JP2001020954A - 軸受装置 - Google Patents

軸受装置

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JP2001020954A
JP2001020954A JP11192398A JP19239899A JP2001020954A JP 2001020954 A JP2001020954 A JP 2001020954A JP 11192398 A JP11192398 A JP 11192398A JP 19239899 A JP19239899 A JP 19239899A JP 2001020954 A JP2001020954 A JP 2001020954A
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bracket
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boss
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JP11192398A
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Shunsuke Shimakura
俊輔 島倉
Kazuyoshi Hatano
和好 波多野
Hideki Akita
秀樹 秋田
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Hitachi Construction Machinery Co Ltd
Original Assignee
Hitachi Construction Machinery Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ボス部の軸方向端面とブラケット部の軸方向
端面とが早期に摩耗するのを抑える。 【解決手段】 アームボス13の端面13Bに溶射皮膜
21を設け、ブラケット14の端面14Cには他の溶射
皮膜22を設ける。また、各溶射皮膜21,22間に
は、硬度の低い材料により形成した環状プレート23を
設ける構成とする。このため、環状プレート23が溶射
皮膜21,22間に挟まれて変形することにより、溶射
皮膜21,22に作用する衝撃を吸収することができ
る。そして、溶射皮膜21,22が割れ等によって端面
13B,14Cから離脱するのを抑える。また、溶射皮
膜21,22によってアームボス13の端面13Bとブ
ラケット14の端面14Cとの摩耗、損傷等を抑えるこ
とができので、アームボス13とブラケット14とを長
期に亘って円滑に相対回動させることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば建設機械に
装備される作業装置のピン結合部等に好適に用いられる
軸受装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、一側部材のボス部と相手方部材
のブラケット部とを連結ピンを介して回動可能に連結し
てなる軸受装置は知られている。
【0003】この種の従来技術による軸受装置を油圧シ
ョベル等に装備される作業装置のピン結合部等に用いる
場合には、例えば一側部材としてのアームの先端側に内
周側がブッシュ嵌合穴となったボス部を設け、該ボス部
のブッシュ嵌合穴内に内周側がピン挿通穴となったブッ
シュを嵌着すると共に、連結ピンをブッシュのピン挿通
穴内に摺動可能な状態で挿通し、該連結ピンの両端側を
相手方部材としてのバケットに設けられたブラケットに
一体に取付けることにより、バケットを連結ピンを介し
てアームに回動可能に連結している。
【0004】そして、アームの先端側に配設されたバケ
ットは、リンク機構等を介してバケットシリンダを作動
させることにより、連結ピンを中心としてアームに対し
て回動し、掘削作業等を行うようになっている。
【0005】ここで、掘削作業時にバケット等に対して
連結ピンの軸方向(スラスト方向)に荷重が作用したと
きには、アームに設けたボス部の軸方向端面とバケット
に設けたブラケット部の軸方向端面とが当接することに
より、このスラスト荷重を受承し、バケットがアームの
先端側でスラスト方向にがたつくのを防止する構成とな
っている。
【0006】ところで、アーム側のボス部の端面とバケ
ット側のブラケット部の端面との間には、バケットを円
滑に回動させるために僅かな隙間が形成されているた
め、この隙間内には掘削作業時の土砂等が侵入し易い。
そして、上述の隙間内に土砂等が侵入した状態でバケッ
トを回動させると、アーム側のボス部の端面とバケット
側のブラケット部の端面とに引掻き傷等の傷痕が発生
し、両者の端面の摩耗、損傷等の進行を早めてしまう。
【0007】また、端面の摩耗が進行してくると、ボス
部の端面とブラケット部の端面との間に形成されるスラ
スト方向の隙間が大きくなり、バケットがスラスト方向
に大きくがたつき、「ガタ」音等の異音が発生し易くな
る。
【0008】これに対し、他の従来技術として、アーム
側のボス部の端面とバケット側のブラケット部の端面と
に、例えば超硬合金等の耐摩耗性に優れた材料により形
成された耐摩耗層を設けることにより、ボス部の端面と
ブラケット部の端面の摩耗を抑える構成とした軸受装置
が提案されている(例えば、特開平9−184518号
公報等)。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述した他
の従来技術による軸受装置では、アーム側のボス部の端
面とバケット側のブラケット部の端面とが、スラスト方
向に対してほぼ垂直となって正対しているときには、両
者の端面に設けた耐摩耗層が面接触の状態で衝合するこ
とにより、ボス部の端面とブラケット部の端面とが早期
に摩耗してしまうのを抑えることができる。
【0010】しかし、例えば崖の側面を掘削する場合等
において、バケットにスラスト方向に対して傾いた方向
からの荷重が作用すると、アーム側のボス部の端面とバ
ケット側のブラケット部の端面とが互いに正対せず、傾
いた状態で摺接または衝突するようになる。この場合に
は、ボス部の端面に設けた耐摩耗層とブラケット部の端
面に設けた耐摩耗層とが面接触できず、例えば一方の耐
摩耗層から他方の耐摩耗層に対して局部的に大きな荷重
が作用することになる。
【0011】このように、一方の耐摩耗層から他方の耐
摩耗層に対して局部的に大きな荷重が作用すると、他方
の耐摩耗層に局部的に応力が集中し、この耐摩耗層が割
れ等によって端面から離脱してしまい、耐摩耗層によっ
て端面を保護することができなくなるという問題があ
る。
【0012】本発明は上述した従来技術の問題に鑑みな
されたもので、本発明はボス部の軸方向端面とブラケッ
ト部の軸方向端面とが早期に摩耗するのを抑え、ボス部
とブラケット部とがスラスト方向にがたつくことなく長
期に亘って円滑に相対回動することができるようにした
軸受装置を提供することを目的としている。
【0013】
【課題を解決するための手段】上述した課題を解決する
ため、本発明は、一側部材のボス部と相手方部材のブラ
ケット部とを連結ピンを介して回動可能に連結してなる
軸受装置に適用される。
【0014】そして、請求項1の発明が採用する構成の
特徴は、前記ボス部の軸方向端面と前記ブラケット部の
軸方向端面のうち少なくともいずれか一方の端面には硬
質材料を溶射してなる耐摩耗層を設け、前記ボス部の端
面と前記ブラケット部の端面との間には前記耐摩耗層よ
りも硬度の低い材料により形成された耐摩耗層保護板を
設けたことにある。
【0015】このように構成したことにより、ボス部と
ブラケット部との連結部に連結ピンの軸方向に対して傾
いた方向からの荷重が作用した場合に、耐摩耗層保護板
がボス部の端面とブラケット部の端面との間に挟まれる
ので、ボス部の端面とブラケット部の端面とが互いに傾
いた状態で直接的に摺接または衝突するのを抑えること
ができる。この場合、耐摩耗層保護板は、ボス部の端面
とブラケット部の端面のうち少なくともいずれか一方の
端面に設けた耐摩耗層よりも硬度の低い材料により形成
されているので、耐摩耗層に作用する荷重を緩和するこ
とができ、耐摩耗層が割れ等によってボス部、ブラケッ
ト部等の端面から離脱してしまうのを抑えることができ
る。
【0016】請求項2の発明は、耐摩耗層保護板は、前
記ボス部の端面と前記ブラケット部の端面との間に働く
外力によって変形し衝撃吸収作用を有する材料により形
成したことにある。
【0017】このように構成したことにより、耐摩耗層
保護板は、ボス部の端面とブラケット部の端面との間に
挟まれて変形するときに、ボス部の端面とブラケット部
の端面のうち少なくともいずれか一方に設けた耐摩耗層
に作用する衝撃を吸収するので、この耐摩耗層の割れ等
を確実に抑えることができる。
【0018】請求項3の発明は、耐摩耗層保護板は、前
記耐摩耗層よりも大径な環状板として形成したことにあ
る。
【0019】このように構成したことにより、耐摩耗層
保護板がボス部の端面とブラケット部の端面との間に挟
まれたときに、耐摩耗層保護板によって耐摩耗層を全面
に亘って覆うことができ、耐摩耗を確実に保護すること
ができる。
【0020】請求項4の発明は、前記耐摩耗層は、前記
ボス部の端面と前記ブラケット部の端面との両面に設け
る構成としたことにある。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態による
軸受装置を油圧ショベルのピン結合部に適用した場合を
例に挙げ、図1ないし図5を参照しつつ詳細に説明す
る。
【0022】まず、図1ないし図4は本発明による第1
の実施の形態を示し、図1において、1は油圧ショベル
の下部走行体、2は下部走行体1上に旋回可能に搭載さ
れた上部旋回体で、この上部旋回体2は旋回フレーム3
を有し、旋回フレーム3上には運転室4等が設けられて
いる。
【0023】5は上部旋回体2の前部に俯仰動可能に設
けられた作業装置を示し、この作業装置5は、上部旋回
体2の旋回フレーム3にピン結合されたブーム6と、ブ
ーム6の先端側にピン結合されたアーム7と、アーム7
の先端側にピン結合されたバケット8とから大略構成さ
れている。そして、ブーム6はピン結合部を介して連結
されたブームシリンダ9によって回動され、アーム7は
ピン結合部を介して連結されたアームシリンダ10によ
って回動され、バケット8はバケットシリンダ11によ
りリンク12等を介して回動されるようになっている。
【0024】ここで、これらの各ピン結合部には、軸受
装置が装備されており、例えば一側部材となるアーム7
と相手方部材となるバケット8とは、図2に示す軸受装
置を介して回動可能に連結されている。
【0025】13はアーム7の先端側に設けられたボス
部としてのアームボスで、該アームボス13は、鋳鉄等
の金属材料により略円筒状に形成され、その内周側には
軸方向両側に位置してブッシュ嵌合穴13A,13Aが
設けられている。ここで、アームボス13の軸方向両端
側は、後述する各ブラケット14の端面14Cに対向す
る端面13B,13Bとなっている。また、各端面13
Bの外周縁部には全周に亘って環状のテーパ面部13C
が形成され、各端面13Bの表面には後述の溶射皮膜2
1が形成されている。そして、各端面13Bは、油圧シ
ョベルの掘削作業時にブラケット14からのスラスト荷
重を受承するものである。
【0026】14,14はアームボス13を挟むように
バケット8に突設された一対のブラケットで、該各ブラ
ケット14は鋼板等の金属材料から平板状に形成され、
各ブラケット14にはブッシュ嵌合穴13Aと同心上に
位置するピン挿通穴14A,14Aが穿設されている。
【0027】ここで、各ブラケット14の互いに対向す
る内側面には、円板状の補強板14Bが溶接等の手段に
よってそれぞれ固着されている。そして、各補強板14
Bのうちアームボス13の端面13Bに対向する面は、
各ブラケット14の端面14C,14Cとなり、各端面
14Cの表面には後述の溶射皮膜22が形成されてい
る。そして、各端面14Cは、油圧ショベルの掘削作業
時にアームボス13からのスラスト荷重を受承するもの
である。また、各端面14Cの外周縁部には全周に亘っ
て環状の各テーパ面部14Dが形成され、このテーパ面
部14Dはアームボス13のテーパ面部13Cとの間で
V字溝を構成している。
【0028】15は一方のブラケット14の外側面に溶
接等の手段によって固着された筒体で、該筒体15の内
周側は、ブラケット14のピン挿通穴14Aとほぼ等し
い穴径をもったピン挿通穴15Aとなっている。また、
筒体15には、径方向に貫通するボルト挿通穴(図示せ
ず)が形成されている。
【0029】16,16は一対のブッシュで、各ブッシ
ュ16は焼結金属等により略円筒状に形成され、その外
周側がアームボス13の各ブッシュ嵌合穴13A内にそ
れぞれ圧入嵌合された状態で嵌着されている。
【0030】17は各ブラケット14とアームボス13
とを回動可能に連結した円柱状の連結ピンで、該連結ピ
ン17は、軸方向の一端側が大径の鍔部17Aとなった
円柱体として形成されている。そして、連結ピン17の
軸方向中間部はブッシュ16の内周側に摺動可能に挿嵌
され、軸方向両端側は各ブラケット14のピン挿通穴1
4Aに挿通されている。そして、連結ピン17の軸方向
他端側には、径方向に貫通するボルト挿通穴(図示せ
ず)が形成され、このボルト挿通穴と筒体15のボルト
挿通穴とに固定ボルト等(図示せず)を挿通することに
より、連結ピン17がブラケット14に対して抜止め、
廻止め状態に保持されている。
【0031】ここで、連結ピン17の外周面のうちブッ
シュ16との摺動面となる部位には、浅底の凹溝17
B,17Bが形成され、これら各凹溝17Bは、連結ピ
ン17の軸方向両端側にそれぞれ設けられたグリースニ
ップル18,18に、グリース注入路19,19を介し
て連通している。これにより、グリースニップル18か
ら注入されたグリースは、グリース注入路19を通じて
凹溝17Bに供給され、連結ピン17と各ブッシュ16
との摺動面に均一な油膜を形成し、この摺動面を潤滑状
態に保持する。
【0032】20,20はアームボス13の両端側に位
置してブッシュ嵌合穴13A内に設けられたオイルシー
ルで、各オイルシール20は、ブッシュ16と連結ピン
17との摺動面に外部から土砂等の異物が侵入するのを
防止すると共に、この摺動面に給脂されたグリースの一
部を、アームボス13の各端面13B(溶射皮膜21)
と各ブラケット14の端面14C(溶射皮膜22)との
間に補給させる構成となっている。
【0033】21,21はアームボス13の各端面13
Bに溶射処理を施すことにより形成された耐摩耗層とし
ての溶射皮膜、22,22は各ブラケット14の端面1
4Cに溶射処理を施すことにより形成された他の耐摩耗
層としての溶射皮膜をそれぞれ示している。
【0034】ここで、各溶射皮膜21,22は、剛性を
有しかつ耐熱性を備えた硬質の超硬合金材料、例えばタ
ングステンカーバイト等の材料にニッケルとクロムを合
計して、例えば27重量%含ませた粉末材料を、プラズ
マ溶射法あるいは高エネルギーガス溶射法等の手段を用
いて溶射処理することにより形成されている。
【0035】また、各溶射皮膜21,22の材料として
は、ニッケルとクロムを合計して10〜30重量%含
み、残りが70〜90重量%のタングステンカーバイト
等の超硬合金材料からなる粉末材料を用いてもよい。
【0036】そして、各溶射皮膜21,22は、その硬
度(ビッカース硬度)がHv=800〜1100に設定
され、アーム7の先端側でバケット8を回動させたとき
に、アームボス13の端面13B、ブラケット14の端
面14Cが、後述の環状プレート23に直接摺接して摩
耗、損傷等を生じるのを防止している。
【0037】また、溶射処理により形成された各溶射皮
膜21,22の表面は、30μm以下程度の表面粗さを
有する凹凸面(図示せず)として形成されている。これ
により、各溶射皮膜21,22を環状プレート23に摺
接させたときに、各溶射皮膜21,22と環状プレート
23との摺接面間に凹部空間(図示せず)を形成するこ
とができる。そして、この凹部空間は、ブッシュ16と
連結ピン17との摺動面から各溶射皮膜21,22と環
状プレート23との間に補給されたグリースを捕捉して
内部に閉込め、各溶射皮膜21,22と環状プレート2
3との間を長期に亘って潤滑状態に保持すると共に、こ
のグリースが各溶射皮膜21,22から外部に漏出する
のを防止している。
【0038】23,23は連結ピン17の外周側に位置
してアームボス13側の溶射皮膜21とブラケット14
側の溶射皮膜22との間に設けられた耐摩耗層保護板と
しての環状プレートで、各環状プレート23は、溶射皮
膜21,22よりも硬度が低く、外力に対して弾性変形
することにより衝撃吸収作用をもったばね性を有する材
料、例えばSUS304等のステンレス鋼、ばね鋼、高
機能樹脂(エンジニアリングプラスチック)等の材料に
より薄肉の環状板として形成されている。
【0039】そして、環状プレート23は、図3に示す
ように、溶射皮膜21に対向するボス側端面23Aと、
溶射皮膜22に対向するブラケット側端面23Bとを有
している。また、環状プレート23は、ビッカース硬度
がHv=180〜200に設定され、溶射皮膜21,2
2間に外力が加わったときに、これら溶射皮膜21,2
2間に挟まれて変形することにより衝撃を吸収し、溶射
皮膜21,22を保護するものである。
【0040】ここで、油圧ショベルの掘削作業時に、ア
ームボス13と各ブラケット14との連結部にスラスト
方向からの荷重が外力として作用した場合には、各環状
プレート23は、アームボス13側の溶射皮膜21とブ
ラケット14側の溶射皮膜22との間に介在することに
より、ボス側端面23Aを溶射皮膜21に摺接させ、ブ
ラケット側端面23Bを溶射皮膜22に摺接させる。
【0041】一方、例えば油圧ショベルが崖の側面を掘
削するときに、アームボス13と各ブラケット14との
連結部にスラスト方向に対して傾いた方向からの荷重が
外力として作用した場合には、アームボス13の端面1
3Bとブラケット14の端面14Cとが互いに傾くよう
になるが、アームボス13側の溶射皮膜21とブラケッ
ト14側の溶射皮膜22とは、環状プレート23を挟ん
で間接的に摺接または衝突するようになる。
【0042】このため、溶射皮膜21と溶射皮膜22と
が互いに傾いた状態で直接的に摺接する場合に比較し
て、溶射皮膜21,22に作用する衝撃を環状プレート
23の変形によって吸収することができる。このよう
に、環状プレート23は、溶射皮膜21,22に局部的
に応力が集中するのを抑え、溶射皮膜21,22が割れ
等によってアームボス13の端面13B,ブラケット1
4の端面14Cから離脱してしまうのを防ぐものであ
る。
【0043】24,24はアームボス13のテーパ面部
13Cとブラケット14のテーパ面部14Dとの間のV
字溝内に設けられたOリングで、該各Oリング24は、
アームボス13の端面13Bとブラケット14の端面1
4Cとの間に形成された隙間内に土砂等の異物が侵入す
るのを抑えると共に、各溶射皮膜21,22に補給され
たグリースが外部に漏洩するのを抑制するものである。
【0044】本実施の形態による軸受装置は上述の如き
構成を有するもので、油圧ショベルの掘削作業時には、
当該軸受装置を介してアーム7の先端側にピン結合され
たバケット8が、バケットシリンダ11の伸縮動作に応
じて連結ピン17を中心として回動動作を行う。
【0045】ここで、油圧ショベルの掘削作業時にアー
ム7のアームボス13とバケット8のブラケット14と
の連結部にスラスト方向の荷重が作用したときには、こ
の荷重をアームボス13の端面13Bとブラケット14
の端面14Cで受承するため、該各端面13B,14C
には大きな面圧が作用する。
【0046】この場合、アームボス13の端面13Bに
は硬質の超硬合金材料からなる溶射皮膜21が設けら
れ、この溶射皮膜21は、環状プレート23のボス側端
面23Aに摺接する。一方、ブラケット14の端面14
Cには硬質の超硬合金材料からなる溶射皮膜22が設け
られ、この溶射皮膜22は、環状プレート23のブラケ
ット側端面23Bに摺接する。
【0047】このため、アームボス13の端面13Bと
ブラケット14の端面14Cとが直接摺接することはな
くなり、該各端面13B,14Cが早期に摩耗するのを
抑えることができる。また、バケット8の回動時には、
溶射皮膜21,22と環状プレート23との間に形成さ
れた凹部空間に、グリースを捕捉して閉込めることがで
きる。これにより、溶射皮膜21,22と環状プレート
23との摺接面を長期に亘って潤滑状態に保持できるか
ら、各溶射皮膜21,22と環状プレート23との間で
生じる摩耗、損傷を著しく減少させることができる。
【0048】一方、例えば油圧ショベルが崖の側面を掘
削することにより、アームボス13と各ブラケット14
との連結部にスラスト方向に対して傾いた方向からの荷
重が作用した場合には、図4に示すように、アームボス
13の端面13Bとブラケット14の端面14Cとが互
いに傾き、アームボス13側の溶射皮膜21とブラケッ
ト14側の溶射皮膜22とが、互いに傾いた状態で摺接
しようとする。
【0049】しかし、本実施の形態では、アームボス1
3側の溶射皮膜21とブラケット14側の溶射皮膜22
との間に、該各溶射皮膜21,22よりも硬度の低い材
料からなる環状プレート23を設けている。
【0050】このため、互いに傾いたアームボス13側
の溶射皮膜21とブラケット14側の溶射皮膜22と
は、環状プレート23を挟んで間接的に摺接し、溶射皮
膜21,22に作用する衝撃を環状プレート23の変形
によって吸収することができる。これにより、溶射皮膜
21と溶射皮膜22とが互いに傾いた状態で直接的に摺
接する場合に比較して、溶射皮膜21,22に局部的に
応力が集中するのを抑え、溶射皮膜21,22が割れ等
によってアームボス13の端面13B,ブラケット14
の端面14Cから離脱してしまうのを抑えることができ
る。
【0051】かくして、本実施の形態によれば、アーム
ボス13側に設けた溶射皮膜21とブラケット14側に
設けた溶射皮膜22との間に、各溶射皮膜21,22よ
りも硬度の低い環状プレート23を設け、アームボス1
3側の溶射皮膜21とブラケット14側の溶射皮膜22
とが、環状プレート23を挟んで間接的に摺接すること
により、溶射皮膜21,22に作用する衝撃を環状プレ
ート23の変形によって吸収する構成としている。
【0052】このため、アームボス13の端面13Bを
溶射皮膜21によって確実に保護し、ブラケット14の
端面14Cを溶射皮膜22によって確実に保護すること
により、アームボス13の端面13Bとブラケット14
の端面14Cとの摩耗、損傷等を抑えることができる。
この結果、バケット8の円滑な回動を長期に亘って補償
することができる。また、バケット8がアーム7の先端
側で軸方向にがたつくのを抑えることができるので、こ
のがたつきに起因する異音を低減でき、快適な作業環境
を維持することができる。
【0053】次に、図5は本発明による第2の実施の形
態を示し、本実施の形態の特徴は、耐摩耗層保護板を、
耐摩耗層よりも大径な環状板として形成したことにあ
る。なお、本実施の形態では上述した第1の実施の形態
と同一の構成要素に同一符号を付し、その説明を省略す
るものとする。
【0054】図5において、31は第1の実施の形態に
よる溶射皮膜21に代えてアームボス13の端面13B
に設けられた耐摩耗層としての溶射皮膜、32は第1の
実施の形態による溶射皮膜22に代えてブラケット14
の端面14Cに設けられた他の耐摩耗層としての溶射皮
膜で、これら各溶射皮膜31,32は、第1の実施の形
態による各溶射皮膜21,22と同様の硬質の超硬合金
材料により形成されている。しかし、各溶射皮膜31,
32は、アームボス13の端面13Bの外径よりも小さ
い外径寸法φdをもって環状に形成されている。
【0055】33は第1の実施の形態による環状プレー
ト23に代えて各溶射皮膜31,32間に設けられた耐
摩耗層保護板としての環状プレートで、該環状プレート
33は、第1の実施の形態による環状プレート23と同
様に、溶射皮膜31,32よりも硬度の低いステンレス
鋼等の材料により薄肉の環状板として形成されているも
のの、環状プレート33の外径寸法φDは、溶射皮膜3
1,32の外径寸法φdよりも大きく設定されている。
【0056】本実施の形態は上述の如き構成を有するも
ので、その基本的作用については上述した第1の実施の
形態と格別差異はない。
【0057】然るに、本実施の形態では、アームボス1
3側の溶射皮膜31とブラケット14側の溶射皮膜32
との間に設けた環状プレート33の外径寸法φDを、各
溶射皮膜31,32の外径寸法φdよりも大きく設定し
ている。このため、溶射皮膜31,32を全面に亘って
環状プレート33によって覆うことができる。従って、
アームボス13と各ブラケット14との連結部にスラス
ト方向に対して傾いた方向からの荷重が作用し、アーム
ボス13側の溶射皮膜31とブラケット14側の溶射皮
膜32とが、互いに傾いた状態で摺接しようとしたとき
に、各溶射皮膜31,32間に確実に環状プレート33
を挟込むことができ、該環状プレート33によって、溶
射皮膜31,32に作用する衝撃を吸収することができ
る。
【0058】なお、上述した各実施の形態では、環状プ
レート23(33)をSUS304等のステンレス鋼、
ばね鋼、高機能樹脂等の材料によって形成するものとし
て述べたが、本発明はこれに限るものではなく、環状プ
レート23(33)は、溶射皮膜21(31),22
(32)間に挟まれることにより変形する他の材料、例
えば鉄,銅等の金属材料、樹脂材料、木材等によって形
成してもよい。
【0059】また、上述した各実施の形態では、アーム
ボス13の端面13Bに溶射皮膜21(31)を設け、
ブラケット14の端面14Cに溶射皮膜22(32)を
設けた場合を例に挙げたが、本発明はこれに限るもので
はなく、例えばアームボス13の端面13Bにのみ溶射
皮膜21(31)を設ける構成としてもよく、また、こ
れとは逆にブラケット14の端面14Cにのみ溶射皮膜
22(32)を設ける構成としてもよい。
【0060】さらに、上述した各実施の形態では、軸受
装置をアーム7とバケット8との間のピン結合部に設け
たるものとして述べたが、本発明はこれに限らず、例え
ば図1に示した作業装置5のうち、旋回フレーム3とブ
ーム6との間のピン結合部、ブーム6とアーム7との間
のピン結合部に適用してもよく、また油圧ショベルに限
らず、油圧クレーン等の他の建設機械に適用してもよ
い。
【0061】
【発明の効果】以上詳述したように請求項1の発明によ
れば、ボス部の軸方向端面とブラケット部の軸方向端面
のうち少なくともいずれか一方の端面に耐摩耗層を設
け、ボス部の端面と前記ブラケット部の端面との間には
耐摩耗層よりも硬度の低い材料により形成された耐摩耗
層保護板を設ける構成としたので、ボス部とブラケット
部との連結部に、連結ピンの軸方向に対して傾いた方向
からの荷重が作用したとしても、耐摩耗層保護板がボス
部の端面とブラケット部の端面との間に挟まれることに
より、ボス部の端面とブラケット部の端面とが互いに傾
いた状態で直接的に摺接または衝突するのを抑えること
ができる。この場合、耐摩耗層保護板は耐摩耗層よりも
硬度の低い材料により形成されているので、耐摩耗層に
作用する荷重を緩和することができ、この耐摩耗層が割
れ等によってボス部、ブラケット部等の端面から離脱し
てしまうのを抑えることができる。この結果、ボス部の
端面、ブラケット部の端面等を耐摩耗層によって確実に
保護し、当該端面の摩耗、損傷等を抑えることができる
ので、ボス部とブラケット部とはスラスト方向にがたつ
くことなく長期に亘って円滑に相対回動することができ
る。
【0062】また、請求項2の発明によれば、耐摩耗層
保護板を、ボス部の端面とブラケット部の端面との間に
働く外力によって変形し衝撃吸収作用を有する材料によ
り形成したので、耐摩耗層保護板が、ボス部の端面とブ
ラケット部の端面との間に挟まれて変形するときに、ボ
ス部の端面とブラケット部の端面のうち少なくともいず
れか一方に設けた耐摩耗層に作用する衝撃を吸収するの
で、この耐摩耗層の割れ等を確実に抑えることができ
る。
【0063】また、請求項3の発明によれば、耐摩耗層
保護板を、前記耐摩耗層よりも大径な環状板として形成
したので、耐摩耗層保護板がボス部の端面とブラケット
部の端面との間に挟まれたときに、耐摩耗層保護板によ
って耐摩耗層を全面に亘って覆うことができ、耐摩耗層
を確実に保護することができる。
【0064】さらに、請求項4の発明によれば、耐摩耗
層を、ボス部の端面とブラケット部の端面との両面に設
ける構成としたので、これら各耐摩耗層によってボス部
の端面とブラケット部の端面とを保護し、各端面の摩
耗、損傷等を抑えることができ、ボス部とブラケット部
とを長期に亘って円滑に相対回動させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態による軸受装置が適用された
油圧ショベルの作業装置等を示す外観図である。
【図2】図1中の矢示II−II方向からみた軸受装置を示
す断面図である。
【図3】図2中のアームボス、ブラケット、溶射皮膜お
よび環状プレート等を拡大して示す要部拡大断面図であ
る。
【図4】アームボス側の溶射皮膜とブラケット側の溶射
皮膜との間に環状プレートが挟まれた状態を示す図3と
同様の要部拡大断面図である。
【図5】第2の実施の形態による溶射皮膜、環状プレー
ト等を拡大して示す図3と同様の要部拡大断面図であ
る。
【符号の説明】
7 アーム(一側部材) 8 バケット(相手方部材) 13 アームボス(ボス部) 13B 端面(軸方向端面) 14 ブラケット(ブラケット部) 14C 端面(軸方向端面) 17 連結ピン 21,31 溶射皮膜(耐摩耗層) 22,32 溶射皮膜(耐摩耗層) 23,33 環状プレート(耐摩耗層保護板)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 秋田 秀樹 茨城県土浦市神立町650番地 日立建機株 式会社土浦工場内 Fターム(参考) 2D012 HA00 2D015 AA02 3J011 AA20 BA02 BA09 CA05 DA01 JA02 KA02 KA03 KA08 MA02 QA03 RA02 SB12 SB14 SB15

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一側部材のボス部と相手方部材のブラケ
    ット部とを連結ピンを介して回動可能に連結してなる軸
    受装置において、 前記ボス部の軸方向端面と前記ブラケット部の軸方向端
    面のうち少なくともいずれか一方の端面には硬質材料を
    溶射してなる耐摩耗層を設け、前記ボス部の端面と前記
    ブラケット部の端面との間には前記耐摩耗層よりも硬度
    の低い材料により形成された耐摩耗層保護板を設ける構
    成としたことを特徴とする軸受装置。
  2. 【請求項2】 前記耐摩耗層保護板は、前記ボス部の端
    面と前記ブラケット部の端面との間に働く外力によって
    変形し衝撃吸収作用を有する材料により形成してなる請
    求項1に記載の軸受装置。
  3. 【請求項3】 前記耐摩耗層保護板は、前記耐摩耗層よ
    りも大径な環状板として形成してなる請求項1または2
    に記載の軸受装置。
  4. 【請求項4】 前記耐摩耗層は、前記ボス部の端面と前
    記ブラケット部の端面との両面に設ける構成としてなる
    請求項1,2または3に記載の軸受装置。
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JP2006038132A (ja) * 2004-07-28 2006-02-09 Fuji Xerox Co Ltd 駆動力伝達装置及びこれを用いた画像形成装置
JP2009041659A (ja) * 2007-08-08 2009-02-26 Hitachi Constr Mach Co Ltd 軸受装置

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