板12に接触させている。ま
た、電極15の上部領域15eもSiO2膜17、13
を介して振動板12に接触させている。
【0053】このように、このインクジェットヘッドに
おいても、電極15は上部領域15eから傾斜領域15
bの始点20までが振動板12(第1ガラス基板1)に
接触し、実効的なギャップ長が「0」であるので、駆動
電圧を印加したとき上部領域15eから傾斜領域15b
の始点20までの部分でクーロン力(静電力)が発生
し、極めて低電圧で振動板12が変形変位を開始する。
それと共に、傾斜領域始点20が振動板12に接触して
いることから振動板12の変位開始位置のバラツキが低
減する。
【0054】また、電極15は傾斜領域15bに連続し
て振動板12に対して平行な底部領域15cを有してい
ることから、振動板12の一端部から他端部に向かって
直線的に傾斜させた場合に比べて、振動板12の最大変
位領域を大きくとるすることができ、十分なインク滴体
積でインク滴を吐出させることができる。さらに、短手
方向に傾斜領域15bを設けることで傾斜領域の面積が
大きくなってより低電圧化を図ることができるとともに
長手方向端の接合を完全化できて相互干渉が低減する。
【0055】なお、上記各実施形態においては、第1ガ
ラス基板にNi等で形成した振動板を設けた例で説明し
たが、ガラス基板自体で振動板を形成することもでき
る。また、振動板と電極の平面形状を矩形とした例で説
明したが、平面形状を台形、三角形とすることもでき
る。また、本発明をインクジェットヘッドに適用した例
で説明しているが、振動板と電極とを用いるその他の静
電型アクチュエータにも同様に適用することができる。
さらに、上記実施形態ではノズル等を第3ガラス基板で
形成しているが、ノズル等を他の材質のもので形成する
こともできる。さらにまた、電極の傾斜領域は直線的な
傾斜としたが、曲線的な傾斜とすることもできる。
【0056】また、ノズル、加圧室、流体抵抗部、共通
インク室の形状、配置、形成方法は本発明の趣旨を越え
ない範囲で適切に変更することができる。例えば、上記
実施形態においては、ノズルは振動板の変位方向と直交
する方向にインク滴が吐出するように形成したエッジシ
ュータ方式のインクジェットヘッドに適用しているが、
ノズルを振動板の変位方向と同方向にインク滴が吐出す
るように形成したサイドシュータ方式のインクジェット
ヘッドにも同様に適用することができる。
【0057】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係るイン
クジェットヘッドによれば、インク流路及び振動板を形
成した第1ガラス基板と、振動板に対して少なくとも一
端部側に連続的に傾斜する傾斜領域を有する電極を設け
た第2ガラス基板とを接合してヘッドを構成したので、
コストを低減することができる。また、第1ガラス基板
にはノズルを形成するための第3ガラス基板を接合して
ヘッドを構成したので、更にコストを低減することがで
きる。
【0058】ここで、ガラス基板同士は0.05〜0.
5μmの厚さのSiO2層を介して接合することで、容
易に接合することができる。また、ガラス基板同士はガ
ラス界面を活性化して化学結合で接合することがで、ヘ
ッドを容易に製作することができる。この場合、ガラス
界面の活性化は、ガラス界面のアルカリイオンを溶出除
去し、フッ素イオンを部分溶出させて行うことで、接合
強度を上げることができる。また、ガラス界面のアルカ
リイオンを溶出除去し、多価金属イオンにイオン交換し
て行うことでも、接合強度を上げることができる。この
場合、多価金属表面に亜鉛化層を形成した層を介して接
合することで、より高い強度で接合することができる。
【0059】さらに、ガラス基板同士は、大気圧下、加
圧0.1〜10kg/cm2、加熱200〜400℃で
接合することで、簡単な設備で接合することができる。
また、1気圧減圧以下、加圧0.1〜10kg/c
2、加熱200〜400℃で接合することで、妨害反
応を抑制して接合反応を促進することができる。更に、
還元性ガス又は不活性ガス雰囲気下で、加圧0.1〜1
0kg/cm2、加熱200〜400℃で接合すること
で、酸素ガスによる妨害反応を制限して、効率よく接合
することができる。
【0060】また、電極は振動板に対して少なくとも一
端部側に直線的又は曲線的に傾斜する傾斜領域を有する
構成とすることで、インク滴体積を確保しつつ低電圧駆
動を達成できる。この場合、電極は少なくとも傾斜領域
の始点が直接又は絶縁膜を介して振動板と接触している
構成とすることで、変位開始位置のバラツキを低減する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係るインクジェットヘ
ッドの長手方向の断面説明図
【図2】同ヘッドの短手方向の断面説明図
【図3】ガラス基板の陽極接合の説明に供する説明図
【図4】ガラス基板の化学処理による接合の説明に供す
る説明図
【図5】本発明の第2実施形態に係るインクジェットヘ
ッドの長手方向の断面説明図
【図6】同ヘッドの長手方向の模式的断面説明図
【図7】本発明の第3実施形態に係るインクジェットヘ
ッドの長手方向の断面説明図
【図8】同ヘッドの短手方向の断面説明図
【図9】同ヘッドの短手方向の模式的断面説明図
【符号の説明】
1…第1ガラス基板、2…第2ガラス基板、3…第3ガ
ラス基板、4…ノズル、6…吐出室、7…流体抵抗部、
8…共通インク室、12…振動板、13、17、18…
SiO2膜、15a、15b…傾斜領域、15c…底部
領域、15d、15e…上部領域、16…ギャップ、1
9,20…傾斜領域の始点。

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 インク滴を吐出するノズルが連通するイ
    ンク流路と、このインク流路の壁面を形成する振動板
    と、この振動板に対向する電極とを備え、前記振動板と
    電極との間の静電力で振動板を変位させて前記ノズルか
    らインク滴を吐出するインクジェットヘッドにおいて、
    前記インク流路を形成する凹部又は貫通穴及び前記振動
    板を有する第1ガラス基板と、前記電極を設けた第2ガ
    ラス基板とを接合したことを特徴とするインクジェット
    ヘッド。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のインクジェットヘッド
    において、前記第1ガラス基板には前記ノズルを形成す
    るための第3ガラス基板を接合したことを特徴とするイ
    ンクジェットヘッド。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2に記載のインクジェット
    ヘッドにおいて、前記ガラス基板同士は0.05〜0.
    5μmの厚さのSiO2層を介して接合していることを
    特徴とするインクジェットヘッド。
  4. 【請求項4】 請求項1乃至3のいずれかに記載のイン
    クジェットヘッドにおいて、前記ガラス基板同士は少な
    くとも一方のガラス界面が活性化されて化学結合で接合
    していることを特徴とするインクジェットヘッド。
  5. 【請求項5】 請求項4に記載のインクジェットヘッド
    において、前記ガラス界面の活性化は、ガラス界面のア
    ルカリイオンを溶出除去し、フッ素イオンによるSiO
    2を部分溶出させて行われていることを特徴とするイン
    クジェットヘッド。
  6. 【請求項6】 請求項4に記載のインクジェットヘッド
    において、前記ガラス界面の活性化は、ガラス界面のア
    ルカリイオンを溶出除去し、多価金属イオンにイオン交
    換して行われていることを特徴とするインクジェットヘ
    ッド。
  7. 【請求項7】 請求項6に記載のインクジェットヘッド
    において、前記イオン交換をしたガラス基板の多価金属
    表面に亜鉛化層を形成して接合していることを特徴とす
    るインクジェットヘッド。
  8. 【請求項8】 請求項1乃至7のいずれかに記載のイン
    クジェットヘッドにおいて、前記ガラス基板同士は、大
    気圧、加圧0.1〜10kg/cm2、加熱200〜4
    00℃の条件下で接合されたことを特徴とするインクジ
    ェットヘッド。
  9. 【請求項9】 請求項1乃至7のいずれかに記載のイン
    クジェットヘッドにおいて、前記ガラス基板同士は、1
    気圧減圧以下、加圧0.1〜10kg/cm 2、加熱2
    00〜400℃の条件下で接合されたことを特徴とする
    インクジェットヘッド。
  10. 【請求項10】 請求項1乃至7のいずれかに記載のイ
    ンクジェットヘッドにおいて、前記ガラス基板同士は、
    還元性ガス又は不活性ガス雰囲気、加圧0.1〜10k
    g/cm2、加熱200〜400℃の条件下で接合され
    たことを特徴とするインクジェットヘッド。
  11. 【請求項11】 請求項1乃至10のいずれかに記載の
    インクジェットヘッドにおいて、前記電極は前記振動板
    に対して少なくとも一端部側に直線的又は曲線的に傾斜
    する傾斜領域を有することを特徴とするインクジェット
    ヘッド。
  12. 【請求項12】 請求項11に記載のインクジェットヘ
    ッドにおいて、前記電極は少なくとも傾斜領域の始点が
    直接又は絶縁膜を介して前記振動板と接触していること
    を特徴とするインクジェットヘッド。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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