JP2001035454A - 積層体及びそれを用いたポリマー電池用包装材料 - Google Patents

積層体及びそれを用いたポリマー電池用包装材料

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JP2001035454A JP11202888A JP20288899A JP2001035454A JP 2001035454 A JP2001035454 A JP 2001035454A JP 11202888 A JP11202888 A JP 11202888A JP 20288899 A JP20288899 A JP 20288899A JP 2001035454 A JP2001035454 A JP 2001035454A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】ポリマー電池を収納するケースに用いるシート
として、水蒸気その他のガスバリア性に優れ、また、耐
ストレスクラック性、耐突き刺し性等をはじめ機械的強
度があり、また高温においても使用可能であり電解液に
対しても安定した積層体の構成を提供する。 【解決手段】最外層/バリア層/最内層、または、最外
層/バリア層/中間層/最内層からなる積層体におい
て、最内層が、最内層同士が熱接着可能な樹脂層を含む
少なくとも共押出法によって形成された2層以上の層で
ある積層体からなるポリマー電池用包装材料であって、
前記最内層が金属に対して熱接着性可能な樹脂が酸変性
ポリオレフィン、酸変性ポリエチレン、エチレン・アク
リル酸共重合体、エチレン・メタクリル酸共重合体、ア
イオノマーのいずれかであり、前記金属に対して熱接着
性を有しないが、最内層同士は熱接着可能な樹脂がポリ
オレフィンである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、防湿性、耐内容物
性を有する積層体およびそれを用いた、固体有機電解質
(高分子ポリマー電解質)を持つポリマー電池用包装材
料に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリマー電池とは、リチウム2次電池と
もいわれ、高分子ポリマー電解質を持ち、リチウムイオ
ンの移動で電流を発生する電池であって、正極・負極活
物質が高分子ポリマーからなるものを含むものである。
リチウム2次電池の構成は、正極集電材(アルミ、ニッ
ケル)/正極活性物質層(金属酸化物、カーボンブラッ
ク、金属硫化物、電解液、ポリアクリロニトリル等の高
分子正極材料からなる)/電解質層/(プロピレンカー
ボネート、エチレンカーボネート、炭酸ジメチル、エチ
レンメチルカーボネート等のカーボネート系電解液、リ
チウム塩からなる無機固体電解質、ゲル電解質等からな
る/負極活性物質層(リチウム金属、合金、カーボン、
電解液、ポリアクリロニトリル等の高分子負極材料/負
極集電材(銅、ニッケル、ステンレス)及び、それらを
包装する外装体からなる。ポリマー電池の用途として
は、パソコン、携帯端末装置(携帯電話、PDA等)、
ビデオカメラ、電気自動車、エネルギー貯蔵用蓄電池、
ロボット、衛星等に用いられる。そして、該ポリマー電
池の構造は、アルミニウム、ニッケル等からなる正極集
電材、金属酸化物、カーボンブラック、金属硫化物、電
解液、ポリアクリルニトリル等の高分子正極材料からな
る正極活性物質層、プロピレンカーボネート、エチレン
カーボネート、炭酸ジメチル、炭酸エチル、エチレンメ
チルカーボネート等のカーボネート系電解液、リチウム
塩からなる無機固体電解質、ゲル電解質等からなる電解
質層、リチウム金属、合金、カーボン、電解液、ポリア
クリルニトリル等の負極活性物質層、銅、ニッケル、ス
テンレス等の負極集電材から構成するポリマー電池本体
とそれを包装する外装体からなる。前記ポリマー電池の
外装体としては、金属をプレス加工し円筒状または直方
体状等に容器化した金属製缶、あるいは、最外層/アル
ミニウム/シーラント層から構成される多層フィルムを
袋状にしたものが用いられていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかるに、ポリマー電
池の外装体として次のような問題があった。金属製缶に
おいては、容器外壁がリジッドであるため、電池自体の
形状が決められてしまう。その為、ハード側を電池に合
わせ設計するため、該電池を用いるハードの寸法が電池
により決定されてしまい形状の自由度が少なくなる。ま
た、多層フィルムからなる袋状の外装体は、前記金属缶
のように、電池自体により、電池を用いるハードの形状
の自由度の制限は無くなるが、ポリマー電池の外装体と
して要求される物性・機能を、十分に満足しうる包装材
料はいまだ開発されていないのが現状である。前記要求
される物性・機能とはつぎのようなものである。例え
ば、ポリマー電池の外装体としては、前記ポリマー電池
本体の基体部とハードと電池本体とをつなぐ電極の一部
を外気と遮断した密封系に保持する必要があり、そのた
めに、前記多層フィルムの最内層は、前記電極と接着
性、特にヒートシール性を有することが必要である。電
極は金属により構成されているため、前記最内層は金属
とのヒートシール性が求められている。また、ポリマー
電池は、充電/放電による内容物である電池の温度上昇
によるヒートシールの安定性と密封系の確保や、使用さ
れる環境温度が、例えば夏季における車のダッシュボー
ドや、冬季における寒冷地での使用などに耐えるために
用いられるハードとともに、耐熱性、耐寒性が求めら
れ、前記の厳しい環境下においても、外装体としてヒー
トシールの安定性と密封系の確保が要求される。そこ
で、ポリマー電池の外装体を形成する積層体の最内層と
して、金属接着性があり、かつ、耐熱性のある熱接着性
樹脂を用いると、前記金属との接着性、耐熱性等は改善
されるが、最内層樹脂として、剛性のあるものとなり、
折り曲げ等によるストレスクラックが発生することがあ
った。また、ポリマー電池の場合、その電池内容物とし
て、カーボネート系溶剤とリチウム塩からなる電解質が
外装体に悪影響を及ぼし多層フィルム層間の接着強度を
低下させることがあった。すなわち、溶剤(カーボネー
ト系)を含むため、溶剤が多層フィルム層間の接着層を
膨潤化させ接着強度を低下させる。さらに、電解質の加
水分解により酸と熱が発生し、金属から構成されるバリ
ア層を腐食させ層間の接着強度を低下させ、また、発生
する熱のために電池が発火することもある。また温度上
昇により電池の起電力の低下が起こり、接続されている
機器が停止、故障することもある。これらの問題の要因
となる前記電解質の加水分解は、いずれも、電池の密封
系内に外部からの水分が浸入することによる。従って、
外装体としては、外部からの水蒸気を遮断する(バリア
性)が求められる。また、ポリマー電池に限らず、電池
の外装体としては、該外装体の回りにある機器(ハー
ド)と通電しないこと、また、電極同士が接触通電しシ
ョートすることがない構造が求められる。ポリマー電池
の外装体として、前記金属缶、袋のほかに、成形トレイ
と蓋材とにより密封する形状も考えられる。この場合に
も、ヒートシール性を有する最内層樹脂の選択と、前記
トレイを成形する際の、成形性のよい積層体が求められ
ていた。本発明は、ポリマー電池を収納するケースに用
いるシートとして、水蒸気その他のガスバリア性に優
れ、また、耐ストレスクラック性、耐突き刺し性等をは
じめ機械的強度があり、また高温においても使用可能で
あり電解液に対しても安定した積層体の構成を提供する
ものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、最外層/バリ
ア層/最内層、または、最外層/バリア層/中間層/最
内層からなる積層体タイプのポリマー電池用包装材料で
あって、最内層が、金属に対して熱接着可能な樹脂層を
含む少なくとも共押出法によって形成された2層以上の
共押出し樹脂層からなる積層体、または、最外層/バリ
ア層/最内層、または、最外層/バリア層/中間層/最
内層からなる積層体、または、最内層が、金属に対して
熱接着性を持たないが最内層同士は熱接着しうる樹脂層
を含む少なくとも共押出法によって形成された2層以上
の共押出し樹脂層からなる積層体であって、前記金属に
対して熱接着性可能な樹脂が酸変性ポリオレフィン、酸
変性ポリエチレン、エチレン・アクリル酸共重合体、金
属イオン架橋ポリエチレン、エチレンまたはプロピレン
とアクリル酸誘導体、またはメタクリル酸誘導体との共
重合物およびこれらの変性物の少なくとも一つを含むこ
と前記バリア層が厚さ15μm以上のアルミニウムからな
ること、前記中間層が、厚さ10μm以上のポリエステル
系、ポリオレフィン系、フッ素樹脂系、エチレン・酢酸
ビニル共重合体ケン化物系の樹脂、または、これらの変
性物および混合物から形成される樹脂の少なくとも1 層
含むものであること、バリア層の最内層面側の表面に、
エポキシ系、フェノール系、メラミン系、アルキッド
系、ポリイミド系、不飽和ポリエステル系、ポリウレタ
ン系、不飽和カルボン酸グラフトポリマー系、ポリエチ
レンテレフタレート共重合体、ポリブチレンテレフタレ
ート共重合体系などのなどの共重合体ポリエステル系、
金属イオン架橋ポリエチレン、エチレン・酢酸ビニル共
重合体系、エチレンとアクリル酸およびメタクリル酸と
の共重合体系、ポリエーテルウレタン系等の樹脂、およ
びこれらの変性物の少なくとも一つを30%以上含む樹脂
層からなる保護層が形成されていることを含むものであ
り、また、前記積層体を用いたポリマー電池用包装材料
である。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明にかかる積層体およびそれ
を用いたポリマー電池用包装材料について図面等を用い
て詳細に説明する。図1は、本発明のポリマー電池用包
装材料の実施例を示す、(a)基本的層構成、(b)ポ
リマー電池の構造を説明する斜視図、(c)X1 −X1
部の断面図、(d)X2 −X2 部の断面図である。図2
は、本発明のポリマー電池用包装材料の別の実施例を示
す、(a)基本的層構成、(b)ポリマー電池の構造を
説明する斜視図、(c)エンボスタイプの外装体のポリ
マー電池の斜視図、(d)X 3 −X3 部の断面図であ
る。図3は、本発明の積層体の別の実施例を示す断面図
である。図4は、本発明における外装体とタブとの接着
の別の実施例を示する説明図で、(a)ポリマー電池の
斜視図、(b)熱接着性タブ材を接着したポリマー電池
本体の斜視図、(c)熱接着性タブ材を接着した別のポ
リマー電池本体の斜視図、(d)および(e)はそれぞ
れの熱接着性タブ材を用いた場合のX4 −X4 部断面図
である。図5は、本発明の積層体を用いるポリマー電池
のパウチタイプの外装体の形状を示す平面図とそれぞれ
のタイプの断面図である。図6は、本発明の積層体を用
いるポリマー電池のエンボスタイプの外装体の形状を示
す(a)片面エンボスタイプの底材の斜視図、(a′)
9 −X9 部断面図、(b)両面エンボスタイプの斜視
図、(b′)X10−X10部断面図、(c)エンボスタイ
ブにおけるタブの位置を示す別の例の概念図、(d)タ
ブをさらに別の位置に設けた例の概念図である。
【0006】本発明の課題について、本発明者らは鋭意
研究の結果、多層構造からなる包装材料であって、次に
説明する各材質からなる積層体とし、かつ、最内層を金
属に対して熱接着可能な樹脂層を含む少なくとも2層以
上の層とすることによって本発明の課題を解決できるこ
とを見いだし、本発明を完成するに到った。本発明によ
る積層体を用いて形成されるかかるポリマー電池は、詳
細は後述するが、図1(b)に示すようなパウチタイプ
と図2(b)に示すようなエンボスタイプとがある。図
1(b)および図1(c)に示すように、ポリマー電池
本体2を、ピロータイプの形状の外装体4の中に封入
し、電極の一部を外装体の外に露出させた構造である。
前記、パウチタイプとエンボスタイプとに関する外装体
の形態については後に詳細に説明する。そして、前記外
装体を形成するポリマー電池用包装材料(または積層
体)は、基本的には、最外層/バリア層/最内層の3層
からなり、バリア層と最内層とのとの間に中間層を設け
てもよい。図1(a)は前記4層タイブの積層体を示し
ている。本発明の積層体を用いるポリマー電池は、図1
(d)に示すように、電極3の一部を含むヒートシール
部を形成するものである。
【0007】本発明における前記最外層11は、延伸ポ
リエステル又はナイロンからなるが、この時、ポリエス
テル樹脂としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリ
ブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、
ポリブチレンナフタレート、共重合ポリエステル、ポリ
カーボネート等が挙げられる。またナイロンとしてはポ
リアミド系樹脂、すなわち、ナイロン6、ナイロン6,
6、ナイロン6,6とナイロン6との共重合体、ナイロ
ン6,10、ポリメタキシリレンアジパミト(MXD
6)等が挙げられる。
【0008】前記最外層11は、ポリマー電池として用
いられる場合、ハードと直接接触する部位であるため、
基本的に絶縁性を有する樹脂層がよい。フィルム単体で
のピンホールの存在、および加工時のピンホールの発生
等を考慮すると、最外層は 6μm以上の厚さが必要であ
り、好ましい厚さとしては12〜25μmである。
【0009】本発明においては、最外層11は耐ピンホ
ール性および電池の外装体とした時のハードとの絶縁性
を向上させるために、積層化することも可能である。そ
の場合、最外層11が2層以上の樹脂層を少なくとも一
つ含み、各層の厚みが 6μm以上、好ましくは12から25
μmである。最外層11を積層化する例としては、図示
はしないがつぎの1)〜6)が挙げられる。 1)延伸ポリエチレンテレフタレート/ 延伸ナイロン 2)延伸ナイロン/ 延伸ポリエチレンテレフタレート また、包装材料の機械適性(包装機械、加工機械の中で
の搬送の安定性)、表面保護性(耐熱性、耐電解質
性)、2次加工としてポリマー電池用の外装体をエンボ
スタイプとする際に、エンボス時の金型と最外層との摩
擦抵抗を小さくする目的で、最外層を多層化、最外層表
面にフッ素系樹脂層、アクリル系樹脂層、シリコーン系
樹脂層等を設けることが好ましい。例えば、 3)フッ素系樹脂/延伸ポリエチレンテレフタレート(フ
ッ素系樹脂は、フィルム状物、または液状コーティング
後乾燥で形成) 4)シリコーン系樹脂/延伸ポリエチレンテレフタレート
とする。シリコーン系樹脂は、フィルム状物、または液
状コーティング後乾燥で形成する。 5)フッ素系樹脂/延伸ポリエチレンテレフタレート/延
伸ナイロン 6)シリコーン系樹脂/延伸ポリエチレンテレフタレート
/延伸ナイロン 7)アクリル系樹脂/延伸ナイロン(アクリル樹脂はフィ
ルム状物、または液状コーティング後乾燥で硬化)
【0010】上記最外層11はドライラミネーション、
押出しラミネーション等でバリア層12と接着される。
【0011】前記バリア層12は、外部からポリマー電
池1の内部に特に水蒸気が浸入することを防止するため
の層で、バリア層単体のピンホール、及び加工適 性
(パウチ化、エンボス成形性)を安定化し、かつ耐ピン
ホールをもたせるために厚さ15μm以上のアルミニウ
ム、ニッケルなどの金属、又は、無機化合物、例えば酸
化珪素、アルミナ等が挙げられるが、バリア層として好
ましくは20〜80μmのアルミニウムとする。ピンホール
の発生をさらに改善し、ポリマー電池の外装体のタイプ
をエンボスタイプとする際、エンボス部におけるクラッ
ク等の発生のないものとするために、バリア層として用
いるアルミニウムの材質が、鉄含有量が0.3 〜9.0 %、
好ましくは0.7 〜2.0 %とすることが望ましい。前記鉄
含有量が0.3 %未満の場合は、ピンホールの発生の防
止、エンボス成形性の改善等の効果が認められず、ま
た、前記アルミニウムの鉄含有量が9.0 %を超える場合
は、アルミニウムとしての柔軟性が阻害され、積層体と
して製袋性が悪くなる。また、冷間圧延で製造されたア
クリル酸は焼きなまし(いわゆる焼鈍処理)条件でその
柔軟性・腰の強さ・硬さが変化するが、本実施例で用い
られるアルミニウムは焼きなましをしていない、いわゆ
る硬質処理品より、適宜焼きなましを適宜行った、柔軟
性がある硬質処理品が好ましい。また、この軟質性の度
合いは、加工適性に合わせ適宜選定すればよい。
【0012】そして、このアルミニウムはアルミニウム
表面に存在する酸化アルミと電解液が水分と反応して発
生するフッ化水素(化学式:HF)の化学反応で表面腐
食が起こる。よって、アルミニウム表面の酸化物、油分
の除去を目的とした酸・アルカリによる表面洗浄を行う
ことが好ましい。洗浄用の酸類としては、硫酸、塩酸、
硝酸、リン酸、フッ酸、クロム酸のような無機酸やスル
ファミン酸、シュウ酸、酒石酸、クエン酸、ギ酸、乳
酸、グリコール酸、酢酸、グルコン酸、コハク酸、リン
ゴ酸のような有機酸がありこれらを主成分とし適宜添加
剤を加えれば良い。また、アルカリ類としては水酸化ナ
トリウムなどの水酸化物、炭酸ナトリウム、重炭酸ナト
リウムなどの炭酸塩、第2リン酸ナトリウム、第3リン
酸ナトリウムなどのリン酸塩、ピロ・リン酸ナトリウ
ム、トリポリ・リン酸ナトリウム、テトラポリ・リン酸
ナトリウムなどの重合リン酸塩、オルソ・珪酸ナトリウ
ム、メタ・珪酸ナトリウムなとの珪酸塩がある。ナトリ
ウム塩を示したが、これらのカリウム塩、アンモニア塩
も有効である。これらを主成分とし適宜添加剤を加えれ
ばよい。そして、このアルミニウム表面の耐薬品性、耐
有機溶剤性を向上させるため、該アルミニウム最内層面
側表面に、リン酸塩、クロム酸塩、フッ化物系化合物ま
たは、有機ケイ素化合物、有機チタン系化合物、有機ア
ルミ系化合物等からなる表面処理層を設けてもよい。硫
酸、シュウ酸、クロム酸、リン酸を用い、陽極処理後、
封孔処理してもよい。また、これらの表面処理層には、
適宜、酸化珪素(化学式:SiO2)、炭酸カルシウム、亜
鉛、鉛丹、亜鉛化鉛、酸化亜鉛シアナミド鉛、ジンクク
ロメート、クロム酸バリウムカリウム、クロム酸バリウ
ム亜鉛などを添加することも耐薬品性、耐有機溶剤性を
さらに向上させる。また、積層の際の接着強度を向上さ
せるために、アルミニウム表面を化学的または物理的な
手法により粗面化してもよい。
【0013】一方、包装材料としてのアルミニウムは、
バリア性を有する材料として、他の材料と積層されて用
いられることが多いがアルミニウムは金属の中でも比較
的有機溶剤、酸、アルカリなどに腐食されやすい。例え
ば、ポリマー電池の多くは、ポリマー電池本体に活物質
やポリマー電解質の中に、エチレンカーボネート、プロ
ピレンカーボネート、ジエチルカーボネート、ジメチル
カーボネート、アセトンなどの有機溶剤を含む。また、
ポリマー電解質のリチウム塩は水と反応し強酸であるフ
ッ化水素(HF)を発生させる。このような、有機溶剤、酸
等によりアルミニウム表面が腐食されると、最内層或い
は中間層等との接着力が弱まり、デラミネーションを起
こし包装材としての機能がなくなる。そこで、本発明者
は種々の実験等により、図1(b)に示すように、前記
表面処理層TR面に耐溶剤性、耐酸性を持つ樹脂層を形成
することにより、アルミニウム表面の腐食等を防止でき
ることを見い出した。そして、前記樹脂層(以下、保護
層15と記載する)は、意外にも、アルミニウム表面を
保護するばかりでなく、中間層14との接着性を兼ね備
えていることが確認された。本発明において、バリア層
表面または、表面処理層の表面に設ける保護層15に用
いる物質としては、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、メ
ラミン樹脂、オレフィン樹脂等を用いることができる。
【0014】また、これらの保護層には、リン酸塩系皮
膜形成物質(リン酸亜鉛系、リン酸鉄系、リン酸マンガ
ン系、リン酸カルシウム系、リン酸クロム系、クロム酸
シリカ計)やフッ化物系皮膜形成物質(フッ化チタン
系、フッ化亜鉛系)やアルミ箔表面の接着性向上物質
(カップリング剤:シラン系カップリング剤、有機チタ
ン系カップリング剤、有機アルミ系カップリング剤)を
含有させることもできる。また、適宜、酸化珪素(化学
式:SiO2)、炭酸カルシウム、亜鉛、鉛丹、亜鉛化鉛、
酸化亜鉛シアナミド鉛、ジンククロメート、クロム酸バ
リウムカリウム、クロム酸バリウム亜鉛などを添加する
ことも耐薬品性、耐有機溶剤性をさらに向上させる。特
に、酸化珪素、炭酸カルシウム、亜鉛、鉛丹、亜鉛化
鉛、酸化亜鉛シアナミド鉛、ジンククロメート、クロム
酸バリウムカリウム、クロム酸バリウム亜鉛などは電解
液と水分の反応で発生するフッ化水素(化学式:HF)
と化学反応を起こしフッ化水素を吸収、吸着する効果が
あり、各層、特にバリア層(アルミニウム)に対するフ
ッ化水素の腐食を防止する効果がある。
【0015】本発明においては、バリア層12または前
記保護層と最内層14との間に中間層13を設ける事が
できる。前記中間層を設けることによって、前記バリア
層12の保護と、製袋の際のヒートシールの熱と圧力に
よってヒートシール層である最内層14が薄くなり、電
極3とアルミニウム(バリア層12)とが接触(短絡発
生)することを防止できる。また、中間層13は電池の
環境適性( 耐熱性、耐寒性) を安定化するために積層す
るが、厚さ10μm以上、融点は80℃以上であって、好ま
しくは12から25μmのポリエステル系樹脂、ポリオレフ
ィン系樹脂、フッ素系樹脂または、これらの変性物およ
び混合物から形成される少なくとも1 層含むものとす
る。前記ポリエステル樹脂としては、ポリエチレンテレ
フタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレ
ンナフタレート、ポリブチレンナフタレート、ポリカー
ボネートおよびこれらの共重合体または変性物が挙げら
れる。また、前記ポリオレフィン系樹脂としては、ポリ
プロピレン、エチレンプロピレン共重合体、低密度ポリ
エチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、
線状低密度ポリエチレン、シングルサイト系触媒を用い
て重合したエチレンーα・オレフィン共重合体、金属イ
オン含有ポリエチレン、エチレンとメタクリル酸または
アクリル酸誘導体の共重合物、ポリブテン、不飽和カル
ボン酸グラフトポリエチレン、不飽和カルボン酸グラフ
トポリプロピレン、不飽和カルボン酸グラフトポリメチ
ルペンテンおよびこれらの変性物が挙げられる。また、
前記フッ素系樹脂としては、テトラフルオロエチレン、
トリフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、ポリフ
ッ化ビニル、エチレンテトラフルオロエチレン、ポリク
ロロトリフルオロエチレン、エチレンクロロトリフルオ
ロエチレン共重合体、テトラフルオロエチレンーヘキサ
フルオロプロピレン共重合体等が挙げられる。これらの
樹脂は延伸又は未延伸の状態のどちらでも用いることが
できる。
【0016】また、中間層13は単層のみでなく、多層
化することもできる。中間層13を多層化する場合は、
その形成を共押出し法によって積層してもよく、また、
各層をドライラミネーション法を用いて積層してもよ
い。さらに、押出しラミネーション法を用いて積層して
もよい。例えば、中間層13を共押出し法により多層化
する場合は、以下に示すような2層以上の層構成からな
り、各層の厚さが10から100 μm、好ましくは15から25
μmである。
【0017】本発明におけるポリマー電池用包装材料の
最内層14は、オレフィン系樹脂、不飽和カルボン酸グ
ラフトポリオレフィン、金属イオン架橋ポリエチレン、
エチレンまたはプロピレンとアクリル酸誘導体、または
メタクリル酸誘導体との共重合物、およびこれらの変性
物または混合物から形成される。最内層の厚さは、20μ
m以上、また最内層を形成する樹脂の融点が70℃以上、
ビカット軟化点が60℃以上が好ましい。
【0018】さらに、最内層14はパウチタイプ、エン
ボスタイプともに熱溶着法により電極タブをサンドイッ
チした状態で密封系を形成する。ところが、熱溶着部分
の最内層としてのオレフィン樹脂は、その特性から脆く
なり、簡単にクラック、ピンホールが発生し易くなる。
また、熱溶着時、電極用タブの端部部分は、前記タブの
厚さ分最内層を潰すことでピンホールの発生をなくして
いるが、最内層の耐熱性を上げるために融点が高いオレ
フィン系樹脂の単層とすると、高温、高圧、長時間溶着
する必要がある。この場合、熱溶着自体が内容物である
電池の特性を低下させたり、また包装材料の他の構成
層、例えば最外層のポリエステルやナイロンが熱収縮を
起こしたりすることで包装材料としての機能低下を起こ
す。
【0019】最内層には、金属接着性を持たないポリオ
レフィン系樹脂14′を用いることもできるが、この場
合には、電極3と最内層との間に前記不飽和カルボン酸
グラフトグラフトポリオレフィン、金属イオン架橋ポリ
エチレン、エチレンまたはプロピレンとアクリル酸誘導
体、またはメタクリル酸またはメタクリル酸誘導体との
共重合体物から形成される熱接着性タブ材(厚さ15μm
以上) 16を用いることによって、タブと外装体とが完
全に接着され、密封することができる。具体的には、図
4(b)に示すように、電極の熱接着部に電極より巾の
広い熱接着性タブ材16を載置し、外装体に挿入して熱
接着して密封する。図4(d)は、この場合の熱接着後
のX4 −X4 断面を模式的に示したものである(但し、
最外層、バリア層、中間層は1層として示している)。
また、図4(c)は、電極3の電極の熱接着部又はそれ
より広い領域の部分に、前記金属に対してヒートシール
性を有する対してヒートシール性を有する不飽和カルボ
ン酸グラフトポリオレフィン、金属イオン架橋ポリエチ
レン、エチレンまたはプロピレンとアクリル酸誘導体、
またはメタクリル酸誘導体との共重合物およびこれらの
変性物または混合物からなる樹脂を被覆し、外装体に挿
入して熱接着して密封した例であり、図4(e)は、こ
の場合の熱接着後のX4 −X4 断面を図4(d)と同じ
ように模式的に示したものである。
【0020】本発明の前記課題を解決するために、本発
明者らは、種々研究の結果、最内層を多層化することに
より、前記課題に効果のあることを見いだし本発明を完
成するに到った。最内層の多層化は、具体的には、 (1) オレフィン系樹脂およびこれらの変性物/ 不飽和カ
ルボン酸グラフトポリオレフィン (2) オレフィン系樹脂およびこれらの変性物/ エチレン
とアクリル酸誘導体、または、エチレンとメタクリル酸
誘導体共重合物 (3) オレフィン系樹脂およびこれらの変性物/ 金属イオ
ン架橋ポリエチレン、金属イオン架橋ポリプロピレン 等の構成の最内層とすることである。前記、代表的なオ
レフィン系樹脂としては a)ポリプロピレン系としては、 1)ホモタイプポリプロピレン(融点 150℃以上、ビカッ
ト軟化点 140℃以上) 2)エチレン−プロピレン共重合体 (融点 110℃以上、ビ
カット軟化点100 ℃以上のランダムタイププロピレンま
たはグラフトタイププロピレン) b)ポリエチレン系としては、 3)融点90℃以上、ビカット軟化点80℃以上の低密度ポリ
エチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、
線状低密度ポリエチレン、エチレン−プロピレンージエ
ン共重合体、エチレン−プロピレンーブテン共重合体、
シングルサイト系触媒を用いて重合したエチレンーα・
オレフィン共重合体また、酸変性ポリオレフィン(融点
90℃以上、ビカット軟化点80℃以上) としては イ) エチレンー酢酸ビニル共重合体 ロ) 金属イオン架橋ポリエチレン、金属イオン架橋ポリ
プロピレン ハ) 不飽和カルボン酸グラフトポリエチレン、不飽和カ
ルボン酸グラフトポリプロピレン、不飽和カルボン酸グ
ラフトポリメチルペンテン等の不飽和カルボン酸グラフ
トポリオレフィンおよびこれらの変性物。 ニ) エチレンまたはプロピレンとアクリル酸誘導体、ま
たはメタクリル酸誘導体とのの共重合物として、エチレ
ンーメタクリル酸メチル共重合体(EMMA)、エチレ
ン・メタクリル酸エチル(EMA)、エチレンーアクリ
ル酸メチル共重合体(EMAA)、エチレンーアクリル
酸エチル(EEA)、エチレン・アクリル酸共重合体
(EAA)、プロピレンーメタクリル酸エチル(PM
A)、プロピレンーアクリル酸エチル(PAA)等を挙
げることができる。
【0021】最内層14の多層化の更に具体例として
は、つぎのような構成を挙げることができる。 (1) 低密度ポリエチレンまたは線状低密度ポリエチレン
/ エチレンとメタクリル酸またはアクリル酸誘導体との
共重合物 (2) エチレンープロピレン共重合体体/ プロピレンとメ
タクリル酸またはアクリル酸誘導体との共重合物 (3) 低密度ポリエチレンまたは線状低密度ポリエチレン
/ 金属架橋ポリエチレン (4) エチレンープロピレン共重合体/ 金属架橋ポリプロ
ピレン (5) ランダムプロピレン系/ 不飽和カルボン酸グラフト
ホモタイププロピレン (6) グラフトプロピレン系/ 不飽和カルボン酸グラフト
ホモタイププロピレン (7) ホモプロピレン系/ 不飽和カルボン酸グラフトラン
ダムタイプ、またはグラフトタイププロピレン (8) ランダムまたはグラフトプロピレン系/ ホモプロピ
レン系 (9) エチレンープロピレン共重合体/ ポリエチレン/ エ
チレンープロピレン共重合体 (10)エチレンープロピレン共重合体/ ポリエチレン/ 不
飽和カルボン酸グラフトポリエチレン
【0022】本発明のポリマー電池用包装材料の最外
層、バリア層、最外層、或いは最外層、バリア層、中間
層、最内層の各層の形成または各層間の積層方法は、具
体的にはTダイ法、インフレーション法、共押出し法等
を用いて製膜することができ、必要に応じて、コーティ
ング、蒸着、紫外線硬化、電子線硬化等の方法によって
2次膜を形成してもよい。また、貼り合わせは、ドライ
ラミネーション、押出しラミネーション、共押出しラミ
ネーション、サーマルラミネーション(熱ラミネーショ
ン)等の方法により積層化し得る。
【0023】前記、ドライラミネーションをする際に
は、ポリエステル系、ポリエチレンイミン系、ポリエー
テル系、シアノアクリレート系、ウレタン系、有機チタ
ン系、ポリエーテルウレタン系、エポキシ系、ポリエス
テルウレタン系、シミド系、イソシアネート系、ポリオ
レフィン系、シリコーン系の各種接着剤を用いることが
できる。ただし、本発明の積層体のバリア層よりも最内
層面側の積層をドライラミネーションする場合には、前
記組成の接着剤を用いる。
【0024】ポリマー電池用外装体を形成する積層体の
構成がドライラミネート法による接着である場合に、ポ
リマー電池の電解質成分であるカーボネート系溶剤によ
る層間剥離およびリチウム塩と水との反応により発生す
るフッ化水素によるバリア層最内層側表面での接着面剥
離その課題に対して、鋭意研究の結果、前記積層体のバ
リア層よりも内側における各層の接着をドライラミネー
トする際の接着剤の成分をつぎの組成とすることによっ
て、前記層間剥離、バリア層表面での接着面剥離のない
積層体とすることができた。その接着剤は主剤と硬化剤
とからなり、主剤が、セバシン酸、イソフタル酸、テレ
フタル酸、オクタンニ酸、ノナンニ酸、ウンデカンニ
酸、パルミチン酸を含むカルボン酸とエチレングリコー
ル、ヘキサンジオール、ジエチレングリコール等のグリ
コールとIPDIなどのイソシアネートとからなり、硬化剤
がトリメチロールプロパン、プロピレングリコール、ジ
プロピレングリコールグリセリン、1,3-ブタンジオール
等のグリコールとTDI 等のイソシアネートとTDA 等から
なるものである。
【0025】また、これらの接着層には適宜、酸化珪素
(化学式:SiO2)、炭酸カルシウム、亜鉛、鉛丹、亜酸
化鉛、酸化亜鉛シアナミド鉛、ジンククロメート、クロ
ム酸バリウムカリウム、クロム酸バリウム亜鉛などを添
加することも耐薬品性、耐有機溶剤性をさらに向上させ
る。特に、酸化珪素、炭酸カルシウム、亜鉛、鉛丹、亜
酸化鉛、酸化亜鉛シアナミド鉛、ジンククロメート、ク
ロム酸バリウムカリウム、クロム酸バリウム亜鉛などは
電解液と水分の反応で発生するフッ化水素(化学式:H
F)と化学反応を起こし、フッ化水素を急雌雄、吸着す
る効果があり、各層、特にバリア層(アルミニウム)に
対するフッ化水素の腐食を防止する効果がある。
【0026】本発明の積層体において、バリア層よりも
最内層側の各層を接着するドライラミ接着剤としては、
前記組成とする。但し、バリア層よりも外側の積層をド
ライラミする場合は、通常の接着剤を用いてもよい。
【0027】また、各層を前記押出しラミネーションに
より積層する場合、接着する各層間の接着力を安定化す
る接着促進化方法として、各層の接着面にポリエステル
系、ポリエーテル系、ウレタン系、ポリエーテルウレタ
ン系、ポリエステルウレタン系、イソシアネート系、ポ
リオレフィン系、ポリエチレンイミン系、シアノアクリ
レート系、有機チタン化合物系、エポキシ系、イミド
系、シリコーン系およびこれらの変性物、または混合物
等の樹脂を 1μm程度塗工したり、オゾン処理等による
表面活性化処理を行うことができる。また、前記押出し
ラミネーションあるいは熱ラミネーションをする際の樹
脂として不飽和カルボン酸グラフトポリオレフィンを用
いることによって、接着性とともに耐内容物性も向上す
る。
【0028】本発明の積層体を積層化する方法として、
3層構成の場合、本発明の積層体を積層する方法とし
て、代表的に次の3方法、すなわち、 1)第1基材として、最外層/バリア層の積層体と最内層
からなる第2基材積層体をそれぞれ準備し熱ラミネーシ
ョンする 2)第1基材として最外層/バリア層、第2基材として最
内層を準備し押出しラミネーション(共押出しを含む)
する方法、この場合必要に応じ、再度熱ラミネーション
工程を施す 3)すべてをドライラミネーションで貼りあわせるのいず
れの方法を用いてもよい。
【0029】また、4層構成の場合には、積層化する方
法として、代表的に次の3方法、すなわち、 1)第1基材として、最外層/バリア層の積層体と中間層
/最内層からなる第2基材積層体をそれぞれ準備し熱ラ
ミネーションする 2)第1基材として最外層/バリア層、第2基材として中
間層の一部/最内層の積層体、または最内層のみを準備
し中間層により押出しラミネーション(共押出しを含
む)する、この場合必要に応じ、再度熱ラミネーション
工程を施す 3)すべてをドライラミネーションで貼りあわせるのいず
れの方法を用いてもよい。
【0030】さらに、中間層には、気体、液体、イオン
透過防止薄膜層としてスパッタリグ法、化学蒸着法、物
理的蒸着法を用いアルミニウム層のような金属薄膜層、
酸化アルミや酸化錫のような金属酸化物層、コーティン
グ法を用い塩化ビニリデン層等を形成することで、さら
に、バリア層に対する電解質構成物質の透過を防止し安
定した接着性を持たせることができる。
【0031】
【実施例】以上に説明した本発明の積層体の層構成を、
パウチタイプ、エンボスタイプとしてそれぞれ具体的に
示すとパウチ仕様としては、〔略号:PET:ポリエステ
ル、DL: ドライラミネーション、TL: 熱ラミネーショ
ン、AL: アルミニウム、PP: ポリプロピレン、Tr-Ac:リ
ン酸塩による表面処理、RAM-PP: ランダム重合されたポ
リプロピレン、HOMO-PP:ホモタイプポリプロピレン、Tr
-Co-Ac-cr:炭酸カルシウム添加リン酸クロム処理、PPa:
不飽和カルボン酸グラフトポリプロピレン、PE: 低密度
ポリエチレン、PEa:不飽和カルボン酸グラフトポリエチ
レン、Ny: ナイロン、AC: アクリル樹脂、//: 共押出し
法による積層部、( )の数字は層の厚みを示す、μm〕
また、以下の実施例において使用したドライラミネート
用接着剤は、次の通りである。 DL-1:ポリエーテルを主成分とした接着剤、タケラックA
-969V/A-5( 武田薬品工業株式会社製 商品名) DL-2:成分構成は、主剤としては、ポリエステルポリウ
レタン樹脂がセバシン酸、イソフタル酸、テレフタル酸
からなるカルボン酸とエチレングリコール、ヘキサンジ
オールからなるグリコール、イソシアネート(IPDI)およ
びビスフェノールA からなるエポキシ樹脂からなり、ま
た、硬化剤としては、トリメチロールプロパン、プロピ
レングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリ
ン、1,3-ブタンジオールからなるグリコール、イソシア
ネート(TDI) 、他(TDA) からなるものを用いた。 (実施例1)二軸延伸ポリエステルフィルム(12 μm)
とアルミニウム(20 μm) とを接着剤DL-1を用いてドラ
イラミネーション法により貼り合わせてラミネートAと
し、別に、ランダムタイプポリプロピレンと不飽和カル
ボン酸グラフトポリプロピレンとを共押出し法により製
膜し、前記ラミネートAのアルミニウム面と二軸延伸ポ
リエステルフィルム(12 μm) 、前記共押出し法により
製膜されたランダムタイプポリプロピレン面とを接着剤
DL-2を用いてドライラミネーション法により貼り合わせ
て積層体(1) を得た。 (1) PET(12)/DL-1/AL(20)/DL-2/PET(12)/DL-2/RAM-PP(3
0)//PPa(20) (実施例2)二軸延伸ポリエステルフィルム(12 μm)
とアルミニウム(20 μm) とを接着剤DL-1を用いてドラ
イラミネーション法により積層しラミネートAとし、不
飽和カルボン酸グラフトポリプロピレン(20 μm) と二
軸延伸ポリエステルフィルム(12 μm) と、ランダムタ
イプポリプロピレンと不飽和カルボン酸グラフトポリプ
ロピレンとを共押出し法により製膜された共押出しフィ
ルムのランダムタイプポリプロピレン面とを接着剤DL-2
を用いドライラミネーション法により積層しラミネート
Bとし、前記ラミネートAのアルミニウム面とラミネー
トBの不飽和カルボン酸グラフトポリプロピレン(20 μ
m) 面を温度250 ℃、圧力0.6Mpa、ライン速度20メート
ル/ 分の条件により熱ラミネーション法により貼り合わ
せて積層体(2) を得た。 (2) PET(12)/DL-1/AL(20)/TL/PPa(20)/DL-2/ PET(12)/
DL-2/RAM-PP(25)// PPa(25) (実施例3)アルミニウム(20 μm) をリン酸塩処理に
より耐酸性改質皮膜を形成した後、二軸延伸ポリエステ
ルフィルム(12 μm) と前記アルミニウムとを接着剤DL
-1を用いてドライラミネーション法により貼り合わせて
ラミネートAとし、別に、ランダムタイプポリプロピレ
ンとホモタイプポリプロピレンとを共押出し法により製
膜し、前記ラミネートAのアルミニウム面と前記共押出
し法により製膜されたランダムタイプポリプロピレン面
とを接着剤DL-2を用いてドライラミネーション法により
貼り合わせて積層体(3) を得た。 (3) PET(12)/DL-1/AL(20)/Tr-Ac/DL-2/RAM-PP(5)//HOM
O-PP(25) また、エンボス仕様としては、 (実施例4)二軸延伸ポリエステルフィルム(12 μm)
、二軸延伸ナイロンフィルム( 15μm) 、アルミニウ
ム(50 μm) を接着剤DL-1を用いて、順次ドライラミネ
ーション法により貼り合わせてラミネートAとし、別
に、ポリエチレンと不飽和カルボン酸グラフトポリエチ
レンとを共押出し法により製膜し、前記ラミネートAの
アルミニウム面と、ポリエステルフィルム(16 μm) 、
前記共押出し法により製膜されたポリエチレン面とを接
着剤DL-2を用いて、順次ドライラミネーション法により
貼り合わせて積層体(4) を得た。 (4) PET(12)/DL-1/Ny(15)/DL-1/AL(50)/DL-2/PET(16)/
DL-2/PE(30)//PEa(20) (実施例5)二軸延伸ポリエステルフィルム(12 μm)
、二軸延伸ナイロンフィルム( 15μm) 、アルミニウ
ム(50 μm) とを接着剤DL-1を用いたドライラミネーシ
ョン法により積層しラミネートAとし、不飽和カルボン
酸グラフトポリプロピレン(20μm) と二軸延伸共重合
ポリエステルフィルム(16 と共押出し法で製膜したポリ
エチレンと不飽和カルボン酸グラフトポリエチレン(50
μm) のポリエチレン面面側とを接着剤DL-2を用いドラ
イラミネーション法により積層しラミネートBとし、前
記ラミネートAのアルミニウム面とラミネーションBの
不飽和カルボン酸グラフトポリプロピレン(20 μm) を
温度200 〜250 ℃、圧力0.6Mpa、ライン速度25メートル
/ 分の条件により熱ラミネーション法により貼り合わせ
て積層体(5) を得た。 (5) PET(12)/DL-1/Ny(15)/DL-1/AL(50)/TL/PPa(20)/DL
-2/PET(16)/DL-2/PE(25)// PEa(25) (実施例6)最外層面にアクリル樹脂(3μm) をコーテ
ィング法により形成した二軸延伸ナイロンフィルム(15
μm) のナイロン側と、炭酸カルシウム添加リン酸クロ
ム酸処理をほどこしたアルミニウム(50 μm) を積層体
DL-1を用いて順次ドライラミネーション法により貼り合
わせてラミネートAとし、別に、ランダムタイプポリプ
ロピレンとホモタイプポリプロピレンとを共押出し法に
より製膜し、前記ラミネートAのアルミニウム面と、前
記共押出し法により製膜されたランダムタイプポリプロ
ピレン面とを接着剤DL-2を用いてドライラミネーション
法により貼り合わせて積層体(6) を得た。 (6) AC/DL-1/Ny(15)/DL-1/AL(50)/Tr-Co-Ac-cr/DL-2/R
AM-PP(5)//HOMO-PP(25) 前記エンボスタイプの PET(16 μm) はいずれも共重合
タイプのポリエステルを用いる。また、前記DL-1に用い
る接着剤は、特に限定しないが、DL-2においては、前記
本発明において記載した組成の接着剤を用いるものとす
る。前記積層体(1) 〜(6) を用いて、ポリマー電池用包
装材料として、ポリマー電池本体を密封し、各種のテス
トを実施したが、ポリマー電池外装体として求められて
いる性能を充たす積層体であった。
【0032】具体的な層構成として別の実施例を図3に
示す。この積層体は、基材層とバリア層とをドライラミ
ネーションし、バリア層に保護層15を設けて、第1基
材とし、中間層をドライラミネーション(DL-2)した2
層タイプとし、さらに、最内層を14a及び14bの共
押出し法により製膜した2層構成とし、前記最内層と中
間層とをドライラミネーション(DL-3)して第2基材と
して、熱接着性フィルムを介在させて熱ラミネートして
熱ラミネート層TLを形成した例である。
【0033】ポリマー電池の形態(パウチタイプの外装
体)本発明の積層体をポリマー電池の外装体を構成する
包装材料として用いる場合の前記外装体の形態は、パウ
チタイプまたはエンボスタイプが挙げられる。前記パウ
チタイプは、前述のピロータイプの他、図5(a)に示
す三方シールタイプ、図5(b)に示す四方シールタイ
プのような形態がある。いずれの形態においても、シー
ル端部にタブ(電極)の一部を含む密封シールとし、タ
ブの一部が外装体の外部に露出するものである。また、
前記タブ3は、図5(c)、図5(d)、図5(e)に
示すように外装体のシール部の任意の位置から外部に露
出させてもよい。
【0034】本発明のポリマー電池用包装材料におい
て、外装体4の形状を図2(b)に示すように、エンボ
ス方式とする場合がある。この場合、底材6は、電池本
体の収納部となるエンボス部8と、蓋材7と密封シール
するフランジ部9とからなる。底材の包装材料6は図2
(a)に示すように4層構成の積層体を基本とするが、
その最外層11および/または中間層13に用いるポリ
エステル系樹脂をポリエチレンテレフタレート共重合体
またはポリブチレンテレフタレート共重合体とし、フィ
ルム化における延伸倍率を小さくすることが好ましい。
前記共重合体とすることによって、底材6のエンボス形
状がシャープとなり、また、容器とした時、図6
(a′)に示す開口部巾(T)と深さ(D)がD/T=
1/50以上で、かつ、側面テーパーθが130 °以下とする
ことが可能となりエンボスがし易い。また、バリア層と
してアルミニウムを用いる場合には、エンボスによるピ
ンホールの発生の心配のない厚さとして、その厚さを30
μm以上とすることが望ましい。片面のみエンボスの場
合には、その蓋材7は成形をしないために、共重合体に
する必要はない。両面エンボスをする場合には、両面に
前記底材の積層体を用いればよい。ポリマー電池の外装
体をエンボスタイプにすることによって電池本体の収納
性がよくなる。
【0035】
【発明の効果】本発明の積層体において、最内層を多層
化することにより、金属接着性を有する樹脂層の単層に
よる最内層において問題となっていた最内層のクラック
がなくなり、安定した密封性を得ることができた。ま
た、ポリマー電池自体がフレキシビリティをもち、金属
缶を用いるより軽量化が可能となり、かつ、トータル層
厚を薄くすることができ、電池として省スペース化が可
能となった。特に、ポリマー電池用包装材料としてバリ
ア性に優れ、該バリア性を長期に維持し得ることがで
き、耐熱性、耐寒性、耐内容物性等に優れた包装材料と
することができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のポリマー電池用包装材料の実施例を示
す、(a)基本的層構成、(b)ポリマー電池の構造を
説明する斜視図、(c)X1 −X1 部の断面図、(d)
2 −X2 部の断面図である。
【図2】本発明のポリマー電池用包装材料の別の実施例
を示す、(a)基本的層構成、(b)ポリマー電池の構
造を説明する斜視図、(c)エンボスタイプの外装体の
ポリマー電池の斜視図、(d)X3 −X3 部の断面図で
ある。
【図3】本発明の積層体の別の実施例を示す断面図であ
る。
【図4】本発明における外装体とタブとの接着の別の実
施例を示する説明図で、(a)ポリマー電池の斜視図、
(b)熱接着性タブ材を接着したポリマー電池本体の斜
視図、(c)熱接着性タブ材を接着した別のポリマー電
池本体の斜視図、(d)および(e)はそれぞれの熱接
着性タブ材を用いた場合のX4 −X4 部断面図である。
【図5】本発明の積層体を用いるポリマー電池のパウチ
タイプの外装体の形状を示す平面図とそれぞれのタイプ
の断面図である。
【図6】本発明の積層体を用いるポリマー電池のエンボ
スタイプの外装体の形状を示す(a)片面エンボスタイ
プの底材の斜視図、(a′)X9 −X9 部断面図、
(b)両面エンボスタイプの斜視図、(b′)X10−X
10部断面図、(c)エンボスタイブにおけるタブの位置
を示す別の例の概念図、(d)タブをさらに別の位置に
設けた例の概念図である。
【符号の説明】
1 ポリマー電池 2 ポリマー電池本体 3 電極 4 外装体 5 ヒートシール部 5f 背シール部 6 底材 7 蓋材 8 エンボス部 9 フランジ部 10 積層体(包装材料) 11 最外層 12 バリア層 13 中間層 14,14′ 最内層 15 保護層 16 熱接着性タブ材 DL ドライラミネート層 TL 熱ラミネート層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 平井 裕一 東京都新宿区市谷加賀町一丁目1番1号 大日本印刷株式会社内 (72)発明者 望月 洋一 東京都新宿区市谷加賀町一丁目1番1号 大日本印刷株式会社内 (72)発明者 山下 力也 東京都新宿区市谷加賀町一丁目1番1号 大日本印刷株式会社内 Fターム(参考) 4F100 AB10B AK01A AK03A AK03C AK04A AK07 AK07A AK07J AK17C AK24 AK24D AK24J AK25A AK25J AK33D AK36D AK41C AK41D AK42D AK44D AK48 AK49D AK51D AK53D AK68D AK69C AK70A AK70D AK71A AK71D AL01A AL01D AL04 AL04D AL05C AL06C AL07A BA03 BA04 BA07 BA10A BA10C EH20 EH20A EH202 EJ38 GB17 JD02B JD04 JL12A YY00B YY00C 5H011 AA01 AA10 CC02 CC06 CC10 DD05 DD13 DD21 KK01

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】最外層/バリア層/最内層、または、最外
    層/バリア層/中間層/最内層からなる積層体タイプの
    ポリマー電池用包装材料であって、最内層が、金属に対
    して熱接着可能な樹脂層を含む共押出法によって形成さ
    れた少なくとも2層以上の共押出し樹脂層からなること
    を特徴とする積層体。
  2. 【請求項2】最外層/バリア層/最内層、または、最外
    層/バリア層/中間層/最内層からなる積層体タイプの
    ポリマー電池用包装材料であって、最内層が金属に対し
    ては熱接着はないが、最内層同士では熱接着しうる樹脂
    層を含む共押出法によって形成された少なくとも2層以
    上の共押出し樹脂層からなることを特徴とする積層体。
  3. 【請求項3】前記金属に対して熱接着性可能な樹脂が、
    酸変性ポリオレフィン、酸変性ポリエチレン、エチレン
    ・アクリル酸共重合体、金属イオン架橋ポリエチレン、
    エチレンまたはプロピレンとアクリル酸誘導体、または
    メタクリル酸誘導体との共重合物およびこれらの変性物
    の少なくとも一つを含むことを特徴とする請求項1に記
    載の積層体。
  4. 【請求項4】前記バリア層が、厚さ15μm以上のアルミ
    ニウムからなることを特徴とする請求項1〜請求項3の
    いずれかに記載の積層体。
  5. 【請求項5】前記中間層が、厚さ10μm以上のポリエス
    テル系、ポリオレフィン系、フッ素樹脂系、エチレン・
    酢酸ビニル共重合体ケン化物系の樹脂、または、これら
    の変性物および混合物から形成される樹脂の少なくとも
    1層含むものであることを特徴とする請求項1〜請求項
    4のいずれかに記載の積層体。
  6. 【請求項6】バリア層の最内層面側の表面に、エポキシ
    系、フェノール系、メラミン系、アルキッド系、ポリイ
    ミド系、不飽和ポリエステル系、ポリウレタン系、不飽
    和カルボン酸グラフトポリマー系、ポリエチレンテレフ
    タレート共重合体、ポリブチレンテレフタレート共重合
    体系などのなどの共重合体ポリエステル系、金属イオン
    架橋ポリエチレン、エチレン・酢酸ビニル共重合体系、
    エチレンとアクリル酸およびメタクリル酸との共重合体
    系、ポリエーテルウレタン系等の樹脂、およびこれらの
    変性物の少なくとも一つを30%以上含む樹脂層からなる
    保護層が形成されていることを特徴とする請求項1〜請
    求項5のいずれかに記載の積層体。
  7. 【請求項7】前記請求項1〜請求項6のいずれかに記載
    の積層体を用いたポリマー電池用包装材料。
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