JP2001033675A - 光学素子の固定装置 - Google Patents
光学素子の固定装置Info
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Abstract
たときに、光学素子を固定するための取付け面を平滑に
形成することが難かしく、別途機械的な切削加工を必要
としていた。 【解決手段】 ベース16内の取付け面17a,17b
をベースの下面16aから90度+微小角度θ1となる
ようにベースを成形する金型内の対向面を形成しておく
と、型抜きの際に取付け面17a,17bを平滑に形成
することができる。よって、取付け面17a,17bを
機械的に切削することが不要となり、光学素子12を直
接固定するための基準面とすることが可能となる。よっ
て、ベース16の製造工程を簡素化することができると
ともに製造コストを低減することができる。
Description
に設置されるビームスプリッタなどの光学素子の固定装
置に係り、特に光学素子を光ピックアップ内の固定部に
高精度に固定することができるようにした光学素子の固
定装置に関する。
造の概要を示す構成図、図5は従来の光学素子の固定状
態を示すベース(キャリッジ)内の断面図である。
ーザ光)が照射可能なレーザダイオード、2は光学素
子、3は反射鏡、4は対物レンズ、5は光検出器を示し
ている。これら各部材は、図示しない光ピックアップの
ベース上に図4に示す位置関係で組み込まれている。レ
ーザダイオード1から照射されるレーザ光は、光学素子
2の側面(入射面)2aに対し所定の入射角で入射され
る。光学素子2としては、例えば入射された光を反射光
と透過光の2つに分割することができるハーフミラーや
偏光ビームスプリッタなどが用いられる。レーザ光は、
その一部が光学素子の側面2aで反射され、反射鏡3の
方向に向きが変えられる。反射鏡3の上方には、対物レ
ンズ4が設けられている。この対物レンズ4にレーザ光
を導くため、反射鏡3は所定の角度に傾けられて光ピッ
クアップ内に設置されている。対物レンズ4の上方に
は、CDやDVDなどのディスク(図示せず)が装填さ
れている。対物レンズ4は、図示しないフォーカスサー
ボ機能などにより、反射鏡3で反射されたレーザ光をデ
ィスクの信号記録面に対し集束して照射できるようにな
っている。
光は、上記と逆の経路をたどり光学素子2に導かれる。
光学素子2では、戻り光の一部が光学素子2を透過し、
その後方に設けられた光検出器5に導かれる。光検出器
5は、例えばピンフォトダイオードなどであり、戻り光
は、この光検出器5で検出され、各種の信号処理が行わ
れる。
は、光学素子2の側面2aが、レーザダイオード1から
の光の入射面で且つ対物レンズ4へ光束を与える反射面
となっている。したがって、光学素子2の側面2aの傾
きは、ディスクからの信号の読取り動作などに影響を与
える。
ース内の所定の位置に高精度で位置決めされていない
と、すなわちレーザダイオード1が位置するa1の方向
や、反射鏡3に向かうb1の方向に対して、側面2aの
向きが高精度に決められていないと、対物レンズ4の光
軸O1に対してレーザ光の光束の中心がずれて収差が増
大し、ディスクの信号記録面に形成されるレーザ光のス
ポット形状に歪みなどが生じる。また、光学素子2に位
置ずれや傾きが発生した場合、光検出器5に入射する光
軸O2にずれが生じるため、対物レンズ4のフォーカス
サーボ動作にオフセットが発生するなどの問題が生じ
る。
の一部に凹部状の固定部7を設け、この固定部7内に光
学素子2を固定するようにしていた。すなわち、前記固
定部7の底面7aをベース6の下面6aに対し平行とな
るように形成し、且つ固定部7の取付け面(基準面)7
bを前記固定部7の底面7a(又はベース6の下面6
a)に対し90度の角度となるように高精度で形成し、
この取付け面7bに対し光学素子2の一部の面を密着固
定するというものであった。
マグネシウム等の金属をダイキャスト型成形することに
より形成されるが、型抜き工程の際にベース6の下面6
aに対し型を垂直(取付け面7bに対し平行)方向に抜
かなければならないという制約がある。このとき取付け
面7bが型の抜き方向と平行であると、前記取付け面7
bと型とが型離れのときに擦れ、前記取付け面7bが傷
ついたり、または歪むなどの問題が生じる。
bにわずかな厚み(加工しろ)を形成し、型抜き後に前
記加工しろを機械的な切削加工により取付け面7bを高
精度に仕上げる必要が生じていた。よって、ベース6の
製造工程が複雑となり、且つ製造コストが高騰するとい
う問題があった。
ものであり、前記のような型離れでの擦れを防止でき、
成型完了時点で光学素子の位置め面を高精度に形成でき
るようにした光学素子の固定装置を提供することを目的
としている。
ベース表面に対してほぼ垂直な向きの取付け面が形成さ
れ、光を反射しまたは光が入射あるいは出射する基準光
学面を有する光学素子が、前記基準光学面と前記取付け
面とが密着することにより位置決めされている光学素子
の固定装置において、前記取付け面は、前記ベース表面
に対し90度+微小角度(θ1)の角度で形成されてい
ることを特徴とするものである。上記において、前記微
小角度(θ1)が、0度<θ1≦3度であるものが好ま
しい。
の取付け面を傾斜状に形成することにより、金型内から
ベースを取り出す型抜き作業の際に、ベース内の取付け
面と金型の傾斜成形面との型離れを良くすることがで
き、成型完了状態で、取付け面を高い精度で平滑な面に
形成することが可能となる。よって、この成型したまま
の取付け面を光学素子を固定するための基準面とするこ
とができ、型抜き後の取付け面に対する機械的な切削加
工をなすくことが可能となる。
な底部取付け面が形成され、前記光学素子には前記基準
光学面と直角な底面が形成され、前記光学素子は、前記
基準光学面が前記取付け面に密着し前記底面が前記底部
取付け面に突き当てられて位置決めされているものが好
ましい。
間の関係を直角(90度)に維持しておくことにより、
取付け面に対し光学素子を高精度に固定することができ
る。すなわち、光学素子の基準光学面と底面との間の角
度は高精度に直角に形成することが可能であるため、取
付け面が傾斜して形成されている場合であっても、固定
部の底面と取付け面との間の間の角度を90度に設定し
ておけば、光学素子を固定部内に高精度に固定すること
ができる。
う幅方向の一方の端部で前記基準光学面が前記取付け面
に密着して片持ち状態で支持されており、光軸が、前記
密着されていない領域で基準光学面に交叉するものが好
ましい。
学素子の一端のみを片持ち状態で保持されることによ
り、他端側を自由端とすることができる。よって、光学
素子の両端を固定した場合に生じる弊害、例えば光学素
子の両端を固定する各々の取付け面の間に寸法誤差が生
じており、これにより光学素子の基準光学面の両端を両
取付け面に強制的に固定したときに光学素子に変形が生
じるといった弊害の発生を防止できる。よって、光学素
子の基準光学面(入射面)に対し交叉(入射、反射又は
透過)する光軸の向きを高精度に設定することが可能と
なる。
たものであり、前記取付け面が機械加工されていないも
のとすることができる。
して説明する。図1は光ピックアップのベース(キャリ
ッジ)の一部を示し、Aは主として固定部を示す平面
図、BはAのB−B線断面図、図2は図1Aの2−2線
断面図であるとともに固定部と金型との関係を示す図、
図3はベース内の光学素子と反射鏡との関係を示す側面
図である。
プレーヤなどの各種のディスク装置には、ディスクの記
録又は再生を行う光ピックアップが搭載されており、前
記光ピックアップはターンテーブル上のディスクに対し
その半径方向に移動自在に設けられている。
るベース16を支持母材とし、このベース16上に発光
素子(レーザダイオード)11、光学素子12、反射鏡
13、対物レンズ14および光検出器15などが搭載さ
れている。
16内には断面凹状の領域からなる固定部17が設けら
れており、この固定部17内にハーフミラーや偏光ビー
ムスプリッタなどの光学素子12が設けられる。固定部
17内の底面(底部取付け面)17cには、円筒状の台
座18,19が突設されており、台座18,19の中心
には貫通孔18a,19aがそれぞれ形成されている。
台座18の図示Rの方向には、取付け面17a,17b
が設けられている。この取付け面17a,17bは、と
もに前記底面17cに対してほぼ垂直に形成され、より
詳しくは垂直面にさらに微小角度θ1が加算された傾斜
面となっている。図1Bに示すように、前記底面(底部
取付け面)17cからの角度は、90度+微小角度θ1
であり、θ1は0度<θ1≦3度の範囲に設定されてい
るものが好ましい。
側よりもS側のほうがわずかに高い傾斜状に形成されて
おり、図1Bに示すように水平軸(ここではR−S軸)
に対する傾き角度θ2は前記微小角度θ1と同じ角度に
設定されている(θ1=θ2)。従って、取付け面17
a,17bと台座18および19の表面(底部取付け
面)との間(微小直角θ1と傾き角度θ2との間)の角
度は、90度に設定されている。
1、反射鏡13、対物レンズ14および光検出器15な
どは、ベース16内の前記光学素子12を中心とする所
定の場所に設けられている。すなわち、図1Aにおいて
発光素子11は光学素子12に対しY1方向の符号a2
の位置に設けられ、反射鏡13は図示X2方向のb2の
位置に設けられている。また光検出器15は図示X1方
向の符号c2の位置に設けられている。
ジ)16は、アルミニウム合金などをダイキャスト成形
することにより形成される。すなわち、溶湯状のアルミ
ニウムを図示しない金型内に流し込み、冷却後に型抜き
してベースを形成するというものである。
6aが垂直軸(Z軸)に垂直に設定され、金型30の型
抜き方向Fは垂直(Z1)方向と同方向となっている。
よって、前記取付け面17a,17bと対向する金型3
0内の対向面(傾斜成形面)31を、垂直軸(Z軸)に
対して微小角度θ1を加えた角度に形成しておくことに
より、ベース16の取付け面17a,17bを前記90
度+微小角度θ1に形成することができる。
と、ベース16の固定部17の取付け面17a,17b
とが90度+微小角度θ1を有して対向するものとな
る。よって、金型30を垂直(Z1)方向に型抜きする
ことにより、固定部17の取付け面17a,17bと金
型30の対向面31との型離れがよくなり、型離れのと
きに前記取付け面17a,17bに擦れ傷や歪みが発生
することがない。成型状態で、取付け面17a,17b
を平滑に形成することができるため、この取付け面17
a,17bに切削加工を施すことなく、光学素子12を
固定部17内に位置決めするための基準面とすることが
可能である。
学素子12を取付けるための基準面とすることが可能に
なると、型抜き後の取付け面17a,17bに光学素子
12を直接固定することができるようになる。よって、
従来のように型抜き工程の後に取付け面17a,17b
の精度を高めるための機械的な切削加工を行う必要がな
くなる。これにより、製造工程を簡素化することが可能
となるとともに、製造コストを低減することができる。
座18,19には、図示P−Q方向を長手方向とする長
方体形状の光学素子12が設置される。光学素子12そ
のものは高精度に形成することが可能であり、光学素子
12の底面と入射面(基準光額面)12aとの間の角度
を、台座18,19の表面(底部取付け面)と取付け面
17a,17bとの間の角度(上記の例では、90度)
に設定しておくことにより、固定部17内に光学素子1
2を高精度に設置することができる。
は、例えばベース16の外部から前記貫通孔18a,1
9a内に接着剤を注入することにより、光学素子12の
底面を台座18,19の表面(底部取付け面)に接着固
定することができる。あるいは固定部17内の他方の壁
17dと光学素子12の出射面12bとの間に、例えば
板ばねなどの弾性部材25を挟入し、光学素子12の入
射面12a(基準光額面)の一部をR方向の取付け面1
7a,17bに押し付けることにより位置決めしてもよ
い(図1B参照)。また接着剤と弾性部材25とを組み
合わせて光学素子12を固定部17内に固定してもよ
い。
部(図示P方向の端部)のみが取付け面17aと17b
の2箇所を基準面として片持ち状態で支持固定され、他
方の端部(Q方向の端部)は接着剤のみで台座19に固
定される。すなわち、光学素子12の他方の端部(Q側
の端部)を自由端に設定し、まず一方の端部(P側の端
部)のみを取付け面17a,17bに押し付けて固定す
る。そしてその後に他方の端部(Q側の端部)の底面と
台座19とを接着剤で固定する構成である。これによ
り、光学素子12のP側およびQ側の両端が強制的に取
付け面に固定されることがないため、光学素子12に無
理な力が加わることを防止できる。よって、光学素子1
2の入射面12aおよび出射面12bに湾曲やねじれ等
の変形が生じることを防止することができる。よって、
光学素子12に交叉(入射しまたは反射し若しくは透
過)するレーザー光の光軸を所定の方向に高精度に向け
ることが可能となる。
から発せられたレーザー光が図示Y2方向に出射され、
光学素子12の入射面(基準光学面)12aに対し斜め
45度の角度で入射される。レーザー光は、入射面12
aによりb2の位置に設けられている反射鏡13の方向
に反射させられる。そして、反射鏡13において、レー
ザー光の進行方向が垂直(Z1)方向に向けられ、反射
鏡13の上部位置に設けられた対物レンズ14さらには
ディスクDの信号記録面に導かれる。
逆の経路を経て光学素子12に導かれる。戻り光の一部
は光学素子12を透過し、光学素子12の反斜面12b
の後方(X1側)のc2の位置に設けられたピンフォト
ダイオードなどの光検出器15に導かれる。光検出器1
5では、戻り光による光信号を電気信号に変換し、図示
しない信号処理手段において各種の信号処理が行われ
る。
直軸(Z軸)に対し90度+微小角度θ1だけ傾いて取
付け面17a,17bに固定されているため、光学素子
12で反射後のレーザー光の進行方向は、水平軸(X
軸)に対し平行とはならず、わずかに下方にαだけ傾い
たものとなる。
対物レンズ14の中心方向に向くように、予め反射鏡1
3を取付けるベース16側の支持台20の傾き角度を水
平軸またはベースの下面16a若しくは表面など水平軸
に平行な面に対しβだけ傾かせた状態で設置しておくこ
とにより、このずれを補正することが可能である。また
光学素子12を透過した戻り光の光軸は、水平軸Xに対
し角度αを持つこととなるが、予め戻り光の光軸上に光
検出器15が来るような位置に設定することができ、こ
の場合戻り光を確実に検知することが可能である。な
お、支持台20は、予め金型の角度を所定の角度に設定
しておくことにより、前記取付け面17a,17bとと
もに一体で形成することが可能である。
ザ光が水平軸Xと平行となるように、予め発光素子11
からの出射角度(光学素子12への入射角)を調整した
ものであってもよい。この場合には、反射鏡13の傾き
角度βを水平軸に対し45度に設定しておくことによ
り、反射鏡13で反射させられたレーザ光を対物レンズ
14の中心方向(Y軸方向)に向かせることが可能であ
る。
をベース(キャリッジ)内の取付け面と成型用の型との
型離れを良くし、前記取付け面を成型状態で高精度に平
滑面にできる。
滑に形成することができるため、機械的な切削加工を不
要とすることができ、製造コストを削減することが可能
となる。
を示し、Aは主として固定部を示す平面図、BはAのB
−B線断面図、
と金型との関係を示す図、
構成図、
リッジ)内の断面図、
Claims (5)
- 【請求項1】 ベース上に、ベース表面に対してほぼ垂
直な向きの取付け面が形成され、光を反射しまたは光が
入射あるいは出射する基準光学面を有する光学素子が、
前記基準光学面と前記取付け面とが密着することにより
位置決めされている光学素子の固定装置において、 前記取付け面は、前記ベース表面に対し90度+微小角
度(θ1)の角度で形成されていることを特徴とする光
学素子の固定装置。 - 【請求項2】 前記微小角度(θ1)が、0度<θ1≦
3度である請求項1記載の光学素子の固定装置。 - 【請求項3】 前記ベースには、前記取付け面と直角な
底部取付け面が形成され、前記光学素子には前記基準光
学面と直角な底面が形成され、前記光学素子は、前記基
準光学面が前記取付け面に密着し前記底面が前記底部取
付け面に突き当てられて位置決めされている請求項1ま
たは2記載の光学素子の固定装置。 - 【請求項4】 前記光学素子は、ベース表面に沿う幅方
向の一方の端部で前記基準光学面が前記取付け面に密着
して片持ち状態で支持されており、光軸が、前記密着さ
れていない領域で基準光学面に交叉する請求項1ないし
3のいずれかに記載の光学素子の固定装置。 - 【請求項5】 前記ベースは、金属材料により型成形さ
れたものであり、前記取付け面が機械加工されていない
請求項1ないし4のいずれかに記載の光学素子の固定装
置。
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