JP2001031880A - 放熱性成形材料 - Google Patents

放熱性成形材料

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JP2001031880A
JP2001031880A JP20748499A JP20748499A JP2001031880A JP 2001031880 A JP2001031880 A JP 2001031880A JP 20748499 A JP20748499 A JP 20748499A JP 20748499 A JP20748499 A JP 20748499A JP 2001031880 A JP2001031880 A JP 2001031880A
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graphite
molding material
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Tomonori Seki
智憲 関
Akitsugu Tashiro
了嗣 田代
Harufumi Hasuda
春文 蓮田
Atsushi Fujita
藤田  淳
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 安価で、かつ放熱性、機械強度等に優れた放
熱性成形体が得られる放熱性成形材料を提供する。 【解決手段】 樹脂及び膨張黒鉛粉を混合して得られる
放熱性成形材料。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、放熱性成形材料に
関する。
【0002】
【従来の技術】近年、パソコンなどに代表される電子機
器は、著しい勢いで高性能化を達成している。しかし、
その反面、使用中に発生する装置内の発熱量も急激に増
加し、強力な放熱(冷却)システムで対応しなければ安
定した操作の確保と誤動作を防ぐことができない。この
ような問題は、特に小型軽量化が進行するノート型パソ
コンを設計する上で特に重要なポイントとなっている。
【0003】現在の放熱システムは、ヒートシンクと呼
ばれる放熱性の成形体(ハウジング)に冷却ファンなど
を取り付けた装置を使用し、発熱した空気を速やかに装
置外に外す送風方式が一般的である。
【0004】しかしながら、従来のヒートシンクの材料
は、汎用タイプの熱可塑性樹脂、黒鉛等を混合し、これ
を押し出し成形したものが中心であったが、この成形体
は耐熱性が低い為変形などのトラブルを招き安定した放
熱効果を生み出すことができなく、また黒鉛を放熱材と
して使用した成形品を用いた場合、強度が低い為パソコ
ンの移動時に受ける衝撃によって破損する可能性も高
い。
【0005】また、耐熱性を考慮した特殊な樹脂の使用
も試みられているが、樹脂自身のコストが高いばかりで
なく、成形する際に剛直な分子構造から汎用の成形装置
は使用できず、黒鉛などの放熱材料との混合及び成形時
に高温高圧力を必要とする為、高価で特殊な混合装置と
成形機が必要になり、得られた成形品も当然コスト高と
なる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】請求項1、2、3及び
4記載の発明は、安価で、かつ放熱性、機械的強度等に
優れた放熱性成形体が得られる放熱性成形材料を提供す
るものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、樹脂及び膨張
黒鉛粉を混合して得られる放熱性成形材料に関する。ま
た、本発明は、樹脂が、開環重合により硬化反応するフ
ェノール樹脂である前記の放熱性成形材料に関する。ま
た、本発明は、膨張黒鉛粉が、平均粒径が50μm〜5
00μmの範囲である前記の放熱性成形材料に関する。
さらに、本発明は、混合が、乾式混合である前記の放熱
性成形材料に関する。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明において、前記膨張黒鉛粉
と共に用いられる樹脂(熱硬化性樹脂又は熱可塑性樹
脂)としては、粉末状の熱硬化性樹脂又は熱可塑性樹脂
を用いることが好ましい。その構造については特に制限
はなく、例えば、固形エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ア
クリル樹脂、レゾールタイプ、ノボラックタイプ等の各
種フェノール樹脂、粉末状ポリアミド樹脂、粉末状ポリ
アミドイミド樹脂、フェノール樹脂等が使用される。こ
れらの樹脂は必要に応じて、硬化剤、硬化促進剤、硬化
触媒等を併用することができる。例えば、エポキシ樹脂
は、硬化剤と硬化促進剤が併用して使用される。これら
の樹脂の中で、優れた特性バランスを示し、コスト、耐
熱性、膨張黒鉛粉との混合性等にも優れることから、フ
ェノール樹脂が好ましい。
【0009】フェノール樹脂としては、硬化反応時に発
生ガスが少なく内部欠陥が生じにくく、成形性が良くま
た良好な諸特性を有する開環重合により硬化反応するフ
ェノール樹脂が特に好ましいものとして用いられる。開
環重合により硬化反応するフェノール樹脂としては、粉
末状の樹脂が好ましく、一般式(a)
【化1】 に示されるジヒドロベンゾオキサジン環を含む樹脂が成
形性、耐熱性等に優れ、好ましい。この樹脂は、加熱に
より開環重合反応を起こし、触媒や硬化剤を用いること
なく、揮発分を発生させることなく優れた特性を持つ架
橋構造を形成することができる。
【0010】前記ジヒドロベンゾオキサジン環を含む樹
脂としては、一般式(b)
【化2】 (式中、芳香環に結合する水素はヒドロキシル基のオル
ト位の1つを除き、置換基で置換されていてもよい)に
示す化学構造単位と一般式(c)
【化3】 (式中、R1は炭化水素基であり、芳香環に結合する水
素は、置換基で置換されていてもよい)に示す化学構造
単位を含むものが揮発性ガスの発生を抑制する効果が高
いので好ましく、一般式(b)/一般式(c)のモル比
が4/1〜1/9で含むものが耐熱性等の点でより好ま
しい。なお、この比は、用いる材料の比率等により調整
できる。
【0011】前記一般式(b)及び一般式(c)で示さ
れる化学構造単位において、芳香環に結合する水素の代
わりに置換されていてもよい置換基としては特に制限は
ないが、メチル基、エチル基、プロピル基等のアルキル
基などの炭素原子数1〜10のアルキル基が好ましいも
のとして挙げられる。また、一般式(b)において、ヒ
ドロキシル基のオルト位の1つは硬化反応のために水素
を持つ。また、一般式(c)において、R1で示される
炭化水素基としては、メチル基、エチル基、シクロヘキ
シル基、フェニル基、置換フェニル基等の炭素原子数1
〜10のものが挙げられる。
【0012】前記各化学構造単位の数は、1分子中に含
まれる一般式(b)の数をm、一般式(c)の数をnと
するときに、mが1以上、nが1以上であればよいが、
数平均でm+nが3〜10であることが、硬化物の特
性、例えば耐熱性等の点で好ましい。
【0013】前記各化学構造単位は、互いに直接結合し
ていてもよく、各種の基を介して結合していてもよい。
このような基としては、有機基として、アルキレン基、
キシリレン基等の炭化水素基などが好ましいものとして
挙げられ、具体的には、
【化4】 で示される基(但し、R2は、水素原子又はメチル基、
エチル基、プロピル基、イソプロピル基、フェニル基、
置換フェニル基等の炭素原子数1〜20の炭化水素基を
示す)、炭素原子数5〜20の鎖状アルキレン基等が挙
げられる。これは、原料として用いるフェノール性水酸
基を有する化合物の種類などにより選択できる。
【0014】前記ジヒドロベンゾオキサジン環を含む樹
脂は、例えば、フェノール性水酸基を有する化合物、ホ
ルムアルデヒド類及び第1級アミンから合成することが
できる。これらの材料からジヒドロベンゾオキサジン環
を含む樹脂を合成する方法としては、フェノール性水酸
基を有する化合物と第1級アミンとの混合物を好ましく
は70℃以上に加熱したホルムアルデヒド類中に添加し
て、好ましくは70℃〜110℃、より好ましくは90
℃〜100℃で、好ましくは20分〜120分反応さ
せ、その後好ましくは120℃以下の温度で減圧乾燥す
る方法が挙げられる。
【0015】前記フェノール性水酸基を有する化合物と
しては、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビフェ
ノール等のビスフェノール化合物、トリスフェノール化
合物、テトラフェノール化合物等の低分子フェノール化
合物やフェノール樹脂を挙げることができる。フェノー
ル樹脂としては、フェノール若しくはキシレノール、t
−ブチルフェノール、オクチルフェノール等のアルキル
フェノールなどの1価のフェノール化合物、レゾルシノ
ール、ビスフェノールA等の多価フェノール化合物とホ
ルムアルデヒド類を反応させて得られるノボラック樹脂
若しくはレゾール樹脂、フェノール変性キシレン樹脂、
メラミン変性フェノール樹脂、ポリブタジエン変性フェ
ノール樹脂等が挙げられる。
【0016】前記ホルムアルデヒド類としては、ホルム
アルデヒドの他、ホルマリン、パラホルムアルデヒドや
ヘキサメチレンテトラミンのようなホルムアルデヒドを
発生するものを用いることもできる。第1級アミンとし
ては、メチルアミン、シクロヘキシルアミン等の脂肪族
アミン、アニリン、置換アニリン等の芳香族アミンが挙
げられる。耐熱性の面からは、芳香族アミンが好まし
い。
【0017】これらの配合比に特に制限はないが、例え
ば、フェノール性水酸基を有する化合物のヒドロキシル
基(そのオルト位の少なくとも1つが水素であるもの)
1モルに対し、第1級アミンを0.2〜0.9モル、ホ
ルムアルデヒド類を第1級アミンの2倍モル量以上の比
で反応させることが好ましい。
【0018】粉末状のフェノール樹脂を用いる場合、そ
の粒度分布に特に制限はないが、膨張黒鉛粉等の炭素材
料との混合性(特に乾式混合法の場合)、成形時に於け
る樹脂の流れ性を考慮すると、数平均粒径で1μm〜1
00μmが好ましく、5μm〜50μmがさらに好まし
い。
【0019】本発明に用いられる膨張黒鉛粉は、例えば
原料黒鉛を、酸性物質及び酸化剤を含む溶液中に浸漬し
て黒鉛層間化合物を生成させる工程、前記黒鉛層間化合
物を加熱して黒鉛結晶のC軸方向を膨張させて膨張黒鉛
とする工程、前記膨張黒鉛を圧縮成形した後粉砕する工
程、また必要に応じて行う前記粉砕粉の水洗、乾燥工程
を含むことにより得ることができる。
【0020】前記の原料黒鉛としては特に制限はない
が、天然黒鉛、キッシュ黒鉛、熱分解黒鉛等の高度に結
晶が発達した黒鉛が好ましいものとして挙げられる。得
られる特性の経済性のバランスを考慮すると天然黒鉛が
好ましい。用いる天然黒鉛としては、特に制限はなく、
F48C(日本黒鉛(株)製、商品名)、H−50(中越
黒鉛(株)製、商品名)等の市販品を用いることができ
る。
【0021】原料黒鉛の処理に用いられる酸性物質は、
一般に硫酸又は硫酸と硝酸との混液が使用される。酸の
濃度は、95重量%以上であることが好ましい。酸性物
質の使用量については特に制限はなく、目的とする膨張
倍率で決定され、例えば、黒鉛100重量部に対して1
00〜1000重量部使用することが好ましい。
【0022】また、酸性物質と共に用いられる酸化剤と
しては、過酸化水素、塩酸を用いることが、良好な膨張
黒鉛粉が得られるので好ましい。酸化剤として過酸化水
素を用いる場合、過酸化水素の濃度については特に制限
はないが、20〜40重量%が好ましい。その量につい
ても特に制限はないが、黒鉛100重量部に対して過酸
化水素水として5〜60重量部配合することが好まし
い。
【0023】前記黒鉛を膨張黒鉛にする方法に特に制限
はなく、公知の方法としては、前記黒鉛を硫酸又は硫酸
と硝酸との混液である酸性物質に浸漬し、さらに過酸化
水素、塩酸等の酸化剤を添加して処理することにより黒
鉛層間化合物を生成させ、次いで水洗してから急速加熱
して、黒鉛結晶のC軸方向を膨張処理する方法が挙げら
れる。これにより、膨張した黒鉛が虫状形となり方向性
のない複雑に絡み合った形態となる。
【0024】前記に示すような方法で得られた膨張黒鉛
粉は、密度が0.7g/cm3〜1.7g/cm3であることが好
ましい。前記のような密度の膨張黒鉛粉を得るには、前
記膨張黒鉛を、ロール、プレス等で加圧して、膨張黒鉛
同士の接触を大きくして、密度が0.7g/cm3〜1.7g
/cm3の、例えばシート状の成形体に成形する。次いでこ
れを粉砕し、必要に応じて分級することにより得ること
ができる。
【0025】ここで、密度が0.7g/cm3未満のシート
を使用した場合、電気特性の向上があまり認められず、
一方、1.7g/cm3を越えるシートを使用した場合、成
形体の製造時に大きな圧力が必要となり、作業性及び生
産性が低下する傾向にある。最適密度に調整したシート
状の成形体は、各種粉砕装置を用いて粉砕し、良好な膨
張黒鉛粉を得ることができる。粉砕した膨張黒鉛粉は、
硫酸イオンを低減するため必要に応じて水洗、乾燥して
使用される。
【0026】また、膨張黒鉛粉の平均粒径に特に制限は
ないが、粉末状の樹脂との乾式混合などを考慮すると、
50μm〜500μmの範囲が好ましく、60μm〜3
00μmの範囲がさらに好ましい。ここで、平均粒径が
50μm未満の膨張黒鉛粉を使用した場合、得られる成
形体の機械強度が低下する傾向にあり、一方、500μ
mを越える膨張黒鉛粉を使用した場合、成形性が悪化す
る傾向にある。
【0027】本発明においては上記材料の他に必要に応
じて金属粉が添加される。必要に応じて添加される金属
粉の種類については特に制限はないが、酸化され難く放
熱性の高い金属粉を用いることが好ましい。金属粉の平
均粒径は、1μm〜200μmの範囲が好ましく、5μ
m〜100μmの範囲がさらに好ましい。平均粒径が1
μm未満の金属粉を使用した場合、放熱性の効果が薄く
なる傾向にあり、一方、200μmを越える金属粉を使
用した場合、膨張黒鉛粉との混合性が低下し、放熱性の
効果が低下する傾向にある。
【0028】上記材料の混合方法については特に制限は
なく、コスト、安全性及び作業性を考慮すると、有機溶
剤などを一切使用しない乾式法で混合することが好まし
い。混合に使用する装置としては、シェイカー、ミキサ
ー等が挙げられる。
【0029】上記材料の混合比率は、コスト、放熱性、
機械強度等を考慮すると、膨張黒鉛粉/樹脂=95/5
〜30/70(重量比)の範囲が好ましく、90/10
〜50/50(重量比)の範囲がさらに好ましい。ここ
で混合する膨張黒鉛粉の量が95/5を越える場合、機
械強度が急激に低下する傾向があり、一方、30/70
未満の場合は、放熱性が低下する傾向がある。また、必
要に応じて添加する金属粉の配合量は、膨張黒鉛粉10
0重量部に対して1〜20重量部の範囲で使用すること
が好ましい。
【0030】
【実施例】以下、本発明を実施例により説明する。 実施例1 (1)膨張黒鉛粉の製造 硫酸(濃度99重量%)600gと硝酸(濃度99重量
%)200gを3リットルのガラスビーカに入れた。こ
のものに黒鉛F48C(固定炭素99重量%以上、日本
黒鉛(株)製、商品名)400gを配合し、ガラスはねを
取り付けた撹拌モータ(60rpm)で6分間撹拌し、そ
の後、過酸化水素(濃度35重量%)32gを配合し、
15分間撹拌した。撹拌終了後、減圧濾過で酸化黒鉛と
酸成分を分離し、得られた酸化黒鉛を別容器に移し、5
リットルの水を加え、10分間撹拌し、減圧濾過で洗浄
酸化黒鉛と洗浄水を分離した。
【0031】得られた洗浄酸化黒鉛をホーロー製のバッ
トに移し平らに均し、110℃に昇温した乾燥器で1時
間熱処理して水分を乾燥させた。このものを更に800
℃に昇温した加熱炉に5分間入れ、膨張黒鉛を得た。冷
却後、この膨張黒鉛をロールで圧延して密度が1.0g/
cm3のシートに加工し、得られたシートを粗粉砕機(ホ
ソカワミクロン(株)製、ロートプレックス(商品名))
で粉砕後、微粉砕機(奈良機械製作所(株)製、自由粉砕
機M−3(商品名))で粉砕し、平均粒径が150μm
及び密度が1.0g/cm3の膨張黒鉛粉を得た。
【0032】(2)開環重合するフェノール樹脂(ジヒ
ドロベンゾオキサジン環を含む樹脂)の製造 フェノール1.9kg、ホルマリン(37重量%水溶液)
1.0kg及びしゅう酸4gを5リットルのフラスコに仕
込み、環流温度で6時間反応させた。引き続き、内部を
6666.1Pa(50mmHg)以下に減圧して未反応のフ
ェノール及び水を除去し、フェノールノボラック樹脂を
合成した。得られた樹脂は、軟化点84℃(環球法)、
3核体〜多核体/2核体比92/18(ゲルパーミエー
ションクロマトグラフィー法によるピーク面積比)であ
った。
【0033】次に合成したフェノールノボラック樹脂
1.7kg(ヒドロキシル基16モルに相当)をアニリン
0.93kg(10モルに相当)と混合し、80℃で5
時間撹拌し、均一な混合溶液を調製した。次いで5リッ
トルフラスコ中に、ホルマリン1.62kgを仕込み9
0℃に加熱し、さらに前記のノボラック/アニリン混合
溶液を30分かけて少しずつ添加した。添加終了後、3
0分間、環流温度に保ち、しかる後に100℃で2時間
6666.1Pa(50mmHg)以下に減圧して縮合水を除
去し、反応し得るヒドロキシル基の71モル%がジヒド
ロベンゾオキサジン化されたジヒドロベンゾオキサジン
環を含む樹脂を得た。すなわち、上記ジヒドロベンゾオ
キサジン環を含む樹脂は、前記一般式(b)と一般式
(c)のモル比を前者/後者で1/2.45で含むもの
である。この後前記の樹脂を粉砕機で微粉化し、反応時
発生するガスの少ない平均粒径が5μmの粉末状のフェ
ノール樹脂を得た。
【0034】なお、前記フェノールノボラック樹脂にお
いて反応し得るヒドロキシル基の量は、下記のようにし
て算出したものである。すなわち、前記フェノールノボ
ラック樹脂1.7kg(ヒドロキシル基16モルに相当)
をアニリン1.4(16モルに相当)、ホルマリン2.
59kgと反応させ、反応し得るヒドロキシル基のすべて
にジヒドロベンゾオキサジン環が導入された樹脂を合成
した。過剰のアニリン及びホルマリンは乾燥中にのぞか
れ、収量は3.34kgであった。このことから、前記フ
ェノールノボラック樹脂において、反応し得るヒドロキ
シル基の量は14モル反応し、ジヒドロベンゾオキサジ
ン環化したことを示している。
【0035】(3)放熱性成形板の製造 実施例1(1)で得た膨張黒鉛粉85g及び(2)で得
た粉末状のフェノール樹脂15g(膨張黒鉛粉/フェノ
ール樹脂=85/15(重量比))を、ビニール袋に計
り取り空気を入れて袋を膨らませた状態で30秒間乾式
混合を行って放熱性成形材料を得た。
【0036】前記混合粉(放熱性成形材料)を、180
℃に昇温した平板(100mm×100mm)成形金型に均
一に充填し、温度180℃に昇温した76トン圧縮成形
機で、ゲージ圧力50kgf/cm2(4.9MPa)、成形時間
10分の条件で成形した。得られた成形板を200℃に
昇温した乾燥機に入れ30分間熱処理して厚さが2μm
の放熱性成形板を得た。
【0037】実施例2 実施例1(3)の材料の他に、平均粒径が50μmのア
ルミニウム粉を8.5g加え、以下実施例1(3)と同
様の工程を経て厚さが2μmの放熱性成形板を得た。
【0038】比較例1 実施例1(3)で得た膨張黒鉛に代えて、平均粒径が4
0μmの黒鉛KS75(ロンザ社製、商品名)を用いた
以外は、実施例1と同様の工程を経て厚さが2μmの放
熱性成形板を得た。
【0039】次に、実施例1、2及び比較例1で得られ
た放熱性成形板の熱伝導率及び機械強度について比較試
験を行った。その結果を表1に示す。なお試験は下記に
示す方法で行った。 熱伝導率:コールラウシュ法(成形体を棒状に加工し、
C軸方向を測定した。) 曲げ強度:JIS R 7202に準じて測定した。
【0040】
【表1】
【0041】表1に示すように、本発明の実施例になる
放熱性成形材料を用いた成形板は、比較例の放熱性成形
材料を用いた成形板に比較して熱伝導率が高く、曲げ強
度に優れることが明らかである。
【0042】
【発明の効果】請求項1、2、3及び4記載の放熱性成
形材料は、安価で、かつ放熱性、機械的強度等に優れた
放熱性成形体を得ることができ、工業的に極めて好適で
ある。
フロントページの続き (72)発明者 蓮田 春文 茨城県日立市鮎川町三丁目3番1号 日立 化成工業株式会社山崎事業所内 (72)発明者 藤田 淳 茨城県日立市鮎川町三丁目3番1号 日立 化成工業株式会社山崎事業所内 Fターム(参考) 4J002 CC031 CE001 DA026

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 樹脂及び膨張黒鉛粉を混合して得られる
    放熱性成形材料。
  2. 【請求項2】 樹脂が、開環重合により硬化反応するフ
    ェノール樹脂である請求項1記載の放熱性成形材料。
  3. 【請求項3】 膨張黒鉛粉が、平均粒径50μm〜50
    0μmの範囲である請求項1又は2記載の放熱性成形材
    料。
  4. 【請求項4】 混合が、乾式混合である請求項1、2又
    は3記載の放熱性成形材料。
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