JP2001041275A - 能動型吸振装置 - Google Patents

能動型吸振装置

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JP2001041275A
JP2001041275A JP21212099A JP21212099A JP2001041275A JP 2001041275 A JP2001041275 A JP 2001041275A JP 21212099 A JP21212099 A JP 21212099A JP 21212099 A JP21212099 A JP 21212099A JP 2001041275 A JP2001041275 A JP 2001041275A
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vibration
pressure
liquid chamber
electromagnet
pressure receiving
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JP21212099A
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Hiroshi Kojima
宏 小島
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Bridgestone Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】少ない消費電流により大きな制御力を発生し、
電源供給部の容量が制限される場合でも振動受部の振動
を効果的に抑制する。 【解決手段】 アクティブダンパ10では、電磁石70
が励磁状態になると、磁性可動子82に電磁力が作用し
て駆動隔壁44が下方へ変位する。これにより、受圧液
室48内の液圧が低下すると共に弾性体28が下方へ撓
み変形し、弾性体28に連結された質量体38が下方へ
変位する。また電磁石70への非励磁状態となると、弾
性リング46の復元力により駆動隔壁44が上方へ変位
する。これにより、受圧液室48内の液圧が上昇すると
共に弾性体28が上方へ撓み変形し、弾性体28に連結
固定された質量体38が上方へ変位する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば、自動車、
一般産業用機械等に適用され、エンジン等の振動発生部
からフレーム等の振動受部へ伝達される振動を能動的に
打ち消す能動型吸振装置に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車には、エンジンと車体との間にエ
ンジンマウントとして防振装置が配置されている。この
ような防振装置は、ゴム状弾性体の内部抵抗や、ゴム状
弾性体の変形に伴って拡縮する受圧液室と制限通路(オ
リフィス)を通して受圧液室に繋がれた副液室との間に
生じる液柱共振により振動エネルギを吸収し、エンジン
からの振動を減衰して車体へ伝達される振動を抑制して
いる。但し、このような防振装置では、エンジンからの
振動を一定の減衰率で減衰できるものの、理論上、エン
ジンから車体へ伝達される振動を完全に消失できない。
【0003】そこで、振動発生部から振動受部へ伝達さ
れる振動を理論上、完全に打ち消すことができる能動型
吸振装置であるアクティブダンパの自動車への適用が検
討されている。アクティブダンパとしては、例えば、振
動体に対応する質量を有する質量体(マス)をコイルス
プリング等により弾性的に支持し、電磁石を用いた電磁
アクチュエータにより質量体を振動させるものがあり、
このアクティブダンパを振動受部に固定し、振動受部に
伝達される振動の周波数等に対応させてアクチュエータ
を駆動し、アクチュエータにより質量体を振動させるこ
とで、質量体からの反力(制御力)により振動受部に伝
達された振動を能動的に打ち消すことができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ような電磁アクチュエータを用いたアクティブダンパで
は、振動受部に伝達されている振動を打ち消すための制
御力を大きくしようとすると、電磁アクチュエータによ
り発生させる駆動力を大きくしなければならず、電磁ア
クチュエータにより消費される電流が増大する。従っ
て、電磁アクチュエータを用いたアクティブダンパを自
動車へ適用する場合には、電源供給部である自動車のバ
ッテリ容量が制限されることから、アクティブダンパの
制御力を十分大きくできず、車体へ伝達される振動を効
果的に打ち消せないおそれがある。
【0005】本発明は、上記事実を考慮し、少ない消費
電流により大きな制御力を発生でき、電源供給部の容量
が制限される場合でも振動受部の振動を効果的に抑制で
きる能動型吸振装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の能動型吸
振装置は、振動受部に連結される取付部材と、振動受部
における吸振領域に対応した質量を有する質量体と、前
記質量体が固定された支持部材と、前記取付部材と前記
支持部材との間に設けられ、液体が封入された受圧液室
と、前記取付部材及び前記支持部材にそれぞれ連結され
ると共に前記受圧液室における隔壁の一部を構成し、前
記受圧液室内の液圧変化に伴って振動受部の振動の振幅
方向に沿って変位する受圧変位部が設けられた弾性体
と、前記受圧液室における隔壁の他の一部を構成し、前
記受圧液室の容積拡縮方向へ変位可能とされると共に、
前記受圧液室内の液体に対する加圧面積が前記受圧変位
部の受圧面積より広くされた駆動隔壁と、磁性体により
構成され前記駆動隔壁と一体となって前記容積拡縮方向
へ変位する磁性可動子と、前記磁性可動子に対して電磁
力を作用させて磁性可動子及び前記駆動隔壁を前記容積
拡縮方向に沿って往復動させる電磁駆動手段と、を有す
るものである。
【0007】上記構成の能動型吸振装置によれば、電磁
駆動手段が磁性可動子に対して電磁力を作用させて磁性
可動子及び駆動隔壁を受圧液室の容積拡縮方向に沿って
往復動させることにより、駆動隔壁が受圧液室の容積拡
大方向へ変位した場合には受圧液室内の液圧が低下し、
また駆動隔壁が受圧液室の容積縮小方向へ変位した場合
には受圧液室内の液圧が増加する。
【0008】従って、駆動隔壁の往復動(振動)の周期
に対応する周期で受圧液室内に封入された液体には周期
的な液圧変化が生じ、この周期的な液圧変化により弾性
体の受圧変位部が振動の振幅方向に沿って変位し、液圧
変化の周期に対応する周期で質量体を振動させる。この
結果、この質量体の振動により振動受部の振動を打ち消
すような制御力を発生できるので、振動受部の吸振領域
に伝達されている振動を減衰できる。
【0009】更に、駆動隔壁の受圧液室内の液体に対す
る加圧面積が受圧変位部の受圧面積より広くされている
ことにより、駆動隔壁の変位が液体を介して弾性体の受
圧変位部に拡大されて伝達されるので、駆動隔壁の振幅
に対する受圧変位部の振幅を大きくできる。従って、電
磁アクチュエータ等により駆動隔壁を直接的に駆動する
場合と比較し、消費される電流が同一でも質量体の振幅
を大きくして振動を打ち消すための制御力を増大できる
ので、振動受部の吸振領域に伝達されている振動を効果
的に減衰できる。
【0010】ここで、振動受部における吸振領域とは、
質量体を振動させて発生させた制御力により振動が打ち
消される領域であり、振動受部が完全な剛体である場合
には振動受部全体が吸振領域となるが、自動車の車体
(フレーム)のような非剛性体が振動受部である場合に
は、振動受部における取付部材との連結部付近が吸振領
域となる。
【0011】請求項2記載の能動型吸振装置は、請求項
1記載の能動型吸振装置において、前記電磁駆動手段
は、前記磁性可動子に対して電磁力を作用させる電磁石
と、振動受部に伝達される振動に対応する周期で前記電
磁石が励磁状態となるように電磁石に駆動電流を供給す
る制御部と、を有するものである。
【0012】上記構成の能動型吸振装置によれば、制御
部が振動受部に伝達される振動に対応する周期で電磁石
が励磁状態となるように電磁石に駆動電流を供給するこ
とにより、質量体を振動受部に伝達される振動に対応す
る周期で振動させることが可能になるので、例えば、質
量体を振動受部に伝達される振動周期と等しい周期で振
動させると共に、質量体を伝達振動の位相を反転した位
相で振動させれば、質量体の慣性力により振動受部に伝
達されている振動を効果的に減衰できる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態に係る
能動型吸振装置について図面を参照して説明する。
【0014】(第1の実施の形態)図1及び図2には本
発明による第1の実施の形態に係るアクティブダンパ1
0が示されている。なお、図中符号Sは装置の中心線で
ある軸心を示し、この軸心Sに沿った方向を軸方向とし
て以下の説明を行う。
【0015】アクティブダンパ10は、図3に示される
ように自動車の車体12に締結固定される。また車体1
2上には振動発生部となるエンジン14が複数の防振装
置16を介してマウントされており、複数のアクティブ
ダンパ10が車体12におけるエンジン取付部の周囲に
配置されている。ここで、防振装置16としては、例え
ば、吸振主体となるゴム状弾性体及び制限通路により互
いに繋がれた複数の液室を備えた液体封入式のものが用
いられる。
【0016】アクティブダンパ10は、図1に示される
ように外殻部として下端側が閉止された円筒状の取付金
具18を有している。取付金具18の上端部には、径方
向へ延出すると共に外周部が上方へ屈曲されたフランジ
部19が設けられている。取付金具18の底板部には内
側からボルト20が貫通し溶接等により固着されてお
り、このボルト20の軸部は軸心Sに沿って取付金具1
8の底板部から下方へ突出している。このボルト20は
車体12を貫通し、その先端部にナット21がねじ込ま
れる。これにより、取付金具18が車体12に連結固定
される。
【0017】取付金具18内には電磁石70が挿入され
ている。この電磁石70は肉厚円板状に形成された軟鉄
製のコア72を備えており、このコア72には、上面中
央部に薄肉円板状の永久磁石74が埋設されると共に、
上面における永久磁石74の外周側にはリング状のコイ
ル76が埋設されている。ここで、永久磁石74及びコ
イル76は、その上面がそれぞれコア72の上面と面一
となるように埋設されている。またコイル76はコント
ローラ66に配線されている。
【0018】取付金具18のフランジ部19上には、リ
ング状に形成された樹脂製のスペーサ78が載置されて
いる。スペーサ78は、その下面外周側をフランジ部1
9の上面に当接させると共に下面内周部をコア72の上
面へ当接させている。
【0019】取付金具18上には、図1に示されるよう
に略円筒状の外筒金具22が配置されている。外筒金具
22の下端部には、径方向へ延出する薄肉円板状のフラ
ンジ部23が形成され、このフランジ部23の外径は取
付金具18のフランジ部19の外径より僅かに大きくさ
れており、その延出端部には、図1の2点鎖線で示され
るように円筒状のかしめ部24が下方へ突出するように
形成されている。
【0020】外筒金具22のフランジ部23は、スペー
サ78を間に挟んで取付金具18のフランジ部19上に
載置され、かしめ部24が図1の実線で示されるように
内側にかしめられて取付金具18に固定される。
【0021】外筒金具22の上部側には、上方へ向かっ
て大径とされたテーパ状の固着支持部26が形成されて
いる。この固着支持部26の内周側には略円柱状の弾性
体28が固着されている。弾性体28の下部側は下方へ
向かって開いたV字状とされており、弾性体28の下端
外周部には外筒金具22の固着支持部26に対応するテ
ーパ面29が形成されている。弾性体28は、そのテー
パ面29が固着支持部26に加硫接着されて外筒金具2
2に連結されている。また弾性体28の下面には、テー
パ面29の内周側に略円錐台状の凹部30が形成されて
いる。
【0022】弾性体28のテーパ面29の内周端部に
は、円筒状の弾性膜32が下方へ延出するように一体的
に設けられており、この弾性膜32は外筒金具22の内
周面を覆うと共に、径方向へ延出するフランジ状に形成
された下端部付近が取付金具18のフランジ部19と外
筒金具22のフランジ部23とにより挟持されて固定さ
れている。
【0023】弾性体28の頂面には、金属製の頂板金具
34が加硫接着されている。頂板金具34の上面にはボ
ルト軸36が軸心Sに沿って上方へ突出するように溶接
等により固着されている。頂板金具34上には、金属材
料を肉厚円板状に加工した質量体38が載置されてお
り、ボルト軸36は質量体38の中心部を貫通し、その
先端部にナット40がねじ込まれている。これにより、
質量体38が頂板金具34上に締結固定される。
【0024】外筒金具22内には略円筒状の支持金具4
2が挿入されている。支持金具42は外筒金具22内の
下部側に配置されており、その下端部に径方向へ延出す
る円板状のフランジ部43が形成されている。支持金具
42の外周面は弾性膜32を介して外筒金具22の内周
面に圧接しており、このとき、弾性膜32は外筒金具2
2と支持金具42との間を液密状態となるようにシール
している。
【0025】また支持金具42のフランジ部43は、弾
性膜32及びスペーサ78と共に取付金具18のフラン
ジ部19と外筒金具22のフランジ部23との間に挿入
されて挟持固定されている。
【0026】支持金具42の内周側には、支持金具42
の内周側を閉止するように円板状の駆動隔壁44が配置
されている。駆動隔壁44は、内周側に配置された樹脂
円板45及びこの樹脂円板45の外周側に配置されたゴ
ム製の弾性リング46により構成されている。弾性リン
グ46は、その内周面が固着部47の外周面に接着され
ると共に、その外周面が支持金具42の内周面の軸方向
中央部に加硫接着されている。これにより、支持金具4
2の内周側が駆動隔壁44により閉止される。
【0027】ここで、弾性体28の凹部30及び駆動隔
壁44により閉止され空間は受圧液室48を構成してお
り、この受圧液室48内には、水、オイル、エチレング
リコール等の液体が封入されている。アクティブダンパ
10では、弾性体28が受圧液室48内の液圧変化に伴
って軸方向に沿って弾性変形するようになっている。ま
た駆動隔壁44は、弾性リング46が弾性変形すること
により受圧液室48の容積を拡縮する方向である軸方向
に沿って変位可能とされている。
【0028】支持金具42の内周側及びスペーサ78の
内周側には、上部側が駆動隔壁44により閉止されると
共に、下部側が電磁石70の上面によって閉止された円
筒状の空間である収納室80が形成される。この収納室
80内には、駆動隔壁44の樹脂円板45の下面に連結
された円板状の磁性可動子82が収納されている。
【0029】磁性可動子82は磁力により吸引可能な鉄
等の磁性材料からなり、その上部側には下部側に対して
小径の円柱状の連結部83が一体的に設けられている。
また磁性可動子82の上面には、連結部83の外周側に
下方へ向かって外径が拡大するようなテーパ面84が形
成されている。
【0030】ここで、磁性可動子82は、その下面が電
磁石70の上面と平行となるように支持されている。磁
性可動子82には、常に電磁石70の永久磁石74から
の磁力が作用している。この磁気的な吸引力として永久
磁石74からの磁力のみが作用している状態では、磁性
可動子82は、その下面が図1に示されるように軸方向
においてスペーサ78の軸方向中央と略一致するような
位置(初期位置)で静止する。磁性可動子82は、図1
に示される初期位置から上方へはテーパ面84が支持金
具42の下端部と当接する当接する位置まで変位可能と
され、また初期位置から下方へは磁性可動子82の下面
が電磁石70の上面に当接する位置まで変位可能とされ
ている。
【0031】アクティブダンパ10では、電磁石70に
所定電位の駆動電流が供給されて電磁石70が励磁状態
となって、磁性可動子82に対して吸引力として電磁力
が作用とすると、図2の実線で示されるように駆動隔壁
44と共に磁性可動子82が初期位置から軸方向に沿っ
て下方へ変位する。このとき、磁性可動子82の下方へ
の変位量が増加すると共に駆動隔壁44の弾性リング4
6の変形量が大きくなり、その弾性的な復元力も増大す
ることとなる。本実施の形態では、磁性可動子82の下
面が電磁石70と当接する手前の位置で、電磁石70に
よる電磁力が弾性リング46の復元力が釣り合うように
なっている。
【0032】またアクティブダンパ10では、電磁石7
0への駆動電流の供給が中止されて電磁石70が励磁状
態から非励磁状態になって、磁性可動子82に電磁力が
作用しなくなると、図2の2点鎖線で示されるように弾
性リング46の復元力と磁性可動子82及び駆動隔壁4
4の慣性力とにより駆動隔壁44と共に磁性可動子82
が初期位置より上方まで変位する。このとき、磁性可動
子82が初期位置より上方まで変位すると弾性リング4
6の復元力の方向が反転し、磁性可動子82には、慣性
力に対抗する力として弾性リング46の復元力及び永久
磁石74からの磁力が作用する。本実施の形態では、磁
性可動子82のテーパ面84が支持金具42の下端部と
当接する手前の位置で、慣性力、弾性リング46の復元
力及び永久磁石74からの磁力が釣り合うようになって
いる。
【0033】従って、本実施の形態のアクティブダンパ
10では、電磁石70への駆動電流の供給及び停止を繰
り返すことより、駆動隔壁44を受圧液室48の容積拡
縮方向である軸方向に沿って往復動できる。このとき、
図2の実線で示されるように、駆動隔壁44が軸方向に
沿って初期位置から下方へ変位すると受圧液室48内の
液圧が低下する。この液圧変化によって弾性体28は外
周部を支点として内周側が軸方向に沿って下方へ撓み変
形し、頂板金具34を介して弾性体28の頂部に連結固
定された質量体38が下方へ変位する。また図2の2点
鎖線で示されるように、駆動隔壁44が初期位置から軸
方向に沿って上方へ変位すると受圧液室48内の液圧が
上昇する。この液圧変化によって弾性体28は外周部を
支点として内周側が軸方向に沿って上方へ撓み変形し、
頂板金具34を介して弾性体28の頂部に連結固定され
た質量体38が上方へ変位する。このとき、質量体38
は弾性体28の弾性的な復元力及び慣性力によって図1
に示される初期位置より上方まで移動する。
【0034】ここで、電磁石70が励磁状態となって駆
動隔壁44が初期位置より下方へ変位すると、受圧液室
48内の液圧が低下し、また電磁石70が励磁状態から
非励磁状態となって駆動隔壁44が初期位置より上方へ
変位すると受圧液室48内の液圧が高くなる。このと
き、弾性リング46の外周面が支持金具42の内周面に
固着されていることから、駆動隔壁44は、弾性リング
46の外周側の一部を除く中央側の部分である加圧変位
部49により実質的に受圧液室48内の液圧を変化させ
ると見なせる。この加圧変位部49の直径は、駆動隔壁
44全体の直径より小さく、かつ樹脂円板46の直径よ
り大きいR1となる。
【0035】一方、弾性体28は外周側のテーパ面29
が外筒金具22の固着支持部26へ固着されている。こ
のことから、弾性体28の外周部は受圧液室48内の液
圧を受けても弾性変形しない剛体であると近似的に考え
ることができる。従って、弾性体28は、駆動隔壁44
の樹脂円板45が変位して受圧液室48内の液圧が変化
した際には、実質的には図2に示されるように内周側の
一部である受圧変位部31のみが軸方向に沿って変位す
る。本実施の形態では、軸心Sを中心とする受圧変位部
31の直径R2が駆動隔壁44における加圧変位部49
の直径R1より小さくなるように弾性体28の形状、剛
性等が設計されている。
【0036】アクティブダンパ10は電磁石70を制御
するコントローラ66を備えており、このコントローラ
66には車体12上に設置された振動センサ68が接続
されている。振動センサ68は、車体12上におけるエ
ンジン14とアクティブダンパ10との中間部に設置さ
れており、車体12の振動を検出して、この振動に対応
する波形(例えば、正弦波形)の電気信号を検出信号と
してコントローラ66へ出力する。
【0037】コントローラ66は、振動センサ68から
の信号を受けて車体12における振動の周波数及び位相
を判断する。コントローラ66は、車体12における振
動の周波数と等しい周波数で質量体が振動するように電
磁石70への駆動電流をオンするオン時間及び駆動電流
をオフするオフ時間との比、すなわち駆動電流のデュー
ティ比を設定する。更にコントローラ66は、質量体3
8が車体12における振動の位相とは一定時間のずれを
有する位相又は車体12における振動の位相とは逆位相
で振動するように駆動電流の位相を調整する。
【0038】次に、本発明の実施形態に係るアクティブ
ダンパ10の作用を説明する。
【0039】車体12にマウントされたエンジン14が
作動すると、エンジン14の振動が防振装置16を介し
て車体12へ伝達される。エンジン14からの振動は、
防振装置16により一定の減衰率で減衰されて車体12
へ伝達されるが車体12に伝達される振動を完全に消失
できず、エンジン14からの振動によって車体12が振
動する。
【0040】振動センサ68は車体12が振動すると、
車体12の振動を検出して検出信号をコントローラ66
へ出力する。振動センサ68からの検出信号を受けたコ
ントローラ66は、質量体38が車体12における振動
の周波数と等しい周波数でが振動するように電磁石70
への駆動電流のデューティ比を設定すると共に、質量体
38が車体12における振動の位相とは一定時間のずれ
を有する位相又は逆位相で振動するように駆動電流の位
相を調整する。
【0041】アクティブダンパ10は、質量体38の振
動時に質量体38の質量と加速度との積と等しい制御力
を車体12へ作用させる。このとき、質量体38の振動
周波数を車体12の振動周波数と等しくすると共に、質
量体38を車体の振動位相とは一定時間のずれを有する
位相(逆位相を含む)で振動させることにより、アクテ
ィブダンパ10の制御力は車体12の振動を打ち消し、
又は弱めるように作用する。従って、車体12における
振動に対応させて質量体38を振動させることにより、
エンジン14の作動時における車体12の振動レベルを
大幅に低減できる。
【0042】ここで、車体12は完全な剛性体ではない
ことから、エンジン14から車体12へ伝達される振動
は、車体12におけるエンジン14の取付部から周辺部
へ伝播していくことになる。このため、アクティブダン
パ10の作動時にも、車体12におけるエンジン14の
取付部付近では振動が消失せず、振動センサ68は車体
12におけるエンジン14の取付部付近の振動を検出す
る。
【0043】複数のアクティブダンパ10は車体12に
おけるエンジン14の取付部を囲むように配置されてい
るので、車体12におけるアクティブダンパ10の取付
部付近から外側の領域に振動が伝達することを効果的に
阻止(振動遮断)できる。この結果、自動車の車内へ伝
達される振動レベルを大幅に低減できる。
【0044】更にアクティブダンパ10では、受圧液室
48内の液圧を実質的に変化させる樹脂円板45の外径
1が受圧液室48内の液圧を受けて実質的に軸方向へ
変位する受圧変位部31の直径R2より大きくされてい
ることから、駆動隔壁44の変位が液体を介して弾性体
28の受圧変位部31に拡大されて伝達されるので、駆
動隔壁44の振幅に対する弾性体30の振幅を大きくで
きる。
【0045】この結果、電磁アクチュエータ等により質
量体を直接的に駆動する従来のアクティブダンパと比較
し、電磁石70へ供給する駆動電流が同一であっても、
質量体38の振動スロークを大きくでき、アクティブダ
ンパ10から車体12におけるアクティブダンパ10の
取付部付近へ作用する制御力を増大できるので、車体1
2におけるアクティブダンパ10の取付部付近に伝達さ
れている振動を効果的に減衰できる。
【0046】なお、エンジン14からの振動の種類に
は、例えば、車両が70〜80km/hで走行すると生
じるシェイク振動(15Hz未満)や、アイドリング運
転及び車速が5km/h以下の低速運転の場合に生じる
アイドル振動(20〜30Hz)等があるが、これらの
振動の種類をコントローラ61により判断させ、特定の
振動、例えば、シェイク振動が車体12に伝達されてい
るときにのみ、アクティブダンパ10を作動させるよう
にしてもよい。
【0047】また、本実施の形態では、アクティブダン
パ10を車体12に配置する場合のみを説明したが、ア
クティブダンパ10を振動発生部であるエンジン14側
に配置して振動発生部としてのエンジン14の振動を抑
制するようにしてもよい。
【0048】またアクティブダンパ10では、電磁石7
0により磁性可動子82に対して断続的に電磁力を作用
させるようにしたが、磁性可動子82を永久磁石により
構成し、電磁石70に供給する駆動電流の極性を一定周
期で反転させて磁性可動子82に磁気的な吸引力及び反
発力を交互に作用させるようにしてもよい。さらに電磁
石70に供給する駆動電流の電流値を振動センサ68か
らの検出信号に基づいて変調し、電磁石70からの電磁
力の強度を伝達振動に対応する周期で変化させて質量体
38を振動させるようにしてもよい。
【0049】(第2の実施の形態)図4には本発明によ
る第2の実施の形態に係るアクティブダンパ110が示
されている。なお、図4では、図1及び図2に基づいて
既に説明した第1の実施の形態に係る部材と構成及び作
用が共通の部材については同一符号を付して説明を省略
する。本実施の形態のアクティブダンパ110も、アク
ティブダンパ10と同様に車体12におけるエンジン取
付部を囲むように複数個配置される(図3参照)。
【0050】アクティブダンパ110は、図4に示され
るように外殻部として下端側が閉止された有底円筒状の
外筒金具118を有している。外筒金具118には、互
いに径が異なる上側円筒部120及び下側円筒部122
が設けられており、大径の上側円筒部120と小径の下
側円筒部122との中間部に段差状のフランジ部124
が形成されている。
【0051】外筒金具118の底板部にはボルト126
が溶接等により固着されており、このボルト126の軸
部は軸心Sに沿って下方へ突出している。このボルト1
26は車体12を貫通し、その先端部にナット128が
ねじ込まれる。これにより、外筒金具118は車体12
に締結固定される。
【0052】外筒金具118の下側円筒部122内に
は、コア74,永久磁石74及びコイル76を備えた電
磁石70が挿入されている。一方、上側円筒部120内
には、軸方向両端部がそれぞれ下側円筒部122の内径
より大径とされた薄肉状の支持円筒130が挿入されて
いる。この支持円筒130の軸方向中間部には両端部に
対して小径とされた縮径部131が設けられている。こ
の縮径部131は、図5に示されるように支持円筒13
0の外周面に周方向に沿って矩形断面の溝部133を全
周に亘って形成している。
【0053】支持円筒130の内周面には、図4に示さ
れるようにゴム製の弾性体135が加硫接着されてい
る。弾性体135は上方へ向かって断面が縮小する略円
錐台状に形成されており、その下端側の外周部付近が支
持円筒130の内周面上端部に加硫接着され、上端側が
支持円筒130から上方へ突出している。また弾性体1
35の底面中央部には上方へ向かって窪んだ円形の凹部
137が形成されている。
【0054】弾性体135の頂面には、金属製の頂板金
具139が加硫接着されている。頂板金具139の上面
にはボルト軸141が軸心Sに沿って上方へ突出するよ
うに溶接等により固着されている。頂板金具139上に
は、金属材料を肉厚円板状に加工した質量体38が載置
されており、ボルト軸141は質量体38の中心部を貫
通し、その先端部にナット145がねじ込まれている。
これにより、質量体38が頂板金具139上に締結固定
される。
【0055】支持円筒130内には略円筒状の仕切部材
147が挿入されている。仕切部材34の内周側には軸
方向へ貫通する円柱状の中空部149が形成されてお
り、この中空部149の下端部には、上部側に対して内
径が拡大した隔壁収納部151が形成されている。ここ
で、仕切部材147は上面の外周部が弾性体135の下
面の外周部と密着するように配置されている。また中空
部149の内径は、弾性体135の凹部137の内径と
等しくされている。弾性体135の凹部137の外周部
は仕切部材147の上面に接着されている。
【0056】仕切部材147の隔壁収納部151内には
円板状の駆動隔壁153が配置されている。駆動隔壁1
53は、内周側に配置された樹脂円板154及びこの樹
脂円板154の外周側に配置されたゴム製の弾性リング
155により構成されている。
【0057】弾性リング155は、内周面が樹脂円板1
54の外周面に固着されると共に、外周面が隔壁収納部
151の内周面下端部に固着されている。これにより、
仕切部材147の中空部149の下面側が駆動隔壁15
3によって閉止される。ここで、弾性体135の凹部1
37及び駆動隔壁153により閉止された中空部149
は受圧液室157を構成しており、この受圧液室157
内の液圧変化に伴って弾性体135が軸方向に沿って弾
性変形するようになっている。また駆動隔壁153は、
弾性リング155が弾性変形することにより受圧液室1
57の容積を拡縮する方向である軸方向に沿って変位可
能とされている。
【0058】仕切部材147には、図5に示されるよう
に外周面に周方向に沿って溝部148が形成され、この
溝部148の一端部には溝部40の内壁から中空部14
9の内周面まで貫通する連通路159が形成されてい
る。
【0059】支持円筒130は、図4に示されるように
縮径部131の内周面を仕切部材147の外周面に密着
させている。これにより、仕切部材147の溝部133
の外周側は縮径部131によって閉止される。また支持
円筒130の縮径部131には、図2に示されるように
溝部40の他端部に対応する部位に貫通穴161が形成
されており、この貫通穴161は支持円筒130の溝部
133と仕切部材147の溝部148とを互いに連通さ
せている。
【0060】仕切部材147の外周面には下端部に径方
向へ延出する円板状のフランジ部163が形成されてお
り、フランジ部163の上面側は支持円筒130の縮径
部131の下面へ当接している。また、フランジ部16
3の下面と外筒金具118のフランジ部163の上面と
の間には、リング状のスペーサ165が挿入されてお
り、これにより、支持円筒130及び仕切部材147が
軸方向へ位置決めされている。スペーサ165の内周側
には、隔壁収納部151の内径と等しい内径を有する円
柱状の中空部167が形成されている。
【0061】またスペーサ165の内周面には、上端部
に径方向へ延出する凹部167が形成されており、この
凹部167内には薄肉リング状とされた皿ばね180の
外周部が挿入されている。この皿ばね180は凹部16
7の上面とフランジ部163の下面とにより挟持されて
固定され、その内周部を駆動隔壁153の樹脂円板15
4へ弾接させて樹脂円板153を上方へ付勢している。
【0062】スペーサ165の内周側には、上部側が駆
動隔壁153により閉止されると共に、下部側が電磁石
70の上面によって閉止された円筒状の空間である収納
室182が形成される。この収納室182内には、駆動
隔壁153の樹脂円板154の下面に連結された円板状
の磁性可動子184が収納されている。
【0063】磁性可動子184は磁力により吸引可能な
鉄等の磁性材料からなり、その上部側には下部側に対し
て小径の円柱状の連結部185が一体的に設けられてい
る。ここで、磁性可動子184は、その下面が電磁石7
0の上面と平行となるように支持されている。磁性可動
子184には、常に永久磁石74からの磁力が作用する
と共に、樹脂円板154を介して皿ばね180からの付
勢力が作用している。この状態で磁性可動子184は、
駆動隔壁153の弾性リング155に弾性変形を生じさ
せないような位置(初期位置)で静止する。
【0064】外筒金具118の上側円筒部120内には
支持円筒130の外周面との間に薄肉状の中間筒169
が配置されている。中間筒169は軸方向における長さ
が支持円筒130と等しくされており、その内周面によ
って支持円筒130の外周面を覆っている。支持円筒1
30及び中間筒169の下端部はそれぞれ外筒金具11
8のフランジ部124の上面へ当接しており、この状態
で、外筒金具118の上端部が内周側へかしめられるこ
とにより、支持円筒130及び中間筒169が外筒金具
118内で固定されている。
【0065】中間筒169の内周面には、略円筒状とさ
れたゴム製のダイアフラム171の軸方向両端部がそれ
ぞれ全周に亘って加硫接着されている。このダイアフラ
ム171は、支持円筒130の溝部133の外周側を閉
止しており、軸方向中間部が溝部24内へ突出するよう
にアーチ状に湾曲している。ここで、ダイアフラム17
1により外周側が閉止された溝部133内に形成される
円環状の空間は副液室173とされている。またダイア
フラム171の外周面と中間筒169の内周面との間に
は、ダイアフラム171の径方向への弾性変形を可能と
する空気室175とされている。この空気室175は必
要に応じて装置外部へ連通される。
【0066】副液室173と受圧液室157とは、支持
円筒130の貫通穴161、支持円筒130における溝
部133及び連通路159を通して互いに連通してお
り、これらの貫通穴161、溝部133及び連通路15
9はオリフィスとしての制限通路177を構成してい
る。ここで、受圧液室157、副液室173及び制限通
路177内には、水、オイル、エチレングリコール等の
液体が充填封入されている。
【0067】本実施の形態のアクティブダンパ110で
は、副液室173の隔壁の一部を構成するダイアフラム
171の剛性が自動車におけるシェイク振動の周波数に
対応する大きさとされ、かつ制限通路177の液体の流
通抵抗もシェイク振動の周波数に対応する大きさとされ
ている。
【0068】アクティブダンパ110では、第1の実施
の形態に係るアクティブダンパ10と同様に、電磁石7
0への駆動電流の供給及び停止を繰り返すことより、駆
動隔壁44を受圧液室48の容積拡縮方向である軸方向
に沿って往復動できる。このとき、駆動隔壁153が軸
方向に沿って初期位置から下方へ変位すると受圧液室1
57内の液圧が低下する。この液圧変化によって弾性体
135は外周部を支点として内周側が軸方向に沿って下
方へ撓み変形し、頂板金具34を介して弾性体28の頂
部に連結固定された質量体38が下方へ変位する。また
駆動隔壁153が初期位置から軸方向に沿って上方へ変
位すると受圧液室48内の液圧が上昇する。この液圧変
化によって弾性体135は外周部を支点として内周側が
軸方向に沿って上方へ撓み変形し、頂板金具34を介し
て弾性体28の頂部に連結固定された質量体38が上方
へ変位する。このとき、質量体38は弾性体135及び
皿ばね180の弾性的な復元力及び慣性力によって初期
位置より上方まで移動する。
【0069】ここで、電磁石70が励磁状態となって駆
動隔壁153が初期位置より下方へ変位すると、受圧液
室157内の液圧が低下し、また電磁石70が励磁状態
から非励磁状態となって駆動隔壁153が初期位置より
上方へ変位すると受圧液室48内の液圧が高くなる。こ
のとき、弾性リング155の外周面が仕切部材147の
内周面に固着されていることから、駆動隔壁153は、
図4に示されるように弾性リング155の外周側の一部
を除く中央側の部分である加圧変位部156により実質
的に受圧液室157内の液圧を変化させると見なせる。
この加圧変位部156の直径は、駆動隔壁153全体の
直径より小さく、かつ樹脂円板154の直径より大きい
3となる。
【0070】一方、弾性体135は、凹部137の周縁
部が仕切部材147の上面に固着されている。このこと
から、弾性体135の凹部137の外周部は受圧液室1
57内の液圧を受けても弾性変形しない剛体であると近
似的に考えることができる。従って、弾性体135は、
駆動隔壁153が変位して受圧液室157内の液圧が変
化した際には、実質的には図4に示されるように内周側
の一部である受圧変位部136のみが軸方向に沿って変
位する。本実施の形態では、軸心Sを中心とする受圧変
位部136の直径R4が樹脂円板154の外径R3より小
さくなるように弾性体135の形状、剛性等が設計され
ている。
【0071】アクティブダンパ110は電磁石70を制
御するコントローラ66を備えており、このコントロー
ラ66には車体12上に設置された振動センサ68が接
続されている。振動センサ68は、車体12上における
エンジン14とアクティブダンパ110との中間部に設
置されており、車体12の振動を検出して、この振動に
対応する波形(例えば、正弦波形)の電気信号を検出信
号としてコントローラ66へ出力する。
【0072】コントローラ66は、振動センサ68から
の信号を受けて車体12における振動の周波数及び位相
を判断する。コントローラ66は、車体12における振
動の周波数と等しい周波数で質量体が振動するように電
磁石70への駆動電流をオンするオン時間及び駆動電流
をオフするオフ時間との比、すなわち駆動電流のデュー
ティ比を設定する。更にコントローラ66は、質量体3
8が車体12における振動の位相とは一定時間のずれを
有する位相又は車体12における振動の位相とは逆位相
で振動するように駆動電流の位相を調整する。
【0073】次に本発明の実施形態に係るアクティブダ
ンパ110の作用を説明する。
【0074】本実施の形態のアクティブダンパ110に
よっても、コントローラ66が電磁石70をアクティブ
ダンパ10の場合と同様に制御することにより、車体1
2におけるアクティブダンパ110の取付部付近から外
側の領域に振動が伝達することを効果的に阻止(振動遮
断)できるので、自動車の車内へ伝達される振動レベル
を大幅に低減できる。
【0075】また、本実施の形態のアクティブダンパ1
10でも、第1の実施の形態に係るアクティブダンパ1
0と同様に、受圧液室157内の液圧を実質的に変化さ
せる加圧変位部156の外径R3が受圧液室157内の
液圧を受けて実質的に軸方向へ変位する受圧変位部13
6の直径R4より大きくされていることから、駆動隔壁
153の加圧変位部156の変位が液体を介して弾性体
135の受圧変位部136に拡大されて伝達されるの
で、駆動隔壁153の振幅に対する弾性体135の振幅
が大きくできる。
【0076】更に本実施の形態のアクティブダンパ11
0では、副液室173の隔壁の一部を構成するダイアフ
ラム171の剛性が自動車におけるシェイク振動の周波
数に対応する大きさとされ、かつ制限通路177の液体
の流通抵抗もシェイク振動の周波数に対応する大きさと
されていることから、受圧液室157内の液体が副液室
173内の液圧がシェイク振動(15Hz未満)と略等
しい周期で変化する場合、すなわち駆動隔壁153がシ
ェイク振動と略等しい周波数で振動する場合には、制限
通路177を通して受圧液室157と副液室173との
間を流動する液体に共振現象(液柱共振)が発生し、こ
の液柱共振により受圧液室157内の液圧変化を増幅で
きるので、液圧変化に伴う弾性体135の軸方向に沿っ
た変位を大きくして質量体135の振幅を拡大できる。
【0077】従って、エンジン14から車体12へ伝達
される振動がシェイク振動である場合には、インテーク
マニホルド91内の負圧を大きくすることなく、車体1
2の振動を打ち消すための制御力を増大できるので、車
体12に伝達されるシェイク振動を特に効果的に減衰で
きるなお、エンジン14からの振動の種類には、上記し
たシェイク振動以外にも、例えば、アイドリング運転及
び車速が5km/h以下の低速運転の場合に生じるアイ
ドル振動(20〜30Hz)等があるが、ダイアフラム
171の剛性及び制限通路177の流通抵抗をアイドル
振動等のシェイク振動以外の振動に対応する大きさに設
定(チューニング)し、このシェイク振動以外の振動伝
達時に液柱共振作用により質量体135の振幅を増大す
るようにしてもよい。
【0078】
【発明の効果】以上説明したように本発明の能動型吸振
装置によれば、少ない消費電流により大きな制御力を発
生でき、電源供給部の容量が制限される場合でも振動受
部の振動を効果的に抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明による第1の実施の形態に係るアクテ
ィブダンパの側面断面図である。
【図2】 本発明による第1の実施の形態に係るアクテ
ィブダンパの作動状態を示す側面断面図である。
【図3】 本発明の実施形態に係るアクティブダンパ及
びエンジンが車体上へ搭載された状態を示す模式図であ
る。
【図4】 本発明による第2の実施の形態に係るアクテ
ィブダンパの側面断面図である。
【図5】 本発明による第2の実施の形態に係るアクテ
ィブダンパにおける支持筒及び仕切部材を示す斜視図で
ある。
【符号の説明】
10 アクティブダンパ(能動型吸振装置) 12 車体(振動受部) 28 弾性体 31 受圧変位部 38 質量体 34 頂板金具(支持部材) 44 駆動隔壁 48 受圧液室 52 気体封入室 57 圧力供給管(圧力供給路) 58 切換弁(圧力供給手段) 66 コントローラ(電磁駆動手段、制御部) 70 電磁石(電磁駆動手段) 82 磁性可動子 110 アクティブダンパ(能動型吸振装置) 118 外筒金具(取付部材) 135 弾性体 136 受圧変位部 139 頂板金具(支持部材) 153 駆動隔壁 157 受圧液室 184 磁性可動子

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 振動受部に連結される取付部材と、 振動受部における吸振領域に対応した質量を有する質量
    体と、 前記質量体が固定された支持部材と、 前記取付部材と前記支持部材との間に設けられ、液体が
    封入された受圧液室と、 前記取付部材及び前記支持部材にそれぞれ連結されると
    共に前記受圧液室における隔壁の一部を構成し、前記受
    圧液室内の液圧変化に伴って振動受部の振動の振幅方向
    に沿って変位する受圧変位部が設けられた弾性体と、 前記受圧液室における隔壁の他の一部を構成し、前記受
    圧液室の容積拡縮方向へ変位可能とされると共に、前記
    受圧液室内の液体に対する加圧面積が前記受圧変位部の
    受圧面積より広くされた駆動隔壁と、 磁性体により構成され前記駆動隔壁と一体となって前記
    容積拡縮方向へ変位する磁性可動子と、 前記磁性可動子に対して電磁力を作用させて磁性可動子
    及び前記駆動隔壁を前記容積拡縮方向に沿って往復動さ
    せる電磁駆動手段と、 を有することを特徴とする能動型吸振装置。
  2. 【請求項2】 前記電磁駆動手段は、前記磁性可動子に
    対して電磁力を作用させる電磁石と、振動受部に伝達さ
    れる振動に対応する周期で前記電磁石が励磁状態となる
    ように電磁石に駆動電流を供給する制御部と、を有する
    ことを特徴とする請求項1記載の能動型吸振装置。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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