JP2001020998A - 能動型吸振装置 - Google Patents

能動型吸振装置

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JP2001020998A
JP2001020998A JP11194186A JP19418699A JP2001020998A JP 2001020998 A JP2001020998 A JP 2001020998A JP 11194186 A JP11194186 A JP 11194186A JP 19418699 A JP19418699 A JP 19418699A JP 2001020998 A JP2001020998 A JP 2001020998A
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JP
Japan
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vibration
pressure
mass body
pressure supply
mass
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JP11194186A
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Hiroshi Kojima
宏 小島
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Bridgestone Corp
Original Assignee
Bridgestone Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 質量体を振動させるアクチュエータのコスト
を抑制すると共に、装置の組立作業を簡略化する。 【解決手段】 気体封入室32には、配管55を介して
切換弁51が接続されており、この切換弁51には、エ
ンジンのインテークマニホルド53に連通した圧力供給
管57及び外部空間に連通した圧力開放管59がそれぞ
れ接続されている。アクティブダンパ10では、切換弁
51が圧力供給管57と配管55とを連通させ、気体封
入室32内が負圧になるとダイアフラム30が質量体4
7を下方へ移動させ、この後に切換弁51が圧力開放管
59と配管55とを連通させ、気体封入室32内が負圧
から大気圧になると、質量体47がコイルスプリング4
0及び弾性体45の復元力により上方へ移動する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば、自動車、
一般産業用機械等に適用され、エンジン等の振動発生部
からフレーム等の振動受部へ伝達される振動を能動的に
打ち消す能動型吸振装置に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車には、エンジンと車体との間にエ
ンジンマウントとして防振装置が配置されている。この
ような防振装置は、ゴム状弾性体の内部抵抗や、ゴム状
弾性体の変形に伴って拡縮する主液室とこれに制限通路
(オリフィス)を通して繋がれた副液室との間に生じる
液柱共振により振動エネルギを吸収し、エンジンからの
振動を減衰して車体へ伝達される振動を抑制している。
但し、このような防振装置では、エンジンからの振動を
一定の減衰率で減衰できるものの、理論上、エンジンか
ら車体へ伝達される振動を完全に消失できない。
【0003】そこで、振動発生部から振動受部へ伝達さ
れる振動を理論上、完全に打ち消すことができる能動型
吸振装置であるアクティブダンパの自動車への適用が検
討されている。アクティブダンパとしては、振動受部に
おける吸振領域に対応した質量を有する質量体(マス)
をコイルスプリング等により弾性的に支持し、電磁石を
用いた電磁アクチュエータにより質量体を振動させるも
のがあり、このアクティブダンパを振動受部に固定して
振動の周波数に対応させてアクチュエータを駆動制御し
て質量体を振動させることで、振動受部に伝達された振
動を能動的に打ち消すことができる。、
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ようなアクティブダンパでは、質量体を振動させるアク
チュエータとしてコストが高い電磁アクチュエータを用
いているため、また組立時には電磁アクチュエータを構
成する磁性体からなる可動子や電磁石をそれぞれ組み付
ける作業が必要となるため、結果として、アクティブダ
ンパの製造コストが高くなり低コストが要求される自動
車へ適用することが困難になっていた。
【0005】本発明の目的は、上記事実を考慮し、質量
体を振動させるアクチュエータのコストを抑制すると共
に、装置の組立作業を簡略化できる低コストの能動型吸
振装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の能動型吸
振装置は、振動受部に連結される取付部材と、振動受部
における吸振領域に対応した質量を有する質量体と、前
記取付部材と前記質量体とを連結すると共に、前記質量
体を振動受部へ伝達される振動の振幅方向に沿って弾性
的に支持した弾性支持手段と、前記取付部材と前記質量
体との間に気体封入室を形成すると共に、前記気体封入
室内の気圧変化に応じて前記振幅方向に沿って気体封入
室を伸縮して前記質量体を前記振幅方向に沿って変位さ
せる隔壁部材と、前記気体封入室を外部気圧に対して負
圧又は正圧とされた圧力供給源と外部空間との何れかに
交互に連通させる圧力供給手段と、を有するものであ
る。
【0007】上記構成の能動型吸振装置によれば、圧力
供給手段が気体封入室を外部空間に対して負圧又は正圧
とされた圧力供給源と外部空間との何れかに交互に連通
させることにより、気体封入室が圧力供給源へ連通され
た時には気体封入室内の気圧が外部空間の気圧(外部気
圧)に対して正圧又は負圧となり、また気体封入室が外
部空間へ連通された時には気体封入室内の気圧が外部気
圧と等しくなる。
【0008】このとき、気体封入室が負圧となったとき
には、隔壁部材が振動の振幅方向に沿って縮小し、また
気体封入室が正圧となったときには、隔壁部材が振動の
振幅方向に沿って気体封入室を伸長させるように変形
し、質量体が弾性支持手段の付勢力に抗して振幅方向に
沿って変位する。また気体封入室が外部気圧となったと
きには、質量体が弾性支持部材の弾性的な復元力により
負圧時又は正圧時とは逆方向へ変位する。
【0009】従って、振動受部に伝達される振動に対応
する周期で気体封入室の連通先を圧力供給源と外部空間
とに交互に切り換えれば、質量体を振幅方向に沿って振
動できるので、この質量体により振動エネルギを打ち消
すような運動エネルギを発生して振動受部に伝達された
振動を消失又は減衰できる。
【0010】ここで、振動受部における吸振領域とは、
質量体を振動させて発生させた制御力により振動が打ち
消される領域であり、振動受部が完全な剛体である場合
には振動受部全体が吸振領域となるが、自動車の車体
(フレーム)のように振動に対しては非剛性体(弾性
体)としての性質を示すものが振動受部である場合に
は、振動受部における取付部材との連結部付近が吸振領
域となる。
【0011】請求項2記載の能動型吸振装置は、請求項
1記載の能動型吸振装置において、前記弾性支持手段
は、前記取付部材と前記質量体とを連結し前記質量体の
変位に応じて前記振幅方向に沿って弾性変形するゴム状
弾性体と、前記取付部材と前記質量体との間に介在し前
記質量体の変位に応じて前記振幅方向に沿って弾性変形
するばね部材を有するものである。
【0012】上記構成の能動型吸振装置によれば、弾性
支持手段のゴム状弾性体が取付部材と質量体とを連結し
質量体の変位に応じて振幅方向に沿って弾性変形し、か
つばね部材が取付部材と質量体との間に介在し質量体の
変位に応じて振幅方向に沿って弾性変形することによ
り、内部抵抗が大きいゴム状弾性体によって振動系へ減
衰力を作用させると共に、ばね部材により振動系のバネ
定数を所望の大きさに精度よく設定できるので、質量体
を予め設定された振幅で精度よく振動させることができ
る。
【0013】請求項3記載の能動型吸振装置は、請求項
1又は2記載の能動型吸振装置において、前記圧力供給
手段は、振動受部に伝達される振動に対応する周期で前
記気体封入室の連通先を圧力供給源と外部空間とに交互
に切り換えるものである。
【0014】上記構成の能動型吸振装置によれば、圧力
供給手段が振動受部に伝達される振動に対応する周期で
前記気体封入室の連通先を圧力供給源と外部空間とに交
互に切り換えることにより、質量体を振動受部に伝達さ
れる振動に対応する周期で振動させることが可能になる
ので、例えば、質量体を振動受部に伝達される振動周期
と等しい周期で振動させると共に、質量体を伝達振動の
位相を反転した位相で振動させれば、伝達振動の振動エ
ネルギを効果的に減衰できるようになる。
【0015】請求項4記載の能動型吸振装置は、請求項
1,2又は3記載の能動型吸振装置において、前記圧力
供給手段は、前記気体封入室を圧力供給源としてエンジ
ンのインテークマニホルドに接続した圧力供給路と、前
記気体封入室を外部空間に接続した圧力開放路と、前記
圧力供給路と前記圧力開放路とをそれぞれ開閉する開閉
弁と、を有するものである。
【0016】上記構成の能動型吸振装置によれば、圧力
供給路が圧力供給源として気体封入室をエンジンのイン
テークマニホルドに接続することにより、エンジン作動
時にはインテークマニホルド内の気圧が外部気圧に対し
て負圧となるので、開閉弁により圧力供給路が開放さ
れ、かつ圧力開放路が閉鎖されている時には、気体封入
室内を負圧にすることができ、また開閉弁により圧力供
給路が閉鎖され、かつ圧力開放路が開放されている時に
は、気体封入室内を外部気圧と等しくできる。この結
果、装置を自動車等へ適用する場合には、負圧又は正圧
を供給するために特別な圧力供給源を設ける必要がなく
なる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態に係る
能動型吸振装置について図面を参照して説明する。
【0018】(実施の形態の構成)図1には本発明の実
施形態に係るアクティブダンパ10が示されている。な
お、図中符号Sは装置の中心線である軸心を示し、この
軸心に沿った方向を軸方向として以下の説明を行う。
【0019】アクティブダンパ10は、図2に示される
ように自動車の車体12に締結固定される。また車体1
2上には、振動発生部となるエンジン14が複数の防振
装置16を介してマウントされており、複数のアクティ
ブダンパ10が車体12のエンジン取付部を囲むように
配置されている。ここで、防振装置16としては、例え
ば、吸振主体となるゴム状弾性体及び制限通路により互
いに繋がれた複数の液室を備えた液体封入式のものが用
いられる。
【0020】アクティブダンパ10は、図1に示される
ように外殻部として下端側が閉止された有底円筒状の外
筒金具18を有している。外筒金具18の上端部には、
径方向へ延出する薄肉リング状のかしめ部19が形成さ
れている。
【0021】外筒金具18の底板部には、軸心Sに沿っ
て下方へ突出するようにボルト軸21が溶接等によって
固定されている。アクティブダンパ10は、ボルト軸2
1を車体12の取付穴23に挿通させ、ボルト軸21の
取付穴23からの突出部にナット25がねじ込まれて車
体12上に締結固定される。
【0022】外筒金具18内には、外筒金具18の内径
より僅かに小さい外径を有する円筒状の内筒金具27が
挿入されている。内筒金具27の上端部には、径方向へ
延出するフランジ部28が形成されている。このフラン
ジ部28は、外筒金具18のかしめ部19上に載置さ
れ、かしめ部19によりかしめ固定されている。
【0023】内筒金具27の内周面には、下端部にカッ
プ状に成形されたダイアフラム30の開口端部が加硫接
着によって全周に亘って固着されている。ダイアフラム
30は、その開口端部を下端部として上方へ突出するよ
うに配置されている。これにより、ダイアフラム30の
内側には、下面側が外筒金具18の底板部により閉止さ
れた略円柱状の空間である気体封入室32が形成され
る。またダイアフラム30の頂板部には軸心Sに沿って
貫通穴31が形成されている。
【0024】気体封入室32内には、ダイアフラム30
の頂板に密着するように円板状のばね受部材34が配置
されている。このばね受部材34には、中心部に軸心S
に沿って貫通穴35が穿設されると共に、外周部に下方
へ向かって屈曲された壁部36が全周に亘って形成され
ている。
【0025】ここで、ばね受部材34の貫通穴35はダ
イアフラム30の貫通穴31と一致する。これらの貫通
穴31,35には、ばね受部材34及びダイアフラム3
0を後述する質量体47に固定するためのボルト38の
軸部が気体封入室32側から挿入される。また気体封入
室32内には、ばね受部材34と外筒金具18の底面と
の間に金属製のコイルスプリング40が配置されてい
る。このコイルスプリング40は、その中心軸が軸心S
と略一致しており、下端部が外筒金具18の底面に圧接
すると共に下端部がばね受部材34の壁部36の内側に
圧接し、これにより、軸方向へ所定量圧縮された状態と
されている。
【0026】内筒金具27の上方には、図1に示される
ように円筒状の支持金具42が配置されている。支持金
具42の下端部には、径方向へ延出するフランジ部43
が形成されており、このフランジ部43が内筒金具27
のフランジ部43上に重ねられ、フランジ部28と共に
外筒金具18のかしめ部19によりかしめ固定されてい
る。
【0027】支持金具42の内周面には、上端部に肉厚
リング状の弾性体45の外周面が加硫接着されている。
この弾性体45はゴムにより形成されており、質量体4
7を支持金具42へ連結している。
【0028】質量体47は略円柱状に加工された金属か
らなり、その下端部には上部側に対して大径とされた円
板状の連結部48が一体的に設けられている。この連結
部48の外周面には弾性体45の内周面が加硫接着され
ている。これにより、質量体47が弾性体45及び支持
金具42を介して外筒金具18に連結される。
【0029】質量体47の下面中心部には、軸心Sに沿
ってねじ穴49が形成されている。このねじ穴49に
は、ばね受部材34及びダイアフラム30の貫通穴3
1,35に挿入されたボルト38の先端部がねじ込まれ
る。これにより、ばね受部材34が質量体47の下面に
ボルト38によって締結固定されると共に、ダイアフラ
ム30の頂板部がばね受部材34と質量体47により挟
持されて質量体47に連結固定される。
【0030】またダイアフラム30の外側の空間は、ダ
イアフラム30の径方向への変形を可能とするための空
気室33とされており、この空気室33は、支持金具4
2の周壁部に穿設された貫通穴44を通して外部へ連通
している。
【0031】気体封入室32には、配管55を介して3
ポート2位置切換弁(以下、切換弁という)51が接続
されており、この切換弁51には、エンジンのインテー
クマニホルド53に連通した圧力供給管57及び外部空
間に連通した圧力開放管59がそれぞれ接続されてい
る。切換弁51は電磁ソレノイドを内蔵した電磁開閉弁
であり、駆動電圧(例えば、直流12V)が印加されて
いる励磁状態では圧力供給管57を配管55と連通さ
せ、また駆動電圧が印加されていない非励磁状態では圧
力開放管59を配管55と連通させる。
【0032】ここで、インテークマニホルド53は、エ
ンジンが作動している状態では内部が大気圧に対して常
に負圧状態に維持されている。従って、気体封入室32
は、その内部気圧が切換弁51への駆動電圧の印加時に
はインテークマニホルド53に連通して負圧となり、ま
た切換弁51への駆動電圧の非印加時には外部空間に連
通して大気圧となる。
【0033】アクティブダンパ10では、図3に示され
るように気体封入室32の内部気圧が大気圧から負圧に
変化すると、弾性を有するダイアフラム30の周壁部が
気体封入室32の容積を縮小するように弾性変形する。
これにより、ダイアフラム30は質量体47に対して下
方向の加圧力を作用させ、コイルスプリング40の付勢
力及び弾性体45の変形抵抗に抗して質量体47を下方
へ移動させる。このとき、ダイアフラム30は、コイル
スプリング40の付勢力及び弾性体45の変形抵抗と気
体封入室32の負圧とが釣り合う位置まで質量体47を
移動させる。
【0034】また気体封入室32の内部気圧が負圧から
大気圧に戻ると、ダイアフラム30の周壁部が気体封入
室32の容積を拡大するように復元する。これにより、
ダイアフラム30が質量体47に対して加圧力を作用さ
せなくなって、質量体47はコイルスプリング40及び
弾性体45の弾性的な復元力により上方へ移動する。こ
のとき、図3で2点鎖線により示されるように、質量体
47は慣性力によって図1に示される初期位置より上方
まで移動する。
【0035】アクティブダンパ10は切換弁51を制御
するコントローラ61を備えており、このコントローラ
61には車体12に設置された振動センサ63が接続さ
れている。振動センサ63は、車体12上におけるエン
ジン14とアクティブダンパ10との中間部に設置され
ており、車体12の振動を検出して、この振動に対応す
る波形(例えば、正弦波形)の電気信号を検出信号とし
てコントローラ61へ出力する。
【0036】コントローラ61は、振動センサ63から
の信号を受けてエンジン14から車体12における振動
の周波数及び位相を判断する。コントローラ61は、車
体12における振動の周波数と等しい周波数で質量体4
7が振動するように切換弁51への駆動電圧をオンする
オン時間とオフするオフ時間との比、すなわち駆動電圧
のデューティ比を設定する。更にコントローラ61は、
質量体47が車体12における振動の位相とは一定時間
のずれを有する位相又は逆位相で振動するように駆動電
圧の出力タイミングを調整する。
【0037】(実施の形態の作用)次に本発明の実施形
態に係るアクティブダンパ10の作用を説明する。
【0038】車体12に搭載されるエンジン14が作動
すると、エンジンの振動が防振装置16を介して車体1
2へ伝達される。エンジン14からの振動は、防振装置
16により一定の減衰率で減衰されて車体12へ伝達さ
れるが、防振装置16では車体12に伝達される振動を
完全に消失できず、エンジン14からの振動によって車
体12が振動する。
【0039】振動センサ63は車体12が振動すると、
車体12の振動を検出して検出信号をコントローラ61
へ出力する。振動センサ63からの検出信号を受けたコ
ントローラ61は、質量体47が車体12における振動
の周波数と等しい周波数でが振動するように切換弁51
への駆動電圧のデューティ比を設定すると共に、質量体
47が車体12における振動の位相とは一定時間のずれ
を有する位相又は逆位相で振動するように駆動電圧の出
力タイミングを調整する。
【0040】アクティブダンパ10では、質量体47の
振動時には質量体47の質量と加速度との積と等しい制
御力を車体12へ作用させる。このとき、質量体47の
振動周波数を車体12の振動周波数と等しくすると共
に、質量体47を車体の振動位相とは一定時間のずれを
有する位相(逆位相を含む)で振動させることにより、
アクティブダンパ10の制御力は車体12の振動を打ち
消し、又は弱めるように作用する。従って、車体12に
おける振動に対応させて質量体47を振動させることに
より、エンジン14の作動時における車体12の振動レ
ベルを大幅に低減できる。
【0041】ここで、車体12は完全な剛性体ではない
ことから、エンジン14から車体12へ伝達される振動
は、車体12におけるエンジン14の取付部から周辺部
へ伝播していくことになる。このため、アクティブダン
パ10の作動時にも、車体12におけるエンジン14の
取付部付近では振動が消失せず、振動センサ63は車体
12におけるエンジン14の取付部付近の振動を検出す
る。
【0042】また、アクティブダンパ10は車体12に
おけるエンジン14の取付部を囲むように配置されてい
るので、車体12におけるアクティブダンパ10の取付
部から外側の領域に振動が伝達することを効果的に阻止
(振動遮断)できる。この結果、自動車の車内へ伝達さ
れる振動レベルを大幅に低減できる。
【0043】なお、エンジン14からの振動の種類に
は、例えば、車両が70〜80km/hで走行すると生
じるシエイク振動(15Hz未満)や、アイドリング運
転及び車速が5km/h以下の低速運転の場合に生じる
アイドル振動(20〜30Hz)等があるが、これらの
振動の種類をコントローラ61により判断させ、特定の
振動、例えば、シエイク振動が車体12に伝達されてい
るときにのみ、アクティブダンパ10を作動させるよう
にしてもよい。
【0044】但し、アクティブダンパ10の作動を停止
させる際に気体封入室32を大気圧に維持しておくと、
コイルスプリング40により弾性的に支持された質量体
47の自由振動が可能となることから、車体12の振動
時に質量体47が共振して車体12の振動を却って助長
するおそれがある。このような不具合を防止するために
は、例えば、アクティブダンパ10の作動停止時に気体
封入室32内が負圧状態となるように切換弁51を制御
し、ダイアフラム30を縮小した状態に維持する。これ
により、質量体47の軸方向に沿った変位がダイアフラ
ム30の変形抵抗によって抑制されるので、車体12の
振動時にも質量体47の共振を効果的に抑制できる。
【0045】また、本実施の形態では、アクティブダン
パ10を車体12に配置する場合のみを説明したが、ア
クティブダンパ10を振動発生部であるエンジン14側
に配置してエンジン14自体の振動を抑制するようにし
てもよい。
【0046】また、アクティブダンパ10では、インテ
ークマニホルド53を気体封入室32への圧力供給源と
し、気体封入室32へは負圧及び大気圧を交互に供給す
るようにしたが、例えば、気体封入室32をエンジンの
エクゾーストマニホルドに接続して気体封入室32へ正
圧及び大気圧を交互に供給するようにしても、質量体4
7を振動できる。
【0047】以上説明したアクティブダンパ10では、
質量体47を振動させるために電磁アクチュエータを用
いておらず、切換弁51により気体封入室32の連通先
をインテークマニホルド53及び外部空間の何れかに切
り換えるだけで、質量体47を振動できるので、電磁ア
クチュエータを用いた場合と比較して装置コストを低減
できると共に装置の組立作業を簡単にできる。
【0048】
【発明の効果】以上説明したように本発明の能動型吸振
装置によれば、質量体を振動させるアクチュエータのコ
ストを抑制すると共に装置の組立作業を簡略化できるの
で、装置コストを大幅に低減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態に係るアクティブダンパ
の側面断面図である。
【図2】 本発明の実施形態に係るアクティブダンパ及
びエンジンが車体上へ搭載された状態を示す模式図であ
る。
【図3】 本発明の実施形態に係るアクティブダンパに
おける質量体が振動している状態を示す側面断面図であ
る。
【符号の説明】
10 アクティブダンパ(能動型吸振装置) 12 車体(振動受部) 18 外筒金具(取付部材) 30 ダイアフラム(隔壁部材) 32 気体封入室 40 コイルスプリング(弾性支持部材) 45 弾性体(弾性支持部材) 47 質量体 51 切換弁(圧力供給手段) 53 インテークマニホルド(圧力供給源) 57 圧力供給管(圧力供給路) 61 コントローラ(圧力供給手段)

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 振動受部に連結される取付部材と、 振動受部における吸振領域に対応した質量を有する質量
    体と、 前記取付部材と前記質量体とを連結すると共に、前記質
    量体を振動受部へ伝達される振動の振幅方向に沿って弾
    性的に支持した弾性支持手段と、 前記取付部材と前記質量体との間に気体封入室を形成す
    ると共に、前記気体封入室内の気圧変化に応じて前記振
    幅方向に沿って気体封入室を伸縮して前記質量体を前記
    振幅方向に沿って変位させる隔壁部材と、 前記気体封入室を外部空間に対して負圧又は正圧とされ
    た圧力供給源と外部空間との何れかに交互に連通させる
    圧力供給手段と、 を有することを特徴とする能動型吸振装置。
  2. 【請求項2】 前記弾性支持手段は、前記取付部材と前
    記質量体とを連結し前記質量体の変位に応じて前記振幅
    方向に沿って弾性変形するゴム状弾性体と、前記取付部
    材と前記質量体との間に介在し前記質量体の変位に応じ
    て前記振幅方向に沿って弾性変形するばね部材を有する
    ことを特徴とする請求項1記載の能動型吸振装置。
  3. 【請求項3】 前記圧力供給手段は、振動受部に伝達さ
    れる振動に対応する周期で前記気体封入室の連通先を圧
    力供給源と外部空間とに交互に切り換えることを特徴と
    する請求項1又は2記載の能動型吸振装置。
  4. 【請求項4】 前記圧力供給手段は、前記気体封入室を
    圧力供給源としてエンジンのインテークマニホルドに接
    続した圧力供給路と、前記気体封入室を外部空間に接続
    した圧力開放路と、前記圧力供給路と前記圧力開放路と
    をそれぞれ開閉する開閉弁と、を有することを特徴とす
    る請求項1,2又は3記載の能動型吸振装置。
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