JP2001023231A - 光ヘッド及び光記録再生装置 - Google Patents

光ヘッド及び光記録再生装置

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JP2001023231A
JP2001023231A JP11197588A JP19758899A JP2001023231A JP 2001023231 A JP2001023231 A JP 2001023231A JP 11197588 A JP11197588 A JP 11197588A JP 19758899 A JP19758899 A JP 19758899A JP 2001023231 A JP2001023231 A JP 2001023231A
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recording
film
solid immersion
immersion lens
light
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JP11197588A
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English (en)
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Hisao Osawa
日佐雄 大澤
Yasushi Oki
裕史 大木
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Nikon Corp
Original Assignee
Nikon Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 対物レンズの大NA化や固体浸レンズの高屈
折率化を図ることなく集光スポット径を小さくすること
ができ、情報の記録再生を高密度に行うことができる光
ヘッド及び光記録再生装置を提供する。 【解決手段】 光磁気ディスク2の記録膜2aに近接す
る位置に固体浸レンズ12を設け、この固体浸レンズ1
2の上側には光源から射出される記録再生光を固体浸レ
ンズ12に集光させる対物レンズ13を設ける。固体浸
レンズ12の底面には飽和性吸収体からなる薄膜(飽和
性吸収体膜)12aを設け、更にその下面には保護膜1
2bを設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光によって記録媒
体に情報を記録再生する光記録再生装置及びこの光記録
再生装置に用いられる光ヘッドに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、光を用いて記録媒体に情報を記録
再生する装置には、記録媒体に設けられた記録膜の光磁
気変化や結晶相変化を利用するもの等がある。ここで、
記録膜の光磁気変化を利用するものでは、レーザー光照
射によりキュリー点以上に昇温させた記録膜の部分に外
部から磁界を印加してその部分の磁化を反転させること
により記録を行い、磁化カー効果による反射光の偏光角
の回転を検出して再生を行う。一方、記録媒体の結晶相
変化を利用するものでは、レーザーの熱で記録膜を結晶
状態から非結晶状態へ、またその逆へと相変化を生じさ
せて記録を行い、結晶部と非結晶部の反射率が異なるこ
とを利用して再生を行う。
【0003】このような光記録再生装置において、記録
密度を高めて記録媒体の記録容量を大きくするために
は、記録膜上に形成されるレーザーの集光スポット径を
小さくする必要がある。ここで、集光スポット径はK・
λ/NA(λ:光波長、NA:対物レンズの開口数、
K:定数)で求められることが知られており、集光スポ
ット径を小さくするには光波長λを小さくするか、若し
くは対物レンズのNAを大きくすればよいことになる。
ここで光波長λは、小型の半導体レーザーで400nm
程度のものも実用化されつつあるが、寿命が短いことや
生産性の点で難点があり、現状ではまだ装置に組み込め
るほどのレベルには達していない。
【0004】一方、対物レンズの集光部に固体浸レンズ
(SIL:Solid Immersion Lens)を設けて合成NAを
大きくしたものもある。これによれば対物レンズのみで
0.45〜0.60程度であるNAを1.2〜1.6程
度にまで大きくすることが可能である。図7(a)には
固体浸レンズを用いた光ヘッドの構成例を示しており、
記録媒体102の記録膜102aに近接して設けられた
スライダ111(スライダ111の駆動機構の図示は省
略する)の空隙111aに対物レンズ113及び固体浸
レンズ112が設けられている。光源から射出された光
は対物レンズ113において集光され、固体浸レンズ1
12の底面に集光スポットが形成される。このように半
球型形状の固体浸レンズ112の場合、合成NAは(対
物レンズのNA)×(固体浸レンズ材料の屈折率n)と
なる。このため、例えばNA=0.6及びn=2.0で
あれば合成NAは1.2となり、集光スポット径は定数
Kを0.6として、光波長630nmに対して約320
nm、光波長400nmに対して約200nmとするこ
とができる。
【0005】図7(b)は超半球型の固体浸レンズ21
2を用いた場合の例であり、このとき合成NAは(対物
レンズのNA)×(固体浸レンズ材料の屈折率n)
なる。このため例えばNA=0.6及びn=2.0であ
れば合成NAは2.4となり、集光スポット径は定数K
を0.6として、光波長630nmに対して約160n
m、光波長400nmに対して約100nmとすること
ができる。このように固体浸レンズ112(又は21
2)を用いれば合成NAを大きく(特に1以上に)する
ことができ、集光スポット径を小さくして記録密度を高
くすることが可能である。
【0006】また、特開平6−111330号公報に開
示されるように、記録媒体の記録膜と保護膜との間に飽
和性吸収体からなる薄膜を設けて記録膜上の集光スポッ
ト径を小さくする方法も知られている(図8(a)参
照)。飽和性吸収体は入射光強度が大きくなると吸収係
数が減少して吸収光量の飽和が起きる特性を持ってお
り、保護膜側から入射されて上面側に形成された集光ス
ポットの光のうち飽和吸収量を越える強度を有する部分
を中心とする微小円の範囲内の光のみが下面側に透過す
る。このため飽和性吸収体膜の下面側に形成される集光
スポット径は上面側に形成される集光スポット径よりも
小さくなる。この場合における飽和性吸収体膜の上面側
の集光スポットのプロファイルを図8(b)に、膜の下
面側の(すなわち記録膜状の)集光スポットのプロファ
イルを図8(c)に示す。なお、このことは相変化媒質
からなる記録膜の上にアンチモンの飽和性吸収体膜を設
けることで実証されており、J.Tominaga,”Optical Nea
r-Field Properties from Phase Change Films-New pro
posal and the basic experiment for optical near-fi
eld data storage-“,Technical Digest of ISOM(Inter
national Symposium onOptical Memory)’98,Th-O-01に
示されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、記録膜
上の集光スポット径を更に小さくしようとする場合、固
体浸レンズの屈折率を今以上に大きくすることは短波長
の光を透過できるレンズ材料は限られていることから非
常に困難である。一方、対物レンズのNAを大きくする
と固体浸レンズとの間の距離が小さくなり、両レンズの
干渉が問題となる。
【0008】ここで、固体浸レンズを用いた装置と上記
の飽和性吸収体膜を用いた記録媒体とを組み合わせるこ
とにより、対物レンズの大NA化や固体浸レンズの高屈
折率化を図ることなく集光スポット径を小さくする方法
が考えられる。しかしながら、上記記録媒体では記録膜
上に飽和性吸収体膜を均一に設ける必要があるため製作
コストが高くなる。また、飽和性吸収体膜が飽和吸収す
る光強度はその材料、膜厚及び記録再生光の波長ごとに
変化するものであるため、光源は記録媒体ごとに調整さ
れる必要があり、構成が複雑になってしまうという問題
がある。
【0009】本発明はこのような問題に鑑みてなされた
ものであり、対物レンズの大NA化や固体浸レンズの高
屈折率化を図ることなく集光スポット径を小さくするこ
とができ、情報の記録再生を高密度に行うことができる
光ヘッド及び光記録再生装置を提供することを目的とし
ている。
【0010】
【課題を解決するための手段】このような目的を達成す
るため、本発明に係る光ヘッドは、記録再生光を射出す
る光源(例えば、実施形態における光照射装置5)と、
記録媒体(例えば、実施形態における光磁気ディスク
2)の記録膜に近接する位置に配設された固体浸レンズ
と、固体浸レンズの上側に配設されて光源からの記録再
生光を固体浸レンズに集光させる対物レンズとを有して
なる光ヘッドにおいて、固体浸レンズの底面に飽和性吸
収体からなる薄膜(例えば、実施形態における飽和性吸
収体膜12a)が設けられている。
【0011】このような構成においては、光源から射出
された記録再生光は対物レンズにより固体浸レンズに集
光され、その底面に集光スポットが形成されるのである
が、固体浸レンズの底面には飽和性吸収体膜が設けられ
ているので、この集光スポットの光のうち、飽和性吸収
体膜の飽和吸収量を越える強度を有する部分を中心とす
る微小円の範囲内の光のみが膜の下面側に透過する。こ
のため飽和性吸収体膜の下面側に形成される集光スポッ
ト径は膜の上面側に形成される集光スポット径よりも小
さくなり、情報の記録再生に用いられる実効的な集光ス
ポット径を従来よりも小さくすることができる。このた
め記録媒体への情報の記録再生を高密度に行うことが可
能である。また、このような構成では、飽和性吸収体膜
を記録媒体側に設けた場合よりも製作が容易であるとと
ともに、記録媒体側の仕様に依らず用いることができる
ので汎用性もある。
【0012】また、本発明に係る光記録再生装置は、記
録媒体を保持して平面運動させる媒体駆動機構(例え
ば、実施形態におけるスピンドルモータ1)と、上記光
ヘッドと、この光ヘッドを保持するヘッドアームと、光
ヘッドを記録媒体の平面運動方向と交差する方向に移動
させるようにヘッドアームを駆動するアーム駆動機構
(例えば、実施形態におけるボイスコイルモータ3)と
を有して構成されており、上記の光ヘッドを用いて情報
の高密度な記録再生が可能である。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の好
ましい実施形態について説明する。本発明に係る光ヘッ
ドを備えた光記録再生装置を図1及び図2に示してお
り、この光記録再生装置は、スピンドルモータ1により
回転駆動される光磁気ディスク2の記録膜2aの上に近
接して位置する光ヘッド10と、この光ヘッド10を保
持するヘッドアーム4と、このヘッドアーム4を回動さ
せるためのボイスコイルモータ3と、記録再生レーザー
光を照射する光照射装置5とを有して構成される。
【0014】光ヘッド10はスライダ11を備えてお
り、スライダ11は回転する光磁気ディスク2上面の記
録膜2aの上に位置し、空気ベアリング効果により記録
膜2aから一定微小距離だけ浮上した状態となる(すな
わち、フライングヘッドを構成する)。ヘッドアーム4
は、ボイスコイルモータ3に繋がれて回転駆動される回
転軸4aと、この回転軸4aの上端から水平に延びたア
ーム部4bと、アーム部4bの先端において光ヘッド1
0の上下の移動を許容するようにして支持するサスペン
ション部4cとから構成される。ボイスコイルモータ3
により回転軸4aが回転駆動されるとアーム部4bが水
平に揺動移動され、光ヘッド10を光磁気ディスク2の
回転方向に対してほぼ直角方向(図2における矢印A方
向)に移動させて光ヘッド10が光磁気ディスク2の記
録膜2a上で走査される。すなわち、ボイスコイルモー
タ3によりトラッキング制御が行われる。
【0015】光ヘッド10のスライダ11内には、上方
に広がる円形テーパ状の空隙11aが形成されており、
この空隙11aの下部にはガラス材料で作成された固体
浸レンズ12が配設され、空隙11aの上部には同じく
ガラス材料で製作された対物レンズ13が配設されてい
る。スライダ11の上方にはスペーサ14を介してマイ
クロプリズム15が配設され、その反射面15aには高
反射膜16が設けられている。このマイクロプリズム1
5が微動アクチュエータ20を介してヘッドアーム4の
サスペンション部4cに繋がれている。なお、上記空隙
11aを透明若しくは光透過性を有する材料で充満させ
てもよい。
【0016】図3及び図4に示すように、半球型の固体
浸レンズ12の底面には飽和性吸収体膜12aが設けら
れており、更に飽和性吸収体膜12aの下面には保護膜
12bが設けられている。ここで固体浸レンズ12の直
径が1mm程度であれば、飽和性吸収体膜12aの厚さ
は100nm程度、また保護膜12bの厚さは10nm
程度である。
【0017】例えば、記録再生レーザー光の波長が63
0nmであるときには、飽和性吸収体膜12aとしてD
ODCIをアクリル系ポリマーに混入して得られる材料
やCrLiSaFを用いることができる。本発明では
例として以上の物質を挙げたが、光波長630nmに対
して強い光吸収を持つとともに強い光を照射し続けても
退色しにくいという特徴を持つ材料であればこれらに限
らない。また飽和性吸収体膜12aは、レーザー光の波
長が670nmであるときには、一例として、この波長
に対して強い光吸収を示すLD700をアクリル系ポリ
マーに混入して得られる材料を用いることができる。こ
れも光波長670nmに対して強い光吸収を持つととも
に強い光を照射し続けても退色しにくい材料であればこ
れに限ることはない。また、保護膜12bはSiO
ZnS等により製作されることが好ましい。
【0018】図5には微動アクチュエータ20を拡大し
て示している。この微動アクチュエータ20は平行平板
型であり、具体的にはサスペンション部4cと接合され
る第1基板21に設けられた固定ブロック23及び可動
ブロック24とを有して構成され、両ブロック23,2
4は互いに平行に延びて対向する多数の平行平板を有し
ている。これら平行平板間に電圧を印加することにより
静電力を働かせ、固定ブロック23に対して可動ブロッ
ク24を平行平板と直角な方向(矢印B方向)に微動さ
せて、細かな且つ高精度な移動制御ができるようになっ
ている。
【0019】可動ブロック24は更に、平板部22を介
してマイクロプリズム15と接合されており、このため
平行平板間に電圧を印加して可動ブロック24を微動さ
せれば、サスペンション部4cに対して光ヘッド10を
矢印B方向に微動させることができる。なお、この矢印
B方向は、ボイスコイルモータ3による光ヘッド10の
走査のための移動方向Aと同一の方向である。
【0020】ヘッドアーム4の回転軸4aには光照射装
置5に斜めに対向して反射ミラー6が配設されており、
光照射装置5から照射される記録再生レーザー光は、図
1及び図2に鎖線R1,R2で示すように反射ミラー6
により反射されてマイクロプリズム15に導かれる。こ
のようにしてマイクロプリズム15に導かれた記録再生
レーザー光はマイクロプリズム15の反射面15aの高
反射膜16により反射された後、対物レンズ13により
回折限界まで絞り込まれるように集光されて固体浸レン
ズ12に入射される。
【0021】以上のような構成の光記録再生装置の作動
を説明する。先ず、光磁気ディスク2をスピンドルモー
タ1により所定の速度で回転させる。このとき、ヘッド
アーム4のサスペンション部4cに支持されて光磁気デ
ィスク2上面の記録膜2a上に配置された光ヘッド10
は、空気ベアリング効果によりスライダ11が記録膜2
aから微小距離だけ浮上した状態となる。この状態で光
照射装置5から記録再生レーザー光を照射すると、この
光は鎖線R1,R2で示すように反射ミラー6により反
射されてマイクロプリズム15に入射する。そして、マ
イクロプリズム15の反射面15aで反射された後、対
物レンズ13により集光されて固体浸レンズ12に入射
して集束する。これにより固体浸レンズ12の底面に集
光スポットが形成される。
【0022】ここで、光磁気ディスク2は定速回転で駆
動されているためスライダ11の浮上量は常に一定であ
り、このため光磁気ディスク2の記録膜2aと固体浸レ
ンズ12の底面との間は常にごくわずかな距離に保たれ
る。このため、集光スポットは常に光磁気ディスク2の
記録膜2a上に位置させることが可能であり、従来のよ
うにフォーカシング機構を設ける必要はない。
【0023】記録膜2aのうち集光スポットが当たって
いる部分の温度は局部的に高くなるが、これがキュリー
点以上の温度に高められた状態で外部から磁界を印加す
るとその部分の磁化が反転し、情報が記録(若しくは消
去)される。磁界の印加は固体浸レンズ12の近傍に設
けられた電磁コイル(図示せず)に通電することにより
行われるが、通電電流の向きを変えることにより印加す
る磁界の方向を切り換えることが可能である。なお、印
加する(電磁コイルにより発生する)磁界の方向は記録
膜2aに対して垂直な方向である。一方、情報の再生に
は磁気カー効果を検出する装置が用いられ、上記光記録
再生装置にもそのような装置が設けられているが、これ
らについては周知であるので図示及びその説明は省略す
る。
【0024】このような情報の記録再生は、光磁気ディ
スク2の回転に対応して光ヘッド10を光磁気ディスク
2の半径方向に移動させて(走査して)行われ、この光
ヘッド10の走査すなわちトラッキングは、ヘッドアー
ム4の根本に配置されたボイスコイルモータ3によりヘ
ッドアーム4を回動させて行われる。但し、ここではボ
イスコイルモータ3は粗動サーボとして用いられ、ヘッ
ドアーム4の比較的低速成分の制御を司る。すなわち、
ボイスコイルモータ3によるトラッキングの制御精度に
は限界があり細かなトラッキング制御は難しいためこれ
を粗動サーボ制御に用い、粗動サーボ制御では追いきれ
ない微小で高速な成分の制御は、微動アクチュエータ2
0により微動サーボをかけることで行う。
【0025】ここで光照射装置5の出力は、飽和性吸収
体膜12aの上面に形成される集光スポットの中心部に
おける光強度が飽和性吸収体膜12aの飽和吸収量を越
える値になるように調整されている。このとき飽和性吸
収体膜12aの上面側に形成された集光スポットの中心
部は飽和吸収を起こし、その部分における光透過率は実
質的に100%となる。光強度は中心部から離れるに従
って徐々に弱くなるが、このような部分では飽和性吸収
体膜12aは飽和吸収を起こさず、光透過率は100%
よりも小さい値となる。
【0026】これにより、飽和性吸収体膜12aの上面
の集光スポットの光はその中心部ほど飽和性吸収体膜1
2aを通過し易くなり、このような飽和性吸収体膜12
aの飽和吸収量を越える強度を有する部分を中心とする
微小円の範囲内の光のみが膜12aの下面側に透過する
(図4参照)。このため飽和性吸収体膜12aの下面側
に形成される集光スポット径は膜12aの上面側に形成
される集光スポット径よりも小さくなり、情報の記録再
生に用いられる実効的な集光スポット径を従来よりも小
さくすることができる。このため光磁気ディスク2への
情報の記録再生を高密度に行うことが可能である。ま
た、このような構成では、飽和性吸収体膜を光磁気ディ
スク2側に設けた場合よりも製作が容易であるとととも
に、光磁気ディスク2側の仕様に依らず用いることがで
きるので汎用性もある。
【0027】これまで本発明に係る光ヘッド及び光記録
再生装置について説明してきたが、本発明の範囲は上記
実施形態に示したものに限られるものではない。例え
ば、固体浸レンズ12の形状は半球型に限られず超半球
型等であってもよい。また、本発明に係る光ヘッドは上
記構成の光記録再生装置に限られず、他の構成の光記録
再生装置にも搭載可能である。
【0028】
【実施例】以下、本発明に係る光ヘッドを有する光記録
装置を用いた実施例を示す。この実施例においては、屈
折率1.5の石英を用いて半球型の固体浸レンズ12を
製作し、その底面にはDODCIをアクリル系ポリマー
に混入して得られる材料を用いて製作した膜厚約100
nmの飽和性吸収体膜12aを設けるとともに、その下
面にはSiOを用いて製作した膜厚約10nmの保護
膜12bを設けた。対物レンズ13のNAは0.8であ
り、このため対物レンズ13と固体浸レンズ12との合
成NAは1.2であった。光照射装置5の光波長λは6
30nmであり、このため飽和性吸収体膜12aの上面
での集光スポット径は約300nmとなった(集光スポ
ット径=K・λ/NAより求めた。但し、定数K=0.
6とした)。
【0029】光照射装置5の出力は、その光強度が飽和
性吸収体膜12a上に形成される集光スポットの中心部
において、飽和性吸収体膜12aの飽和吸収量の1.2
5倍ほどになるように調節した。このとき得られた飽和
性吸収体膜12aの上面側における光強度分布を図6
(a)に示す。また、このときの飽和性吸収体膜12a
における光の透過率分布を図6(b)に示し、飽和性吸
収体膜12aの下面側における光強度分布を図6(c)
に示す。図6(a),(c)から分かるように、波長6
30nmの光に対し、飽和性吸収体膜12の下面側の集
光スポット径(すなわち実効的な集光スポット径)を飽
和性吸収体膜12aの上面側の集光スポット径(約30
0nm)の約1/2(約150nm)とすることができ
た。
【0030】ここで、飽和性吸収体膜12aと記録膜2
aとの距離は上記実効的な集光スポット径に対して充分
小さくしなければならないが、本発明においては飽和性
吸収体膜12aの下面側に保護膜12bが設けられてい
るため、その膜厚が大きいときにはその距離が大きくな
る虞がある。しかしながら、10nm程度の保護膜12
bの厚さは集光スポット径150nmに比べて充分に小
さいため特に問題となることはない。
【0031】なお、詳しくは示さないが、上記実施例に
おいて半球型の固体浸レンズ12を屈折率が2.0であ
る超半球型の固体浸レンズに変えた場合には、対物レン
ズ13のNAが0.8であることから合成NAは3.2
となり、光波長を400nmとするとともに、飽和性吸
収体膜を波長400nmに対して強い吸収を示す材料で
製作することにより、実効的な集光スポット径を40n
mとすることも可能である。
【0032】
【発明の効果】以上説明したように本発明に係る光ヘッ
ドにおいては、固体浸レンズの底面に飽和性吸収体膜が
設けられているので、固体浸レンズに集光されてその底
面に形成された集光スポットの光のうち、飽和性吸収体
膜の飽和吸収量を越える強度を有する部分を中心とする
微小円の範囲内の光のみが膜の下面側に透過する。この
ため飽和性吸収体膜の下面側に形成される集光スポット
径は膜の上面側に形成される集光スポット径よりも小さ
くなり、情報の記録再生に用いられる実効的な集光スポ
ット径を従来よりも小さくすることができる。このため
記録媒体への情報の記録再生を高密度に行うことが可能
である。また、このような構成では、飽和性吸収体膜を
記録媒体側に設けた場合よりも製作が容易であるととと
もに、記録媒体側の仕様に依らず用いることができるの
で汎用性もある。
【0033】また、本発明に係る光記録再生装置は、記
録媒体を保持して平面運動させる媒体駆動機構と、上記
光ヘッドと、この光ヘッドを保持するヘッドアームと、
光ヘッドを記録媒体の平面運動方向と交差する方向に移
動させるようにヘッドアームを駆動するアーム駆動機構
とを有して構成されており、上記の光ヘッドを用いて情
報の高密度な記録再生が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る光ヘッドを備えた光記録再生装置
の構成を示す正面概略図である。
【図2】上記光記録再生装置の構成を示す平面概略図で
ある。
【図3】固体浸レンズの近傍の構成を示す拡大側面図で
ある。
【図4】図3における固体浸レンズ近傍の拡大図であ
る。
【図5】上記光記録再生装置を構成する微動アクチュエ
ータを示す斜視図である。
【図6】実施例において得られた結果を示すグラフであ
り、横軸は集光スポットの中心を中心とする半径方向距
離を、また縦軸は光強度若しくは吸収の大きさを示して
いる。(a)は飽和性吸収体膜の上面側における集光ス
ポットの光強度分布であり、(b)は飽和性吸収体膜に
おける光の透過率分布であり、(c)は飽和性吸収体膜
の下面側における集光スポットの光強度分布である。
【図7】従来の光記録再生装置に用いられる光ヘッドの
構成の一部を示す側面概略図であり、(a)は半球型の
固体浸レンズを用いた場合、(b)は超半球型の固体浸
レンズを用いた場合の例である。
【図8】(a)は従来用いられている記録媒体の一例の
構成を示す図であり、(b)は飽和性吸収体膜の上面側
における集光スポットのプロファイルを示すグラフ、
(c)は飽和性吸収体膜の下面側における集光スポット
のプロファイルを示すグラフである。
【符号の説明】
1 スピンドルモータ(媒体駆動機構) 2 光磁気ディスク(記録媒体) 2a 記録膜 3 ボイスコイルモータ(アーム駆動機構) 4 ヘッドアーム 5 光照射装置(光源) 10 光ヘッド 11 スライダ 12 固体浸レンズ 12a 飽和性吸収体膜 12b 保護膜 13 対物レンズ

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 記録再生光を射出する光源と、 記録媒体の記録膜に近接する位置に配設された固体浸レ
    ンズと、 前記固体浸レンズの上側に配設されて前記光源からの記
    録再生光を前記固体浸レンズに集光させる対物レンズと
    を有してなる光ヘッドにおいて、 前記固体浸レンズの底面に飽和性吸収体からなる薄膜が
    設けられていることを特徴とする光ヘッド。
  2. 【請求項2】 記録媒体を保持して平面運動させる媒体
    駆動機構と、請求項1に記載の光ヘッドと、この光ヘッ
    ドを保持するヘッドアームと、前記光ヘッドを前記記録
    媒体の平面運動方向と交差する方向に移動させるように
    前記ヘッドアームを駆動するアーム駆動機構とを有して
    なることを特徴とする光記録再生装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101422618B1 (ko) * 2013-09-10 2014-07-23 연세대학교 산학협력단 광루미네선스 원리를 이용한 광학헤드

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