JP2019147301A - 液体吐出用基板の製造方法及び液体吐出ヘッドの製造方法 - Google Patents

液体吐出用基板の製造方法及び液体吐出ヘッドの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】配線層を液体流路上部に配置した構造における配線層の機械強度を向上した液体吐出用基板を提供する。【解決手段】配線層を液体流路上部に配置した構造を有する液体吐出用基板の製造方法において、配線層下のシリコン基板を反応性イオンエッチングにより加工して液体流路となる溝を形成する工程を有し、その際、エッチングレートのマスクパターン寸法依存性を利用して、溝内にシリコンを残し、配線層の機械強度を向上させる。【選択図】図3

Description

本発明は、液体吐出ヘッドに用いる基板(以下、「液体吐出用基板」という)の製造方法及び液体吐出ヘッドの製造方法に関するものである。
液体吐出用基板に液体流路を形成する手段として、ドリル、レーザー、サンドブラストなどの手法や、結晶異方性エッチング、エッチングガスを用いるドライエッチングなどのエッチング手法が提案されている。これらの中で、エッチングガスを用いるドライエッチングにより液体流路を形成する方法では、基板平面に対してほぼ垂直な形状の液体流路を形成できる。このようなドライエッチングによる液体流路の形成方法は、結晶異方性エッチングによって液体流路を形成する場合に対して、チップサイズを小さくすることが可能となる。
液体吐出用基板の一例として、液体流路上部に配線層を配置する構成が、特許文献1に記載されている。この配線層は、液体を吐出するために利用される熱エネルギーを発生する複数の電気熱変換素子である発熱抵抗層と、これに電力を供給するためのアルミニウム系の配線と、これらを被覆する例えば窒化珪素などの絶縁性を有する保護層により構成されている。
ところで、ドライエッチング手法の一つに反応性イオンエッチングがある。反応性イオンエッチングとは、一般的に反応ガスを処理室内に導入してプラズマ化し、プラズマ化された反応ガスを用いて基板の処理面をエッチングすることで所定の形状を形成する手法である。具体的には、まず処理室内の下部電極に、例えば静電チャックにより基板を固定し、下部電極との間に高周波電源が接続された上部電極の微小孔から反応ガスを供給する。続いて供給された反応ガスは上部電極と下部電極の間でプラズマ化し、基板をエッチングして所定の形状を形成する方法である。
特開2001−71502号公報
液体吐出用基板の製造において、低コスト化の観点から配線を効率的に配置することでチップサイズを小さくし、1枚のウエハから製造できるチップの個数を増やすことが求められる。また、印字速度の高速化の観点より、基板の液体流路を広げることでインクの流抵抗を下げることが求められる。これらを行う場合、特許文献1に記載の構造のように、液体流路上部に配線を配置する構成が考えられる。
しかし、このような構成を採る場合、液体流路を広げると、配線を含む層が庇構造となり機械強度不足による配線の割れ、歪みが問題となる。
本発明は上記問題に鑑みてなされたものであり、液体流路上部に配線層を配置した構造における配線層の機械強度が向上した液体吐出用基板および液体吐出ヘッドを提供することを目的とする。
本発明の液体吐出用基板の製造方法は、シリコン基板と、前記シリコン基板上に設けられ、液体吐出用の圧力発生素子および該圧力発生素子に電力を供給する配線を含む配線層と、前記配線層下の前記シリコン基板を加工して設けられた溝を含む第1の液体流路と、前記第1の流路と連通し、前記配線層を貫通する第2の液体流路と、を有する液体吐出用基板を製造する方法であって、前記シリコン基板上に前記配線層を設ける工程と、前記シリコン基板の前記配線層を設けた側と反対側の面よりマスクを介して反応性イオンエッチングを行って前記第1の液体流路を形成する工程と、前記配線層に、前記第1の液体流路に連通する前記第2の液体流路を形成する工程と、を含み、前記マスクが、前記配線層の前記第2の液体流路を形成する領域に対応する領域を含み、第1の方向に延在する開口パターンAを含む第1の開口パターン領域と、前記開口パターンAに結合し、前記第1の方向に対して交差する第2の方向に延在する開口パターンBを含む第2の開口パターン領域と、を含み、前記開口パターンBが、前記開口パターンAの最小の開口幅より狭い開口幅の部分を前記第2の方向の延在方向側の端部に有し、前記マスクを介して反応性イオンエッチングを行う際、前記開口パターンBに対応して形成される溝の底部に前記シリコン基板のシリコンを残すことを特徴とする液体吐出用基板の製造方法である。
本発明の製造方法によれば、配線層を液体流路上部に配置した構造における配線層の機械強度が向上した液体吐出用基板および液体吐出ヘッドを提供できる。
関連技術における液体吐出ヘッドの一例の構造を説明するための模式図である。 関連技術における液体吐出ヘッドの他の例の構造(第1の液体流路の上部領域に配線層を配置した構造)を説明するための断面模式図である。 本発明における液体吐出用基板の一例の構造を説明するための断面模式図である。 本発明における液体吐出用基板の一例の第1の液体流路の寸法図である。 本発明における液体吐出用基板の他の例を説明するための断面模式図である。 本発明における液体吐出用基板の配線層における第2の液体流路の形成例を示す平面模式図である。 本発明における液体吐出用基板の他の例を説明するための断面模式図である。 本発明に係る液体吐出用基板の製造方法の一例を説明するための工程図(工程順に従った断面模式図)である。
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態に係る液体吐出用基板について説明する。なお、以下に述べる実施形態では本発明を十分に説明するため具体的記述を行う場合もあるが、これらは技術的に好ましい一例を示しており、特に本発明の範囲を限定しているものではない。
図1(a)及び(b)に、関連技術における液体吐出ヘッドの一例を示す。図1(a)は液体吐出ヘッドを液体の吐出面側から見た平面模式図であり、図1(b)は図1(a)のa−a’線に沿った断面模式図である。
この液体吐出ヘッドにおいて、シリコン基板3に形成される第1の液体流路4と、配線層1に形成される第2の液体流路13と、圧力発生室5が連通している。第1の液体流路4と第2の液体流路13を通して圧力発生室5に液体が供給され、圧力発生素子2を駆動させることで、ノズルプレート部材20の吐出口6から液体を吐出する構成をとっている。配線層1は、圧力発生素子2を駆動させるための電力を供給する配線を含んでいる。
液体吐出用基板の製造においては、低コスト化の観点から、配線を効率的に配置することでチップサイズを小さくしウエハからチップを取る個数を増やすことが求められる。また、印字速度の高速化の観点より、第1の液体流路4を広げることでインクの流抵抗を下げることが求められる。これらに対応するためには、図2(図1(a)のa−a’線に沿った断面に対応する断面模式図)に示すように、第1の液体流路4の上部(圧力発生室5との境界部)に配線を含む層(配線層1)を延在させて配置することが考えられる。この場合、第1の液体流路4の上部領域7に配置した配線層1が庇構造となる。このような構造においては、第1の液体流路4を加工した後の製造プロセスにおける物理的衝撃(搬送動作、超音波処理、薬液洗浄等)により、配線の割れ、歪み等が発生し、歩留の低下を招いてしまう。
図3(a)、(b)、(c)及び(d)に、第1の液体流路4の上部領域7に配線層1を配置しながら配線層1の機械強度を保つことができる、本発明の実施形態に係る液体吐出用基板の一例を示す。図3(a)は図1(a)のa−a’線に沿った断面に対応する断面模式図を示す。図3(b)は図3(a)のa−a’線に沿った断面模式図である。図3(c)は図3(a)b−b’線に沿った断面模式図である。図3(d)は図3(a)c−c’線に沿った平面模式図である。
第1の液体流路4の加工は、シリコン基板の、配線層1とは反対側の面より、マスクを介して反応性イオンエッチングで行う。反応性イオンエッチングによりシリコン基板に形成された溝が第1の液体流路となる。
第1の液体流路4を形成するためのエッチングマスクのパターンを、図3(d)に示す形状に対応するように凹凸形状の開口を含むパターンにする。このマスクパターンを図8(c)に示す。マスク10は、第1の液体流路と連通する溝に対応する開口パターンAを含む第1の開口パターン領域と、配線層の下の液体流路となる溝に対応する開口パターンBを含む第2の開口パターン領域を有する。
このマスクパターンは、第2の流路13が形成される領域に対応する領域を含むように第1の方向に延在する帯状開口パターンA(図中において紙面の縦方向に延在する矩形パターン)31を含む。また、この帯状開口パターンAに結合して(第1の方向に交差する第2の方向に)延在する複数の短冊状開口パターンB(図中において紙面の横方向に延在する矩形パターン)32を含む。ここでは、第2の方向は第1の方向に直交している。この開口パターンBは第1の方向に沿って一定の間隔で配列され、凹凸形状のパターン領域を形成している。その際、各開口パターンB(凹凸形状のパターン領域の凹部に相当)は、圧力発生素子又は/及び第2の液体流路を形成する領域に個別に対応するように、パターン端部を向けて配置されていることが好ましい。本例では、開口パターンBが、第1の方向に直交する第2の方向に延在しているが、開口パターンBの延在方向(第2の方向)は、第1の方向に交差していればよい。より具体的には、第1の方向に直交する方向に対してなす角が例えば45度以内であることが好ましく、30度以内であることがより好ましい。また、10度以内であることがさらに好ましく、5度以内が特に好ましい。
このようにすることで、反応性イオンエッチングにおいて、エッチングパターンの密集部でエッチングレートが遅くなり、粗の部分ではエッチングレートが高くなるマイクロローディング効果を得ることができる。この効果により、第1の液体流路4となる溝を形成するエッチング加工時において、開口パターンBに対応する溝9の壁際におけるエッチングレートが、帯状開口パターンAに対応する幅広で直線形状の溝の形成におけるエッチングレートに対して遅くなる。これに応じて、第1の液体流路4の断面形状は、エッチング開始部の図3(d)の形状に対して、エッチング深さが深くなるにつれて、図3(c)の断面形状、続いて図3(b)の断面形状のように開口部が狭まっていく。その結果、第1の液体流路4の直上(上部領域7)にある配線層部分の下部(凹部に対応する溝9の底部)に、図3(a)に示すように配線層下部シリコン8としてシリコン基板の一部であるシリコンを残すことができる。
図4(a)及び(b)に液体吐出用基板の第1の液体流路の寸法図を示す。図4(a)は、液体吐出用基板の配線層がある側とは反対側(シリコン基板の裏面側)の平面模式図である。図4(b)は図4(a)のa−a’線の断面模式図であり、図3(a)に相当する。
図4(b)に示す、第1の液体流路4を構成する凹部(開口パターンB)に対応する溝9内に残すシリコンの厚みFは10μm以上が好ましく、20μm以上がより好ましい。このような厚みの配線層下部シリコン8が凹部(溝)内に配置されることにより、液体流路4の上部領域7(直上領域)の配線層部分の機械強度を向上させることが可能となる。この配線層下部シリコン8は、厚みFを400μm以下に形成でき、300μm以下に形成することが好ましい。
図3(a)において、配線層下部シリコン8は、第1の液体流路の上部領域7にある配線層部分の第1の液体流路側全面に存在している。本実施形態による液体吐出用基板は、このように全面に配線層下部シリコン8が存在することに限定されるものではなく、所望の強度が得られる範囲内で一部に存在しない部分、例えば第2の液体流路付近に存在しない部分があってもよい。
図8(c)に示した寸法A、B、C、Dのマスクを用いて図4(a)及び(b)に示した寸法A、B、C、D、E、Fの第1の液体流路の寸法関係を得ることができる。
開口パターンBに対応する溝9に配線層下部シリコン8を残すためには、寸法AとCの関係をA>Cとすることが好ましい。例えば図8(c)に示すようにA>Cとし、さらに寸法AとBの関係をA>Bとすることが好ましい(図8(c)においては寸法BとCの関係がB=C)。寸法AとCの関係がA>C、すなわち、開口パターンBの第2の方向に沿った延在方向側の端部の幅(寸法C)を、開口パターンAの最小の開口幅(寸法A)よりも狭くする。延在方向側の端部とは、延在方向の端部、開口パターンAと開口パターンBの結合位置から離間した側の端部である。これにより、開口パターンBに対応して形成される溝にシリコンを残すことができる。その結果、第1の液体流路の上部領域7にある配線層部分の機械強度を向上させることができる。
また、配線層下部シリコン8の傾斜角度(配線層下面と配線層下部シリコンからなる溝底面とがなす角度)を高くし液中の気泡を抜けやすくするためには、寸法BとCの関係をB>Cにすることが好ましい。すなわち、開口パターンBの第2の方向に沿った延在方向側の端部(開口パターンAと開口パターンBの結合位置から離間した側の端部)の幅(寸法C)を、他方の端部(前記結合位置側の端部)の幅(寸法B)より小さくする。これにより、溝内のシリコン厚みFが厚くなり、それに応じて配線層下部シリコン8の傾斜角度も高くなる。結果、液中の気泡が抜けやすくなる。このような寸法の関係(B>C)のマスクを用いて形成された第1の流路の構造例を図7に示す。
寸法A〜Dは、例えば次の範囲に設定することができる。寸法Aは、100μm〜300μmの範囲であることが好ましく、150μm〜250μmの範囲であることがより好ましい。寸法Bは、40μm〜80μmの範囲であることが好ましく、50μm〜70μmの範囲であることがより好ましい。寸法Cは、寸法Bと同じサイズに設定でき、あるいは寸法Bより小さく設定することができ、その場合は20μm以下が好ましく、10μm以下がより好ましい。寸法D(開口パターンBの延在方向の長さ)は、300μm〜500μmの範囲であることが好ましく、350μm〜450μmの範囲であることがより好ましい。寸法E(シリコン基板3の厚み)は、500μm〜700μmの範囲であることが好ましく、550μm〜650μmの範囲であることがより好ましい。なお、配線層1の厚みは、5μm〜15μmの範囲であることが好ましく、8μm〜12μmの範囲であることがより好ましい。
寸法比は、例えば次のように設定することができる。寸法比である寸法E/寸法A(アスペクト比)は、2/1〜4/1の範囲であることが好ましく、2.5/1〜3.5/1の範囲であることがより好ましい。寸法C/寸法Aは、1/10以下の範囲であることが好ましく、1/20以下であることがより好ましい。寸法D/寸法Aは、3/1〜1/1の範囲であることが好ましく、2.5/1〜1.5/1の範囲であることがより好ましい。寸法F/寸法Eは、10/600〜30/600の範囲であることが好ましく、15/600〜25/600の範囲であることがより好ましい。
開口パターンB同士のパターン間隔(隣り合う辺間の距離)、(寸法Bと寸法Cの関係がB>Cである場合は、隣り合う開口パターンB間における最も広いパターン間隔)は、10μmから30μmの範囲であることが好ましく、15μmから25μmの範囲であることがより好ましい。
開口パターンA(第2の流路に対応する開口パターン)の開口面積をSA、開口パターンB(シリコンを残す溝に対応する開口パターンの複数の全部)の開口面積をSBとする。このとき、開口面積比SB/SAは、1.0/1〜1.4/1の範囲であることが好ましく、1.1/1から1.3/1の範囲であることがより好ましい。
開口パターンB(マスクの凹凸形状のパターン領域の凹部)に対応する複数の溝は、図4(a)及び(b)に示すように開口パターンAの片側に限定されるものではない。例えば、図5(a)及び(b)に示すように、互いに対向するように開口パターンAの両側に設けてもよい。なお、図5(a)は、液体吐出用基板の配線層がある側とは反対側(シリコン基板側)の平面模式図である。図5(b)は図5(a)のa−a’線に沿った断面模式図である。
第1の液体流路4と圧力発生室5の連通部である配線層1に形成される第2の液体流路13は、連続した一つの開口であってもよい。例えば図6(a)に示すように圧力発生素子2の配列方向に沿って連続して延在するように形成されてもよい(図6(a)では長尺の矩形開口が形成)。また、第2の液体流路13は、図6(b)に示すように、各圧力発生素子2に対応するように個別に形成されていてもよい(図6(b)では複数の矩形開口が配列)。前述のマスクは、このような第2の液体流路を形成する領域に対応する領域を含む開口パターンAを有する。このようなマスクを介してシリコン基板の裏面を反応性イオンエッチングすることにより、開口パターンAに対応してシリコン基板に形成される溝が、第2の液体流路を形成する領域を含むように形成される。この溝は、配線層に第2の液体流路(貫通口)を形成する際に第2の液体流路と連通する。結果、第2の液体流路に連通する溝を含む第1の液体流路を形成できる。この第2の液体流路は、圧力発生室5への液体の供給口となる。
凹凸形状のパターン領域の開口(開口パターンB)を含むマスクパターンの輪郭線は直線に限定されるものではなく曲線を含むものであってもよい。
図7(a)及び(b)並びに図7(c)及び(d)に、それぞれ図4(a)及び(b)並びに図5(a)及び(b)に対応する他の実施形態(凹凸部の平面形状の他の例)を示す。図7(a)は、液体吐出用基板の配線層がある側とは反対側(シリコン基板側)の平面模式図である。図7(b)は、図7(a)のa−a’線に沿った断面模式図である。図7(c)は、図7(a)の変形例を示し、液体吐出用基板の配線層がある側とは反対側(シリコン基板側)の平面模式図である。図7(d)は図7(c)a−a’線に沿った断面模式図である。
図8(c)に示すエッチングマスクの寸法において、寸法Cを0とし、寸法Bを最大化(隣の開口と隣接するまで大きく)することで、溝内の端部の壁際の厚みFの厚みが厚くなり、配線層下部シリコン8の機械強度を向上できる。さらに、配線層下部シリコン8の傾斜角度が高くなり液中の気泡をより抜けやすくできる。
ここで、本発明における反応性イオンエッチングは、特に制限されるものではなく、異方性のドライエッチングとして一般に用いられる反応性イオンエッチング(RIE)全般について適用可能である。RIEとしては、例えば、CCP−RIE(capacitively coupled plasma-reactive ion etching)、ICP−RIE(inductive coupled plasma-reactive ion etching)、NLD−RIE(magnetic neutral loop discharge-reactive ion etching)などが挙げられる。これらの中でも、ICP−RIEが好ましい。特にICP−RIEの場合、高密度プラズマであることからプロセスガスを効率よく分解でき、高いレートを得やすいという効果を得ることができる。またエッチングガス(例えばSF)とデポガス(例えばC)を交互に導入し、側壁にデポガスによる保護膜を形成しながらエッチングを行うボッシュプロセスを適用してもよい。
以上に説明した製造方法に従って液体吐出用基板を形成した後、得られた液体吐出用基板上に、前記第2の液体流路と前記圧力発生素子を覆うようにノズルプレートを形成する。そして、そのノズルプレートに設けられた吐出口と前記第2の液体流路とに連通し、前記圧力発生素子が配置された圧力発生室を形成することで、液体吐出ヘッドを製造することができる。例えば、本発明の実施形態による製造方法で得られた液体吐出用基板上に、例えば図1及び図2に示す構造と同様なノズルプレート部材20を設け、圧力発生素子2の直上部に吐出口6を形成することにより、液体吐出ヘッドを製造することができる。例えば、第2の液体流路を形成した後、樹脂フィルム(例えばポリイミドフィルム)をレーザーで加工し、これを接着材で貼り合わせることによりノズルプレート部材を設けることができる。また、流路型材を用いる方法でもノズルプレート部材を設けることができる。
圧力発生素子は、例えば、発熱抵抗層を用いたエネルギー発生素子(電気熱変換素子)を用いることができる。配線層は、この圧力発生素子に電力を供給する配線(例えばアルミニウム)を含む。
本発明に係る液体吐出用基板は、インクジェット記録ヘッドに適用でき、また、バイオッチップ作製や電子回路印刷用途の液体吐出ヘッド等にも適用できる。液体吐出ヘッドとしては、インクジェット記録ヘッドの他にも、例えばカラーフィルター製造用ヘッド等も挙げられる。
(実施例1)
図8を参照して、本実施形態に係る液体吐出用基板の製造方法について具体的に説明する。
図8(a)、(b)、(d)及び(f)は、図3(a)及び図4(b)に対応する断面模式図である。図8(c)は、図8(b)で示す状態のエッチングマスク10側からみた平面模式図である。図8(e)は、図8(d)で示す状態のシリコン基板裏面側(エッチングマスクが形成されていた側)からみた平面模式図である。図8(g)は、図8(f)で示す状態のエッチングマスク12側からみた平面模式図である。
まず、図8(a)に示すように、圧力発生素子2を含む配線層1が形成されたシリコン基板3を用意した。
次に、図8(b)及び(c)に示すように、配線層1が形成された側とは反対側のシリコン基板上に、第1の液体流路を形成するためのエッチングマスク10を形成した。具体的には次のようにしてエッチングマスク10を形成した。
シリコン基板の配線層1が形成された側とは反対側の面(シリコン基板裏面)にポジレジストを塗布し、図8(c)に示すエッチングマスク10の開口パターンに対応するパターンで露光した。続いて現像を行い、エッチングマスク10を形成した。図8(c)に示すエッチングマスク10は、開口パターンA(31)と開口パターンB(32)からなるパターンを有し、そのパターン寸法は、Aは300μm、B及びCは61μm、Dは500μmとした。
次いで、エッチングマスク10を形成した面側から反応性イオンエッチングを行うことで、シリコン基板3に第1の液体流路4を形成した。続いて、エッチングマスク10(現像後のポジレスト)を除去した。結果、図8(d)及び(e)に示すように、開口パターンA(31)に対応する溝と、開口パターンB(32)に対応する溝からなる第1の液体流路4を形成した。開口パターンB(32)に対応する溝の底面は、後に形成する第2の液体流路と連通する部分11を含む。
次いで、配線層1上にポジレジストを塗布し、第2の液体流路の平面形状に対応するパターンで露光し、続いて現像を行い、図8(f)及び(g)に示すエッチングマスク12を形成した。
次いで、エッチングマスク12が形成された面側から反応性イオンエッチングを行うことで、配線層1を貫通する貫通口からなる第2の液体流路13を形成した。続いて、エッチングマスク12(現像後のポジレジスト)を除去した。
このようにして、図3(a)及び図4(b)に示す液体吐出用基板を製造した。第2の液体流路との連通部(配線層下面)までの深さEは419μm、第1の液体流路を構成する溝(開口パターンBに対応する溝)内のシリコン(配線層下部シリコン8)の壁際の厚みFは119μmであった。
製造した液体吐出用基板を電子顕微鏡で確認した。その結果、第1の液体流路4上部に配線層1を配置した構造であっても、第1の液体流路の直上(上部領域7)にある配線層部分の割れや歪み等が見られなかった。また、液体吐出用基板を形成するためのチップサイズを小さくすることができた。さらに、第1の液体流路の形成領域を広げて、その広げた流路部分(開口パターンBに対応する流路部分)を構成する溝の底部(配線層下面の上)に傾斜構造を形成できた。この構造により、第2の液体流路13の開口面積を小さくしても第2の液体流路13に向かうインク流抵抗が低く、液中の泡抜けの性のよい高速印字が可能な液体吐出用基板を製造することができた。
(実施例2)
図7及び図8を参照して、本発明の他の実施形態による液体吐出ヘッド用基板の製造方法について具体的に説明する。
本実施例では、実施例1における図8(c)に示す第1の液体流路形成用のエッチングマスク10の寸法Cの61μmを0μmとし、寸法Bを100μmにした。これ以外は、実施例1と同様にして、液体吐出用基板を製造した。
結果、図7(a)及び(b)に示す構造をもつ液体吐出用基板を製造した。図4(b)の深さEに相当する深さが419μm、図4(b)の厚みFに対応する厚みが300μmであった。実施例2においては、第1の液体流路を構成する溝内のシリコン(配線層下部シリコン8)の壁際の厚みFが厚くなることで配線層の機械強度を向上できた。また、配線層下部シリコン8の傾斜角度が高く液中の気泡が抜けやすい液体吐出ヘッド用基板を製造できた。
製造した液体吐出用基板を電子顕微鏡で確認した。その結果、第1の液体流路4上部に配線層1を配置した構造であっても、第1の液体流路の直上(上部領域7)にある配線層部分の割れや歪み等が見られなかった。また、液体吐出用基板を形成するためのチップサイズを小さくすることができた。さらに、第1の液体流路の形成領域を広げて、その広げた流路部分を構成する溝の底部に傾斜構造を形成できた。この構造により、第2の液体流路13の開口面積を小さくしても第2の液体流路13に向かうインク流抵抗が低く、液中の泡抜けの性のよい高速印字が可能な液体吐出用基板を製造することができた。
1 配線層
2 圧力発生素子
3 シリコン基板
4 第1の液体流路
5 圧力発生室
6 吐出口
7 第1の液体流路の上部領域
8 配線層下部シリコン
9 第1の液体流路のマスクの開口パターンB(凹部)に対応する溝
10 第1の液体流路形成用エッチングマスク
11 第1の液体流路と第2の液体流路が連通する部分(第2の液体流路が形成される部分)
12 第2の液体流路形成用エッチングマスク
13 第2の液体流路
20 ノズルプレート部材
31 開口パターンA
32 開口パターンB

Claims (7)

  1. シリコン基板と、
    前記シリコン基板上に設けられ、液体吐出用の圧力発生素子および該圧力発生素子に電力を供給する配線を含む配線層と、
    前記配線層下の前記シリコン基板を加工して設けられた溝を含む第1の液体流路と、
    前記第1の流路と連通し、前記配線層を貫通する第2の液体流路と、
    を有する液体吐出用基板を製造する方法であって、
    前記シリコン基板上に前記配線層を設ける工程と、
    前記シリコン基板の前記配線層を設けた側と反対側の面よりマスクを介して反応性イオンエッチングを行って前記第1の液体流路を形成する工程と、
    前記配線層に、前記第1の液体流路に連通する前記第2の液体流路を形成する工程と、を含み、
    前記マスクが、
    前記配線層の前記第2の液体流路を形成する領域に対応する領域を含み、第1の方向に延在する開口パターンAを含む第1の開口パターン領域と、
    前記開口パターンAに結合し、前記第1の方向に対して交差する第2の方向に延在する開口パターンBを含む第2の開口パターン領域と、を含み、
    前記開口パターンBが、前記開口パターンAの最小の開口幅より狭い開口幅の部分を前記第2の方向の延在方向側の端部に有し、
    前記マスクを介して反応性イオンエッチングを行う際、前記開口パターンBに対応して形成される溝の底部に前記シリコン基板のシリコンを残すことを特徴とする液体吐出用基板の製造方法。
  2. 前記マスクを介して反応性イオンエッチングを行う際、前記開口パターンBに対応して形成される溝の底部に、前記第2の液体流路に近いほど厚みが薄くなる傾斜構造のシリコンを残す、請求項1に記載の液体吐出用基板の製造方法。
  3. 前記開口パターンBが矩形である、請求項1又は2に記載の液体吐出用基板の製造方法。
  4. 前記開口パターンAと前記開口パターンBの結合位置から離れるに従って前記開口パターンBの開口幅が狭まっていく、請求項1又は2に記載の液体吐出用基板の製造方法。
  5. 前記液体吐出用基板は、前記配線層に前記第1の方向に沿って配列された複数の前記圧力発生素子を有し、
    前記第2の開口パターン領域は、複数の前記開口パターンBを含み、該複数の開口パターンBが、前記配線層の前記複数の圧力発生素子を形成する領域に対応する各領域にそれぞれ端部を向けて配置されている、請求項1から4のいずれか一項に記載の液体吐出用基板の製造方法。
  6. 前記液体吐出用基板は、前記配線層に前記第1の方向に沿って配列された複数の前記第2の液体流路を有し、
    前記マスクの前記開口パターンAは、前記配線層の前記複数の第2の液体流路を形成する領域に対応する領域を全て含む帯状の開口パターンであり、
    前記第2の開口パターン領域は、複数の前記開口パターンBを含み、該複数の開口パターンBが、前記配線層の前記複数の第2の液体流路を形成する領域に対応する各領域にそれぞれ端部を向けて配置されている、請求項1から4のいずれか一項に記載の液体吐出用基板の製造方法。
  7. 請求項1から6のいずれか一項に記載の液体吐出用基板の製造方法に従って液体吐出用基板を形成する工程と、前記液体吐出用基板上に、前記第2の液体流路および前記圧力発生素子を覆うようにノズルプレートを形成する工程を有し、前記ノズルプレートに設けられた吐出口および前記第2の液体流路に連通し、前記圧力発生素子が配置される圧力発生室を形成することを特徴とする液体吐出ヘッドの製造方法。
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