JP2001019739A - 磁気記録媒体用熱可塑性ポリウレタン樹脂 - Google Patents

磁気記録媒体用熱可塑性ポリウレタン樹脂

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JP2001019739A JP11193271A JP19327199A JP2001019739A JP 2001019739 A JP2001019739 A JP 2001019739A JP 11193271 A JP11193271 A JP 11193271A JP 19327199 A JP19327199 A JP 19327199A JP 2001019739 A JP2001019739 A JP 2001019739A
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力 杉峠
Tsuyoshi Hachitsuka
剛志 八塚
Hirotoshi Kitsumoto
博俊 木津本
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 芳香族系ポリエステルジオールのグリコール
成分に1,6−ヘキサンジオールを特定組成範囲で共重
合する事及び分子量300以下の低分子量グリコールを
溶融状態でブレンドする事により溶融粘度を下げて溶融
重合を可能にし、優れた磁性粉分散性と磁気テープ耐久
性を発現させる磁気記録媒体用熱可塑性ポリウレタン樹
脂を得る。 【解決手段】酸成分中80モル%以上が芳香族二塩基酸
からなり、グリコール成分は1,6−ヘキサンジオール
を必須成分としその配合量が10モル%以上、50モル
%以下であるポリエステルジオール(A成分)と分子量
300以下の低分子ジオール(B成分)、及び必要に応
じ酸成分中80モル%以上が脂肪族二塩基酸からなるポ
リエステルポリオール(C成分)が、有機ポリイソシア
ネート化合物(D成分)と反応させられる事により得ら
れる事を特徴とする磁気記録媒体用熱可塑性ポリウレタ
ン樹脂。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は磁気記録媒体用熱可
塑性ポリウレタン樹脂に関し、更に詳しくは磁気テー
プ、磁気ディスクなどの磁気記録媒体の結合剤として、
優れた耐久性、耐摩耗性、耐熱性及び優れた分散性、充
填性を発揮する熱可塑性ポリウレタン樹脂に関するもの
であり、特にウレタン化反応を溶融状態で行う固形状の
ポリウレタンに関する。
【0002】
【従来の技術】汎用的磁気記録媒体である磁気テープ、
フロッピイディスクは長軸1μm以下の針状磁性粒子を
分散剤、潤滑剤、帯電防止剤などの添加剤とともに結合
剤溶液に分散させて磁気塗料をつくり、これをポリエチ
レンテレフタレートフィルムに塗布してつくられてい
る。
【0003】磁性層の結合剤に要求される特性として
は、磁性粒子の分散性、充填性、配向性、磁性層の耐久
性、耐摩耗性、耐熱性、非磁性支持体との接着性等が挙
げられ、結合剤は非常に重要な役割を果たしている。
【0004】従来より用いられている結合剤としては、
塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル・酢酸ビ
ニル・ビニルアルコール共重合体、塩化ビニル・塩化ビ
ニリデン共重合体、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹
脂、アクリロニトリル・ブタジエン共重合体、ニトロセ
ルロース、セルロースアセテート・ブチレート、エポキ
シ樹脂あるいはアクリル樹脂等が使用されている。
【0005】これらの樹脂のうちポリウレタン樹脂はウ
レタン結合による分子間水素結合により他の樹脂と比べ
て強靭性、耐摩耗性の特性が優れている。また、磁性粉
末の分散性能を向上させるため、ポリウレタン分子中に
スルホン酸金属塩基を導入する事が効果的である事が知
られている。(特開昭54-159603号公報)
【0006】近年、汎用ビデオテープ或いは汎用フロッ
ピーディスク製造コスト削減を目的に磁気テープや磁気
ディスクの原材料の低価格化が強く求められている。こ
の様な背景の中で一原材料成分である結合剤樹脂も従来
の溶液タイプから、製造コスト、輸送コスト等がより安
価な固形タイプに主流が移りつつあり、特公昭58−8
053号公報、同61−231050号公報、特公平3
−13648号公報等に提案されている。しかも、更な
るコストダウン、性能向上のために磁性層の薄膜化が進
み、光透過率を低くするためにカーボンブラックの配合
量を増量させる必要が出てきたが分散性の低下、塗料粘
度の増大などの問題が発生してきた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】固形タイプ熱可塑性ポ
リウレタン樹脂は原料成分を溶融状態で一定流量を保ち
ながら押し出し機に供給し、溶融状態で反応させる事に
より得られる。原料成分の溶融粘度が高い場合、流量コ
ントロールが困難となり、安定した品質のポリウレタン
樹脂が得られない。 芳香族二塩基酸を主体とするポリ
エステルジオールは磁気記録媒体に耐久性を付与する目
的で不可欠である高ガラス転移温度を有する結合剤樹脂
を設計する上で極めて有用な原料である。しかしながら
溶融粘度が高く、固形タイプポリウレタンの原料成分と
して採用する事は困難であった。
【0008】また、磁性分の分散性を高めるため、スル
ホン酸塩基、ホスホン酸塩基等の極性基を導入すること
が好ましいが、これらの極性基含有ポリエステルジオー
ルの溶融粘度はさらに高くなる問題があった。従って従
来はガラス転移点温度の高い固形タイプポリウレタン樹
脂を設計する際、脂肪族二塩基酸を主体とするポリエス
テルジオールを用い、芳香族ジイソシアナート化合物で
ウレタン結合基濃度を高くする方策が取られていた。
【0009】しかしながらウレタン基結合濃度を増加さ
せると得られるポリウレタン樹脂の汎用溶剤への溶解性
が低下し、磁気記録媒体用結合剤として採用した場合、
磁性粒子の分散性が悪くなるといった問題があった。そ
こで高ガラス転移温度を有し、かつ磁性粒子に対し高い
分散性能を有した固形タイプポリウレタン樹脂が求めら
れていた。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の目的を達成すべ
くポリウレタン樹脂を鋭意検討した結果、本発明に到達
した。すなわち本発明は、酸成分中80モル%以上が芳
香族二塩基酸からなり、グリコール成分の10モル%以
上、50モル%以下が1,6−ヘキサンジオールであ
り、残りのグリコール成分は脂肪族グリコール、分岐状
グリコール、脂環族グリコールの内少なくとも1種以上
のグリコールから成るポリエステルジオール(A成分)
と分子量300以下の低分子ジオール(B成分)、及び
必要に応じ酸成分中80モル%以上が脂肪族二塩基酸か
らなるポリエステルポリオール(C成分)が、有機ポリ
イソシアネート化合物と溶融状態で反応させられる事に
より得られる事を特徴とする磁気記録媒体用熱可塑性ポ
リウレタン樹脂を提供するものである。A成分、B成分
及びC成分が溶融状態で混合されて押し出し機に供給さ
れる事によりA成分単独では溶融粘度が高く、定常供給
困難であった問題が克服された。
【0011】本発明で使用されるポリエステルジオール
A成分、及び必要により用いられるC成分の酸成分とし
ては、1,5−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフ
タレンジカルボン酸等のナフタレン骨格を有するものの
他、テレフタル酸、イソフタル酸、オルソフタル酸、
4,4’−ジフェニルジカルボン酸、4,4’−ジフェ
ニルエーテルカルボン酸等の芳香族二塩基酸、1,4−
シクロヘキサンジカルボン酸、無水フタル酸の水添化化
合物の様な脂環族系二塩基酸、コハク酸、アジピン酸、
アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸等の
脂肪族二塩基酸が挙げられるがこれらのうちA成分の原
料としてはテレフタル酸、イソフタル酸、オルソフタル
酸が好ましく、C成分の原料としてはアジピン酸が好ま
しい。
【0012】ポリエステルポリオールA成分のグリコー
ル成分としては、1,6−ヘキサンジオールを必須成分
として他のグリコールはエチレングリコール、1,3-プロ
パンジオール、1,4-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオ
ール、1,9−ノナンジオール等の脂肪族グリコール、
1,2ープロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール、
2,3-ブチレングリコール、2,2-ジメチル-1,3-プロパン
ジオール、3-メチル-1,5-ペンタンジオール、2,2-ジメ
チル-3-ヒドロキシプロピル-2',2'-ジメチル-3-ヒドロ
キシプロパネート、2,2-ジエチル-1,3-プロパンジオー
ル、1,4-ビス(ヒドロキシメチル)シクロヘキサン、ビス
フェノールAのエチレンオキサイド付加物、水素化ビス
フェノールAのエチレンオキサイド付加物及びプロピレ
ンオキサイド付加物、ポリエチレングリコール、ポリプ
ロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコールな
どが挙げられる。またポリエステルジオールの原料の一
部に無水トリメリット酸、グリセリン、トリメチロール
プロパン、ペンタエリスリトール等の三官能以上の化合
物をポリエステル樹脂の有機溶剤溶解性、塗布作業性等
の特性を損なわない範囲で使用してもよい。1,6−ヘ
キサンジオールは10モル%以上配合すると溶融粘度の
低下に効果があり、50モル%以下では磁性粉、カーボ
ンブラック併用時の分散性保持に有効であるが、それ以
上の配合量ではカーボンブラック高濃度配合時の分散性
が低下してくる。また、50%を越える配合量ではガラ
ス転移点温度の低下が顕著になり、目的の高Tg、高分
散安定性のポリウレタンを得ることが出来なくなる。
【0013】上記以外のジカルボン酸成分、グリコール
成分としては、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、5
−カリウムスルホイソフタル酸、ナトリウムスルホテレ
フタル酸、2−ナトリウムスルホ−1,4−ブタンジオ
ール、2,5−ジメチル−3−ナトリウム−2,5−ヘ
キサンジオール等のスルホン酸金属塩を含有するものが
挙げられる。スルホン酸金属塩基は磁性粉、研磨材、カ
ーボンブラック等の無機粒子の分散性を著しく改善する
効果があり好ましい。ポリエステルジオール中のスルホ
ン酸金属塩基量は10〜400当量/106gの範囲で
含有することが好ましい。10当量/106gより少な
いと磁性粉の分散性が不十分であり、400当量/10
6gを超えるとボリウレタン樹脂溶液や磁気塗料の粘度
が高くなり取扱上また磁気記録媒体の生産上の障害が多
くなる。特に好ましい範囲は40〜200当量/106
gである。
【0014】高分子ポリエステルジオールC成分の代わ
りにポリカプロラクトン、ポリバレロラクトン等のポリ
ラクトンポリオール、ポリエチレングリコール、ポリプ
ロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等
のポリエーテルポリオール、1,6−ヘキサンジオー
ル、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサンジメタノ
ール等から誘導されるポリカーボネートポリオール等を
用いてもよい。
【0015】高分子ポリエステルジオールA成分の溶融
粘度を下げる目的で溶融状態においてブレンドされる分
子量300以下の低分子量ジオールB成分としては、エ
チレングリコール、1,3-プロピレングリコール、1,4-ブ
タンジオール、1,6-ヘキサンジオール、シクロヘキサン
ジメタノール、キシリレングリコール、ジエチレングリ
コール、トリエチレングリコール、ビスフェノールAの
エチレンオキサイド付加物などの直鎖グリコール、1,2-
プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,2-
ブタンジオール、1,3-ブタンジオール、2,2,4-トリメチ
ル-1,3-ペンタンジオール、2-ブチル-2-エチル-1,3-プ
ロピレングリコール、2,2-ジメチル-3-ヒドロキシプロ
ピル-2',2'-ジメチル-3-ヒドロキシプロパノール、ビス
フェノールAのプロピレンオキサイド付加物などの分岐
グリコール、N-メチルエタノールアミン、モノエタノ
ールアミン、ジエタノールアミン等のアミノアルコー
ル、トリメチロールプロパン、グリセリン、ペンタエリ
スリトール、ジペンタエリスルトール等のポリオールが
挙げられる。これらのうち1,2-プロピレングリコール、
2,2,4-トリメチル-1,3-ペンタンジオール、2-ブチル-2-
エチル-1,3-プロピレングリコール、2,2-ジメチル-3-ヒ
ドロキシプロピル-2',2'-ジメチル-3-ヒドロキシプロパ
ノールが好ましい。
【0016】本発明のポリウレタン樹脂に用いられるポ
リエステルジオールAの分子量は2000以下であり、
好ましくは1000以下である。分子量が2000を越
える場合にはポリエステルジオールの溶融粘度が高くな
り、たとえ低分子ジオールB成分、もしくはポリエステ
ルジオールCを溶融混合しても尚、押し出し機への安定
した投入が困難となる。
【0017】また、ポリエステルジオールCは得られる
ポリウレタン樹脂のガラス転移温度が低くなりすぎない
範囲でポリエステルジオールAと共に共重合されるが、
その分子量は5000以下であり、好ましくは3000
以下である。5000を越える場合、C成分自身の溶融
粘度が高くなり、A成分と混合した際に混合物の溶融粘
度を十分に下げる効果が得られない。同様に低分子ジオ
ールB成分の分子量は300以下が好ましい。300を
越えるとA成分と混合した際に混合物の溶融粘度を十分
下げる効果が得られない。分子量300以下の低分子量
ジオールは、一種類とは限らず2種以上の混合物でも有
効である。
【0018】また、ポリエステルジオールAの酸成分は
その80モル%以上が芳香族二塩基酸である。芳香族二
塩基酸が80モル%未満では十分に高いガラス転移温度
と汎用溶剤に対し優れた溶解性を兼ね備えたポリウレタ
ン樹脂が得られない。またその際、ウレタン結合基濃度
を高くする事により、得られるポリウレタン樹脂のガラ
ス転移温度を高く保つ事は可能であるが、汎用溶剤に対
する溶解性が悪化し、磁気記録媒体用結合剤としての重
要な性能である磁性粉分散性能が低下する。また必要に
よりA成分と共に用いられるポリエステルジオールC成
分の酸成分はその80モル%以上が脂肪族系二塩基酸で
ある。脂肪族二塩基酸が80モル未満ではA成分と混合
した際に混合物の溶融粘度を十分に下げる効果が認めら
れない。
【0019】本発明のポリウレタン樹脂の製造において
使用されるジイソシアネート化合物としては、2,4-トリ
レンジイソシアネート、2,6-トリレンジイソシアネー
ト、p-フェニレンジイソシアネート、ジフェニルメタン
ジイソシアネート、m-フェニレンジイソシアネート、ヘ
キサメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソ
シアネート、3,3'-ジメトキシ-4,4'-ビフェニレンジイ
ソシアネート、2,6-ナフタレンジイソシアネート、3,3'
-ジメチル-4,4'-ビフェニレンジイソシアネート、4,4'-
ジフェニレンジイソシアネート、4,4'-ジイソシアネー
トジフェニルエーテル、1,5-ナフタレンジイソシアネー
ト、1,3-ジイソシアネートメチルシクロヘキサン、1,4-
ジイソシアネートメチルシクロヘキサン、4,4'-ジイソ
シアネートシクロヘキサン、4,4'-ジイソシアネートシ
クロヘキシルメタン、イソホロンジイソシアネート等が
挙げられる。
【0020】本発明のポリウレタン樹脂の分子量は50
00から80000、望ましくは10000から400
00である。分子量が5000未満では機械的強度が不
足で、走行耐久性が劣る。分子量が80000を超える
と溶液粘度が大きくなり、作業性、磁性粉・研磨剤・カ
ーボンブラック等の分散性が悪化する。
【0021】反応触媒としてオクチル酸第一錫、ジブチ
ル錫ジラウリレート、トリエチルアミン等を用いてもよ
い。また紫外線吸収剤、加水分解防止剤、酸化防止剤な
どをポリウレタン樹脂の製造前、製造中あるいは製造後
に添加してもよい。
【0022】本発明のポリウレタン樹脂は溶液重合、固
相重合等種々の方法でも得ることが出来るが、汎用磁気
テープ原材料の低価格が求められる昨今の状況より、溶
融重合による方法が望ましい。
【0023】本発明のポリウレタン樹脂を磁気記録媒体
用バインダーとして使用する際、可撓性の調節、耐寒
性、耐久性向上などの目的のために、他の樹脂を添加す
るか、及び/またはポリウレタン樹脂と反応して架橋す
る化合物を混合することが望ましい。他の樹脂としては
塩化ビニル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン
樹脂、セルロース系樹脂、エポキシ樹脂、フェノキシ樹
脂、ポリビニルブチラール、アクリロニトリル・ブタジ
エン共重合体等が挙げられる。一方、ポリウレタン樹脂
と架橋する化合物としては、ポリイソシアネート化合
物、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂等があり、
特にこれらの中でポリイソシアネート化合物が好まし
い。
【0024】本発明のポリウレタン樹脂と共に使用され
る磁性粒子としては、γ-Fe23、Fe34、Cr
2、コバルトを被着したγ-Fe23またはFe34
バリウムフェライト及びFe−Co、Fe−Co−Ni
等の強磁性合金粉末、純鉄等を挙げることができる。
【0025】さらには必要に応じてジブチルフタレー
ト、トリフェニルホスフェートの様な可塑剤、ジオクチ
ルスルホナトリウムサクシネート、t-ブチルフェノー
ル・ポリエチレンエーテル、エチルナフタレン・スルホ
ン酸ソーダ、ジラウリルサクシネート、ステアリン酸亜
鉛、大豆油レシチン、シリコーンオイルのような潤滑剤
や種々の帯電防止剤を添加することもできる。
【0026】
【作用】従来溶融粘度が高く、固形タイプポリウレタン
原料として適さないと考えられていた芳香族系ポリエス
テルジオールをグリコール成分に1,6−ヘキサンジオ
ールを10モル%以上、50モル%以下配合することに
より溶融粘度を低下させ、かつ分子量300以下の低分
子量ジオールと溶融ブレンドする事により溶融粘度を顕
著に下げ、固形タイプポリウレタン樹脂原料として用い
る事を可能とした。得られた本発明のポリウレタン樹脂
は芳香族系のポリエステルポリオール成分を主体として
なり、高いガラス転移点温度とトルエン、MEK、シク
ロヘキサノン等の汎用溶剤に対する良好な溶解性を兼ね
備えている。結果として磁気記録媒体用バインダーとし
て使用された場合、磁性粒子とカーボンブラックの良好
な分散性と優れた磁気記録媒体の耐久性が発現される。
【0027】
【実施例】以下実施例により本発明を具体的に例示す
る。実施例中単に部とあるのは重量部を示す。表中及び
本文中略号は以下の通りである。 OPA:オルソフタル酸 IPA:イソフタル酸 DSN:ジメチル-5-ナトリウムスルホイソフタル酸 AA:アジピン酸 NPG:2,2-ジメチル-1,3-プロパンジオール HPN:2,2-ジメチル-3-ヒドロキシプロピル-2',2'-ジ
メチル-3-ヒドロキシプロパネート CHDM:1,4-ビス(ヒドロキシメチル) シクロヘキサ
ン HD:1,6−ヘキサンジオール BD:1,4−ブタンジオール PG:1,2−プロピレングリコール MDI:4,4'-ジフェニルメタンジイソシアネート
【0028】ポリウレタン樹脂の数平均分子量はテトラ
ヒドロフランを溶剤としてゲル浸透クロマトグラフィー
により、標準ポリスチレン換算の値を測定した。ガラス
転移温度は110Hzで測定した動的粘弾性の温度依存性
測定結果より、保存弾性率(E’)の屈折点における温
度をTgとした。
【0029】磁気テープの磁性層の光沢は60度光沢を
測定した。磁性層角形比は振動試料型磁力計(理研電子
(株)製MODEL BHV-50)を使用し、塗工方向に対し
垂直方向の角形比を測定した。磁性層耐摩耗性は、市販
のS−VHSビデオデッキにかけ、走行時の温度40℃
で100回走行後の磁性層傷付きを観察し、その程度を
以下の6段階で評価した。 6:傷つきほとんどなし 5:傷つきわずかにあり 4:傷つきやや目だつ 3:傷つき顕著に目だつ、PETフィルムまで達してい
ない 2:傷つき顕著に目だつ、PETフィルム面がわずかに
見える 1:傷つき顕著に目だつ、PETフィルム面が多く見え
【0030】熱可塑性ポリウレタンの合成例1 下記表1の原料成分中、ポリエステルジオールAと低分
子ジオールBを溶融混合した状態で二軸押し出し機に注
入し、有機ポリイソシアネートと反応させた。ノズルよ
り溶融状態のポリウレタンをストランド状に取り出し、
冷却後カットする事によりヘ゜レット状の固形タイプポリウ
レタン樹脂を得た。得られた樹脂の特性を表5に示し
た。
【0031】
【表1】
【0032】熱可塑性ポリウレタンの合成例2 下記表2の原料成分中、ポリエステルジオールAと低分
子ジオールB及びポリエステルジオールCを溶融混合し
た状態で二軸押し出し機に注入し、有機ポリイソシアネ
ートと反応させた。ノズルより溶融状態のポリウレタン
をストランド状に取り出し、冷却後カットする事により
ヘ゜レット状の固形タイプポリウレタン樹脂を得た。得られ
た樹脂の特性を表5に示した。
【0033】
【表2】
【0034】熱可塑性ポリウレタンの比較合成例1 下記表3の原料成分中、ポリエステルジオールAの酸成
分中芳香族二塩基酸が80モル%に満たない例として以
下の例を挙げた。ポリエステルジオールAと低分子ジオ
ールBは溶融混合する事無く、各々押し出し機に注入し
た。得られた溶融状態のポリウレタン樹脂は合成例1と
同様ストランド状にして取り出し、冷却後ヘ゜レット状にカット
した。得られた樹脂の特性を表5に示した。
【0035】
【表3】
【0036】熱可塑性ポリウレタンの比較合成例2 下記表4の原料成分中、ポリエステルジオールAの酸成
分が脂肪族二塩基酸を主体とし、ウレタン結合基濃度を
高くする事により得られるポリウレタン樹脂のガラス転
移温度を高くした例を示した。ポリエステルジオールA
と低分子ジオールBは溶融混合する事無く、各々押し出
し機に注入した。得られた樹脂の特性を表5に示した。
【0037】
【表4】
【0038】
【表5】
【0039】実施例 1 下記の配合割合の組成物をボールミルにいれて48時間
分散してから、滑剤としてステアリン酸:1部、ステア
リン酸ブチル:1部、研磨剤としてアルミナ粉末(平均
粒径0.2μm):5部、硬化剤としてイソシアネート
化合物のコロネートL(日本ポリウレタン工業(株)
製):6部を加え、更に1時間分散を続けて磁性塗料を
得た。これを厚み12μのポリエチレンテレフタレート
フィルム上に、乾燥後の厚みが4μになるように2,0
00ガウスの磁場を印可しつつ塗布した。50℃、48
時間エージング後1/2インチ幅にスリットし、磁気テ
ープを得た。得られた磁気テープの特性を表6に示す。
【0040】 合成例1のポリウレタン樹脂の30wt%MEK溶液 36部 MAG527溶液※ 36部 コバルトマグネタイト※※ 100部 Raven1255※※※ 15部 シクロヘキサノン 42部 MEK 96部 トルエン 46部 ※ 塩ビ系共重合樹脂(UCC(株)製)、 MEK/トルエン:50/50の30%溶液 ※※ ANB170HC 戸田工業(株)製 ※※※ カーボンブラック コロンビアンカーボン(株)製
【0041】実施例 2 合成例1のポリウレタン樹脂の代わりに合成例2のポリ
ウレタン樹脂を用い、実施例1と同様の方法により磁気
テープを作製し、特性を評価した。結果を表6に示し
た。
【0042】実施例 3 MAG527の代わりに合成例2のポリウレタン樹脂を
用い、実施例と同様の方法により、磁気テープを作製
し、特性を評価した。結果を表6に示した。
【0043】比較例 1 合成例1のポリウレタン樹脂の代わりに比較合成例1の
ポリウレタン樹脂を用い、実施例1と同様の方法により
磁気テープを作製し、特性を評価した。結果を表6に示
した。
【0044】比較例 2 合成例1のポリウレタン樹脂の代わりに比較合成例2の
ポリウレタン樹脂を用い、実施例1と同様の方法により
磁気テープを作製し、特性を評価した。結果を表6に示
した。
【0045】
【表6】
【0046】実施例 4 下記の配合割合の組成物をガラス容器に入れてペイント
シェーカーで6時間分散してから、ペットフィルムに塗
布し分散性を調べた。
【0047】 組成物A 組成物B 合成例1のポリウレタン樹脂の30wt%MEK溶液 5g 5g MAG527溶液※ 5g 5g コバルトマグネタイト※※ 13.5g 13.5g Raven1255※※※ --- 2.7g シクロヘキサノン 5.4g 6.3g MEK 10g 12.2g トルエン 4.6g 5.9g ガラスビーズ 50g 50g ※ 塩ビ系共重合樹脂(UCC(株)製)、 MEK/トルエン:50/50の30%溶液 ※※ ANB170HC 戸田工業(株)製 ※※※ カーボンブラック コロンビアンカーボン(株)製
【0048】実施例 5,比較例 3、4 合成例1のポリウレタン樹脂の代わりに合成例2、比較
合成例1,2のポリウレタン樹脂を用い、実施例4と同
様の方法により磁性塗膜をを作製し、分散性を評価し
た。結果を表7に示した。
【0049】
【表7】
【0050】
【発明の効果】本発明の製造方法により得られた固形タ
イプポリウレタン樹脂を磁気テープ用バインダーとして
用いる事により、高い磁性粉安定性と耐久性を兼ね備え
た磁気記録媒体を得る事が可能となる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4J034 CA02 CA03 CA04 CA05 CA13 CA17 CB03 CB04 CB05 CB07 CB08 CC03 CC05 CC08 CC12 CC23 CC26 CC45 CC52 CC61 CC62 CC65 CC67 CD01 CD04 DB04 DF01 DF02 DF11 DF12 DF20 DF21 DF22 DF33 DG03 DG04 DG06 DH02 DH06 HA01 HA07 HB11 HC03 HC12 HC13 HC17 HC22 HC46 HC52 HC61 HC64 HC67 HC70 HC71 HC73 JA01 RA16 4J038 DG051 DG111 DG261 NA11 NA14 PB11 5D006 BA15 FA00 FA02

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 酸成分中80モル%以上が芳香族二塩基
    酸からなり、グリコール成分は1,6−ヘキサンジオー
    ルが10モル%以上、50モル%以下配合されており、
    残りの成分は、脂肪族グリコール、分岐状グリコール、
    脂環族グリコールの内少なくとも1種のグリコールより
    成るポリエステルジオール(A成分)と分子量300以
    下の低分子ジオール(B成分)、及び必要に応じ酸成分
    中80モル%以上が脂肪族二塩基酸からなるポリエステ
    ルポリオール(C成分)が、有機ポリイソシアネート化
    合物(D成分)と溶融状態で反応させられる事により得
    られる事を特徴とする磁気記録媒体用熱可塑性ポリウレ
    タン樹脂。
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