JP2005169993A - インクジェット記録ヘッドおよびインクジェット記録ヘッドの製造方法 - Google Patents

インクジェット記録ヘッドおよびインクジェット記録ヘッドの製造方法 Download PDF

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隆志 牛島
Takeo Yamazaki
剛生 山▲崎▼
Makoto Terui
真 照井
Kazuhiro Hayakawa
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Abstract

【課題】 共通液室内に、基板の機械的強度を向上させる梁を形成可能な、インクジェット記録ヘッドの製造方法を提供する。
【解決手段】 シリコンからなる基板1をベースとした前駆体21aを用意する。前駆体21aの下面には2つの開口部18a、bを備えた第1のマスクが設けられている。開口部18aのみが開放された状態で基板1に対して斜め方向にエッチングし、次いで開口部18bのみが開放された状態で同様に斜め方向にエッチングし溝19a、bを形成する。第3のマスク部材11cを取り外した後、異方性エッチングによって両溝19a、bの内壁および残留部18a、bをエッチングし、共通液室9を形成する。その後、樹脂層13等を順次除去し、インクジェット記録ヘッド21を完成する。
【選択図】 図6

Description

本発明は、インクを吐出させて被記録媒体に記録を行うインクジェット記録ヘッドおよびその製造方法に関するものである。
インクを加熱して気泡を生成させ、この気泡の生成に基づいてインクを吐出し、これを被記録媒体上に付着させて画像形成を行う、インクジェット記録方式(例えば、特許文献1参照)は、高速記録が可能であり、また比較的記録品質も高く、低騒音であるという利点を有している。この方法では、カラー画像記録が比較的容易であって、普通紙等にも記録でき、装置の小型化も容易であり、さらに、記録ヘッドにおける吐出口を高密度に配設することが可能となるため、記録画像の高解像度化や高品質化に寄与する。この吐出方法を用いた記録装置(インクジェット記録装置)は、複写機、プリンタ、ファクシミリ等における情報出力手段として種々使用されている。
従来のインクジェット記録装置およびインクを吐出する記録ヘッドの一例の概略を以下に示す。
図13に示すインクジェット記録装置は、記録紙を給紙する給紙部1509と、給紙された記録紙にインクを吐出して記録を行う記録部1510と、記録が終了した記録紙を排紙する排紙部1511とを有し、給送部1509から給送された記録紙に対して記録部1510で記録を行い、記録が終了した記録紙を排出部1511に排出するものである。
記録部1510は、ガイド軸1506に摺動自在に保持され、記録紙の幅方向に往復移動自在に構成されたキャリッジ1503と、キャリッジ1503に着脱自在に保持される記録ユニット1501および複数のインクカートリッジ1502を備えている。
記録ユニット1501は、例えば、図14に示すように、ホルダー1602に記録ヘッド1601を取り付けたものであり、記録ヘッド1601は複数の吐出口104を有している。ホルダー1602には、各インクカートリッジ1502のインクを記録ヘッド1601の吐出口104に供給するためのインク流路(不図示)形成されている。
この種の記録ヘッド1601の構造を以下に説明する。
記録ヘッド1601は、吐出口104と、吐出口104に連通してインクを供給するインク流路(不図示)と、そのインク流路内に設けられた図示しない、エネルギー発生手段である電気熱変換素子(発熱体)とを備えている。発熱体(不図示)は、いずれも不図示の、発熱抵抗層、その発熱抵抗層をインクから保護するための上部の保護層、および蓄熱するための下部の保護層とを備え、不図示の電極配線が電気的に接続されている。電極配線を介して発熱体(不図示)にパルス的な通電(駆動パルスの印加)がなされることにより、発熱体(不図示)は熱エネルギーを発生し、この熱エネルギーの作用によりインクが加熱され、インク内に気泡が発生し、この気泡の発生に基づく作用力によって、吐出口104からインク液滴が吐出される。このインク液滴が記録紙に付着することにより情報の記録が行われる。
ところで、近年、データ量の多い画像情報を出力する要求が高まっており、高精細な画像を高速に記録することが望まれてきている。高精細な画像を出力するには、微細なインク液滴を安定に吐出することが求められ、そのためには、吐出口104を高密度かつ高精度に形成する必要がある。
例えば特許文献2、3には、吐出口を高密度かつ高精度に形成可能な、インクジェット記録ヘッドの製造方法が提案されている。また、特許文献4には、特許文献2、3に記載の吐出口の製造方法において、吐出口が形成されたオリフィスプレートにリブ構造を形成する方法が提案されている。これらの文献に提案されているインクジェット記録ヘッドは、発熱体が形成された基板に対して、インク液滴が垂直方向に吐出する、いわゆる「サイドシュータ型」のインクジェット記録ヘッドである。
この、「サイドシュータ型」のインクジェット記録ヘッドにおいては、吐出口を高密度に配置しようとすれば当然ながら吐出口どうしの間隔が狭くなり、その結果、各吐出口までのインク流路は狭くなる。インク流路が狭くなると、インクの発泡後にインクが再びインク流路に満たす時間(リフィル時間)が長くなる。このリフィル時間を短くするためには、発熱体とインク供給口との間の距離を短くする必要がある。
インク供給口と発熱体との距離を精確に制御する方法として、シリコンの結晶方位面に応じたエッチング速度差を利用する、アルカリ水溶液を用いたシリコン結晶異方性エッチング(異方性エッチング)が知られている。この方法では、一般的に、方位面が(100)のシリコンウエハを基板として用い、その基板の裏面よりシリコン結晶異方性エッチングを行いインク供給口を精度良く形成することにより、発熱体とインク供給口との距離の制御を行う。
開口部をより高精度に形成するため、例えば特許文献5では、シリコン基板の表面に形成した犠牲層と異方性エッチングとを組み合せたインク供給口の製造方法が提案されている。
インクジェット記録ヘッドの製造において、このシリコン結晶異方性エッチングはインク供給口を精度良く形成することができるため有用な技術となっている。
図15は、従来のインクジェット記録ヘッドの一例を示す図であり、図15(a)は吐出口側から見た図であり、図15(b)は図15(a)のC−C線における断面図である。
図15に示すように、インクジェット記録ヘッド1601は、シリコンからなる基板101上に、薄い板状に形成されたオリフィスプレート103が位置決め固定されることにより構成されている。
オリフィスプレート103は、例えば樹脂材料からなり、複数の吐出口104が形成されている。なお、上述した特許文献4によれば、このオリフィスプレート103にリブ構造を設けることにより、オリフィスプレート103の変形等が防止される。
基板101には、オリフィスプレート103の各吐出口104にインクを供給するための1つのインク供給口102が長穴として形成されている。オリフィスプレート103と基板101の間には、図15(b)に示すように、インク流路106が、インク供給口102とそれぞれの吐出口104とに連通するように形成されている。このインク流路106内には発熱体107が設けられており、発熱体107は各吐出口104に対応するように、インク供給口102を間に置いて配列されている。
このように形成されたインクジェット記録ヘッド1601では、インク流路106がインクで充填された状態で発熱体107を駆動することにより、インクが発泡し、この発泡を駆動力としてインクが吐出口104から吐出されるものである。
特開昭54―51837号公報 特開平5―330066号公報 特開平6―286149号公報 特開平10−146979号公報 特開平10―181032号公報
しかしながら上述したような従来のインクジェット記録ヘッドでは、以下のような問題点があった。
特許文献2、3によるインクジェット記録ヘッドによれば、高精細画像を高速で記録できるようにするためには、吐出口を高密度に配置するとともに、吐出口の配列長さを長尺にしてより多くの吐出口を配置し、それにより記録の出力幅を大きくすればよい。しかし、このように吐出口数を増やすと、インク供給口の開口長は吐出口数に応じて長くなり、基板の機械的強度が低下する。機械的強度の低下は、インクジェット記録ヘッドの製造工程における基板の変形または破損等の原因となる。
これに対して、オリフィスプレートにリブ構造を形成する特許文献4の技術によれば、インクによって膨潤する際のオリフィスプレートの変形を防止することは可能であるが、インクジェット記録ヘッド全体の強度を十分に向上させること困難である。つまり、樹脂材料等からなるオリフィスプレート自体の強度を向上させたところで、無機材料(シリコン)からなる基板のヤング率がオリフィスプレートと比較して2桁から5桁程度大きいため、インクジェット記録ヘッドの機械的強度は実質的には基板によるためである。
インクジェット記録ヘッドの長尺化に伴う機械的強度の低下によって生じる、基板の変形または破損等の問題点を以下により具体的に説明する。
(1)膜応力による基板の変形
一般に、インクジェット記録ヘッドの基板上には、発熱体が形成された発熱抵抗層、発熱体が発生させた熱を蓄熱する蓄熱層、保護層、および、発熱体へ電力を供給するための配線電極等が形成され、さらにその上にオリフィスプレートが位置決め固定されている。このように複数の層からなるインクジェット記録ヘッドでは、通常、各層の薄膜応力によって基板内に圧縮または引張応力が生じる。
例えば引張応力の場合、図16(基板101のみを模式的に示す。)に示すように、長尺のインクジェット記録ヘッドでは、インク供給口102が形成されていることで応力が開放され、基板101の幅方向に曲げモーメントが発生し、インク供給口102の側壁(基板101)が内側に向かって湾曲する。このように基板101が湾曲すると、インク供給口102の幅に、その長手方向の端部と中心部とで差が生じる。その結果、オリフィスプレート(不図示)も変形するため、吐出口(不図示)の位置が所定の位置に対してズレることとなる。この、吐出口のズレ量は、基板の湾曲に起因したものであるため、インクジェット記録ヘッドが長尺になるにつれて大きくなる。吐出口のズレ量が大きいほど、記録時のムラや画像の歪みといった記録不良が顕著となる。
(2)ハンドリングによる基板の破損
インクジェット記録ヘッドの製造においては、通常、複数のインクジェット記録ヘッドを基板上に一括に形成した後、個々にチッピングされる。次いで、チッピングされた個々のインクジェット記録ヘッドは、ハンドリング手段でハンドリングされ、そのヘッドにインクを供給するための流路が形成された流路部材の所定の位置にアライメントされる。しかし、例えば図16に示したような、1つのインク供給口が長尺に形成されたインクジェット記録ヘッド1601では、1つのインク供給口102が貫通孔として基板101の中央に形成され、基板101は枠状となっているため、強度が低下し、ハンドリング手段でハンドリングした際に破壊するおそれがある。すなわち、そのようなインクジェット記録ヘッドを掴んだ際に曲げモーメントが発生し、枠状に形成された基板101の角部に応力が集中して破損するおそれがあり、こうした破損は製造歩留りの低下につながる。
(3)流路部材との接合時の、熱応力による基板の変形、破損
インクジェット記録ヘッドの製造においては、インクジェット記録ヘッドの基板は、耐インク性に優れた熱硬化性接着剤を用いてマウント用の流路部材に接着固定される。ところで、流路部材は、加工性や製造コストの点から樹脂部材で構成されている場合が多い。しかし、このようにシリコンからなる基板と樹脂部材からなる流路部材とを貼り合わせたものでは、両部材の熱膨張率の差に起因して、高温から常温に戻ったときにインクジェット記録ヘッド中に熱応力が発生する。この熱応力により、インクジェット記録ヘッドは例えば図17に示すように変形する可能性がある。
図17に示すインクジェット記録ヘッド1601は、基板101が、インク供給口102の開口幅が狭くなる方向に変形しているため、基板101上のオリフィスプレート103にも同方向の負荷が加わり、オリフィスプレート103が図示するように例えば上方に向かって膨らむように変形する。この変形により吐出口の軸線は、基板101の基板面に対して傾斜するため、インクの吐出方向も傾斜してしまう。吐出方向が傾斜することは、ムラや画像の歪みといった記録不良の原因となる。また、熱応力が、基板の所定の降伏応力を超えれば、基板が割れるおそれもある。
上述のように、インクジェット記録ヘッドを長尺化すると、歩留まりの低下や記録不良といった問題点が発生する。
そこで、この問題点を解決するため、長尺の1つインク供給口に代えて複数のインク供給口を形成する方法が考えられる。すなわち、例えば図18(a)に示すように、複数のインク供給口102aを一列に並べて形成することにより、各インク供給口102a間に梁101aを形成し、基盤101の変形を防止する方法である。
この場合、一般に、梁101aは異方性エッチングにより形成されるため、図18(b)に示すように、(111)面が54.7°をなすように形成される。梁101aは、基板101の裏面側での梁の幅はLbであり、基盤101の表面側の梁の幅はLtである断面逆台形状となる。したがって、例えば、裏面側での梁幅Lbが50μmであったとしても、表面側の梁幅Ltが940μmとなることもある。その結果、基板101の表面側におけるインク供給口102aの開口部どうしは必然的に互いに離れて形成され、各インク流路106までの流路の長さが不均一となる。さらに、梁幅Ltが940μmの場合には、開口部からもっとも遠いインク流路106までの距離が400μmを超え、このような構造では、インクのリフィル時間が極めて遅くなるため、実用的な印字速度を得ることができない。
以上説明したように、高精細な画像を形成可能なインクジェット記録ヘッドを形成するには、その構造をサイドシュータ型とし、かつ、シリコン結晶異方性エッチングでインク供給口を形成することが望ましく、また、高速印字を達成するには、インクのリフィル時間を短くしつつ、インク供給口を長尺にするとよい。しかし、長尺のインクジェット記録ヘッドは、製造時の歩留りの低下や記録不良が発生の原因となるおそれがあった。
そこで本発明は、基板の変形を抑えることで吐出口の位置ズレを低減するとともに、機械的強度が高く、ハンドリングやマウント時の破損を回避し、結果的に高精細かつ高速な記録を行うことが可能な、長尺に形成することができる、インクジェット記録ヘッドおよびインクジェット記録ヘッドの製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明によるインクジェット記録ヘッドは、インクを吐出する吐出口に供給されるインクを貯留する共通液室と、前記吐出口からインクを吐出するために利用されるエネルギーを発生するエネルギー発生手段とを備えた基板を有するインクジェット記録ヘッドにおいて、前記共通液室内であって前記基板の裏面側に、前記基板と同一材料からなる断面が三角形状の梁が少なくとも1つ設けられていることを特徴とする。
本発明のインクジェット記録ヘッドによれば、インクジェット記録ヘッドの共通液室内であって基板の裏面側に基板と一体に梁が形成されているため、基板の機械的強度が向上する。また、この構造によれば共通液室は、基板の表面側に共通のインク供給口を開口するように形成される。
また、本発明によるインクジェット記録ヘッドの製造方法は、インクを吐出する吐出口に供給されるインクを貯留する共通液室と、前記吐出口からインクを吐出するために利用されるエネルギーを発生するエネルギー発生手段とを備えた基板を有するインクジェット記録ヘッドの製造方法において、
(a)前記基板の裏面に、基板面に対して斜め方向に複数の溝を形成する工程と、
(b)前記溝に露出した前記基板の一部を除去することにより、前記基板に貫通孔を形成し、隣接する前記溝どうしを連通させ、梁と、前記基板の表面側に共通のインク供給口が開口した前記共通液室とを形成する工程とを含むことを特徴とする。
本発明のインクジェット記録ヘッドの製造方法によれば、上記本発明のインクジェット記録ヘッドが良好に製造される。
本発明のインクジェット記録ヘッドおよびその製造方法によれば、共通液室内に形成された梁によってインクジェット記録ヘッドの機械的強度が向上するため、インクジェット記録ヘッドの変形が防止されて吐出口の位置ズレを防止でき、また、インクジェット記録ヘッド長尺に形成することができるため、高精細かつ高速な記録を行うことが可能となる。また、製造工程における破損も防止されるため、製造歩留まりが向上する。また、基板の表面側に共通のインク供給口が開口するためインクのリフィル時間に関する問題が防止され、吐出の周波特性が均一化するとともに高速な記録が実現される。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
(第1の実施形態)―インクジェット記録ヘッド―
図1は、本実施形態によるインクジェット記録ヘッドの一例を示す斜視図である。図2は、図1のインクジェット記録ヘッドの断面図であり、図2(a)は短手方向に切断した断面図を示し、図2(b)は長手方向に切断した断面図を示している。
図1に示すように、本実施形態のインクジェット記録ヘッド20は、シリコン単結晶の部材からなる基板1と、複数の吐出口4を備え、基板1上に接着固定されたオリフィスプレート3とを備え、基板1には、共通液室9が形成されており、共通液室9内には梁1aが形成されている。なお、オリフィスプレート3は、図15に示したオリフィスプレート103と実質的に同一であるためその詳細な説明を省略し、以下、基板1に形成された梁1aの周辺の構造について詳細に説明する。
共通液室9は、図2に示すように、基板1を貫通する形状に形成されている。図示するように、基板1によって構成されている共通液室9の側壁(内壁)の方位面は(111)となっている。また、共通液室9の側壁は、基板1の両面から(111)面が露出する角度に形成されており、表面側(上面側)の開口部から連続する(111)面と、裏面側の開口部から連続する(111)面とが、基板1の板厚方向(図面Z方向)の中間部で交差している。この2つの(111)面が交差した部分は、共通液室9の外側に向かって突出するように形成されている。
梁1aは、基板1全体を補強するための構造体であり、図2に示すように、断面三角形に形成され、梁1aの3つの側面のうちの1面が基板1の裏面と一致している。梁1aの数は特に限定されるものではないが、図示するインクジェット記録ヘッド20では、1本の梁1aが形成されている。梁1aは、基板1の基板面に対して平行な方向であって、図面Y方向に延びるように形成され、その両端が基板1によって支持されている。断面三角形状の3つ面のうちの他の2面、すなわち上側の2面は共通液室9内に面しており、その方位面は(111)となっている。図2(b)に示すように、梁1aの高さ、すなわち、基板1の板厚方向(図面Z方向)における梁1aの寸法は、基板1の板厚よりも小さい値となっている。これにより、梁1aの上方が共通液室9の一部として形成され、基板1の表面側に開口している。
なお、梁1aの上側の2面は必ずしも(111)面である必要はない。
以上説明した、本発明の一実施形態によるインクジェット記録ヘッド20によれば、共通液室9内に梁1aが形成されているため、基板1の機械的強度が向上する。したがって、例えばインク供給口2を長尺に形成した場合であっても、梁1aによって基板1の変形が防止される。その結果、基板の変形に伴う吐出口の位置ズレも防止される。
梁1aの高さが基板1の板厚(すなわち、共通液室の高さ寸法)の1/2の寸法より大きいものであることが機械的強度をより向上させる点で好ましい。梁1aの高さを、板厚の1/2とするためには、例えば、底辺を一定幅として、梁1aの上側の2面が互いにより鋭角に交差するように梁1aを形成すればよい。これは、詳細は後述するが、図4に示す斜方エッチング装置30の基板保持治具31の基板保持角度αを調整し、斜方エッチングの角度を変更することによって実現される。
梁1aの上側の2面を(111)面とする場合、梁1aの断面は、2つの底角が54.7°の二等辺三角形として形状が定まるため、この場合、底辺の幅を調整することによりその高さを調整するとよい。
また、図1または図2(b)に示すように、インクジェット記録ヘッド20では、基板1の表面側に、共通の1つのインク供給口2が形成されているため、各インク供給口2から各吐出口(不図示)までの流路の距離が均一化する。しかも、その距離も比較的に短く形成可能であるため、図18(b)を用いて説明したような、インクの流路の長さに起因したインクのリフィルに関する問題も発生しにくい。
また、共通液室9の側壁の方位面が(111)面となっているため、シリコンの(111)面に対するアルカリ水溶液のエッチング速度が遅いことから、共通液室9がアルカリ性のインクに対して腐食されにくくなり、耐食性に優れたものとなる。
なお、同図に示すように、本実施形態では共通液室9に面する全ての面を(111)面として説明したが、本発明はそれに限らず、共通液室9に面する少なくとも1つの面が(111)面として形成されたものであればこの耐食性に関する利点が得られる。
図2に示すように、インクジェット記録ヘッド20では、基板1の裏面に開口した共通液室9の開口面積の合計に対して、基板1の板厚方向中間における共通液室9の断面積がより広くなっている部分を備えている。つまり、従来のインクジェット記録ヘッドでは、一般に、共通液室9の断面形状は基板1の表面側に向かって開口面積が小さくなる台形であったため、共通液室9の容積を大きくするためには裏面の開口面積も大きくせざるを得なかったが、本インクジェット記録ヘッド20では、従来のインクジェット記録ヘッドと比較して共通液室9の裏面の開口面積を小さくしながら、従来同様の共通液室の容積を確保できる。したがって、基板1の裏面も部材をより多く残すことができ、流路部材(図3参照)との接着面積を確保することができる。
共通液室9を構成する側壁のいずれもが(111)面以外の面で構成されたものであってもよい。この場合、(111)面が露出される角度(54.7°)を考慮せずに共通液室9を形成することができる。
図3を用いて、本発明によるインクジェット記録ヘッドと、流路部材とを接着固定した際の作用、効果についてより詳細に説明する。図3は、梁による、インクジェット記録ヘッドの機械的強度の向上を説明するための模式図である。図3(a)のインクジェット記録ヘッドは、図2のインクジェット記録ヘッド20とほぼ同様の構成であり、梁1aが基板1の裏面側に形成されている。図3(b)のインクジェット記録ヘッドは、梁1bが基板1の、厚さ方向ほぼ中心付近に形成されたものである。
図3(a)、(b)はいずれも各インクジェット記録ヘッドが、樹脂からなる流路部材15に貼り付けられたものであり、インクジェット記録ヘッドと流路部材15との接着には熱硬化性樹脂からなる接着剤が用いられている。このように熱硬化性樹脂を用いて接着するため、接着後、常温に戻るにつれて流路部材15は収縮する。基板1の材質がシリコンであるのに対して、流路部材15の材質が樹脂であるため、両部材の熱膨張率の差に起因して、基板1と流路部材15との間にせん断応力が発生し、このせん断応力が基板1の変形または破損の原因となることがある。
図3(a)、(b)の構成を比較すると、図3(a)に示す構成では、梁1aを構成する1つの面が、基板1の裏面と一致しているため、図3(b)の構成と比較して流路部材15に対する接着面積が広くなり、よりせん断応力に強いものとなっている。このように、接着面積が広くとれることは、せん断応力の有無によらず、流路部材15との接着強度が向上する点でより好ましい。一方、図3(b)の構成では、梁1b自体が存在しない構成と比較してその強度が向上しているが、図3(a)の構成と比較するとその接着面積が狭く、比較的せん断応力に弱いものとなっている。
以下、本発明の一例によるインクジェット記録ヘッドの製造方法について第2〜第4の実施形態に説明する。なお、各実施形態において、説明を簡単にするため同一機能の構造部には図1、2と同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。また、いずれの実施形態においても、基板上に形成された発熱体、その発熱体を駆動するための配線、および吐出口までのインク流路は図示せず、発熱体および配線を形成する工程の説明も省略する。
まず、本発明の製造方法において基本的な技術となる「斜方エッチング」、すなわち、基板の基板面に対して所定の角度でエッチングする方法について図4、図5を用いて説明する。図4は、本発明の製造方法に利用する斜方エッチングを実施するための装置の模式図であり、図5は、そのエッチング方法によりエッチングされた基板を示す図である。
図4に示す斜方エッチング装置30は、真空空間を形成する真空容器32内でプラズマを利用してエッチングを行う一般的なエッチング装置内に、被エッチング部材(基板1)を傾斜して保持する基板保持治具31を配置したものである。
真空容器32の内部空間の上方のプラズマ発生部33で発生したプラズマは、下方に向かって進行するように構成されており、被エッチング部材は、このプラズマの進行方向にエッチングされる。基板保持治具31は、プラズマの進行方向に対して角度αをなして被エッチング部材を保持可能に構成されている。
図示するように、表面にマスク11が形成された基板1を基板保持治具31上に配置してプラズマを発生させ、エッチングを行うと、基板1は、マスク11の開口部18から入射したプラズマによって、図5に示すように斜め方向にエッチングされ溝19が形成される。溝19は、基板1の基板面に対して角度αをなし、ほぼ均一の幅wで形成される。
このように、基板保持治具31を用いて斜方エッチングを実施すると、梁1aの断面形状を容易に変更可能となる。
斜方エッチングは、炭素、塩素、硫黄、フッ素、酸素、水素、アルゴンのうちのいずれかの原子、および、それらから構成される分子よりなる反応性ガスのいずれかを用いたエッチングで実施可能である。
また、斜方エッチングは、図4の斜方エッチング装置30のようにプラズマを利用するものに限らず、例えば、ウエットエッチング、プラズマエッチング、スパッタエッチング、イオンミーリング、エキシマレーザーやYAGレーザー等を用いたレーザーアブレイション、サンドブラスト等を利用してもよい。したがって、当然ながら、マスク11の材質もエッチングの種類に応じて適宜変更することが好ましい。
(第2の実施形態)―第1の製造方法―
図6、7を参照して、本発明の第1の製造方法によるインクジェット記録ヘッドの製造方法について説明する。以下に説明する製造方法は、図6(d)に示すインクジェット記録ヘッド21を製造する方法である。
インクジェット記録ヘッド21は、図1〜図3のインクジェット記録ヘッド20と同様、基板1上に複数の吐出口(不図示)が形成されたオリフィスプレート3が配置されることにより構成されている。なお、オリフィスプレート3単体の構造については、例えば図15に示した従来のオリフィスプレート103と実質的に同一であるため説明を省略する。
インクジェット記録ヘッド21の基板1は、1つの梁1aを備えており、梁1aは断面三角形に形成され、梁1aの3つ面のうちの1面が基板1の裏面と一致し、基板1の基板面に対して平行な方向に形成されている。梁1aの3つ面のうちの他の2面は、それぞれ、基板1の裏面側から形成された第1の溝19aおよび第2の溝19bによって略形成されたものである。第1および第2の溝19a、19bは、それぞれ基板1の基板面に対してほぼ同一角度に傾斜して形成され、かつ、両溝19a、19bが互いに交差する方向に形成されている。
共通液室9は、第1および第2の溝19a、19bが梁1aの上方で互いに連通することによって形成されている。すなわち、共通液室9は、基板1の裏面に互いに独立した2つの開口部を形成する2つの溝19a、19bが、基板1の表面側で連通することによって、基板1の表面側に1つの開口部(インク供給口2)を形成している。インク供給口2は、オリフィスプレート3の内面側に形成されたインク流路6に連通している。これにより、共通液室9から供給されたインクがインク流路6を経て各吐出口(不図示)に供給されるように構成されている。
共通液室9の側壁を構成する部位、すなわち、両溝19a、19bの、梁1aから遠い側の側壁はいずれも基板の方位面が(111)となっている。
基板1の両面にはそれぞれ、製造工程で利用した層の一部が形成されており、基板1の裏面側には第1のマスク11aが形成され、表面側、すなわち基板1とオリフィスプレート3との間にはパッシベイション層12が形成されている。パッシベイション層12は、インク流路6を形成する工程で必要な層であり、所定のエッチングに対する耐エッチング性を備えている。
上述のような構成のインクジェット記録ヘッド21を製造するため、まず、図6(a)に示すような前駆体21aを形成する。
前駆体21aは、シリコンからなる基板1をベースとして、その表面側(上面側)の表面にパッシベイション層12が形成され、パッシベイション層12上の一部に溶解可能な樹脂層13が形成され、その樹脂層13を覆うようにオリフィスプレート13がパッシベイション層12上に配置されている。また、基板1の裏面側には、2つの開口部18a、bを備える第1のマスク11aが形成されている。
前駆体21aは、図7に示す工程S1(S1a〜S1d)によって形成される。
まず、基板1として、結晶方位面が(100)で所定厚さのシリコン製の基板を用意する。次いで、基板1全体を酸化ガスを用いて熱酸化させ、基板1の両表面に熱酸化膜を形成し、裏面側の熱酸化膜の一部を例えばバッファード弗酸により除去して開口部18a、bを形成し第1のマスク11aを形成する(S1a)。このとき、表面側の熱酸化膜の一部、具体的にはインク供給口2に対応する領域も同様にバッファード弗酸により除去する。なお、開口部18a、18b間の距離は、梁1aの底辺の幅に一致するように調整されている。
次いで、基板1の表面側に窒化シリコンからなる膜をLPCVD(Low Pressure Chemical Vapor Deposition)法にて形成することにより、パッシベイション層12を形成する(S1b)。このとき同時に基板1の裏面側にも窒化シリコン膜が形成されるが、この窒化シリコン膜(不図示)は、例えばCF4ガスを用いた反応性イオンエッチングを用いて除去可能である。
次いで、パッシベイション層12上に、樹脂層13を、インク流路6(図6(d)参照)に対応した形状に形成する(S1c)。
次いで、オリフィスプレート13を、樹脂層13を覆うようにパッシベイション層12上に位置決め固定する(S1d)。
以上、S1a〜S1dを含むS1の一連の工程により前駆体21aが形成される。
続いて、図6(b)に示すように、第1の溝19aを形成するため、前駆体21aの裏面側に第2のマスク11bを配置する(S2a)。
第2のマスク11bは、例えば鉄を主成分とする金属製の板材からなり、第1のマスク11aの開口部18aに対応する位置に1つの開口部(不図示)が形成されている。第2のマスク11bの開口部は、開口部18aとほぼ同形状に形成されている。図示するように、第2のマスク11bで第1のマスク11aを覆うと、第1のマスク11aの2つの開口部18a、bのうち、開口部18aのみが開放され、開口部18bは閉鎖される。
次いで、前駆体21aを図4の斜方エッチング装置30の基板保持治具31で保持し、例えばSF6ガス、C48ガスを用いた反応性イオンエッチングにより所定の角度で斜方エッチングして、第1の溝19aを形成する(S2b)。
第1の溝19aは同一幅で、基板面から所定の角度αの方向に形成される。基板1の厚さ方向(図面Z方向)における、第1の溝19aの深さ(距離)は基板1の厚さよりも短くされており、その結果、第1の溝19aの上方には基板1が残留部8aとして残留する。
続いて、図6(c)に示すように、第2の溝19bを形成するため、前工程で用いた第2のマスク11bを取り外した後、第3のマスク11cを配置する(S3a)。
第3のマスク11cは、第2のマスク11bと同一材料で構成され、第1のマスク11aの開口部18bに対応する位置に1つの開口部(不図示)が形成されている。第3のマスク11cで第1のマスク11aを覆うと、開口部18bのみが開放され、開口部18aは閉鎖される。
次いで、第1の溝19aを形成する工程とほぼ同様の工程で、第2の溝19bを斜方エッチングにより形成する(S3b)。
第2の溝19bは、第1の溝19aに対して対称形となっており、基板1の厚さ方向における深さも第1の溝19aと同一となっている。第2の溝19bの上方には、基板1が残留部8bとして残留する。
なお、基板保持治具31(図4参照)上への前駆体21aの配置を変更する(例えば、180°回転させて配置する)ことにより、第1の溝19aと第2の溝19bの方向を変えることができる。または、溝19a、19bの方向に対応した基板保持治具を複数個作製し、各工程でそれぞれ用いてもよい。
続いて、図6(d)に示すように、残留部8a、8b、パッシベイション層12、および樹脂層13を順次除去してインクジェット記録ヘッド21を完成する(S4)。
まず、前工程で用いた第3のマスク11cを取り外した後、残留部8a、8bを除去するため、例えばTMAH(水酸化テトラメチルアンモニウム)水溶液を用いた異方性エッチングを行う(S4a)。これにより、残留部8a、8bが除去され、パッシベイション層12が露呈される。同時に、この異方性エッチングにより、前工程で第1および第2の溝19a、19bによって形作られた断面三角形状の梁1a(図6(c)参照)の上側の2面も、(111)面が露呈するようにエッチングされる。さらに、第1および第2の溝19a、19bの、梁1aから離れた側の側壁も同様に(111)面が露呈するようにエッチングされる。このようにして、S4aの異方性エッチングの工程によって、残留部8a、8bと、第1および第2の溝19a、19bがエッチングされ、第1の溝19aと第2の溝19bとが梁1aの上方で連通する。共通液室9は、上述したとおり、この互いに連通した2つの溝19a、19bからなるものであり、共通液室9の上面には開口部がインク供給室2として形成される。
次いで、例えばCF4ガスを用いた反応性イオンエッチングにより、パッシベイション層12の、インク供給室2の上方の領域を除去する(S4b)。これにより、樹脂層13が露呈される。
次いで、所定の溶媒を用いて樹脂層13を溶出させる(S4c)。これにより、インク流路6が形成される。
以上の一連の工程により、第1の製造方法によるインクジェット記録ヘッド21が製造される。
より具体的には、本製造方法によれば、図12(a)、(b)に示すような梁10a、10bを備えたインクジェット記録ヘッドを製造することができる。また、これにより製造された2種類のインクジェット記録ヘッドと、従来のインクジェット記録ヘッドとの比較について以下、説明する。
梁10aは、底辺の幅が420μmであり、図7の製造工程S2bおよびS3bで第1の溝19aおよび第2の溝19bがそれぞれ基板面に対して70°に傾斜して、基板1の板厚方向に600μmの深さで形成され、その後、S4の異方性エッチングの工程で梁10aの(111)面が露出するようにエッチングされたものである。梁10aの高さ方向の寸法は約300μmであり、基板1aの板厚625μmに対して約1/2の寸法となっている。
梁10bは、底辺の幅が670μmであり、図7の製造工程S2bおよびS3bで第1の溝19aおよび第2の溝19bがそれぞれ基板面に対して約55°に傾斜して、基板1の板厚方向に600μmの深さで形成され、その後、S4の異方性エッチングの工程エッチングされたものである。梁10bの高さ方向の寸法は約470μmであり、基板1aの板厚625μmに対して約3/4の寸法となっている。
本実施形態の一例として図12の梁10a、10bと同形状の梁をそれぞれ備えたインクジェット記録ヘッド(不図示)を製造して、従来例のインクジェット記録ヘッド(図15参照)との比較試験を行った。梁10aを備えたインクジェット記録ヘッドを「試料1A」とし、梁10bを備えたインクジェット記録ヘッドを「試料1B」とする。
従来例のインクジェット記録ヘッド(図15参照)は、本実施形態と同じ吐出エレメント寸法とし、梁を有さないものとした。そして、図14のインク供給口102の幅方向に、基板が破損するまで荷重を与える破壊試験を行った。
本実施形態による、「試料1A」および「試料1B」はいずれも従来例のインクジェット記録ヘッドが破損した荷重で基板が破損することはなかった。また、同様の試験を行い、「試料1A」と「試料1B」との機械的強度を比較すると、梁10bを備えたインクジェット記録ヘッドを「試料1B」の方が機械的強度が向上していたのが確認された。
「試料1A」および「試料1B」を用いて印字を行ったところ、インク供給口から発熱体までの距離が略等しく、各ヘッドでのリフィル時間がほとんど差のない、リフィル特性に関し均一な周波数特性を得ることができた。
以上より、本発明の一例によるインクジェット記録ヘッドは、良好な印字を可能にする高精細かつ高速な記録を行うことが可能なインクジェット記録ヘッドであった。
インクジェット記録ヘッド21の各構成部および各製造工程は、より詳細には以下のようなものであってもよい。
第1のマスク11aは、少なくとも共通液室9を形成するためのエッチングに対して耐性を有する材料であれば熱酸化膜に限定されるものではなく、他の無機マスク材または有機マスク材を用いてもよい。ただし、後述する第2の製造方法(図8参照)に用いる第1のマスク11aは、斜方エッチングに対しても耐性を有する材料が選択される。
第2のマスク11bおよび第3のマスク11cは、斜方エッチングに対して耐性を有する材料であれば金属材料に限定されるものではなく、例えばセラミックス材など、他の無機マスク材または有機マスク材を用いてもよい。また、本実施形態のように、予め開口部を形成したマスク部材を基板1の裏面に一時的に貼り付けてマスク部材とすることが、作業の利便性の点で好適である。
パッシベイション層12は、共通液室9を形成するエッチングに対して少なくともエッチング耐性を有する材料であれば特に限定されるものではない。また、斜方エッチングによって基板1に溝19aまたは19bを形成する場合、その溝19aまたは19bがパッシベイション層12に到達するときには、パッシベイション層12は斜方エッチングに対してもエッチング耐性を有する必要がある。なお、パッシベイション層12の形成方法としては、従来の公知技術、例えば、蒸着法、スパッタ法、化学気相成長、メッキ法、または薄膜塗布法等の薄膜製造技術を用いることが可能である。
共通液室9を形成するエッチングには、アルカリ水溶液からなるエッチャントによるシリコン結晶異方性エッチングを用いることができ、TMAHの他にも、例えばKOH、EDP、ヒドラジン等の結晶面によるエッチング速度差を生じるエッチング液を用いることができる。共通液室9を形成するエッチングとしてシリコン結晶異方性エッチングを用いることにより、インク供給口2の幅(開口部形状)の精度が保たれる。
エッチングによって、連通した共通液室9を形成する方法として、パッシベイション層12の下部に所望のインク供給口2の形状となる寸法の犠牲層を設ける方法を用いてもよい。この場合、犠牲層を、エッチング用のエッチング液に対して等方性エッチングされる材料とすることで、エッチングの際にその犠牲層と犠牲層下部のシリコン(残留部)が同時にエッチングされる。このように、パッシベイション層12の下に開口形状を決定する犠牲層を設け、この犠牲層上にパッシベイション層12を形成することにより、基板1を裏面側からエッチングする場合の、基板1の厚み、基板1内の結晶欠陥、OFの角度バラツキ、およびエッチング液の濃度バラツキ等によって生じる開口形状のバラツキが防止される。すなわち、犠牲層のパターンによりインク供給口2の大きさを制御することが可能となる。
この犠牲層に用いる材料として、シリコン結晶異方性エッチングに用いるエッチャントにて等方性エッチングできる材料であり、かつ薄膜形成できる材料であれば半導体、絶縁体、金属等さまざまな材料が利用可能である。例えば、半導体であれば、多結晶シリコン、多孔質シリコン等、また、金属ではアルミニウム、絶縁体ではZnO等のアルカリ水溶液に容易に溶解可能な材料が好ましい。特に、多結晶シリコン膜はLSIプロセスとの適合性に優れており、プロセス再現性が高く、犠牲層に好適である。犠牲層の厚みとしては薄膜形成可能な厚みであればよく、例えば、犠牲層に数百オングストローム程度の多結晶シリコンを用いた場合には、犠牲層の等方性エッチングと基板の異方性エッチングを同時に行うことができる。
(第3の実施形態)―第2の製造方法―
図8、図9を参照して、本発明の第2の製造方法よるインクジェット記録ヘッドの製造方法について説明する。以下に説明する製造方法は、図8(e)に示すインクジェット記録ヘッド22を製造する方法である。
インクジェット記録ヘッド22は、図8(e)に示すように2本の梁1aを有している。各梁1aの形状は、図6(d)のインクジェット記録ヘッド21の梁1aとほぼ同様である。以下説明する第2の製造方法は、図9に示す工程で実施されるものであり、製造工程S1〜S4のうち、S2およびS3以外の工程は第1の製造方法と同様であるため、以下、第1の製造方法と同様の工程については簡略に説明し、第2の製造工程の特徴部であるS3の工程を中心に説明する。
上述のような構成のインクジェット記録ヘッド22を製造するため、まず、図8(a)に示すような前駆体22aを形成する(S1)。
前駆体22aは、基板1の裏面側に形成された第1のマスク11a以外は、図6の前駆体21aと同一であり、また、図7のS1と同様の工程で形成可能である。第1のマスク11aには、同形状に形成された開口部18a、18b、18cが形成されている。
次いで、図8(b)に示すように、第1のマスク11aをマスクとして、第1の溝19aを斜方エッチングにより3つ形成する(S2)。これにより、各梁1aの上側の2面うちの1面が略形成される。なお、斜方エッチングは、図7のS2bの工程と同様の工程で実施可能である。
次いで、図8(c)に示すように、梁1aの上側の2面のうちの残りの1面を形成するため、その1面付近に残っている部位の近傍をレーザー照射して除去する(S3)。
次いで、図8(d)に示すように、図7の工程S4と同様に、残留部8a、8b、8cを除去し、梁1aの上側の2面の形状を整えるため、例えばTMAH(水酸化テトラメチルアンモニウム)水溶液を用いた異方性エッチングを行い(S4a)、図8(e)に示すように、反応性イオンエッチングによりパッシベイション層12を除去し(S4b)、樹脂層13を溶出させる(S4c)。
以上の一連の工程により、第2の製造方法によるインクジェット記録ヘッド22が製造される。また、本製造方法によれば、図示しないが、図12(a)、(b)の梁10a、10bと同形状の梁を複数本備えたインクジェット記録ヘッドを製造することができる。
基板の一部分を除去するためのレーザーとしては、YAGレーザー、半導体レーザー、He−Neレーザー、エキシマレーザーのいずれかのレーザーを用いることが可能である。また、基板の一部分を除去できる方法であれば、レーザー以外にも、例えばサンドブラスト等の除去方法でもよい。
なお、本製造方法では、S3の工程で、レーザー照射によって基板1の除去を行っているが、レーザー照射に代えて斜方エッチングによって除去するものであってもよい。
(第4の実施形態)―第3の製造方法―
図10、図11を参照して、本発明の第3の製造方法によるインクジェット記録ヘッドの製造方法について説明する。以下に説明する製造方法は、図10(e)に示すインクジェット記録ヘッド23を製造する方法である。
インクジェット記録ヘッド23は、図10(e)に示すように2本の梁1aを有している。各梁1aの形状は、図6(d)のインクジェット記録ヘッド21の梁1aとほぼ同様である。以下説明する第3の製造方法は、図11に示す工程で実施されるものであり、第3の製造工程S1〜S4のうち、S3b以外の工程は第1の製造方法とほぼ同様であるため、以下、第1の製造方法と同様の工程については簡略に説明し、第3の製造工程の特徴部であるS3bの工程を中心に説明する。
上述のような構成のインクジェット記録ヘッド23を製造するため、まず、図10(a)に示すような前駆体23aを形成する(S1)。
前駆体23aは、基板1の裏面側に形成された第1のマスク11a以外は、図6の前駆体21aと同一であり、また、図7のS1と同様の工程で形成可能である。第1のマスク11aには、開口部18a、18b、18cが形成されている。3つの開口部18a、18b、18cのうち中央の開口部18bは、他の開口部18a、18cと比較して大面積に形成されている。
次いで、図10(b)に示すように、図6(b)の第2のマスク11bと同質の材料で構成された第2のマスク11bを配置する(S2a)。第2のマスク11bは、第1のマスクの開口部18c全体と、開口部18bのほぼ半分を覆う形状に形成されており、第2のマスク11bで第1のマスク11aを覆うと、第1のマスク11aの開口部18aと開口部18bのほぼ半分が開放される。開放された開口部18bの半分の大きさは、開口部18aの開口面積とほぼ一致している。
次いで、図7のS2bと同様の工程で、第2のマスク11bをマスクとして、第1の溝19aを斜方エッチングにより2つ形成する(S2b)。これにより、各梁1aの上側の2面うちの1面が略形成される。このとき、各第1の溝19の上方には、基板1が残留部8aとして残留する。
次いで、図10(c)に示すように、図7のS3aと同様の工程で、第3のマスク11cをマスクとして配置し(S3a)、第2の溝19bを斜方エッチングにより2つ形成する(S3b)。第3のマスク11cで第1のマスク11aを覆うと、第1のマスク11aの開口部18cと、前工程では覆われていた、開口部18bのほぼ半分が開放される。開放された開口部18cの半分の大きさは、開口部18cの開口面積とほぼ一致している。このとき、各第2の溝19bの上方には、基板1が残留部8bとして残留する。また、2つの梁1aの中間には、残留部8aと残留部8bとの間に位置し、基板1の裏面側に向かって凸形状となっている残留部8cが残留する。
次いで、図10(d)に示すように、前工程で用いた第3のマスク11cを取り外した後、中央の残留部8cを、上述した第2の製造方法と同様のレーザー照射によって除去する(S3B)。
次いで、図10(e)に示すように、図7の工程S4と同様に、各残留部を除去し、梁1aの上側の2面の形状を整えるため、例えばTMAH(水酸化テトラメチルアンモニウム)水溶液を用いた異方性エッチングを行い(S4a)、反応性イオンエッチングによりパッシベイション層12を除去し(S4b)、樹脂層13を溶出させる(S4c)。
以上の一連の工程により、第3の製造方法によるインクジェット記録ヘッド23が製造される。また、本製造方法によれば、図示しないが、図12(a)、(b)の梁10a、10bと同形状の梁を複数本備えたインクジェット記録ヘッドを製造することができる。
以上説明した本発明の実施の形態による各インクジェット記録ヘッドは、「気泡連通吐出方式」において有効な構成となる。
「気泡連通吐出方式」とは、吐出のためにインクを加熱することにより生成される膜沸騰による気泡を、吐出口近傍で外気に連通させて吐出を行うインクジェット記録方式であり、特開平2−112832号公報、特開平2−112833号公報、特開平2−112834号公報、特開平2−114472号公報等において提案されている方式である。
連通吐出方式によれば、吐出口近傍への気泡成長を急激にしかも確実に行うことができるので、非遮断状態のインク路によるリフィル性も手伝って、高安定高速記録が達成される。また、気泡と大気とを連通させることによって、気泡の消泡過程がなくなり、キャビテーションによるヒータや基板の損傷も防止される。また、気泡連通吐出方式の基本的な作用として、気泡が生成される部位より吐出出口側にあるインクは原理的に全てインク液滴となって吐出されるということがある。このため、吐出インク量は、吐出出口から気泡生成部位までの距離等、記録ヘッドの構造によって定まる。この結果、上記気泡連通吐出方式によれば、インク温度の変化等の影響をそれほど受けずに吐出量の安定した吐出を行うことが可能となる。
サイドシュータ型のインクジェット記録ヘッドは、オリフィスプレートの厚さによりインク吐出口と発熱体との距離を容易に制御できる。気泡連通吐出方式では前記距離が吐出インク量を決定する重要な因子の一つであることより、本発明のインクジェット記録ヘッドは、気泡連通吐出方式に好適な構造となる。
本実施形態によるインクジェット記録ヘッドの一例を示す斜視図である。 図1のインクジェット記録ヘッドの断面図であり、図2(a)は短手方向に切断した断面図であり、図2(b)は長手方向に切断した断面図である。 梁による、インクジェット記録ヘッドの機械的強度の向上を説明するための模式図である。 本発明の製造方法に利用する斜方エッチングを実施するための装置の模式図である。 図4の装置を用いたエッチングによりエッチングされた基板を示す図である。 第1の製造方法を説明するための図である。 第1の製造方法の工程を説明するためのフローチャートである。 第2の製造方法を説明するための図である。 第2の製造方法の工程を説明するためのフローチャートである。 第3の製造方法を説明するための図である。 第3の製造方法の工程を説明するためのフローチャートである。 本製造方法の一例として形成可能な梁の具体例を示す図である。 従来のインクジェット記録装置の一例を示す図である。 従来の記録ユニットの一例を示す図である。 従来のインクジェット記録ヘッドの一例を示す図である。 長尺のインクジェット記録ヘッドの問題点を説明するための図である。 インクジェット記録ヘッドの変形による、インク吐出方向のズレを説明するための図である。 従来の製造方法により複数のインク供給口を形成したインクジェット記録ヘッドの一例示す図である。
符号の説明
1 基板
1a、1b、10a、10b 梁
2 インク供給口
3 オリフィスプレート
4 吐出口
6 インク流路
7 発熱体
8a、8b、8c 残留部
9 共通液室
11、11a、11b、11c マスク
12 パッシベイション層
13 樹脂層
15 流路部材
18、18a、18b、18c 開口部
19、19a、19b 溝
20、21、22、23 インクジェット記録ヘッド
21a、22a、23a 前駆体
30 斜方エッチング装置
31 基板保持治具
32 真空容器
33 プラズマ発生部

Claims (20)

  1. インクを吐出する吐出口に供給されるインクを貯留する共通液室と、前記吐出口からインクを吐出するために利用されるエネルギーを発生するエネルギー発生手段とを備えた基板を有するインクジェット記録ヘッドの製造方法において、
    (a)前記基板の裏面に、基板面に対して斜め方向に複数の溝を形成する工程と、
    (b)前記溝に露出した前記基板の一部を除去することにより、前記基板に貫通孔を形成し、隣接する前記溝どうしを連通させ、梁と、前記基板の表面側に共通のインク供給口が開口した前記共通液室とを形成する工程とを含むことを特徴とするインクジェット記録ヘッドの製造方法。
  2. 前記工程(a)の前に、前記基板の表面側にパッシベイション層を形成する工程を含み、
    前記工程(b)の後に、前記パッシベイション層の、前記インク供給口上の領域を、前記基板の裏面側より除去する工程を含むことを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録ヘッドの製造方法。
  3. 前記工程(a)の前に、前記パッシベイション層上に樹脂層を形成する工程を含み、
    前記パッシベイション層を除去する工程の後に、前記樹脂層を、前記基板の裏面側より除去する工程を含むことを特徴とする請求項2に記載のインクジェット記録ヘッドの製造方法。
  4. 前記樹脂層を形成する工程の後に、前記基板の表面側に、前記吐出口が形成されたオリフィスプレートを設ける工程を含むことを特徴とする請求項3に記載のインクジェット記録ヘッドの製造方法。
  5. 前記工程(a)は、前記隣接する溝のうちの一方である第1の溝を形成するためのマスクを設ける工程を含むことを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載のインクジェット記録ヘッドの製造方法。
  6. 前記工程(a)は、前記第1の溝を形成するためのマスクを設ける工程の後に、前記隣接する溝のうちの他方である第2の溝を形成するためのマスクを設ける工程を含むことを特徴とする請求項5に記載のインクジェット記録ヘッドの製造方法。
  7. 前記共通液室を形成するために、前記基板の一部分を除去する工程を含むことを特徴とする請求項5または6に記載のインクジェット記録ヘッドの製造方法。
  8. 前記工程(a)の前記溝は、反応性イオンエッチングで形成されることを特徴とする請求項1ないし7のいずれか1項に記載のインクジェット記録ヘッドの製造方法。
  9. 前記工程(a)の前記溝は、炭素、塩素、硫黄、フッ素、酸素、水素、アルゴンのうちのいずれかの原子、および、それらから構成される分子よりなる反応性ガスのいずれかを用いたエッチングにより形成されることを特徴とする請求項1ないし8のいずれか1項に記載のインクジェット記録ヘッドの製造方法。
  10. 前記工程(a)の前記溝は、エッチング工程と、エッチング保護膜を設ける工程との繰り返しで形成されることを特徴とする請求項1ないし9のいずれか1項に記載のインクジェット記録ヘッドの製造方法。
  11. 前記工程(b)の前記エッチングは、結晶異方性エッチングであることを特徴とする請求項1ないし10のいずれか1項に記載のインクジェット記録ヘッドの製造方法。
  12. 前記工程(b)の前記エッチングは、アルカリ水溶液を用いる結晶異方性エッチングであることを特徴とする請求項11に記載のインクジェット記録ヘッドの製造方法。
  13. 前記工程(b)の前記エッチングは、KOH、EDP、TMAH、ヒドラジンのいずれかのエッチング溶液を用いることを特徴とする請求項12に記載のインクジェット記録ヘッドの製造方法。
  14. 前記梁は、前記基板の板厚方向における前記共通液室の寸法の1/2より大きい寸法で形成されることを特徴とする請求項1ないし13のいずれか1項に記載のインクジェット記録ヘッドの製造方法。
  15. 前記基板は、シリコン単結晶体よりなることを特徴とする請求項1ないし14のいずれか1項に記載のインクジェット記録ヘッドの製造方法。
  16. インクを吐出する吐出口に供給されるインクを貯留する共通液室と、前記吐出口からインクを吐出するために利用されるエネルギーを発生するエネルギー発生手段とを備えた基板を有するインクジェット記録ヘッドにおいて、
    前記共通液室内であって前記基板の裏面側に、前記基板と同一材料からなる断面が三角形状の梁が少なくとも1つ設けられていることを特徴とするインクジェット記録ヘッド。
  17. 前記梁は、前記基板の板厚方向における前記共通液室の寸法の1/2より大きい寸法で形成されていることを特徴とする請求項16に記載のインクジェット記録ヘッド。
  18. 前記梁を構成する面の1つは、前記基板の裏面と同一平面に形成されていることを特徴とする請求項16または17に記載のインクジェット記録ヘッド。
  19. 前記梁を構成する2つの面は、シリコン結晶面の(111)面により形成されていることを特徴とする請求項16ないし18のいずれか1項に記載のインクジェット記録ヘッド。
  20. 前記共通液室を構成する面は、シリコン結晶面の(111)面により形成されていることを特徴とする請求項16ないし19のいずれか1項に記載のインクジェット記録ヘッド。
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