JP2001039037A - 感熱記録材料 - Google Patents

感熱記録材料

Info

Publication number
JP2001039037A
JP2001039037A JP11217027A JP21702799A JP2001039037A JP 2001039037 A JP2001039037 A JP 2001039037A JP 11217027 A JP11217027 A JP 11217027A JP 21702799 A JP21702799 A JP 21702799A JP 2001039037 A JP2001039037 A JP 2001039037A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
heat
sensitive recording
recording material
bis
electron
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP11217027A
Other languages
English (en)
Inventor
Takahisa Kato
隆久 加藤
Katsukichi Takagi
克吉 高木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Paper Mills Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Paper Mills Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Paper Mills Ltd filed Critical Mitsubishi Paper Mills Ltd
Priority to JP11217027A priority Critical patent/JP2001039037A/ja
Publication of JP2001039037A publication Critical patent/JP2001039037A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Heat Sensitive Colour Forming Recording (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】特に熱応答性が良好で、地肌の白色度が高く、
かつ画像部、地肌部の保存安定性が優れた感熱記録材料
の提供。 【解決手段】支持体上に電子供与性の通常無色ないし淡
色の染料前駆体と、加熱時反応して染料前駆体を発色さ
せる電子受容性化合物とを含有する感熱記録層を設けた
感熱記録材料において、感熱記録層中にヒドロキシプロ
ピルメチルセルロース、および一般式1で表される化合
物例えば2,4−ビス(フェニルスルホニル)フェノー
ルを含有させる。また、ヒドロキシプロピルメチルセル
ロースを熱可融性化合物の分散剤として用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は感熱記録材料に関
し、特に熱応答性が良好で、地肌の白色度が高く、かつ
画像部、地肌部の保存安定性が優れた感熱記録材料に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】感熱記録材料は、一般に支持体上に電子
供与性の通常無色ないし淡色の染料前駆体、ならびに電
子受容性化合物である顕色剤とを主成分とする感熱記録
層を設けたものであり、熱ヘッド、熱ペン、レーザー光
などで加熱することにより、染料前駆体と顕色剤とが瞬
時反応し記録画像が得られるもので、特公昭43−41
60号公報、同45−14039号公報などに開示され
ている。このような感熱記録材料は、比較的簡単な装置
で記録が得られ、保守が容易なこと、騒音の発生がない
ことなどの利点があり、計測記録計、ファクシミリ、プ
リンター、コンピューターの端末機、ラベル、乗車券の
自動販売機など広範囲の分野に利用されている。
【0003】特に近年は、ガス、水道、電気料金等の領
収書、金融機関のATMの利用明細書、各種レシートな
ど、財務関係の記録用紙にも感熱記録材料が用いられる
ようになっている。
【0004】この様に感熱記録材料の用途、需要が多種
多様に拡大するなか、高い熱応答性、地肌の白色度、な
らびに画像部、地肌部の保存安定性が要求されるように
なってきている。
【0005】しかしながら、感熱記録材料は、加熱によ
り記録画像を得るものであり、高い感度、すなわち熱応
答性を実現した場合、高温、および/または高湿度の条
件下に長時間曝された場合、記録画像が劣化したり、未
発色部の変色、すなわち地肌かぶりが大きくなってしま
う欠点がある。この記録画像の劣化と地肌かぶりによ
り、画像部と地肌のコントラストが失われることにな
る。従って、高い熱応答性、ならびに発色濃度を有しな
がら地肌の白色度が高く、しかも地肌かぶりが少なく、
かつ画像の保存安定性に優れた感熱記録材料の開発が望
まれている。
【0006】画像部の保存安定性を改良する手段には、
電子受容性化合物として、アルキル基、アラルキル基、
アルキルオキシ基、アシル基などの置換基を有するサリ
チル酸誘導体、またはその金属塩を使用する感熱記録材
料が提案されている。(特開昭62−169681号公
報、同63−22683号公報、同63−95977号
公報など)
【0007】しかしながら、該公報に記載されているサ
リチル酸誘導体では画像部、ならびに地肌部の保存安定
性が不十分であり、更には熱応答性が低く、実用的な高
速記録に対応した感熱記録材料とは言いがたいものであ
った。
【0008】熱応答性を改良するためには必要に応じて
増感剤が添加される。増感剤は、伝達された熱エネルギ
ーによりそれ自身が融解する際、近傍の染料前駆体、な
らびに顕色剤を溶解、ないし内包して発色反応を促進す
る作用があるため、増感剤の熱応答性、ないし染料前駆
体、ならびに顕色剤にたいする相溶性を上げることも感
熱記録材料を高感度化する1つの手段である。
【0009】本手法として、特開昭48−19231号
公報にはワックス類を、特開昭49−34842号公
報、特開昭50−149353号公報、特開昭52−1
06746号公報、特開昭53−56364号公報に
は、含窒素化合物、カルボン酸エステルなどを、特開昭
57−64593号公報、特開昭58−87094号公
報にはナフトール誘導体を、特開昭57−64592号
公報、特開昭57−185187号公報、特開昭57−
191089号公報、特開昭58−110289号公報
にはナフトエ酸誘導体を、特開昭57−148688号
公報、特開昭57−182483号公報、特開昭58−
112788号公報、特開昭58−162379号公報
には安息香酸エステル誘導体を、特開昭60−1221
93号公報にはパラベンジルビフェニルを、特開昭60
−56588号公報にはジフェノキシエタン類を添加す
る例が開示されている。しかし、これらの開示された方
法によって製造した感熱記録材料は、発色濃度、ならび
に熱応答性がなお不充分なものである。
【0010】これらとは別に感熱記録材料について、記
録画像の保存性、耐擦れかぶり性、耐可塑剤性を改善す
る目的から、感熱記録層上に水、油、可塑剤などの浸透
を防止する耐水性、耐薬品性を有する保護層を形成する
方法が特開昭48−051644号公報、特開昭54−
3549号公報、特開昭54−128347号公報、特
開昭58−53484号公報、特開昭60−31996
号公報、特開昭61−229590号公報、特開昭62
−278086号公報、特開昭62−280073号公
報、特開平1−230681号公報、特開平2−274
589号公報などに提案されている。
【0011】その後も保護層に関する技術開示は多くの
公報でなされているが、保護層を設けた場合、外部から
の水、薬品から感熱記録層は保護される反面、朱肉、水
性スタンプ、油性スタンプなどの不乾性インク受理性、
ならびに吸収性が悪くなるほか、基本的に熱応答性の低
下を伴う方法であり、かつエネルギー、ならびにコスト
上も不利である。そこで感熱記録層のみで上記2特性の
改善を行うことが依然として求められている。
【0012】特開平8−269000号公報には、感熱
記録層のみで高感度でしかも地肌かぶりが少なく、かつ
記録画像の保存性、とりわけ耐湿性、耐熱性、ならびに
耐可塑剤性などを改良する方法として、特定のスルホニ
ル化合物、およびその多価金属塩を電子受容性顕色剤に
用いる方法が開示されている。しかし、本公報の方法の
みでは地肌の白色度、ならびに地肌部の耐熱保存性に問
題があった。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、感熱
記録材料において、特に熱応答性が良好で、地肌の白色
度が高く、かつ画像部、地肌部の保存安定性が優れた感
熱記録材料を提供することである。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、鋭意研究
した結果、課題を解決することができる本発明の感熱記
録材料を発明するに到った。即ち、本発明の感熱記録材
料は、支持体上に電子供与性の通常無色ないし淡色の染
料前駆体と、加熱時反応して該染料前駆体を発色させる
電子受容性化合物とを含有する感熱記録層を設けた感熱
記録材料において、該感熱記録層中にヒドロキシプロピ
ルメチルセルロース、および下記一般式1で表される化
合物の少なくとも1種を含有することを特徴とする感熱
記録材料である。
【化3】 (式1中、Xは水素原子、または低級アルキル基を表
し、R1、R2、およびR3は同一でも異なっていても
よく、それぞれ水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシル
基、低級アルキル基、またはシクロアルキル基を表し、
R4、R5、およびR6は同一でも異なっていてもよ
く、それぞれ水素原子、ハロゲン原子、低級アルキル
基、またはシクロアルキル基を表し、R7は水素原子、
または一般式2を表し、ここでR4、R5、およびR6
は上記定義と同じである。)
【化4】
【0015】また、本発明の感熱記録材料は、支持体上
に電子供与性の通常無色ないし淡色の染料前駆体と、加
熱時反応して該染料前駆体を発色させる電子受容性化合
物とを含有する感熱記録材料において、該感熱記録層中
にヒドロキシプロピルメチルセルロースで分散された上
記一般式1で表される化合物の少なくとも1種を含有す
ることを特徴とする感熱記録材料である。
【0016】また、本発明の感熱記録材料は、該一般式
1で表される化合物が2,4−ビス(フェニルスルホニ
ル)フェノールであることを特徴とする感熱記録材料で
ある。
【0017】
【発明の実施の形態】本発明の内容を更に具体的に説明
する。本発明の感熱記録材料の感熱記録層を構成する、
染料前駆体を発色させる電子受容性化合物としては、下
記一般式1で表される化合物の少なくとも1種を用い
る。これにより、発色画像部の保存安定性が改良され
た。具体的には特に軟質塩化ビニル製品との接触、油性
インクによる加筆、捺印、あるいはアルコール飲料、水
との接触によって生ずる発色画像の滲み、褪色などが改
良された。すなわち耐可塑剤性、耐油性、耐アルコール
性、ならびに耐水性が改良された。
【化5】 (式1中、Xは水素原子、または低級アルキル基を表
し、R1、R2、およびR3は同一でも異なっていても
よく、それぞれ水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシル
基、低級アルキル基、またはシクロアルキル基を表し、
R4、R5、およびR6は同一でも異なっていてもよ
く、それぞれ水素原子、ハロゲン原子、低級アルキル
基、またはシクロアルキル基を表し、R7は水素原子、
または一般式2を表し、ここでR4、R5、およびR6
は上記定義と同じである。)
【化6】
【0018】本発明で用いられる上記一般式1で表され
るスルホニル化合物としては特開平8−269000号
公報に開示されている化合物があげられる。具体的な例
としては、2,4−ビス(フェニルスルホニル)フェノ
ール、2,4−ビス(2−メチルフェニルスルホニル)
フェノール、2,4−ビス(4−メチルフェニルスルホ
ニル)フェノール、2,4−ビス(4−ブロモフェニル
スルホニル)フェノール、2,4−ビス(4−クロロフ
ェニルスルホニル)フェノール、2,4−ビス(2,4
−ジメチルフェニルスルホニル)フェノール、2,4−
ビス(3,4−ジメチルフェニルスルホニル)フェノー
ル、2,4−ビス(2,5−ジメチルフェニルスルホニ
ル)フェノール、2,4−ビス(2,4,6−トリメチ
ルフェニルスルホニル)フェノール、2,4−ビス(4
−エチルフェニルスルホニル)フェノール、2,4−ビ
ス(4−イソプロピルフェニルスルホニル)フェノー
ル、2,4−ビス(4−シクロヘキシルフェニルスルホ
ニル)フェノール、
【0019】2,4−ビス(フェニルスルホニル)−5
−メチルフェノール、2,4−ビス(2−メチルフェニ
ルスルホニル)−5−メチルフェノール、2,4−ビス
(4−メチルフェニルスルホニル)−5−メチルフェノ
ール、2,4−ビス(4−イソプロピルフェニルスルホ
ニル)−5−メチルフェノール、2,4−ビス(2,4
−ジメチルフェニルスルホニル)−5−メチルフェノー
ル、2,4−ビス(2,5−ジメチルフェニルスルホニ
ル)−5−メチルフェノール、2,4−ビス(フェニル
スルホニル)−5−エチルフェノール、2,4−ビス
(4−メチルフェニルスルホニル)−5−エチルフェノ
ール、2,4−ビス(4−エチルフェニルスルホニル)
−5−エチルフェノール、2,4−ビス(2,4−ジメ
チルフェニルスルホニル)−5−エチルフェノール、
2,4−ビス(2,5−ジメチルフェニルスルホニル)
−5−エチルフェノール、2,4−ビス(フェニルスル
ホニル)−5−イソプロピルフェノール、
【0020】2−(4−メチルフェニルスルホニル)−
4−(フェニルスルホニル)フェノール、2−(4−エ
チルフェニルスルホニル)−4−(フェニルスルホニ
ル)フェノール、2−(4−イソプロピルフェニルスル
ホニル)−4−(フェニルスルホニル)フェノール、2
−(2,5−ジメチルフェニルスルホニル)−4−(フ
ェニルスルホニル)フェノール、2−(2,4−ジメチ
ルフェニルスルホニル)−4−(フェニルスルホニル)
フェノール、2−(3,4−ジメチルフェニルスルホニ
ル)−4−(フェニルスルホニル)フェノール、2−
(4−クロロフェニルスルホニル)−4−(フェニルス
ルホニル)フェノール、2−(4−ブロモフェニルスル
ホニル)−4−(フェニルスルホニル)フェノール、
【0021】2−(フェニルスルホニル)−4−(4−
メチルフェニルスルホニル)フェノール、2−(フェニ
ルスルホニル)−4−(4−エチルフェニルスルホニ
ル)フェノール、2−(フェニルスルホニル)−4−
(4−イソプロピルフェニルスルホニル)フェノール、
2−(フェニルスルホニル)−4−(2−メチルフェニ
ルスルホニル)フェノール、2−(フェニルスルホニ
ル)−4−(2,5−ジメチルフェニルスルホニル)フ
ェノール、2−(フェニルスルホニル)−4−(2,4
−ジメチルフェニルスルホニル)フェノール、2−(フ
ェニルスルホニル)−4−(3,4−ジメチルフェニル
スルホニル)フェノール、2−(フェニルスルホニル)
−4−(4−クロロフェニルスルホニル)フェノール、
2−(フェニルスルホニル)−4−(4−ブロモフェニ
ルスルホニル)フェノール、
【0022】2−(4−メチルフェニルスルホニル)−
4−(フェニルスルホニル)−5−メチルフェノール、
2−(4−クロロフェニルスルホニル)−4−(フェニ
ルスルホニル)−5−メチルフェノール、2−(4−ブ
ロモフェニルスルホニル)−4−(フェニルスルホニ
ル)−5−メチルフェノール、2−(フェニルスルホニ
ル)−4−(4−メチルフェニルスルホニル)−5−メ
チルフェノール、2−(フェニルスルホニル)−4−
(4−クロロフェニルスルホニル)−5−メチルフェノ
ール、2−(フェニルスルホニル)−4−(4−ブロモ
フェニルスルホニル)−5−メチルフェノール、2−
(4−メチルフェニルスルホニル)−4−(フェニルス
ルホニル)−5−エチルフェノール、2−(4−クロロ
フェニルスルホニル)−4−(フェニルスルホニル)−
5−エチルフェノール、2−(4−ブロモフェニルスル
ホニル)−4−(フェニルスルホニル)−5−エチルフ
ェノール、2−(フェニルスルホニル)−4−(4−メ
チルフェニルスルホニル)−5−エチルフェノール、2
−(フェニルスルホニル)−4−(4−クロロフェニル
スルホニル)−5−エチルフェノール、2−(フェニル
スルホニル)−4−(4−ブロモフェニルスルホニル)
−5−エチルフェノール、2−(4−メチルフェニルス
ルホニル)−4−(フェニルスルホニル)−5−イソプ
ロピルフェノール、2−(フェニルスルホニル)−4−
(4−メチルフェニルスルホニル)−5−イソプロピル
フェノール、
【0023】4,4’−ジヒドロキシ−5−(フェニル
スルホニル)ジフェニルスルホン、4,4’−ジヒドロ
キシ−5,5’−ビス(フェニルスルホニル)ジフェニ
ルスルホン、4,4’−ジヒドロキシ−5−(4−メチ
ルフェニルスルホニル)ジフェニルスルホン、4,4’
−ジヒドロキシ−5,5’−(4−メチルフェニルスル
ホニル)ジフェニルスルホン、4,4’−ジヒドロキシ
−5,5’−ビス(4−クロロフェニルスルホニル)ジ
フェニルスルホン、4,4’−ジヒドロキシ−5,5’
−ビス(4−ブロモフェニルスルホニル)ジフェニルス
ルホンなどを挙げることができるが、これに制限される
ものではない。またこれらのスルホニル化合物は必要に
応じて単独、もしくは2種以上混合して使用することが
できる。
【0024】上記本発明で用いるスルホニル化合物の中
では、2,4−ビス(フェニルスルホニル)フェノール
を用いた場合、その他の化合物を用いた場合と比較し
て、発色画像部の耐可塑剤性、耐油性、耐アルコール
性、ならびに耐水性が優れているので好ましい。
【0025】本発明で用いる上記一般式1で表される化
合物の添加量は、感熱記録層に含まれる熱可融性化合
物、すなわち電子供与性の染料前駆体、加熱時反応して
該染料前駆体を発色させる電子受容性化合物、ならびに
必要な場合添加される増感剤の合計量に占める上記一般
式1で表される化合物の重量%で20〜70%が好まし
い範囲である。10%未満である場合、飽和濃度が得ら
れにくいばかりでなく、先述の発色画像部の保存安定
性、すなわち対可塑剤性、耐油性、対アルコール性、な
らびに耐水性の十分な改良効果が得られない。逆に70
%を超える場合は地肌部が被りやすくなるなど、諸特性
のバランスが悪くなる傾向がある。
【0026】本発明では、感熱記録層に上記一般式1で
表される化合物に加えてヒドロキシプロピルメチルセル
ロースを含有させることにより、感熱記録材料において
常用される澱粉、ガム類などの水溶性天然高分子、ある
いはポリビニルアルコールなどの水溶性合成高分子を用
いた場合と比較して、地肌の白色度が上がり、さらに加
速劣化試験として通常行われる60℃加熱保存試験にお
ける地肌カブリが低減され、かつ熱応答性の低下が低減
された。このような改善効果はヒドロキシエチルメチル
セルロース、あるいはメチルセルロースを用いた場合は
得られず、その機構は明らかでないが、ヒドロキシプロ
ピルメチルセルロースを用いた場合のみ、特異に得られ
る。
【0027】さらに本発明では、感熱記録層にヒドロキ
シプロピルメチルセルロースを含有させる手段として、
電子供与性の染料前駆体、電子受容性化合物である上記
一般式1で表される化合物、ならびに増感剤をはじめと
するその他の熱可融性化合物の分散剤としてヒドロキシ
プロピルメチルセルロースを用いることにより、単に添
加物として含有させた場合と比較して、地肌の白色度、
ならびに加熱保存試験における地肌カブリが著しく改良
された。分散剤として用いる場合は、被分散物の表面に
より効率よく吸着される結果であると考えられる。
【0028】本発明で感熱記録層に添加するヒドロキシ
プロピルメチルセルロースの各置換基の置換度は、メト
キシ基置換度はグルコース環1個あたり平均1.0〜
2.5モルの範囲が好ましく、さらに好ましい範囲は
1.5〜2.0モルである。ヒドロキシプロポキシ基置
換度はグルコース環1個あたり平均0.05〜0.35
モルの範囲が好ましく、さらに好ましい範囲は0.10
〜0.30モルである。置換度が過小である場合は親水
性が不足する。一方これ以上置換度を上げても分散剤と
しての性能は上がらない。また重合度は、2%水溶液の
粘度が3〜15mPa・s(20℃)のものが好まし
い。過小である場合は効果が低下する。また過大である
場合は感熱記録層形成用塗工液の粘度が高くなり、操業
性が低下する。
【0029】上記本発明で用いるヒドロキシプロピルメ
チルセルロースの添加量は、単に添加物として含有させ
る場合は、上記本発明で用いる一般式1で表される化合
物に対して、2〜20重量%が好ましい範囲である。し
かし上記一般式1で表される化合物をはじめとする先述
の熱可融性化合物の分散剤として含有させる場合は、1
〜20重量%の範囲で十分な効果が得られる。添加量が
それぞれの下限未満の場合、十分な改良効果が得られな
い。またそれぞれの上限を超える場合には、電子供与性
の染料前駆体と、電子受容性化合物との接触が阻害され
ることになり、熱応答性、ならびに画像部の最高濃度が
低下するので好ましくない。
【0030】本発明の感熱記録材料は、一般に支持体上
に電子供与性の通常無色ないし淡色の染料前駆体と電子
受容性化合物とを主成分とし、これらをバインダーなど
に分散した後、支持体上に塗布して感熱記録層を設け、
熱ヘッド、熱ペン、レーザー光などで加熱することによ
り、染料前駆体と電子受容性化合物とが瞬時反応し記録
画像が得られるものである。また感熱記録層には顔料、
増感剤、バインダー、酸化防止剤、ステイッキング防止
剤などが必要に応じて添加される。
【0031】本発明の感熱記録材料に用いられる染料前
駆体としては、一般に感圧記録材料、または感熱記録材
料に用いられているものに代表されるが、これらに制限
されることはない。
【0032】具体的な例を挙げれば、次のとおりであ
る。 (1)トリアリールメタン系化合物:3,3−ビス(p
−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタ
リド(クリスタルバイオレットラクトン)、3,3−ビ
ス(p−ジメチルアミノフェニル)フタリド、3−(p
−ジメチルアミノフェニル)−3−(1,2−ジメチル
インドール−3−イル)フタリド、3−(p−ジメチル
アミノフェニル)−3−(2−メチルインドール−3−
イル)フタリド、3−(p−ジメチルアミノフェニル)
−3−(2−フェニルインドール−3−イル)フタリ
ド、3,3−ビス(1,2−ジメチルインドール−3−
イル)−5−ジメチルアミノフタリド、3,3−ビス
(1,2−ジメチルインドール−3−イル)−6−ジメ
チルアミノフタリド、3,3−ビス(9−エチルカルバ
ゾール−3−イル)−5−ジメチルアミノフタリド、
3,3−ビス(2−フェニルインドール−3−イル)−
5−ジメチルアミノフタリド、3−p−ジメチルアミノ
フェニル−3−(1−メチルピロール−2−イル)−6
−ジメチルアミノフタリドなど、
【0033】(2)ジフェニルメタン系化合物:4,
4′−ビス(ジメチルアミノフェニル)ベンズヒドリル
ベンジルエーテル、N−クロロフェニルロイコオーラミ
ン、N−2,4,5−トリクロロフェニルロイコオーラ
ミンなど、
【0034】(3)キサンテン系化合物:ローダミンB
アニリノラクタム、ローダミンB−p−クロロアニリノ
ラクタム、3−ジエチルアミノ−7−ジベンジルアミノ
フルオラン、3−ジエチルアミノ−7−オクチルアミノ
フルオラン、3−ジエチルアミノ−7−フェニルフルオ
ラン、3−ジエチルアミノ−7−クロロフルオラン、3
−ジエチルアミノ−6−クロロ−7−メチルフルオラ
ン、3−ジエチルアミノ−7−(3,4−ジクロロアニ
リノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(2−ク
ロロアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−6−
メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジブチルアミノ
−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジペンチ
ルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−
(N−エチル−N−トリル)アミノ−6−メチル−7−
アニリノフルオラン、3−ピペリジノ−6−メチル−7
−アニリノフルオラン、3−(N−エチル−N−トリ
ル)アミノ−6−メチル−7−フェネチルフルオラン、
3−ジエチルアミノ−7−(4−ニトロアニリノ)フル
オラン、3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−アニリ
ノフルオラン、3−(N−メチル−N−プロピル)アミ
ノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−
エチル−N−イソアミル)アミノ−6−メチル−7−ア
ニリノフルオラン、3−(N−メチル−N−シクロヘキ
シル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、
3−(N−エチル−N−テトラヒドロフルフリル)アミ
ノ−6−メチル−7−アニリノフルオランなど、
【0035】(4)チアジン系化合物:ベンゾイルロイ
コメチレンブルー、p−ニトロベンゾイルロイコメチレ
ンブルーなど、
【0036】(5)スピロ系化合物:3−メチルスピロ
ジナフトピラン、3−エチルスピロジナフトピラン、
3,3′−ジクロロスピロジナフトピラン、3−ベンジ
ルスピロジナフトピラン、3−メチルナフト−(3−メ
トキシベンゾ)スピロピラン、3−プロピルスピロベン
ゾピランなどを挙げることができるが、これに限定され
るものではない。またこれらの染料前駆体は必要に応じ
て単独、もしくは2種以上混合して使用することができ
る。
【0037】本発明の感熱記録材料に用いられる電子受
容性化合物としては、前記一般式1で表されるスルホニ
ル化合物を含有することを特徴とするものであるが、本
発明によって得られると期待される充分な効果を損なわ
ない範囲で他の電子受容性化合物を併用することも可能
である。併用できる電子受容性化合物としては、一般に
感圧記録材料、または感熱記録材料に用いられる酸性物
質に代表されるが、これらに制限されることはない。例
えば、粘土物質、フェノール誘導体、芳香族カルボン酸
誘導体、N,N’−ジアリルチオ尿素誘導体、N−スル
ホニル尿素などの尿素誘導体、またはそれらの金属塩な
どが使用される。具体的には、活性白土、ゼオライト、
ベントナイトなどの粘土物質、4−フェニルフェノー
ル、4−t−ブチルフェノール、4−ヒドロキシアセト
フェノン、2,2’−ジヒドロキシジフェニル、2,
2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェ
ノール)、4,4’−エチレンビス(2−メチルフェノ
ール)、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロ
パン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ペンタ
ン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサ
ン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘ
キサン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロ
パン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサ
ン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−2−エ
チルヘキサン、2,2−ビス(3−クロロ−4−ヒドロ
キシフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキ
シフェニル)−1−フェニルプロパン、4,4’−ヒド
ロキシジフェニルエーテル、4,4’−シクロヘキシリ
デンビス(2−イソプロピルフェノール)、4,4’−
ジヒドロキシジフェニルスルホン、2,4’−ジヒドロ
キシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4’−メチ
ルジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4’−イソプ
ロポキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4’−
n−プロポキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−
4’−ベンジルオキシジフェニルスルホン、ビス(3−
アリル−4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(3
−クロロ−4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス
(3−クロロ−4−ヒドロキシフェニル)スルフィド、
4,4’−チオビス(2−t−ブチル−5−メチルフェ
ノール)、2,2’−ビス(4−ヒドロキシフェニルチ
オ)ジエチルエーテル、1,7−ジ(4−ヒドロキシフ
ェニルチオ)−3,5−ジオキサヘプタン、4−ヒドロ
キシフタル酸ジメチル、2,2−ビス(4−ヒドロキシ
フェニル)酢酸エステル類、没食子酸アルキルエステル
類、サリチルアニリド、5−クロロサリチルアニリド、
ノボラック型フェノール樹脂、変性テルペンフェノール
樹脂などのフェノール性化合物、4−ヒドロキシ安息香
酸エチル、4−ヒドロキシ安息香酸プロピル、4−ヒド
ロキシ安息香酸ブチル、4−ヒドロキシ安息香酸ベンジ
ル、4−ヒドロキシ安息香酸クロロベンジルなどのヒド
ロキシ安息香酸エステル、安息香酸、サリチル酸、1−
ヒドロキシ−2−ナフトエ酸、2−ヒドロキシ−6−ナ
フトエ酸、3−イソプロピルサリチル酸、3−シクロヘ
キシルサリチル酸、5−シクロヘキシルサリチル酸、
3,5−ジ−t−ブチルサリチル酸、3,5−ジ−t−
ノニルサリチル酸、3,5−ジドデシルサリチル酸、3
−メチル−5−t−ドデシルサリチル酸、3,5−ビス
(α,α−ジメチルベンジル)サリチル酸、3−メチル
−5−(α−メチルベンジル)サリチル酸、酒石酸、シ
ョウ酸、ホウ酸、クエン酸、アテアリン酸などの有機
酸、或いはこれらの亜鉛、ニッケル、アルミニウム、カ
ルシウムなどの金属塩など公知の物質が挙げられるが、
これらに限定されるものではなく、また必要に応じて単
独もしくは2種以上混合して使用することができる。
【0038】本発明の感熱記録材料を構成する感熱記録
層に含まれる発色成分の分散液は、発色成分を構成する
化合物を乾式粉砕して分散媒中に分散する方法、または
発色成分を構成する化合物を分散媒に混入し湿式粉砕す
る方法などにより得られる。粉砕する方法としては、任
意の方法を用いることができるが、先述のごとくヒドロ
キシプロピルメチルセルローズを分散剤として用いる湿
式粉砕がより好ましい。
【0039】該分散液中の発色成分を構成する化合物の
粒径は、通常7μm以下であり、0.1〜5μmが好ま
しく、特に0.1〜2μmの範囲が好ましい。平均粒子
径が7μmを超える場合には、光散乱が起こりやすく、
感熱記録層の透明度が損なわれると共に、発色画像を得
るためのエネルギーがより多く必要となる。
【0040】本発明の感熱記録材料は、その熱応答性を
向上させるために、感熱記録層に熱可融性物質を含有さ
せることができる。この場合、60℃〜180℃の融点
を有するものが好ましく、特に、80℃〜140℃の融
点を持つものがより好ましい。具体的には、ステアリン
酸アミド、N−ヒドロキシメチルステアリン酸アミド、
N−ステアリルステアリン酸アミド、エチレンビスステ
アリン酸アミド、オレイン酸アマイド、パルミチン酸ア
マイド、メチレンビス水添牛脂脂肪酸アミド、リシノー
ル酸アミドなどの脂肪酸アマイド類、パラフィンワック
ス、マイクロクリスタリンワックス、ポリエチレンワッ
クス、カルナバワックスなどの合成、および天然ワック
ス類、N−ステアリル尿素などの脂肪族尿素化合物、2
−ナフチルベンジルエーテル、α、α’−ジフェノキシ
キシレン、ビス(4−メトキシフェニル)エーテル、
2,2’−ビス(4−メトキシフェノキシ)ジエチルエ
ーテル、1,2−ビス(3−メチルフェノキシ)エタ
ン、ナフチルエーテル誘導体、アントリルエーテル誘導
体、脂肪族エーテルなどのエーテル化合物、アジピン酸
ジフェニル、蓚酸ジ(4−メチルベンジル)エステル、
蓚酸ジベンジル、蓚酸ジ(4−クロルベンジル)エステ
ル、炭酸ジフェニル、テレフタル酸ジメチル、テレフタ
ル酸ジベンジル、ベンゼンスルホン酸フェニルエステ
ル、4−アセチルアセトフェノンなどのエステル化合
物、m−ターフェニル、4−ベンジルビフェニル、4−
アリルオキシビフェニルなどのビフェニル誘導体、ビス
(4−アリルオキシフェニル)スルホンアセト酢酸アニ
リド類、脂肪酸アニリド類など公知の熱可融性物質が挙
げられ、これらの化合物は単独或いは2種以上併用して
も使用することができる。また、十分な熱応答性を得る
ためには、感熱記録層中に熱可融性物質の添加量が電子
供与性染料前駆体に対して20〜400重量%の範囲で
あることが好ましく、特に好ましい範囲は50〜200
重量%である。
【0041】その他、感熱記録層には、顔料として、ケ
イソウ土、タルク、カオリン、焼成カオリン、重質炭酸
カルシウム、沈降炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、
酸化亜鉛、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、水
酸化マグネシウム、二酸化チタン、硫酸バリウム、硫酸
亜鉛、非晶質シリカ、非晶質ケイ酸カルシウム、コロイ
ダルシリカなどの無機顔料、メラミン樹脂フィラー、尿
素−ホルマリン樹脂フィラー、ポリエチレンパウダー、
ナイロンパウダーなどの有機顔料を使用することができ
る。
【0042】その他の添加剤としては、加熱印字ヘッド
の摩耗防止、またはスティッキング防止などの目的でス
テアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウムなどの高級脂
肪酸金属塩、パラフィン、酸化パラフィン、ポリエチレ
ン、酸化ポリエチレン、ステアリン酸アミド、カスター
ドワックスなどのワックス類、また、ジオクチルスルホ
コハク酸ナトリウムなどの分散剤、ベンゾフェノン系、
ベンゾトリアゾール系などの紫外線吸収剤、さらに界面
活性剤、蛍光染料などを必要に応じて添加することがで
きる。
【0043】本発明において感熱記録層に用いるバイン
ダーは通常の塗工で用いられる種々のバインダーを単
独、もしくは2種以上混合して用いることができる。
【0044】具体的には、デンプン類、ヒドロキシメチ
ルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、
カルボキシメチルセルロース、ゼラチン、カゼイン、ポ
リビニルアルコール、変性ポリビニルアルコール、アル
ギン酸ソーダ、ポリビニルピロリドン、ポリアクリルア
ミド、アクリルアミド/アクリル酸エステル共重合体、
アクリルアミド/アクリル酸エステル/メタクリル酸三
元共重合体、ポリアクリル酸のアルカリ塩、ポリマレイ
ン酸のアルカリ塩、スチレン/無水マレイン酸共重合体
のアルカリ塩、エチレン/無水マレイン酸共重合体のア
ルカリ塩、イソブチレン/無水マレイン酸共重合体のア
ルカリ塩などの水溶性バインダー、およびスチレン/ブ
タジエン共重合体、アクリロニトリル/ブタジエン共重
合体、アクリル酸メチル/ブタジエン共重合体、アクリ
ロニトリル/ブタジエン/スチレン三元共重合体、ポリ
酢酸ビニル、酢酸ビニル/アクリル酸エステル共重合
体、エチレン/酢酸ビニル共重合体、ポリアクリル酸エ
ステル、スチレン/アクリル酸エステル共重合体、ポリ
ウレタンなどの水分散性バインダーなどが挙げられる
が、これに限定されるものではない。
【0045】感熱記録層の塗工量は、通常染料前駆体の
塗工量で0.1〜2.0g/m2の範囲が適当である。
0.1g/m2未満である場合には、十分な発色濃度が得
られず、また、2.0g/m2を超えて多くても、発色濃
度向上が見られず、経済的に不利である。また、電子受
容性化合物の量は、染料前駆体に対し、通常5〜400
重量%の範囲で添加されるが、20〜300重量%の範
囲が特に好ましい添加量である。
【0046】本発明の感熱記録材料は、必要に応じて支
持体と感熱記録層の間に1種、あるいは数種の顔料、お
よび/またはバインダーからなるアンダーコート層を1
層以上設けることができる。本発明の感熱記録材料がア
ンダーコート層を設けたものである場合、そのアンダー
コート層の塗工量は、1〜30g/m2の範囲が好まし
く、3〜20g/m2の範囲がより好ましい。塗工量が過
少である場合は、目的とする効果が不足する。また、過
多である場合は、製品のカールが大きくなることが多
い。
【0047】アンダーコート層の顔料としては、一般的
には焼成カオリンが用いられるが、それ以外にもケイソ
ウ土、タルク、カオリン、重質炭酸カルシウム、沈降炭
酸カルシウム、炭酸マグネシウム、酸化亜鉛、酸化アル
ミニウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、
二酸化チタン、硫酸バリウム、硫酸亜鉛、非晶質シリ
カ、非晶質ケイ酸カルシウム、コロイダルシリカなどの
無機顔料、メラミン樹脂フィラー、尿素−ホルマリン樹
脂フィラー、ポリエチレンパウダー、ナイロンパウダー
などの有機顔料を用いることが可能で、有機球状粒子、
有機中空粒子なども用いることができる。
【0048】アンダーコート層に用いるバインダーとし
ては、通常の塗工で用いられる種々の水溶性バインダー
または水分散性バインダーを用いることができる。その
具体例としは感熱記録層の部分で記述したバインダーが
挙げられる。
【0049】本発明の感熱記録材料は、必要な場合は感
熱記録層の上に保護層を設けることもできる。保護層は
水溶性高分子、ならびに疎水性高分子の水分散液などの
バインダーを主成分として形成される。その場合、エポ
キシ基を持つ化合物やジルコニウム塩類などの硬膜剤、
架橋剤を添加することもできる。さらに、筆記性や走行
性をより向上させるため、顔料などを添加しても良い。
保護層に用いる顔料の平均粒径は、2.0μm以下が画
像濃度を高めるため好ましい。その他の添加物として
は、ヘッド摩耗防止、スティッキング防止などの目的で
ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウムなどの高級
脂肪酸金属塩、パラフィン、酸化パラフィン、ポリエチ
レン、酸化ポリエチレン、ステアリン酸アミド、カスタ
ードワックスなどのワックス類を、また、ジオクチルス
ルホコハク酸ナトリウムなどの分散剤、さらに界面活性
剤、蛍光染料などを用いることもできる。保護層の塗工
量は、0.2〜10g/m2、好ましくは1〜5g/m2
範囲であり、必要に応じて2層以上の多層構造にしても
良い。
【0050】保護層に用いられるバインダー、ならびに
顔料としては、感熱記録層、ならびにアンダーコート層
の部分で述べた諸材料を用いることができる。
【0051】感熱記録層の塗工液は、支持体上に塗布さ
れるが、支持体としては、紙が主として用いられる。紙
の他に各種織布、不織布、合成樹脂フィルム、合成樹脂
ラミネート紙、合成紙、金属箔、蒸着シート、あるいは
これらを貼り合わせなどで組み合わせた複合シートを任
意に用いることができる。
【0052】感熱記録層、保護層、またはアンダーコー
ト層の形成方法は、特に限定されるものではなく、従来
公知の技術に従って形成することができる。具体的な例
としては、エアナイフ塗工、ロッドブレード塗工、バー
塗工、ブレード塗工、グラビア塗工、カーテン塗工、E
バー塗工などの方法により塗工液を塗工し、乾燥により
感熱記録層、保護層またはアンダーコート層を形成させ
ることができる。
【0053】また、平版、凸版、フレキソ、グラビア、
スクリーン、ホットメルトなどの方式による各種印刷機
などによって各層を形成しても良い。
【0054】また、必要に応じて、アンダーコート層塗
工後、感熱記録層塗工後、または保護層塗工後、スーパ
ーカレンダー処理をし、画質を向上させることもでき
る。
【0055】
【実施例】次に、本発明を実施例により、さらに詳細に
説明する。ただし、これらに限定されるものではない。
なお以下に示す部、ならびに%はいずれも重量基準であ
り、塗工量は絶乾塗工量である。
【0056】実施例1 (A)感熱記録層形成用塗工液の調製 発色色調が黒色系である染料前駆体、3−ジブチルアミ
ノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン30部を、分
散剤としてスルホン酸変性ポリビニルアルコール(商品
名:L3266、日本合成化学社製)の2.5%水溶液
69部と共にボールミルで24時間粉砕し、染料前駆体
分散液を得た。次いで電子受容性化合物として2,4−
ビス(フェニルスルホニル)フェノール50部、および
増感剤として2−ナフチルベンジルエーテル80部を、
2.5%スルホン酸変性ポリビニルアルコール(商品
名:L3266、日本合成化学社製)水溶液420部と
共にサンドミルで粉砕し、体積平均粒径2μm以下の電
子受容性化合物を含有する分散液を得た。上記2種の分
散液を混合した後、攪拌下、以下の添加物を添加、よく
混合し、感熱記録層形成用塗工液を調製した。 50%炭酸カルシウム水分散液 180部 40%ステアリン酸亜鉛水分散液 25部 10%ポリビニルアルコール水溶液 272部 5%ヒドロキシプロピルメチルセルロース (商品名:メトローズ60SH−15、信越化学社製) 40部 水 300部
【0057】(B)感熱塗工用紙の作製 下記の配合よりなる塗工液を、坪量40g/m2の上質紙
に固形分塗抹量として9g/m2になる様に塗工、乾燥し
て、感熱塗工用紙を作製した。 焼成カオリン 100部 50%スチレンブタジエン系ラテックス水分散液 24部 水 200部
【0058】(C)感熱記録材料の作製 (A)で調製した感熱記録層形成用塗工液を、(B)で
作製した感熱塗工用紙上に、固形分塗工量が4g/m2
なる様に塗工、乾燥して、感熱記録材料を作製した。
【0059】実施例2 実施例1において、染料前駆体の分散液、ならびに電子
受容性化合物、および増感剤の混合物の分散液の調製に
使用した分散剤であるスルホン酸変性ポリビニルアルコ
ールをスチレンアクリル酸共重合物アンモニウム塩に変
更した以外は実施例1と同様にして感熱記録材料を作製
した。
【0060】実施例3 実施例1において、染料前駆体の分散液、ならびに電子
受容性化合物、および増感剤の混合物の分散液の調製に
使用した分散剤であるスルホン酸変性ポリビニルアルコ
ールをヒドロキシプロピルメチルセルロース(商品名:
メトローズ60SH−03、信越化学社製)に変更し、
かつヒドロキシプロピルメチルセルロース(商品名:メ
トローズ60SH−15、信越化学社製)水溶液を除い
た以外は実施例1と同様にして感熱記録材料を作製し
た。
【0061】比較例1 実施例1において、染料前駆体の分散液、ならびに電子
受容性化合物、および増感剤の混合物の分散液の調製に
使用した分散剤であるスルホン酸変性ポリビニルアルコ
ールを部分鹸化ポリビニルアルコール(商品名:KL0
5、日本合成化学社製)に変更し、かつヒドロキシプロ
ピルメチルセルロース水溶液を除いた以外は実施例1と
同様にして感熱記録材料を作製した。
【0062】比較例2 実施例1において、ヒドロキシプロピルメチルセルロー
ス水溶液を除いた以外は実施例1と同様にして感熱記録
材料を作製した。
【0063】比較例3 実施例2において、ヒドロキシプロピルメチルセルロー
ス水溶液を除いた以外は実施例2と同様にして感熱記録
材料を作製した。
【0064】比較例4 実施例2において、ヒドロキシプロピルメチルセルロー
ス水溶液を、ヒドロキシエチルメチルセルロース(商品
名:メトローズSEB−4000、信越化学社製)水溶
液に変更した以外は実施例1と同様にして感熱記録材料
を作製した。
【0065】比較例5 実施例2において、ヒドロキシプロピルメチルセルロー
ス水溶液を、メチルセルロース(商品名:メトローズS
M−15、信越化学社製)水溶液に変更した以外は実施
例1と同様にして感熱記録材料を作製した。
【0066】比較例6 実施例1において、2,4−ビス(フェニルスルホニ
ル)フェノールを4−ヒドロキシ−4’−イソプロポキ
シジフェニルスルホンに変更した以外は実施例1と同様
にして感熱記録材料を作製した。
【0067】比較例7 実施例3において、2,4−ビス(フェニルスルホニ
ル)フェノールを4−ヒドロキシ−4’−イソプロポキ
シジフェニルスルホンに変更した以外は実施例3と同様
にして感熱記録材料を作製した。
【0068】以上の実施例1〜3,ならびに比較例1〜
7で作成した感熱記録材料を感熱面のベック平滑度が4
00〜500秒になるようにカレンダー処理した後に、
下記の評価に供した。その評価結果を表2に示す。ま
た、表1に電子受容性化合物である顕色剤、熱可融性化
合物の分散剤、ならびに水溶性添加物を示す。
【0069】[熱応答性試験]大倉電機製ファクシミリ
試験機TH−PMDを用いて印字テストを行った。ドッ
ト密度8ドット/mm、ヘッド抵抗1681Ωのサーマ
ルヘッドを使用し、ヘッド電圧21V、パルス幅1.
0、および1.2ミリ秒で通電して印字し、発色濃度を
マクベスRD−918型反射濃度計で測定した。評価結
果を表2に示す。パルス幅1.0msecにおける発色
濃度1.10以上、同1.2msecにおける発色濃度
1.20以上が実用上必要である。
【0070】[地肌濃度]各感熱記録材料の未印字の地
肌部の濃度をマクベスRD−918型反射濃度計で測定
した。濃度0.05以下が実用上好ましい。
【0071】[地肌の耐熱性試験]各感熱記録材料を、
60℃の条件下に168時間保存した後の未印字の地肌
部の濃度を、マクベスRD−918型反射濃度計で測定
した。本測定濃度は低ければ低いほど良好であるが、実
使用上好ましい濃度は0.20未満である。
【0072】[画像部の耐可塑剤性試験]画像部の耐可
塑剤性試験は、熱応答性試験の評価で用いた1.2ms
ecで印字した各感熱記録材料を、塩化ビニル製ラップ
(商品名:ダイアラップ、三菱樹脂社製)で覆い、40
℃の条件下に24時間保存した後に画像部をマクベスR
D−918型反射濃度計で測定した濃度を、あらかじめ
加熱保存前に測定しておいた画像部濃度で除した画像残
存率で示した。実使用上70%以上の画像残存率が必要
である。
【0073】[塗工液の起泡性試験]実施例1〜3,な
らびに比較例1〜7で使用した感熱記録層形成用塗工液
50mlを100mlのポリエチレン容器に採取し、ペ
イントコンディショナー(レッドデビル社製)で5分間
攪拌後、発生した泡が消えるまでに要した時間を測定し
た。より短時間である感熱記録層形成用塗工液の方が、
操業性の上で有利である。
【0074】
【表1】 表中、 DBSP:2,4−ビス(フェニルスルホニル)フェノ
ール DPS :4−ヒドロキシ−4’−イソプロポキシジフ
ェニルスルホン HPMC:ヒドロキシプロピルメチルセルロース HEMC:ヒドロキシエチルメチルセルロース MC :メチルセルロース
【0075】
【表2】
【0076】
【発明の効果】表より明らかなごとく、支持体上に電子
供与性の通常無色ないし淡色の染料前駆体と、加熱時反
応して該染料前駆体を発色させる電子受容性化合物とを
含有する感熱記録層を設けた感熱記録材料において、該
感熱記録層中にヒドロキシプロピルメチルセルロース、
および一般式1で表される本発明の化合物を含有させる
ことにより、特に熱応答性が良好で、地肌の白色度が高
く、かつ画像部、地肌部の保存安定性が優れた感熱記録
材料が得られることがわかる。また、これらの改良効果
は、ヒドロキシプロピルメチルセルロースを、感熱記録
層に含有される熱可融性化合物の分散剤として使用する
事により添加した場合、特に著しいことが判る。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上に電子供与性の通常無色ないし
    淡色の染料前駆体と、加熱時反応して該染料前駆体を発
    色させる電子受容性化合物とを含有する感熱記録層を設
    けた感熱記録材料において、該感熱記録層中にヒドロキ
    シプロピルメチルセルロース、および下記一般式1で表
    される化合物の少なくとも1種を含有することを特徴と
    する感熱記録材料。 【化1】 (式1中、Xは水素原子、または低級アルキル基を表
    し、R1、R2、およびR3は同一でも異なっていても
    よく、それぞれ水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシル
    基、低級アルキル基、またはシクロアルキル基を表し、
    R4、R5、およびR6は同一でも異なっていてもよ
    く、それぞれ水素原子、ハロゲン原子、低級アルキル
    基、またはシクロアルキル基を表し、R7は水素原子、
    または一般式2を表し、ここでR4、R5、およびR6
    は上記定義と同じである。) 【化2】
  2. 【請求項2】 支持体上に電子供与性の通常無色ないし
    淡色の染料前駆体と、加熱時反応して該染料前駆体を発
    色させる電子受容性化合物とを含有する感熱記録層を設
    けた感熱記録材料において、該感熱記録層中にヒドロキ
    シプロピルメチルセルロースで分散された上記一般式1
    で表される化合物の少なくとも1種を含有することを特
    徴とする感熱記録材料。
  3. 【請求項3】 該一般式1で表される化合物が2,4−
    ビス(フェニルスルホニル)フェノールであることを特
    徴とする請求項1、または2記載の感熱記録材料。
JP11217027A 1999-07-30 1999-07-30 感熱記録材料 Pending JP2001039037A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11217027A JP2001039037A (ja) 1999-07-30 1999-07-30 感熱記録材料

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11217027A JP2001039037A (ja) 1999-07-30 1999-07-30 感熱記録材料

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001039037A true JP2001039037A (ja) 2001-02-13

Family

ID=16697698

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP11217027A Pending JP2001039037A (ja) 1999-07-30 1999-07-30 感熱記録材料

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2001039037A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4943968B2 (ja) 感熱記録材料
JP2005262549A (ja) 感熱記録材料
JP3058758B2 (ja) 感熱記録材料
JP4309739B2 (ja) 感熱記録材料
JP4050624B2 (ja) 感熱記録材料
JP2005262714A (ja) 感熱記録材料
JP2001001647A (ja) 感熱記録材料
JP2007111870A (ja) 感熱記録材料
JP2001039037A (ja) 感熱記録材料
JP2001150820A (ja) 感熱記録材料
JP2001063227A (ja) 感熱記録材料
JP4190310B2 (ja) 感熱記録材料
JP3058757B2 (ja) 感熱記録材料
JP3833907B2 (ja) 感熱記録材料
JP2001026181A (ja) 感熱記録材料
JPH07290835A (ja) 感熱記録体
JP2004276330A (ja) 感熱記録材料
JP2003175671A (ja) 感熱記録材料
JP3761811B2 (ja) 感熱記録材料
JP3833908B2 (ja) 感熱記録材料
JP2006281476A (ja) 感熱記録材料
JP2002011963A (ja) 感熱記録材料
JP2002067514A (ja) 感熱記録材料
JP2002192838A (ja) 感熱記録材料
JP2001205941A (ja) 感熱記録材料