JP2001038276A - 間欠供給用バルブおよび間欠塗布装置 - Google Patents

間欠供給用バルブおよび間欠塗布装置

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 液体の供給開始時における供給量の斑が殆ど
発生しない間欠塗工用バルブおよび塗布厚さ斑が殆ど発
生しない間欠塗工装置を提供することである。 【解決手段】 弁部材１５ａと円板１５ｂからなる弁体
１５を有するピストン１４と、前記弁体１５により液通
路が閉止される弁座１２と、前記ピストン１４を移動さ
せるシリンダー１３とを備え、塗布液を供給または停止
させる２方弁において、前記弁体１５をピストン１４に
軸心長手方向に移動可能に装着せしめた構成にしてあ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は塗布対象物に合成樹
脂液、塗料等の液体を所定の間隔をもって間欠的に塗布
する場合に使用される間欠供給用バルブおよび間欠塗布
装置に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】一般に、リチウム−イオン電池製造工程
において長尺のアルミ箔、銅箔等の基材に電極材料であ
る黒鉛、コークス、炭素繊維等を所定の間隔をもって間
欠的に塗布する場合、あるいは長尺の合成樹脂フイル
ム、紙等の表面に合成樹脂液あるいは塗料等の液体を塗
布する場合には、例えば特開平１０−７６２０９号公報
に記載されているような液体貯留槽と送液用ポンプと液
体引き戻し機構を有する間欠供給用バルブと液体吐出用
のスリットダイとが該順序で送液用配管によって連結さ
れた構成の間欠塗布装置が使用されている。
【０００３】該間欠供給用バルブは図９に示されるよう
な弁座５１を挟んで液体の入側貯留室５０-1と出側貯留
室５０-2を有するバルブ本体５０と、該バルブ本体５０
に連設され、ピストン５３を挟んで圧空室５２-1と圧空
室５２-2を有するシリンダー５２と、ピストン５３の軸
部５３-1に一体的に取り付けられた弁体５４とを備えた
構成になっており、弁体５４が弁座５１に向って移動し
て液体の供給を停止する際に液体の出側貯留室５０-2側
に負圧が発生するようになっている。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】上述のような供給用バ
ルブでは液体の供給を停止させる際に負圧が発生するよ
うになっているため、スリットダイから液体が垂れるの
防止するができる。ところが液体の供給を開始する場合
には弁体の移動によって加圧状態なるためスリットダイ
に対する供給量が一瞬多くなり、最初の部分のみが極端
に厚くなって塗布厚さに斑が生じると言う問題がある。
【０００５】また、上述のような問題を解決するために
シリンダー部に対する圧空の供給量を調節してピストン
の移動速度を制御する場合には、液体の入口側と出口側
の圧力調整に遅れを生じて塗布厚さに斑が生じると言う
問題がある。
【０００６】本発明は液体の供給開始時における供給量
の斑が殆ど発生しない間欠供給用バルブおよび塗布厚さ
斑が殆ど発生しない間欠塗布装置を提供することを目的
とするものである。
【０００７】
【課題を解決するための手段】本発明の間欠供給用バル
ブは請求項１に記載のように塗液の供給を止める際は下
流側に負圧を発生させ、塗液の供給を開始する際は正圧
の発生を一時的に抑制せしめるようにしたことを特徴と
するものである。
【０００８】また、本発明の間欠供給用バルブは請求項
２に記載のような弁体を有するピストンと、前記弁体に
より塗液通路が閉止される弁座と、前記ピストンを移動
させる移動手段とを備え、塗液を供給または停止させる
２方弁において、前記弁体をピストンに軸心長手方向に
移動可能に装着せしめた構成、請求項３に記載のような
弁体を取り付けるためのピストンの軸部を、該軸部が弁
座を挟んで形成された液体の入口側室内と出口側室内と
に存在し、該ピストント共に軸部が軸心長手方向に移動
しても各室内における液量が変化しないように形成せし
めた構成、請求項４に記載のような弁体を、弁座に当接
する弁部材と円板とにより形成せしめた構成にすること
ができる。
【０００９】本発明の間欠塗布装置は請求項５に記載の
ように液体貯留槽と送液用ポンプと液体吐出用のダイと
が前記順序で送液用配管によって連結された装置におい
て、前記送液用ポンプとダイとの間に請求項１から請求
項４の内の一つの請求項に記載の間欠供給用バルブを設
けたことを特徴とするものである。
【００１０】
【発明の実施の形態】図１は本発明の間欠供給用バルブ
が設けられた間欠塗布装置の構成の第１の実施例を示す
概略図であって、間欠塗工装置は液体貯留槽１と送液用
ポンプ２と液体引き戻し機構を有する間欠供給用バルブ
３と液体吐出用のスリットダイ４とが該順序で送液用配
管５、６、７によって連結されていると共に、液体貯留
槽１と送液用配管６とが仕切弁９を有する戻り用管８に
よって連結された構成になっている。
【００１１】該間欠供給用バルブ３は図２に示されるよ
うに弁座１２を挟んで液体の入側貯留室１１-1と出側貯
留室１１-2を有するバルブ本体１１と、該バルブ本体１
１に連設され、ピストン１４を挟んで圧空室１３-1と圧
空室１３-2を有するシリンダー１３と、ピストン１４の
軸部１４-1に軸心長手方向に移動可能に取り付けられた
弁体１５とを備えた構成になっている。該弁体１５は弁
座１２に当接する弁部材１５ａと肉厚が薄く大径の円板
１５ｂとにより形成され、ピストン１４の軸部１４-1の
先端部に螺着されたナット１６によって移動量が規制さ
れるようになっている。
【００１２】円板１５ｂの板厚寸法、外径寸法は塗布液
体の粘度、必要とする負圧力等によって適宜設定する。
また、該弁部材１５ａと円板１５ｂとは分離した状態で
それぞれ移動できる構成あるいは一体物として移動する
構成にすることができ、該円板１５ｂを設けた構成にす
ることによって、従来の弁体と比較して大きい負圧力を
得ることができる。
【００１３】上述のバルブ本体１１の入側貯留室１１-1
には送液用配管６が連結され、出側貯留室１１-2には送
液用配管７が連結されている。
【００１４】また、圧空室１３-1、１３-2には電磁切替
弁、圧力調節器等を有する圧空供給用管（図示せず）が
連結され、圧空の供給位置を切り替えることによってピ
ストン１４が往復動されるようになっている。
【００１５】上述のバルブ本体１１とシリンダー１３の
軸部１４-1の支持部には漏れ防止用のシール部材１７が
バルブ本体１１またはシリンダー１３のどちらかに取り
付けられている。該シール部材１７を軸部１４-1の支持
部材にすることは可能である。
【００１６】該間欠供給用バルブ３における液体の供
給、停止動作は図４〜図７に示されるように液体の供給
が停止された状態（図４）で、圧空が圧空室１３-1に供
給されてピストン１４が（Ａ）方向に移動すると弁体１
５は弁座１２に当接したままで軸部１４-1が移動した状
態になり（図５）、次いで送液用ポンプ２によって送ら
れた液体（液体圧力）によって押圧されて弁体１５が弁
座１２から離反し、入側貯留室１１-1内にある液体が該
弁座１２と弁体１５の間を通って出側貯留室１１-2に移
動してスリットダイに供給され（図６）、圧空が圧空室
１３-2に供給されてピストン１４が（Ｂ）方向に移動す
ると（図７）、該ピストン１４と一体的に弁体１５が弁
座１２に向って移動して図４の状態に戻って液体の供給
が停止される。
【００１７】上述の弁体１５の（Ａ）方向へ移動した
（開口）時には出側貯留室１１-2（下流側）に正圧が発
生せず、弁体１５の（Ｂ）方向へ移動した（閉止）時に
は出側貯留室１１-2内の液体が引き戻されて出側貯留室
１１-2に負圧が発生するようになっている。
【００１８】上述の間欠塗布装置によってリチウムーイ
オン蓄電池用の基材に対して下記のような条件で液体の
塗布を行った。
【００１９】 塗布液供給圧力：１．２ｋｇ／ｃｍ2Ｇ 塗布液粘度：１００００ ｃｐｓ 塗布速度：５ｍ／ｍｉｎ 塗布厚さ：１２０μｍ（ＤＲＹベース） 塗布幅：５８０ｍｍ 塗布長：３００ｍｍ／未塗布長：５０〜１００ｍｍ 上述の条件で間欠塗布を行った場合のスリットダイ４内
の圧力を測定して記録したところ図８に示されるような
圧力波形であった。該圧力波形は塗布開始直後において
特に変化しておらず、塗布開始時の厚さ変化が±３μｍ
程度で、所定の厚さに達するまでの長さは３〜５ｍｍ程
度であり、間欠塗工用バルブ３の弁体が円滑に動作して
いることが判る。
【００２０】従来の間欠供給用バルブを使用して上述と
同一条件で間欠塗布を行った場合のスリットダイ４内の
圧力を測定して記録したところ図１０に示されるような
圧力波形であり、圧力波形が塗布開始直後に大きく変化
して極部的に厚い部分が生じ、巻取工程、プレス工程等
の後工程において破断が発生する等の致命的な欠点とな
る。
【００２１】そこで、塗布開始時の弁体５４の移動速度
を遅くして極部的に厚い部分が生じないようにすると、
図１１に示されるように厚さが安定するまでに相当長い
時間が掛かる。この時の塗布開始時の厚さ変化は−１０
〜２０μｍ程度で、所定の厚さに達するまでに２０〜５
０ｍｍを要した。
【００２２】上述の測定結果から本発明の間欠供給用バ
ルブ３を使用すると液体の供給開始時に供給量が一時的
に多くなるのを防止して常時均一な量の液体を供給する
ことができる。また、本発明の間欠供給用バルブ３を使
用した間欠塗布装置によれば、均一厚さの塗布物を得る
ことができる。
【００２３】上述の間欠供給用バルブ３に代えて図３に
示されるようなピストン１９の軸部１９-1が、該軸部１
９-1が弁座１２を挟んで形成された液体の入口側室内１
８-1と出口側室内１８-2とに存在し、その先端部がバル
ブ本体１８のシール部材２０または軸受によって移動可
能に支持されて該ピストント１９と共に軸部１９-1が軸
心長手方向に移動しても各室内１８-1、１８-2における
液量が変化しない構成にすることができる。
【００２４】この様な軸部１９-1が出口側室内１８-2に
存在する構成にすると、軸部１９-1が移動しても出口側
室１８-2内における液体量が変化しないため（軸径に差
がない場合は液体量に変化を生じないが、軸径に違いが
ある場合には該軸径差による体積差が生じる。）、図２
に示される間欠供給用バルブ３より液体の供給開始時に
おける供給量変化をより少なくすることができる。
【００２５】本発明の間欠供給用バルブは特開昭６３−
９１１６４号公報あるいは特開平１０−７６２０９号公
報等に記載されているような液体塗布装置、あるいはそ
れ以外の塗布用部材を有する間欠塗布装置に使用できる
ことは言うまでもない。
【００２６】
【発明の効果】本発明の間欠供給用バルブは請求項１に
記載のように塗液の供給を止める際は下流側に負圧を発
生させ、塗液の供給を開始する際は正圧の発生を一時的
に抑制せしめるようにしているため、液体の供給開始時
に供給量が一時的に多くなるのを防止することができ、
常時均一な量の液体を供給することができる。
【００２７】また、本発明の間欠供給用バルブは請求項
２に記載のような弁体を有するピストンと、前記弁体に
より塗液通路が閉止される弁座と、前記ピストンを移動
させる移動手段とを備え、塗液を供給または停止させる
２方弁において、前記弁体をピストンに軸心長手方向に
移動可能に装着せしめた構成にすると、液体の供給開始
時に供給量が一時的に多くなるのを確実に防止すること
ができ、請求項３に記載のような弁体を取り付けるため
のピストンの軸部を、該軸部が弁座を挟んで形成された
液体の入口側室内と出口側室内とに存在し、該ピストン
ト共に軸部が軸心長手方向に移動しても各室内における
液量が変化しないように形成せしめた構成にすると、液
体の供給開始時に供給量が一時的に多くなるのをより確
実に防止することができ、請求項４に記載のような弁体
を、弁座に当接する弁部材と円板とにより形成せしめた
構成にすると、塗布液体に対応した負圧力を容易にかつ
確実に得ることができ、液だれを確実に防止することが
できる。
【００２８】本発明の間欠塗布装置は請求項５に記載の
ように液体貯留槽と送液用ポンプと液体吐出用のダイと
が前記順序で送液用配管によって連結された装置におい
て、前記送液用ポンプとダイとの間に請求項１から請求
項４の内の一つの請求項に記載の間欠供給用バルブを設
けた構成にすると、液体の供給開始時に供給量が一時的
に多くなるのを防止することができ、均一厚さの塗布物
を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の間欠塗布装置の構成の１実施例を示す
概略図である。
【図２】本発明の間欠供給用バルブの構成の第１の実施
例を示す概略断面図である。
【図３】本発明の間欠供給用バルブの構成の第２の実施
例を示す概略断面図である。
【図４】、
【図５】、
【図６】、
【図７】図２の間欠供給用バルブの液体供給、停止動作
を示す概略図である。
【図８】本発明の間欠供給用バルブによって液体の供
給、停止を行った場合のスリットダイ内の圧力の状態を
示す概略図である。
【図９】従来の間欠供給用バルブの構成の１実施例を示
す概略断面図である。
【図１０】従来の間欠供給用バルブによって液体の供
給、停止を図８の場合と同一条件で行った場合のスリッ
トダイ内の圧力の状態を示す概略図である。
【図１１】従来の間欠供給用バルブによって図１０より
も塗布開始時の弁体の移動速度を遅くして運転した場合
のスリットダイ内の圧力の状態を示す概略図である。
【符号の説明】
１ 液体貯留槽 ２ 送液用ポンプ ３ 間欠供給用バルブ ４ スリットダイ ５、６、７ 送液用配管 ８ 戻り用管 ９ 仕切弁 １１、１８ バルブ本体 １２ 弁座 １３ シリンダー １４、１９ ピストン １５ 弁体 １６ ナット １７、２０ シール部材 １１-1、１８-1 入側貯留室 １１-2、１８-2 出側貯留室 １３-1、１３-2 圧空室 １４-1、１９-1 軸部 １５ａ 弁部材 １５ｂ 円板

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】 塗液を供給または停止させる２方弁にお
    いて、塗液の供給を止める際は下流側に負圧を発生さ
    せ、塗液の供給を開始する際は正圧の発生を一時的に抑
    制せしめるようにしたことを特徴とする間欠供給用バル
    ブ。
  2. 【請求項２】 弁体を有するピストンと、前記弁体によ
    り液通路が閉止される弁座と、前記ピストンを移動させ
    る移動手段とを備え、塗液を供給または停止させる２方
    弁において、前記弁体をピストンに軸心長手方向に移動
    可能に装着せしめたことを特徴とする請求項１に記載の
    間欠供給用バルブ。
  3. 【請求項３】 弁体を取り付けるためのピストンの軸部
    を、該軸部が弁座を挟んで形成された液体の入口側室内
    と出口側室内とに存在し、該ピストント共に軸部が軸心
    長手方向に移動しても各室内における液量が変化しない
    ように形成せしめたことを特徴とする請求項２に記載の
    間欠供給用バルブ。
  4. 【請求項４】 弁体を、弁座に当接する弁部材と円板と
    により形成せしめたことを特徴とする請求項２または請
    求項３に記載の間欠供給用バルブ。
  5. 【請求項５】 液体貯留槽と送液用ポンプと液体吐出用
    のダイとが前記順序で送液用配管によって連結された装
    置において、前記送液用ポンプとダイとの間に請求項１
    から請求項４の内の一つの請求項に記載の間欠供給用バ
    ルブを設けたことを特徴とする間欠塗布装置。
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