JP2001032146A - 強撚織物 - Google Patents
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Abstract
トレッチ性およびドライ感に優れた強撚織物を提供する
ものである。 【解決手段】本発明の上記の目的は、ウースター斑が
1.5%以下で沸騰水収縮率の標準偏差が0.50以下
である実質的にポリプロピレンテレフタレートからなる
繊維に撚り係数Kが15000以上の強撚を施した繊維
を経糸および/または緯糸に用いた織物であって、30
%伸長時の伸長回復率が95%以上、伸長応力が392
cN/cm以下である強撚織物により達成される。ただ
し、撚り係数K=T×D1/2 、T:糸長1m当たりの撚
数、D:繊維糸条の繊度(デシテックス×0.9)であ
る。
Description
びドライ感に優れた強撚織物に関するものである。
Tと略す)繊維は耐熱性、機械的特性に優れるのみなら
ず、糸加工が容易であり最も汎用的な合成繊維である。
しかしながら、PET繊維使いの布帛では、天然繊維使
いの布帛に比べ審美性、風合いが劣ってしまう。このた
め、天然繊維をターゲットとし、繊維や布帛設計に対し
様々な技術開発がなされてきた。布帛設計の技術開発の
一環として、強撚織物にも様々な工夫がなされてきた。
強撚織物とは、ポリエステルに撚り係数Kが15000
以上の強撚−撚り止めセットを施して製織することによ
って得られるが、製織後に撚り止めセットより高い熱履
歴を与えることにより、解撚を発生させ布帛表面に微細
な糸形態斑、いわゆるシボ立てにより絹織物の持つ繊細
な外観やドライ感を狙ったものである。そして、強撚織
物に対する技術開発は如何に美しいシボを立てるかとい
うことに焦点が絞られてきたのであった。
では、ある程度良好なシボ立ちが得られるのであるが、
PET繊維の初期引っ張り抵抗度が90〜100cN/
dtex程度と高く、繊維基質として硬いため、織物風
合いが硬化してしまう問題があった。このため、衣料に
した場合、布帛が硬いためドレープ性が低く、美しいシ
ルエットを表現できず安物イメージが払拭できないとい
う問題があった。さらに、織物としてのストレッチ性が
低いため体の動きに対する追従性が悪いといった実用特
性にも問題があった。特に最近はストレッチはスポーツ
用途のみでなく、衣料の快適性を向上させるための基本
機能として認知されてきており、シャツ、パンツ、スカ
ート、スーツ等にも広く求められるものとなっている。
さらに、快適性のみならず、布帛のドレープ性や可縫製
を向上させるためにも重要な機能であることが認知され
てきており、ストレッチは欠くべからざるものとなって
きつつある。
ルではなかった。
トで、ストレッチ性およびドライ感に優れた強撚織物を
提供することにある。
ウースター斑が1.5%以下で沸騰水収縮率の標準偏差
が0.50以下である実質的にポリプロピレンテレフタ
レートからなる繊維糸条に撚り係数Kが15000以上
の強撚を施した繊維糸条を経糸および/または緯糸に用
いた織物であって、30%伸長時の伸長回復率が95%
以上、伸長応力が392cN/cm以下であることを特
徴とする強撚織物により達成される。 ただし、撚り係数K=T×D1/2 T:糸長1m当たりの撚数 D:繊維糸条の繊度(デシテックス×0.9)である。
フタレート(以下PPTと略す)とは、1,3−プロパ
ンジオールとテレフタル酸の重縮合により合成されるポ
リエステルである。また、ジオール成分および酸成分の
一部が各々15mol%以下の範囲で他の共重合可能な
成分で置換されたものであってもよい。なお、共重合成
分がポリエチレングリコールの場合は15重量%以下で
あることが好ましい。また、これらは他ポリマ、艶消
剤、難燃剤、帯電防止剤、顔料などの添加物を含有して
いてもよい。
0以上の強撚を施したPPT繊維糸条を経糸および/ま
たは緯糸に使用した織物である。織物に充分なストレッ
チ性、ドライ感を与えるためにはKは15000以上と
することが重要である。Kは20000以上であれば織
物のストレッチ性が向上するため、ドレープ性が高くな
り好ましい。また、強撚織物の場合、残留トルクが過度
に強く発現し、織物表面が荒れる場合があるので、PP
T強撚糸は経糸および/または緯糸においてS撚り/Z
撚りの交互配置とすることが好ましい。
維糸条の初期引っ張り抵抗度は30cN/dtex以下
であれば、強撚織物であっても布帛がソフトとなり、優
れたドレープ性を有する織物とすることが可能となるの
で好ましい。また、充分な織物引き裂き強力を得るため
には原糸として使用するPPT繊維糸条の強度は3.0
cN/dtex以上であることが好ましい。また、強撚
糸の撚り止めセットや織物の加工工程での収縮斑による
布帛表面の荒れを防ぐためには、PPT繊維糸条の沸騰
水収縮率は15%以下であることが好ましい。
クを利用してシボを立てるものであるが、この時、解撚
斑が発生すると布帛表面が荒れたり染色斑が発生すると
いう問題が発生する。そのため、強撚用原糸として用い
る繊維は糸斑が小さいことが重要な要件となる。この問
題を解決するためには、糸長手方向の沸騰水収縮率の標
準偏差は0.50以下であることが重要である。糸長手
方向の沸騰水収縮率の標準偏差は好ましくは0.40以
下、さらに好ましくは0.30以下である。加えて、糸
長手方向の太細斑を示すウースター斑は1.5%以下で
あることが重要である。ウースター斑は好ましくは1.
0%以下である。
度は特に限定されるものではないが、単糸繊度10dt
ex以下であることが好ましい。なお、通常のPET繊
維では単糸繊度2.5dtex以下でないと布帛の粗硬
化が顕著となってしまうが、本発明ではソフト性に優れ
るPPT繊維を使用するため単糸繊度をPET繊維に比
べ太く設定しても充分なソフト性が得られる。また、原
糸として使用するPPT繊維の単糸横断面形態も特に限
定されるものではなく、丸断面、扁平断面、多葉断面、
中空断面等目的に応じて自由に設定することが可能であ
る。
適な織物とするためには織物のストレッチ性が高いこと
が重要である。通常の衣料に要求される織物伸びは20
〜30%程度あれば充分であると言われているため、本
発明で言うストレッチ性は、織物を30%伸長した場合
の伸長回復率、伸長応力で評価する。ここで、伸長回復
率とは荷重−伸長ヒステリシス曲線における回復率を示
すものであり(図1)、値が高いほど伸長に対し可逆的
な変化をする、すなわちストレッチ性が高いことを示
す。また、伸長応力とは織物を30%伸長した場合の発
生応力であり、小さいほど伸長に対する抵抗力が小さ
い、すなわち楽に衣服が伸びるソフトストレッチ性が高
いことを示すものである。これは、快適性には重要な特
性である。本発明では伸長回復率は95%以上とするも
のであり、好ましくは97%以上である。また、伸長応
力は392cN/cm(400gf/cm)以下とする
ものであり、好ましくは196cN/cm(200gf
/cm)以下、より好ましくは98cN/cm(100
gf/cm)以下である。
い強撚織物にはないソフトストレッチ性を示すのである
が、これに吸湿性を付加する目的でセルロース系繊維を
混用するとさらに風合いが向上し、好ましい。また、セ
ルロース系繊維として接触冷感を有するビスコースレー
ヨン、銅アンモニアレーヨンを混用すると、さらにドラ
イ感が向上し好ましい。混用方法は特に限定されるもの
ではないが、PPT繊維糸条中にセルロース系繊維を混
繊したり、織物中に経糸および/または緯糸として、セ
ルロース系繊維糸条を交織したりすることができるが、
経糸にセルロース系繊維糸条を使用する交織が、セルロ
ース系繊維の特徴を発現させやすく好ましい。セルロー
ス系繊維糸条の混率は布帛で、10〜70重量%である
ことが好ましい。
ものではないが、例えば以下の製造方法で得ることがで
きる。まず、極限粘度[η]≧1.0のPPTを紡糸温
度260℃で紡糸し、2500m/分以上の速度で引き
取る。その後、延伸熱処理を行い強撚用原糸となるPP
T延伸糸を得る。この時、引き取った繊維をそのまま延
伸熱処理後巻き取る、いわゆる紡糸直接延伸法や、一旦
繊維を巻き取り、その後改めて延伸熱処理を施すいわゆ
る2工程法を採用することができる。
巻き取った後に、パッケージ上で顕著な遅延収縮が発生
してしまうという問題が生じる。これにより、パッケー
ジ内層部、外層部で収縮斑による物性差が発生してしま
うのみならず、外層部、内層部の中でも物性差が発生
し、糸斑が劣悪となってしまうのである。このため、本
発明においては、遅延収縮を抑制するため紡糸や延伸時
の巻き取り前に弛緩処理および/または熱処理を行い、
遅延収縮を吸収、消去しておくことが重要である。ま
た、紡糸速度としては2500m/分以上として結晶化
を進め、遅延収縮を抑制することが重要である。
略図である。図2において、1はスピンブロックであ
り、該スピンブロック1には、不織布よりなるフィルタ
ー2および口金3が装着されている。4はチムニーであ
り、口金3より吐出された糸条5を冷却している。紡糸
糸条5は給油ガイド6により紡糸油剤を付与され、交絡
ガイド7により交絡が付与され、第1ゴデットローラー
8および第2ゴデットローラー9を介して巻き取り糸1
0として巻き取られる。
略図である。図3において、未延伸糸11は、フィード
ローラー12とドローローラー15との間に設けられた
第1ホットローラー13、第2ホットローラー14で延
伸熱処理され、延伸糸16として巻き取られる。
過程で熱処理する様子あるいは紡糸直接延伸の様子を示
す概略図である。図4において、1はスピンブロックで
あり、該スピンブロック1には、不織布よりなるフィル
ター2および口金3が装着されている。4はチムニーで
あり、口金3より吐出された糸条5を冷却している。紡
糸糸条5は給油ガイド6により紡糸油剤を付与され、交
絡ガイド7により交絡が付与され、第1ホットネルソン
ローラー17および第2ホットネルソンローラー18お
よび第3ホットネルソンローラー19を介して巻き取り
糸20として巻き取られる。
3000m/分程度の未延伸糸を紡糸し巻き取る際に
は、第2ゴデットローラー(以下ゴデットローラーをG
Dと略す)9と巻き取り糸10の間で弛緩させることが
好ましいが、弛緩率は1〜5%とすることが好ましい。
なお、1GD8と2GD9の間で弛緩処理することもも
ちろん可能である。また、図4の装置で3000m/分
程度の未延伸糸を紡糸し巻き取る際には、第2ホットネ
ルソンローラー(以下ホットネルソンローラーをHNR
と略す)18で70〜130℃程度で定長熱処理するこ
とが好ましい。さらに、図4の装置で紡糸直接延伸を行
う場合には、2HNR18と3HNR19の間で5〜1
5%程度弛緩させることが好ましい。図4の装置の場合
は、もちろん3HNRで熱処理を付加することや、3H
NRと巻き取り糸20の間で弛緩処理を行うことも可能
である。また、延伸の場合には第2ホットローラー14
とドローローラー15の間で弛緩させることが好ましい
が、弛緩率は1〜10%とすることが好ましい。なお、
ドローローラー15と延伸糸16の間で弛緩することも
もちろん可能である。
イスターなどを用いて強撚を施し、次いで例えば95℃
スチームにより撚り止めセットを施す。その後、製織、
精練、中間セットを施し、必要に応じてアルカリ減量、
染色を施し、本発明の織物を得ることができる。
地からパンツ、スカート、コート等の中厚地まで衣料用
途全般に使用することが可能である。さらに、衣料用途
のみだけでなく、靴、特にストレッチブーツのような資
材用途にも適用可能である。なお、本発明は強撚織物で
あるが、本発明で使用したPPT強撚糸をニットに適用
しても優れたストレッチ性ニットが得られ好ましい。
お、実施例中の測定方法は以下の方法を用いた。 A.極限粘度[η] オルソクロロフェノール中25℃で測定した。 B.伸長回復率 JIS L1096において、サンプルの伸長(L10)
を30%伸長とした以外は、JIS L1096の伸長
回復率測定法のA法にしたがい伸長回復率を求めた(図
1、JIS L1096から転載)。この時のサンプル
のつかみ間隔は20cmとした。 C.伸長応力 JIS L1096の6.14.1のA法にしたがい荷
重−伸長曲線を描かせた。そして、30%伸長時の応力
を求めた。この時のサンプルのつかみ間隔は20cmと
した。 D.強度および初期引っ張り抵抗度 JIS L1013にしたがい測定した。 E.沸騰水収縮率 沸騰水収縮率(%)=[(L0 −L1 )/L0 )]×1
00 L0 :糸をかせ取りし、初荷重0.09cN/dtex
下で測定したかせの原長 L1 :L0 を測定したかせを実質的に荷重フリーの状態
で沸騰水中で15分間処理し、風乾後初荷重0.09c
N/dtex下でのかせ長 F.糸長手方向の沸騰水収縮率の標準偏差 東レエンジニアリング社製FTA−500を用いて、繊
維の糸長手方向の沸騰水収縮率の連続測定を行った。こ
の時、糸の供給速度20m/分、走行糸応力0.01c
N/dtexで長さ15.5cmの100℃に加熱した
湿熱処理装置に通した。そして10分間測定を行い、収
縮率の標準偏差を求めた。この時、測定糸長3.3cm
毎に生の収縮率をポイントデータとして取り込み、これ
を6点合わせて平均し1データとした。そしてそれを1
000データ集め標準偏差を計算した。このようにし
て、ノイズの測定値への影響を抑制した。 G.ウースター斑(U%) Zellweger社製USTER TESTER 1
ModelCを使用し、200m/分の速度で糸を給
糸しながらノーマルモードで測定を行った。 H.カバーファクター(CF) 織物の経方向、緯方向のカバーファクターをCF=N×
D1/2 で計算し、経方向のCFと緯方向のCFの和を織
物のCFとした。
精練を施し、180℃で中間セットした。さらに常法に
より10%のアルカリ減量処理を施した後染色、180
℃で仕上げセットを行った。このようにして得られた布
帛を、ソフト感、ドライ感、染め斑、布帛表面の美しさ
について1〜5級で官能評価した。3級以上を合格とし
た。 実施例1 [η]=1.00の酸化チタンを含まないPPTを紡糸
温度260℃で丸断面吐出孔(48ホール)から紡糸
し、3000m/分の速度で一対のゴデットローラー
(以下GDと略す)を介し、巻き取った(図2)。その
後、一対のホットローラー(以下HRと略す)を有する
延伸機を利用し、延伸熱処理を行った(図3)。この
時、1HR温度を70℃、2HR温度を130℃、1H
R/2HR間延伸倍率を1.50倍とした。なお、巻き
取った後の遅延収縮によるパッケージ端面周期斑、パッ
ケージ内層、外層の物性斑を抑制するため、紡糸/巻き
取り時には第2GDと巻き取りの間で2%弛緩させ、延
伸/巻き取り時には2HR/ドローローラー間で3%弛
緩させて巻き取った。
ィラメント、強度3.2cN/dtex、初期引っ張り
抵抗度20cN/dtex、沸騰水収縮率12%、糸長
手方向の沸騰水収縮率の標準偏差0.35、ウースター
斑0.8%であった。
を施し、95℃スチームで撚り止めセットを行った。経
糸として沸騰水収縮率が−2%の低収縮PET繊維(5
5dtex、24フィラメント)と18%の高収縮PE
T繊維(33dtex、12フィラメント)からなる異
収縮混繊糸(撚り数200T/m)を114本/インチ
で整経し、該PPT強撚糸を緯糸とし、S撚、Z撚糸を
交互に105本/インチで打ち込み、3/1ツイルを製
織した。この織物のカバーファクターは2065であっ
た。これを風合い評価したところ、ソフト感、ドライ
感、染め斑、布帛表面美しさに優れていた。また、この
染色した織物の緯糸方向のストレッチ性を評価したとこ
ろ伸長回復率98%、伸長応力79cN/cmであり、
優れたストレッチ性を示した(表1)。また、経糸に使
用した異収縮混繊糸の効果によりふくらみ感にも優れた
ものであった。
いPETを紡糸温度290℃で丸断面吐出孔(48ホー
ル)から紡糸し、第2GDと巻き取りの間で0.5%弛
緩させた以外は実施例1と同様に未延伸糸を巻き取っ
た。その後、1HR温度を90℃、1HR/2HR間延
伸倍率を1.80倍、2HR/DR間で0.3%ストレ
ッチさせて巻き取った以外は実施例1と同様に延伸を行
った。得られた延伸糸は111dtex、48フィラメ
ント、強度4.1cN/dtex、初期引っ張り抵抗度
90cN/dtex、沸騰水収縮率7%、糸長手方向の
沸騰水収縮率の標準偏差0.35、ウースター斑0.8
%であった。
織物を作成した後、風合い評価を行ったところ、ソフト
感に乏しいものであった。また、伸長回復率45%、伸
長応力3500cN/cmであり、ストレッチ性に乏し
く体の動きに追従しにくい織物であった(表1)。 実施例2 PPT延伸糸の撚り係数Kを15000とした以外は実
施例1と同様に織物を作成し、評価を行ったところ、ソ
フト感、ドライ感、染め斑、布帛表面美しさに優れ、ま
た伸長回復率95%、伸長応力350cN/cmであ
り、優れたストレッチ性を示した(表1)。また、経糸
に使用した異収縮混繊糸の効果によりふくらみ感にも優
れたものであった。 比較例2 PPT延伸糸の撚り係数Kを10000とした以外は実
施例1と同様に織物を作成し、評価を行ったところ、ソ
フト感、ドライ感に劣り、また伸長回復率75%、伸長
応力1020cN/cmであり、ストレッチ性に乏しい
ものであった(表1)。 実施例3 織り組織を平織りとした以外は実施例1と同様に織物を
作成し、評価を行ったところ、ソフト感、ドライ感、染
め斑、布帛表面美しさに優れ、また伸長回復率97%、
伸長応力94cN/cmであり、優れたストレッチ性を
示した(表1)。また、経糸に使用した異収縮混繊糸の
効果によりふくらみ感にも優れたものであった。 実施例4 口金、吐出量を変更した以外は実施例1に準じ、紡糸、
延伸を行い、111dtex、24フィラメント、丸中
空断面(中空率25%)、強度3.3cN/dtex、
初期引っ張り抵抗度20cN/dtex、沸騰水収縮率
12%、糸長手方向の沸騰水収縮率の標準偏差0.4
0、ウースター斑1.0%のPPT延伸糸を準備した。
緯糸とも2糸条合糸使い(経糸176dtex、72フ
ィラメント、緯糸222dtex、48フィラメント)
とした以外は実施例3と同様に織物を作成し、評価を行
ったところ、ソフト感、ドライ感、染め斑、布帛表面美
しさに優れ、また伸長回復率97%、伸長応力194c
N/cmであり、優れたストレッチ性を示した(表
1)。また、経糸に使用した異収縮混繊糸の効果により
ふくらみ感にも優れたものであった。さらに中空断面に
よる軽量感にも優れていた。 実施例5 口金、吐出量を変更した以外は実施例1に準じ、紡糸、
延伸を行い、83dtex、24フィラメント、三葉断
面、強度3.3cN/dtex、初期引っ張り抵抗度2
0cN/dtex、沸騰水収縮率11%、糸長手方向の
沸騰水収縮率の標準偏差0.36、ウースター斑1.0
%のPPT延伸糸を準備した。
を施し、95℃スチームで撚り止めセットを行った。経
糸として沸騰水収縮率が−2%の低収縮PET繊維(3
3dtex、18フィラメント)と18%の高収縮PE
T繊維(33dtex、12フィラメント)からなる異
収縮混繊糸(撚り数200T/m)を120本/インチ
で整経し、該PPT強撚糸を緯糸とし、S撚、Z撚糸を
交互に70本/インチで打ち込み、デシンを製織した。
この織物のカバーファクターは1536であった。この
織物の評価を行ったところ、ソフト感、ドライ感、染め
斑、布帛表面美しさに優れ、また伸長回復率97%、伸
長応力80cN/cmであり、優れたストレッチ性を示
した(表1)。また、経糸に使用した異収縮混繊糸の効
果によりふくらみ感にも優れたものであった。 実施例6 紡糸速度を1500m/分、延伸倍率を2.90倍とし
た以外は実施例1に準じ、紡糸、延伸を行い、111d
tex、48フィラメント、丸断面、強度3.4cN/
dtex、初期引っ張り抵抗度25cN/dtex、沸
騰水収縮率15%、糸長手方向の沸騰水収縮率の標準偏
差0.42、ウースター斑1.3%のPPT延伸糸を準
備した。
1と同様に織物を作成し、評価を行ったところ、ソフト
感、ドライ感、染め斑、布帛表面美しさに優れ、また伸
長回復率97%、伸長応力90cN/cmであり、優れ
たストレッチ性を示した(表1)。また、経糸に使用し
た異収縮混繊糸の効果によりふくらみ感にも優れたもの
であった。 比較例3 紡糸および延伸の巻き取り時に弛緩処理を行わず、沸騰
水収縮率を低下させるため延伸の2HR温度を140℃
とした以外は、実施例6と同様に紡糸、延伸を行った。
この時は顕著な遅延収縮が発生し、紡糸/巻き取り時に
は遅延収縮によりパッケージ上で糸が巻き締まりドッフ
不可能な場合があったり、パッケージが端面から崩れる
場合があった。また、延伸時には糸切れが頻発した。得
られた延伸糸は111dtex、48フィラメント、丸
断面、強度3.3cN/dtex、初期引っ張り抵抗度
30cN/dtex、沸騰水収縮率15%、糸長手方向
の沸騰水収縮率の標準偏差0.60、ウースター斑2.
1%と糸斑の大きいものであった。
6と同様に織物を作成し、評価を行ったところ、染め
斑、布帛表面美しさが大きく劣っていた(表1)。 実施例7 経糸および緯糸を実施例1で使用したPPT強撚糸とし
てジョーゼットを製織した。この時経糸密度は101本
/インチ、緯糸密度は90本/インチとし、織物のカバ
ーファクターは1910であった。この織物の評価を行
ったところ、ソフト感、ドライ感、染め斑、布帛表面美
しさに優れ、また伸長回復率97%、伸長応力82cN
/cmであり、優れたストレッチ性を示した(表1)。 実施例8 [η]=1.00の酸化チタンを含まないPPTを紡糸
温度260℃で丸断面吐出孔(48ホール)から紡糸
し、3000m/分の速度で引き取り、そのままホット
ネルソンローラー(以下HNRと略す)を介し熱処理を
行った後巻き取った(図4)。この時、1HNR温度を
室温、2HNR温度を100℃、3HNR温度を室温、
1HNR/2HNR間延伸倍率を1.00倍とした。ま
た、巻き取った後の遅延収縮によるパッケージ端面周期
斑、パッケージ内層、外層の物性斑を抑制するため、2
HNR/3HNR間で2%弛緩させて巻き取った。な
お、糸はHRに2回巻き付けた。そして、得られた熱処
理未延伸糸を実施例1と同様に延伸した。得られた延伸
糸は111dtex、48フィラメント、強度3.2c
N/dtex、初期引っ張り抵抗度20cN/dte
x、沸騰水収縮率10%、糸長手方向の沸騰水収縮率の
標準偏差0.35、ウースター斑0.8%であった。
を施し、95℃スチームで撚り止めセットを行った。
工業(株)製銅アンモニアレーヨン“キュプラ”(83
dtex、45フィラメント)と太細を有するPET繊
維(55dtex、24フィラメント、丸断面、沸騰水
収縮率8%)を300T/mで合撚した複合糸を90本
/インチで整経し、該PPT強撚糸を緯糸とし、S撚、
Z撚糸を交互に105本/インチで打ち込み、3/1ツ
イルを製織した。この織物のカバーファクターは205
6であった。この織物を風合い評価したところ、ソフト
感、ドライ感、染め斑、布帛表面美しさに優れていた。
また、この染色した織物の緯糸方向のストレッチ性を評
価したところ伸長回復率98%、伸長応力85cN/c
mであり、優れたストレッチ性を示した(表1)。さら
に、銅アンモニアレーヨン繊維特有の大きな接触冷感に
よる高度なドライ感が発現しただけでなく、吸湿性にも
優れておりポリエステル繊維だけでは得られない優れた
風合いであった。 実施例9 [η]=1.00の酸化チタンを含まないPPTを紡糸
温度260℃で丸断面吐出孔(48ホール)から紡糸
し、3000m/分の速度で引き取り、そのまま紡糸直
接延伸法により巻き取った(図4)。この時、1HNR
温度を70℃、2HNR温度を130℃、1HNR/2
HNR間延伸倍率を1.63倍とした。また、巻き取っ
た後の遅延収縮によるパッケージ端面周期斑、パッケー
ジ内層、外層の物性斑を抑制するため、2HNR/3H
NR間で10%弛緩させて巻き取った。なお、糸はHN
Rに6回巻き付けた。得られた延伸糸は111dte
x、48フィラメント、強度3.6cN/dtex、初
期引っ張り抵抗度20cN/dtex、沸騰水収縮率7
%、糸長手方向の沸騰水収縮率の標準偏差0.25、ウ
ースター斑0.8%であった。
工業(株)製ビスコースレーヨン“Silmax”(8
3dtex、38フィラメント)と太細を有するPET
繊維(55dtex、24フィラメント、丸断面、沸騰
水収縮率8%)を300T/mで合撚した複合糸を用い
た以外は実施例8と同様に製織を行った。これを風合い
評価したところ、ソフト感、ドライ感、染め斑、布帛表
面美しさに優れていた。また、この染色した織物の緯糸
方向のストレッチ性を評価したところ伸長回復率98
%、伸長応力86cN/cmであり、優れたストレッチ
性を示した(表1)。さらに、ビスコースレーヨン繊維
特有の優れた反発感、接触冷感による優れたドライ感が
発現しただけでなく、吸湿性にも優れておりポリエステ
ル繊維だけでは得られない優れた風合いであった。 実施例10 経糸としてセルロース系繊維である東洋紡績(株)製ポ
リノジック繊維“タフセル”(単糸繊度1.7dte
x、丸断面、平均繊維長38mm、平均重合度500)
と太細を有するPET繊維(55dtex、24フィラ
メント、丸断面、沸騰水収縮率8%)を300T/mで
合撚した複合糸を用いた以外は実施例8と同様に製織を
行った。これを風合い評価したところ、ソフト感、ドラ
イ感、染め斑、布帛表面美しさに優れていた。また、こ
の染色した織物の緯糸方向のストレッチ性を評価したと
ころ伸長回復率98%、伸長応力85cN/cmであ
り、優れたストレッチ性を示した(表1)。さらに、ポ
リノジック繊維特有の優れた反発感が発現しただけでな
く、吸湿性にも優れておりポリエステル繊維だけでは得
られない優れた風合いであった。
ドライ感に優れた強撚織物により快適な衣料を提供する
ことができる。
ある。
Claims (3)
- 【請求項1】ウースター斑が1.5%以下で沸騰水収縮
率の標準偏差が0.50以下である実質的にポリプロピ
レンテレフタレートからなる繊維糸条に撚り係数Kが1
5000以上の強撚を施した繊維糸条を経糸および/ま
たは緯糸に用いた織物であって、30%伸長時の伸長回
復率が95%以上、伸長応力が392cN/cm以下で
あることを特徴とする強撚織物。 ただし、撚り係数K=T×D1/2 T:糸長1m当たりの撚数 D:繊維糸条の繊度(デシテックス×0.9) - 【請求項2】セルロース系繊維を混用していることを特
徴とする請求項1記載の強撚織物。 - 【請求項3】ポリプロピレンテレフタレート繊維が紡速
2500m/分以上の速度で紡糸された後、延伸を施さ
れ、巻き取り前に弛緩処理および/または熱処理された
繊維であることを特徴とする請求項1または2記載の強
撚織物。
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-
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