JP2001040232A - 共重合熱可塑性組成物およびそれからなるフィルム - Google Patents

共重合熱可塑性組成物およびそれからなるフィルム

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JP2001040232A
JP2001040232A JP22090299A JP22090299A JP2001040232A JP 2001040232 A JP2001040232 A JP 2001040232A JP 22090299 A JP22090299 A JP 22090299A JP 22090299 A JP22090299 A JP 22090299A JP 2001040232 A JP2001040232 A JP 2001040232A
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plasticizer
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copolymerized
acid
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Masahiro Kimura
将弘 木村
Kokichi Hashimoto
幸吉 橋本
Futoshi Sasamoto
笹本  太
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Original Assignee
Toray Industries Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】成形加工性、美麗性に優れており、特に単体、
金属、紙、不織布、ポリマー素材との積層において成形
加工する用途に好適に使用することができる成形加工用
二軸延伸ポリエステルフィルムを提供すること。 【解決手段】共重合熱可塑性ポリマーに可塑剤を1〜6
0重量%添加してなる共重合熱可塑性組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、共重合熱可塑性組
成物およびそれからなるフィルムに関するものである。
詳しくは防汚性、成形加工性に優れる共重合熱可塑性組
成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ポリ塩化ビニルは、その分子骨格のた
め、可塑剤を含有させることにより、流動性、粘弾性、
機械特性などを大きく変更させることが可能であり、硬
質から軟質材料まで多くの成形材料を製造しうるのに好
適なポリマーとして使用されてきた。一方、分子骨格に
塩素を含有しているため、焼却時の燃焼ガスのダイオキ
シンや塩素含有ガスの発生が問題として取り上げられて
きている。
【0003】ポリ塩化ビニルの代替素材としては、ポリ
エステル、ポリオレフィン、ナイロンなどが挙げられる
が、いずれの素材もポリ塩化ビニルのような優れた加工
性を発現させるには至っていない。
【0004】ポリマーの流動性を向上させる方法として
は、ポリ塩化ビニルのように可塑剤を添加する方法が知
られており、ポリエステル用の可塑剤も提案されている
が特性は十分とはいえず、また、従来ポリ塩化ビニル用
に用いられてきた可塑剤やそれらをある程度分子量アッ
プさせた可塑剤をポリエチレンテレフタレート、ポリブ
チレンテレフタレートのようなポリエステルに添加して
も相分離を起こし均一に含有させることは全くできなか
った。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
した従来技術の問題点を解消することにあり、優れた成
形加工性を有し、特にエンボス加工や真空成形、圧空成
形などの加工性に優れる共重合熱可塑性組成物およびそ
れからなるフィルムを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記した本発明の目的
は、共重合熱可塑性ポリマーに可塑剤を1〜60重量%
添加してなる共重合熱可塑性組成物とすることによって
達成することができる。
【0007】本発明は、鋭意検討の結果、共重合熱可塑
性ポリマーに可塑剤を1〜60重量%含有させる方法、
特に極性を有する分子骨格をコントロールさせることに
より、従来微分散が困難とされていた可塑剤を熱可塑性
ポリマー中に分散可能とすることを見出したものであ
る。
【0008】本発明は、成形加工される際の高温成形加
工性、耐白化性(成形時の白化を防止できる特性)に優
れる成形加工製品が得られることを見出したものであ
り、特にエンボス成形加工や真空成形、圧空成形、しぼ
り成形などの成形加工性に優れる共重合熱可塑性組成物
を提供することを可能にしたものである。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明の共重合熱可塑性ポリマー
とは、共重合成分を含有する熱可塑性ポリマーであり、
好ましくはポリエステル、ポリオレフィン、ナイロンか
ら選択される熱可塑性ポリマーに共重合成分を含有させ
たものが好ましい。その共重合量は、可塑剤の分散性を
良好にする点から、好ましくは1〜50重量%、より好
ましくは2〜40重量%である。
【0010】共重合成分としては、エーテル基、水酸
基、カルボン酸基、スルホン酸基、あるいは水酸基、カ
ルボン酸基、スルホン酸基の金属塩などの極性または水
素結合性を有する成分を含有する共重合成分が好まし
く、共重合成分として側鎖に水酸基、カルボン酸基、ス
ルホン酸基および/またはそれらの金属塩を含有する成
分を1〜70重量%または1〜70モル%含有すること
が分散性、流動性の点で好ましい。加工性を特に良好に
する点で、1〜50重量%または1〜50モル%含有さ
せることが好ましい。
【0011】中でも、共重合成分としてポリオキシアル
キレングリコールを1〜50重量%または1〜50モル
%含有することは、可塑剤の分散性の点で好ましく、特
に2〜30重量%または2〜30モル%であることが好
ましい。
【0012】また、共重合成分として側鎖に水酸基、カ
ルボン酸基、スルホン酸基および/またはそれらの金属
塩を含有する成分1〜70重量%または1〜70モル%
含有することが可塑剤の均一分散性、加工性の点で好ま
しく、加工性を特に良好にする点で1〜50重量%また
は1〜50モル%含有することが好ましい。
【0013】側鎖に水酸基および/またはその金属塩を
持つ成分としては、特に限定されないが、ビニルアルコ
ール、3官能以上の多価アルコールなどを用いることが
できる。
【0014】側鎖にカルボン酸基および/またはその金
属塩を持つ成分としては、特に限定されないが、アクリ
ル酸、メタクリル酸、トリメリット酸などの3官能以上
を有する多価カルボン酸、アイオノマーなどを用いるこ
とができる。
【0015】側鎖にスルホン酸基および/またはその金
属塩を持つ成分としては、特に限定されないが、5−K
スルホンジカルボン酸、5−Naスルホンジカルボン
酸、5−Liスルホンジカルボン酸などを用いることが
できる。
【0016】共重合成分としてポリオキシアルキレング
リコール、側鎖に水酸基、カルボン酸基、スルホン酸基
および/またはそれらの金属塩を含有する成分を併用し
てもよい。
【0017】本発明では、共重合熱可塑性ポリマーとし
て、ポリエステルが耐熱性の点で好ましいが、ポリエス
テルとは、主鎖中の主要な結合をエステル結合とする高
分子の総称であって、通常ジカルボン酸成分とグリコー
ル成分を重縮合反応させることによって得ることができ
る。ここでジカルボン酸成分としては、たとえばテレフ
タル酸、ナフタレンジカルボン酸、イソフタル酸、ジフ
ェニルジカンルボン酸、ジフェニルスルホンジカルボン
酸、ジフェノキシエタンジカルボン酸、5−ナトリウム
スルホンジカルボン酸、フタル酸などの芳香族ジカルボ
ン酸、シュウ酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、
ダイマー酸、マレイン酸、フマル酸などの脂肪族ジカル
ボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸などの脂環族ジカ
ルボン酸、パラオキシ安息香酸などのオキシカルボン酸
などを挙げることができる。また、グリコール成分とし
ては、たとえばエチレングリコール、プロパンジオー
ル、ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオ
ール、ネオペンチルグリコールなどの脂肪族グリコー
ル、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、
ポリプロピレングリコールなどのポリオキシアルキレン
グリコール、シクロヘキサンジメタノールなどの脂環族
グリコール、ビスフェノールA、ビスフェノールSなど
の芳香族グリコール、イソソルビドなどが挙げられる。
【0018】本発明では、耐熱性、成形加工性を両立
し、美麗性に優れるフィルムを得る点でポリエステルの
融点または軟化点が100〜280℃であることが好ま
しく、特に融点または軟化点が120〜260℃である
ことが好ましい。
【0019】特に、ポリエステルを構成する酸成分の主
成分がテレフタル酸成分および/またはイソフタル酸成
分であることが、成形加工性、耐熱性の点で好ましい。
さらに50モル%以上がテレフタル酸成分および/また
はイソフタル酸成分であることが好ましい。耐熱性、成
形加工性の点で、グリコール成分の中でも、エチレング
リコール、シクロヘキサンジメタノール、イソソルビド
が好ましく、ポリエステルを構成するグリコール成分の
主成分が、エチレングリコール、シクロヘキサンジメタ
ノール、イソソルビドから選択されることが好ましい。
好ましくは50モル%以上がエチレングリコール、シク
ロヘキサンジメタノール、イソソルビドから選択される
成分であることが好ましい。
【0020】本発明におけるポリエステルの共重合成分
としては、特に限定されないが、ジエチレングリコー
ル、ポリエチレングリコール、テトラメチレングリコー
ルなどのポリアルキレングリコール、スルホン酸金属塩
を有するジカルボン酸成分が好ましい。
【0021】本発明のポリエステルを製造する際の触媒
としては特に限定されないが、アルカリ土類金属化合
物、マンガン化合物、コバルト化合物、アルミニウム化
合物、アンチモン化合物、チタン化合物、チタン/シリ
カ複合酸化物、チタン/ジルコニア複合酸化物、ゲルマ
ニウム化合物などが使用できる。さらに熱安定剤として
リン化合物などを使用することができる。
【0022】例えば触媒としてアルカリ土類金属、チタ
ン化合物触媒を添加する場合には、テレフタル酸ジメチ
ル、5−Naスルホイソフタル酸ジメチルとエチレング
リコールをアルカリ土類金属触媒の存在の基で反応さ
せ、ビスヒドロキシエチルテレフタレートを形成させた
後に、チタン化合物触媒、リン化合物を添加し、引き続
き高温、減圧下で一定のジエチレングリコール含有量に
なるまで重縮合反応させ、特定の触媒金属量、リン量を
有するポリエステルを得る方法などが好ましく採用され
る。
【0023】本発明における共重合ポリエステルに熱安
定剤として添加されるリン化合物は特に限定されない
が、リン酸、亜リン酸などが好ましい。
【0024】また、共重合ポリエステルの耐熱性、成形
加工性を向上させる点で触媒金属成分の金属元素のミリ
モル%をM、リン化合物のリン元素のミリモル%をPと
した際に、M/Pが0.5〜5であることが好ましく、
特に0.5〜3であることが好ましい。
【0025】本発明における共重合ポリエステルは、好
ましくはジエチレングリコール成分量が0.01〜5モ
ル%、さらに好ましくは0.01〜3モル%であること
が高温成形加工時の色調の変化、機械特性の変化を小さ
くする点で望ましい。
【0026】また、共重合ポリエステルの固有粘度は
0.5〜1.5であることが好ましく、特に耐熱性、耐
経時性が要求される用途では固有粘度が0.6〜1.0
であることが好ましい。
【0027】ポリオレフィンでは、エチレンまたはプロ
ピレン単位を有するものが好ましく、共重合成分として
はビニルアルコール、メタクリル酸、アクリル酸および
それらの金属塩が好ましい。共重合率としては、1〜7
0重量%が好ましく、さらに好ましくは1〜60重量%
である。共重合成分としては複数を選択しても良い。
【0028】ナイロンでは、共重合成分としては特に限
定されないが、2価または3価以上のカルボン酸が好ま
しい。共重合率としては、1〜50重量%が好ましく、
さらに好ましくは1〜45重量%である。共重合成分と
しては複数を選択しても良い。
【0029】本発明の熱可塑性フィルムは、成形加工
性、成形加工後の耐衝撃性を良好にする点で、20℃〜
融点−60℃で長手方向破断伸度、幅方向破断伸度を測
定し、その和が最大となるときの値をそれぞれS1、S
2とした際に、下記式(1)を満足することが好まし
い。さらに好ましくは(S1+S2)/2が350%以
上、特に好ましくは400%以上である。
【0030】(S1+S2)/2≧300% (1) 本発明で述べる可塑剤とは、数平均分子量が5000以
下であることが好ましく、さらに好ましくは数平均分子
量が3000以下の可塑化効果を有するものであり、添
加される熱可塑性ポリマーより分子量が低いものをい
う。エステル系可塑剤、フタル酸系可塑剤、リン系可塑
剤などが好ましく、特に末端封鎖したタイプが好まし
い。特に耐熱性、成形加工性の点で、分散性、相溶性に
優れるエステル系可塑剤が好ましい。
【0031】加工性を向上させる点および低温特性(低
温での加工性、耐衝撃性)を良好にする点で、可塑剤の
融点が100℃以下であることが好ましい。低温特性を
良好にする上でさらに好ましくは20℃以下、特に好ま
しくは0℃以下である。また、凝固点が100℃以下で
あることが好ましく、低温特性を特に良好にする上でさ
らに好ましくは20℃以下、特に好ましくは0℃以下で
ある。
【0032】本発明においては、組成物の成形加工性、
ハンドリング、着色性の点で、フィルム中に粒子を含有
させることが好ましく、粒子径が0.01〜30μmの
粒子を添加することが好ましく、特に0.01〜10μ
mの粒子径を有するものが好ましい。添加量としては
0.001〜70重量%含有させることが好ましく、
0.1〜60重量%であることがさらに好ましい。
【0033】具体的には、無機粒子として、湿式および
乾式シリカ、湿式シリカ、コロイダルシリカ、ケイ酸ア
ルミニウム、酸化チタン、炭酸カルシウム、リン酸カル
シウム、硫酸バリウム、アルミナ、マイカ、カオリン、
クレ−等が挙げられ、表面形成性の点からケイ酸アルミ
ニウム、コロイダルシリカ等が好ましい。
【0034】また、有機粒子としては、様々な有機高分
子粒子を用いることができるが、その種類としては、少
なくとも一部がポリエステルに対し不溶の粒子であれば
用いることができる。このような粒子の素材としては、
ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリメチルメタクリレ
ート、ホルムアルデヒド樹脂、フェノール樹脂、架橋ポ
リスチレン、シリコーン樹脂およびこれらの混合、共重
合樹脂などの種々のものを使用することができるが、耐
熱性が高く、かつ粒度分布の均一な粒子が得られやすい
ビニル系架橋高分子粒子が特に好ましい。
【0035】美麗性を良好にする点では、熱可塑性組成
物を溶融押出する際に、30μm以下の粗大粒子、異物
をカットするフィルターを用いることが好ましく、特に
20μm以下をカットするフィルターを用いることが望
ましい。
【0036】また、可塑剤の添加方法としては、重合反
応前または後にバッチ添加する方法、ベント式押出機を
用いる方法、スクリューまたは管壁から送液ポンプを用
いて添加する方法などを用いることができる。
【0037】本発明では、加工性、防汚性の点で前記共
重合熱可塑性組成物よりも可塑剤含有量の少ないまたは
可塑剤を実質的に含有しない熱可塑性ポリマーを前記共
重合熱可塑性組成物の少なくとも片面にしてフィルムを
構成せしめることも好ましい。
【0038】前記共重合熱可塑性組成物よりも可塑剤含
有量の少ないまたは可塑剤を実質的に含有しない熱可塑
性ポリマーを主たる構成成分とする層の厚みは特に限定
されないが、成形加工性、美麗性を重視した場合は、
0.001〜10μmとすることが好ましく、さらに
0.01〜5μmであることが好ましい。積層構成は特
に限定されないが、共重合熱可塑性組成物を主たる構成
成分とするA層に対して、共重合熱可塑性組成物よりも
可塑剤含有量の少ないまたは可塑剤を実質的に含有しな
い熱可塑性ポリマーを主たる構成成分とする層をB層と
した場合、A/B、B/A/B、A/B/Aとなる構成
が好ましく、特に防汚性の点でA/B、B/A/Bが好
ましい。
【0039】本発明の実施態様としてのフイルムの厚さ
は、特に限定されないが、成形加工性、耐熱性の点で8
〜1000μmであることが好ましく、さらに好ましく
は10〜300μm、特に好ましくは15〜200μm
である。
【0040】本発明におけるフィルムの製造方法として
は、特に限定されないが、ポリエステルの場合を例にす
ると、ポリエステルを必要に応じて乾燥した後、溶融押
出機に供給し、スリット状のダイからシート状に押出
し、静電印加方式によりキャスティングドラムに密着さ
せ冷却固化し未延伸シートを得る。さらに必要に応じ
て、該未延伸シートをフィルムの長手方向及び/または
幅方向に延伸、熱処理し、目的とする破断伸度を有する
フィルムを得る方法がある。好ましくはフィルムの品質
の点でテンター方式によるものが好ましく、長手方向に
延伸した後、幅方向に延伸する逐次二軸延伸方式、長手
方向、幅方向をほぼ同時に延伸していく同時二軸延伸方
式が望ましい。延伸倍率としては、それぞれの方向に
1.5〜5.0倍、好ましくは1.5〜4.0倍であ
る。長手方向、幅方向の延伸倍率はどちらを大きくして
もよく、同一としてもよい。また、延伸速度は1000
%/分〜1000000%/分であることが望ましく、
特に縦延伸速度を300000%/分以下で製膜するこ
とが好ましい。延伸温度は100℃以上150℃以下で
あれば任意の温度とすることができるが、ガラス転移温
度+20℃〜60℃が好ましい。
【0041】更に、この後にフィルムの熱処理を行う
が、この熱処理はオ−ブン中、加熱されたロ−ル上等、
従来ある各種の方法で行なうことができる。熱処理温度
は60℃以上250℃以下などの任意の温度とすること
ができるが、好ましくは150〜240℃である。また
熱処理時間は任意とすることができるが、0.1〜60
秒間が好ましく、さらに好ましくは1〜20秒間であ
る。
【0042】熱処理は、フィルムをその長手方向および
/または幅方向に弛緩させつつ行ってもよい。さらに、
再延伸を各方向に対して1回以上行ってもよく、その後
熱処理を行ってもよい。
【0043】また、フィルム表面にコロナ放電処理など
の表面処理を施すことが、接着性をさらに向上させる点
で好ましい。表面張力としては45mN/m以上である
ことが好ましく、特に50mN/m以上であることが好
ましい。
【0044】本発明のフィルムには、各種コーティング
を施してもよく、その塗布化合物、方法、厚みは、本発
明の効果を損なわない範囲であれば特に限定されない。
【0045】さらに、120℃で30分フィルムを熱処
理した際の熱収縮率が5%以下であることが成形性、印
刷性を良好にする上で好ましい。さらに好ましくは4%
以下、特に好ましくは3%以下である。
【0046】本発明では、単体、金属または非金属素材
と積層して成形加工することが好適であるが、金属では
スチール、アルミ、あるいは合金、非金属素材では紙、
不織布、ガラス、ポリマー素材であることが好ましい。
さらに積層構成において金属、非金属素材との間に接着
層、印刷層などが形成されていてもよい。成形加工方法
としては、ラミネート成形加工、真空成形、圧空成形、
真空圧空成形、絞り成形、折り曲げ成形などの成形加工
を単独または複数施されてもよく、成形加工方法として
は特に限定されない。
【0047】単体で使用される場合は、真空成形、圧空
成形、真空圧空成形、絞り成形、折り曲げ成形、張り出
し成形などの成形加工を単独または複数施されてもよ
く、成形加工方法としては特に限定されない。
【0048】
【実施例】以下、実施例によって本発明を詳細に説明す
る。なお、特性は以下の方法により測定、評価した。 (1)触媒金属元素量、リン元素量、M/P フィルムを融点+20℃に加熱して溶融させ、円形ディ
スクを作成し、蛍光X線分析により、触媒金属元素量、
リン元素量を求めた。なお、量の決定の際にはあらかじ
め各金属元素の添加量を変更したサンプルから求めた蛍
光X線での検量線を使用した。
【0049】フィルム中の粒子による金属成分は、該成
分を除去して求めた。なお、粒子を除去する方法として
は、例えばフィルムを80〜100℃に熱した良溶媒に
溶解させ、遠心分離操作を行い、粒子を取り除き、溶液
中のポリマーを析出した後に上記の蛍光X線分析を行う
方法がある。
【0050】なお、積層フィルムの場合は、各層を削り
取るなどして、分離して求めた。M/Pは、Mを触媒金
属元素のミリモル%、Pをリン元素量のミリモル%とし
て求めた。 (2)共重合成分の含有量 NMRによって各成分を測定した。 (3)ポリエステルの固有粘度 ポリエステルをオルソクロロフェノ−ルに溶解し、25
℃において測定した。 (4)融点 ポリマーを溶融後急冷し、示差走査熱量計(パーキン・
エルマー社製DSC2型)により、10℃/分の昇温速
度で測定し、融解ピークから融点を求めた。
【0051】なお、積層フィルムの場合は、各層を削り
取るなどして、分離して求めた。 (5)フィルムの破断伸度(%) テンシロン(引っ張り試験機)を用いて、20℃〜融点
−60℃において、10℃刻みで測定した。測定は、フ
ィルムを3分間測定温度で保温し、引っ張り速度300
mm/min、幅10mm、試料長50mmとして、フ
ィルム長手方向、幅方向の破断伸度(%)をそれぞれ1
0点測定し平均値を求めた。各温度の値から、長手方
向、幅方向破断伸度の和が最大値を取るときの破断伸度
の値をそれぞれS1、S2とした。 (6)粒子の平均粒径 フィルムから樹脂をプラズマ低温灰化処理法で除去し粒
子を露出させる。処理条件は樹脂は灰化するが粒子はダ
メージを受けない条件を選択する。これを走査型電子顕
微鏡で粒子数5000〜10000個を観察し、粒子画
像を画像処理装置により円相当径から求めた。粒子が内
部粒子の場合、ポリマー断面を切断し厚さ0.1〜1μ
m程度の超薄切片を作成し、透過型電子顕微鏡を用いて
倍率5000〜20000程度で写真を(10枚:25
cm×25cm)撮影し、内部粒子の平均分散径を円相
当径より計算した。 (7)熱収縮率 フィルムサンプルを10mm×200mmに切断し、1
20℃、30分熱風で加熱後の収縮率を長手方向、幅方
向について各5点測定し、平均値を求めた。 (8)エンボス成形加工性 共重合熱可塑性フィルムを作成し、印刷を施し、金属板
と熱接着し、ロール加熱(100〜140℃)と集光型
ラジエーションによる直前加熱により共重合熱可塑性フ
ィルム側を加熱し、エンボスロール(30μmの高さの
凹凸、1μmの高さの凹凸)を通過させた後に、冷却ロ
ール(40℃)で冷却した。得られたフィルムのエンボ
ス性を下記の通り判定した。なお、美麗性は、色の変化
がないこと、しわ、ぎらつきがないことにより判定し
た。
【0052】◎:エンボスロールの凹凸形状を大小とも
にフィルム側へ良好に形成。美麗性も良好。
【0053】○:エンボスロールの凹凸形状の大きい部
分をフィルム側へ良好に形成。美麗性にほとんど変化な
し。
【0054】△:エンボスロールの凹凸形状をフィルム
側へ形成しているがやや凹凸が浅い。美麗性の変化も認
められる。
【0055】×:エンボスロールの凹凸形状をフィルム
側へ形成しているが凹凸が浅く、美麗性の変化も大き
い。 (9)真空圧空成形性 フィルムを作成し、PET不織布をウレタン系接着剤で
フィルムと貼り合わせて、80〜150℃で真空圧空成
形を行い、最もよい条件について下記により判定した。
【0056】○:偏肉、白化なく、成形性良好。
【0057】△:偏肉、白化はほとんどなく、成形性良
好。
【0058】×:偏肉:白化があり、成形性不良。 実施例1〜6、比較例1〜3 実施例1ではカルシウム化合物触媒、アンチモン化合物
触媒、リン酸(M/P=2.0)および粒子としてコロ
イダルシリカ粒子(平均径1.5μm)を用いて表1に
示す共重合ポリエステルを重合した。得られたポリエス
テルチップを160℃で十分に真空乾燥し、水分率が1
2ppmであることを確認して、窒素パージしたホッパ
ーを用いて270℃で溶融して、スクリューからアジピ
ン酸系ポリエステル可塑剤(末端封鎖タイプ。分子量2
300、凝固点−15℃)を10重量%添加させ、20
μm以上の異物を捕集するフィルターを通過させ、口金
よりスリット状に押出し、静電印加させながら、キャス
ト上で急冷固化し、未延伸フィルム(厚み40μm)を
得た。得られたフィルムの加工性を表1に示すが、いず
れも良好な特性を示した。
【0059】実施例2では、実施例1の未延伸フィルム
の厚みを変更し、同時二軸延伸機で、温度101℃にて
同時二軸延伸(延伸倍率3.0倍、縦延伸速度2100
%/分)し、190℃にて、弛緩5%、3秒間熱処理
し、コロナ放電処理により片面の表面張力を50N/m
としたフィルム(38μm)を得た。得られたフィルム
特性を表1に示す。PET不織布とコロナ放電処理面を
接着させたが、接着性も良好であり、成形加工性は良好
であった。
【0060】実施例3では、チタン/シリカ触媒(モル
比9/1)、リン酸および粒子として酸化チタン粒子
(平均径0.2μm)を用いて共重合PETを重合した
(ここでM/P=0.9)。可塑剤は、トリメリット酸
系可塑剤(トリ−2−エチルヘキシルトリメリテート。
凝固点−38℃)を使用した。さらに湿式シリカ(平均
径1.5μm)を含有するポリエチレンテレフタレート
を重合した。160℃で充分に真空乾燥し、270℃で
溶融して、スクリューより表1に示す可塑剤を共重合P
ETに10重量%添加させ(A層)、別に溶融させたP
ET(B層)とピノールによりB/A積層(積層比8:
2)させ、口金よりスリット状に押出して、60m/分
でキャスティングドラムの表面に水膜を形成させてテー
プ上の電極で静電印加させながら、キャスト上で急冷固
化し、未延伸フィルムを得た。得られた未延伸フィルム
をテンター方式の逐次二軸延伸機で製膜した。その際の
条件は、縦延伸温度102℃、縦延伸倍率3.1倍、横
延伸温度115℃、横延伸倍率2.7倍、熱処理温度1
82℃、リラックス4%である。得られたフィルムは厚
み50μmであり、フィルム特性を表1に示す。A層の
成形加工性は良好であったが、ややPET不織布との接
着性が弱かった。
【0061】実施例4では、エチレンビニルアルコール
(エチレン量38モル%、融点175℃)に可塑剤(フ
タル酸系可塑剤、凝固点−10℃)を20重量%添加し
たもの(A層)と、1%添加したもの(B層)をベント
式二軸押出機により作成したチップを再度溶融押し出し
し、未延伸積層フィルムB/A/B(積層比:1:8:
1)を製膜した。得られたフィルムは、厚み25μmで
あり、フィルム特性を表1に示す。B層を表面としたた
めエンボスの凹凸形成性が低下したが、美麗性は良好で
あった。
【0062】実施例5は、実施例2の可塑剤をセバシン
酸系可塑剤(セバシン酸ジ−2−エチルヘキシル。凝固
点−55℃)に変更したところ、加工性が特に優れてい
た。
【0063】実施例6では、製膜条件を変更しフィルム
の伸度が低下し、成形加工性が低下した。
【0064】比較例1〜3表3に示すポリエステルを用
いてフィルムを逐次二軸延伸して製膜した。得られたフ
ィルムは厚み45μmであった。フィルム特性を表3に
示すが、いずれも成形加工性に劣るものであった。
【0065】特に比較例2では溶融押し出しが安定せ
ず、フィルムを製膜することができなかった。
【0066】本発明のポリエステルフィルムを用いたも
のは、成形加工性、美麗性、耐熱性に優れる結果となっ
た。
【0067】
【表1】
【0068】
【表2】
【0069】
【表3】
【0070】なお、表中の記号は次の通りである(数値
は酸、グリコール成分の中のモル%)。
【0071】TPA:テレフタル酸 IPA:イソフタル酸 EG:エチレングリコール DEG:ジエチレングリコール SSIA:5−ナトリウムスルホイソフタル酸 LSIA:5−リチウムスルホイソフタル酸 PEG:ポリエチレングリコール(平均分子量300
0) M:フィルム中に残存する触媒金属元素の濃度(ミリモ
ル%) P:フィルム中に残存するリン元素の濃度(ミリモル
%)を示す。) Ti/Si:チタン、シリカ複合酸化物 Ge:ゲルマニウム化合物 Sb:アンチモン化合物 Ca:カルシウム化合物 EVOH:エチレンビニルアルコール共重合体
【0072】
【発明の効果】本発明の共重合熱可塑性組成物およびフ
ィルムは、単体または金属、非金属素材と積層した際の
成形加工性、美麗性に優れており、多くの成形加工用素
材に好適に使用することができる。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08K 5/00 C08K 5/00 C08L 67/00 C08L 67/00 101/02 101/02 Fターム(参考) 4F071 AA14 AA43 AA47 AA54 AA84 AB17 AB26 AC10 AE04 AE17 BC01 4F100 AA20H AK01A AK01B AK01C AK41A AK54A AL01A BA02 BA03 BA06 BA10B BA10C CA04A CA04B CA04C CA23A DE01A JA04A JA20A JB16A JB16B JB16C YY00A 4J002 BB001 BB081 BE031 CF001 CF101 CF111 CL001 DE137 DE147 DE237 DG047 DH047 DJ007 DJ017 DJ037 DJ057 EH086 EH146 EW046 FD017 FD026

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】共重合熱可塑性ポリマーに可塑剤を1〜6
    0重量%添加してなる共重合熱可塑性組成物。
  2. 【請求項2】可塑剤の融点または凝固点が100℃以下
    であることを特徴とする請求項1に記載の共重合熱可塑
    性組成物。
  3. 【請求項3】共重合成分としてポリオキシアルキレング
    リコールを1〜50重量%含有することを特徴とする請
    求項1または請求項2に記載の共重合熱可塑性組成物。
  4. 【請求項4】共重合成分として側鎖に水酸基、カルボン
    酸基、スルホン酸基および/またはそれらの金属塩を含
    有する成分を1〜50重量%含有することを特徴とする
    請求項1〜3のいずれかに記載の共重合熱可塑性組成
    物。
  5. 【請求項5】共重合熱可塑性ポリマーがポリエステルで
    あることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の
    共重合熱可塑性組成物。
  6. 【請求項6】粒子径0.01〜30μmの粒子を0.0
    01〜70重量%含有することを特徴とする請求項1〜
    5のいずれかに記載の共重合熱可塑性組成物。
  7. 【請求項7】請求項1〜6のいずれかに記載の共重合熱
    可塑性組成物を構成成分とするフィルム。
  8. 【請求項8】請求項1〜6のいずれかに記載の共重合熱
    可塑性組成物よりも可塑剤の含有量が少ないかまたは可
    塑剤を実質的に含有しない熱可塑性ポリマーを該共重合
    熱可塑性組成物の少なくとも片面に積層してなることを
    特徴とするフィルム。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010534747A (ja) * 2007-07-30 2010-11-11 ナノレジンス・アクチェンゲゼルシャフト 可塑剤組成物

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