JP2001040678A - 免震構造および免震装置 - Google Patents

免震構造および免震装置

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JP2001040678A
JP2001040678A JP11216569A JP21656999A JP2001040678A JP 2001040678 A JP2001040678 A JP 2001040678A JP 11216569 A JP11216569 A JP 11216569A JP 21656999 A JP21656999 A JP 21656999A JP 2001040678 A JP2001040678 A JP 2001040678A
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Japan
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seismic isolation
rolling
isolation device
rolling elements
panel
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JP11216569A
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English (en)
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Kenichi Agui
賢一 安喰
Masanori Muto
正則 武藤
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Nok Corp
Hazama Corp
Original Assignee
Hazama Gumi Ltd
Nok Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 構造が比較的簡単であるとともに支持が安定
しており、作動も円滑な免震装置1を提供する。 【解決手段】 上面が平滑かつ水平に形成された支持体
および該支持体の上方に配置されるとともに底面が平滑
に形成された被支持体の間に転動可能に介装される複数
の転動体2と、該複数の転動体2を整列状態に保持する
パネル状の保持部材3とを備えている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、土木構造物や建築
構造物等における免震構造および免震装置に関するもの
であり、更に、これらの構造物に限らず、広く震動を厭
う箇所、例えば精密機器類の分野等にも利用されるもの
である。
【0002】
【従来の技術】従来公知の免震装置として、図7に示す
積層ゴム方式の免震装置51、図8に示す滑り方式の免
震装置61および図9に示す転がり方式の免震装置71
がそれぞれ知られている。
【0003】このうち先ず、図7の積層ゴム方式の免震
装置51は、スタビライザー(補強板)52およびフラ
ンジ53を介して高減衰ゴム54を複数積層するととも
にこの高減衰ゴム54の内部にインサートプレート(鉄
板)55を所要数埋設したものであり、高減衰ゴム54
の弾性を震動の減衰に用いるものである。
【0004】また、図8の滑り方式の免震装置61は、
同図(A)に示すように、支持体62側のベースプレー
ト63に保持された回転スライダ64を被支持体65側
の球面状滑り面66に対して摺動させるものであり、同
図(B)の作動図に示すように、滑り面66における摺
動摩擦を震動の減衰に用いるものである。
【0005】また、図9の転がり方式の免震装置71
は、同図(A)に示すように、被支持体72側の保持器
73に保持されたボール状の転動体74を支持体側のベ
ースプレート75に設けた円錐状転動面76に対して転
動させるものであり、同図(B)の作動図に示すよう
に、転動面76における転がり摩擦を震動の減衰に用い
るものである。
【0006】しかしながら、上記従来技術には、以下の
ような不都合がある。
【0007】すなわち先ず、上記従来技術は何れもその
構造が複雑であるために、その製作に多くの手間と時間
がかかり、コスト的にも不利であると云う不都合があ
る。例えば図7の免震装置51では、スタビライザー5
2、フランジ53および高減衰ゴム54を複数積層しな
ければならず、図8の免震装置61では球面状滑り面6
6を精度良く製作しなければならず、図9の免震装置7
1では円錐状転動面76をやはり精度良く製作しなけれ
ばならず、これらの作業が極めて面倒である。また上記
従来技術にはその構造上、水平方向の移動距離に制限が
あるために、免震可能な範囲が狭いと云う不都合があ
り、一の被支持体に対して複数が設置される免震装置間
の配置間隔が広く設定されるために、各装置を介しての
被支持体の支持が不安定な状態となる不都合もある。
【0008】また、図8または図9の滑り方式または転
がり方式の免震装置61,71においては、装置一台当
たりに回転スライダ64または転動体74が一つずつ配
置されるのみであるために、この回転スライダ64また
は転動体74に発生する面圧が大きく、よってこれらの
円滑な動きを十分に確保することができない不都合があ
る。また回転スライダ64、転動体74および保持器7
3等の部品が比重の比較的大きな金属製の部品とされて
いるために、装置の重量が重く、よって取り扱いが不便
であるとともに、錆や腐食が発生するために、短期間の
使用で免震機能が損なわれる不都合もある。
【0009】更にまた、上記何れの免震装置において
も、建物の自重を免震装置に集中させて処理する必要が
あり、戸建住宅のように小規模で荷重分散形の構造物、
例えば荷重のスパンが短い木造構造物や壁式構造物等に
適用しようとすると、免震装置を取り付ける部位廻りの
補強が大掛かりになるという欠点がある。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記従来技術
の欠点に着目し、小規模で荷重分散形の構造物であって
も、構造物を特に補強することなく適用可能で、かつ所
要の変形性能を得ることができる免震構造および免震装
置を提供することを目的とし、また構造が比較的簡単で
あるとともに支持が安定しており、作動も円滑な免震構
造および免震装置を提供することを目的とする。またこ
れに加えて、転動体の転動方向に制限がなく、もって転
動体の作動が円滑であるとともに、構成部品が一体に組
み付けられていて運搬等の取り扱いが容易な免震装置を
提供することを目的とし、更に重量が比較的軽く、錆や
腐食等が発生せず、もって優れた耐久性を発揮すること
が可能な免震装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の請求項1による免震構造は、上面が平滑か
つ水平に形成された第一のスラブ版と、該第一のスラブ
版上に敷き並べられた複数の転動体と、該複数の転動体
の上に載置された底面が平滑な第二のスラブ版とを備
え、前記複数の転動体は、第一のスラブ版および第二の
スラブ版の双方に対して転動可能であり、前記転動体を
整列状態に保持するパネル状の保持部材とを備えたこと
を特徴とするものである。
【0012】また、本発明の請求項2による免震装置
は、上面が平滑かつ水平に形成された支持体および該支
持体の上方に配置されるとともに底面が平滑に形成され
た被支持体の間に転動可能に介装される複数の転動体
と、該複数の転動体を整列状態に保持するパネル状の保
持部材とを備えたことを特徴とするものである。
【0013】また、本発明の請求項3による免震装置
は、上記した請求項2の免震装置において、転動体が球
形であり、該球形の転動体を回転可能にかつ抜け止めし
た状態で保持する転動体保持部がパネル状の保持部材に
設けられていることを特徴とするものである。
【0014】更にまた、本発明の請求項4による免震装
置は、上記した請求項2または3の免震装置において、
転動体および保持部材がそれぞれ樹脂により成形されて
いることを特徴とするものである。
【0015】上記構成を備えた本発明の請求項1による
免震構造においては、同一平面上に整列配置された複数
の転動体がパネル状の保持部材に保持されて免震装置が
構成され、この免震装置が第一のスラブ版と第二のスラ
ブ版の間に転動自在に介装される。同一平面上に整列配
置される複数の転動体はそれぞれが第一のスラブ版およ
び第二のスラブ版の双方に対して同時に転動可能とされ
ており、よって転動体が転動する第一のスラブ版の転動
面および第二のスラブ版の転動面は何れも十分な広さを
備えた平面状に成形される。また転動体を整列状態に保
持するパネル状の保持部材は平板状に成形されて、その
平面内に転動体を保持する保持部が所要数設けられてお
り、この保持部に転動体が回転自在に保持される。そし
て、このような構成を備えた免震装置が第一のスラブ版
および第二のスラブ版の間に介装されると、複数の転動
体が第二のスラブ版側の荷重を分散して支持し、また震
動が入力すると、全ての転動体が同時に同方向に転動し
て、第一のスラブ版および第二のスラブ版が互いに水平
方向に相対変位するのを許容する。また全ての転動体が
パネル状の保持部材に保持される構成であるために、こ
の複数の転動体およびパネル状の保持部材を備えた免震
装置は、その構成部品が予め一体に組み付けられること
になる。
【0016】また、上記構成を備えた本発明の請求項2
による免震装置においては、同一平面上に整列配置され
た複数の転動体がパネル状の保持部材に保持されて免震
装置が構成され、この免震装置が支持体と被支持体の間
に転動自在に介装される。同一平面上に整列配置される
複数の転動体はそれぞれが支持体および被支持体の双方
に対して同時に転動可能とされており、よって転動体が
転動する支持体の転動面および被支持体の転動面は何れ
も十分な広さを備えた平面状に成形される。また転動体
を整列状態に保持するパネル状の保持部材は平板状に成
形されて、その平面内に転動体を保持する保持部が所要
数設けられており、この保持部に転動体が回転自在に保
持される。そして、このような構成を備えた免震装置が
支持体および被支持体の間に介装されると、複数の転動
体が被支持体側の荷重を分散して支持し、また震動が入
力すると、全ての転動体が同時に同方向に転動して、支
持体および被支持体が互いに水平方向に相対変位するの
を許容する。また全ての転動体がパネル状の保持部材に
保持される構成であるために、この複数の転動体および
パネル状の保持部材を備えた免震装置は、その構成部品
が予め一体に組み付けられることになる。支持体には土
木構造物または建築構造物等における下側スラブ版(請
求項1における第一のスラブ版)が含まれ、被支持体に
は土木構造物または建築構造物における上側スラブ版
(請求項1における第二のスラブ版)が含まれる。
【0017】またこれに加えて、上記構成を備えた本発
明の請求項3による免震装置においては、転動体が球形
に形成されているために、その転動方向に制限がないと
ともに、この球形の転動体を回転可能にかつ抜け止めし
た状態で保持する保持部がパネル状の保持部材に設けら
れているために、複数の球形の転動体およびパネル状の
保持部材よりなる構成部品が予め一体に組み付けられる
ことになる。
【0018】更にまた、上記構成を備えた本発明の請求
項4による免震装置においては、転動体および保持部材
がそれぞれ樹脂により成形されているために、その比重
が小さいことにしたがって製品が一般に軽量化され、ま
た錆や腐食等が発生することがない。樹脂の種類として
は、フェノール樹脂等が好適である。
【0019】
【発明の実施の形態】つぎに本発明の実施形態を図面に
したがって説明する。
【0020】第一実施形態・・・図1は、当該実施形態
に係る免震構造を適用した基礎スラブを示す概略断面図
であり、当該免震構造11は、第一のスラブ版としての
下部べた基礎12と、複数の転動体2および保持部材3
を備えた免震装置1と、第二のスラブ版としての上部べ
た基礎13とを有している。
【0021】下部べた基礎12にはその上面に、平滑か
つ水平に形成された転動体転動面12aが形成されてお
り、この転動面12a上に免震装置1が載せられてい
る。上部べた基礎13にはその下面に、平滑に形成され
た転動体転動面13aが形成されており、この転動面1
3aをもって上部べた基礎13が免震装置1の上に載せ
られている。また、上部べた基礎13の周りを囲むよう
にして下部べた基礎12に側面部12bが設けられてお
り、この側面部12bと上部べた基礎13との間に所要
数の震動減衰用ダンパー14が介装されている。
【0022】免震装置(これを全体として免震パネルと
も称する)1は、図2および図3に示すように構成され
ている。図2は、この免震装置1の平面を示しており、
そのA−A線拡大断面が図3(A)に示されるとともに
B−B線拡大断面が図3(B)に示されている。
【0023】当該実施形態に係る免震装置1は先ず、球
形ないしボール形を呈する転動体(ボールとも称する)
2を備えており、この転動体2が複数(多数)同一平面
上に整列配置されている。図2では、この転動体2が6
0個ほど所定の間隔をおいて千鳥状に並べられている。
転動体2はそれぞれフェノール樹脂等の比較的硬質の樹
脂を材料として成形されており、また実寸で直径25m
mほどの球形に成形されている。
【0024】また、当該免震装置1は、上記転動体2を
整列状態に保持するパネル状の保持部材(パネルとも称
する)3を備えており、この保持部材3に孔状を呈する
転動体保持部6が転動体2の配置に合わせて設けられ
て、転動体2を一つずつ回転可能に保持している。
【0025】図3に示すように、保持部材3は二枚のプ
レート4,5を互い重ね合わせたものであり、この二枚
のプレート4,5がボルト7およびナット8等よりなる
締結手段により互いに固定されている。プレート4,5
はそれぞれアクリル樹脂等の所定の樹脂を材料として成
形されており、実寸で例えば縦910mm、横1820
mm、厚さ6mmほどの平板状に成形されている。
【0026】この保持部材3に設けられた転動体2の保
持部6は、以下のように構成されている。
【0027】すなわち先ず、上下一対のプレート4,5
に互いに対応して平面円形の孔部4c,5cが設けられ
ており、この孔部4c,5cの内周面が拝み合わせのテ
ーパ面状に成形されている。すなわち、一対のプレート
4,5が互いに重ね合わされる内面4a,5a側におい
ては、孔部4c,5cの開口部の内径寸法(最大内径寸
法)dが転動体2の直径寸法dより大きく設定され
ており、反対に図上上下の外面4b,5b側において
は、孔部4c,5cの開口部の内径寸法(最小内径寸
法)dが転動体2の直径寸法dより小さく設定され
ており(d>d>d)、これにより孔部4c,5
cの内周面がそれぞれ先窄まりのテーパ面状に成形され
ている。したがってこの一対のテーパ面状の孔部4c,
5cを備えた保持部6に転動体2がガタなく回転可能
に、かつ抜け止めされた状態で保持されている。図の寸
法例では、上記したように転動体2の直径寸法dが2
5mmであるのに対して、孔部4c,5cの外面4b,
5b側の内径寸法dが若干小さな23mmほどとされ
ており、ここから20度ほどの傾斜角度θでテーパ面状
の内周面が形成されている。
【0028】また、一対のプレート4,5に、互いに対
応して、ボルト7のネジ部7aを差し通すボルト挿通孔
4d,5dが設けられており、このボルト挿通孔4d,
5dにボルト7のネジ部7aが差し通されて反対側でナ
ット8と螺合されている。図2では、このボルト7およ
びナット8の組み合わせが40組ほど、保持部6と互い
違いに配置されている。
【0029】また、当該免震装置1を組み立てるに際し
ては、下側のプレート5の孔部5cにそれぞれ上方から
転動体2を一つずつ装填してから上側のプレート4を重
ね合わせ、ボルト挿通孔4d,5dにボルト7のネジ部
7aを差し通してナット8と螺合すれば良く、極めて簡
単に当該装置1を組み立てることが可能である。
【0030】図3に示したように、組み立てられた免震
装置1においては、転動体2が保持部材3の上下に略等
量ずつ突出しており、よって当該免震装置1が第一のス
ラブ版ないし支持体としての下部べた基礎12および第
二のスラブ版ないし被支持体としての上部べた基礎13
の間に介装されると、転動体2が下部べた基礎12の転
動面12aおよび上部べた基礎13の転動面13aの双
方に対して同時に転動可能に接触する。転動体2の保持
部材3からの突出量t,t'はボルト7の頭部7b
の高さtおよびナット8の高さtの何れよりも大き
く設定されており(t,t'>t,t)、よっ
て転動体2の各転動面12a,13aに対する接触をボ
ルト7およびナット8が阻害することはないが、これら
が邪魔な場合には、ボルト7の頭部7bまたはナット8
の全部または一部を収容する凹部(図示せず)をボルト
挿通孔4d,5dの開口周縁部に設けるようにしても良
い。
【0031】また、この免震装置1の下側に配置される
下部べた基礎12の転動面12aおよび免震装置1の上
側に配置される上部べた基礎13の転動面13aは何れ
も、当該免震装置1の平面積以上の平面積を備えた平面
状に成形されており、上記した多数の転動体2が同時に
接触し、転動する。
【0032】上記構成を備えた免震構造11は、図1に
示したように、下部べた基礎12および上部べた基礎1
3の間に免震装置1を介装して上部べた基礎13側の重
量荷重を支持するとともに、震動が入力したときに免震
装置1が下部べた基礎12および上部べた基礎13に対
して転動して転がり摩擦により震動荷重を減衰させるも
のであって、上記構成により以下の作用効果を奏する点
に特徴を有している。また、上記構成を備えた免震装置
1は、図1に示したように、下部べた基礎12および上
部べた基礎13の間に介装されて上部べた基礎13側の
重量荷重を支持するとともに、震動が入力したときに下
部べた基礎12および上部べた基礎13に対して転動し
て転がり摩擦により震動荷重を減衰させるものであっ
て、上記構成により以下の作用効果を奏する点に特徴を
有している。
【0033】すなわち先ず、免震構造11については、
平面状に整列配置した複数の転動体2が上部荷重を分散
して支持するため、免震装置1の取付け部位廻りに過剰
な応力が作用するのを防止できるので、この部位を簡略
な構造で構築できるという利点がある。
【0034】また、免震装置1については、予めテーパ
孔状の保持部6を設けた二枚合わせのパネル状の保持部
材3に必要数の球形の転動体2を組み込んでボルト止め
するだけの簡単な構造であるために、その製作が比較的
簡単であり、コスト的にも有利である。保持部材3を構
成する二枚のプレート4,5は互いに同一規格(仕様)
の部品であり、複数の転動体2も同一規格の部品であ
り、ボルト7およびナット8の組み合わせよりなる締結
手段も同一規格のものを複数用意すれば良い。したがっ
てこれらの部品調達の点からしても、製作が極めて容易
である。また複数の転動体2が予めパネル状の保持部材
3に保持されるために、この免震装置1は各構成部品が
予め一体に組み付けられている。したがってその運搬等
の取り扱いが容易である。
【0035】また、上記免震装置1においては、複数の
転動体2を平面状の支持面および被支持面に対して同時
に転動させる構造であるために、当該免震装置1の水平
方向の移動距離に制限がない。したがってトリガー機構
等の制限機構を別途併設して水平方向の移動距離を任意
に調整することにより、免震可能な範囲を任意に設定す
ることができ、またこの免震可能範囲を拡大することが
できる。
【0036】また、上記免震装置1はその平面積が比較
的大きいものであって、被支持体を安定良く支持するこ
とができる。被支持体の大きさ如何によっては、被支持
体を丸ごと当該免震装置1の上に載せて免震させること
も可能である。
【0037】また、複数の転動体2が被支持体の重量荷
重を分散して支持するために、転動体2一つ当たりに発
生する面圧が小さくて済む。したがって各転動体2が円
滑に転動する。
【0038】また、複数の転動体2がそれぞれ球形に形
成されているために、その転動方向に制限がない。した
がって全ての転動体2が同時に同方向に良く転がり、優
れた免震機能を発揮する。
【0039】また、球形の転動体2を回転可能にかつ抜
け止めした状態で保持する孔状の保持部6がパネル状の
保持部材3に設けられているために、複数の球形の転動
体2およびパネル状の保持部材3よりなる免震装置1の
構成部品が予め一体に組み付けられている。したがって
上記したようにその運搬等の取り扱いが容易である。
【0040】更にまた、転動体2および保持部材3のプ
レート4,5が何れもフェノール樹脂またはアクリル樹
脂等の樹脂により成形されていて、この樹脂の比重が金
属の比重と比べて小さなものであるために、装置1の重
量を軽減することができ、よってその製作および取り扱
いを容易なものとすることができる。また併せて、装置
1の各部に錆や腐食等が発生するのを防止することがで
きるために、当該免震装置1の耐久性を向上させること
ができる。
【0041】第二実施形態・・・つぎに、免震装置1に
ついての他の実施形態を図4ないし図6にしたがって説
明する。図4は、当該実施形態に係る免震装置1の平面
を示しており、そのC−C線拡大断面が図5に示されて
いる。また図6はガイド9の単品図である。
【0042】当該実施形態に係る免震装置1は先ず、球
形ないしボール形の転動体2を備えており、この転動体
2が複数(多数)同一平面上に整列配置されている。図
4では、この転動体2が60個ほど所定の間隔をおいて
千鳥状に並べられている。転動体2はそれぞれフェノー
ル樹脂等の比較的硬質の樹脂を材料として成形されてお
り、また実寸で直径25mmほどの球形に成形されてい
る。
【0043】また、当該免震装置1は、上記転動体2を
整列状態に保持するパネル状の保持部材3を備えてお
り、この保持部材3にガイト9が転動体2の配置に合わ
せて設けられて、転動体2を一つずつ回転可能に保持し
ている。
【0044】保持部材3は、プレート4を備えており、
図5に示すように、このプレート4に孔状の装着部4e
が転動体2の配置に合わせて設けられており、この孔状
の装着部4eにガイド9が一つずつ装着されて孔状の保
持部6が構成されている。プレート4は塩化ビニール等
の所定の樹脂を材料として成形されており、実寸で例え
ば縦910mm、横1820mm、厚さ3.5mm以下
の平板状に成形されており、このプレート4に孔状の装
着部4eが円孔として設けられている。
【0045】ガイド9は、ポリプロピレンまたは含油樹
脂等の樹脂を材料として、以下のように構成されてい
る。
【0046】すなわち、このガイド9は先ず円筒状の筒
状部9aを備えており、図5においてプレート4の装着
部4eに対して図上上方から差し込み固定されることを
予定して、この筒状部9aの上端部9b外周面に、プレ
ート4の装着部4eの周縁部に係合する鍔状の係合部9
cが設けられている。またその下側に、このガイド9を
プレート4の装着部4eから上方に抜け止めする突起状
の係合部9dが設けられており、両係合部9c,9dの
間にプレート4の装着部4e周縁が挾まれることにな
る。突起状の係合部9dは所要数が等配状に設けられて
おり、図では四等配とされている。またこの突起状の係
合部9dの下面は、差し込み時にこの係合部9dがプレ
ート4の装着部4e周縁を乗り越え易いように斜面状の
ガイド面9eとして形成されており、筒状部9aの下端
外周部も係合部9dから下端部9fへかけて外径寸法が
徐々に小さくなるよう先窄まり状に成形されている。筒
状部9aの内周面には、球形の転動体2を回転自在に保
持する球面状の保持面9gが設けられており、また筒状
部9aには、転動体2を図上下方から圧入し易いように
スリット部9hが下端部9f側から等配状に設けられて
いる。図ではこのスリット部9hが係合部9dと互い違
いに四等配で設けられている。
【0047】したがって、当該免震装置1を組み立てる
に際しては、先ずプレート4の装着部4eに図上上方か
らガイド9を差し込み、次いでこのガイド9に図上下方
から転動体2を圧入すれば良く、極めて簡単に当該装置
1を組み立てることが可能である。
【0048】図5に示したように、組み立てられた免震
装置1においては、転動体2がその一部においてガイド
9の上下にそれぞれ突出しており、よって当該免震装置
1が支持体および被支持体の間に介装されると、転動体
2が支持体および被支持体の双方に対して同時に転動可
能に接触する。
【0049】また、この免震装置1の下側に配置される
支持体の支持面(転動面)および免震装置1の上側に配
置される被支持体の被支持体面(転動面)は何れも当該
免震装置1の平面積以上の平面積を備えた平面状に成形
されており、上記した多数の転動体2が同時に接触し、
転動する。
【0050】上記構成を備えた免震装置1は、支持体お
よび被支持体の間に介装されて被支持体側の重量荷重を
支持するとともに、震動が入力したときに支持体および
被支持体に対して転動して転がり摩擦により震動荷重を
減衰させるものであって、上記構成により以下の作用効
果を奏する点に特徴を有している。
【0051】すなわち先ず第一に、予め孔状の装着部4
eを設けたプレート4よりなる保持部材3に必要数のガ
イド9を差し込み固定するとともに、このガイド9の内
側にガイド9の弾性を利用して球形の転動体2を圧入す
るだけの簡単な構造であるために、その製作が比較的簡
単であり、コスト的にも有利である。複数のガイド9は
互いに同一規格(仕様)の部品であり、複数の転動体2
も同一規格の部品である。したがってこれらの部品調達
の点からしても、製作が極めて容易である。また複数の
転動体2が予めガイド9を介してパネル状の保持部材3
に保持されるために、この免震装置1は各構成部品が予
め一体に組み付けられている。したがってその運搬等の
取り扱いが容易である。
【0052】また、上記免震装置1においては、複数の
転動体2を平面状の支持面および被支持面に対して同時
に転動させる構造であるために、当該免震装置1の水平
方向の移動距離に制限がない。したがってトリガー機構
等の制限機構を別途併設して水平方向の移動距離を任意
に調整することにより、免震可能な範囲を任意に設定す
ることができ、またこの免震可能範囲を拡大することが
できる。
【0053】また、上記免震装置1はその平面積が比較
的大きいものであって、被支持体を安定良く支持するこ
とができる。被支持体の大きさ如何によっては、被支持
体を丸ごと当該免震装置1の上に載せて免震させること
も可能である。
【0054】また、複数の転動体2が被支持体の重量荷
重を分散して支持するために、転動体2一つ当たりに発
生する面圧が小さくて済む。したがって各転動体2が円
滑に転動する。
【0055】また、複数の転動体2がそれぞれ球形に形
成されているために、その転動方向に制限がない。した
がって全ての転動体2が同時に同方向に良く転がり、優
れた免震機能を発揮する。
【0056】また、球形の転動体2を回転可能にかつ抜
け止めした状態で保持する孔状の保持部6がガイド9を
介してパネル状の保持部材3に設けられているために、
複数の球形の転動体2、複数のガイド9およびパネル状
の保持部材3よりなる免震装置1の構成部品が予め一体
に組み付けられている。したがって上記したようにその
運搬等の取り扱いが容易である。
【0057】更にまた、転動体2、ガイド9および保持
部材3のプレート4が何れもフェノール樹脂、ポリプロ
ピレン樹脂もしくは含油樹脂または塩化ビニル樹脂等の
樹脂により成形されていて、この樹脂の比重が金属の比
重と比べて小さなものであるために、装置1の重量を軽
減することができ、よってその製作および取り扱いを容
易なものとすることができる。また併せて、装置1の各
部に錆や腐食等が発生するのを防止することができるた
めに、当該免震装置1の耐久性を向上させることができ
る。
【0058】
【発明の効果】本発明は、以下の効果を奏する。
【0059】すなわち先ず、上記構成を備えた本発明の
請求項1による免震構造においては、平面状に整列配置
した複数の転動体が上部荷重を分散して支持するため、
免震装置の取付け部位廻りに過剰な応力が作用するのを
防止できるので、この部位を簡略な構造で構築できると
いう利点がある。また、その構成要素である免震装置も
同一平面上に整列配置した複数の転動体をパネル状の保
持部材によって保持するだけの簡単な構造であるため
に、その製作が比較的簡単であり、コスト的にも有利な
免震装置を提供することができる。また、複数の転動体
が予めパネル状の保持部材に保持されるために、この免
震装置は各構成部品が予め一体に組み付けられている。
したがってその運搬等の取り扱いが容易である利点があ
る。
【0060】また、上記構成を備えた本発明の請求項2
による免震装置においては、同一平面上に整列配置した
複数の転動体をパネル状の保持部材によって保持するだ
けの簡単な構造であるために、その製作が比較的簡単で
あり、コスト的にも有利な免震装置を提供することがで
きる。また、複数の転動体が予めパネル状の保持部材に
保持されるために、この免震装置は各構成部品が予め一
体に組み付けられている。したがってその運搬等の取り
扱いが容易である利点がある。
【0061】また、この免震装置においては、複数の転
動体を平面状の支持面および被支持面に対して同時に転
動させる構造であるために、当該免震装置の水平方向の
移動距離に制限がない。したがってトリガー機構等の制
限機構を別途併設して水平方向の移動距離を任意に調整
することにより、免震可能な範囲を任意に設定すること
ができ、免震可能な範囲を拡大することもできる。
【0062】また、この免震装置はその平面積を比較的
大きく設定することが可能であるために、被支持体を安
定良く支持することができる。被支持体の大きさ如何に
よっては被支持体を丸ごと当該免震装置の上に載せて免
震させることも可能である。
【0063】また、複数の転動体が被支持体の重量荷重
を分散して支持するために、転動体一つ当たりに発生す
る面圧が小さくて済む。したがって各転動体が円滑に転
動するために、円滑な作動を確保することができる。
【0064】またこれに加えて、上記構成を備えた本発
明の請求項3による免震装置においては、転動体が球形
に形成されているために、その転動方向に制限がなく、
よって良く転がり、免震機能に優れるとともに、この球
形の転動体を回転可能にかつ抜け止めした状態で保持す
る保持部がパネル状の保持部材に設けられているため
に、複数の球形の転動体およびパネル状の保持部材より
なる免震装置の構成部品が予め一体に組み付けられてい
る。したがって上記したように、その運搬等の取り扱い
が容易である利点がある。
【0065】また、上記構成を備えた本発明の請求項4
による免震装置においては、転動体および保持部材がそ
れぞれ樹脂により成形されていて、この樹脂の比重が一
般に金属の比重と比べて小さいために、装置の重量を軽
減することができ、よってその製作および取り扱いを容
易なものとすることができる。また併せて、装置の各部
に錆や腐食等が発生するのを防止することができるため
に、当該免震装置の耐久性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一実施形態に係る免震構造を適用し
た基礎スラブを示す概略断面図
【図2】本発明の第一実施形態に係る免震装置の平面図
【図3】(A)は図1におけるA−A線拡大断面図、
(B)は図1におけるB−B線拡大断面図
【図4】本発明の第二実施形態に係る免震装置の平面図
【図5】図3におけるC−C線拡大断面図
【図6】(A)はガイドの断面図であって同図(B)に
おけるD−O−D線断面図、同図(B)はガイドの底面
【図7】従来例に係る免震装置の説明図
【図8】他の従来例に係る免震装置の説明図
【図9】他の従来例に係る免震装置の説明図
【符号の説明】
1 免震装置 2 転動体 3 保持部材 4,5 プレート 4a,5a 内面 4b,5b 外面 4c,5c 孔部 4d,5d ボルト挿通孔 4e 装着部 6 転動体保持部 7 ボルト 7a ネジ部 7b 頭部 8 ナット 9 ガイド 9a 筒状部 9b 上端部 9c,9d 係合部 9e ガイド面 9f 下端部 9g 保持面 9h スリット部 11 免震構造 12 下部べた基礎(第一のスラブ版) 12a,13a 転動面 12b 側面部 13 上部べた基礎(第二のスラブ版) 14 ダンパー
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 武藤 正則 福島県二本松市宮戸30番地 エヌオーケー 株式会社内 Fターム(参考) 2D046 DA12

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 上面が平滑かつ水平に形成された第一の
    スラブ版(12)と、該第一のスラブ版(12)上に敷
    き並べられた複数の転動体(2)と、該複数の転動体
    (2)の上に載置された底面が平滑な第二のスラブ版
    (13)とを備え、前記複数の転動体(2)は、第一の
    スラブ版(12)および第二のスラブ版(13)の双方
    に対して転動可能であり、前記転動体(2)を整列状態
    に保持するパネル状の保持部材(3)とを備えたことを
    特徴とする免震構造。
  2. 【請求項2】 上面が平滑かつ水平に形成された支持体
    および該支持体の上方に配置されるとともに底面が平滑
    に形成された被支持体の間に転動可能に介装される複数
    の転動体(2)と、該複数の転動体(2)を整列状態に
    保持するパネル状の保持部材(3)とを備えたことを特
    徴とする免震装置。
  3. 【請求項3】 請求項2の免震装置において、 転動体(2)が球形であり、該球形の転動体(2)を回
    転可能にかつ抜け止めした状態で保持する転動体保持部
    (6)がパネル状の保持部材(3)に設けられているこ
    とを特徴とする免震装置。
  4. 【請求項4】 請求項2または3の免震装置において、 転動体(2)および保持部材(3)がそれぞれ樹脂によ
    り成形されていることを特徴とする免震装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006316617A (ja) * 2006-06-19 2006-11-24 Arp:Kk 軽量構造物の免震基礎構造
JP2010270581A (ja) * 2009-05-25 2010-12-02 Joho Kagaku Kenkyusho:Kk アラウンドスライド盤と免震スライダーボックス
JP2014163216A (ja) * 2013-02-27 2014-09-08 Joho Kagaku Kenkyusho:Kk 重量構造物の可塑性コロイドによる免震構造と免震素材

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JP2010270581A (ja) * 2009-05-25 2010-12-02 Joho Kagaku Kenkyusho:Kk アラウンドスライド盤と免震スライダーボックス
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