JP3154929B2 - レジンコンクリートおよびレジンモルタル - Google Patents

レジンコンクリートおよびレジンモルタル

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JP3154929B2
JP3154929B2 JP26648095A JP26648095A JP3154929B2 JP 3154929 B2 JP3154929 B2 JP 3154929B2 JP 26648095 A JP26648095 A JP 26648095A JP 26648095 A JP26648095 A JP 26648095A JP 3154929 B2 JP3154929 B2 JP 3154929B2
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Mitsui Chemicals Industrial Products Ltd
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  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はレジンコンクリート
およびレジンモルタルに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、耐久性や強度特性に優れたレジン
コンクリ−トおよびレジンモルタルが、プレキャスト製
品として、また現場打設の可能な土木用材料として利用
されている。しかしながら、その用途は、道路や水路、
ダムなどの小規模な補修が中心であり、新設トンネルの
ライニングに適用された数例を除けば、大規模な適用事
例はない。これは、セメントコンクリ−トに比べて、レ
ジンコンクリ−ト(モルタル)の価格が高いこと、取り
扱いにさまざまな制約があることなどが原因である。
【0003】近年、セメントコンクリ−トなみの優れた
施工性を有する、低粘性の樹脂を採用したレジンコンク
リ−トが用いられるようになり、取り扱い上の問題は徐
々に解決しつつあるが、このようなレジンコンクリ−ト
も依然高価であり、価格の低減化が求められている。
【0004】周知のように、レジンコンクリ−トは結合
材としての樹脂、フィラーと呼ばれる無機質充填材、細
骨材および粗骨材から構成されているが、レジンコンク
リ−トが高価な要因は、価格の高い樹脂をセメントコン
クリ−トにおける水のように、多量に使用することに他
ならない。
【0005】安価なレジンコンクリ−トを得ようとし
て、単純に樹脂配合量を低減しても、これに伴い、通
常、施工性や強度、耐久性などが失われるため、容認す
ることはできない。また、樹脂に代えて、無機質充填材
を多量に用いる場合、これが樹脂を吸収する性質を有す
るため、調製されたレジンコンクリ−トは、パサパサで
施工性の悪いものになり易い。また同時に、強度や耐久
性も低下することも良く知られている。
【0006】例えば、特公昭59−47699号公報に
は、結晶性不飽和ポリエステル樹脂を結合材の一部とす
るレジンコンクリ−ト用混和物の調製方法が開示されて
いる。この方法は、無機充填材の種類や粒径によって樹
脂割合を調整する必要がない点、および無機充填材の配
合量を増しても良い点が優れており、プレキャスト用レ
ジンコンクリ−トの調製方法として有効である。しかし
ながら、大量打設を要する土木分野での現場施工にお
いては、無機充填材の種類やその配合割合を事前に決定
することが一般的であり、そのメリットは左程多くな
く、逆に、現場施工では煩雑である。さらに、調製し
たレジンコンクリ−トは粉末状で、成形に100℃の高
温を要するので、現場打設に用いることは殆ど不可能で
ある。
【0007】また、特開昭60−176958号公報に
は、不飽和ポリエステル樹脂を結合材とし、微粒炭酸カ
ルシウムを充填材に用いたレジンモルタルであって、樹
脂含有率を10〜30重量%としたレジンモルタルが開
示されている。しかし、不飽和ポリエステル樹脂は、も
ともと粘性が高いので、セメントコンクリ−ト(モルタ
ル)と同等程度の施工性を得ることは容易ではない。
【0008】一方、現場打設時の施工性に優れた、低粘
性の樹脂を用いたレジンコンクリ−トについては、飯坂
らの、「メタクリル酸メチルを用いたレジンモルタルに
関する基礎的研究」(コンクリ−ト工学年次論文報告
集、9−1、1987年)がある。当該報告の中では、
樹脂(バインダ−)の配合量が10重量%以下となった
時、レジンモルタルの強度特性は、急激に低下すること
が示されている。また、樹脂配合量が11〜14重量%
の範囲にあっても、フィラ−(重質炭酸カルシウムを採
用)と細骨材の合計重量に、フィラ−の重量が占める割
合が30%を超えると、即ち、フィラ−に吸収される樹
脂の量が一定量を超えると、レジンモルタルの強度が低
下することが示されている。
【0009】さらに、特開平3−285853号公報に
は、メタクリル酸メチルを用いた水中硬化性レジンコン
クリ−ト組成物に関して、結合材を調製する際にシラン
カップリング剤を添加することによって、優れた水中硬
化性および硬化体の自己層間接着性を得ることが開示さ
れている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、優れた施工
性や強度を維持しながら、樹脂配合量の少ないレジンコ
ンクリ−トおよびレジンモルタルを提供することを目的
とするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明のレジンコンクリ
ートは、50〜92重量部の骨材、3〜6重量部のメタ
クリレート樹脂、5〜44重量部の充填材、および該充
填材に対して0.1〜2重量%のシランカップリング剤
を含有してなり、JIS A 1101(コンクリートのスランプ
試験方法)に準拠した方法で測定されるスランプ値が1
2〜21cmの範囲にあることを特徴とするものであ
る。前記充填材は、アルミナ系またはシリカ系の無機質
充填材であることが好ましい。
【0012】本発明のレジンモルタルは、30〜90重
量部の骨材、5〜12重量部のメタクリレート樹脂、5
〜58重量部の充填材、および該充填材に対して0.1
〜2重量%のシランカップリング剤を含有してなり、JI
S R 5201(セメントの物理試験方法)に準拠した方法で
測定されるフロー値が150以上であることを特徴とす
るものである。前記充填材は、アルミナ系またはシリカ
系の無機質充填材であることが好ましい。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好適な実施形態に
ついて説明する。本発明のレジンコンクリートには、通
常一般に用いられている、砂利、砕石、玉石などの粗骨
材と、珪砂、山砂、川砂、海砂などの細骨材を用いるこ
とができる。また、レジンモルタルは前記粗骨材を欠く
ものであり、具体的には、骨材のうち、5mm篩を通る
ものを用いることができる。これらの骨材は、レジンコ
ンクリートにあっては組成物中に50〜92重量%含有
される。また、レジンモルタルにあっては組成物中に3
0〜90重量%含有される。
【0014】本発明において結合材となるメタクリレー
ト樹脂は、メタクリレート系単量体の1種の単独重合体
または2種以上の組合せからなる共重合体、もしくはメ
タクリレート系単量体と、該メタクリレート系単量体と
共重合可能な他の単量体との共重合体を主成分とするも
のである。
【0015】メタクリレート系単量体としては、例え
ば、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、n
−ブチルメタクリレート、イソブチルメタクリレート、
t−ブチルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタク
リレート、シクロヘキシルメタクリレート、ラウリルメ
タクリレート等が挙げられるが、本発明ではメチルメタ
クリレートを主成分とするものが好ましい。
【0016】メタクリレート系単量体と共重合可能な他
の単量体としては、例えば、メチルアクリレート、エチ
ルアクリレート、n−ブチルアクリレート、イソブチル
アクリレート、t−ブチルアクリレート、2−エチルヘ
キシルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、ラ
ウリルアクリレート等のアクリレート系単量体;エチレ
ングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリ
コールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコー
ルジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール
ジ(メタ)アクリレート、ブチレングリコールジ(メ
タ)アクリレート、ヘキシレングリコールジ(メタ)ア
クリレート、2,2−ビス〔4−(メタ)アクリロイル
オキシフェニル〕プロパン、2,2−ビス〔4−(メ
タ)アクリロイルオキシシクロヘキシル〕プロパン、
2,2−ビス〔3−(メタ)アクリロイルオキシ−2−
ヒドロキシプロポキシフェニル〕プロパン、トリメチロ
ールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリト
リトールテロラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリト
リトールヘキサ(メタ)アクリレート等の多官能(メ
タ)アクリレート系単量体;ジメチルマレイネート、ジ
エチルマレイネート、ジ−n−ブチルマレイネート、ジ
−t−ブチルマレイネート、ジイソブチルマレイネート
等のマレイン酸エステル系単量体;ジメチルフマレー
ト、ジエチルフマレート、ジ−n−ブチルフマレート、
ジ−t−ブチルフマレート、ジイソブチルフマレート等
のフマル酸エステル系単量体;スチレン、ビニルトルエ
ン等のビニル系単量体等が挙げられる。これらの単量体
は、1種単独あるいは2種以上を組合せて用いられる。
【0017】また、本発明において、メタクリレート樹
脂は、前記メタクリレート系単量体の1種の単独重合体
または2種以上の組合せからなる共重合体、もしくはメ
タクリレート系単量体と、該共重合可能な他の単量体と
の共重合体以外に、必要に応じて、他の成分を含有して
いてもよい。この他の成分として、例えば、ジ−2−エ
チルヘキシルフタレート、ジ−n−オクチルフタレー
ト、トリクレジルホスフェート、ジ−2−エチルヘキシ
ルアジペート等の可塑剤;パラフィンワックス等の酸素
遮断剤;各種の耐候安定剤;単量体安定化のための微量
の重合禁止剤;あるいは前記のメタクリレート系単量体
もしくはアクリレート系単量体の重合体、共重合体など
が挙げられる。
【0018】上記結合材はレジンコンクリート中に3〜
6重量%配合され、このように少ない配合量でも、従来
用いられてきた樹脂配合量の多いレジンコンクリートと
同等以上の強度特性を発揮する。配合量が下限値に満た
ない場合には、ワーカビリティが悪化するので好ましく
ない。また、上記結合材はレジンモルタル中には、5〜
12重量%配合され、このような少ない配合量でも、従
来の樹脂配合量の多いレジンモルタルと同等以上の性能
を有する。
【0019】本発明の充填材としては、天然シリカ
(砂、石英、ノバキュライト等)、合成シリカ(コロイ
ダルシリカ、シリカアエロゲル等)、天然珪酸塩(カオ
リン、クレー、マイカ、タルク、ウォラストナイト
等)、合成珪酸塩(ケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミニ
ウム等)、金属(アルミニウム、銅、ブロンズ等)、金
属酸化物(アルミナ、チタニア、酸化鉄、酸化亜鉛
等)、金属水酸化物(水酸化アルミニウム、水酸化マグ
ネシウム等)、普通セメント、高炉スラグ、フライアッ
シュなどを使用することができる。但し、安価で品質が
安定していることから、従来、充填材として多用されて
いる重質炭酸カルシウムは、シランカップリング剤の添
加効果が発現しないので好ましくない。
【0020】上記充填材の中では、特に、アルミナ系ま
たはシリカ系の無機質充填材が、後述するシランカップ
リング剤との結合効果が高い点で好ましい。上記充填材
は、レジンコンクリートの場合には、組成物中に通常5
〜44重量%配合され、レジンモルタルの場合には、組
成物中に通常5〜58重量%配合される。
【0021】本発明に係るレジンコンクリートとレジン
モルタルには、前記充填材に対して0.1〜2重量%の
シランカップリング剤が含有される。シランカップリン
グ剤は、一般式:Y〜CH2 SiX3 〔X:アルコキシ
基やハロゲンなどの加水分解性の置換基、Y:メタクリ
ル基、ビニル基、エポキシ基、アミノ基等の有機官能
基〕で表され、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキ
シシラン、γ−メタクリロキシプロピルジメトキシメチ
ルシラン、メタクリロキシプロピルメチルジクロロシラ
ン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、ビニルト
リクロロシラン、ビニルトリエトキシシラン、などが例
示される。これらの中では、メタクリル基を有機官能基
Yとするγ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラ
ンなどが好ましい。
【0022】上記含有量が0.1重量%未満では、シラ
ンカップリング剤の添加効果がなく、他方、2重量%を
越えて配合しても、添加効果の向上がなく経済的でな
い。シランカップリング剤の更に好ましい含有範囲は、
充填材に対して0.1〜1.2重量%である。
【0023】シランカップリング剤は、レジンコンクリ
ート(モルタル)の配合前に予め、充填材の表面に被覆
されていることが好ましい。当該コーティングは、充填
材に対し所定量となるシランカップリング剤を有機溶媒
に分散させた後、充填材を加えて撹拌混合し、熟成させ
ることにより行うことができる。
【0024】また、シランカップリング剤の配合方法に
は、前記充填材のコーティング以外にも、樹脂とシラン
カップリング剤の混合溶液に、無処理の充填材を添加す
る方法(以下、インテグラルブレンド法という。)を採
用することもできる。インテグラルブレンド法は、前記
充填材の表面に直接処理する方法と比べて、シランカッ
プリング剤の効果では若干劣るものの、配合が容易であ
るというメリットを有している。
【0025】本発明のレジンコンクリートは、JIS A 11
01(コンクリートのスランプ試験方法)に準拠した方法
で測定されるスランプ値が12〜21cmの範囲内にあ
ることが必要である。スランプ値がこの値を越えると材
料分離が生じ易くなる一方、スランプ値が前記値未満だ
とレジンコンクリートのワーカビリティが劣るようにな
る。当該スランプ値は、13〜19cmの範囲内にある
ことが好ましい。
【0026】本発明のレジンモルタルは、JIS R 5201
(セメントの物理試験方法)に準拠した方法で測定され
るフロー値が150以上であることが必要である。フロ
ー値が150未満だとワーカビリティが劣るようにな
る。
【0027】本発明に係るレジンコンクリート(モルタ
ル)は、通常の方法で製造される。即ち、前記液状レジ
ン配合物に、重合触媒等を必要に応じて溶解させた後、
前記充填材と骨材、インテグラルブレンド法の場合に
は、更にシランカップリング剤を混合し、反応硬化させ
て製造する。
【0028】
【実施例】以下、レジンモルタルの実施例とレジンペー
ストの参考例により、本発明を詳述する。
【0029】A.使用材料 (1)樹脂 結合材としての樹脂は、市販の反応硬化性メタクリル酸
メチル(以下、MMAと略記することもある。)系樹脂
シロップ(例えば、三井石化産資(株)製:シリカルR
17D)を基本材料として改良したものである。具体的
には、シリカルR17Dに、増粘性、収縮低減性、およ
び反応性を改善することを目的として、MMAの重合体
である、ポリメタクリル酸メチル(以下、PMMAと略
記することもある。)を所定量添加した。また、樹脂シ
ロップにはPMMAの他、重合促進剤(例えば、第3級
芳香族アミン)、架橋性モノマ−(例えば、多官能性メ
タクリル酸エステル)、および若干量の重合禁止剤が含
まれている。得られた樹脂シロップの20℃における密
度は0.965g/cm3 、粘度は2.0cpであった。
【0030】重合開始剤としては、市販の過酸化ベンゾ
イル(以下、BPOと略記することもある。)とPMM
Aの1対1混合物を用い、通常、この混合物を樹脂の重
量に対して6.5%の割合で添加した。なお、PMMA
で希釈したのは、安全上の配慮によるものである。
【0031】(2)細骨材 細骨材には川砂を用いた。川砂は事前に、ほぼ絶乾状態
となるまで乾燥させ、混練直前まで、温度20℃、相対
湿度60%の条件で保管した。なお、使用した川砂の表
乾比重は2.61、絶乾比重は2.56である。
【0032】(3)充填材 平均粒径2.2μm、比表面積3.0m2/g、真比重
3.95のアルミナ(昭和電工(株)製。以下、アルミ
ナCという。)と、これと同じ平均粒径、比表面積、真
比重を有し、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシ
シランで表面処理したアルミナ(昭和電工(株)製。以
下、アルミナBという。)を用いた。これらのアルミナ
は細骨材と同様に、混練直前まで、温度20℃、相対湿
度60%の条件で保管した。
【0033】(4)シランカップリング剤 充填材の表面へのコーティング、インテグラルブレンド
法とも、市販のγ−メタクリロキシプロピルトリメトキ
シシランを用いた。
【0034】B.レジンモルタル(ペ−スト)の調製 表1(レジンモルタル)と表2(レジンペ−スト)に示
す配合により、次の要領で調製し、直径5cm×長さ10
cmの試験体を作成した。
【0035】
【表1】 配合量 [vol%(wt%)] 圧縮強度 フロー値配合 充 填 材 樹 脂 充填材 細骨材 [kgf/cm2] [− ] M1-1 アルミナB 22.8( 9.2) 14.7(24.2) 62.5(66.7) 680 167 M1-2 〃 23.8( 9.6) 14.7(24.4) 61.5(66.0) 723 198 M1-3 〃 25.3(10.3) 14.7(24.6) 60.0(65.1) 785 218 M1-4 〃 27.3(11.3) 14.7(24.9) 58.0(63.8) 829 244 M1-5 〃 28.8(12.1) 14.7(25.2) 56.5(62.8) 818 265 M2-1 アルミナC 25.3(10.3) 14.7(24.6) 60.0(65.1) 637 180 M2-2 〃 27.3(11.3) 14.7(24.9) 58.0(63.8) 666 188 M2-3 〃 28.8(12.1) 14.7(25.2) 56.5(62.8) 676 196 M2-4 〃 30.3(12.8) 14.7(25.5) 55.0(61.7) 661 201
【0036】
【表2】 配合量 [vol%(wt%)] 圧縮強度 配合 充 填 材 樹 脂 充填材 [kgf/cm2] P1-1 アルミナB 47.9(18.3) 52.1(81.8) 686 P1-2 〃 50.6(20.0) 49.4(80.0) 718 P1-3 〃 53.0(21.6) 47.0(78.4) 726 P1-4 〃 55.1(23.1) 44.9(76.9) 762 P1-5 〃 58.9(25.9) 41.1(74.1) 759 P1-6 〃 62.0(28.5) 38.0(71.5) 643 P1-7 〃 64.9(31.1) 35.1(68.9) 590 P2-1 アルミナC 55.1(23.1) 44.9(76.9) 469 P2-2 〃 58.9(25.9) 41.1(74.1) 477 P2-3 〃 62.0(28.5) 38.0(71.5) 552 P2-4 〃 63.5(29.8) 36.5(70.2) 525 P2-5 〃 64.9(31.1) 35.1(68.9) 536 P2-6 〃 67.2(33.4) 32.8(66.6) 497
【0037】(1)シランカップリング剤の添加、配合
【0038】充填材表面へのコーティング 充填材に対し1重量%のシランカップリング剤を、3重
量倍のアルコ−ル水溶液(水/イソプロピルアルコ−ル
の容積比が1/9)に加えて、完全に分散するまで混合
した。得られた溶液を充填材に加えながら室温で数分間
撹拌し、全量添加した後、さらに10分間撹拌した。次
いで、120℃まで昇温し、さらに30分間撹拌混合し
た。得られた充填材を室温まで放冷した後、試験に供し
た。
【0039】インテグラルブレンド法 充填材に対し1重量%のシランカップリング剤を添加し
た。
【0040】市販のシラン処理済のアルミナ(アルミ
ナB)をそのまま使用した。
【0041】(2)練り混ぜ ホバ−ト式ミキサ−を用いて、レジンペ−ストでは、樹
脂と充填材を120秒間混練した。レジンモルタルの場
合には、細骨材と充填材の空練りを30秒間行った後、
樹脂を加えて120秒間混練した。なお、いずれの場合
も樹脂投入の30秒前に、樹脂に重合開始剤を添加し、
撹拌、溶解させた。
【0042】(3)締め固め いずれの試験体を得る際にも、内部に気泡が残らないよ
う、振動バイブレ−タを用いて、十分に締め固めを行っ
た。
【0043】(4)脱型 打設の翌日に脱型した。
【0044】(5)養生 温度20℃、相対湿度60%の気中で、7日間養生し
た。
【0045】C.フロー値の測定 混練直後のレジンモルタルについて、JIS R 5201(セメ
ントの物理試験方法)に準拠した方法でフロー値を測定
した。測定値を前記配合と共に表1に示す。
【0046】D.強度試験 得られた試験体について、JISに示す方法によって圧
縮強度を測定した。測定は各配合毎に3体ずつ行い、そ
の平均値を前記配合と共に表1と表2に示す。なお、こ
こで、樹脂と無機質充填材だけで構成される、レジンペ
−ストについて強度試験を実施したのは、シランカップ
リング剤の添加効果を把握するためであり、通常、これ
に細骨材ないしは細骨材と粗骨材を加えた、レジンモル
タルまたはレジンコンクリ−トとして用いられる。
【0047】E.シランカップリング剤の添加効果 表1において、アルミナB、アルミナC共、樹脂配合量
の増加とともに圧縮強度が増加し、ある配合で最大値に
達している。また、アルミナBを用いたレジンモルタル
試験体の方が、全体に樹脂配合量の少ない領域でも、高
い圧縮強度が発現している。
【0048】同様の傾向がレジンペ−スト試験体(表
2)でも見られる。図1は、表2の結果をグラフ化した
ものであり、同一の樹脂配合量では、シラン表面処理さ
れたアルミナBを充填材とするレジンペ−スト試験体の
方が圧縮強度が増加していることが判る。また、圧縮強
度が最大となる樹脂の配合量も、アルミナCよりアルミ
ナBの方が少ない。上記の試験結果から、シランカップ
リング剤には、強度の増進効果だけでなく、樹脂の低減
効果もあることが判る。即ち、シラン処理したアルミナ
を充填材として用いることによって、樹脂配合量の少な
いレジンコンクリ−トの調製が可能であることが示唆さ
れる。
【0049】F.吸油量の測定 次に、充填材に用いたアルミナBとアルミナCの吸油量
を測定した。ここで、吸油量とは、充填材の単位体積
(100cm3 )が吸収するジオクチルフタレ−ト(以
下、DOPと略記することもある。)の容量をいい、具
体的には、ガラス板上に展開した充填材にDOPを滴下
し、充填材が団子状にまとまるまでのDOP容量とす
る。測定値は、89.3ml/100cm3 (アルミナ
B)、および106.7ml/100cm3 (アルミナ
C)であり、シラン処理されたアルミナBは、無処理の
アルミナCと比べて吸油量が16.3%低下していた。
【0050】G.アルミナ系およびシリカ系充填材 前記E項により、シランカップリング剤による強度増進
効果と樹脂量低減効果が明らかとなり、また、F項よ
り、シラン処理されたアルミナは吸油量が低下すること
が判明した。そこで、表3に示すアルミナ系およびシリ
カ系の充填材の表面に、シランカップリング剤をコーテ
ィングし、処理前後の吸油量を測定した。
【0051】吸油量の測定結果は表3に示すとおりであ
り、シラン処理を施すことによって各充填材の吸油量は
大きく低下した。低下量は充填材の種類にもよるが、シ
ラン処理前の吸油量のおよそ10%〜30%である。ま
た、アルミナばかりでなく、シリカ系の充填材を母材と
したケ−スでも、アルミナと同等の吸油量の低下が認め
られた。シラン処理によって、充填材の吸油量に低下が
見られれば、これを配合することにより樹脂量の少ない
レジンコンクリ−ト(モルタル)を調製することが可能
である。
【0052】
【表3】
【0053】H.重質炭酸カルシウム(比較例) 次に、前記アルミナE(昭和電工(株)製)と、比較の
ために重質炭酸カルシウム(白石工業(株)製。以下、
炭カルBという。)を充填材として用いたレジンペ−ス
トおよび、これらの充填材の1重量%に相当するシラン
カップリング剤をインテグラルブレンドして作成した試
験体について、強度試験を行った。
【0054】表4に示すように、シランカップリング剤
を添加した配合(P4-1、P6-1)は、最大圧縮強度を発現
した樹脂配合量より低い樹脂配合(P3-3、P5-4)に対応
する樹脂配合とした。同表にレジンペ−ストの配合と共
に、強度試験結果を示す。
【0055】
【表4】 配合量 [vol%(wt%)] 圧縮強度 配合 充 填 材 樹 脂 充填材 [kgf/cm2] P3-1 アルミナE 45.0(16.7) 55.1(83.3) 383 P3-2 〃 50.6(20.0) 49.4(80.0) 492 P3-3 〃 55.1(23.1) 44.9(76.9) 609 P3-4 〃 58.9(25.9) 44.1(74.1) 680 P3-5 〃 62.0(28.5) 38.0(71.5) 835 P3-6 〃 64.9(31.1) 35.1(68.9) 714 P3-7 〃 67.2(33.4) 32.8(66.6) 458 P3-8 〃 68.7(34.9) 31.3(65.1) 437 P4-1 アルミナE+シラン 55.1(23.1) 44.9(76.9) 730 P5-1 炭カルB 41.2(20.0) 58.8(80.0) 245 P5-2 〃 45.6(23.0) 54.4(77.0) 531 P5-3 〃 47.7(24.5) 52.3(75.5) 545 P5-4 〃 49.5(25.9) 50.5(74.1) 637 P5-5 〃 52.8(28.5) 47.2(71.5) 699 P5-6 〃 55.7(30.9) 44.3(69.1) 537 P5-7 〃 58.3(33.2) 41.7(66.8) 280 P5-8 〃 60.6(35.4) 39.4(64.6) 290 P6-1 炭カルB+シラン 49.5(25.9) 50.5(74.1) 549
【0056】図2は表4の結果をグラフ化したものであ
り、アルミナEを用いたケ−スでは、シランカップリン
グ剤配合による圧縮強度の増進が認められたのに対し、
炭カルBでは、シランカップリング剤の添加によって強
度が低下した。これは、重質炭酸カルシウムは、前記ア
ルミナやシリカ系充填材と異なり、その表面に水酸基を
持たず、シランカップリング剤とシラノ−ル結合しない
ので、添加効果が働かないためと思われる。
【0057】
【発明の効果】本発明のレジンコンクリートおよびレジ
ンモルタルは、組成物中の樹脂配合量が少なくても、優
れた施工性や強度および耐久性を維持することができ
る。従って、レジンコンクリ−ト(モルタル)の低価格
化を実現することができる。
【0058】また、結合材として用いられる樹脂の重合
反応に付随して生じる硬化収縮を低減することができ、
ひび割れ防止効果がある。更に、樹脂の硬化発熱量を少
なくすることができるので、モノマ−の揮発を不必要に
促進することがなく、また、マトリックス中に微細な気
泡を生じて、強度や耐久性を低下させる虞がないという
顕著な効果を有している。
【図面の簡単な説明】
【図1】シラン処理したアルミナを充填材とするレジン
ペースト試験体について、強度増進効果と樹脂量低減効
果を示すグラフである。
【図2】アルミナと重質炭酸カルシウムに対するシラン
カップリング剤の添加効果を対比して示すグラフであ
る。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C04B 20:10) 111:72 (72)発明者 岩井 孝幸 東京都新宿区津久戸町2番1号 株式会 社熊谷組 東京本社内 (56)参考文献 特開 平7−33501(JP,A) 特開 平9−86992(JP,A) 特開 平3−285853(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C04B 14/00 - 26/32

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 50〜92重量部の骨材、3〜6重量部
    のメタクリレート樹脂、5〜44重量部の充填材、およ
    び該充填材に対して0.1〜2重量%のシランカップリ
    ング剤を含有してなるレジンコンクリートであって、JI
    S A 1101(コンクリートのスランプ試験方法)に準拠し
    た方法で測定されるスランプ値が12〜21cmの範囲
    にあることを特徴とするレジンコンクリート。
  2. 【請求項2】 前記充填材がアルミナ系またはシリカ系
    の無機質充填材である請求項1記載のレジンコンクリー
    ト。
  3. 【請求項3】 30〜90重量部の骨材、5〜12重量
    部のメタクリレート樹脂、5〜58重量部の充填材、お
    よび該充填材に対して0.1〜2重量%のシランカップ
    リング剤を含有してなるレジンモルタルであって、JIS
    R 5201(セメントの物理試験方法)に準拠した方法で測
    定されるフロー値が150以上であることを特徴とする
    レジンモルタル。
  4. 【請求項4】 前記充填材がアルミナ系またはシリカ系
    の無機質充填材である請求項3記載のレジンモルタル。
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