JP2001033617A - カラーフィルタの製造方法およびそれに用いる露光方法 - Google Patents

カラーフィルタの製造方法およびそれに用いる露光方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】液晶表示装置用カラーフィルタの製造方法にお
いて、フィルタ部の形成に用いる1色の着色レジストに
て形成した外周部アライメントマーカーを、他の色のフ
ィルタの形成時に画像処理にて検出し、マスクとの間で
位置合わせする際、位置合わせマークが判別しにくく、
位置合わせ作業が困難となる問題を解消すること。 【解決手段】アライメント用の光源に特定波長範囲をカ
ットする色フィルタを設置して用いることにより読み取
り部位間の透過光量比を高めて認識性能を向上させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液晶表示装置等に
用いられるカラーフィルタの製造方法およびその際に用
いる露光方法に関する。
【0002】
【従来の技術】カラー液晶表示装置に内蔵されるカラー
フィルタにおいては、赤(R)、緑(G)、青(B)各
色の着色部の間に遮光部(ブラックマトリクス)を形成
する構造のカラーフィルタが一般的である。このブラッ
クマトリクスには金属クロムもしくは金属クロムと酸化
クロムの積層膜が採用されている。これらはパターン精
度にすぐれ、0.2〜0.3μm程度の薄い膜厚でも遮
光性が大きいという利点がある一方、高価で製造コスト
が高いという欠点があるため、その代替材料として低反
射の遮光性樹脂によるブラックマトリクスも用いられて
いる。
【0003】ここでさらなる低コスト化および高精細化
にともなう輝度確保のために、遮光性樹脂によるブラッ
クマトリクスも省略する、もしくは色フィルタのうち1
色をブラックマトリクス部に流用することが検討されて
いる。ここで、同一基板上に順次所定の位置に着色部を
形成するにあたり、基板上に位置合わせ用のマーク(ア
ライメントマーク)を形成することが重要となる。すな
わち、パターン露光の際、基板上に形成したアライメン
トマークと、パターン露光用マスクに形成したマークと
を、アライナーにて検出し位置合わせすることで、着色
部の位置ずれを防止していたものである。従来ブラック
マトリクスを形成したときには、ブラックマトリクスの
形成と同時にアライメントマークも形成していた。しか
し前述したようにブラックマトリクスの省略が検討され
ている現在、第1色目の着色部の形成と同時に、着色部
の形成に用いた着色レジストでアライメントマークを形
成する試みがなされている。
【0004】ここで、順次形成する着色部の色の形成順
序は本来任意であるといえる。仮に青色が第1色目であ
る場合には、青色レジストの透過率は比較的低いため、
非パターン部とのコントラストが高く、青色レジストを
用いたアライメントマークによるアライナーでの位置合
わせは支障なく可能である。しかしながら、事情により
赤色を第1色目とし、アライメントマークも赤色とした
場合、他の色の露光の位置合わせの際、赤のアライメン
トマークを利用しようとしても、赤のアライメントマー
クの透過率が高く非パターン部とのコントラストが低い
ため、アライナーの光源ではアライメントマークを判別
しにくく、位置合わせ作業が困難となる問題があった。
【0005】そのため、ブラックマトリクスを省略して
も、金属または遮光性樹脂をアライメントマーカー形成
のためだけにパターン形成して用いる必要があった。ア
ライメントマークのみ形成する場合、ブラックマトリク
スも形成する場合に比べ歩留まりは非常に高いものの、
ブラックマトリクスの形成と同様の工程が必要となり、
製造コスト的には大きな削減が期待できず、好ましいこ
とではなかった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記のよう
な、着色レジストで形成されたアライメントマーカーの
読み取りの問題を解消し、色フィルタに用いる、非パタ
ーン部とのコントラストの低い1色のレジストにてアラ
イメントマーカーを形成しても、問題なくアライメント
マークの位置合わせ作業を行うことを可能としたカラー
フィルタの製造方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、透明基板上に
3原色のカラーフィルタ層を順次パターン形成する液晶
表示装置用カラーフィルタの製造方法において、フィル
タ部の形成に用いる1色の着色レジストにて形成した外
周部アライメントマーカーを、他の色のフィルタの形成
時に画像処理にて検出し、マスク上のアライメントマー
カーとの間で位置合わせする際、アライメント用の光源
に特定波長範囲をカットする色フィルタを設置すること
により読み取り部位間の透過光量比を高めて認識性能を
向上させることを特徴とするカラーフィルタの製造方法
である。また本発明は、第1色目のパターン用のマスク
に、フィルタ部パターンとともにアライメントマーカー
部のパターンを形成しておき、第2色目以降のマスク露
光時のアライメント用の光源として、特定波長範囲をカ
ットしてアライメントマーカーの読み取り部位間の透過
光量比を高める色フィルタを設置したものを用い、基板
上に形成された第1色目のパターンによるアライメント
マーカーと第2色目以降のマスク上のアライメントマー
カーを位置合わせして、パターン露光することを特徴と
する、液晶表示装置用カラーフィルタの製造に用いる露
光方法である。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を以下に図面
を用いて説明する。本発明のカラーフィルタの製造工程
の一例の概要は以下の通りである。すなわち、図6
(a)において示すように、基板1上にまず第1色目と
して赤色の着色レジスト2’をスピンコート法などによ
り全面にコーティングして、乾燥した後、フォトマスク
5を介して紫外線をパターン露光し、現像、水洗、ベー
キングして、図6(b)に示すように、カラーフィルタ
2の赤色パターン部位、パターンの1画面の外周の外枠
部3、および基板端部近辺のアライメントマーカー4
a′の各パターンを形成する。次いで、第2色目として
緑色の着色レジストを全面にコーティング、乾燥した
後、カラーフィルタ2の緑色パターン部位のパターンの
みを形成するためのフォトマスクを介して紫外線を露光
し現像、水洗、ベーキングして、図6(c)に示すよう
に、緑色パターンをパターニングする。最後に、青色の
着色レジストを用い、図6(d)に示すようにカラーフ
ィルタ2の青色パターン部位を同様にしてパターニング
することにより、カラーフィルタ基板を完成するもので
ある。
【0009】ここで用いられる2または3種類(この説
明では第2色目と第3色目のマスクを兼用する2種類で
ある。)のフォトマスク5のうち、第1色目の赤色のパ
ターン用のネガ型フォトマスク5aは、図7(a)に示
すようなものであり、赤色のフィルタパターン2aと、
基板端部(外周部)のアライメントマーカー4aより成
る。このアライメントマーカー4aにより基板1上にパ
ターニングされたアライメントマーカー4a’(図7
(a’)に示す)を用いて、図7(b)に示す第2色目
ないし第3色目のパターン用フォトマスク5bのアライ
メントマーカー4b,4cとの間で、互いのパターンの
中心を位置合わせすることによりカラーフィルタパター
ンの適切な位置合わせを実現した後、第2色目ないし第
3色目のパターン露光を行うものであるが、既述のよう
に通常のアライナーの光源では、例えば基板上の第1色
目のアライメントマーカーの状態を示す図8(a)のよ
うに、基板1上にパターニングされた赤色のアライメン
トマーカー4a’のパターンは非パターン部と透過率の
差が少ないため判別しづらく、アライナーにかける場合
においてもコントラスト不足で位置合わせが困難とな
る。特に第3色目の青色パターン露光の際の位置合わせ
に関しては困難度が顕著である。
【0010】そこで本発明では、主に青色のパターン露
光の際、アライナーの光源と対象物(フォトマスク5b
および基板1)の間に、長波長側の波長範囲をカットす
る色フィルタ(視覚上は緑色)を設置することを考え
た。図1に示すように、Xのような分光透過率特性を持
ったフィルタを用いることにより、アライナーの光源・
フィルタ・受光器の影響を考慮した波長別の相対光量
は、色フィルタを設置しない場合の分布Aに対し、色フ
ィルタを設置した場合はBに示す分布のようになり、フ
ィルタの有無で使用する波長を制限できる。
【0011】なお、検証当初に予想されていた青色レジ
ストは図2のXに示すような波形の分光透過率であり、
上記図1のAに示すアライナー光源の相対光量(色フィ
ルタ無し)が青色レジストを通過した後の分光透過率分
布を調べると、図3のグラフのXに示すとおり、フィル
タを使用しなくても波長が制限されている分光分布にな
っていることがわかる。このため当初は、フィルタを追
加しても計測される分光分布は相対的に変化するだけで
検出信号としては変化が見られないと考えられた。
【0012】ところが現在の青色レジストは、従来のレ
ジストと大きく異なり、図2のグラフのYに示すように
長波長側(赤〜近赤外)の透過率がかなり高い分布を示
すものであることがわかった。この事情から、青色レジ
ストを透過した後の分光分布も、図3のグラフのYに示
すように長波長側の光量が大きく分布していることがわ
かる。そのため、本発明の色フィルタを使用した場合に
は、この長波長側の光量分布を大きく抑えるよう変化さ
せることができる。この効果を示したのが図4および図
5である。アライナー部において、色フィルタのない場
合(A)、色フィルタを通した場合(B)の各々につい
て、(1)基板上の非パターン部位透過部分、(2)青
色レジストによるアライメントマーカー透過部分、およ
び(3)青色レジストによるアライメントマーカーと赤
色レジストによるアライメントマーカーの重なり部の透
過部分、のそれぞれの分光分布を比較すると図4および
図5のA1〜A3,B1〜B3のグラフのようになる。
【0013】図4に示すように色フィルタのない場合に
おいては、光量分布の山が広い波長範囲に2つあるため
判定が難しくなるのに対し、図5に示すように色フィル
タを通した場合には、光量のピークは低いものの、波長
範囲は制限され、判別が容易になる。全光量の比率(グ
ラフでは曲線内の面積比となる)を比較してみると、A
2:A3=1.35:1であるのに対し、B2:B3=
2.31:1であり、検出が容易になっている。フィル
タが無い場合、長波長側(600〜700nm)の分光
が検出性能を大きく落としていることがわかる。実際に
見た場合にも、図8(b)に示すように、赤色のアライ
メントマーカー4a’を色フィルタを通して見た場合、
パターンと重なる部分はきわめて暗い色となり、重なら
ない部分との判別が容易となっている。これにより、ア
ライメントマーカー4a’と青色のパターン用フォトマ
スク5b上のアライメントマーカー4cの間での位置合
わせを的確に行うことができる。
【0014】
【実施例】本発明の実施の一例を以下に示す。液晶表示
装置用無アルカリガラスの基板1上に、フジハント社製
赤色レジスト、商品名「CR−2000」をスピンコー
タにより全面に厚さ1.0〜2.0μmの厚さにコーテ
ィングし、70℃、20分の条件でプレベークを行っ
た。そののち、フォトマスク5aを介して紫外線を露光
量120mJ/cm2でパターン露光し、現像は上記レ
ジストの専用現像液を用い、230℃、60分の条件で
ポストベークを行った。これにて、図6(b)に示すよ
うに、カラーフィルタ2の赤色パターン部位、パターン
部位の外周の外枠部3、および基板端部近辺のアライメ
ントマーカー4a′等の各パターンが形成された。
【0015】次いで第1色目の赤色パターンが形成され
た上記の基板1上に、フジハント社製緑色レジスト、商
品名「CG−2000」を同様に同条件で全面にスピン
コート、プレベークを行ったのち、上記基板1とフォト
マスク5bを重ねて近接させ、アライナーにて、基板1
上のアライメントマーカー4a′とフォトマスク5b上
のアライメントマーカー4bの透過光のパターンを位置
合わせしてから、同様にして紫外線でパターン露光、現
像、ポストベークを行った。これにて、図6(c)に示
すように、さらにカラーフィルタ2の緑色パターン部位
が追加形成された。この例のように、赤色パターンから
なるアライメントマーカー4aとその上に塗布された緑
色フィルタは補色関係にあり、両社の間の識別は可能で
あるので、光源に色フィルタを設ける必要はない。
【0016】次いで、第1色目の赤色パターンと第2色
目の緑色パターンが形成された上記の基板1上に、フジ
ハント社製青色レジスト、商品名「CB−2000」を
同様に同条件で全面にスピンコート、プレベークを行っ
たのち、上記基板1と、フォトマスク5bを重ねて近接
させ、さらに図1のXに示す分光透過率を持った視覚上
は緑色の色フィルタ(図示せず)を重ねた状態で、アラ
イナーにて、基板1上のアライメントマーカー4a’と
フォトマスク5b上のアライメントマーカー4cの透過
光のパターンを位置合わせを試み、支障無く成功した。
この後、同様にして紫外線でパターン露光、現像、ポス
トベークを行った。これにて、図6(d)に示すよう
に、さらにカラーフィルタ2の青色パターン部位が追加
形成され、カラーフィルタが完成した。
【0017】
【発明の効果】本発明の方法により、色フィルター部に
用いるレジストパターンの第1色目で作成したアライメ
ントパターンを用いて第2色目以降のフォトマスクとの
位置合わせが実現し、ブラックマトリクスもしくはアラ
イメントマーカーのためだけの黒色アライメントパター
ンの形成工程を省略することができるため、大幅な工程
省略とコストダウンが達成できる。
【0018】
【図面の簡単な説明】
【図1】Xは本発明において用いる色フィルタの分光透
過率を、また、AおよびBは、アライナー光源の光、お
よび色フィルタを通したアライナー光源の光の、波長別
の相対光量の分布を示すグラフである。
【図2】当初予想の青色レジストおよび現在の青色レジ
ストの分光透過率を示すグラフである。
【図3】本発明におけるアライナー光源が、当初予想の
青色レジストおよび現在の青色レジストを通過した後の
分光分布を示すグラフである。
【図4】本発明における、基板上の(A1)基板上の非
パターン部位透過部分、(A2)青色レジストによるア
ライメントマーカー透過部分、および(A3)青色レジ
ストによるアライメントマーカーと赤色レジストによる
アライメントマーカーの重なり部の透過部分、の各々の
分光分布を、色フィルタのない場合について示したグラ
フである。
【図5】本発明における、基板上の(B1)基板上の非
パターン部位透過部分、(B2)青色レジストによるア
ライメントマーカー透過部分、および(B3)青色レジ
ストによるアライメントマーカーと赤色レジストによる
アライメントマーカーの重なり部の透過部分、の各々の
分光分布を、色フィルタを通した場合について示したグ
ラフである。
【図6】(a)〜(d)は、本発明のカラーフィルタの
製造工程の概略を工程順に示す説明図である。
【図7】(a)本発明に用いる第1色目のパターンの露
光に用いるフォトマスクを示す説明図である。 (a’)本発明の第1色目のパターンを形成したカラー
フィルタ基板を示す説明図である。 (b)本発明に用いる第2色目および第3色目のパター
ンの露光に用いるフォトマスクを示す説明図である。
【図8】(a)本発明における、基板上の第1色目のア
ライメントマーカーの状態を、アライナーに用いるフィ
ルタをかけない場合について示した説明図である。 (b)本発明における、基板上の第1色目のアライメン
トマーカーの状態を、アライナーに用いるフィルタをか
けた場合について示した説明図である。
【符号の説明】
1 基板 2 カラーフィルタ 2’ レジスト 3 外枠部 4 アライメントマーカー 5 フォトマスク
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2H048 BA02 BA43 BA45 BA48 BB02 BB07 BB22 BB44 2H091 FA02Y FC10 LA15 LA30 2H097 KA05 KA12 KA13 KA20 KA22 LA12

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】透明基板上に3原色のカラーフィルタ層を
    順次パターン形成する液晶表示装置用カラーフィルタの
    製造方法において、フィルタ部の形成に用いる1色の着
    色レジストにて形成した外周部アライメントマーカー
    を、他の色のフィルタの形成時に画像処理にて検出し、
    マスク上のアライメントマーカーとの間で位置合わせす
    る際、アライメント用の光源に特定波長範囲をカットす
    る色フィルタを設置することにより読み取り部位間の透
    過光量比を高めて認識性能を向上させることを特徴とす
    るカラーフィルタの製造方法。
  2. 【請求項2】第1色目のパターン用のマスクに、フィル
    タ部パターンとともにアライメントマーカー部のパター
    ンを形成しておき、第2色目以降のマスク露光時のアラ
    イメント用の光源として、特定波長範囲をカットしてア
    ライメントマーカーの読み取り部位間の透過光量比を高
    める色フィルタを設置したものを用い、基板上に形成さ
    れた第1色目のパターンによるアライメントマーカーと
    第2色目以降のマスク上のアライメントマーカーを位置
    合わせして、パターン露光することを特徴とする、液晶
    表示装置用カラーフィルタの製造に用いる露光方法。
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