JP4529298B2 - インクジェットヘッドの製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、圧電式インクジェットプリンタヘッドの製造方法の技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】
インクジェットプリンタに用いられているインクジェットプリンタヘッドにおいて、キャビティの圧力室に隣接して設けられた圧電素子を用いて、この圧電素子に電圧を印加することで圧力室の容積を小さくしてインクをオリフィスから噴射させて印刷を行う圧電式インクジェットプリンタヘッドが知られている。
【0003】
この圧電式インクジェットプリンタヘッドでは、特開平4−341851号公報に示されるように、シート状の圧電セラミック層上に、スクリーン印刷により内部電極層を印刷すると共に、各圧電セラミック層及び電極層を設けていないセラミックス層等を交互に積層してプレスして焼成し、焼成後、別途接着剤等を用いて変形拘束材を接着して製造していた。
【0004】
更に、以上のようにして製造したアクチュエータとしての圧電素子と、圧力室を形成するキャビティプレートとを接着し、更にキャビティプレートにポリイミド等から形成されたノズルプレートを接着することにより、圧電式インクジェットプリンタヘッドを製造していた。また、キャビテイプレートは、特開昭62−111758号公報に示されるように、各種の流路パターンを形成した複数のシート状材料を積層することによって構成することが知られている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記従来の方法では、キャビティプレートを構成する各シート状材料の上、あるいはキャビティプレート上に、スピンコート法、ディッピング法、ローラ転写法、あるいはスタンピング法等により接着剤を塗布していたため、塗布厚が厚すぎたり、接着剤の粘度が低下した場合等には、インク流路内に接着剤が流れ出してしまい、インク流路の閉塞が生じるという問題があった。
【0006】
特に、2液性の接着剤を用いた場合には、それぞれの接着剤を混合した時点から硬化反応が進んでしまうので、重ね合わせる際に硬化の程度にばらつきが出易く、接着剤の流れ込みを制御することが困難であった。また、加熱硬化型の接着剤の場合には、加熱硬化の際に接着剤が動くので、接着剤の流れ込みを制御することが困難であった。
【0007】
また、焼成体である圧電素子の表面には、20μm程度の凹凸があるため、接着剤を比較的厚く塗る必要がある。しかし、この厚さが厚過ぎると、流れ込みが発生し易い。一方、薄過ぎると、接着剤の欠落部分が生じ、インク流路間でインクがリークしてしまうという問題が発生する。
【0008】
そして、以上のような接着剤の流れ込みは、キャビティプレートを構成するシート材料を積層してその積層方向に圧力をかけたり、また、キャビティプレート上に圧電素子を重ねて圧力をかけた時に、接着剤がはみ出すことで発生するものであるが、特にインク流路の断面積を狭くしたところでは、流路の閉塞を発生しやすく、インク吐出を行うことが出来なくなるという問題があった。
【0009】
本発明は、前記問題に鑑みてなされたもので、インク室の接着剤による詰まりを発生させることのないインクジェットヘッドの製造方法を提供することを課題としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載のインクジェットヘッドの製造方法は、前記課題を解決するために、内部にインク流路を有するそれぞれの42合金で形成されたシート状部材を接合することにより積層し、当該積層されたシート状部材とアクチュエータ素子と接合することにより、インクジェットプリンタのインクジェットヘッドを製造する方法であって、前記シート状部材あるいは前記アクチュエータ素子の接合面にSiまたはTiあるいはNiからなる金属を薄膜形成する工程と、前記シート状部材と、他のシート状部材あるいは前記アクチュエータ素子とを重ね合わせる工程と、前記シート状部材と、他のシート状部材あるいは前記圧電アクチュエータとの隙間にゾルゲルSiO 2 からなるゾルゲル液を充填する工程と、前記ゾルゲル液を充填した前記シート状部材と他のシート状部材、あるいは前記シート状部材と前記アクチュエータ素子を加熱して前記ゾルゲル液を焼成する工程と、前記焼成した前記シート状部材と他のシート状部材、あるいは前記シート状部材と前記アクチュエータ素子を陽極接合により接合する工程とを備えたことを特徴とする。
【0011】
請求項1記載のインクジェットヘッドの製造方法によれば、まず、内部にインク流路を有するシート状部材あるいはアクチュエータ素子の接合面に、金属を薄膜形成する。次に、この金属が薄膜形成されたシート状部材と、他のシート状部材あるいは前記アクチュエータ素子とを重ね合わせる。次に、前記シート状部材と、他のシート状部材あるいは前記圧電アクチュエータとの隙間に、ゾルゲル液を充填する。次に、前記ゾルゲル液を充填した前記シート状部材と他のシート状部材、あるいは前記シート状部材と前記アクチュエータ素子を加熱し、前記ゾルゲル液を焼成する。次に、前記焼成した前記シート状部材と他のシート状部材、あるいは前記シート状部材と前記アクチュエータ素子を陽極接合により接合する。このように、ゾルゲル液を用いることにより、完全な陽極接合を行うことが出来、また、接着剤を用いないので、接着剤のはみ出しによるインク流路の閉塞が発生しない。従って、優れたインクジェットヘッドを歩留まり良く製造出来る。
また、前記シート状部材は、42合金で形成された部材なので、当該シート状部材を陽極または陰極として用いて上述の陽極接合により接合が可能となる。
また、前記シート状部材の接合面には、前記金属としてSiまたはTiあるいはNiが薄膜形成され、この薄膜と、前記ゾルゲル液から形成される薄膜との陽極接合による接合が行われる。従って、十分な接合強度が得られる。
また、前記ゾルゲル液は、ゾルゲルSiO 2 なので、焼成後にはSiO 2 膜が形成され、前記金属の薄膜との間で良好な陽極接合が行われることになる。
【0018】
請求項記載のインクジェットヘッドの製造方法は、前記課題を解決するために、請求項記載のインクジェットヘッドの製造方法において、前記シート状部材は、前記アクチュエータ素子によって容積を増減する複数の圧力室を形成するプレートと、その圧力室に連通しインクを吐出するノズルを形成するプレートと、各圧力室にインクを供給する共通インク室を形成するプレートとを含むことを特徴とする。
【0019】
請求項記載のインクジェットヘッドの製造方法によれば、前記シート状部材として、前記アクチュエータ素子によって容積を増減する複数の圧力室を形成するプレート、その圧力室に連通しインクを吐出するノズルを形成するプレート、各圧力室にインクを供給する共通インク室を形成するプレートが、上述のように接着剤を用いることなく陽極接合により接合される。従って、接着剤のインク流路への流れ込みが発生せず、優れたインク吐出動作の可能なインクジェットヘッドが製造されることになる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な実施の形態を添付図面に基づいて説明する。以下の説明は、圧電式インクジェットヘッドに対して本発明を適用した場合の実施形態である。
【0021】
記録媒体に沿って走行する公知のキャリッジ(図示せず)に搭載される本体フレーム1は、図3に示すように、上面開放の略箱状に形成されており、その上方から4つのインクカートリッジ(図示せず)を着脱自在に装着できる搭載部3を有し、該搭載部3の一側部位3aには、各インクカートリッジのインク放出部(図示せず)に接続できるインク供給通路4a、4b、4c、4dが本体フレーム1の底板5の下面まで連通している。なお、この搭載部3の一側部位3aの上面には、各インクカートリッジのインク放出部(図示せず)と密接できるようにしたゴム製等のパッキング(図示せず)が配置されている。
【0022】
底板5は、搭載部3から一段下に突出するようにして水平状に形成され、図1及び図2並びに図4に示すように、該底板5の下面側には、後述するフロントヘッドユニット6を2つ並列させて配置するための2つの支持部8を段付き状に形成する。該各支持部8には、UV接着剤にて固定するための複数の空所9a、9bが上下に貫通するように形成されている。
【0023】
図5は、フロントヘッドユニット6の斜視図を示すものである。図6は、フロントヘッドユニットの断面図を示すものである。フロントヘッドユニット6は、図5及び図6に示すように、複数枚の積層型のキャビティプレート10と、該キャビティプレート10に対して接着剤または接着シートを介して接着・積層されるプレート型の圧電アクチュエータ20と、その上面に外部機器との電気的接続のために、フレキシブルフラットケーブル40が接着剤にて重ね接合されて構成されており、最下層のキャビティプレート10の下面側に開口されたノズル15から下向きにインクが吐出する。
【0024】
図7は、キャビティプレート10の分解斜視図を示すものである。図8は、キャビティプレート10の分解拡大斜視図を示すものである。キャビティプレート10は、図8に示すように、ノズルプレート11、2枚のマニホールドプレート12、スペーサプレート13、ベースプレート14の5枚の薄い金属板をそれぞれ接着剤にて重ね接合して積層した構造である。本実施形態では、これらの各プレート11〜14は、42%ニッケル合金鋼板(42合金)製で、50μm〜150μm程度の厚さを有している。なお、これらの各プレート11〜14は、金属に限らず、例えば、樹脂により形成してもよい。
【0025】
ノズルプレート11には、微小径(本実施形態では、25μm程度)の複数のインク吐出用のノズル15が、当該ノズルプレート11における長手方向の中心線11a、11bに沿って、微小ピッチPの間隔で千鳥状配列で穿設されている。2枚のマニホールドプレート12に対するノズルプレート11及びスペーサプレート13の積層により密閉される構造になっている。
【0026】
また、ベースプレート14には、図8に示すように、長手方向の中心線14a、14bに対して直交する方向に延びる細幅の複数の圧力室16が千鳥状配列で穿設されている。また、ベースプレート14には、各圧力室16と接続される絞り部16dが穿設されている。さらに当該絞り部16dと接続されるインク供給孔16bが穿設されている。各インク供給孔16bは、スペーサプレート13における左右両側部位に穿設されたインク供給孔18を介して、マニホールドプレート12における共通インク室12aに連通している。ここで、各絞り部16dにおけるインクが流れる方向と直交する断面積は、各圧力室16における当該断面積より小さい構造となっている。これは、絞り部16dの断面積を小さくすることにより、流路抵抗を増すためである。なお、各圧力室16の断面形状については後述する。
【0027】
各圧力室16の一端部16aは、ノズルプレート14における千鳥状配列のノズル15に、スペーサプレート13及び2枚のマニホールドプレート12に同じく千鳥状配列で穿設されている微小径の貫通孔17を通って、各圧力室16に対応するノズル15に至ることとなる。
【0028】
図9は、圧電アクチュエータ20の分解拡大斜視図を示すものである。圧電アクチュエータ20は、図9に示すように、3枚のセラミックスシート21、22、23を積層した構造である。最下段のシート21の上面には、キャビティプレート10における各圧力室16毎に対応した細幅の複数の駆動電極24が、千鳥状配列で設けられている。また、各駆動電極24の一端部24aは、圧電アクチュエータ20の表裏面20a、20bと直交する左右側面20cに露出するように形成されている。
【0029】
次段のシート22の上面には、複数の圧力室16に対して共通のコモン電極25が、設けられている。コモン電極25の一端部25aも、各駆動電極24の一端部24aと同様、左右側面20cに露出するように形成されている。
【0030】
最上段のシート23の上面には、各駆動電極24の各々に対する表面電極26と、コモン電極25に対する表面電極27とが、左右側面20cに沿って並ぶように設けられている。
【0031】
また、左右側面20cには、各駆動電極24の一端部24aに第1の凹み溝30が、コモン電極25の一端部25aに第2の凹み溝31が、それぞれ積層方向に延びるように設けられている。各第1の凹み溝30内には、図6に示すように、各駆動電極24と各表面電極26とを電気的に接続する側面電極32が、第2の凹み溝31内には、コモン電極25と表面電極27とを電気的に接続する側面電極33が、それぞれ形成されている。なお、符号28及び29の電極は、捨てパターンの電極である。
【0032】
各駆動電極24に対応する位置とコモン電極25とに挟まれた圧電シート22の各領域は、分極処理されて圧電特性が付与され、各圧力室16に対応した圧力発生部となる。
【0033】
以上のような構成のキャビティプレート10と圧電アクチュエータ20とは、キャビティプレート10における各圧力室16と、圧電アクチュエータ20における駆動電極24とが対応するように積層される。また、圧電アクチュエータ20における上側の表面20aには、フレキシブルフラットケーブル40が重ね押圧されることにより、このフレキシブルフラットケーブル40における各種の配線パターン(図示せず)が、各表面電極26、27に電気的に接合される。
【0034】
このような構成において、圧電アクチュエータ20における各駆動電極24のうち任意の駆動電極24と、コモン電極25との間に電圧を印加することにより、圧電シート22のうち電圧を印加した駆動電極24の部分、即ち、圧力発生部に、圧電効果による積層方向の歪みが発生する。そして、この歪みによる圧力にて、各駆動電極24に対応する圧力室16の内容積が縮小されることにより、この圧力室16内のインクが、ノズル15から液滴状に吐出して、所定の印字が行われる。
【0035】
ここで、前記圧電アクチュエータ20の製造方法について説明する。まず、強誘電性を有するチタン酸ジルコン酸鉛(PZT(PbTiO3・PbZrO3))系のセラミック粉末、バインダ、溶剤を混合する。
【0036】
次に、前記混合液を、PET(ポリエチレンテレフタレート)等のプラスチックフィルム上に、ドクターブレード法を用いて所定の厚さに塗布し、3枚のセラミックスシート21、22、23から成るグリーンシートを形成する。
【0037】
さらに、前記グリーンシートの駆動電極24等の電極となる部分に、金属材料をスクリーン印刷により印刷する。
【0038】
そして、このようにして形成したグリーンシートを積層し、加熱プレスし、グリーンシートの積層ブロックを得る。
【0039】
次に、積層ブロックを所定の温度で加熱することにより、バインダーを焼き飛ばした後、焼成炉により所定の温度で焼成する。そして、ブロックを所定の大きさに切断し、個々の圧電アクチュエータ20を得る。
【0040】
次に、個々の圧電アクチュエータ20に側面電極32、33を印刷し、焼成炉を用いて前記側面電極32、33の焼付を行う。
【0041】
そして、電極24、25に高電圧を印加することで、両電極間のセラミックスシート21の分極処理を行う。
【0042】
このようにして、本実施形態の圧電式インクジェットヘッドに用いられる圧電アクチュエータ20が製造される。
【0043】
次に、本実施形態における圧電式インクジェットヘッドの製造方法について説明する。
【0044】
圧電式インクジェットヘッドは、上述したキャビティプレート10と、圧電アクチュエータ20とを接合することにより製造する。但し、本実施形態においては、従来のように接着剤を用いてこれらの接合を行うのではなく、ゾルゲル液を用いて陽極接合によりキャビティプレート10と圧電アクチュエータ20とを接合する。
【0045】
まず、42合金製のキャビティプレート10に、スパッタ法等を用いて、図10(A)に示すように、0.1μm程度のSi膜51を形成する。
【0046】
次に、前記Si膜51が形成されたキャビティプレート10と、圧電アクチュエータ20とを重ね合わせる。
【0047】
そして、ゾルゲル法により図10(A)に示すように、SiO2膜50を形成する。つまり、前記重ね合わせの際に形成される隙間に、毛細管現象を利用して、SiO2を注入し、例えば450℃の温度で焼成する。これにより、Si膜51及び圧電アクチュエータ20に密着したSiO2膜が形成される。
【0048】
次に、この状態のまま、キャビティプレート10を陽極に、圧電アクチュエータ20を陰極にして、600V〜800Vの電圧を印加する。この電圧印加によって、Si膜51とSiO2膜とが陽極接合により接合される。従って、圧電アクチュエータ20とキャビティプレート10は、接着剤を用いることなく接合されることになる。このようにして、圧電式インクジェットヘッドが製造される
【0049】
接着剤を用いた場合には、接着剤のはみ出しにより、図8に示すベースプレート14の絞り部16d等の流路が詰まってしまうことがあったが、本実施形態の製造方法によれば、重ね合わせた材料間の毛細管現象が絞り部16d等の流路よりも大きいため、このような不具合を発生させることがない。
【0050】
また、接着剤を用いた場合には、接着剤の不足、あるいは接着層に気泡部が形成される等の原因により、図8に示す各圧力室16間でインクがリークしてしまうことがあったが、本実施形態の製造方法によれば、ゾルゲル法によりSiO2膜50が形成されるので、各圧力室16間のリークが確実に防止される。
【0051】
従って、本実施形態の製造方法によれば、優れた圧電式インクジェットヘッドを歩留まり良く製造することが出来る。
【0052】
また、上述の説明では、圧電アクチュエータ20とキャビティプレート10の接合に本発明を適用したが、本発明はこのような例に限定されるものではなく、例えば、図7に示すようなキャビティプレート10の各プレートの接合にも適用可能である。
【0053】
例えば、図7に示す42合金製のベースプレート14のスペーサプレート13に対する接合面に、スパッタ法等により図10(B)に示すように0.1μm程度のSi膜51を形成し、また、同じく42合金製のスペーサプレート13のベースプレート14に対する接合面に、スパッタ法等により図10(B)に示すように0.1μm程度のSi膜51を形成し、これらを重ね合わせる。
【0054】
そして、ゾルゲル法により図10(B)に示すように、SiO2膜50を形成する。つまり、前記重ね合わせの際に形成される隙間に、毛細管現象を利用して、SiO2を注入し、例えば450℃の温度で焼成する。これにより、各Si膜51に密着したSiO2膜が形成される。
【0055】
次に、この状態のまま、ベースプレート14を陽極に、スペーサプレート13を陰極にして、600V〜800Vの電圧を印加する。この電圧印加によって、各Si膜51とSiO2膜とが陽極接合により接合される。従って、ベースプレート14とスペーサプレート13は、接着剤を用いることなく接合されることになる。
【0056】
以下、同様にして、スペーサプレート13とマニホールドプレート12、2枚のマニホールドプレート12、マニホールドプレート12とノズルプレート11のそれぞれを、ゾルゲル法により形成したSiO2膜を用いて陽極接合により接合すれば良い。
【0057】
あるいは、ノズルプレート11、2枚のマニホールドプレート12、スペーサプレート13、及びベースプレート14のそれぞれの接合面にSi膜51を形成し、これらの5枚のプレートを重ね合わせ、それぞれの重ね合わせ部にゾルゲル法によりSiO2膜を形成し、一度に陽極接合により接合を行うようにしても良い。
【0058】
また、上述した説明では、接合面にSi膜を形成したが、本発明はこのような構成に限定されるものではなく、TiあるいはNiを薄膜形成して、陽極接合を行うようにしても良い。
【0059】
【発明の効果】
請求項1記載のインクジェットヘッドの製造方法によれば、内部にインク流路を有するシート状部材あるいはアクチュエータ素子の接合面に金属を薄膜形成し、この金属が薄膜形成されたシート状部材と、他のシート状部材あるいは前記アクチュエータ素子とを重ね合わせ、この隙間にゾルゲル法により薄膜を形成した後に陽極接合により接合を行うので、完全な陽極接合を行うことが出来、また、接着剤を用いないので、接着剤のはみ出しによるインク流路の閉塞が発生しない。従って、優れたインクジェットヘッドを歩留まり良く製造出来る。
また、前記シート状部材は、42合金で形成された部材なので、当該シート状部材を陽極または陰極として用いて上述の陽極接合により接合が可能となる。
また、前記シート状部材の接合面には、前記金属としてSiまたはTiあるいはNiが薄膜形成され、この薄膜と、前記ゾルゲル液から形成される薄膜との陽極接合による接合が行われる。従って、十分な接合強度が得られる。
また、前記ゾルゲル液は、ゾルゲルSiO 2 なので、焼成後にはSiO 2 膜が形成され、前記金属の薄膜との間で良好な陽極接合が行われることになる。
【0063】
請求項記載のインクジェットヘッドの製造方法によれば、前記シート状部材として、前記アクチュエータ素子によって容積を増減する複数の圧力室を形成するプレート、その圧力室に連通しインクを吐出するノズルを形成するプレート、各圧力室にインクを供給する共通インク室を形成するプレートが、上述のように接着剤を用いることなく陽極接合により接合されるので、接着剤のインク流路への流れ込みが発生せず、優れたインク吐出動作の可能なインクジェットヘッドを製造することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態における圧電式インクジェットヘッドのノズル側を上にした斜視図である。
【図2】図1の圧電式インクジェットヘッドの部品の分解斜視図である。
【図3】図1の圧電式インクジェットヘッドを上方から見た部品の分解斜視図である。
【図4】図1の圧電式インクジェットヘッドの本体フレームの底板を下面側から見た下面図である。
【図5】図1の圧電式インクジェットヘッドにおけるフロントヘッドユニットの斜視図である。
【図6】図1の圧電式インクジェットヘッドにおけるフロントヘッドユニットの断面図である。
【図7】図1の圧電式インクジェットヘッドにおけるキャビティプレートの分解斜視図を示すものである。
【図8】図1の圧電式インクジェットヘッドにおけるキャビティプレートの分解拡大斜視図を示すものである。
【図9】図1の圧電式インクジェットヘッドにおける圧電アクチュエータの分解拡大斜視図を示すものである。
【図10】(A)は本発明の一実施形態におけるキャビティプレートと圧電アクチュエータとの接合方法を説明する図、(B)はベースプレートとキャビティプレートとの接合方法を説明する図である。
【符号の説明】
10 キャビティプレート
11 ノズルプレート
12 マニホールドプレート
13 スペーサプレート
14 ベースプレート
20 圧電アクチュエータ
21、22 圧電シート
23 絶縁シート
24 駆動電極
25 コモン電極
26、27 表面電極
30、31 凹み溝
32、33 側面電極
50 ゾルゲル法により形成されたSiO2
51 Si膜

Claims (2)

  1. 内部にインク流路を有するそれぞれの42合金で形成されたシート状部材を接合することにより積層し、当該積層されたシート状部材とアクチュエータ素子と接合することにより、インクジェットプリンタのインクジェットヘッドを製造する方法であって、
    前記シート状部材あるいは前記アクチュエータ素子の接合面にSiまたはTiあるいはNiからなる金属を薄膜形成する工程と、
    前記シート状部材と、他のシート状部材あるいは前記アクチュエータ素子とを重ね合わせる工程と、
    前記シート状部材と、他のシート状部材あるいは前記アクチュエータ素子との隙間にゾルゲルSiO 2 からなるゾルゲル液を充填する工程と、
    前記ゾルゲル液を充填した前記シート状部材と他のシート状部材、あるいは前記シート状部材と前記アクチュエータ素子を加熱して前記ゾルゲル液を焼成する工程と、
    前記焼成した前記シート状部材と他のシート状部材、あるいは前記シート状部材と前記アクチュエータ素子を陽極接合により接合する工程と、
    を備えたことを特徴とするインクジェットヘッドの製造方法。
  2. 前記シート状部材は、前記アクチュエータ素子によって容積を増減する複数の圧力室を形成するプレートと、その圧力室に連通しインクを吐出するノズルを形成するプレートと、各圧力室にインクを供給する共通インク室を形成するプレートとを含むことを特徴とする請求項記載のインクジェットヘッドの製造方法。
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