JP2932574B2 - セメントモルタル及び/又はコンクリート用添加剤 - Google Patents
セメントモルタル及び/又はコンクリート用添加剤Info
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- JP2932574B2 JP2932574B2 JP2053276A JP5327690A JP2932574B2 JP 2932574 B2 JP2932574 B2 JP 2932574B2 JP 2053276 A JP2053276 A JP 2053276A JP 5327690 A JP5327690 A JP 5327690A JP 2932574 B2 JP2932574 B2 JP 2932574B2
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Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の分野〕 本発明は、コア・シェル型異層化ポリマー微粒子より
なるポリマーラテックスを必須成分とする耐久性セメン
トモルタル及び耐久性コンクリート用添加剤に関する。
なるポリマーラテックスを必須成分とする耐久性セメン
トモルタル及び耐久性コンクリート用添加剤に関する。
従来、セメントモルタル及び/又はコンクリートのひ
び割れ防止、耐水性、耐摩耗性、耐薬品性、中性化防止
など、耐久性の向上のためにポリマーラテックスを添加
剤として用いる方法が知られている。これらの従来方法
においては、前記水硬性無機質組成物の諸物性や外観の
向上が一応図れるものの、未だこれら諸性能を十分に満
足させるものではなかった。
び割れ防止、耐水性、耐摩耗性、耐薬品性、中性化防止
など、耐久性の向上のためにポリマーラテックスを添加
剤として用いる方法が知られている。これらの従来方法
においては、前記水硬性無機質組成物の諸物性や外観の
向上が一応図れるものの、未だこれら諸性能を十分に満
足させるものではなかった。
即ち、均一相からなるポリマーラテックスを用いたセ
メントモルタル及び/又はコンクリートでは、高耐久性
化の重要な指標となる吸水抑制および中性化抑制の点で
効果が不十分であり、硬化体の弱点である曲げ強度を向
上させる効果も小さい。
メントモルタル及び/又はコンクリートでは、高耐久性
化の重要な指標となる吸水抑制および中性化抑制の点で
効果が不十分であり、硬化体の弱点である曲げ強度を向
上させる効果も小さい。
本発明は、上記従来の添加剤とは異なり、曲げ強度に
優れると共に耐水性、耐久性及び中性化の抑制に優れた
セメントモルタル及び/又はコンクリート(セメントを
水で固めただけの、細骨材、粗骨材を含まない、いわゆ
るセメント硬化体も含む。)を与える、新規な添加剤を
提供することをその課題とする。
優れると共に耐水性、耐久性及び中性化の抑制に優れた
セメントモルタル及び/又はコンクリート(セメントを
水で固めただけの、細骨材、粗骨材を含まない、いわゆ
るセメント硬化体も含む。)を与える、新規な添加剤を
提供することをその課題とする。
本発明によれば、コア・シエル型異層化構造を有し、
コア部とシエル部を構成する不飽和単量体の重量比が90
/10〜10/90であるポリマー微粒子からなり、 コア部の不飽和単量体の重量組成が、 アルキル基の炭素数が1〜8であるアクリル酸アルキ
ルエステル 55 〜100 重量% アルキル基の炭素数が1〜4であるメタクリル酸アル
キルエステル 0 〜 45 重量% 架橋剤 0 〜 5 重量% であって、シエル部の不飽和単量体の重量組成が、 アルキル基の炭素数が1〜8であるアクリル酸アルキ
ルエステル 5 〜 49.9重量% アルキル基の炭素数が1〜4であるメタクリル酸アル
キルエステル 45 〜 90 重量% エチレン性不飽和カルボン酸ないしその塩 0.1〜 5 重量% 架橋剤 0 〜 5 重量% であるポリマーラテックスを必須成分とするセメントモ
ルタル及び/又はコンクリート用添加剤が提供される。
コア部とシエル部を構成する不飽和単量体の重量比が90
/10〜10/90であるポリマー微粒子からなり、 コア部の不飽和単量体の重量組成が、 アルキル基の炭素数が1〜8であるアクリル酸アルキ
ルエステル 55 〜100 重量% アルキル基の炭素数が1〜4であるメタクリル酸アル
キルエステル 0 〜 45 重量% 架橋剤 0 〜 5 重量% であって、シエル部の不飽和単量体の重量組成が、 アルキル基の炭素数が1〜8であるアクリル酸アルキ
ルエステル 5 〜 49.9重量% アルキル基の炭素数が1〜4であるメタクリル酸アル
キルエステル 45 〜 90 重量% エチレン性不飽和カルボン酸ないしその塩 0.1〜 5 重量% 架橋剤 0 〜 5 重量% であるポリマーラテックスを必須成分とするセメントモ
ルタル及び/又はコンクリート用添加剤が提供される。
そして、上記特有な配合成分を有するセメントモルタ
ル及び/又はコンクリート添加剤は、曲げ強度に優れ、
またコンクリート調合時に用いる用水量(W/C)を低下
することができると共にコンクリート硬化体の耐久性、
耐候性及び中性化防止能を著しく向上させるという顕著
な作用効果を奏する。
ル及び/又はコンクリート添加剤は、曲げ強度に優れ、
またコンクリート調合時に用いる用水量(W/C)を低下
することができると共にコンクリート硬化体の耐久性、
耐候性及び中性化防止能を著しく向上させるという顕著
な作用効果を奏する。
本発明でいうコア・シェル型異層化構造とは一定温度
でポリマーラテックス粒子中の微粒子の内部が柔かく外
部が固い多層構造を称する。
でポリマーラテックス粒子中の微粒子の内部が柔かく外
部が固い多層構造を称する。
本発明に係るポリマーラテックスの第1の特徴はコア
・シェル型異層化構造を有することである。
・シェル型異層化構造を有することである。
従来の均一相からなるポリマーラテックスを添加剤と
したセメントモルタル及び/又はコンクリートは前記し
たように吸水抑制効果や中性化抑制効果が乏しく、また
曲げ強度も小さいが、本発明に係るコア・シェル型異層
化構造を有するポリマーラテックスを含有するセメント
モルタル及び/又はコンクリートは吸水および中性化抑
制効果を有し、曲げ強度も大巾に向上する。この理由は
現時点では定かでないが、次の理由によるものと推定さ
れる。一般に、低Tgの均一系ポリマーラテックスは造膜
性は良好であるが、粒子同志の合一が生じ、好ましくな
い。一方、本発明のコア・シェル型ポリマーラテックス
は高Tgのシェルを有するため、粒子同志の合一の極めて
少ない、しかも造膜性の良好なポリマーラテックスを与
えるためと思われる。
したセメントモルタル及び/又はコンクリートは前記し
たように吸水抑制効果や中性化抑制効果が乏しく、また
曲げ強度も小さいが、本発明に係るコア・シェル型異層
化構造を有するポリマーラテックスを含有するセメント
モルタル及び/又はコンクリートは吸水および中性化抑
制効果を有し、曲げ強度も大巾に向上する。この理由は
現時点では定かでないが、次の理由によるものと推定さ
れる。一般に、低Tgの均一系ポリマーラテックスは造膜
性は良好であるが、粒子同志の合一が生じ、好ましくな
い。一方、本発明のコア・シェル型ポリマーラテックス
は高Tgのシェルを有するため、粒子同志の合一の極めて
少ない、しかも造膜性の良好なポリマーラテックスを与
えるためと思われる。
本発明に係るポリマーラテックスの第2の特徴は、コ
ア部とシェル部を構成する不飽和単量体の重量比が90/1
0〜10/90、好ましくは35/65〜90/10の範囲にあることで
ある。
ア部とシェル部を構成する不飽和単量体の重量比が90/1
0〜10/90、好ましくは35/65〜90/10の範囲にあることで
ある。
コア部とシェル部を構成する不飽和単量体の重量比率
が90/10を超えると異層構造の破壊により圧縮強度、曲
げ強度、減水効果が、充分に発揮できず、また10/90未
満では吸水性や中性化抑制の改善効果が充分でない。
が90/10を超えると異層構造の破壊により圧縮強度、曲
げ強度、減水効果が、充分に発揮できず、また10/90未
満では吸水性や中性化抑制の改善効果が充分でない。
本発明のセメントモルタル及び/又はコンクリート用
添加剤の必須成分であるポリマーラテックスは上記2点
を特徴としているが、更に好ましくはポリマーラテック
スの重量分率法で計算されるシェル部のガラス転移点
(Tg)が0〜50℃、コア部のTgが10℃以下であることが
望ましい。
添加剤の必須成分であるポリマーラテックスは上記2点
を特徴としているが、更に好ましくはポリマーラテック
スの重量分率法で計算されるシェル部のガラス転移点
(Tg)が0〜50℃、コア部のTgが10℃以下であることが
望ましい。
一般にポリマーラテックスのTgは、ポリマーラテック
スの構成因子である単独の不飽和単量体のホモポリマー
のTgが既知であれば、重量分率法により次式から求める
事ができる。
スの構成因子である単独の不飽和単量体のホモポリマー
のTgが既知であれば、重量分率法により次式から求める
事ができる。
シェル部のポリマーのガラス転移点(Tg)は前記した
ように0〜50℃好ましくは5〜40℃である。Tgが50℃を
越えると、ポリマーの造膜性が悪く、ポリマーとしての
バインダー効果が劣り、更には造膜しても室温でポリマ
ーが固くなりすぎ、セメント硬化体の曲げ強度向上硬化
が小さく、吸水性、中性化の改善も充分でない。Tgが0
℃未満では用水量W/Cの低減効果が不十分である。
ように0〜50℃好ましくは5〜40℃である。Tgが50℃を
越えると、ポリマーの造膜性が悪く、ポリマーとしての
バインダー効果が劣り、更には造膜しても室温でポリマ
ーが固くなりすぎ、セメント硬化体の曲げ強度向上硬化
が小さく、吸水性、中性化の改善も充分でない。Tgが0
℃未満では用水量W/Cの低減効果が不十分である。
更に、本発明で用いるポリマーラテックスは、セメン
ト硬化体の強度及び耐水性を向上させるために、ポリマ
ー粒子の内部に架橋構造を有することが好ましい。
ト硬化体の強度及び耐水性を向上させるために、ポリマ
ー粒子の内部に架橋構造を有することが好ましい。
以下、本発明を更に詳細に説明する。
本発明のセメントモルタル及び/又はコンクリート用
添加剤の必須成分であるポリマーラテックスは不飽和単
量体を乳化重合することによって得ることができる。
添加剤の必須成分であるポリマーラテックスは不飽和単
量体を乳化重合することによって得ることができる。
本発明で使用する不飽和単量体としてはエチレン性二
重結合をもつアクリル酸エステル(例えば、アクリル酸
エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸オクチル)、メ
タクリル酸エステル(例えばメタクリル酸メチル、メタ
クリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸オ
クチル)、ブタジエン、イソプレン等のジエン類、酢酸
ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニル類、アクリロニ
トリル、α−メチルアクリロニトリル等のニトリル類等
が挙げられるが、高耐久性及び高耐候性に優れるセメン
トモルタル及び/又はコンクリートを得るためには、
(メタ)アクリル酸エステル類を用いることが望まし
い。
重結合をもつアクリル酸エステル(例えば、アクリル酸
エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸オクチル)、メ
タクリル酸エステル(例えばメタクリル酸メチル、メタ
クリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸オ
クチル)、ブタジエン、イソプレン等のジエン類、酢酸
ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニル類、アクリロニ
トリル、α−メチルアクリロニトリル等のニトリル類等
が挙げられるが、高耐久性及び高耐候性に優れるセメン
トモルタル及び/又はコンクリートを得るためには、
(メタ)アクリル酸エステル類を用いることが望まし
い。
コア部に主として使用される不飽和単量体は、アクリ
ル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸オクチル、
アクリル酸2−エチルヘキシルであり、特に好ましくは
アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸2−
エチルヘキシルが用いられる。
ル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸オクチル、
アクリル酸2−エチルヘキシルであり、特に好ましくは
アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸2−
エチルヘキシルが用いられる。
シェル部に主として使用される不飽和単量体は、メタ
クリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブ
チルであり、特に好ましくはメタクリル酸メチルが用い
られる。
クリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブ
チルであり、特に好ましくはメタクリル酸メチルが用い
られる。
またシェル部には、セメントの分散性を向上するため
に分子内にカルボキシル基とエチレン性二重結合を有す
る不飽和単量体を共重合させたものがより好ましく使用
される。このような分子内にカルボキシル基とエチレン
性二重結合を有する不飽和単量体としては、アクリル
酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル
酸、イタコン酸及びこれらのハーフエステル、ハーフア
マイドないしこれらの塩などが挙げられるが、メタクリ
ル酸を上記シェル部の不飽和単量体に対し0.1〜5重量
%共重合させておくことが特に好ましい。
に分子内にカルボキシル基とエチレン性二重結合を有す
る不飽和単量体を共重合させたものがより好ましく使用
される。このような分子内にカルボキシル基とエチレン
性二重結合を有する不飽和単量体としては、アクリル
酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル
酸、イタコン酸及びこれらのハーフエステル、ハーフア
マイドないしこれらの塩などが挙げられるが、メタクリ
ル酸を上記シェル部の不飽和単量体に対し0.1〜5重量
%共重合させておくことが特に好ましい。
更にコア部およびシェル部には強度、耐水性を向上さ
せるため1分子中に複数の官能基を有する架橋剤を共重
合させることが好ましい。
せるため1分子中に複数の官能基を有する架橋剤を共重
合させることが好ましい。
これらの架橋剤としてはトリメチロールプロパントリ
アクリレート、グリシジルアクリレート、グリシジルメ
タクリレート、ビスフェノールAポリオキシエチレン付
加体ジ(メタ)アクリレート、トリアリルイソシアヌレ
ート、N−メチロールアクリルアミドなどが挙げられコ
ア部及び又はシェル部の不飽和単量体に対し0.1〜5重
量%共重合させて用いることが好ましい。
アクリレート、グリシジルアクリレート、グリシジルメ
タクリレート、ビスフェノールAポリオキシエチレン付
加体ジ(メタ)アクリレート、トリアリルイソシアヌレ
ート、N−メチロールアクリルアミドなどが挙げられコ
ア部及び又はシェル部の不飽和単量体に対し0.1〜5重
量%共重合させて用いることが好ましい。
本発明で用いるポリマーラテックスの乳化重合用乳化
剤としては下記のアニオン性及びノニオン性のものが用
いられる。
剤としては下記のアニオン性及びノニオン性のものが用
いられる。
(1)ポリオキシアルキレンアルキルアリールエーテル
スルホネート・サルフェート塩 (2)ポリオキシアルキレンアルキルエーテルサルフェ
ート塩 R1−OAO)n−SO3M1 (式中、R1、A、n及びM1は前記と同じ) (3)ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテルエ
ーテルサルフェート塩 (式中、R1、A、n及びM1は前記と同じ) (4) (5) (式中、M1,A,n,R2及びR3は前記と同じ) (6) (式中、M1,A,n,R2及びR3は前記と同じ) (7) (式中、M1,A,n,R2及びR3は前記と同じ) (8) (式中、M1,A,n,R2及びR3は前記と同じ m :0,1 R4:−CH2−、−CH2CH2−又はフェニル基 (9) (M1,A,n,m,R2,R3及びR4は前記と同じ) 〔ノニオン性乳化剤の代表例〕 (10)ポリオキシアルキレンアルキルアリールエーテル (式中、pは0〜100好ましくは5〜70、R2,Aは前記
と同じ) (11)ポリオキシアルキレンアルキルエーテル R1−OAO)pH (式中、R1,A及びpは前記と同じ) これらアニオン性乳化剤およびノニオン性乳化剤はそ
れぞれ単独もしくは2種以上併用することができるが、
分子内にエチレンオキサイドおよびプロピレンオキサイ
ド基を有する乳化剤を1種以上用いるのが好ましい。更
に好ましくは、アニオン性乳化剤として前記(1)の化
合物を、ノニオン性乳化剤として前記(10)又は(11)
の化合物を1種以上用いるのが望ましい。
スルホネート・サルフェート塩 (2)ポリオキシアルキレンアルキルエーテルサルフェ
ート塩 R1−OAO)n−SO3M1 (式中、R1、A、n及びM1は前記と同じ) (3)ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテルエ
ーテルサルフェート塩 (式中、R1、A、n及びM1は前記と同じ) (4) (5) (式中、M1,A,n,R2及びR3は前記と同じ) (6) (式中、M1,A,n,R2及びR3は前記と同じ) (7) (式中、M1,A,n,R2及びR3は前記と同じ) (8) (式中、M1,A,n,R2及びR3は前記と同じ m :0,1 R4:−CH2−、−CH2CH2−又はフェニル基 (9) (M1,A,n,m,R2,R3及びR4は前記と同じ) 〔ノニオン性乳化剤の代表例〕 (10)ポリオキシアルキレンアルキルアリールエーテル (式中、pは0〜100好ましくは5〜70、R2,Aは前記
と同じ) (11)ポリオキシアルキレンアルキルエーテル R1−OAO)pH (式中、R1,A及びpは前記と同じ) これらアニオン性乳化剤およびノニオン性乳化剤はそ
れぞれ単独もしくは2種以上併用することができるが、
分子内にエチレンオキサイドおよびプロピレンオキサイ
ド基を有する乳化剤を1種以上用いるのが好ましい。更
に好ましくは、アニオン性乳化剤として前記(1)の化
合物を、ノニオン性乳化剤として前記(10)又は(11)
の化合物を1種以上用いるのが望ましい。
また、これらの乳化剤は不飽和単量体に対し0.5〜15
重量%、好ましくは1〜10重量%の範囲で用いるのがよ
い。重合開始剤としては、過酸化水素単独または過酸化
水素と酒石酸、クエン酸、アスコルビン酸などのカルボ
ン酸との組合せや、過酸化水素と、シュウ酸、スルフィ
ン酸およびこれらの塩類又はオキシアルデヒド類、水溶
性鉄塩などとの組合せ、過硫酸塩、過炭酸塩、過硼酸塩
類などの過酸化物及び2,2′−アソビス(2−アミノジ
プロパン)とその塩、2,2′−アソビス(N,N′−ジメチ
レン−イソブチルアミジン)とその塩、4,4′−アゾビ
ス(4−シアノ吉草酸)とその塩等の水溶性アゾ系開始
剤が使用可能である。本発明で用いるポリマーラテック
スの調製には上記水溶性アゾ系開始剤を不飽和単量体混
合物の0.1〜3重量%用いる事が好ましい。
重量%、好ましくは1〜10重量%の範囲で用いるのがよ
い。重合開始剤としては、過酸化水素単独または過酸化
水素と酒石酸、クエン酸、アスコルビン酸などのカルボ
ン酸との組合せや、過酸化水素と、シュウ酸、スルフィ
ン酸およびこれらの塩類又はオキシアルデヒド類、水溶
性鉄塩などとの組合せ、過硫酸塩、過炭酸塩、過硼酸塩
類などの過酸化物及び2,2′−アソビス(2−アミノジ
プロパン)とその塩、2,2′−アソビス(N,N′−ジメチ
レン−イソブチルアミジン)とその塩、4,4′−アゾビ
ス(4−シアノ吉草酸)とその塩等の水溶性アゾ系開始
剤が使用可能である。本発明で用いるポリマーラテック
スの調製には上記水溶性アゾ系開始剤を不飽和単量体混
合物の0.1〜3重量%用いる事が好ましい。
本発明で用いるポリマーラテックスは、上記不飽和単
量体、乳化剤、重合開始剤を用い、下記の一般的な乳化
重合法により調製することができる。
量体、乳化剤、重合開始剤を用い、下記の一般的な乳化
重合法により調製することができる。
すなわち、水相に乳化剤を溶解し、コア部不飽和単量
体の一部を可溶化させた後、重合開始剤を入れ、次いで
コア部不飽和単量体、シェル部不飽和単量体の順にその
まま滴下するモノマー滴下法あるいは乳化剤、水の一部
と、不飽和単量体を予め混合乳化して滴下するブレ乳化
法により乳化重合を行なう方法のいずれでも調製できる
が、乳化重合の欠点である重合釜あるいは撹拌羽根等へ
の重合物の付着量を低減するにはプレ乳化法の使用がよ
り好ましい。特に、コア・シェル型事層化構造を有する
ポリマーラテックスを製造する際の留意点は、コア部の
重合とシェル部の重合がブロック型の結合となる点であ
り、従って、コア部の重合終了後、数分から数時間の熟
成を行うことが好ましい。本発明で用いるポリマーラテ
ックスは固形分40重量%時の粘度が10〜1000cp(ブルッ
クフィールド型粘度計)であって、作業性が良好であ
り、また低粘度のものでは固形分を50%以上含有させる
ことも可能である。
体の一部を可溶化させた後、重合開始剤を入れ、次いで
コア部不飽和単量体、シェル部不飽和単量体の順にその
まま滴下するモノマー滴下法あるいは乳化剤、水の一部
と、不飽和単量体を予め混合乳化して滴下するブレ乳化
法により乳化重合を行なう方法のいずれでも調製できる
が、乳化重合の欠点である重合釜あるいは撹拌羽根等へ
の重合物の付着量を低減するにはプレ乳化法の使用がよ
り好ましい。特に、コア・シェル型事層化構造を有する
ポリマーラテックスを製造する際の留意点は、コア部の
重合とシェル部の重合がブロック型の結合となる点であ
り、従って、コア部の重合終了後、数分から数時間の熟
成を行うことが好ましい。本発明で用いるポリマーラテ
ックスは固形分40重量%時の粘度が10〜1000cp(ブルッ
クフィールド型粘度計)であって、作業性が良好であ
り、また低粘度のものでは固形分を50%以上含有させる
ことも可能である。
また、本発明で用いるこれらのポリマーラテックスは
その平均粒子径を2000mm未満、好ましくは500nm以下さ
らに好ましくは200nm以下にしておくことが望ましい。2
000nm以上であると、セメントモルタル及び/又はコン
クリートの強度、耐候性、耐久性、耐水性、中性化の改
善効果が不充分であると共に、小さい粒子径のものに比
べ、その使用量が多くなるので好ましくない。
その平均粒子径を2000mm未満、好ましくは500nm以下さ
らに好ましくは200nm以下にしておくことが望ましい。2
000nm以上であると、セメントモルタル及び/又はコン
クリートの強度、耐候性、耐久性、耐水性、中性化の改
善効果が不充分であると共に、小さい粒子径のものに比
べ、その使用量が多くなるので好ましくない。
ポリマーラテックスのセメント及び/又はコンクリー
トに対する混和量は、固形分として0.3〜12重量%好ま
しくは0.5〜10重量%である。0.3重量%未満では耐久
性、耐水性、中性化防止の観点から好ましくない。また
12重量%を越えると、セメント硬化体の特徴である圧縮
強度が低下し好ましくない。
トに対する混和量は、固形分として0.3〜12重量%好ま
しくは0.5〜10重量%である。0.3重量%未満では耐久
性、耐水性、中性化防止の観点から好ましくない。また
12重量%を越えると、セメント硬化体の特徴である圧縮
強度が低下し好ましくない。
また、本発明においては、流動性の向上、更には耐久
性を一層向上させるために、スルホン酸基含有ポリマー
を水硬性無機質材料とポリマーラテックスとの配合混練
時に配合しておくことが望ましい。この場合、スルホン
酸基含有ポリマーは、ポリマーラテックスに予め配合し
ておいてもよい。このようなスルホン酸基含有ポリマー
としては、例えば、リグニンスルホン酸塩、ナフタレン
スルホン酸ホルマリン縮合物、スルホン化メラミン樹
脂、ポリスチレンスルホン酸塩及びこれらの共重合体等
が挙げられる。この中でも、特にポリスチレンスルホン
酸塩がすぐれている。これらの塩の対イオンとしては、
アルカリ金属、アルカリ土類金属、アミン、アルカノー
ルアミン等があげられる。特に好ましい対イオンは、ア
ミン、アルカノールアミンであり、これらは、スルホン
酸に対して、当量比以上、3倍比以下使用するのが好ま
しい。このポリスチレンスルホン酸塩の分子量は3,000
から10万が好ましい。より好ましくは5,000〜50,000で
ある。このポリスチレンスルホン酸塩の配合量は対セメ
ントは0.01重量%から4.0重量%が好ましく、より好ま
しくは0.1重量%から2.0重量%である。0.01重量%未満
では、流動性及び減水効果(配合する水量を減少し得る
効果)の点で好ましくなく、4.0重量%を越えると、遊
離水のブリードアウトが起り、流動性が向上せず、更に
は耐水性をはじめ硬化体性能に劣るので好ましくない。
性を一層向上させるために、スルホン酸基含有ポリマー
を水硬性無機質材料とポリマーラテックスとの配合混練
時に配合しておくことが望ましい。この場合、スルホン
酸基含有ポリマーは、ポリマーラテックスに予め配合し
ておいてもよい。このようなスルホン酸基含有ポリマー
としては、例えば、リグニンスルホン酸塩、ナフタレン
スルホン酸ホルマリン縮合物、スルホン化メラミン樹
脂、ポリスチレンスルホン酸塩及びこれらの共重合体等
が挙げられる。この中でも、特にポリスチレンスルホン
酸塩がすぐれている。これらの塩の対イオンとしては、
アルカリ金属、アルカリ土類金属、アミン、アルカノー
ルアミン等があげられる。特に好ましい対イオンは、ア
ミン、アルカノールアミンであり、これらは、スルホン
酸に対して、当量比以上、3倍比以下使用するのが好ま
しい。このポリスチレンスルホン酸塩の分子量は3,000
から10万が好ましい。より好ましくは5,000〜50,000で
ある。このポリスチレンスルホン酸塩の配合量は対セメ
ントは0.01重量%から4.0重量%が好ましく、より好ま
しくは0.1重量%から2.0重量%である。0.01重量%未満
では、流動性及び減水効果(配合する水量を減少し得る
効果)の点で好ましくなく、4.0重量%を越えると、遊
離水のブリードアウトが起り、流動性が向上せず、更に
は耐水性をはじめ硬化体性能に劣るので好ましくない。
本発明においては、更に、微粒子シリカ(シリカフュ
ーム)、フライアッシュ、高炉スラグ等の躯体材と併用
することにより、耐久性を一層向上させることができる
が、この中でも特にシリカフュームが優れている。シリ
カフュームは、粉体で加えても効果があるが、本発明の
ポリマーラテックスと予め混練すると、シリカフューム
の凝集がなく、両材が均一に分散され、ポリマーセメン
トの耐久性が著しく向上する。シリカフュームの粒径は
一次粒子径0.1μm以下、一部凝集した二次粒子径は1.0
μm〜100μmのものが、またSiO2の純度70%以上のも
のが好ましい。
ーム)、フライアッシュ、高炉スラグ等の躯体材と併用
することにより、耐久性を一層向上させることができる
が、この中でも特にシリカフュームが優れている。シリ
カフュームは、粉体で加えても効果があるが、本発明の
ポリマーラテックスと予め混練すると、シリカフューム
の凝集がなく、両材が均一に分散され、ポリマーセメン
トの耐久性が著しく向上する。シリカフュームの粒径は
一次粒子径0.1μm以下、一部凝集した二次粒子径は1.0
μm〜100μmのものが、またSiO2の純度70%以上のも
のが好ましい。
更に本発明において、鉄筋入りセメントモルタル及び
/又はコンクリートの耐久性を一層向上させるには、防
錆剤の併用が有効である。併用可能な防錆剤としては、
亜硝酸塩、クロム酸塩、ケイ酸塩、リン酸塩、有機リン
酸塩、アミン類、アルキルフェノール類、メルカプタン
類、ニトロ化合物などがあるが、本発明のポリマーラテ
ックスと有機リン酸塩系防錆剤更に望ましくは1−ヒド
ロキシエタン−1,1−ジホスホン酸塩等の1−ヒドロキ
シアルカン−1,1−ジホスホン酸塩とを併用することに
より市販品の亜硝酸塩に比べ低濃度で著しい耐久性・防
錆性向上効果が得られる。
/又はコンクリートの耐久性を一層向上させるには、防
錆剤の併用が有効である。併用可能な防錆剤としては、
亜硝酸塩、クロム酸塩、ケイ酸塩、リン酸塩、有機リン
酸塩、アミン類、アルキルフェノール類、メルカプタン
類、ニトロ化合物などがあるが、本発明のポリマーラテ
ックスと有機リン酸塩系防錆剤更に望ましくは1−ヒド
ロキシエタン−1,1−ジホスホン酸塩等の1−ヒドロキ
シアルカン−1,1−ジホスホン酸塩とを併用することに
より市販品の亜硝酸塩に比べ低濃度で著しい耐久性・防
錆性向上効果が得られる。
又、本発明を実施するにあたり、必要に応じて、ノニ
オン性、アニオン性の高分子物質、着色顔料、キレート
剤、防腐剤、pH調整剤、可塑剤、早強剤、遅硬剤、導電
(帯電防止)剤、躯体材(白土類)ならびに強化剤を補
助添加成分として用いてもよい。
オン性、アニオン性の高分子物質、着色顔料、キレート
剤、防腐剤、pH調整剤、可塑剤、早強剤、遅硬剤、導電
(帯電防止)剤、躯体材(白土類)ならびに強化剤を補
助添加成分として用いてもよい。
本発明の添加剤を用いることによって、得られるセメ
ントモルタル及び/又はコンクリートは、曲げ強度が向
上すると共に、耐水性(吸水抑制性)が向上し、更には
用水量も減らせて中性化の抑制を可能とし、また耐久性
が著しく優れることから、その実用的価値が極めて高い
ものである。
ントモルタル及び/又はコンクリートは、曲げ強度が向
上すると共に、耐水性(吸水抑制性)が向上し、更には
用水量も減らせて中性化の抑制を可能とし、また耐久性
が著しく優れることから、その実用的価値が極めて高い
ものである。
従って、本発明のセメントモルタル及び/又はコンク
リート用添加剤を、建築構造物の内壁及び外壁基材、タ
イル張り用接着剤、タイル張り用目地材、床材、ACL鉄
筋防食等の防食ライニング材、貯水タンク、プール、サ
イロ、テニスコート用下地等の防水材、船舶デッキ、歩
道橋床、橋梁デッキ等のデッキカバーリング材、耐酸性
ヒューム管、GRC製品用特殊コンクリート成型品、バス
ターミナル、トンネル内、高速道路、工場等の半剛性道
路、グラスファイバー、カーボンファイバー、ポリエス
テルファイバー、ポリビニルアルコールファイバー等の
無機、有機の繊維等を併用したモルタル及びコンクリー
ト躯体の吹付け保護塗装材、カーボンファイバー、メタ
ルパウダー(フレーク)を併用した導電塗装材、電磁波
シールド材、超高強度成型品、船舶バラストタンク等の
重防食塗材、モルタル浮き補修材、斜張橋ワイヤー材、
化粧瓶、インターロッキング等の化学成型品を製造する
際に使用すると、極めて効率的な性能を示す。
リート用添加剤を、建築構造物の内壁及び外壁基材、タ
イル張り用接着剤、タイル張り用目地材、床材、ACL鉄
筋防食等の防食ライニング材、貯水タンク、プール、サ
イロ、テニスコート用下地等の防水材、船舶デッキ、歩
道橋床、橋梁デッキ等のデッキカバーリング材、耐酸性
ヒューム管、GRC製品用特殊コンクリート成型品、バス
ターミナル、トンネル内、高速道路、工場等の半剛性道
路、グラスファイバー、カーボンファイバー、ポリエス
テルファイバー、ポリビニルアルコールファイバー等の
無機、有機の繊維等を併用したモルタル及びコンクリー
ト躯体の吹付け保護塗装材、カーボンファイバー、メタ
ルパウダー(フレーク)を併用した導電塗装材、電磁波
シールド材、超高強度成型品、船舶バラストタンク等の
重防食塗材、モルタル浮き補修材、斜張橋ワイヤー材、
化粧瓶、インターロッキング等の化学成型品を製造する
際に使用すると、極めて効率的な性能を示す。
次に、本発明を更に詳細に説明するために、以下に実
施例を示すが、ポリマーラテックスの調整法および各実
施例に共通する性能評価法を下記にまとめた。
施例を示すが、ポリマーラテックスの調整法および各実
施例に共通する性能評価法を下記にまとめた。
(1)ポリマーラテックスの調製 i)試料No.1 温度計、撹拌機、還流冷却管、窒素導入管および滴下
ロートを備えたガラス製反応容器に表−1のNo.1の乳化
剤6.0重量部と水150重量部を仕込んで溶解し、系内を窒
素ガスで置換した。別に表−2のNo.1に示す不飽和単量
体混合物につき、先ずコア部用不飽和単量体混合物90.0
重量部を調整し、このうち7.5重量部を前記反応容器に
加え50℃で10分間乳化を行った。次いで60℃に昇温した
のち、2,2′−アゾビス(N,N′−ジメチレンイソブチル
アミジン)塩酸塩(VA−044)を9.0×10-3mole/水相
になるように50.0重量部の水に溶解し、前記の反応容器
に添加し、直ちに残部の不飽和単量体を18分間にわたっ
て反応容器内に連続的に滴下し、60℃で重合を行った。
ロートを備えたガラス製反応容器に表−1のNo.1の乳化
剤6.0重量部と水150重量部を仕込んで溶解し、系内を窒
素ガスで置換した。別に表−2のNo.1に示す不飽和単量
体混合物につき、先ずコア部用不飽和単量体混合物90.0
重量部を調整し、このうち7.5重量部を前記反応容器に
加え50℃で10分間乳化を行った。次いで60℃に昇温した
のち、2,2′−アゾビス(N,N′−ジメチレンイソブチル
アミジン)塩酸塩(VA−044)を9.0×10-3mole/水相
になるように50.0重量部の水に溶解し、前記の反応容器
に添加し、直ちに残部の不飽和単量体を18分間にわたっ
て反応容器内に連続的に滴下し、60℃で重合を行った。
コア部用不飽和単量体の滴下終了後、60℃で10分間塾
成し、続いて別途調整したシェル部用不飽和単量体混合
物60重量部を反応容器内に12分間にわたって連続的に滴
下し、60℃で重合を行った。不飽和単量体の滴下終了
後、60℃で90分間熟成し、室温に冷却して試料No.1を調
製した。
成し、続いて別途調整したシェル部用不飽和単量体混合
物60重量部を反応容器内に12分間にわたって連続的に滴
下し、60℃で重合を行った。不飽和単量体の滴下終了
後、60℃で90分間熟成し、室温に冷却して試料No.1を調
製した。
ii)試料No.2〜No.7、No.13〜No.18、No.20〜No.21 表−1の乳化剤及び表−2の不飽和単量体の組成で、
表−4、5、6、7記載のコア・シェル比にて試料No.1
に準拠して調製した。ここでコア部及びシェル部の不飽
和単量体の滴下時間はトータル30分間とし、重量比に応
じて按分した。
表−4、5、6、7記載のコア・シェル比にて試料No.1
に準拠して調製した。ここでコア部及びシェル部の不飽
和単量体の滴下時間はトータル30分間とし、重量比に応
じて按分した。
iii)試料No.8〜No.10 表−1のNo.1の乳化剤と表−2の不飽和単量体混合物
No.10〜No.12を用い、全量を30分間で連続的に滴下し、
均一ポリマーラテックスとした以外は、試料No.1に準拠
して調整した。
No.10〜No.12を用い、全量を30分間で連続的に滴下し、
均一ポリマーラテックスとした以外は、試料No.1に準拠
して調整した。
iv)試料No.11 試料No.9とNo.10の均一ポリマーラテックスを調整後
に60/40の重量比になるよう混合撹拌し、均一化した。
に60/40の重量比になるよう混合撹拌し、均一化した。
v)試料No.19 市販のアクリル系、ポリマーセメント用ポリマーラテ
ックスであるCTエマルジョン(大日本インキ化学工業
製)をそのまま用いた。
ックスであるCTエマルジョン(大日本インキ化学工業
製)をそのまま用いた。
vi)試料No.12 ポリマーラテックス無添加(プレーン) (vi)ポリマーラテックスの異層化の確認 異層化ポリマーラテックスの生成は以下の方法により
確認した。
確認した。
試料No.1のコア部の不飽和単量体の添加・熟成終了直
後のサンプルのポリマーラテックスを半量抜き出し、そ
のまま60℃で撹拌し、熟成を45分間続けた後冷却し、コ
ア部ポリマーラテックスとした。残りの半量にはシェル
部の不飽和単量体の半量を更に滴下を続け、滴下終了後
60℃、1時間熟成し、冷却し、コア・シェル化ポリマー
ラテックスとした。生成した各ポリマーラテックスの粒
子径を、サブミクロン粒子径アナライザー(コールター
・エレクトロニクス社製Coulter Model N4型)により測
定した。結果を表−3に示す。
後のサンプルのポリマーラテックスを半量抜き出し、そ
のまま60℃で撹拌し、熟成を45分間続けた後冷却し、コ
ア部ポリマーラテックスとした。残りの半量にはシェル
部の不飽和単量体の半量を更に滴下を続け、滴下終了後
60℃、1時間熟成し、冷却し、コア・シェル化ポリマー
ラテックスとした。生成した各ポリマーラテックスの粒
子径を、サブミクロン粒子径アナライザー(コールター
・エレクトロニクス社製Coulter Model N4型)により測
定した。結果を表−3に示す。
コア・シェル化ポリマーラテックスはコア部だけのも
のに比べ平均粒子径が大きくなっており、その値は、コ
ア部・シェル部の不飽和単量体の重量比から求めた計算
値(98nm)とほぼ等しく、粒径分布も単一ピークで変化
がないことから、確かに異層化されていることがわか
る。
のに比べ平均粒子径が大きくなっており、その値は、コ
ア部・シェル部の不飽和単量体の重量比から求めた計算
値(98nm)とほぼ等しく、粒径分布も単一ピークで変化
がないことから、確かに異層化されていることがわか
る。
(2)ガラス転移点(Tg) ポリマーラテックスのガラス転移点(Tg)は下記の式
により主モノマーであるアクリル酸ブチル、アクリル酸
エチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸のTgより求
めた。
により主モノマーであるアクリル酸ブチル、アクリル酸
エチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸のTgより求
めた。
A、B、C、D;各成分の重量比(A+B+C+D=1.
0) 尚、アクリル酸ブチルのTg(T)=218゜K、アクリル
酸エチルのTg(T)=249゜K、メタクリル酸メチルのTg
(T)=378゜K、メタクリル酸のTg(T)=501゜Kを使
用した。
0) 尚、アクリル酸ブチルのTg(T)=218゜K、アクリル
酸エチルのTg(T)=249゜K、メタクリル酸メチルのTg
(T)=378゜K、メタクリル酸のTg(T)=501゜Kを使
用した。
(3)架橋性 固形分が40重量%になるように調整したポリマーラテ
ックス30gを12cm×14cmのガラス板に均一になるように
流延し、25℃にて風乾した。このようにして得られた皮
膜を2cm×4cmに切断し、20℃のベンゼンを満たしたシャ
ーレの中に48時間浸漬し、皮膜の膨潤度、溶解性を基準
にして下の通り評価した。
ックス30gを12cm×14cmのガラス板に均一になるように
流延し、25℃にて風乾した。このようにして得られた皮
膜を2cm×4cmに切断し、20℃のベンゼンを満たしたシャ
ーレの中に48時間浸漬し、皮膜の膨潤度、溶解性を基準
にして下の通り評価した。
○;ベンゼンに浸漬前の皮膜面積(2cm×4cm)と同等
かもしくはわずかに膨潤している程度である。
かもしくはわずかに膨潤している程度である。
△;膨潤度が大きく、皮膜形状が損なわれているも
の。
の。
×;皮膜がベンゼンに溶解し均一な液状になったも
の。
の。
(4)性能評価 以上のように調整したポリマーラテックスを、ポリマ
ーセメント用混和材として用いて評価を行った。
ーセメント用混和材として用いて評価を行った。
i)ポリマーセメントの調整 普通ポルトランドセメント 1kg 山砂(木更津産) 2kg 消泡剤(非イオン系) 1g ポリマーラテックス150g(固形分で60g)および、フ
ロー値(JISR5201)が180±10になるように必要な水を
加え、パドルミキサーで混練し、練り性状の測定に供し
た。更に混練物を型枠(4.0×4.0×16.0cm)に入れ、2
日後、脱型、養生後、硬化体性能評価に供した。
ロー値(JISR5201)が180±10になるように必要な水を
加え、パドルミキサーで混練し、練り性状の測定に供し
た。更に混練物を型枠(4.0×4.0×16.0cm)に入れ、2
日後、脱型、養生後、硬化体性能評価に供した。
比較にはポリマーラテックスを含まない以外は同様の
方法で調整した試料No.10(プレーン)を用いた。
方法で調整した試料No.10(プレーン)を用いた。
ii)ポリマーセメント評価 下記の方法に準じ、練り性状と硬化体の性能評価を行
った。
った。
練り性状 ・単位容積重量;JISA1116 ・W/C ;用水量/セメント重量×100 硬化体性能 ・曲げ強度試験;JIS R 5201 ・圧縮強度試験;JIS R 5201 ・付着強度試験;JIS A 6915 ・吸水試験 ;JIS A 1404 ・摩耗性試験 ;JIS A 1451 ・乾燥収縮試験;JIS A 1129 ・中性化試験 ;4×4×16cmの直方体の供試体を、1週
間20℃、80%RHで養生を行い、CO2濃度5%、1kg/cm2の
加圧オートクレーブ中にて、3ケ月放置し、供試体を取
り出し、供試体の中間で切断し、1%フェノールフタレ
インアルコール溶液を切断面に噴霧し、赤色の消えた部
分の面積を測定し、全断面積に対する割合で中性化率を
求めた。
間20℃、80%RHで養生を行い、CO2濃度5%、1kg/cm2の
加圧オートクレーブ中にて、3ケ月放置し、供試体を取
り出し、供試体の中間で切断し、1%フェノールフタレ
インアルコール溶液を切断面に噴霧し、赤色の消えた部
分の面積を測定し、全断面積に対する割合で中性化率を
求めた。
〔実施例1〕 ポリマーラテックスを異層化した効果をポリマーセメ
ント系で検討した。結果を表−4に示す。試料No.1〜7
は本発明であり、No.8〜12は比較例である。ポリマーラ
テックスを異層化した試料No.1〜7では、練り性状及び
高耐久性ポリマーセメントの指標である、吸水率、摩耗
性、中性化率、乾燥収縮がいずれも小さく良好でありさ
らには曲げ強度、付着強度も大きく良好で圧縮強度の低
下も小さい。
ント系で検討した。結果を表−4に示す。試料No.1〜7
は本発明であり、No.8〜12は比較例である。ポリマーラ
テックスを異層化した試料No.1〜7では、練り性状及び
高耐久性ポリマーセメントの指標である、吸水率、摩耗
性、中性化率、乾燥収縮がいずれも小さく良好でありさ
らには曲げ強度、付着強度も大きく良好で圧縮強度の低
下も小さい。
一方、均一エマルジョンを用いた試料No.8〜10、試料
No.1のコア部およびシェル部の不飽和単量体を用いた均
一ポリマーラテックス(試料No.9、10)を単に混合した
だけの試料No.11では、試料No.12のプレーンよりは性能
が一部の物性で向上することがあるものの、上記諸物性
を同時に満足することは出来ない。
No.1のコア部およびシェル部の不飽和単量体を用いた均
一ポリマーラテックス(試料No.9、10)を単に混合した
だけの試料No.11では、試料No.12のプレーンよりは性能
が一部の物性で向上することがあるものの、上記諸物性
を同時に満足することは出来ない。
〔実施例2〕 表1のNo.1の乳化剤を用い、コア/シェル比を60/40
と一定とした時のTgの効果を検討した。結果を表−5に
示す。
と一定とした時のTgの効果を検討した。結果を表−5に
示す。
〔実施例3〕 表−1のNo.1の乳化剤と、表−2の如く、コア部とシ
ェル部の不飽和単量体組成がNo.1の不飽和単量体組成比
と同一であって、表−6の如く、コア部とシェル部の比
率を変化させたポリマーラテックスを用いてポリマーセ
メントとしての性能を評価した。
ェル部の不飽和単量体組成がNo.1の不飽和単量体組成比
と同一であって、表−6の如く、コア部とシェル部の比
率を変化させたポリマーラテックスを用いてポリマーセ
メントとしての性能を評価した。
結果を表−6に示す。
試料No.1、15、16は本発明の実施例、試料No.17、18
は比較例であり、更に比較として市販のポリマーセメン
ト用アクリル系ポリマーラテックスを試料No.19として
用いた。
は比較例であり、更に比較として市販のポリマーセメン
ト用アクリル系ポリマーラテックスを試料No.19として
用いた。
コア部の比率が高すぎると層破壊が起きて、諸性能が
低下する(試料No.17)また、シェル部の比率が高すぎ
ると異層化効果の発現が小さい(試料No.18)。適度な
コア・シェル比を選択すると(試料No.1、15、16)、比
較例の市販品と比べ諸性能が大巾に向上することが判
る。
低下する(試料No.17)また、シェル部の比率が高すぎ
ると異層化効果の発現が小さい(試料No.18)。適度な
コア・シェル比を選択すると(試料No.1、15、16)、比
較例の市販品と比べ諸性能が大巾に向上することが判
る。
〔実施例4〕 表−1のNo.1の乳化剤と表−2の不飽和単量体を用
い、多官能性架橋剤のポリマーセメント性能に対する影
響を検討した。結果を表−7に示す。
い、多官能性架橋剤のポリマーセメント性能に対する影
響を検討した。結果を表−7に示す。
〔実施例5〕 試料No.1をベースに用い、躯体材のシリカフューム、
高性能減水剤のポリスチレンスルホン酸カルシウム、防
錆剤の1−ヒドロキシエタン−1、1−ジホスホン酸ア
ルミニウム、亜硝酸カルシウムとの併用効果を検討し
た。防錆効果はJISA6205に準じて測定し、評価は視覚判
定で、下記の基準で行なった。
高性能減水剤のポリスチレンスルホン酸カルシウム、防
錆剤の1−ヒドロキシエタン−1、1−ジホスホン酸ア
ルミニウム、亜硝酸カルシウムとの併用効果を検討し
た。防錆効果はJISA6205に準じて測定し、評価は視覚判
定で、下記の基準で行なった。
◎;錆の発生全くなし ○;わずかに錆が発生 △;約半分の面積が錆ている ×;7〜8割に錆が発生 ××;全体が錆ている 結果を表−8に示す。
試料No.1、No.22〜No.25は本発明の実施例であり、試
料No.12は比較例である。
料No.12は比較例である。
異層化ポリマーラテックスに更に、シリカフュームや
ポリスチレンスルホン酸カルシウムを併用することによ
り、高耐久化の尺度である吸水率、中性化を一層、向上
でき、曲げ強度も増大することができる。またモルタル
(コンクリート)劣化の主因子の1つである錆の発生を
抑える防錆剤との併用でも吸水率、中性化率、曲げ強度
などにおける本発明の効果を減ずることなく錆の発生を
抑制できる。特に市販防錆剤のほとんどを占める亜硝酸
カルシウムと比べ、1−ヒドロキシエタン−1、1−ジ
ホスホン酸塩である有機リン系防錆剤と併用すると少量
で著しい防錆効果が発揮できることが判る。
ポリスチレンスルホン酸カルシウムを併用することによ
り、高耐久化の尺度である吸水率、中性化を一層、向上
でき、曲げ強度も増大することができる。またモルタル
(コンクリート)劣化の主因子の1つである錆の発生を
抑える防錆剤との併用でも吸水率、中性化率、曲げ強度
などにおける本発明の効果を減ずることなく錆の発生を
抑制できる。特に市販防錆剤のほとんどを占める亜硝酸
カルシウムと比べ、1−ヒドロキシエタン−1、1−ジ
ホスホン酸塩である有機リン系防錆剤と併用すると少量
で著しい防錆効果が発揮できることが判る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C04B 24/26
Claims (2)
- 【請求項1】コア・シエル型異層化構造を有し、コア部
とシエル部を構成する不飽和単量体の重量比が90/10〜1
0/90であるポリマー微粒子からなり、コア部の不飽和単
量体の重量組成が、 アルキル基の炭素数が1〜8であるアクリル酸アルキル
エステル 55 〜100 重量% アルキル基の炭素数が1〜4であるメタクリル酸アルキ
ルエステル 0 〜 45 重量% 架橋剤 0 〜 5 重量% であって、シエル部の不飽和単量体の重量組成が、 アルキル基の炭素数が1〜8であるアクリル酸アルキル
エステル 5 〜 49.9重量% アルキル基の炭素数が1〜4であるメタクリル酸アルキ
ルエステル 45 〜 90 重量% エチレン性不飽和カルボン酸ないしその塩 0.1〜 5 重量% 架橋剤 0 〜 5 重量% であるポリマーラッテクスを必須成分とするセメントモ
ルタル及び/又はコンクリート用添加剤。 - 【請求項2】該ポリマー微粒子が、架橋構造を有するこ
とを特徴とする請求項1のセメントモルタル及び/又は
コンクリート用添加剤。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
EP19900107696 EP0405084A3 (en) | 1989-06-30 | 1990-04-24 | Additive for cement mortar and/or concrete |
Applications Claiming Priority (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP16889089 | 1989-06-30 | ||
JP1-168890 | 1989-06-30 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH03205333A JPH03205333A (ja) | 1991-09-06 |
JP2932574B2 true JP2932574B2 (ja) | 1999-08-09 |
Family
ID=15876467
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2053276A Expired - Lifetime JP2932574B2 (ja) | 1989-06-30 | 1990-03-05 | セメントモルタル及び/又はコンクリート用添加剤 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2932574B2 (ja) |
Families Citing this family (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4595392B2 (ja) * | 2004-06-04 | 2010-12-08 | 宇部興産株式会社 | ポリマーセメント組成物 |
WO2020045515A1 (ja) * | 2018-08-31 | 2020-03-05 | 株式会社日本触媒 | 水硬性材料用添加剤 |
CN112689505B (zh) * | 2018-09-26 | 2024-09-10 | 日绊株式会社 | 含水贴剂 |
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