JP2001031425A - 酸化物超電導体およびその製造方法 - Google Patents

酸化物超電導体およびその製造方法

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JP2001031425A
JP2001031425A JP20825999A JP20825999A JP2001031425A JP 2001031425 A JP2001031425 A JP 2001031425A JP 20825999 A JP20825999 A JP 20825999A JP 20825999 A JP20825999 A JP 20825999A JP 2001031425 A JP2001031425 A JP 2001031425A
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Katsuya Akimoto
克弥 秋元
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 充填密度が低下することなく充填密度が常時
同一となる酸化物超電導体の粉末あるいは酸化物超電導
体前駆体の粉末を用いて製造される酸化物超電導体およ
びその製造方法を提供すること。 【解決手段】 酸化物超電導体の粉末あるいは酸化物超
電導体前駆体の粉末の凝集体の算術平均粒径を、100
μm以上250μm以下の範囲にする。さらに、前記凝
集体を、同一条件で凝集された少なくとも2群の凝集体
の算術平均粒径が、前記少なくとも2群の全体の算術平
均粒径の90%から110%の値としたものとする。こ
れにより、前記酸化物超電導体の粉末あるいは酸化物超
電導体前駆体の粉末の凝集体の充填密度を低下させるこ
となく、充填密度を常に同じにすることができ、良好な
酸化物超電導体を得ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、酸化物超電導体の
粉末あるいは酸化物超電導体前駆体の粉末を用いて所定
のプロセスを経て製造される酸化物超電導体およびその
製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】金属シース酸化物超電導体の一般的かつ
代表的な作製方法の1つとして、powder in
tube法(以下、PIT法という)と呼ばれる方法が
ある。このPIT法は、金属管内に酸化物超電導体の粉
末(以下、出発粉体という)を封入し、その金属管を伸
線することにより金属シース酸化物超電導体とする方法
である。
【0003】上記出発粉体は、一般に次のようにして合
成される。先ず、酸化物超電導体の組成元素の酸化物ま
たは塩をボールミルや乳鉢等を用いて混合し、あるい
は、酸化物超電導体の組成元素の塩を適当な溶媒に溶解
・混合して共沈等させ、あるいは、酸化物超電導体の組
成元素の酸化物または塩をその他の手法によって混合す
る。次に、得られた原料粉体に対して成形、仮焼、粉砕
を繰り返し施す。そして、それを合成反応させることに
より出発粉体が得られる。
【0004】このようにして合成された出発粉体の粒径
は、酸化物超電導体の種類や仮焼および粉砕条件等にも
依存するが、0.5μm〜5μm程度となる。この程度
の大きさの出発粉体は、大気中の水分等により簡単に凝
集体を形成し、その凝集力も大きい。したがって、出発
粉体の機械的挙動のほとんどは、出発粉体の凝集体の形
状、大きさ等で決定される。特に、PIT法における出
発粉体の充填密度は、出発粉体の凝集体の粒径の分布状
態(以下、粒度分布という)に大きく依存する。
【0005】また、酸化物超電導体の別の一般的かつ代
表的な作製方法の1つとして、冷間等方圧成形法(以
下、CIP法という)と呼ばれる方法がある。このCI
P法は、ゴム型の中に出発粉体を封入し、そのゴム型を
油等の液体中に入れてゴム型に圧力をかけることにより
酸化物超電導体とする方法である。このようなCIP法
における出発粉体の充填密度もまた、出発粉体の凝集体
の粒度分布に依存する。
【0006】以上から分かるように、同様な酸化物超電
導体を常時得るためには、出発粉体の凝集体の粒度分布
を常時同一にする必要がある。しかし、出発粉体の凝集
の程度は、出発粉体が置かれた雰囲気によって大きく変
わってきてしまうので、凝集体の粒度分布も変動しやす
い。そこで、同一条件に常時維持した粉砕処理を充填直
前の出発粉体に施し、出発粉体の凝集体を可能な限り解
離させることで凝集体の粒度分布を同一にするようにし
ている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の酸化物
超電導体を作製するための出発粉体によれば、出発粉体
の凝集体は可能な限り解離されているので、出発粉体の
凝集体の粒径は全体に小さくなっている。一般に粉体の
粒径が小さくなるほど充填密度が低下するが、出発粉体
の凝集体もその例外ではない。ところが、一般に粉末充
填においては充填密度が大きい方が望ましいことが多
い。例えば、PIT法において出発粉体の充填密度が低
下すると、金属シース部が均一に変形せず、最終的に得
られる酸化物超電導体の断面形状が乱れ、臨界電流密度
が低下するおそれがあるという問題がある。
【0008】従って、本発明の目的は、充填密度が低下
することなく常時充填密度が同一となる酸化物超電導体
の粉末あるいは酸化物超電導体前駆体の粉末を用いて製
造される酸化物超電導体およびその製造方法を提供する
ことにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を実
現するため、酸化物超電導体の粉末あるいは酸化物超電
導体前駆体の粉末を用いてPIT法、CIP法等の所定
のプロセスを経て製造される酸化物超電導体において、
前記粉末は、算術平均粒径が、100μm以上250μ
m以下の凝集体を構成していることを特徴とする酸化物
超電導体を提供する。また、本発明は、上記目的を実現
するため、前記凝集体は、同一条件で凝集された少なく
とも2群の凝集体に分類されており、各群の算術平均粒
径が、前記少なくとも2群の全体の算術平均粒径の90
%から110%の値であることを特徴とする酸化物超電
導体を提供する。
【0010】上記構成によれば、酸化物超電導体の粉末
あるいは酸化物超電導体前駆体の粉末が凝集しやすい一
定条件に保たれた雰囲気中で酸化物超電導体の粉末ある
いは酸化物超電導体前駆体の粉末を粉砕・凝集すること
により、酸化物超電導体の粉末あるいは酸化物超電導体
前駆体の粉末の凝集体の粒径を増大させ、かつ常に同じ
粒度分布を得るようにしている。これにより、酸化物超
電導体の粉末あるいは酸化物超電導体前駆体の粉末の凝
集体の充填密度を低下させることなく、常に充填密度を
同じにすることができ、良好な酸化物超電導体を得るこ
とができる。
【0011】更に、本発明は、上記目的を実現するた
め、酸化物超電導体の粉末あるいは酸化物超電導体前駆
体の粉末を用いてPIT法、CIP法等の所定のプロセ
スを経て酸化物超電導体を製造する酸化物超電導体の製
造方法において、前記粉末の凝集雰囲気で前記粉末を粉
砕して凝集させることによって、算術平均粒径が、10
0μm以上250μm以下の凝集体を形成することを特
徴とする酸化物超電導体の製造方法を提供する。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明の酸化物超電導体の実施形
態について説明する。ここで、酸化物超電導体として
は、少なくともBi、好ましくはBi、Sr、Caおよ
びCuを含む2212相、2223相、または少なくと
もTiを含む2212相、2223相、1201相、1
212相、1223相、1234相、またはReBa2
Cu3 y 相(Re=Y、La、Nd、Eu、Dy、G
d、Ho、Er、Tm、Yb、Lu)、または少なくと
もHgを含む2212相、2223相、1201相、1
212相、1223相、1234相等が用いられる。
【0013】以上のような組成の酸化物超電導体を製造
する際に、出発粉体の凝集体の充填密度を低下させるこ
となく常時充填密度が同一となるようにするには、出発
粉体の凝集体の粒径を増大させ、かつ粒度分布を常に同
一にすればよい。このような状態の出発粉体の凝集体の
製造方法について以下に説明する。
【0014】先ず、出発粉体が凝集しやすい雰囲気に
し、その雰囲気を常時一定に保てるようにする。ここ
で、出発粉体が凝集しやすい雰囲気の一つとして、適度
な湿度をもった大気が選択可能である。この場合、出発
粉体は、所定の相対湿度以上の大気中に晒されると水分
を吸着しやすくなるが、あまりにも高湿度の大気中に晒
されると水と反応して炭酸塩を生じ、超電導特性が劣化
することから、必要以上に相対湿度を上げる必要はな
い。
【0015】次に、その雰囲気中で出発粉体を粉砕し、
その後に凝集させる。さらに、同一雰囲気中で一旦凝集
した出発粉体の凝集体を再度粉砕し、その後に再度凝集
させる。このような同一雰囲気中での粉砕・凝集を、目
標とする出発粉体の凝集体の粒径及び粒度分布となるま
で繰り返す。
【0016】以上のような常時一定に保たれた出発粉体
が凝集しやすい雰囲気中で粉砕・凝集処理を施すこと
で、出発粉体の凝集体の粒径は処理以前よりも増大し、
かつ粒度分布は常時同一分布となるので、その結果、出
発粉体の凝集体の充填密度を処理以前よりも低下させる
ことなく常時同一とすることができる。
【0017】以下に、出発粉体の凝集体の粒径及び粒度
分布の最適条件と、出発粉体が凝集しやすい雰囲気の最
適条件について説明する。図1は、出発粉体の凝集体の
粒径と充填密度の関係を示す図である。出発粉体として
は、Bi−2212粉末を用いた。また、充填密度は、
市販のタップ密度測定装置を使用して測定した。図1か
ら明らかなように、粒径d(μm)と充填密度D(g/
cm3 )は、次式(1)のような関係がある。 D=0.141lnd+0.178・・・(1)
【0018】ここで、理想的には、少なくとも2つに分
けられた同一組成からなる出発粉体に対し、同一条件の
もとで別々に上記粉砕・凝集処理を施したとき、それぞ
れの出発粉体の凝集体の算術平均粒径は全て等しくなる
のがよい。ところが、実際には、十分な粉砕処理を施さ
れた出発粉体の凝集体の粒度分布は一般に対数正規分布
に近づくので、それぞれの出発粉体の凝集体の算術平均
粒径もまた対数正規分布をとり、ある程度のばらつきが
出るのはやむを得ない。
【0019】そこで、先ず、出発粉体の凝集体の算術平
均粒径の許容範囲について考察する。図1からは、出発
粉体の凝集体の粒径が大きければ大きいほど充填密度の
向上が期待できる。しかし、出発粉体の凝集体の粒径が
あまりにも大きくなるともはや粉体として振る舞わなく
なり、充填密度の局地的な偏りや、PIT法における伸
線時やCIP法における加圧時においてマクロクラック
の発生が懸念される。
【0020】一般に、粉体として扱うことができるの
は、粒径が1mm以下の粒子である。したがって、出発
粉体の凝集体の粒径は大きければ大きいほどよいが、粒
径が1mmを越えてはならないと考えることができる。
前述のように、出発粉体の凝集体の算術平均粒径が対数
正規分布を持つことを考慮すると、出発粉体の凝集体の
算術平均粒径が、100μm以上250μm以下の範囲
になるようにすれば、出発粉体の凝集体の粒径が1mm
を越えない範囲で、出発粉体の凝集体の粒径を最大とす
ることができる。
【0021】続いて、出発粉体の凝集体の算術平均粒径
のばらつきの許容範囲、すなわち出発粉体の凝集体の粒
度分布の許容範囲について考察する。粒径200μmの
Bi−2212粉末の充填密度は、(1)式より0.9
25g/cm3 となる。一方、粒径220μmのBi−
2212粉末の充填密度は、(1)式より0.939g
/cm3 となる。そして、これらの比をとると、1.0
2となり、粒径が10%大きくても充填密度の差は2%
程度と非常に小さくなる。
【0022】このことから、少なくとも2つに分けられ
た同一組成からなる出発粉体に対し同一条件のもとで別
々に粉砕・凝集処理を施したとき、それぞれの出発粉体
の凝集体の算術平均粒径が、出発粉体の凝集体全体の算
術平均粒径の90%から110%に含まれるような粒度
分布を各出発粉体の凝集体がもつようにすれば十分実用
的だといえる。
【0023】次に、出発粉体が凝集しやすい雰囲気とし
て、湿度をもった大気を選択した場合の適切な湿度につ
いて考察する。図2は、ある一定の湿度に保たれた大気
中での出発粉体の重量の経時変化を示す図であり、横軸
に時間、縦軸に初期重量に対する重量変化の割合をとっ
た図である。
【0024】出発粉体の初期重量に対する重量変化は、
ある同ロットの市販試薬のBi−2212粉末を4つに
分け、それぞれに同時に800°C×1hの仮焼を行
い、それぞれを相対湿度20%、30%、60%、70
%の大気中に放置することにより測定した。なお、温度
はどの雰囲気も20°Cである。
【0025】図2から明らかなように、湿度が大きくな
ると重量増加も大きくなることから、この重量増加は吸
湿によるものと考えられる。相対湿度20%では重量変
化が小さく、吸湿による凝集の効果はあまり期待できな
いが、相対湿度30%では重量変化が大きくなってお
り、十分な凝集が期待できる。相対湿度60%では相対
湿度30%のときと比べ、重量変化がわずかに増加して
おり、凝集の効果はわずかに向上すると考えられる。相
対湿度60%と相対湿度70%では重量変化はほぼ同じ
であり、相対湿度60%以上の湿度では凝集は同じよう
に起こると考えられる。
【0026】したがって、出発粉体が凝集しやすい雰囲
気として適度な湿度をもったガスを選択した場合、相対
湿度30%以上60%以下の範囲の一定の値に保つのが
よい。しかし、酸化物超電導体が水と反応して臨海電流
密度の低下を招く可能性があることを考慮すると、湿度
は凝集が期待できる範囲内でなるべく低く保ったほうが
よいと考えられ、最適条件は相対湿度30%以上で、か
つなるべく相対湿度30%に近い値であるといえる。
【0027】なお、雰囲気としては、相対湿度30%以
上60%以下の範囲であれば、大気に限られるものでは
なく、窒素と水蒸気の混合ガス、またはアルゴンと水蒸
気の混合ガス、またはその他の気体と水蒸気の混合ガス
でもよい。以上の結果を踏まえて、以下に本発明の実施
例及び比較例について詳細に説明する。
【0028】
【実施例】以下の条件で出発粉体に粉砕・再凝集処理を
施した。出発粉体としては、酸化物超電導体の一種であ
るBi2 Sr2 Ca2 Cu2 Ox(Bi−2212)粉
末を用いた。市販試薬のBi−2212粉末を2ロット
用意し、これらを扮末Aおよび粉末Bとした。粉末Aを
任意に2つに分け、それぞれ粉末A1、粉末A2とし
た。粉末A1には何ら処理は施さなかったが、粉末A2
には温度20°C、相対湿度40%の大気中で自動乳鉢
による粉砕処理を行った。
【0029】同様に粉末Bも任意に2つに分け、それぞ
れ粉末B1、粉末B2とした。粉末B1には何ら処理を
施さず、粉末B2には粉末A1と同様、温度20°C、
相対湿度40%の大気中で自動乳鉢による粉砕処理を行
った。そして、これらの粉末A1、A2、B1、B2の
粒径分布を篩分け法で測定した。
【0030】図3(A)は、粉末A1、B1の粒径分布
を示す図、図3(B)は、A2、B2の粒径分布を示す
図である。図3(A)から明らかなように、粉末A1は
63μm〜75μmにピークをもつ粒径分布、粉末B1
は75μm〜90μmと125μm〜150μmの2つ
のピークをもつ粒径分布となり、それぞれ全く異なる粒
径分布となったことがわかる。粉末A1、B1の算術平
均粒径は、それぞれ93μm、98μmである。
【0031】一方、図3(B)から明らかなように、粉
末A2と粉末B2は、ともに150μm〜180μmに
ピークをもつ粒径分布となり、算術平均粒径はそれぞれ
159μm、146μmとなり、粉砕処理以前よりも大
きくなっている。また、粉末A2と粉末B2を合わせた
場合の算術平均粒径は153μmであり、粉末A2はこ
の値の109%、粉末B2は95%である。最後に、箭
い分け後の粉末A2と粉末B2を電子顕微鏡で観察し、
それぞれが凝集体を形成していることを確認した。 こ
のように、粉末A2と粉末B2は、それぞれの算術平均
粒径が、全体の算術平均粒径の90%から1l0%の範
囲にあり、上述した最適条件を満たしている。
【0032】
【比較例】比較のため、以下の条件で出発粉体に従来技
術による粉砕処理を施した。上記実施例の粉末A1を粒
径分布測定前に一部分けておき、粉末A3とした。粉末
A3には温度20°C、相対湿度l0%の大気中で自動
乳鉢による粉砕処理を行った。同様に粉末B1の一部を
粉末B3とし、粉末A3と全く同様の処理を施した。そ
して、これらの粉末A3、B3の粒径分布を箭分け法で
測定した。
【0033】図4は、粉末A3、B3の粒径分布を示す
図である。図4から明らかなように、粉末A3の算術平
均粒径は82μm、粉末B3の算術平均粒径は81μm
となり、各算術平均粒径は粉末A1および粉末B2の算
術平均粒径に比べ小さくなっている。
【0034】以上の実施例および比較例の粉末A1、A
2、A3、B1、B2、B3について、タップ密度測定
装置を使用し、それぞれの充填密度を測定した。測定条
件は、落差3.2mm、毎分284回で3000回のタ
ッピングとした。結果を表1に示す。なお、相対密度は
Bi−2212の真密度6.5g/cm3 に対する充填
密度の割合である。
【0035】
【表1】 粉末No. A1 A2 A3 B1 B2 B3 充填密度(g/cm3 ) 1.02 1.62 0.94 1.16 1.61 0.95 相対密度(%) 15.7 24.9 14.5 17.8 24.8 14.6
【0036】表1から明らかなように、粉末A1と粉末
Blでは粒径分布が異なるために全く同様に充填を行っ
ても充填密度に差がある。また、粉末A2と粉末B2で
はそれぞれの充填密度が真密度の20%以上とほぼ等し
くなり、かつ、粉末A1、B1よりも充填密度は増加し
ている。これは、粉末A2と粉末B2の粒径分布が同様
で、かつ算術平均粒径が粉末A1およびA2よりも大き
いためである。一方、粉末A3と粉末B3では充填密度
はほぼ等しくなるものの、算術平均粒径が粉末A1およ
びA2よりも小さくなっているために充填密度が低下し
ている。
【0037】なお、上述した実施形態では、湿度をもっ
た大気により出発粉末を凝集させるようにしたが、例え
ば出発粉体そのものに正電荷を与えることで凝集しやす
くするようにしてもよい。上述した実施形態は酸化物超
電導体のみならず、酸化物超電導体前駆体またはペロブ
スカイト酸化物等にも適用可能である。また、酸化物超
電導体の応用例としては、マグネット、ケーブル、電流
ソード、磁気シールド、限流器、永久電流スイッチ等が
挙げられる。
【0038】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、酸
化物超電導体の粉末あるいは酸化物超電導体前駆体の粉
末の凝集体の粒径を増大させ、かつ、常に同じ粒度分布
を得ることができるので、充填密度を低下させることな
く常時充填密度を同一とすることができる。さらに、酸
化物超電導体の粉末あるいは酸化物超電導体前駆体の粉
末の処理条件をパラメータとして凝集を制御すること
で、酸化物超電導体の粉末あるいは酸化物超電導体前駆
体の粉末の凝集体の粒径分布を制御し、その結果として
充填密度を制御することも可能である。そして、例えば
熱間圧延における熱間割れが発生せず、熱間加工性に優
れた電気・電子部品用高力合金を提供することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の酸化物超電導体の出発粉体の凝集体の
粒径及び粒径分布の最適条件を得るための、出発粉体の
凝集体の粒径と充填密度の関係を示す図である。
【図2】本発明の酸化物超電導体の出発粉体が凝集しや
すい雰囲気の最適条件を得るための、ある一定の湿度に
保たれた大気中での出発粉体の重量の経時変化を示す図
である。
【図3】本発明の酸化物超電導体の出発粉体の凝集体の
具体例の粒径分布を示す図である。
【図4】従来の酸化物超電導体の出発粉体の凝集体の具
体例の粒径分布を示す図である。
【符号の説明】
A1、A2、B1、B2 本発明の酸化物超電導体の出
発粉体の凝集体 A3、B3 従来の酸化物超電導体の出発
粉体の凝集体

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 酸化物超電導体の粉末あるいは酸化物超
    電導体前駆体の粉末を用いてPIT法、CIP法等の所
    定のプロセスを経て製造される酸化物超電導体におい
    て、 前記粉末は、算術平均粒径が、100μm以上250μ
    m以下の凝集体を構成していることを特徴とする酸化物
    超電導体。
  2. 【請求項2】 前記凝集体は、同一条件で凝集された少
    なくとも2群の凝集体に分類されたとき、各群の算術平
    均粒径が、前記少なくとも2群の全体の算術平均粒径の
    90%から110%の値であることを特徴とする請求項
    1に記載の酸化物超電導体。
  3. 【請求項3】 前記粉末は、少なくともBi、Sr、C
    aおよびCuを含むBi−2212あるいはBi−22
    23の酸化物超電導体相であることを特徴とする請求項
    1に記載の酸化物超電導体。
  4. 【請求項4】 前記凝集体は、落差3.2mmにおいて
    毎分284回のタップ振動を3000回与えられたと
    き、タップ密度測定結果として、真密度の20%以上の
    密度を有することを特徴とする請求項1に記載の酸化物
    超電導体。
  5. 【請求項5】 酸化物超電導体の粉末あるいは酸化物超
    電導体前駆体の粉末を用いてPIT法、CIP法等の所
    定のプロセスを経て酸化物超電導体を製造する酸化物超
    電導体の製造方法において、 前記粉末の凝集雰囲気で前記粉末を粉砕して凝集させる
    ことによって、算術平均粒径が、100μm以上250
    μm以下の凝集体を形成することを特徴とする酸化物超
    電導体の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記凝集体の形成は、前記凝集雰囲気と
    して相対湿度30%以上60%以下の雰囲気で行われる
    ことを特徴とする請求項5に記載の酸化物超電導体の製
    造方法。
  7. 【請求項7】 前記凝集体の形成は、前記凝集雰囲気と
    して大気、窒素と水素の混合ガス、アルゴンと水蒸気の
    混合ガス、およびその他の気体と水蒸気の混合ガスから
    選択された1つの雰囲気で行われることを特徴とする請
    求項5に記載の酸化物超電導体の製造方法。
  8. 【請求項8】 前記凝集体の形成は、前記粉末の粉砕と
    凝集を所定の回数だけ繰り返して行われることを特徴と
    する請求項5に記載の酸化物超電導体の製造方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2006012537A (ja) * 2004-06-24 2006-01-12 Sumitomo Electric Ind Ltd 超電導線材の製造方法
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