JP4986590B2 - レジノイド砥石 - Google Patents

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Description

本発明はシリコンウエハー加工用のレジノイド砥石に関する。
研削及び研磨用砥石は、使用される結合剤の種類により、ビトリファイド砥石、レジノイド砥石、メタル砥石、及び電着砥石に大別することができる。これらのうち、切れ味がよく、高能率研削で使用しやすいという理由から、レジノイド砥石が多く使用されている。レジノイド砥石に使用される有機質結合剤としては、一般的にフェノール樹脂、エポキシ樹脂、PVAが使用され、その他の結合剤用有機樹脂としてはウレタン樹脂、ゴム系樹脂などが挙げられる。
主にフェノール樹脂が使用されている。
一方砥石特性を向上させるため各種充填剤を添加する試みがなされている。
特にレジノイド砥石の弾力特性を損なわず切れ味及び耐久性を向上させるため、充填剤を添加することがよく行われている。
特許文献1(特開平6−55458号公報)においてはレジノイド砥石の耐熱性及び強度向上の為、フェノール樹脂又はエポキシ樹脂の熱硬化性樹脂の硬化物の粉砕物を添加することが開示されている。
一方、最近シリコンウエハーの加工においては結合剤樹脂の弾力特性および耐久性の観点からフェノール樹脂を結合剤としたレジノイド砥石が主として使用されている。
特開平6−55458号公報
しかしながらフェノール樹脂を結合剤としたレジノイド砥石をシリコンウエハー加工に適用した場合、前記に記載した充填剤を添加しないフェノール樹脂を結合剤としたレジノイド砥石の場合切れ味及び耐久性が劣り、充填剤としてエポキシ樹脂硬化物粉体を添加した場合レジノイド砥石の消耗が大きくなり研削を重ねるに従って切れ味が低下する。充填剤としてフェノール樹脂硬化物粉砕物を添加した場合、研削を重ねるに従って切れ味が低下する。本発明の課題は、シリコンウエハー加工において切れ味、耐久性が良好でシリコンウエハーの研削を重ねても切れ味が低下しない、つまりドレスインターバルが長いレジノイド砥石を提供することである。
本発明のレジノイド砥石とその代表的な態様は次のとおりである。
(1)砥粒と有機質結合剤を使用したレジノイド砥石において、前記有機質結合剤より熱分解温度が低く、かつ熱分解温度が異なる2以上の充填剤を含むことを特徴とするレジノイド砥石。
(2)n種以上の充填剤F1、F2、……、Fn(nは2以上の整数)を含み、第一の充填剤F1は有機質結合剤より熱分解温度が100℃以上低く、第二以降の充填剤F2、……、FnはそれぞれF1、……、Fn-1の充填剤より熱分解温度が30℃以上低いことを特徴とする(1)記載のレジノイド砥石。
(3)前記レジノイド砥石の有機質結合剤はフェノール樹脂であることを特徴とする(1)又は(2)記載のレジノイド砥石。
(4)2種の充填剤を含み、第一の充填剤はフェノール樹脂、第二の充填剤はエポキシ樹脂であることを特徴とする(2)又は(3)記載のレジノイド砥石。
本発明によれば、シリコンウエハー加工において切れ味、耐久性が良好でシリコンウエハーの研削を重ねても切れ味が低下しない、つまりドレスインターバルが長いレジノイド砥石が供給できる。
本発明の実施形態を説明する。
本発明のレジノイド砥石は主にシリコンエウハー加工に用いられる。それ以外の研削用途で同様な効果が発揮されれば本用途範囲に限られず他用途でも適用できる。
本発明で使用される砥粒としては、ダイヤモンド砥粒、CBN砥粒、アルミナ系砥粒、ゾルゲル焼結によるアルミナ質砥粒、炭化ケイ素系砥粒、ジルコニア砥粒、アルミナ−ジルコニア砥粒、シリカ、酸化クロム、酸化セリウムなどが挙げられ、これらを単独で、又は2種以上を混合して使用することができる。使用する砥粒の種類やその組合せは、研削等の条件及び被研磨材の材質に応じて適宜選択される。砥粒粒度は、1μm未満のサブミクロン砥粒から平均粒径1mm以上まで使用することができる。これらは研削等の条件及び被研磨材の材質に応じて適宜選択される。
本発明に使用される代表的なレジノイド結合剤はフェノール樹脂、エポキシ樹脂、PVAであり、その他の結合剤用有機樹脂としてはウレタン樹脂、ゴム系樹脂などが挙げられるが、高耐熱性、高寿命及び汎用性の観点からフェノール樹脂を使用することが望ましい。
本発明の特徴は、上記の如き砥粒と有機質結合剤で構成されたレジノイド砥石において、前記有機質結合剤より熱分解温度が低く、かつ熱分解温度が異なる2以上の充填剤を使用することである。本発明で定義する熱分解温度とは、充填剤の試料を熱分析装置にて試験して加熱減量が50wt%に達したときの温度と定義される。
使用する2種以上の充填剤は、耐熱温度の高い順に第一の充填剤F1、第二の充填剤F2、第三の充填剤F3、…、第nの充填剤Fnと定義される。このような材料は本発明の趣旨を満足する限り有機質、金属質又は無機質どれでもかまわない。
一般的に研削作業においては被削材との摩擦により摩擦熱が発生し、レジノイド砥石の場合摩擦熱が大きくなると樹脂結合剤が熱分解を起す。充填剤も同様に熱分解を起すが、本発明で添加する充填剤は樹脂結合剤より熱分解温度を低くしている。これにより樹脂結合剤より先に充填剤が熱分解し、熱分解した充填剤の箇所が気孔となるチップポケットとなり、良好な切れ味が持続する。さらに本発明では、熱分解温度が異なる2以上の充填剤を添加している。この作用効果として充填剤の熱分解によるチップポケットの形成が段階的に起こる。つまり、熱分解温度が一番低い充填剤が最初に分解しチップポケットを形成し、さらに次に熱分解温度が低い充填剤が熱分解によりチップポケットを形成する。このように少なくとも2段階以上で起こるチップポケットの形成により、単一物の充填剤を用いた場合に起こる、ある温度で一斉に熱分解しチップポケットを形成することにより樹脂結合剤層に空隙が一挙に発生することによる砥石層の大脱落を防止する効果が得られる。本発明では、充填剤の熱分解が段階的に徐々に発生するので、研磨作業中に被削材との馴染み作用(セルフドレッシング効果)が起こり、急激な砥石消耗、目詰まりが発生せず研削を重ねても切れ味が低下しない、つまりドレスインターバルが長いレジノイド砥石が供給できる。さらにこれらの充填剤が分解する際に熱エネルギーを消費するので、樹脂結合剤の熱分解を遅らせるという効果もある。
加えて熱分解温度の差を考慮して、第一の充填剤F1は有機質結合剤より熱分解温度が100℃以上低く、第二の充填剤F2は第一の充填剤より熱分解温度が30℃以上低いことを特徴とし、第三以降の充填剤F3、…、FnはそれぞれF2、…、Fn-1の充填剤より熱分解温度が30℃以上低くなるようにする。
添加する充填剤は研削条件等を考慮して適宜決定される。
上記の数値は添加する充填剤の熱分解温度の差の最低限度の数値であるが、その上限の数値については本発明の効果を発揮できる熱分解温度を持った充填剤の組合せであればよく、特に制限はない。
添加する充填剤の総使用量は有機質結合剤に対して50〜100vol%である。
50vol%より少ないと目つぶれ、目詰まりが発生、セルフドレッシング効果が発揮できず切れ味が低下する。100vol%より多いとセルフドレッシング効果は発揮されるが、砥石の弾性率が低下し切れ味が低下する。
本発明の望ましい実施形態として充填剤は有機質が望ましい。有機質結合剤は、熱可塑性樹脂又は熱硬化性樹脂どちらでも使用できる。
望ましくは、熱可塑性樹脂と違って加熱すると溶融過程を経ずに分解が起こる熱硬化性樹脂のほうがよい。
このような熱硬化性樹脂としては、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、尿素樹脂、ポリウレタン樹脂、ユリア樹脂、シリコーン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、フラン樹脂などが挙げられる。先に例示した以外の熱硬化性樹脂であっても、本発明の趣旨を満足するものであれば使用できる。
結合剤としては、汎用性及び熱分解温度の調整の容易さからフェノール樹脂又はエポキシ樹脂を使用することが望ましい。
本発明のさらに望ましい実施形態は、有機質結合剤としてフェノール樹脂を使用し、充填剤として熱硬化性樹脂を使用して、第一の充填剤はフェノール樹脂、第二の充填剤はエポキシ樹脂とすることである。
本発明で充填剤として併用する第二充填剤のエポキシ樹脂及び第一充填剤のフェノール樹脂の割合は、第二充填剤のエポキシ樹脂:第一充填剤のフェノール樹脂=3:1〜1:1の範囲が望ましい。
粉粒体で添加される充填剤の粒度は、使用する砥粒の粒度との関係よってきまり、砥粒粒度に対して1〜100倍の範囲が望ましく、10〜70倍がなお望ましい。
本発明においては無機質の充填剤を使用することもできる。具体的な物質は例えば、炭化ケイ素(SiC)、アエロジル、クリオライト、硫酸バリウム、硫酸カリウム、炭酸カルシウム等であり、研削条件により適宜選択される。無機質充填剤は、必ずしも使用しなくてもよい。
本発明の砥石組成は、気孔体積率で0〜30%あり、砥粒体積率は5〜50%である。結合剤体積率は100から気孔体積率と砥粒体積率の値を引いた値である。
〔実施例1〕
有機質結合剤のフェノール樹脂、有機質充填剤のフェノール樹脂及びエポキシ樹脂(硬化反応後)の熱分解温度の測定を説明する。
テストサンプル:
1)フェノール樹脂結合剤:レジノイド砥石に一般的に使用されているノボラック型フェノール樹脂粉体を試料とした。
2)フェノール樹脂充填剤:レゾール樹脂を粉砕し試料とした。
3)エポキシ樹脂充填剤:ビスフェノールA型エポキシ樹脂+アミン系硬化剤を0.8〜1.15の比重になるよう50℃で0.5時間一次硬化し、その後粉砕して試料とした。
熱分解温度測定手順:
セイコ−インスツルメンツ(SII)社製TG/DTA6300を用い、直径5.2mm、高さ2.5mmのカップ形状を有する白金皿にテストサンプル0.01gを投入し10℃/minで昇温して、その重量変化を測定した。
フェノール樹脂結合剤の熱分解温度は580℃であった。
フェノール樹脂充填剤の熱分解温度は450℃であった。
エポキシ樹脂充填剤の熱分解温度は420℃であった。
以上のように熱分解温度は、フェノール樹脂結合剤>フェノール樹脂充填剤>エポキシ樹脂充填剤の順番となった。フェノール樹脂充填剤を第一の充填剤、エポキシ樹脂充填剤を第二の充填剤として、実施例2の研削テストに使用した。
〔実施例2〕研削テスト
サンプル1:第一充填剤のフェノール樹脂+第二充填剤のエポキシ樹脂
比較サンプル1:充填剤なし
比較サンプル2:第一充填剤のフェノール樹脂のみ
比較サンプル3:第二充填剤のエポキシ樹脂のみ
比較サンプル4:第一充填剤に代るフェノール樹脂充填剤(この充填剤は熱分解温度が520℃で、有機質結合剤との熱分解温度の差は60℃である)+第二充填剤のエポキシ樹脂
比較サンプル5:第一充填剤のフェノール樹脂+第二充填剤に代るエポキシ樹脂充填剤(この充填剤は熱分解温度が440℃で、第一充填剤との熱分解温度の差は10℃である)
(混合比及び製造手順)
(1)サンプル1
砥粒:ダイヤモンド砥粒#3000(4/6μm) 100重量部
結合剤:フェノール樹脂 206重量部
第一充填剤のフェノール樹脂 85重量部
第二充填剤のエポキシ樹脂 91重量部
無機質充填剤:SiC 454重量部
ダイヤモンド砥粒、フェノール樹脂結合剤、第一充填剤のフェノール樹脂、第二充填剤のエポキシ樹脂、無機質充填剤のSiCを計量し、均一になるまで混合した。混合物を200×5×196mmの金型に充填し、200℃、1.5時間で硬化した。その後仕上げ加工を行い、外径200mm、厚み35mm、穴径40mm、砥石層幅2mm、砥石層高さ5mmのカップ型の砥石を作製した。この砥石は、砥石部1をカップ状の金属台金2で支持したもので、研削面3を研削に使用する。
(2)比較サンプル1
砥粒:ダイヤモンド砥粒#3000(4/6μm) 100重量部
結合剤:フェノール樹脂 387重量部
無機質充填剤:SiC 454重量部
ダイヤモンド砥粒、フェノール樹脂結合剤、無機質充填剤のSiCを計量し、均一になるまで混合した。混合物を200×5×196mmの金型に充填し、200℃、1.5時間で硬化した。その後仕上げ加工を行い、サンプル1と同様の、外径200mm、厚み35mm、穴径40mm、砥石層幅2mm、砥石層高さ5mmのカップ型の砥石を作製した。
(3)比較サンプル2
砥粒:ダイヤモンド砥粒#3000(4/6μm) 100重量部
結合剤:フェノール樹脂 303重量部
第一充填剤のフェノール樹脂 85重量部
無機質充填剤:SiC 454重量部
ダイヤモンド砥粒、フェノール樹脂結合剤、第一充填剤のフェノール樹脂、無機質充填剤のSiCを計量し、均一になるまで混合した。混合物を200×5×196mmの金型に充填し、200℃、1.5時間で硬化した。その後仕上げ加工を行い、サンプル1と同様の、外径200mm、厚み35mm、穴径40mm、砥石層幅2mm、砥石層高さ5mmのカップ型の砥石を作製した。
(4)比較サンプル3
砥粒:ダイヤモンド砥粒#3000(4/6μm) 100重量部
結合剤:フェノール樹脂 291重量部
第二充填剤のエポキシ樹脂 91重量部
無機質充填剤:SiC 454重量部
ダイヤモンド砥粒、フェノール樹脂結合剤、第二充填剤のエポキシ樹脂、無機質充填剤のSiCを計量し、均一になるまで混合した。混合物を200×5×196mmの金型に充填し、200℃、1.5時間で硬化した。その後仕上げ加工を行い、サンプル1と同様の、外径200mm、厚み35mm、穴径40mm、砥石層幅2mm、砥石層高さ5mmのカップ型の砥石を作製した。
(5)比較サンプル4
砥粒:ダイヤモンド砥粒#3000(4/6μm) 100重量部
結合剤:フェノール樹脂 206重量部
フェノール樹脂充填剤 85重量部
(熱分解温度520℃、有機質結合剤との熱分解温度差60℃)
第二充填剤のエポキシ樹脂 91重量部
無機質充填剤:SiC 454重量部
ダイヤモンド砥粒、フェノール樹脂結合剤、フェノール樹脂充填剤、第二充填剤のエポキシ樹脂、無機質充填剤のSiCを計量し、均一になるまで混合した。混合物を200×5×196mmの金型に充填し、200℃、1.5時間で硬化した。その後仕上げ加工を行い、サンプル1と同様の、外径200mm、厚み35mm、穴径40mm、砥石層幅2mm、砥石層高さ5mmのカップ型の砥石を作製した。
(6)比較サンプル5
砥粒:ダイヤモンド砥粒#3000(4/6μm) 100重量部
結合剤:フェノール樹脂 206重量部
第一充填剤のフェノール樹脂 85重量部
エポキシ樹脂充填剤 91重量部
(熱分解温度440℃、第一充填剤との熱分解温度差10℃)
無機質充填剤:SiC 454重量部
ダイヤモンド砥粒、フェノール樹脂結合剤、第一充填剤のフェノール樹脂、エポキシ樹脂充填剤、無機質充填剤のSiCを計量し、均一になるまで混合した。混合物を200×5×196mmの金型に充填し、200℃、1.5時間で硬化した。その後仕上げ加工を行い、サンプル1と同様の、外径200mm、厚み35mm、穴径40mm、砥石層幅2mm、砥石層高さ5mmのカップ型の砥石を作製した。
図2に、本発明のレジノイド砥石を使用したシリコンウエハーの研削を模式的に示す。この図において、11は砥石、12はシリコンウエハー、13はシリコーンウエハーを載置する加工テーブルである。加工テーブル13上のシリコンウエハー12を回転させながら、回転する砥石11によりシリコンウエハー12を研削した。
(研削条件)
砥石寸法 φ200×t35×h40mm カップ型砥石
被削材 材質:シリコンウエハー
寸法:200mm(直径)×0.9mm(厚み)
研削液 名称:蒸留水
流量:12リットル/min
研削盤 種類:東芝機械社製縦軸平面研削盤
型式:UVG−380B
ドレッシング条件 ドレッサ:WA#3000、WA#4000
砥石周速度:4830min-1
ドレス切り込み:20μm/min×10パス
スパークアウト:30sec
研削条件 研削方式:湿式インフィード研削
砥石周速度:4830min-1
テーブル回転周速度:26min-1
砥石切込み:20μm/min
取り代:30μm
スパークアウト:10sec
評価する項目:研削動力(kW)、被削材削量(μm)
研削動力(kW)
砥石軸モーターの消費電力をWとし、612×W/周速(60/100)として求めた。なお、周速として前記砥石周速度を使用した。
被削材削量(μm)
研削盤の研削寸法自動測定機能を使用して求めた。
研削テスト結果を表1、表2に示す。
Figure 0004986590
Figure 0004986590
サンプル1(本発明例)は、シリコンウエハー20枚を研削した結果、研削抵抗は6.2〜10.2の間で推移し、削量も14〜24μmの間で推移し安定した研削が実施できた。サンプル1では熱分解温度が異なる2つの充填剤を添加している。サンプル1では充填剤の熱分解によるチップポケットの形成が段階的に起こる。つまり熱分解温度が一番低い第二充填剤のエポキシ樹脂が最初に分解しチップポケットを形成し、その後第一充填剤のフェノール樹脂が熱分解によりチップポケットを形成する。このように2段階で起こるチップポケットの形成により、単一物の充填剤を用いた場合に起こる、ある温度で一斉に熱分解しチップポケットを形成することにより樹脂結合剤層に空隙が一挙に発生することによる砥石層の大脱落を防止する効果がある。本発明では充填剤の熱分解が段階的に除々に発生するので、研磨作業中に被削材との馴染み作用(セルフドレッシング効果)が起こり、そのため急激な砥石消耗、目詰まりが発生せず研削を重ねても切れ味が低下しなかったと考えられる。
比較サンプル1は本発明の特徴である有機質充填剤添加のない仕様であったが、シリコンウエハー研削5枚目で研削抵抗が異常上昇し、その後は研削不能となった。これは本発明のように研削中チップポケットが形成されず、セルフドレッシングが出来ないため、研削面が平坦化し砥石目詰まりが発生して研削抵抗が異常上昇したためと考えられる。
比較サンプル2は第二充填剤として作用するがエポキシ樹脂が添加されていない仕様であり、シリコンウエハー16枚目で研削抵抗が異常上昇した。充填剤として働くフェノール樹脂が添加されているのである程度セルフドレッシング効果が発揮されているが、第二の充填剤が入っていなので段階的なチップポケットの形成がなされないため、急激なチップポケット形成の後、砥粒の脱落が発生して切れ刃が減少し、それにより砥石切れ味が低下し研削抵抗の異常上昇が起こったものと考えられる。
比較サンプル3は充填剤として作用するエポキシ樹脂のみの添加であり、研削抵抗の異常上昇は見られず20枚の研削はできた。しかしシリコンウエハーの削量は本発明例であるサンプル1の2/3〜1/2であった。これはエポキシ樹脂の充填剤は低い温度で熱分解が起き早くチップポケットを形成するので、サンプル1と比べて砥粒の脱落を含む研磨面の後退が早く、かつ切れ刃となる砥粒は常に不足している状態であるので、削量が減少したものと考えられる。
比較サンプル4は第一の充填剤として作用するフェノール樹脂の熱分解温度が高く、有機質結合剤と比較して60℃しか差がない。第二の充填剤として作用するエポキシ樹脂は添加されている。この場合、第二の充填剤の効果として比較的早い温度で熱分解してチップポケットを形成しある程度のセルフドレッシング効果は見られるが、第一の充填剤として作用するフェノール樹脂の熱分解温度が高いため段階的なチップポケットが形成されず、ある時点で研削面が平坦化し、その結果研削抵抗が異常上昇したものと考えられる。
比較サンプル5は第二の充填剤として作用するエポキシ樹脂の熱分解温度が高く、第一の充填剤の熱分解温度と10℃しか差がない。これは比較サンプル2と同様に第一の充填剤として働くフェノール樹脂が添加されているので、ある程度セルフドレッシング効果が発揮されているが、第二の充填剤との熱分解温度に差がないので段階的なチップポケットが形成されないため、急激なチップポケットが形成した後、砥粒の脱落が発生して切れ刃が減少し、それにより砥石切れ味が低下し研削抵抗の異常上昇が起こったものと考えられる。
フェノール樹脂結合剤の熱分解温度のグラフである。 フェノール樹脂充填剤の熱分解温度のグラフである。 エポキシ樹脂充填剤の熱分解温度のグラフである。 実施例2の研削テストで使用したカップ型砥石を説明する図である。 実施例2で行ったシリコンウエハーの研削を説明する図である。
符号の説明
1 砥石部
2 金属台金(砥石支持部)
3 砥石部研磨面
11 砥石
12 シリコンウエハー
13 加工テーブル

Claims (4)

  1. 砥粒と有機質結合剤を使用したレジノイド砥石において、前記有機質結合剤より熱分解温度が低く、かつ熱分解温度が異なる2以上の充填剤を含むことを特徴とするレジノイド砥石。
  2. n種以上の充填剤F1、F2、……、Fn(nは2以上の整数)を含み、第一の充填剤F1は有機質結合剤より熱分解温度が100℃以上低く、第二以降の充填剤F2、……、FnはそれぞれF1、……、Fn-1の充填剤より熱分解温度が30℃以上低いことを特徴とする請求項1記載のレジノイド砥石。
  3. 前記レジノイド砥石の有機質結合剤はフェノール樹脂であることを特徴とする請求項1又は2記載のレジノイド砥石。
  4. 2種の充填剤を含み、第一の充填剤はフェノール樹脂、第二の充填剤はエポキシ樹脂であることを特徴とする請求項2又は3記載のレジノイド砥石。
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