JPH0986992A - レジンコンクリートおよびレジンモルタル - Google Patents
レジンコンクリートおよびレジンモルタルInfo
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- JPH0986992A JPH0986992A JP26648095A JP26648095A JPH0986992A JP H0986992 A JPH0986992 A JP H0986992A JP 26648095 A JP26648095 A JP 26648095A JP 26648095 A JP26648095 A JP 26648095A JP H0986992 A JPH0986992 A JP H0986992A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 樹脂配合量が少ないにもかかわらず、優
れた施工性や強度を維持する。 【解決手段】 シランカップリング剤は、一般式:Y〜
CH2 SiX3 〔X:アルコキシ基やハロゲンなどの加
水分解性の置換基、Y:メタクリル基、ビニル基、エポ
キシ基、アミノ基等の有機官能基〕で表され、γ−メタ
クリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリ
ロキシプロピルジメトキシメチルシラン、メタクリロキ
シプロピルメチルジクロロシラン、などが例示される。
シランカップリング剤の含有量が充填材に対して0.1
重量%未満では、添加効果がなく、他方、2重量%を越
えて配合しても、添加効果の向上がなく経済的でない。
れた施工性や強度を維持する。 【解決手段】 シランカップリング剤は、一般式:Y〜
CH2 SiX3 〔X:アルコキシ基やハロゲンなどの加
水分解性の置換基、Y:メタクリル基、ビニル基、エポ
キシ基、アミノ基等の有機官能基〕で表され、γ−メタ
クリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリ
ロキシプロピルジメトキシメチルシラン、メタクリロキ
シプロピルメチルジクロロシラン、などが例示される。
シランカップリング剤の含有量が充填材に対して0.1
重量%未満では、添加効果がなく、他方、2重量%を越
えて配合しても、添加効果の向上がなく経済的でない。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はレジンコンクリート
およびレジンモルタルに関するものである。
およびレジンモルタルに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、耐久性や強度特性に優れたレジン
コンクリ−トおよびレジンモルタルが、プレキャスト製
品として、また現場打設の可能な土木用材料として利用
されている。しかしながら、その用途は、道路や水路、
ダムなどの小規模な補修が中心であり、新設トンネルの
ライニングに適用された数例を除けば、大規模な適用事
例はない。これは、セメントコンクリ−トに比べて、レ
ジンコンクリ−ト(モルタル)の価格が高いこと、取り
扱いにさまざまな制約があることなどが原因である。
コンクリ−トおよびレジンモルタルが、プレキャスト製
品として、また現場打設の可能な土木用材料として利用
されている。しかしながら、その用途は、道路や水路、
ダムなどの小規模な補修が中心であり、新設トンネルの
ライニングに適用された数例を除けば、大規模な適用事
例はない。これは、セメントコンクリ−トに比べて、レ
ジンコンクリ−ト(モルタル)の価格が高いこと、取り
扱いにさまざまな制約があることなどが原因である。
【0003】近年、セメントコンクリ−トなみの優れた
施工性を有する、低粘性の樹脂を採用したレジンコンク
リ−トが用いられるようになり、取り扱い上の問題は徐
々に解決しつつあるが、このようなレジンコンクリ−ト
も依然高価であり、価格の低減化が求められている。
施工性を有する、低粘性の樹脂を採用したレジンコンク
リ−トが用いられるようになり、取り扱い上の問題は徐
々に解決しつつあるが、このようなレジンコンクリ−ト
も依然高価であり、価格の低減化が求められている。
【0004】周知のように、レジンコンクリ−トは結合
材としての樹脂、フィラーと呼ばれる無機質充填材、細
骨材および粗骨材から構成されているが、レジンコンク
リ−トが高価な要因は、価格の高い樹脂をセメントコン
クリ−トにおける水のように、多量に使用することに他
ならない。
材としての樹脂、フィラーと呼ばれる無機質充填材、細
骨材および粗骨材から構成されているが、レジンコンク
リ−トが高価な要因は、価格の高い樹脂をセメントコン
クリ−トにおける水のように、多量に使用することに他
ならない。
【0005】安価なレジンコンクリ−トを得ようとし
て、単純に樹脂配合量を低減しても、これに伴い、通
常、施工性や強度、耐久性などが失われるため、容認す
ることはできない。また、樹脂に代えて、無機質充填材
を多量に用いる場合、これが樹脂を吸収する性質を有す
るため、調製されたレジンコンクリ−トは、パサパサで
施工性の悪いものになり易い。また同時に、強度や耐久
性も低下することも良く知られている。
て、単純に樹脂配合量を低減しても、これに伴い、通
常、施工性や強度、耐久性などが失われるため、容認す
ることはできない。また、樹脂に代えて、無機質充填材
を多量に用いる場合、これが樹脂を吸収する性質を有す
るため、調製されたレジンコンクリ−トは、パサパサで
施工性の悪いものになり易い。また同時に、強度や耐久
性も低下することも良く知られている。
【0006】例えば、特公昭59−47699号公報に
は、結晶性不飽和ポリエステル樹脂を結合材の一部とす
るレジンコンクリ−ト用混和物の調製方法が開示されて
いる。この方法は、無機充填材の種類や粒径によって樹
脂割合を調整する必要がない点、および無機充填材の配
合量を増しても良い点が優れており、プレキャスト用レ
ジンコンクリ−トの調製方法として有効である。しかし
ながら、大量打設を要する土木分野での現場施工にお
いては、無機充填材の種類やその配合割合を事前に決定
することが一般的であり、そのメリットは左程多くな
く、逆に、現場施工では煩雑である。さらに、調製し
たレジンコンクリ−トは粉末状で、成形に100℃の高
温を要するので、現場打設に用いることは殆ど不可能で
ある。
は、結晶性不飽和ポリエステル樹脂を結合材の一部とす
るレジンコンクリ−ト用混和物の調製方法が開示されて
いる。この方法は、無機充填材の種類や粒径によって樹
脂割合を調整する必要がない点、および無機充填材の配
合量を増しても良い点が優れており、プレキャスト用レ
ジンコンクリ−トの調製方法として有効である。しかし
ながら、大量打設を要する土木分野での現場施工にお
いては、無機充填材の種類やその配合割合を事前に決定
することが一般的であり、そのメリットは左程多くな
く、逆に、現場施工では煩雑である。さらに、調製し
たレジンコンクリ−トは粉末状で、成形に100℃の高
温を要するので、現場打設に用いることは殆ど不可能で
ある。
【0007】また、特開昭60−176958号公報に
は、不飽和ポリエステル樹脂を結合材とし、微粒炭酸カ
ルシウムを充填材に用いたレジンモルタルであって、樹
脂含有率を10〜30重量%としたレジンモルタルが開
示されている。しかし、不飽和ポリエステル樹脂は、も
ともと粘性が高いので、セメントコンクリ−ト(モルタ
ル)と同等程度の施工性を得ることは容易ではない。
は、不飽和ポリエステル樹脂を結合材とし、微粒炭酸カ
ルシウムを充填材に用いたレジンモルタルであって、樹
脂含有率を10〜30重量%としたレジンモルタルが開
示されている。しかし、不飽和ポリエステル樹脂は、も
ともと粘性が高いので、セメントコンクリ−ト(モルタ
ル)と同等程度の施工性を得ることは容易ではない。
【0008】一方、現場打設時の施工性に優れた、低粘
性の樹脂を用いたレジンコンクリ−トについては、飯坂
らの、「メタクリル酸メチルを用いたレジンモルタルに
関する基礎的研究」(コンクリ−ト工学年次論文報告
集、9−1、1987年)がある。当該報告の中では、
樹脂(バインダ−)の配合量が10重量%以下となった
時、レジンモルタルの強度特性は、急激に低下すること
が示されている。また、樹脂配合量が11〜14重量%
の範囲にあっても、フィラ−(重質炭酸カルシウムを採
用)と細骨材の合計重量に、フィラ−の重量が占める割
合が30%を超えると、即ち、フィラ−に吸収される樹
脂の量が一定量を超えると、レジンモルタルの強度が低
下することが示されている。
性の樹脂を用いたレジンコンクリ−トについては、飯坂
らの、「メタクリル酸メチルを用いたレジンモルタルに
関する基礎的研究」(コンクリ−ト工学年次論文報告
集、9−1、1987年)がある。当該報告の中では、
樹脂(バインダ−)の配合量が10重量%以下となった
時、レジンモルタルの強度特性は、急激に低下すること
が示されている。また、樹脂配合量が11〜14重量%
の範囲にあっても、フィラ−(重質炭酸カルシウムを採
用)と細骨材の合計重量に、フィラ−の重量が占める割
合が30%を超えると、即ち、フィラ−に吸収される樹
脂の量が一定量を超えると、レジンモルタルの強度が低
下することが示されている。
【0009】さらに、特開平3−285853号公報に
は、メタクリル酸メチルを用いた水中硬化性レジンコン
クリ−ト組成物に関して、結合材を調製する際にシラン
カップリング剤を添加することによって、優れた水中硬
化性および硬化体の自己層間接着性を得ることが開示さ
れている。
は、メタクリル酸メチルを用いた水中硬化性レジンコン
クリ−ト組成物に関して、結合材を調製する際にシラン
カップリング剤を添加することによって、優れた水中硬
化性および硬化体の自己層間接着性を得ることが開示さ
れている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、優れた施工
性や強度を維持しながら、樹脂配合量の少ないレジンコ
ンクリ−トおよびレジンモルタルを提供することを目的
とするものである。
性や強度を維持しながら、樹脂配合量の少ないレジンコ
ンクリ−トおよびレジンモルタルを提供することを目的
とするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明のレジンコンクリ
ートは、50〜92重量部の骨材、3〜6重量部のメタ
クリレート樹脂、5〜44重量部の充填材、および該充
填材に対して0.1〜2重量%のシランカップリング剤
を含有してなり、JIS A 1101(コンクリートのスランプ
試験方法)に準拠した方法で測定されるスランプ値が1
2〜21cmの範囲にあることを特徴とするものであ
る。前記充填材は、アルミナ系またはシリカ系の無機質
充填材であることが好ましい。
ートは、50〜92重量部の骨材、3〜6重量部のメタ
クリレート樹脂、5〜44重量部の充填材、および該充
填材に対して0.1〜2重量%のシランカップリング剤
を含有してなり、JIS A 1101(コンクリートのスランプ
試験方法)に準拠した方法で測定されるスランプ値が1
2〜21cmの範囲にあることを特徴とするものであ
る。前記充填材は、アルミナ系またはシリカ系の無機質
充填材であることが好ましい。
【0012】本発明のレジンモルタルは、30〜90重
量部の骨材、5〜12重量部のメタクリレート樹脂、5
〜58重量部の充填材、および該充填材に対して0.1
〜2重量%のシランカップリング剤を含有してなり、JI
S R 5201(セメントの物理試験方法)に準拠した方法で
測定されるフロー値が150以上であることを特徴とす
るものである。前記充填材は、アルミナ系またはシリカ
系の無機質充填材であることが好ましい。
量部の骨材、5〜12重量部のメタクリレート樹脂、5
〜58重量部の充填材、および該充填材に対して0.1
〜2重量%のシランカップリング剤を含有してなり、JI
S R 5201(セメントの物理試験方法)に準拠した方法で
測定されるフロー値が150以上であることを特徴とす
るものである。前記充填材は、アルミナ系またはシリカ
系の無機質充填材であることが好ましい。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好適な実施形態に
ついて説明する。本発明のレジンコンクリートには、通
常一般に用いられている、砂利、砕石、玉石などの粗骨
材と、珪砂、山砂、川砂、海砂などの細骨材を用いるこ
とができる。また、レジンモルタルは前記粗骨材を欠く
ものであり、具体的には、骨材のうち、5mm篩を通る
ものを用いることができる。これらの骨材は、レジンコ
ンクリートにあっては組成物中に50〜92重量%含有
される。また、レジンモルタルにあっては組成物中に3
0〜90重量%含有される。
ついて説明する。本発明のレジンコンクリートには、通
常一般に用いられている、砂利、砕石、玉石などの粗骨
材と、珪砂、山砂、川砂、海砂などの細骨材を用いるこ
とができる。また、レジンモルタルは前記粗骨材を欠く
ものであり、具体的には、骨材のうち、5mm篩を通る
ものを用いることができる。これらの骨材は、レジンコ
ンクリートにあっては組成物中に50〜92重量%含有
される。また、レジンモルタルにあっては組成物中に3
0〜90重量%含有される。
【0014】本発明において結合材となるメタクリレー
ト樹脂は、メタクリレート系単量体の1種の単独重合体
または2種以上の組合せからなる共重合体、もしくはメ
タクリレート系単量体と、該メタクリレート系単量体と
共重合可能な他の単量体との共重合体を主成分とするも
のである。
ト樹脂は、メタクリレート系単量体の1種の単独重合体
または2種以上の組合せからなる共重合体、もしくはメ
タクリレート系単量体と、該メタクリレート系単量体と
共重合可能な他の単量体との共重合体を主成分とするも
のである。
【0015】メタクリレート系単量体としては、例え
ば、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、n
−ブチルメタクリレート、イソブチルメタクリレート、
t−ブチルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタク
リレート、シクロヘキシルメタクリレート、ラウリルメ
タクリレート等が挙げられるが、本発明ではメチルメタ
クリレートを主成分とするものが好ましい。
ば、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、n
−ブチルメタクリレート、イソブチルメタクリレート、
t−ブチルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタク
リレート、シクロヘキシルメタクリレート、ラウリルメ
タクリレート等が挙げられるが、本発明ではメチルメタ
クリレートを主成分とするものが好ましい。
【0016】メタクリレート系単量体と共重合可能な他
の単量体としては、例えば、メチルアクリレート、エチ
ルアクリレート、n−ブチルアクリレート、イソブチル
アクリレート、t−ブチルアクリレート、2−エチルヘ
キシルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、ラ
ウリルアクリレート等のアクリレート系単量体;エチレ
ングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリ
コールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコー
ルジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール
ジ(メタ)アクリレート、ブチレングリコールジ(メ
タ)アクリレート、ヘキシレングリコールジ(メタ)ア
クリレート、2,2−ビス〔4−(メタ)アクリロイル
オキシフェニル〕プロパン、2,2−ビス〔4−(メ
タ)アクリロイルオキシシクロヘキシル〕プロパン、
2,2−ビス〔3−(メタ)アクリロイルオキシ−2−
ヒドロキシプロポキシフェニル〕プロパン、トリメチロ
ールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリト
リトールテロラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリト
リトールヘキサ(メタ)アクリレート等の多官能(メ
タ)アクリレート系単量体;ジメチルマレイネート、ジ
エチルマレイネート、ジ−n−ブチルマレイネート、ジ
−t−ブチルマレイネート、ジイソブチルマレイネート
等のマレイン酸エステル系単量体;ジメチルフマレー
ト、ジエチルフマレート、ジ−n−ブチルフマレート、
ジ−t−ブチルフマレート、ジイソブチルフマレート等
のフマル酸エステル系単量体;スチレン、ビニルトルエ
ン等のビニル系単量体等が挙げられる。これらの単量体
は、1種単独あるいは2種以上を組合せて用いられる。
の単量体としては、例えば、メチルアクリレート、エチ
ルアクリレート、n−ブチルアクリレート、イソブチル
アクリレート、t−ブチルアクリレート、2−エチルヘ
キシルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、ラ
ウリルアクリレート等のアクリレート系単量体;エチレ
ングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリ
コールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコー
ルジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール
ジ(メタ)アクリレート、ブチレングリコールジ(メ
タ)アクリレート、ヘキシレングリコールジ(メタ)ア
クリレート、2,2−ビス〔4−(メタ)アクリロイル
オキシフェニル〕プロパン、2,2−ビス〔4−(メ
タ)アクリロイルオキシシクロヘキシル〕プロパン、
2,2−ビス〔3−(メタ)アクリロイルオキシ−2−
ヒドロキシプロポキシフェニル〕プロパン、トリメチロ
ールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリト
リトールテロラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリト
リトールヘキサ(メタ)アクリレート等の多官能(メ
タ)アクリレート系単量体;ジメチルマレイネート、ジ
エチルマレイネート、ジ−n−ブチルマレイネート、ジ
−t−ブチルマレイネート、ジイソブチルマレイネート
等のマレイン酸エステル系単量体;ジメチルフマレー
ト、ジエチルフマレート、ジ−n−ブチルフマレート、
ジ−t−ブチルフマレート、ジイソブチルフマレート等
のフマル酸エステル系単量体;スチレン、ビニルトルエ
ン等のビニル系単量体等が挙げられる。これらの単量体
は、1種単独あるいは2種以上を組合せて用いられる。
【0017】また、本発明において、メタクリレート樹
脂は、前記メタクリレート系単量体の1種の単独重合体
または2種以上の組合せからなる共重合体、もしくはメ
タクリレート系単量体と、該共重合可能な他の単量体と
の共重合体以外に、必要に応じて、他の成分を含有して
いてもよい。この他の成分として、例えば、ジ−2−エ
チルヘキシルフタレート、ジ−n−オクチルフタレー
ト、トリクレジルホスフェート、ジ−2−エチルヘキシ
ルアジペート等の可塑剤;パラフィンワックス等の酸素
遮断剤;各種の耐候安定剤;単量体安定化のための微量
の重合禁止剤;あるいは前記のメタクリレート系単量体
もしくはアクリレート系単量体の重合体、共重合体など
が挙げられる。
脂は、前記メタクリレート系単量体の1種の単独重合体
または2種以上の組合せからなる共重合体、もしくはメ
タクリレート系単量体と、該共重合可能な他の単量体と
の共重合体以外に、必要に応じて、他の成分を含有して
いてもよい。この他の成分として、例えば、ジ−2−エ
チルヘキシルフタレート、ジ−n−オクチルフタレー
ト、トリクレジルホスフェート、ジ−2−エチルヘキシ
ルアジペート等の可塑剤;パラフィンワックス等の酸素
遮断剤;各種の耐候安定剤;単量体安定化のための微量
の重合禁止剤;あるいは前記のメタクリレート系単量体
もしくはアクリレート系単量体の重合体、共重合体など
が挙げられる。
【0018】上記結合材はレジンコンクリート中に3〜
6重量%配合され、このように少ない配合量でも、従来
用いられてきた樹脂配合量の多いレジンコンクリートと
同等以上の強度特性を発揮する。配合量が下限値に満た
ない場合には、ワーカビリティが悪化するので好ましく
ない。また、上記結合材はレジンモルタル中には、5〜
12重量%配合され、このような少ない配合量でも、従
来の樹脂配合量の多いレジンモルタルと同等以上の性能
を有する。
6重量%配合され、このように少ない配合量でも、従来
用いられてきた樹脂配合量の多いレジンコンクリートと
同等以上の強度特性を発揮する。配合量が下限値に満た
ない場合には、ワーカビリティが悪化するので好ましく
ない。また、上記結合材はレジンモルタル中には、5〜
12重量%配合され、このような少ない配合量でも、従
来の樹脂配合量の多いレジンモルタルと同等以上の性能
を有する。
【0019】本発明の充填材としては、天然シリカ
(砂、石英、ノバキュライト等)、合成シリカ(コロイ
ダルシリカ、シリカアエロゲル等)、天然珪酸塩(カオ
リン、クレー、マイカ、タルク、ウォラストナイト
等)、合成珪酸塩(ケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミニ
ウム等)、金属(アルミニウム、銅、ブロンズ等)、金
属酸化物(アルミナ、チタニア、酸化鉄、酸化亜鉛
等)、金属水酸化物(水酸化アルミニウム、水酸化マグ
ネシウム等)、普通セメント、高炉スラグ、フライアッ
シュなどを使用することができる。但し、安価で品質が
安定していることから、従来、充填材として多用されて
いる重質炭酸カルシウムは、シランカップリング剤の添
加効果が発現しないので好ましくない。
(砂、石英、ノバキュライト等)、合成シリカ(コロイ
ダルシリカ、シリカアエロゲル等)、天然珪酸塩(カオ
リン、クレー、マイカ、タルク、ウォラストナイト
等)、合成珪酸塩(ケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミニ
ウム等)、金属(アルミニウム、銅、ブロンズ等)、金
属酸化物(アルミナ、チタニア、酸化鉄、酸化亜鉛
等)、金属水酸化物(水酸化アルミニウム、水酸化マグ
ネシウム等)、普通セメント、高炉スラグ、フライアッ
シュなどを使用することができる。但し、安価で品質が
安定していることから、従来、充填材として多用されて
いる重質炭酸カルシウムは、シランカップリング剤の添
加効果が発現しないので好ましくない。
【0020】上記充填材の中では、特に、アルミナ系ま
たはシリカ系の無機質充填材が、後述するシランカップ
リング剤との結合効果が高い点で好ましい。上記充填材
は、レジンコンクリートの場合には、組成物中に通常5
〜44重量%配合され、レジンモルタルの場合には、組
成物中に通常5〜58重量%配合される。
たはシリカ系の無機質充填材が、後述するシランカップ
リング剤との結合効果が高い点で好ましい。上記充填材
は、レジンコンクリートの場合には、組成物中に通常5
〜44重量%配合され、レジンモルタルの場合には、組
成物中に通常5〜58重量%配合される。
【0021】本発明に係るレジンコンクリートとレジン
モルタルには、前記充填材に対して0.1〜2重量%の
シランカップリング剤が含有される。シランカップリン
グ剤は、一般式:Y〜CH2 SiX3 〔X:アルコキシ
基やハロゲンなどの加水分解性の置換基、Y:メタクリ
ル基、ビニル基、エポキシ基、アミノ基等の有機官能
基〕で表され、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキ
シシラン、γ−メタクリロキシプロピルジメトキシメチ
ルシラン、メタクリロキシプロピルメチルジクロロシラ
ン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、ビニルト
リクロロシラン、ビニルトリエトキシシラン、などが例
示される。これらの中では、メタクリル基を有機官能基
Yとするγ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラ
ンなどが好ましい。
モルタルには、前記充填材に対して0.1〜2重量%の
シランカップリング剤が含有される。シランカップリン
グ剤は、一般式:Y〜CH2 SiX3 〔X:アルコキシ
基やハロゲンなどの加水分解性の置換基、Y:メタクリ
ル基、ビニル基、エポキシ基、アミノ基等の有機官能
基〕で表され、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキ
シシラン、γ−メタクリロキシプロピルジメトキシメチ
ルシラン、メタクリロキシプロピルメチルジクロロシラ
ン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、ビニルト
リクロロシラン、ビニルトリエトキシシラン、などが例
示される。これらの中では、メタクリル基を有機官能基
Yとするγ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラ
ンなどが好ましい。
【0022】上記含有量が0.1重量%未満では、シラ
ンカップリング剤の添加効果がなく、他方、2重量%を
越えて配合しても、添加効果の向上がなく経済的でな
い。シランカップリング剤の更に好ましい含有範囲は、
充填材に対して0.1〜1.2重量%である。
ンカップリング剤の添加効果がなく、他方、2重量%を
越えて配合しても、添加効果の向上がなく経済的でな
い。シランカップリング剤の更に好ましい含有範囲は、
充填材に対して0.1〜1.2重量%である。
【0023】シランカップリング剤は、レジンコンクリ
ート(モルタル)の配合前に予め、充填材の表面に被覆
されていることが好ましい。当該コーティングは、充填
材に対し所定量となるシランカップリング剤を有機溶媒
に分散させた後、充填材を加えて撹拌混合し、熟成させ
ることにより行うことができる。
ート(モルタル)の配合前に予め、充填材の表面に被覆
されていることが好ましい。当該コーティングは、充填
材に対し所定量となるシランカップリング剤を有機溶媒
に分散させた後、充填材を加えて撹拌混合し、熟成させ
ることにより行うことができる。
【0024】また、シランカップリング剤の配合方法に
は、前記充填材のコーティング以外にも、樹脂とシラン
カップリング剤の混合溶液に、無処理の充填材を添加す
る方法(以下、インテグラルブレンド法という。)を採
用することもできる。インテグラルブレンド法は、前記
充填材の表面に直接処理する方法と比べて、シランカッ
プリング剤の効果では若干劣るものの、配合が容易であ
るというメリットを有している。
は、前記充填材のコーティング以外にも、樹脂とシラン
カップリング剤の混合溶液に、無処理の充填材を添加す
る方法(以下、インテグラルブレンド法という。)を採
用することもできる。インテグラルブレンド法は、前記
充填材の表面に直接処理する方法と比べて、シランカッ
プリング剤の効果では若干劣るものの、配合が容易であ
るというメリットを有している。
【0025】本発明のレジンコンクリートは、JIS A 11
01(コンクリートのスランプ試験方法)に準拠した方法
で測定されるスランプ値が12〜21cmの範囲内にあ
ることが必要である。スランプ値がこの値を越えると材
料分離が生じ易くなる一方、スランプ値が前記値未満だ
とレジンコンクリートのワーカビリティが劣るようにな
る。当該スランプ値は、13〜19cmの範囲内にある
ことが好ましい。
01(コンクリートのスランプ試験方法)に準拠した方法
で測定されるスランプ値が12〜21cmの範囲内にあ
ることが必要である。スランプ値がこの値を越えると材
料分離が生じ易くなる一方、スランプ値が前記値未満だ
とレジンコンクリートのワーカビリティが劣るようにな
る。当該スランプ値は、13〜19cmの範囲内にある
ことが好ましい。
【0026】本発明のレジンモルタルは、JIS R 5201
(セメントの物理試験方法)に準拠した方法で測定され
るフロー値が150以上であることが必要である。フロ
ー値が150未満だとワーカビリティが劣るようにな
る。
(セメントの物理試験方法)に準拠した方法で測定され
るフロー値が150以上であることが必要である。フロ
ー値が150未満だとワーカビリティが劣るようにな
る。
【0027】本発明に係るレジンコンクリート(モルタ
ル)は、通常の方法で製造される。即ち、前記液状レジ
ン配合物に、重合触媒等を必要に応じて溶解させた後、
前記充填材と骨材、インテグラルブレンド法の場合に
は、更にシランカップリング剤を混合し、反応硬化させ
て製造する。
ル)は、通常の方法で製造される。即ち、前記液状レジ
ン配合物に、重合触媒等を必要に応じて溶解させた後、
前記充填材と骨材、インテグラルブレンド法の場合に
は、更にシランカップリング剤を混合し、反応硬化させ
て製造する。
【0028】
【実施例】以下、レジンモルタルの実施例とレジンペー
ストの参考例により、本発明を詳述する。
ストの参考例により、本発明を詳述する。
【0029】A.使用材料 (1)樹脂 結合材としての樹脂は、市販の反応硬化性メタクリル酸
メチル(以下、MMAと略記することもある。)系樹脂
シロップ(例えば、三井石化産資(株)製:シリカルR
17D)を基本材料として改良したものである。具体的
には、シリカルR17Dに、増粘性、収縮低減性、およ
び反応性を改善することを目的として、MMAの重合体
である、ポリメタクリル酸メチル(以下、PMMAと略
記することもある。)を所定量添加した。また、樹脂シ
ロップにはPMMAの他、重合促進剤(例えば、第3級
芳香族アミン)、架橋性モノマ−(例えば、多官能性メ
タクリル酸エステル)、および若干量の重合禁止剤が含
まれている。得られた樹脂シロップの20℃における密
度は0.965g/cm3 、粘度は2.0cpであった。
メチル(以下、MMAと略記することもある。)系樹脂
シロップ(例えば、三井石化産資(株)製:シリカルR
17D)を基本材料として改良したものである。具体的
には、シリカルR17Dに、増粘性、収縮低減性、およ
び反応性を改善することを目的として、MMAの重合体
である、ポリメタクリル酸メチル(以下、PMMAと略
記することもある。)を所定量添加した。また、樹脂シ
ロップにはPMMAの他、重合促進剤(例えば、第3級
芳香族アミン)、架橋性モノマ−(例えば、多官能性メ
タクリル酸エステル)、および若干量の重合禁止剤が含
まれている。得られた樹脂シロップの20℃における密
度は0.965g/cm3 、粘度は2.0cpであった。
【0030】重合開始剤としては、市販の過酸化ベンゾ
イル(以下、BPOと略記することもある。)とPMM
Aの1対1混合物を用い、通常、この混合物を樹脂の重
量に対して6.5%の割合で添加した。なお、PMMA
で希釈したのは、安全上の配慮によるものである。
イル(以下、BPOと略記することもある。)とPMM
Aの1対1混合物を用い、通常、この混合物を樹脂の重
量に対して6.5%の割合で添加した。なお、PMMA
で希釈したのは、安全上の配慮によるものである。
【0031】(2)細骨材 細骨材には川砂を用いた。川砂は事前に、ほぼ絶乾状態
となるまで乾燥させ、混練直前まで、温度20℃、相対
湿度60%の条件で保管した。なお、使用した川砂の表
乾比重は2.61、絶乾比重は2.56である。
となるまで乾燥させ、混練直前まで、温度20℃、相対
湿度60%の条件で保管した。なお、使用した川砂の表
乾比重は2.61、絶乾比重は2.56である。
【0032】(3)充填材 平均粒径2.2μm、比表面積3.0m2/g、真比重
3.95のアルミナ(昭和電工(株)製。以下、アルミ
ナCという。)と、これと同じ平均粒径、比表面積、真
比重を有し、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシ
シランで表面処理したアルミナ(昭和電工(株)製。以
下、アルミナBという。)を用いた。これらのアルミナ
は細骨材と同様に、混練直前まで、温度20℃、相対湿
度60%の条件で保管した。
3.95のアルミナ(昭和電工(株)製。以下、アルミ
ナCという。)と、これと同じ平均粒径、比表面積、真
比重を有し、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシ
シランで表面処理したアルミナ(昭和電工(株)製。以
下、アルミナBという。)を用いた。これらのアルミナ
は細骨材と同様に、混練直前まで、温度20℃、相対湿
度60%の条件で保管した。
【0033】(4)シランカップリング剤 充填材の表面へのコーティング、インテグラルブレンド
法とも、市販のγ−メタクリロキシプロピルトリメトキ
シシランを用いた。
法とも、市販のγ−メタクリロキシプロピルトリメトキ
シシランを用いた。
【0034】B.レジンモルタル(ペ−スト)の調製 表1(レジンモルタル)と表2(レジンペ−スト)に示
す配合により、次の要領で調製し、直径5cm×長さ10
cmの試験体を作成した。
す配合により、次の要領で調製し、直径5cm×長さ10
cmの試験体を作成した。
【0035】
【表1】 配合量 [vol%(wt%)] 圧縮強度 フロー値配合 充 填 材 樹 脂 充填材 細骨材 [kgf/cm2] [− ] M1-1 アルミナB 22.8( 9.2) 14.7(24.2) 62.5(66.7) 680 167 M1-2 〃 23.8( 9.6) 14.7(24.4) 61.5(66.0) 723 198 M1-3 〃 25.3(10.3) 14.7(24.6) 60.0(65.1) 785 218 M1-4 〃 27.3(11.3) 14.7(24.9) 58.0(63.8) 829 244 M1-5 〃 28.8(12.1) 14.7(25.2) 56.5(62.8) 818 265 M2-1 アルミナC 25.3(10.3) 14.7(24.6) 60.0(65.1) 637 180 M2-2 〃 27.3(11.3) 14.7(24.9) 58.0(63.8) 666 188 M2-3 〃 28.8(12.1) 14.7(25.2) 56.5(62.8) 676 196 M2-4 〃 30.3(12.8) 14.7(25.5) 55.0(61.7) 661 201
【0036】
【表2】 配合量 [vol%(wt%)] 圧縮強度 配合 充 填 材 樹 脂 充填材 [kgf/cm2] P1-1 アルミナB 47.9(18.3) 52.1(81.8) 686 P1-2 〃 50.6(20.0) 49.4(80.0) 718 P1-3 〃 53.0(21.6) 47.0(78.4) 726 P1-4 〃 55.1(23.1) 44.9(76.9) 762 P1-5 〃 58.9(25.9) 41.1(74.1) 759 P1-6 〃 62.0(28.5) 38.0(71.5) 643 P1-7 〃 64.9(31.1) 35.1(68.9) 590 P2-1 アルミナC 55.1(23.1) 44.9(76.9) 469 P2-2 〃 58.9(25.9) 41.1(74.1) 477 P2-3 〃 62.0(28.5) 38.0(71.5) 552 P2-4 〃 63.5(29.8) 36.5(70.2) 525 P2-5 〃 64.9(31.1) 35.1(68.9) 536 P2-6 〃 67.2(33.4) 32.8(66.6) 497
【0037】(1)シランカップリング剤の添加、配合
【0038】充填材表面へのコーティング 充填材に対し1重量%のシランカップリング剤を、3重
量倍のアルコ−ル水溶液(水/イソプロピルアルコ−ル
の容積比が1/9)に加えて、完全に分散するまで混合
した。得られた溶液を充填材に加えながら室温で数分間
撹拌し、全量添加した後、さらに10分間撹拌した。次
いで、120℃まで昇温し、さらに30分間撹拌混合し
た。得られた充填材を室温まで放冷した後、試験に供し
た。
量倍のアルコ−ル水溶液(水/イソプロピルアルコ−ル
の容積比が1/9)に加えて、完全に分散するまで混合
した。得られた溶液を充填材に加えながら室温で数分間
撹拌し、全量添加した後、さらに10分間撹拌した。次
いで、120℃まで昇温し、さらに30分間撹拌混合し
た。得られた充填材を室温まで放冷した後、試験に供し
た。
【0039】インテグラルブレンド法 充填材に対し1重量%のシランカップリング剤を添加し
た。
た。
【0040】市販のシラン処理済のアルミナ(アルミ
ナB)をそのまま使用した。
ナB)をそのまま使用した。
【0041】(2)練り混ぜ ホバ−ト式ミキサ−を用いて、レジンペ−ストでは、樹
脂と充填材を120秒間混練した。レジンモルタルの場
合には、細骨材と充填材の空練りを30秒間行った後、
樹脂を加えて120秒間混練した。なお、いずれの場合
も樹脂投入の30秒前に、樹脂に重合開始剤を添加し、
撹拌、溶解させた。
脂と充填材を120秒間混練した。レジンモルタルの場
合には、細骨材と充填材の空練りを30秒間行った後、
樹脂を加えて120秒間混練した。なお、いずれの場合
も樹脂投入の30秒前に、樹脂に重合開始剤を添加し、
撹拌、溶解させた。
【0042】(3)締め固め いずれの試験体を得る際にも、内部に気泡が残らないよ
う、振動バイブレ−タを用いて、十分に締め固めを行っ
た。
う、振動バイブレ−タを用いて、十分に締め固めを行っ
た。
【0043】(4)脱型 打設の翌日に脱型した。
【0044】(5)養生 温度20℃、相対湿度60%の気中で、7日間養生し
た。
た。
【0045】C.フロー値の測定 混練直後のレジンモルタルについて、JIS R 5201(セメ
ントの物理試験方法)に準拠した方法でフロー値を測定
した。測定値を前記配合と共に表1に示す。
ントの物理試験方法)に準拠した方法でフロー値を測定
した。測定値を前記配合と共に表1に示す。
【0046】D.強度試験 得られた試験体について、JISに示す方法によって圧
縮強度を測定した。測定は各配合毎に3体ずつ行い、そ
の平均値を前記配合と共に表1と表2に示す。なお、こ
こで、樹脂と無機質充填材だけで構成される、レジンペ
−ストについて強度試験を実施したのは、シランカップ
リング剤の添加効果を把握するためであり、通常、これ
に細骨材ないしは細骨材と粗骨材を加えた、レジンモル
タルまたはレジンコンクリ−トとして用いられる。
縮強度を測定した。測定は各配合毎に3体ずつ行い、そ
の平均値を前記配合と共に表1と表2に示す。なお、こ
こで、樹脂と無機質充填材だけで構成される、レジンペ
−ストについて強度試験を実施したのは、シランカップ
リング剤の添加効果を把握するためであり、通常、これ
に細骨材ないしは細骨材と粗骨材を加えた、レジンモル
タルまたはレジンコンクリ−トとして用いられる。
【0047】E.シランカップリング剤の添加効果 表1において、アルミナB、アルミナC共、樹脂配合量
の増加とともに圧縮強度が増加し、ある配合で最大値に
達している。また、アルミナBを用いたレジンモルタル
試験体の方が、全体に樹脂配合量の少ない領域でも、高
い圧縮強度が発現している。
の増加とともに圧縮強度が増加し、ある配合で最大値に
達している。また、アルミナBを用いたレジンモルタル
試験体の方が、全体に樹脂配合量の少ない領域でも、高
い圧縮強度が発現している。
【0048】同様の傾向がレジンペ−スト試験体(表
2)でも見られる。図1は、表2の結果をグラフ化した
ものであり、同一の樹脂配合量では、シラン表面処理さ
れたアルミナBを充填材とするレジンペ−スト試験体の
方が圧縮強度が増加していることが判る。また、圧縮強
度が最大となる樹脂の配合量も、アルミナCよりアルミ
ナBの方が少ない。上記の試験結果から、シランカップ
リング剤には、強度の増進効果だけでなく、樹脂の低減
効果もあることが判る。即ち、シラン処理したアルミナ
を充填材として用いることによって、樹脂配合量の少な
いレジンコンクリ−トの調製が可能であることが示唆さ
れる。
2)でも見られる。図1は、表2の結果をグラフ化した
ものであり、同一の樹脂配合量では、シラン表面処理さ
れたアルミナBを充填材とするレジンペ−スト試験体の
方が圧縮強度が増加していることが判る。また、圧縮強
度が最大となる樹脂の配合量も、アルミナCよりアルミ
ナBの方が少ない。上記の試験結果から、シランカップ
リング剤には、強度の増進効果だけでなく、樹脂の低減
効果もあることが判る。即ち、シラン処理したアルミナ
を充填材として用いることによって、樹脂配合量の少な
いレジンコンクリ−トの調製が可能であることが示唆さ
れる。
【0049】F.吸油量の測定 次に、充填材に用いたアルミナBとアルミナCの吸油量
を測定した。ここで、吸油量とは、充填材の単位体積
(100cm3 )が吸収するジオクチルフタレ−ト(以
下、DOPと略記することもある。)の容量をいい、具
体的には、ガラス板上に展開した充填材にDOPを滴下
し、充填材が団子状にまとまるまでのDOP容量とす
る。測定値は、89.3ml/100cm3 (アルミナ
B)、および106.7ml/100cm3 (アルミナ
C)であり、シラン処理されたアルミナBは、無処理の
アルミナCと比べて吸油量が16.3%低下していた。
を測定した。ここで、吸油量とは、充填材の単位体積
(100cm3 )が吸収するジオクチルフタレ−ト(以
下、DOPと略記することもある。)の容量をいい、具
体的には、ガラス板上に展開した充填材にDOPを滴下
し、充填材が団子状にまとまるまでのDOP容量とす
る。測定値は、89.3ml/100cm3 (アルミナ
B)、および106.7ml/100cm3 (アルミナ
C)であり、シラン処理されたアルミナBは、無処理の
アルミナCと比べて吸油量が16.3%低下していた。
【0050】G.アルミナ系およびシリカ系充填材 前記E項により、シランカップリング剤による強度増進
効果と樹脂量低減効果が明らかとなり、また、F項よ
り、シラン処理されたアルミナは吸油量が低下すること
が判明した。そこで、表3に示すアルミナ系およびシリ
カ系の充填材の表面に、シランカップリング剤をコーテ
ィングし、処理前後の吸油量を測定した。
効果と樹脂量低減効果が明らかとなり、また、F項よ
り、シラン処理されたアルミナは吸油量が低下すること
が判明した。そこで、表3に示すアルミナ系およびシリ
カ系の充填材の表面に、シランカップリング剤をコーテ
ィングし、処理前後の吸油量を測定した。
【0051】吸油量の測定結果は表3に示すとおりであ
り、シラン処理を施すことによって各充填材の吸油量は
大きく低下した。低下量は充填材の種類にもよるが、シ
ラン処理前の吸油量のおよそ10%〜30%である。ま
た、アルミナばかりでなく、シリカ系の充填材を母材と
したケ−スでも、アルミナと同等の吸油量の低下が認め
られた。シラン処理によって、充填材の吸油量に低下が
見られれば、これを配合することにより樹脂量の少ない
レジンコンクリ−ト(モルタル)を調製することが可能
である。
り、シラン処理を施すことによって各充填材の吸油量は
大きく低下した。低下量は充填材の種類にもよるが、シ
ラン処理前の吸油量のおよそ10%〜30%である。ま
た、アルミナばかりでなく、シリカ系の充填材を母材と
したケ−スでも、アルミナと同等の吸油量の低下が認め
られた。シラン処理によって、充填材の吸油量に低下が
見られれば、これを配合することにより樹脂量の少ない
レジンコンクリ−ト(モルタル)を調製することが可能
である。
【0052】
【表3】
【0053】H.重質炭酸カルシウム(比較例) 次に、前記アルミナE(昭和電工(株)製)と、比較の
ために重質炭酸カルシウム(白石工業(株)製。以下、
炭カルBという。)を充填材として用いたレジンペ−ス
トおよび、これらの充填材の1重量%に相当するシラン
カップリング剤をインテグラルブレンドして作成した試
験体について、強度試験を行った。
ために重質炭酸カルシウム(白石工業(株)製。以下、
炭カルBという。)を充填材として用いたレジンペ−ス
トおよび、これらの充填材の1重量%に相当するシラン
カップリング剤をインテグラルブレンドして作成した試
験体について、強度試験を行った。
【0054】表4に示すように、シランカップリング剤
を添加した配合(P4-1、P6-1)は、最大圧縮強度を発現
した樹脂配合量より低い樹脂配合(P3-3、P5-4)に対応
する樹脂配合とした。同表にレジンペ−ストの配合と共
に、強度試験結果を示す。
を添加した配合(P4-1、P6-1)は、最大圧縮強度を発現
した樹脂配合量より低い樹脂配合(P3-3、P5-4)に対応
する樹脂配合とした。同表にレジンペ−ストの配合と共
に、強度試験結果を示す。
【0055】
【表4】 配合量 [vol%(wt%)] 圧縮強度 配合 充 填 材 樹 脂 充填材 [kgf/cm2] P3-1 アルミナE 45.0(16.7) 55.1(83.3) 383 P3-2 〃 50.6(20.0) 49.4(80.0) 492 P3-3 〃 55.1(23.1) 44.9(76.9) 609 P3-4 〃 58.9(25.9) 44.1(74.1) 680 P3-5 〃 62.0(28.5) 38.0(71.5) 835 P3-6 〃 64.9(31.1) 35.1(68.9) 714 P3-7 〃 67.2(33.4) 32.8(66.6) 458 P3-8 〃 68.7(34.9) 31.3(65.1) 437 P4-1 アルミナE+シラン 55.1(23.1) 44.9(76.9) 730 P5-1 炭カルB 41.2(20.0) 58.8(80.0) 245 P5-2 〃 45.6(23.0) 54.4(77.0) 531 P5-3 〃 47.7(24.5) 52.3(75.5) 545 P5-4 〃 49.5(25.9) 50.5(74.1) 637 P5-5 〃 52.8(28.5) 47.2(71.5) 699 P5-6 〃 55.7(30.9) 44.3(69.1) 537 P5-7 〃 58.3(33.2) 41.7(66.8) 280 P5-8 〃 60.6(35.4) 39.4(64.6) 290 P6-1 炭カルB+シラン 49.5(25.9) 50.5(74.1) 549
【0056】図2は表4の結果をグラフ化したものであ
り、アルミナEを用いたケ−スでは、シランカップリン
グ剤配合による圧縮強度の増進が認められたのに対し、
炭カルBでは、シランカップリング剤の添加によって強
度が低下した。これは、重質炭酸カルシウムは、前記ア
ルミナやシリカ系充填材と異なり、その表面に水酸基を
持たず、シランカップリング剤とシラノ−ル結合しない
ので、添加効果が働かないためと思われる。
り、アルミナEを用いたケ−スでは、シランカップリン
グ剤配合による圧縮強度の増進が認められたのに対し、
炭カルBでは、シランカップリング剤の添加によって強
度が低下した。これは、重質炭酸カルシウムは、前記ア
ルミナやシリカ系充填材と異なり、その表面に水酸基を
持たず、シランカップリング剤とシラノ−ル結合しない
ので、添加効果が働かないためと思われる。
【0057】
【発明の効果】本発明のレジンコンクリートおよびレジ
ンモルタルは、組成物中の樹脂配合量が少なくても、優
れた施工性や強度および耐久性を維持することができ
る。従って、レジンコンクリ−ト(モルタル)の低価格
化を実現することができる。
ンモルタルは、組成物中の樹脂配合量が少なくても、優
れた施工性や強度および耐久性を維持することができ
る。従って、レジンコンクリ−ト(モルタル)の低価格
化を実現することができる。
【0058】また、結合材として用いられる樹脂の重合
反応に付随して生じる硬化収縮を低減することができ、
ひび割れ防止効果がある。更に、樹脂の硬化発熱量を少
なくすることができるので、モノマ−の揮発を不必要に
促進することがなく、また、マトリックス中に微細な気
泡を生じて、強度や耐久性を低下させる虞がないという
顕著な効果を有している。
反応に付随して生じる硬化収縮を低減することができ、
ひび割れ防止効果がある。更に、樹脂の硬化発熱量を少
なくすることができるので、モノマ−の揮発を不必要に
促進することがなく、また、マトリックス中に微細な気
泡を生じて、強度や耐久性を低下させる虞がないという
顕著な効果を有している。
【図1】シラン処理したアルミナを充填材とするレジン
ペースト試験体について、強度増進効果と樹脂量低減効
果を示すグラフである。
ペースト試験体について、強度増進効果と樹脂量低減効
果を示すグラフである。
【図2】アルミナと重質炭酸カルシウムに対するシラン
カップリング剤の添加効果を対比して示すグラフであ
る。
カップリング剤の添加効果を対比して示すグラフであ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 岩井 孝幸 東京都新宿区津久戸町2番1号 株式会社 熊谷組東京本社内
Claims (4)
- 【請求項1】 50〜92重量部の骨材、3〜6重量部
のメタクリレート樹脂、5〜44重量部の充填材、およ
び該充填材に対して0.1〜2重量%のシランカップリ
ング剤を含有してなるレジンコンクリートであって、JI
S A 1101(コンクリートのスランプ試験方法)に準拠し
た方法で測定されるスランプ値が12〜21cmの範囲
にあることを特徴とするレジンコンクリート。 - 【請求項2】 前記充填材がアルミナ系またはシリカ系
の無機質充填材である請求項1記載のレジンコンクリー
ト。 - 【請求項3】 30〜90重量部の骨材、5〜12重量
部のメタクリレート樹脂、5〜58重量部の充填材、お
よび該充填材に対して0.1〜2重量%のシランカップ
リング剤を含有してなるレジンモルタルであって、JIS
R 5201(セメントの物理試験方法)に準拠した方法で測
定されるフロー値が150以上であることを特徴とする
レジンモルタル。 - 【請求項4】 前記充填材がアルミナ系またはシリカ系
の無機質充填材である請求項3記載のレジンモルタル。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP26648095A JP3154929B2 (ja) | 1995-09-20 | 1995-09-20 | レジンコンクリートおよびレジンモルタル |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP26648095A JP3154929B2 (ja) | 1995-09-20 | 1995-09-20 | レジンコンクリートおよびレジンモルタル |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0986992A true JPH0986992A (ja) | 1997-03-31 |
JP3154929B2 JP3154929B2 (ja) | 2001-04-09 |
Family
ID=17431523
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
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Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002003261A (ja) * | 2000-06-16 | 2002-01-09 | Matsushita Electric Ind Co Ltd | 人工大理石成形体 |
JP2002003260A (ja) * | 2000-06-16 | 2002-01-09 | Matsushita Electric Ind Co Ltd | 人工大理石とそれを用いたキッチンカウンター、浴槽または洗い場 |
CN105417998A (zh) * | 2015-12-01 | 2016-03-23 | 福建师范大学 | 一种树脂混凝土 |
JP2021155286A (ja) * | 2020-03-27 | 2021-10-07 | 積水化学工業株式会社 | コンクリート補強部材 |
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1995
- 1995-09-20 JP JP26648095A patent/JP3154929B2/ja not_active Expired - Fee Related
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