JP2001038635A - レジンボンド砥石 - Google Patents
レジンボンド砥石Info
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Abstract
砥粒層の耐摩耗性を向上すると共に、被削材の仕上がり
面品位を向上する。 【解決手段】 レジンボンド砥石10の砥粒層11は、
例えばフェノール樹脂等の熱硬化性樹脂を主塑性物とす
る樹脂結合相14と、この樹脂結合相14中に分散配置
したダイヤモンド(またはCBN等)の超砥粒15とか
ら構成した。樹脂結合相14中には第一のフィラーとし
てSiO217と、第二のフィラーとして例えばCaF2
18とを分散配置した。樹脂結合相中14中のSiO2
17は略球状とし、その粒子の大きさを揃えて単分散系
を形成した。SiO217の総量は砥粒層11の体積比
で5〜25vol%とし、SiO217の粒子径は超砥
粒15の平均粒子径の1/20〜1/4とした。
Description
どに用いられるレジンボンド砥石に関する。
脂やフェノール樹脂などの熱硬化性樹脂の原料粉末と、
ダイヤモンドやCBN等の超砥粒とを混合し、単独で、
あるいは必要に応じて台金と共に型込めした上、プレス
成形および焼成してレジンボンド砥粒層を形成したもの
である。レジンボンド砥石は超砥粒を保持する樹脂結合
相が比較的軟質で脆いために、比較的硬い被削材に対し
て研削を行った場合、超砥粒の先端が摩耗して切れ味が
低下するより早く、超砥粒を支える樹脂結合相が破砕ま
たは摩耗して超砥粒が脱落する。そのため、レジンボン
ド砥石は摩耗が激しい欠点を有するが、研削面の目詰ま
りや超砥粒の摩耗による切れ味低下が起きにくく、メタ
ルボンド砥石などと比較して研削を効率よく行え、しか
も樹脂結合相で保持された超砥粒に弾性効果があるため
に被削材のダメージが小さく仕上げ面が良好である。そ
のため、例えば半導体ウェハーなどの被削材の鏡面研削
など、小さい面粗さが要求される研削に用いられるとい
う利点を有している。
研削抵抗により発生する摩擦熱を抑制するために例えば
hBNや黒鉛などの固体潤滑剤がフィラーとして樹脂結
合相中に分散されたものがある。例えば、図3に示すレ
ジンボンド砥石1では、砥粒層2としてフェノール樹脂
からなる樹脂結合相3中にダイヤモンドの超砥粒4が分
散配置され、更に固体潤滑剤としてCaF2(フッ化カ
ルシウム)5の粒子が添加され分散されている。このよ
うなレジンボンド砥石1を用いて研削を行う場合、樹脂
結合相3中のCaF25が樹脂結合相3や超砥粒4と共
に逐次脱落する際、潤滑剤として機能して超砥粒4によ
る研削を円滑に行うと共に砥粒層2や被削材の摩擦熱を
抑制するよう図られている。
成のメタルボンド砥石1ではフィラーとして分散配置さ
れた固体潤滑剤によって切削抵抗を低減できるが、砥粒
層2の耐摩耗性を向上する効果は乏しく砥石寿命が短く
なるという問題が生じる。本発明は、このような事情に
鑑みてなされたもので、研削抵抗を低減すると共に、耐
摩耗性を向上することができるレジンボンド砥石を提供
することを目的とする。
目的を達成するために、請求項1に記載の本発明のレジ
ンボンド砥石は、樹脂結合相中に超砥粒が分散配置され
てなるレジンボンド砥石であって、前記樹脂結合相中に
SiO2がフィラーとして分散配置されてなり、前記S
iO2は略球状とされていることを特徴としている。
を研削加工する際に被削材や切粉との摩擦によって樹脂
結合相が摩耗されて、その表面上からフィラーのSiO
2が露出して被削材の加工面と接触する。この際、略球
状のSiO2は研削面と点接触するため、SiO2と被削
材との摩擦が生じても摩擦抵抗は小さく、摩擦熱の発生
が小さく抑えられる。また、略球状のSiO2は、例え
ば外表面上に凸凹が形成されたような不定形のフィラー
よりも樹脂結合相による保持力が低下するために樹脂結
合相からの脱落が促進されるが、こうしたSiO2が被
削材の研削面を擦過等した場合にも、加工壁面を傷つけ
ることが抑制されて加工壁面の仕上がり面品位を向上さ
せることができる。
ンド砥石では、前記SiO2は、前記樹脂結合相と前記
超砥粒とフィラー等を含む砥粒層の全体積中に5〜25
vol%の範囲で含まれていることを特徴としている。
2が5vol%未満になると、研削時の研削抵抗を低減
して摩擦熱の発生を抑制したり、砥粒層の耐摩耗性を向
上する効果が無く、逆に25vol%を越えると砥粒層
の耐摩耗性が強くなりすぎるため、切れ味の低下した超
砥粒が砥粒層の表面上から脱落せずに保持され続ける等
によって、被削材と砥粒層との間の研削抵抗が増大し、
最終的に被削材の加工面に研削焼けが生じる。
ンド砥石では、前記SiO2の粒子径は、前記超砥粒の
平均粒子径の1/20〜1/4の範囲とされていること
を特徴としている。このようなレジンボンド砥石では、
SiO2の粒子径が超砥粒の粒子径の1/20未満にな
ると、研削時の研削抵抗を低減して摩擦熱の発生を抑制
したり、砥粒層の耐摩耗性を向上する効果が無く、逆
に、超砥粒の粒子径の1/4を越えると、被削材の加工
面との接触面積が増大して研削抵抗が大きくなるという
問題が生じる。
ンド砥石では、前記樹脂結合相中に、固体潤滑剤が分散
配置されてなることを特徴としている。このようなレジ
ンボンド砥石では、樹脂結合相中に固体潤滑剤が分散配
置されているため、研削時に超砥粒による被削材の研削
を円滑に行うことができると共に、砥粒層や被削材の摩
擦熱を抑制することができる。ここで、固体潤滑剤とし
ては、CaF2、hBN、黒鉛等とされ、固体潤滑剤の
添加量は特に限定されるものではないが、好ましくは砥
粒層の体積比で3〜35vol%とされる。
の実施形態について図1および図2を参照しながら説明
する。図1は本発明に係わるレジンボンド砥石の一実施
形態について示す要部拡大断面図であり、図2は図1で
示す砥粒層が台金に装着されたカップ型砥石の一部断面
図を示すものである。本実施の形態によるレジンボンド
砥石10は、例えば鏡面研削用の砥石であり、砥粒層1
1は例えば図2に示すようにカップ型砥石12の台金1
3の略円形の先端部に固定されていてもよいし、台金を
設けることなく砥粒層11のみによって砥石が構成され
ていてもよい。そして、砥粒層11は、例えばフェノー
ル樹脂等の熱硬化性樹脂を主塑性物とする樹脂結合相1
4と、この樹脂結合相14中に分散配置されたダイヤモ
ンド(またはCBN等)の超砥粒15とを備えている。
さらに、樹脂結合相14中には複数種類のフィラー16
が分散配置されており、第一のフィラーはSiO2(二
酸化珪素)17とされ、第二のフィラーは例えば固体潤
滑剤としてのCaF2(フッ化カルシウム)18とされ
ている。
7は略球状とされ、その粒子の大きさが揃えられた単分
散系をなしている。SiO217の総量は砥粒層11の
体積比で5〜25vol%とし、SiO217の粒子径
は超砥粒15の平均粒子径の1/20〜1/4とする。
SiO217の粒子の直径は、例えば超砥粒15の平均
粒子直径が5.7〜5.8μmの時に、例えば0.2,
0.5,1.0μmのいずれかとされる。ここで、Si
O217の量が5vol%未満であると、SiO217を
含有したことによる効果、例えば研削抵抗による摩擦熱
の低減効果が生じない。また、SiO217の量が25
vol%を越えると砥粒層11の耐摩耗性が強くなりす
ぎて、切れ味の低下した超砥粒15が砥粒層11の表面
上から脱落せずに保持され続けたり、被削材と砥粒層1
1との間の研削抵抗が増えることによって加工面での研
削焼けが発生する。さらに、SiO217の粒子径が超
砥粒15の平均粒子径の1/20未満であると、研削抵
抗を低減して摩擦熱の発生を抑制する効果が生じず、S
iO217の粒子径が超砥粒15の平均粒子径の1/4
を越えると、超砥粒15の平均粒子径に近くなるが研削
能力が無く、被削材との接触面積が増えて研削抵抗の増
大がもたらされる。なお、第二のフィラーのCaF21
8は、SiO217よりも小さな粒子径を有するように
されている。また、固体潤滑剤をなす第二のフィラーの
CaF218の添加量は、特に限定されるものではない
が、好ましくは砥粒層11の体積比で3〜35vol%
とされている。
は上述の構成を備えており、このレジンボンド砥石10
を例えば図2に示すカップ型砥石12として用いて例え
ば半導体ウェハー等の鏡面研削をおこなう際の作用につ
いて説明する。レジンボンド砥石10の表面上には超砥
粒15およびフィラー16が突出しているが、超砥粒1
5によって被削材の研削がおこなわれる。研削が進む
と、切粉との摩擦等によって樹脂結合相14は減耗して
超砥粒15の保持力は低下し、研削抵抗に耐えきれなく
なった時点で超砥粒15が砥粒層11の表面上から脱落
する。すると、砥粒層11の表面上から突出していたS
iO217が被削材の加工面と接触するようになるが、
略球状のSiO217は加工面と点接触するだけであ
る。さらに樹脂結合相14の減耗が進行すると、SiO
217の保持力も低下して砥粒層11の表面上から脱落
するが、SiO217は略球状とされているので加工面
を擦過等する場合にも加工面とは点接触するだけであ
り、摩擦抵抗を抑制できる。こうして砥粒層11の表面
は摩耗され、より下層に配置されていた新しい超砥粒1
5が表面上に露出して自生発刃が作用する。
10では、砥粒層11の樹脂結合相14中にフィラーと
してSiO217が分散配置されており、SiO217は
略球状に形成されて大きさが揃えられていることから、
研削加工時の加工面と砥粒層11の表面との摩擦抵抗を
抑制して、摩擦熱の上昇を抑えることができると共に、
砥粒層11の耐摩耗性を向上することができる。また、
略球状のSiO217が砥粒層11から脱落して加工面
を擦過等した際にも、加工面を傷つけることがなく、仕
上がり面品位を向上することができる。
10について行った研削試験について説明する。まず、
図2に示すカップ型砥石12のレジンボンド砥石10に
ついて、砥粒層11の樹脂結合相14としてフェノール
樹脂を用いて全体で75vol%とし、超砥粒15とし
て平均粒子直径が5.7〜5.8μmのダイヤモンド砥
粒を25vol%分散配置した。そして、樹脂結合相1
4の組成について、フェノール樹脂を65vol%、第
一のフィラーとしてSiO217を15vol%、第二
のフィラーのCaF218を20vol%とした。樹脂
結合相14中のSiO217の粒子直径については、以
下の研削試験で示すように実施例1として0.2μm、
実施例2として0.5μm、実施例3として1.0μm
とした。また、比較例は、樹脂結合相14の組成とし
て、フェノール樹脂を65vol%、第二のフィラーの
CaF218を35vol%とした。
て、レジンボンド砥石10の抗折強度(kg/m
m2)、表面硬度(HRf)、更に主軸モータの主軸電
流値(A)、研削比をそれぞれ測定した。ここで、主軸
モーターの電流値とは、カップ型砥石12を一定速度3
000rpmで回転させつつ被削材のシリコンウェーハ
ーを研削したときの主軸モータを、所定速度で回転させ
るために必要な電流値(A)であり、この主軸モータに
供給する電流値を測定してこれを切削抵抗とした。カッ
プ型砥石12を3000rpmの回転速度で駆動して6
インチのシリコンウェーハーを1000枚、仕上げ加工
でそれぞれ20μmに亘って研削加工した後で、砥粒層
11の抗折強度(kg/mm2)と表面硬度(HRf)
と主軸電流値(A)と研削比と面粗さ(μm)を測定し
た。測定結果を表1に示す。
では、その抗折強度及び表面硬度の向上によって形状崩
れを抑制でき、研削比は比較例に比して30%以上良好
であることが確認できる。また、実施例1,2及び3
は、研削比の改善にも係わらず、固体潤滑剤(CaF2
18)を単独で用いた比較例の場合と同等の主軸電流値
であることが確認できる。
ンボンド砥石を鏡面研削に用いた例について説明した
が、これに限定されることなく他の種類の研削にも本発
明に係るレジンボンド砥石を採用しても良いことはもち
ろんである。
発明のレジンボンド砥石によれば、略球状のSiO2は
研削面と点接触するため、SiO2と被削材の摩擦が生
じても摩擦抵抗は小さく、摩擦熱の発生が小さく抑えら
れると共に、加工壁面を傷つけることが抑制されて加工
壁面の仕上がり面品位を向上させることができる。
によれば、SiO2が5vol%未満になると、研削時
の研削抵抗を低減して摩擦熱の発生を抑制する効果と耐
摩耗性向上の効果が生じず、逆に25vol%を越える
と、砥粒層の耐摩耗性が強くなりすぎて、被削材との間
に発生する摩擦熱が上昇するという問題が生じるが、5
〜25vol%の範囲にすることでこうした問題を回避
することができる。
ンド砥石によれば、SiO2の粒子径が超砥粒の粒子径
の1/20未満になると、研削時の研削抵抗を低減して
摩擦熱の発生を抑制する効果と耐摩耗性向上の効果が生
じず、逆に、超砥粒の粒子径の1/4を越えると、被削
材の加工面との接触面積が増大して摩擦抵抗が大きくな
るという問題が生じるが、1/20〜1/4の範囲にす
ることでこうした問題を回避することができる。さら
に、請求項4記載の本発明のレジンボンド砥石によれ
ば、樹脂結合相中に固体潤滑剤が分散配置されているた
め、研削時に超砥粒による被削材の研削を円滑に行うこ
とができると共に、砥粒層や被削材の摩擦熱を抑制する
ことができる。
態について示す要部拡大断面図である。
型砥石を示す一部断面図である。
図である。
Claims (4)
- 【請求項1】 樹脂結合相中に超砥粒が分散配置されて
なるレジンボンド砥石であって、前記樹脂結合相中にS
iO2がフィラーとして分散配置されてなり、前記Si
O2は略球状とされていることを特徴とするレジンボン
ド砥石。 - 【請求項2】 前記SiO2は、前記樹脂結合相と前記
超砥粒とフィラー等を含む砥粒層の全体積中に5〜25
vol%の範囲で含まれていることを特徴とする請求項
1に記載のレジンボンド砥石。 - 【請求項3】 前記SiO2の粒子径は、前記超砥粒の
平均粒子径の1/20〜1/4の範囲とされていること
を特徴とする請求項1または請求項2に記載のレジンボ
ンド砥石。 - 【請求項4】 前記樹脂結合相中に、固体潤滑剤が分散
配置されてなることを特徴とする請求項1乃至3の何れ
かに記載のレジンボンド砥石。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11215984A JP2001038635A (ja) | 1999-07-29 | 1999-07-29 | レジンボンド砥石 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11215984A JP2001038635A (ja) | 1999-07-29 | 1999-07-29 | レジンボンド砥石 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001038635A true JP2001038635A (ja) | 2001-02-13 |
Family
ID=16681494
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP11215984A Pending JP2001038635A (ja) | 1999-07-29 | 1999-07-29 | レジンボンド砥石 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2001038635A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2003048168A (ja) * | 2001-08-07 | 2003-02-18 | Noritake Co Ltd | 樹脂結合材薄刃砥粒工具 |
JP2006320992A (ja) * | 2005-05-18 | 2006-11-30 | Noritake Co Ltd | 固体潤滑剤を含む鏡面研磨用レジノイド砥石の製造方法 |
CN109015425A (zh) * | 2018-06-26 | 2018-12-18 | 郑州磨料磨具磨削研究所有限公司 | 一种树脂结合剂砂轮及其制备方法 |
CN112428163A (zh) * | 2020-11-17 | 2021-03-02 | 东莞市晶菱磨料磨具科技有限公司 | 一种树脂抛光轮的生产配方及其生产工艺 |
-
1999
- 1999-07-29 JP JP11215984A patent/JP2001038635A/ja active Pending
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2003048168A (ja) * | 2001-08-07 | 2003-02-18 | Noritake Co Ltd | 樹脂結合材薄刃砥粒工具 |
JP2006320992A (ja) * | 2005-05-18 | 2006-11-30 | Noritake Co Ltd | 固体潤滑剤を含む鏡面研磨用レジノイド砥石の製造方法 |
CN109015425A (zh) * | 2018-06-26 | 2018-12-18 | 郑州磨料磨具磨削研究所有限公司 | 一种树脂结合剂砂轮及其制备方法 |
CN109015425B (zh) * | 2018-06-26 | 2019-12-20 | 郑州磨料磨具磨削研究所有限公司 | 一种树脂结合剂砂轮及其制备方法 |
CN112428163A (zh) * | 2020-11-17 | 2021-03-02 | 东莞市晶菱磨料磨具科技有限公司 | 一种树脂抛光轮的生产配方及其生产工艺 |
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