JP2001031955A - 堆積粉粒状物用表面処理剤及びそれによる流粉防止方法 - Google Patents

堆積粉粒状物用表面処理剤及びそれによる流粉防止方法

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JP2001031955A
JP2001031955A JP11205302A JP20530299A JP2001031955A JP 2001031955 A JP2001031955 A JP 2001031955A JP 11205302 A JP11205302 A JP 11205302A JP 20530299 A JP20530299 A JP 20530299A JP 2001031955 A JP2001031955 A JP 2001031955A
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meth
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water
containing vinyl
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JP11205302A
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English (en)
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Tomio Ozaki
富男 尾崎
Ichiji Watanabe
一司 渡辺
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Daicel Corp
Original Assignee
Daicel Chemical Industries Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 珪酸ソーダの耐水性及び柔軟性を改善し、従
来の堆積粉粒状物用表面処理剤では対応できない短い施
工時間内であっても、表面膜強度や耐久性を満足できる
堆積粉粒状物用表面処理剤を提供する。 【解決手段】 堆積粉粒状物用表面処理剤は、カルボキ
シル基含有ビニルモノマーとシリル基含有ビニルモノマ
ーとこれらと共重合可能な他のビニルモノマーとの共重
合体のエマルション(A)と、水溶性珪酸塩(B)と
を、固形分重量比で、(A):(B)=1:10〜1
0:1の配合割合で含む。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、無機・有機複合材
料からなる堆積粉粒状物用表面処理剤に関し、さらに詳
しくは、鉱石、石炭、窯業原料、土壌、砂等に使用す
る、耐水性及び柔軟性に優れた堆積粉粒状物用表面処理
剤及びそれによる流粉防止方法に関する。従来、製鉄工
場、コークス工場、石炭ガス製造工場、採石工場、窯業
工場等では、粉粒状物を数百トン〜数千トン貯蔵所に山
積みして保管している。これらの貯蔵所は、一般に屋外
にあり、屋根もなく、吹きさらしの状態が多いので、特
に風の強い場所などでは、砕けた微細な粉粒状物が飛散
してその近辺だけでなく、周辺のかなり広範囲な地域に
害を及ぼす。更に、屋外にあるので、当然のことながら
雨ざらしであったり、降った雨は粉粒状物に浸み込んで
しまい、少々好天が続いたくらいでは浸み込んだ水分は
そのまま蒸発することなく残存し、粉粒状物の含水率を
増加させることになる。これら含水率の増加した粉粒状
物が各種の原料や燃料として用いられると、たとえわず
かな水分増加でも水の蒸発潜熱が大きいため、熱量が余
分に増加することになる。また、含水量増加だけではな
く、微細な粉粒状物が流出し、原材料の損出になるだけ
でなく、風による飛散と同様、周辺の環境を汚染し、清
掃費用の増加につながる。また、せっかく山積みにした
粉粒状物の山が崩れ、雨がやんだ後、積み直しをしてい
るのが現状である。
【0002】
【従来の技術】このような問題を解決するために、屋外
に山積みされた粉粒状物の表面に、ポリマーの水性エマ
ルションまたはこれらをセメントと組み合わせて散布
し、形成されるポリマー皮膜により雨水の浸入を防ぎ、
且つ流出または飛散を防止する方法が取られている。
【0003】例えば、特開平3−146450号公報に
は、エチレン、酢酸ビニル及びアクリル酸エステルの共
重合体エマルションとを含む半たわみ性流炭防止用エマ
ルション組成物が開示されている。しかしながら、同号
公報記載のエマルション組成物では、硬化に長い時間を
要し、結果として施工に長時間を要する。
【0004】一方、珪酸ソーダは、乾燥皮膜の剛直性、
無機系材料との接着性、硬化剤との迅速な反応性等に優
れているので、土壌硬化剤や、急結剤等に大量に使用さ
れている。その反面、珪酸ソーダは、耐水性及び柔軟性
に著しく乏しいという欠点があり、珪酸ソーダー単独系
では、上記エマルションと同等の耐久性は得られない。
そのため、珪酸ソーダー単独系は、エマルションの硬化
を速くするための急結剤としてに用いられるに留まって
いる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明の目的
は、珪酸ソーダの耐水性及び柔軟性を改善し、従来の堆
積粉粒状物用表面処理剤では対応できない短い施工時間
内であっても、表面処理強度や耐久性を満足できる堆積
粉粒状物用表面処理剤を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するため鋭意検討の結果、珪酸ソーダに特定の水
系エマルションを混合した組成物を、堆積粉粒状物の表
面に散布し硬化することで、非常に短い施工時間内で
も、十分な表面処理強度と耐久性を有した流粉防止用表
面処理が可能になることを見出し、本発明を完成するに
至った。
【0007】すなわち本発明の第1は、カルボキシル基
含有ビニルモノマーと、シリル基含有ビニルモノマー
と、これらと共重合可能な他のビニルモノマーとの共重
合体のエマルション(A)と、 一般式M2O・xSiO2 (式中、Mは周期律表第1A族に属するアルカリ金属を
表し、xは2.0〜7.5の値を表す。)で表される水
溶性珪酸塩(B)とを、固形分重量比で、(A):
(B)=1:10〜10:1の配合割合で含む堆積粉粒
状物用表面処理剤を提供する。本発明の第2は、共重合
可能な他のビニルモノマーが、(メタ)アクリル酸エス
テル、スチレン又はスチレン誘導体、(メタ)アクリロ
ニトリル、アミド基含有ビニルモノマー及びヒドロキシ
ル基含有ビニルモノマーからなる群から選ばれる少なく
とも1種のモノマーを含むことを特徴とする本発明の第
1に記載の堆積粉粒状物用表面処理剤を提供する。本発
明の第3は、エマルション(A)が、カルボキシル基含
有ビニルモノマー1〜10重量%と、シリル基含有ビニ
ルモノマー0.1〜10重量%と、共重合可能な他のビ
ニルモノマー98.9〜80重量%とを乳化共重合させ
て得られるものであることを特徴とする本発明の第1又
は2に記載の堆積粉粒状物用表面処理剤を提供する。本
発明の第4は、共重合可能な他のビニルモノマーが(メ
タ)アクリル酸エステルと、スチレン又はスチレン誘導
体であることを特徴とする本発明の第3に記載の堆積粉
粒状物用表面処理剤を提供する。本発明の第5は、さら
に、充填材、ゲル化剤、水のいずれか1以上を含む、本
発明の第1〜3のいずれかに記載の堆積粉粒状物用表面
処理剤を提供する。本発明の第6は、本発明の第1〜4
のいずれかに記載の堆積粉粒状物用表面処理剤を、堆積
粉粒状物の表面m2当たり、固形分換算で50〜300
g散布することを特徴とする流粉防止方法を提供する。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳しく説明
する。まず、エマルション(A)を構成するビニル共重
合体について説明する。この共重合体は、カルボキシル
基含有ビニルモノマーと、シリル基含有ビニルモノマー
と、これらと共重合可能な他のビニルモノマーとの共重
合体である。
【0009】カルボキシル基含有ビニルモノマーとして
は、例えば、(メタ)アクリル酸、マレイン酸、マレイ
ン酸の半エステル化物、フマル酸、フマル酸の半エステ
ル化物、イタコン酸、イタコン酸の半エステル化物、ク
ロトン酸、ケイ皮酸等のα,β−不飽和カルボン酸;カ
ルボキシエチル(メタ)アクリレートやカルボキシプロ
ピル(メタ)アクリレートなどのカルボキシアルキル
(メタ)アクリレート;フタル酸モノヒドロキシエチル
(メタ)アクリレートやコハク酸モノヒドロキシエチル
(メタ)アクリレートなどのジカルボン酸とモノヒドロ
キシアルキル(メタ)アクリレートとのエステル等が挙
げられる。これらのうち、アクリル酸、メタクリル酸等
が、入手容易である点や他のビニル系モノマーとの共重
合性が良好である点から好ましい。これらのうちの1種
を用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。このカ
ルボキシル基含有ビニルモノマーは、ビニル共重合体に
おいて保存安定性(エマルション(A)と水溶性珪酸塩
(B)の混合安定性のことをいう。)を向上せしめる作
用がある。カルボキシル基含有ビニルモノマーは、前記
ビニル共重合体において1〜10重量%含まれることが
好ましい。カルボキシル基含有ビニルモノマーが1重量
%未満であると、エマルション(A)と水溶性珪酸塩
(B)とを混合した後、長期間保存すると分離すること
がある。一方、カルボキシル基含有ビニルモノマーが1
0重量%を超えると、長期間保存によりゲル化する場合
がある。
【0010】シリル基含有ビニルモノマーとしては、例
えば、ジビニルジメトキシシラン、ジビニルジ−β−メ
トキシエトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビ
ニルトリス−β−メトキシエトキシシラン、γ−(メ
タ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−
(メタ)アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、γ
−(メタ)アクリロキシプロピルメチルジエトキシシラ
ン等が挙げられる。これらのうち、γ−(メタ)アクリ
ロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−(メタ)アク
リロキシプロピルトリエトキシシラン等が入手容易であ
る点やアルコキシシラン基の安定性の点から好ましい。
これらのうちの1種を用いてもよいし、2種以上を併用
してもよい。このシリル基含有ビニルモノマーは、ビニ
ル共重合体において耐水性の向上作用、および流粉防止
用組成物や土壌硬化剤としての性能(強度)向上作用が
ある。シリル基含有ビニルモノマーは、前記ビニル共重
合体において0.1〜10重量%含まれることが好まし
い。シリル基含有ビニルモノマーが0.1重量%未満で
あると、強度向上効果が少なく、一方、10重量%を超
えると、重合安定性が著しく低下するなど製造上の問題
も生じやすい。
【0011】カルボキシル基含有ビニルモノマー及びシ
リル基含有ビニルモノマーと共重合可能な他のビニルモ
ノマーは、(メタ)アクリル酸エステル、スチレン又は
スチレン誘導体、(メタ)アクリロニトリル、アミド基
含有ビニルモノマー及びヒドロキシル基含有ビニルモノ
マーからなる群から選ばれる少なくとも1種のモノマー
を含むことが好ましい。
【0012】上記(メタ)アクリル酸エステルとして
は、アルキル基の炭素数が1〜12、好ましくは1〜8
の(メタ)アクリル酸アルキルエステルが挙げられる。
より具体的には、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)
アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メ
タ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブ
チル、(メタ)アクリル酸sec−ブチル、(メタ)ア
クリル酸tert−ブチル、(メタ)アクリル酸ペンチル、
(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸2−
エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メ
タ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸シク
ロヘキシル等が挙げられる。これらのうち、(メタ)ア
クリル酸メチル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メ
タ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル
酸シクロヘキシル等が入手容易である点、他のビニル系
モノマーとの共重合性が良好である点から好ましい。ま
た、これらのうちの1種を用いてもよいし、2種以上を
併用してもよい。この(メタ)アクリル酸エステルは通
常、ビニル共重合体の主たる構成成分である。
【0013】上記スチレン又はスチレン誘導体として
は、スチレン、α−メチルスチレン、p−tert−ブチル
スチレン、ビニルトルエン、モノクロルスチレン等が挙
げられる。これらのうち、スチレン、α−メチルスチレ
ン等が入手容易である点、他のビニル系モノマーとの共
重合性が良好である点から好ましい。これらのうちの1
種を用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。この
スチレン又はスチレン誘導体は、ビニル共重合体におい
て耐アルカリ性向上や親水/疎水性バランス調節の作用
がある。スチレンは、安価であり、耐アルカリ性を良好
とするため、硬質モノマーとして非常に好ましい。
【0014】上記アミド基含有ビニルモノマーとして
は、例えば、(メタ)アクリルアミド、α−エチル(メ
タ)アクリルアミド; N,N−ジメチル(メタ)アク
リルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−
メチロール(メタ)アクリルアミドなどのN−置換(メ
タ)アクリルアミド;メチレンビス(メタ)アクリルア
ミドなどのN−置換(メタ)アクリルアミド2量体;N
−ビニルピロリドン等が挙げられる。これらのうち、
(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)ア
クリルアミド等が入手容易である点や他のビニルモノマ
ーとの共重合性が良好である点から好ましい。また、こ
れらのうちの1種を用いてもよいし、2種以上を併用し
てもよい。上記ビニル共重合体の構成成分としてアミド
基含有ビニルモノマーを用いることによって、ビニル共
重合体と水溶性珪酸塩(B)との相溶性が非常に高めら
れる。
【0015】上記ヒドロキシル基含有ビニルモノマーと
しては、例えば、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレー
ト、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等が挙げ
られる。これらのうちの1種を用いてもよいし、2種以
上を併用してもよい。このヒドロキシル基含有ビニルモ
ノマーは、ビニル共重合体において保存安定性を向上せ
しめる作用がある。
【0016】さらに、ビニルモノマーとして、必要に応
じて上記の他に、塩化ビニル、酢酸ビニル、ブタジエン
などを、本発明の目的を損なわない範囲の量で用いるこ
ともできる。
【0017】本発明において、カルボキシル基含有ビニ
ルモノマー及びシリル基含有ビニルモノマーと共重合可
能な他のビニルモノマーとして、上記の各モノマーのう
ち、(メタ)アクリル酸エステルと、スチレン又はスチ
レン誘導体とを含むことがより好ましい。
【0018】エマルション(A)を構成する前記共重合
体は、例えば、カルボキシル基含有ビニルモノマー1〜
10重量%と、シリル基含有ビニルモノマー0.1〜1
0重量%と、前記の共重合可能な他のビニルモノマー9
8.9〜80重量%とを乳化共重合させて得られるもの
であり、好ましくは、共重合可能な他のビニルモノマー
として(メタ)アクリル酸エステル0〜98.9重量%
とスチレン又はスチレン誘導体0〜98.9重量%
((メタ)アクリル酸エステルとスチレン又はスチレン
誘導体の合計は98.9〜80重量%である。)とを乳
化共重合させて得られるものである。このようなモノマ
ー組成とすることにより、耐水性、保存安定性に優れる
エマルション(A)が得られる。好ましい組成は、例え
ば、カルボキシル基含有ビニルモノマー2〜8重量%、
シリル基含有ビニルモノマー0.5〜8重量%と、(メ
タ)アクリル酸エステル20〜80重量%とスチレン又
はスチレン誘導体20〜80重量%((メタ)アクリル
酸エステルとスチレン又はスチレン誘導体の合計は84
〜97.5重量%である。)である。さらに好ましい組
成は、カルボキシル基含有ビニルモノマー3〜7重量
%、シリル基含有ビニルモノマー1〜5重量%、(メ
タ)アクリル酸エステル30〜70重量%、スチレン又
はスチレン誘導体30〜70重量%((メタ)アクリル
酸エステルとスチレン又はスチレン誘導体の合計は88
〜96重量%である。)である。
【0019】乳化共重合は、公知の方法により行うこと
ができる。すなわち、共重合体を構成すべき各モノマー
を水中に乳化分散させ、ラジカル重合開始剤存在下、例
えば40〜90℃程度で攪拌し、乳化重合する。ラジカ
ル重合開始剤としては、通常のものを用いることがで
き、例えば、アゾビスイソブチロニトリル、過酸化ベン
ゾイル、過硫酸アンモニウム等を用いることができる。
ラジカル重合開始剤の使用量も、適宜選択すればよい。
【0020】次に、一般式 M2O・xSiO2 (式中、Mは周期律表第IA族に属するアルカリ金属を
表し、xは2.0〜7.5の値を表す。)で表される水
溶性珪酸塩(B)について説明する。水溶性珪酸塩
(B)におけるアルカリ金属Mとしては、Li、Na、
Kが好ましく、Naがより好ましい。また、水溶性珪酸
塩(B)におけるxは、2.0〜7.5の値である。x
が2.0未満であると得られる組成物の耐水性が劣り、
一方、xが7.5を超えると得られる組成物と石炭、鉱
石、窯業材料、砂等の堆積粉粒状物(無機質材料)との
密着性が劣る。好ましいxの値は2.0〜4.5であ
る。
【0021】また、本発明において、水溶性珪酸塩
(B)は、完全な水溶液形態であることが好ましい。コ
ロイド状のものなどは、上記堆積粉粒状物の表面及び空
隙への密着性や浸透性が劣る。また、水溶性珪酸塩
(B)の2種以上を併用することも可能である。
【0022】本発明の堆積粉粒状物用表面処理剤は、エ
マルション(A)と水溶性珪酸塩(B)とを、固形分重
量比で、(A):(B)=1:10〜10:1の配合割
合で含む。水溶性珪酸塩(B)の配合量がこの範囲より
も少ないと、堆積粉粒状物用表面処理剤と堆積粉粒状物
との密着性が悪くなり、硬化速度も小さくなる。一方、
エマルション(A)の配合量がこの範囲よりも少ない
と、耐水性や柔軟性に乏しくなる。より適切な配合割合
は、エマルション(A)のモノマー組成等によっても異
なるが、(A):(B)=2:8〜8:2であり、より
好ましい配合割合は、(A):(B)=3:7〜7:3
である。
【0023】本発明の堆積粉粒状物用表面処理剤は、ビ
ニル共重合体エマルション(A)と水溶性珪酸塩(B)
とを混合することによって得られる。また、エマルショ
ン(A)の粒径は小さければ小さいほど堆積粉粒状物表
面への造膜速度は速くなるが、エマルションの粘度が高
くなるので、0.01〜0.2μm程度にコントロール
した方がよい。エマルションの固形分濃度は、特に限定
されるものではないが30〜60重量%程度が実用的に
望ましい。本発明の散布用堆積粉粒状物用表面処理剤を
使用する際には、該処理剤をそのま使用することもでき
るが、固形分濃度20重量%まで、さらには5重量%ま
で水で希釈して使用することもできる。配合の手順とし
ては、用いる水性エマルションを固形分濃度5〜20%
になるように水で希釈しておいてこれを撹拌しながら所
定量の添加物を添加する。本発明の堆積粉粒状物用表面
処理剤は、堆積粉粒状物の表面m2当たり、固形分換算
で50〜300g(5%の濃度で1〜6リットル)、好
ましくは、50〜150g(5%の濃度で1〜3リット
ル)添加する。堆積粉粒状物用表面処理剤には、必要に
応じて、消泡剤、増粘剤、凍結安定剤、湿潤剤、顔料、
水溶性樹脂、浸透助剤などの公知の添加剤を配合しても
よい。
【0024】本発明において、前記堆積粉粒状物用表面
処理剤は、さらに、充填材、ゲル化剤、水のいずれか1
以上を含む場合がある。これらの配合は、使用目的に応
じて種々選択することができる。
【0025】充填材としては、対象となる堆積物の種類
に合わせて、例えば、石炭微粉、鉱石微粉、窯業材料微
粉、微粒砂、微粉砕石等が選ばれ、その他、硅砂、硅石
粉、タルク、クレー、水酸化アルミニウム、亜鉛華、寒
水石、マイカ粉、ケイソウ土、石コウ、炭酸バリウム、
硫酸バリウム、ガラス粉末、カルシウムメタシリケート
粉等を併用することができる。
【0026】また、ゲル化剤としては、例えば、珪弗化
ナトリウム等のけい弗化物、リン酸等の各種鉱酸、亜鉛
等の金属粉末、酸化マグネシウム、酸化亜鉛等の金属酸
化物、リン酸アルミニウム系等の各種の多価金属塩、及
び各種の有機溶剤等が挙げられる。
【0027】また、本発明は、上記の堆積粉粒状物用表
面処理剤の、硬化剤、粘結剤又は急結剤としての使用に
も関する。硬化剤は、軟弱地盤の硬化に用いられるもの
であり、漏水防止のためにセメント乳と併用されたり、
アルミン酸ソーダ等の硬化剤と併用される場合がある。
例えば、流れ防止用基礎工事を行う際において、岩石
層、砂利層、微粒砂層等を積層した後、これらを補強す
るために本発明の堆積粉粒状物用表面処理剤を含浸させ
硬化させる等の使用例が挙げられる。粘結剤は、セメン
トやモルタル等の建材の接着性、耐水性、柔軟性の向上
のために用いられるものである。急結剤は、ポルトラン
ドセメントに添加してこれを急結させるものである。本
発明の堆積粉粒状物用表面処理剤は、珪酸ソーダの耐水
性及び柔軟性を改善し、耐久性、耐水性及び柔軟性に優
れ、従来の堆積粉粒状物用表面処理剤では対応できない
短い施工時間内であっても、表面塗膜強度や耐久性を満
足できるものである。
【0028】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
るが、本発明はこれらに限定されるものではない。 (エマルションAの製造)攪拌機を備えた20リットル
の重合装置に、水4kgおよびアニオン性乳化剤水溶液
サンデントEN(三洋化成(株)製)0.6kgを仕込
み、80℃に昇温した。次に、スチレン2.4kg(5
5.1wt%、エマルションAの構成モノマーの組成比
を示す。以下同様。)、2−エチルヘキシルアクリレー
ト1.65kg(37.8wt%)、アクリル酸0.2
2kg(5.0wt%)及びγ−メタクリロキシプロピ
ルトリメトキシシラン(A−174:NUCシリコーン
(株)製)0.09kg(2.1wt%)からなるモノ
マー混合物と、開始剤として0.03kgの過硫酸カリ
ウムを水1kgに溶解した水溶液を3時間かけて滴下
し、乳化共重合を実施した。更に3時間、80℃で熟成
した後、冷却し、エマルションAを得た。このものの、
105℃で3時間乾燥後の固形分濃度は45%であっ
た。
【0029】実施例1 20℃、65%RHの環境下で、上記エマルションAを
40重量部(固形分)と、珪酸ソーダ3号を30重量部
(固形分)と、微粒炭30重量部とを、5分間ディスパ
ーで混練りし、流炭防止用の堆積粉粒状物用表面処理剤
を得た。この堆積粉粒状物用表面処理剤は、5%まで水
で希釈して、野積みされた石炭堆積物の表面m2当た
り、2リットル(固形分換算で100g)の割合で散布
した。散布処理された石炭の山は、風雨にさらされても
殆ど流れ出ることがなかった。
【0030】実施例2 20℃、65%RHの環境下で、上記エマルションAを
18重量部(固形分)と、珪酸ソーダ3号を30重量部
(固形分)と、微粒窯業材料40重量部と水12重量部
とを、5分間ディスパーで混練りし、流れ防止用の堆積
粉粒状物用表面処理剤を得た。この堆積粉粒状物用表面
処理剤は、5%まで水で希釈して、山積みされた窯業材
料堆積物の表面m2当たり、1リットル(固形分換算で
50g)の割合で散布した。散布処理された材料の山
は、放置しても殆ど流れ出ることがなかった。
【0031】実施例3 20℃、65%RHの環境下で、上記エマルションAを
9重量部(固形分)と、珪酸ソーダ3号を15重量部
(固形分)と、微粒鉱石50重量部と水26重量部と
を、5分間ディスパーで混練りし、流れ防止用の堆積粉
粒状物用表面処理剤を得た。この堆積粉粒状物用表面処
理剤は、5%まで水で希釈して、山積みされた鉱石堆積
物の表面m2当たり、1リットル(固形分換算で50
g)の割合で散布した。散布処理された鉱石の山は、放
置しても殆ど流れ出ることがなかった。
【0032】参考実施例1 一方、堆積粉粒状物用表面処理剤の他の性能を調べるた
めに実施例1の処方の微粒炭30重量部の代りに、微粒
砂30重量部を使用して組成物を製造し、該組成物をJ
IS R−5201(セメント物理試験方法)に準じ
て、成形し、材令4時間後と28日後の曲げ強さを測定
した。また、エマルションの透水性をJIS A−62
03(セメント混和用ポリマーディスパージョン)の規
定に準じて測定した。結果を表1に示す。
【0033】参考実施例2、3及び参考比較例1、2 表1に示す配合組成とした以外は、参考実施例1と同様
にして、堆積粉粒状物用表面処理剤をそれぞれ得た。得
られた各堆積粉粒状物用表面処理剤について同様の試験
を行った。結果を表1に示す。
【0034】表1より、参考実施例1〜3ではいずれ
も、4時間後と28日後の曲げ強さに優れ、短い時間内
で強度が得られる。また透水性も小さく、耐水性にも優
れる。一方、参考比較例1では、珪酸ソーダが配合され
ておらず、4時間後の曲げ強さに著しく劣る。参考比較
例2では、エマルションAが配合されておらず、曲げ強
さに著しく劣り、透水性も大きく耐水性にも劣る。
【0035】
【表1】
【0036】
【発明の効果】本発明によれば、上述のように、短い時
間内で強い表面膜強度が得られ、耐久性、耐水性及び柔
軟性に優れる堆積粉粒状物用表面処理剤が提供される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // C09K 3/18 101 C09K 3/18 101

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 カルボキシル基含有ビニルモノマーと、
    シリル基含有ビニルモノマーと、これらと共重合可能な
    他のビニルモノマーとの共重合体のエマルション(A)
    と、 一般式M2O・xSiO2 (式中、Mは周期律表第1A族に属するアルカリ金属を
    表し、xは2.0〜7.5の値を表す。)で表される水
    溶性珪酸塩(B)とを、固形分重量比で、(A):
    (B)=1:10〜10:1の配合割合で含む堆積粉粒
    状物用表面処理剤。
  2. 【請求項2】 共重合可能な他のビニルモノマーが、
    (メタ)アクリル酸エステル、スチレン又はスチレン誘
    導体、(メタ)アクリロニトリル、アミド基含有ビニル
    モノマー及びヒドロキシル基含有ビニルモノマーからな
    る群から選ばれる少なくとも1種のモノマーを含むこと
    を特徴とする請求項1に記載の堆積粉粒状物用表面処理
    剤。
  3. 【請求項3】 エマルション(A)が、カルボキシル基
    含有ビニルモノマー1〜10重量%と、シリル基含有ビ
    ニルモノマー0.1〜10重量%と、共重合可能な他の
    ビニルモノマー98.9〜80重量%とを乳化共重合さ
    せて得られるものであることを特徴とする請求項1又は
    2に記載の堆積粉粒状物用表面処理剤。
  4. 【請求項4】 共重合可能な他のビニルモノマーが(メ
    タ)アクリル酸エステルと、スチレン又はスチレン誘導
    体であることを特徴とする請求項3に記載の堆積粉粒状
    物用表面処理剤。
  5. 【請求項5】 さらに、充填材、ゲル化剤、水のいずれ
    か1以上を含む、請求項1〜3のいずれかに記載の堆積
    粉粒状物用表面処理剤。
  6. 【請求項6】 請求項1〜4のいずれかに記載の堆積粉
    粒状物用表面処理剤を、堆積粉粒状物の表面m2当た
    り、固形分換算で50〜300g散布することを特徴と
    する流粉防止方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009035647A (ja) * 2007-08-02 2009-02-19 Daiso Chemical Co Ltd 粉塵飛散抑制剤および粉塵処理方法
CN103305187A (zh) * 2013-06-28 2013-09-18 陕西煤业化工技术研究院有限责任公司 一种复合型煤尘化学抑尘剂及其制备方法
WO2021261568A1 (ja) * 2020-06-25 2021-12-30 株式会社日本触媒 粉塵飛散抑制剤

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