JP2001019684A - 新規な1,2−ベンゾイソチアゾリン−3−オン化合物誘導体およびその製造方法 - Google Patents
新規な1,2−ベンゾイソチアゾリン−3−オン化合物誘導体およびその製造方法Info
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- JP2001019684A JP2001019684A JP11195136A JP19513699A JP2001019684A JP 2001019684 A JP2001019684 A JP 2001019684A JP 11195136 A JP11195136 A JP 11195136A JP 19513699 A JP19513699 A JP 19513699A JP 2001019684 A JP2001019684 A JP 2001019684A
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- benzisothiazolin
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 生理活性等で有用な2-アリールスルフェニル
-1,2-ベンゾイソチアゾリン-3-オン化合物誘導体を、有
害な試薬や特殊な原料を用いることなく,安全にかつ収
率よく製造するための工業的に有利な方法を提供する。 【課題を解決する手段】一般式(イ) 【化1】 (式中,R1〜R4は水素または置換基を示し,Arは
芳香族置換基を示す)で表される2-アリールスルフェニ
ル-1,2-ベンゾイソチアゾリン-3-オン化合物を製造する
方法において,下記一般式(ロ) 【化2】 (式中,R1〜R4は水素または置換基を示す)で表さ
れる1,2-ベンゾイソチアゾリン-3-オン化合物と,下記
一般式(ハ) 【化3】 (式中,Arは芳香族置換基を示す)で表されるスルフ
ェンアミド化合物を反応させることを特徴とする2-アリ
ールスルフェニル-1,2-ベンゾイソチアゾリン-3-オン化
合物の製造方法。
-1,2-ベンゾイソチアゾリン-3-オン化合物誘導体を、有
害な試薬や特殊な原料を用いることなく,安全にかつ収
率よく製造するための工業的に有利な方法を提供する。 【課題を解決する手段】一般式(イ) 【化1】 (式中,R1〜R4は水素または置換基を示し,Arは
芳香族置換基を示す)で表される2-アリールスルフェニ
ル-1,2-ベンゾイソチアゾリン-3-オン化合物を製造する
方法において,下記一般式(ロ) 【化2】 (式中,R1〜R4は水素または置換基を示す)で表さ
れる1,2-ベンゾイソチアゾリン-3-オン化合物と,下記
一般式(ハ) 【化3】 (式中,Arは芳香族置換基を示す)で表されるスルフ
ェンアミド化合物を反応させることを特徴とする2-アリ
ールスルフェニル-1,2-ベンゾイソチアゾリン-3-オン化
合物の製造方法。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は,新規な2-アリール
スルフェニル-1,2-ベンゾイソチアゾリン-3-オン化合物
誘導体,およびその製造方法に関するものである。さら
に詳しくは,新規な2-アリールスルフェニル-1,2-ベン
ゾイソチアゾリン-3-オン化合物誘導体,およびその化
合物を2位に置換基を有さない1,2-ベンゾイソチアゾリ
ン-3-オン化合物とスルフェンアミド化合物を加熱する
ことにより,効率よく製造する方法に関するものであ
る。
スルフェニル-1,2-ベンゾイソチアゾリン-3-オン化合物
誘導体,およびその製造方法に関するものである。さら
に詳しくは,新規な2-アリールスルフェニル-1,2-ベン
ゾイソチアゾリン-3-オン化合物誘導体,およびその化
合物を2位に置換基を有さない1,2-ベンゾイソチアゾリ
ン-3-オン化合物とスルフェンアミド化合物を加熱する
ことにより,効率よく製造する方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】1,2-ベンゾイソチアゾリン-3-オン化合
物誘導体は種々の生理活性を持つ事が知られており,た
とえば5-クロロおよび6-クロロ-1,2-ベンゾイソチアゾ
リン-3-オンは抗菌・抗バクテリア活性があることが報
告されている。さらに,1,2-ベンゾイソチアゾリン-3-
オンから誘導されるさまざまな1,2-ベンゾイソチアゾー
ル化合物のうち,イソチアゾール環部分に置換基を有す
る化合物も,種々の薬理作用を示す化合物が存在するこ
とが報告されているという重要な化合物である(Adv. H
eterocycl. Chem., 14, 58 (1972),J. Med. Chem., 2
9, 359 (1986))。特に,2位の窒素原子上に置換基を有
する1,2-ベンゾイソチアゾリン-3-オン化合物誘導体
は,抗菌・抗バクテリア作用を示す化合物があることが
報告されている(Bull. Chem. Soc. Jpn., 55, 1183 (1
982))。
物誘導体は種々の生理活性を持つ事が知られており,た
とえば5-クロロおよび6-クロロ-1,2-ベンゾイソチアゾ
リン-3-オンは抗菌・抗バクテリア活性があることが報
告されている。さらに,1,2-ベンゾイソチアゾリン-3-
オンから誘導されるさまざまな1,2-ベンゾイソチアゾー
ル化合物のうち,イソチアゾール環部分に置換基を有す
る化合物も,種々の薬理作用を示す化合物が存在するこ
とが報告されているという重要な化合物である(Adv. H
eterocycl. Chem., 14, 58 (1972),J. Med. Chem., 2
9, 359 (1986))。特に,2位の窒素原子上に置換基を有
する1,2-ベンゾイソチアゾリン-3-オン化合物誘導体
は,抗菌・抗バクテリア作用を示す化合物があることが
報告されている(Bull. Chem. Soc. Jpn., 55, 1183 (1
982))。
【0003】従来,1,2-ベンゾイソチアゾリン-3-オン
化合物の2位の窒素原子上に置換基を導入する方法とし
ては,2位に置換基を有さない1,2-ベンゾイソチアゾリ
ン-3-オンに対し,アシルクロライド類,アルキルクロ
ライド類,スルフォニルクロライド類のようなアシル化
剤,アルキル化剤,スルフォニル化剤を反応させるのが
一般的であった(Adv. Heterocycl. Chem., 14, 58 (19
72))。そのため,2位の窒素上にスルフェニル基を導
入するためには,同様な考え方でスルフェニルクロライ
ド化合物を用いる必要がある。このスルフェニルクロラ
イド化合物は,チオール類またはジスルフィド類に対し
て,塩素ガスを反応させるという方法を用いなければ製
造できない化合物である。しかし塩素ガスは有毒な化合
物であり,製造装置の腐食という問題もあった。
化合物の2位の窒素原子上に置換基を導入する方法とし
ては,2位に置換基を有さない1,2-ベンゾイソチアゾリ
ン-3-オンに対し,アシルクロライド類,アルキルクロ
ライド類,スルフォニルクロライド類のようなアシル化
剤,アルキル化剤,スルフォニル化剤を反応させるのが
一般的であった(Adv. Heterocycl. Chem., 14, 58 (19
72))。そのため,2位の窒素上にスルフェニル基を導
入するためには,同様な考え方でスルフェニルクロライ
ド化合物を用いる必要がある。このスルフェニルクロラ
イド化合物は,チオール類またはジスルフィド類に対し
て,塩素ガスを反応させるという方法を用いなければ製
造できない化合物である。しかし塩素ガスは有毒な化合
物であり,製造装置の腐食という問題もあった。
【0004】2-置換-1,2-ベンゾイソチアゾリン-3-オン
化合物誘導体を直接製造する方法も知られているが,ス
ルフェニルクロライド化合物を出発物質とする方法であ
る(Farmaco, Ed. Sci., 16, 509 (1961), 18, 732 (19
63), 19, 254 (1964), 22, 935, 989, 999 (1967), 23,
468 (1968), 英国特許 848130号(1960),米国特許376
1489号(1973))。2-メチルチオ安息香酸誘導体を出発原
料として用いる方法も報告されているが,高熱を要した
り(Bull. Chem. Soc. Jpn., 54, 1781 (1981)),腐食
性のある塩化チオニルを用いなければならなかった(Bu
ll. Chem. Soc. Jpn., 55, 1183 (1982))。
化合物誘導体を直接製造する方法も知られているが,ス
ルフェニルクロライド化合物を出発物質とする方法であ
る(Farmaco, Ed. Sci., 16, 509 (1961), 18, 732 (19
63), 19, 254 (1964), 22, 935, 989, 999 (1967), 23,
468 (1968), 英国特許 848130号(1960),米国特許376
1489号(1973))。2-メチルチオ安息香酸誘導体を出発原
料として用いる方法も報告されているが,高熱を要した
り(Bull. Chem. Soc. Jpn., 54, 1781 (1981)),腐食
性のある塩化チオニルを用いなければならなかった(Bu
ll. Chem. Soc. Jpn., 55, 1183 (1982))。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は,新規な2-ア
リールスルフェニル-1,2-ベンゾイソチアゾリン-3-オン
化合物誘導体を提供するとともに,通常の方法である出
発原料製造のために有毒な塩素ガスを用いるという欠点
を克服し,2-アリールスルフェニル-1,2-ベンゾイソチ
アゾリン-3-オン化合物誘導体を製造するための工業的
に有利な方法を提供することを目的としてなされたもの
である。
リールスルフェニル-1,2-ベンゾイソチアゾリン-3-オン
化合物誘導体を提供するとともに,通常の方法である出
発原料製造のために有毒な塩素ガスを用いるという欠点
を克服し,2-アリールスルフェニル-1,2-ベンゾイソチ
アゾリン-3-オン化合物誘導体を製造するための工業的
に有利な方法を提供することを目的としてなされたもの
である。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは,新規な2-
アリールスルフェニル-1,2-ベンゾイソチアゾリン-3-オ
ン化合物誘導体の製造方法について鋭意研究を重ねた結
果,スルフェンアミド化合物の窒素-イオウ結合が比較
的開裂しやすいことに注目し,このスルフェンアミド化
合物と2位に置換基を有さない1,2-ベンゾイソチアゾリ
ン-3-オン化合物を反応をさせれば,安全かつ容易に新
規な2-アリールスルフェニル-1,2-ベンゾイソチアゾリ
ン-3-オン化合物誘導体が得られることを見い出し,こ
の知見に基づいて本発明を完成するに至った。
アリールスルフェニル-1,2-ベンゾイソチアゾリン-3-オ
ン化合物誘導体の製造方法について鋭意研究を重ねた結
果,スルフェンアミド化合物の窒素-イオウ結合が比較
的開裂しやすいことに注目し,このスルフェンアミド化
合物と2位に置換基を有さない1,2-ベンゾイソチアゾリ
ン-3-オン化合物を反応をさせれば,安全かつ容易に新
規な2-アリールスルフェニル-1,2-ベンゾイソチアゾリ
ン-3-オン化合物誘導体が得られることを見い出し,こ
の知見に基づいて本発明を完成するに至った。
【0007】すなわち,本発明によれば,下記一般式
(イ)
(イ)
【化5】 (式中,R1〜R4は水素または置換基を示し,Arは
芳香族置換基を示す)で表される新規な2-アリールスル
フェニル-1,2-ベンゾイソチアゾリン-3-オン化合物誘導
体が提供される。
芳香族置換基を示す)で表される新規な2-アリールスル
フェニル-1,2-ベンゾイソチアゾリン-3-オン化合物誘導
体が提供される。
【0008】また,本発明によれば,下記一般式(イ)
【化6】 (式中,R1〜R4は水素または置換基を示し,Arは
芳香族置換基を示す)で表される新規な2-アリールスル
フェニル-1,2-ベンゾイソチアゾリン-3-オン化合物誘導
体を製造する方法において,下記一般式(ロ)
芳香族置換基を示す)で表される新規な2-アリールスル
フェニル-1,2-ベンゾイソチアゾリン-3-オン化合物誘導
体を製造する方法において,下記一般式(ロ)
【化7】 (式中,R1〜R4は水素または置換基を示す)で示さ
れる1,2-ベンゾイソチアゾリン-3-オン化合物と,下記
一般式(ハ)
れる1,2-ベンゾイソチアゾリン-3-オン化合物と,下記
一般式(ハ)
【化8】 (式中,Arは芳香族置換基を示す)で表されるスルフ
ェンアミド化合物を反応させることを特徴とする新規な
2-アリールスルフェニル-1,2-ベンゾイソチアゾリン-3-
オン化合物誘導体の製造方法が提供される。
ェンアミド化合物を反応させることを特徴とする新規な
2-アリールスルフェニル-1,2-ベンゾイソチアゾリン-3-
オン化合物誘導体の製造方法が提供される。
【0009】
【発明実施の形態】本発明の製造目的化合物である新規
な2-アリールスルフェニル-1,2-ベンゾイソチアゾリン-
3-オン化合物誘導体を示す前記一般式(イ)において,
R1〜R 4は水素または置換基を示すが,この場合の置
換基は,本発明の反応に不活性なものであればどのよう
なものでもよい。このような置換基には,鎖状または環
状のアルキル基,アルコキシ基,ジアルキルアミノ基,
アシル基,アルコキシカルボニル基,ハロゲン原子,シ
アノ基,ニトロ基等が包含される。これらの置換基に結
合するアルキル基の炭素数は,通常1〜6である。置換
基の具体例としては、メチル、エチル、プロピル、イソ
プロピル、ブチル、ヘキシル、シクロヘキシル、メトキ
シ、エトキシ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、アセ
チル、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、クロ
ロ、ブロモ等が挙げられる。
な2-アリールスルフェニル-1,2-ベンゾイソチアゾリン-
3-オン化合物誘導体を示す前記一般式(イ)において,
R1〜R 4は水素または置換基を示すが,この場合の置
換基は,本発明の反応に不活性なものであればどのよう
なものでもよい。このような置換基には,鎖状または環
状のアルキル基,アルコキシ基,ジアルキルアミノ基,
アシル基,アルコキシカルボニル基,ハロゲン原子,シ
アノ基,ニトロ基等が包含される。これらの置換基に結
合するアルキル基の炭素数は,通常1〜6である。置換
基の具体例としては、メチル、エチル、プロピル、イソ
プロピル、ブチル、ヘキシル、シクロヘキシル、メトキ
シ、エトキシ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、アセ
チル、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、クロ
ロ、ブロモ等が挙げられる。
【0010】また,前記一般式(イ)において,Arは
芳香族置換基を示すが,この場合の芳香族基としては,
フェニル,ナフチル,ビフェニル等の芳香族基やピリジ
ル,ピリミジル,チエニル,フリル,イミダゾリル等の
複素環基が挙げられる。これらの芳香族基または複素環
基はアルキル基,ハロゲン原子,アルコキシル基,ニト
ロ基,ジアルキルアミノ基,アシル基,アルコキシカル
ボニル基,シアノ基等の置換基を有していてもよい。こ
れらの置換基に結合するアルキル基の炭素数は、通常1
〜6である。置換基の具体例としては、メチル、エチ
ル、プロピル、イソプロピル、ブチル、ヘキシル、シク
ロヘキシル、クロロ、ブロモ、メトキシ、エトキシ、ジ
メチルアミノ、ジエチルアミノ、アセチル、メトキシカ
ルボニル、エトキシカルボニル、イソプロポキシカルボ
ニル等が挙げられる。
芳香族置換基を示すが,この場合の芳香族基としては,
フェニル,ナフチル,ビフェニル等の芳香族基やピリジ
ル,ピリミジル,チエニル,フリル,イミダゾリル等の
複素環基が挙げられる。これらの芳香族基または複素環
基はアルキル基,ハロゲン原子,アルコキシル基,ニト
ロ基,ジアルキルアミノ基,アシル基,アルコキシカル
ボニル基,シアノ基等の置換基を有していてもよい。こ
れらの置換基に結合するアルキル基の炭素数は、通常1
〜6である。置換基の具体例としては、メチル、エチ
ル、プロピル、イソプロピル、ブチル、ヘキシル、シク
ロヘキシル、クロロ、ブロモ、メトキシ、エトキシ、ジ
メチルアミノ、ジエチルアミノ、アセチル、メトキシカ
ルボニル、エトキシカルボニル、イソプロポキシカルボ
ニル等が挙げられる。
【0011】2-アリールスルフェニル-1,2-ベンゾイソ
チアゾリン-3-オン化合物の製造は,好ましくは反応溶
媒の存在下で実施されるが,この場合の反応溶媒は,ベ
ンゼン,トルエン,キシレン,クロロベンゼン,ジクロ
ロベンゼン,アニソール等の無極性有機溶媒中で行われ
る。また,これらの溶媒は単独または混合溶媒の形で使
用される。
チアゾリン-3-オン化合物の製造は,好ましくは反応溶
媒の存在下で実施されるが,この場合の反応溶媒は,ベ
ンゼン,トルエン,キシレン,クロロベンゼン,ジクロ
ロベンゼン,アニソール等の無極性有機溶媒中で行われ
る。また,これらの溶媒は単独または混合溶媒の形で使
用される。
【0012】前記製造方法における温度は50度〜15
0度付近の温度で行うことができるが,あまり低温すぎ
ると反応時間が遅くなり,高すぎると異常な分解反応や
副反応が多くなるので,80度〜120度の範囲で実施
するのが好ましい。反応時間は反応温度により左右さ
れ,一概に定めることはできないが,通常は2〜12時
間で十分である。
0度付近の温度で行うことができるが,あまり低温すぎ
ると反応時間が遅くなり,高すぎると異常な分解反応や
副反応が多くなるので,80度〜120度の範囲で実施
するのが好ましい。反応時間は反応温度により左右さ
れ,一概に定めることはできないが,通常は2〜12時
間で十分である。
【0013】このようにして,本発明の反応によって例
えば化学式(1)から(3)で示される2-アリールスル
フェニル-1,2-ベンゾイソチアゾリン-3-オン化合物を製
造することができる。
えば化学式(1)から(3)で示される2-アリールスル
フェニル-1,2-ベンゾイソチアゾリン-3-オン化合物を製
造することができる。
【化9】
【0014】
【実施例】次に,本発明を実施例により詳細に説明す
る。なお,本発明の実施例は本発明の理解を容易にする
ために代表的な物をあげたものであり,本発明はこれだ
けに限定されるものではない。なお,下記実施例によっ
て製造される2-アリールスルフェニル-1,2-ベンゾイソ
チアゾリン-3-オン化合物誘導体は,すべて新規化合物
であり,各種スペクトルと元素分析の結果を主要な判定
基準として同定した。また,製造された化合物(1)〜
(3)は,前記で示した化合物(1)〜(3)に対応す
るもので,その物性値としては,融点,核磁気共鳴スペ
クトル(1H−NMR),赤外吸収スペクトル(I
R),元素分析値の順にそれぞれ記した。
る。なお,本発明の実施例は本発明の理解を容易にする
ために代表的な物をあげたものであり,本発明はこれだ
けに限定されるものではない。なお,下記実施例によっ
て製造される2-アリールスルフェニル-1,2-ベンゾイソ
チアゾリン-3-オン化合物誘導体は,すべて新規化合物
であり,各種スペクトルと元素分析の結果を主要な判定
基準として同定した。また,製造された化合物(1)〜
(3)は,前記で示した化合物(1)〜(3)に対応す
るもので,その物性値としては,融点,核磁気共鳴スペ
クトル(1H−NMR),赤外吸収スペクトル(I
R),元素分析値の順にそれぞれ記した。
【0015】実施例1 内容積50mlのガラス製容器中に1,2-ベンゾイソチア
ゾリン-3-オン(1mmol)と2-スルフェナモイル安
息香酸エチル(1mmol)をトルエン(10ml)に
溶解させ,100℃で5時間攪拌した。トルエンを減圧
下留去させ,粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー
(溶出溶媒,塩化メチレン:アセトン:メタノール=1
00:5:1)で精製した。さらにベンゼン−ヘキサン
で再結晶することにより前記化合物(1)のベンゾイソ
チアゾリノンを得た。 収率 66%;融点 169-171 ℃;1H-NMR(CDCl3) 1.
44 (3H, t, J=7 Hz),4.45 (2H, q, J=7 Hz), 6.82 (1H,
dd, J=8, 1 Hz), 7.24 (1H, td, J=7, 1 Hz), 7.40-7.
48 (2H, m), 7.57 (1H, d, J=8 Hz), 7.71 (1H, td, J=
7, 1 Hz), 8.08 (1H, dd, J=8, 1 Hz), 8.14 (1H, dd,
J=8, 1 Hz);IR(KBr) 1686, 1281, 1103, 752, 731 cm
−1。 C16H13NO3S2としての元素分析値(%) 測定値:C,57.86, H,3.89, N,4.03 計算値:C,57.99, H,3.95, N,4.23
ゾリン-3-オン(1mmol)と2-スルフェナモイル安
息香酸エチル(1mmol)をトルエン(10ml)に
溶解させ,100℃で5時間攪拌した。トルエンを減圧
下留去させ,粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー
(溶出溶媒,塩化メチレン:アセトン:メタノール=1
00:5:1)で精製した。さらにベンゼン−ヘキサン
で再結晶することにより前記化合物(1)のベンゾイソ
チアゾリノンを得た。 収率 66%;融点 169-171 ℃;1H-NMR(CDCl3) 1.
44 (3H, t, J=7 Hz),4.45 (2H, q, J=7 Hz), 6.82 (1H,
dd, J=8, 1 Hz), 7.24 (1H, td, J=7, 1 Hz), 7.40-7.
48 (2H, m), 7.57 (1H, d, J=8 Hz), 7.71 (1H, td, J=
7, 1 Hz), 8.08 (1H, dd, J=8, 1 Hz), 8.14 (1H, dd,
J=8, 1 Hz);IR(KBr) 1686, 1281, 1103, 752, 731 cm
−1。 C16H13NO3S2としての元素分析値(%) 測定値:C,57.86, H,3.89, N,4.03 計算値:C,57.99, H,3.95, N,4.23
【0016】実施例2 実施例1において,2-スルフェナモイル安息香酸エチル
の代わりに2-スルフェナモイル安息香酸イソプロピルを
用いて,前記化合物(2)のベンゾイソチアゾリノンを
得た。 収率 52%;融点 163-164.5 ℃;1H-NMR(CDCl3)
1.41 (6H, d, J=6 Hz), 5.31 (1H, sep, J=6 Hz), 6.81
(1H, dd, J=8, 1 Hz), 7.23 (1H, td, J=7, 1Hz), 7.3
9-7.47 (2H, m), 7.57 (1H, d, J=8 Hz), 7.71 (1H, t
d, J=7, 1 Hz),8.07 (1H, dd, J=8, 1 Hz), 8.14 (1H,
d, J=7 Hz);IR(KBr) 1667, 1283, 1098, 737 cm−1。 C17H15NO3S2としての元素分析値(%) 測定値:C,59.27, H,4.33, N,3.90 計算値:C,59.11, H,4.38, N,4.05
の代わりに2-スルフェナモイル安息香酸イソプロピルを
用いて,前記化合物(2)のベンゾイソチアゾリノンを
得た。 収率 52%;融点 163-164.5 ℃;1H-NMR(CDCl3)
1.41 (6H, d, J=6 Hz), 5.31 (1H, sep, J=6 Hz), 6.81
(1H, dd, J=8, 1 Hz), 7.23 (1H, td, J=7, 1Hz), 7.3
9-7.47 (2H, m), 7.57 (1H, d, J=8 Hz), 7.71 (1H, t
d, J=7, 1 Hz),8.07 (1H, dd, J=8, 1 Hz), 8.14 (1H,
d, J=7 Hz);IR(KBr) 1667, 1283, 1098, 737 cm−1。 C17H15NO3S2としての元素分析値(%) 測定値:C,59.27, H,4.33, N,3.90 計算値:C,59.11, H,4.38, N,4.05
【0017】実施例3 実施例1において,2-スルフェナモイル安息香酸エチル
の代わりに2-スルフェナモイルピリジン-3-カルボン酸
エチルを用いて,トルエン(10ml)中100℃で1
0時間攪拌することにより,前記化合物(3)のベンゾ
イソチアゾリノンを得た。 収率 40%;融点 169-171 ℃;1H-NMR(CDCl3) 1.
45 (3H, t, J=7 Hz),4.47 (2H, q, J=7 Hz), 7.13 (1H,
dd, J=8, 5 Hz), 7.41 (1H, td, J=7, 1 Hz), 7.53 (1
H, dd, J=7, 1 Hz), 7.68 (1H, td, J=7, 1 Hz), 8.12
(1H, dt, J=9,1 Hz), 8.26 (1H, dd, J=8, 2 Hz), 8.43
(dd, 1H, J=5, 2 Hz);IR(KBr) 1696, 1680, 1298, 11
54, 1113, 1071, 737 cm−1。 C15H12N2O3S2としての元素分析値(%) 測定値:C,54.25, H,3.65, N,8.30 計算値:C,54.20, H,3.64, N,8.43
の代わりに2-スルフェナモイルピリジン-3-カルボン酸
エチルを用いて,トルエン(10ml)中100℃で1
0時間攪拌することにより,前記化合物(3)のベンゾ
イソチアゾリノンを得た。 収率 40%;融点 169-171 ℃;1H-NMR(CDCl3) 1.
45 (3H, t, J=7 Hz),4.47 (2H, q, J=7 Hz), 7.13 (1H,
dd, J=8, 5 Hz), 7.41 (1H, td, J=7, 1 Hz), 7.53 (1
H, dd, J=7, 1 Hz), 7.68 (1H, td, J=7, 1 Hz), 8.12
(1H, dt, J=9,1 Hz), 8.26 (1H, dd, J=8, 2 Hz), 8.43
(dd, 1H, J=5, 2 Hz);IR(KBr) 1696, 1680, 1298, 11
54, 1113, 1071, 737 cm−1。 C15H12N2O3S2としての元素分析値(%) 測定値:C,54.25, H,3.65, N,8.30 計算値:C,54.20, H,3.64, N,8.43
【0018】
【発明の効果】本発明における2位に置換基を有しない
1,2-ベンゾイソチアゾリン-3-オン化合物誘導体とスル
フェンアミド化合物の反応により,2-アリールスルフェ
ニル-1,2-ベンゾイソチアゾリン-3-オン化合物誘導体を
収率よく製造することができる。しかも,有毒なガスを
用いることなく安全に製造できるので,工業的な2-アリ
ールスルフェニル-1,2-ベンゾイソチアゾリン-3-オン化
合物誘導体の合成法として最適である。
1,2-ベンゾイソチアゾリン-3-オン化合物誘導体とスル
フェンアミド化合物の反応により,2-アリールスルフェ
ニル-1,2-ベンゾイソチアゾリン-3-オン化合物誘導体を
収率よく製造することができる。しかも,有毒なガスを
用いることなく安全に製造できるので,工業的な2-アリ
ールスルフェニル-1,2-ベンゾイソチアゾリン-3-オン化
合物誘導体の合成法として最適である。
フロントページの続き (72)発明者 蒲 康夫 茨城県つくば市東1ー1 物質工学工業技 術研究所内 (72)発明者 芝上 基成 茨城県つくば市東1ー1 物質工学工業技 術研究所内 (72)発明者 高木 俊之 茨城県つくば市東1ー1 物質工学工業技 術研究所内 Fターム(参考) 4C033 AA01 AA06 AA17 AA18 4C063 AA01 BB08 CC61 DD12 EE01 4C086 AA03 AA04 BC80 GA08 GA10 NA14 ZB35
Claims (2)
- 【請求項1】下記一般式(イ) 【化1】 (式中,R1〜R4は水素または置換基を示し,Arは
芳香族置換基を示す)で表される2-アリールスルフェニ
ル-1,2-ベンゾイソチアゾリン-3-オン化合物。 - 【請求項2】下記一般式(イ) 【化2】 (式中,R1〜R4は水素または置換基を示し,Arは
芳香族置換基を示す)で表される2-アリールスルフェニ
ル-1,2-ベンゾイソチアゾリン-3-オン化合物を製造する
方法において,下記一般式(ロ) 【化3】 (式中,R1〜R4は水素または置換基を示す)で表さ
れる1,2-ベンゾイソチアゾリン-3-オン化合物と,下記
一般式(ハ) 【化4】 (式中,Arは芳香族置換基を示す)で表されるスルフ
ェンアミド化合物を反応させることを特徴とする2-アリ
ールスルフェニル-1,2-ベンゾイソチアゾリン-3-オン化
合物の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP19513699A JP3268448B2 (ja) | 1999-07-08 | 1999-07-08 | 新規な1,2−ベンゾイソチアゾリン−3−オン化合物誘導体およびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP19513699A JP3268448B2 (ja) | 1999-07-08 | 1999-07-08 | 新規な1,2−ベンゾイソチアゾリン−3−オン化合物誘導体およびその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001019684A true JP2001019684A (ja) | 2001-01-23 |
JP3268448B2 JP3268448B2 (ja) | 2002-03-25 |
Family
ID=16336069
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP19513699A Expired - Lifetime JP3268448B2 (ja) | 1999-07-08 | 1999-07-08 | 新規な1,2−ベンゾイソチアゾリン−3−オン化合物誘導体およびその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3268448B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP1435964A4 (en) * | 2001-10-16 | 2005-01-19 | Univ Kansas | NOVEL PROMEDICAMENTS OF COMPOUNDS CONTAINING N-H BINDERS AND METHODS OF PREPARATION THEREOF |
-
1999
- 1999-07-08 JP JP19513699A patent/JP3268448B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP1435964A4 (en) * | 2001-10-16 | 2005-01-19 | Univ Kansas | NOVEL PROMEDICAMENTS OF COMPOUNDS CONTAINING N-H BINDERS AND METHODS OF PREPARATION THEREOF |
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---|---|
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