JP2001018680A - 車両走行制御装置 - Google Patents

車両走行制御装置

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JP2001018680A
JP2001018680A JP11189617A JP18961799A JP2001018680A JP 2001018680 A JP2001018680 A JP 2001018680A JP 11189617 A JP11189617 A JP 11189617A JP 18961799 A JP18961799 A JP 18961799A JP 2001018680 A JP2001018680 A JP 2001018680A
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信之 古居
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彰 服部
Tsuneo Miyakoshi
恒雄 宮越
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 モード切替時における不適切な動作を防止す
る。 【解決手段】 車間制御ECU12は、レーザレーダ装
置10からの車間距離等の情報に基づき、スロットル開
度、シフトダウン、ブレーキ制御等を行うが、自動走行
モードにセットされた時に先行車と近づいていたときに
は、シフトダウン、ブレーキ制御、警報発生などを禁止
する。ドライバーの意志により先行車に近づいたと考え
られ、これらの自動制御は不要と考えられるからであ
る。これによって、ドライバーにとって違和感のない走
行制御が行える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、先行車との車間距
離を検出し、検出された車間距離を所定の目標車間距離
に保持するように自車の速度を制御する車間距離制御手
段を有する車両走行制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、走行制御装置の1つとして定
速走行装置が知られており、目標車速をセットすること
で、自動的に車速を目標車速に近づけるように加減速を
制御する。さらに、この定速走行装置に車間距離制御機
能を付加した走行制御装置も知られている。この走行制
御装置では、例えばレーザを前方の所定範囲に掃引する
レーザレーダによって、先行車との相対速度、車間距離
を検出する。そして、検出した相対距離に基づき、目標
車間距離を設定し、車間距離が目標車間距離に近づくよ
うに、加減速を制御する。
【0003】これによって、先行車が存在しなければ自
車速を目標車速に維持し、先行車がいた場合にはその先
行車との車間距離を自動的に適切なものに維持すること
ができ、ドライバーの負担を軽減することができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ここで、このような走
行制御装置による自動的な走行を行うか否かは、ドライ
バーによるセットスイッチの操作などによって行う。ま
た、ドライバーによるアクセル操作や、ブレーキ操作が
あった場合には、ドライバーの操作に基づく通常の走行
に戻る。すなわち、ドライバーの操作に基づき加減速を
制御する通常走行モードと、前記車間距離制御手段によ
る自動走行モードとが、ドライバーの操作に基づき切り
替えられる。なお、通常の場合、自動走行モードがセッ
トされている状況でアクセルが操作された場合には、ア
クセル操作の間通常走行モードに移り、アクセル操作が
なくなったときに自動走行モードに自動復帰する。一
方、自動走行モードにセットされている状況でブレーキ
が操作された場合には、通常走行モードに移り、ブレー
キ操作がなくなっても自動走行モードに自動復帰はしな
い。
【0005】しかしながら、モードの切り替わりに伴う
制御内容の変化が、ドライバーに違和感をもたらす場合
がある。例えば、先行車と接近するまで加速し、その速
度を目標車速として自動走行モードに移行した場合、あ
るいはブレーキを踏み込む用意をして加速した場合など
であっても、その移行直後に減速制御や警報発生がなさ
れる。ドライバーにとっては自己の意思である程度先行
車と接近したのであるから、このような減速制御や警報
発生には違和感がある。
【0006】また、自動走行モードにおいて、シフトダ
ウン制御中にアクセルペダルを踏むと、通常走行モード
に入り、直後にシフトダウン制御が解除されシフトアッ
プする。このように、アクセルの踏み込みによるエンジ
ンの負荷アップとシフトアップが同時に起こるとショッ
クが発生し、ドライブフィーリングが悪くなるという問
題点があった。
【0007】本発明は、上記課題に鑑みなされたもので
あり、モード切替時における不適切な動作を防止できる
車両走行制御装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、先行車との相
対関係を検出する検出手段と、検出された相対関係に基
づいて自車の速度を制御する制御手段と、を有する車両
走行制御装置において、ドライバーの操作に基づき加減
速を制御する通常走行モードと、前記制御手段により車
速を制御する自動走行モードと、を有し、前記通常走行
モードと自動走行モードとの間で、モードが切り替わっ
た直後は、新たなモードにおける車速制御装置動作条件
を変更する変更手段を有することを特徴とする。
【0009】走行モードの切り替え直後は、それぞれの
走行モードにおける走行タイプの相違から、移行がスム
ーズに行えず、ドライバーにとって違和感のある走行に
なりがちである。モード切替直後に、車速制御装置の動
作条件を変更することで、移行時における不適切な制御
を防止し、ドライバーにとって違和感のない走行を行う
ことができる。
【0010】また、前記変更手段は、通常走行モードか
ら前記装置による自動走行モードに切り替わった直後
に、先行車との相対関係に基づく車速制御内容が減速制
御であっても、少なくとも特定の減速機器については、
所定時間は作動させないことが好適である。モード切り
替わり直後の減速がなくなることで、違和感が低減でき
る。また、このような違和感のない走行は、後続車にと
っても好ましい走行となる。但し、アクセル操作に伴う
スロットルバルブの開閉制御は行われているため、ドラ
イバーがアクセルを離した際には、スロットルバルブの
閉方向への駆動による減速は行われる。しかしながら、
この減速はドライバーに違和感をもたらさない程度のも
のである。
【0011】また、前記変更手段は、前記所定時間以内
であっても、先行車との距離が所定以上近づいた場合に
は、前記特定の減速機器について作動させることが好適
である。例えば、スロットルバルブの閉方向への駆動に
よる減速のみでは車間距離の減少を防止できない場合
に、特定の減速機器を動作させること(例えば、スロッ
トル全閉、シフトダウン、ブレーキ制御等)で先行車と
の距離を維持することができる。
【0012】また、ドライバーがアクセルを踏んで加速
したことで、自動走行モードから通常走行モードに移行
したときに、所定時間はシフトアップしないように加減
速動作制御条件を変更することもできる。このように構
成することにより、アクセルの踏み込みによりエンジン
トルクが増加しそのときにシフトアップが重なると大き
なショックが発生する場合があるが、シフトアップを遅
らせることで、エンジントルクが安定してからシフトア
ップを行うことができる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態(以下
実施形態という)について、図面に基づいて説明する。
【0014】「全体構成」図1は、実施形態に係る車両
走行制御装置の全体構成を示すブロック図である。レー
ザレーダ装置10は、例えば車両のバンパに取り付けら
れており、車両前方に向けてレーザ光を照射し、先行車
からの反射光を受光する。
【0015】例えば、レーザダイオードをパルス駆動
し、ここからパルスレーザ光を出力する。そして、パル
スレーザ光を回転するポリゴンミラーにより車両前方の
所定範囲(左右方向)に繰り返し走査する。また、ポリ
ゴンミラーの各面の傾斜角度を異ならせることによっ
て、上下方向にもパルスレーザ光を走査する。
【0016】一方、先行車により反射されたパルスレー
ザ光は、フォトダイオードで受光されて、電気信号に変
換される。そして、パルスレーザ光が出力されてから反
射光が受光されるまでに時間を計測し、先行車との車間
距離を計測する。また、この車間距離の時間変化から相
対速度を計測する。なお、このレーザレーダ装置10で
は、自車線に対する先行車の位置関係等、先行車の情報
も検出する。
【0017】なお、レーザレーダ装置10の構成につい
ては、特開平11−42956号公報などにその例が示
されている。また、レーザレーダ装置10に代えて、ミ
リ波レーダなど他の形式のレーダを利用することもでき
る。また、相対速度を送受信波におけるドップラシフト
の検出により測定することもできる。
【0018】レーザレーダ装置10において測定された
車間距離、相対速度は、車間制御ECU12に供給され
る。車間制御ECU12は、レーザレーダ装置10から
供給される相対速度、車間距離などに従って、目標車間
距離を設定し、これと検出した現車間距離を比較して、
目標加減速、シフトダウン要求、ブレーキ要求などの指
示を生成する。なお、現車速など他のセンサにより検出
された車両情報についても考慮する。
【0019】車間制御ECU12からの目標加減速、シ
フトダウン要求、ブレーキ要求などの指示は、エンジン
ECU14に供給される。このエンジンECU14に
は、電子スロットル16、シフト制御部18、ブレーキ
アクチュエータ20などを制御するVSCECU22が
接続されており、エンジンECU14がこれらを制御す
る。電子スロットル16は、スロットル開度を電子的に
制御するものであり、これを制御することで、車両の加
減速を目標加減速に合致するように調整する。シフト制
御部18は、シフトダウン要求に応じてシフトダウンを
行う。さらに、VSCECU22は、ブレーキ要求に応
じて、ブレーキアクチュエータ20を制御し車両の減速
を行う。また、VSCECU22には、警報装置24も
接続されている。この警報装置24はスピーカからな
り、VSCECU22の制御により緊急時の警報を出力
する。なお、ディスプレイなどに表示を行ったり、音声
を出力することも好適である。
【0020】この例では、車速や自動走行(クルーズコ
ントロール)モードのセットなどの車両情報は、エンジ
ンECU14を介し、車間制御ECU12に供給され
る。そして、車間制御ECU12は、クルーズコントロ
ールモードにセットされた際に上述のような車間距離制
御を行い、セットされていない通常走行モードでは、車
間距離制御を行わない。クルーズコントロールモードへ
のセットは、セットスイッチのオンによって行われる。
また、クルーズコントロールモードにおいて、アクセル
操作が行われるとその操作が行われている間だけアクセ
ルの操作を優先して通常走行モードで走行し、アクセル
がはなされるとクルーズコントロールモードに復帰す
る。一方、クルーズコントロールモードにおいて、ブレ
ーキ操作が行われると、通常走行モードに戻り、次のセ
ット動作がなされるまでクルーズコントロールモードに
移行しない。
【0021】なお、エンジンECU14は、燃料噴射制
御なども行い、VSCECU22は車両の安定走行のた
めに他の制御も行うがここではこれらについては述べな
い。
【0022】「第1実施形態」第1実施形態は、車間制
御ECU12における、クルーズコントロールがセット
されたときの制御に関する。
【0023】まず、図2の制御について説明する。クル
ーズコントロールがセットされた場合(S11)には、
先行車に対し減速が必要かを判定する(S12)。この
判定でYESであれば、シフトダウンまたはブレーキ制
御または接近警報が必要かを判定する(S13)。この
判定でYESであれば、クルーズコントロールセットか
らTb秒以内かを判定する(S14)。そして、この判
定でYESであれば、シフトダウン(オーバードライブ
カットまたは3速へのシフトダウン)またはブレーキ制
御または接近警報についての要求信号を送信しない(S
15)。なお、S12またはS13において、NOであ
れば、元々減速の要求が発生しないため、この場合もS
15に移行する。また、S15において、スロットル閉
制御は禁止しておらず、スロットル閉による減速が行わ
れる場合がある。
【0024】一方、クルーズコントロールのセット後T
b秒が経過し、S14の判定でNOとなった場合には、
シフトダウンまたはブレーキ制御または接近警報をエン
ジンECU14に送信し(S16)、エンジンECU1
4が対応する制御(シフトダウンまたはブレーキ制御ま
たは接近警報)を実施する(S17)。なお、この例で
は、車間距離制御は、(i)スロットル閉、(ii)ス
ロットル閉+シフトダウン、(iii)スロットル閉+
シフトダウン+ブレーキ制御、(iv)スロットル閉+
シフトダウン+ブレーキ制御+接近警報の4つを有し、
車間距離などに応じてこの順で要求信号を発生する。な
お、本説明においては、簡単のため、順次追加される制
御について行われるように記載してある。また、ブレー
キ制御が行われるときに、これをドライバーに知らせる
ために警報を発生することも好適である。すなわち、ブ
レーキ制御が行われている場合には、その間警報を継続
して出力することが好適である。また、後述するよう
に、このブレーキ制御中の警報と、ブレーキ制御によっ
て車間を維持できないときにドライバーにブレーキ操作
を促す接近警報とは、緊急度が異なるため、別の警報、
特に別の音色にすることが好ましい。
【0025】さらに、ブレーキ制御を含むクルーズコン
トロールのモード(自動走行モード)の開始時や、この
解除時にも警報を発生することが好ましい。これによっ
て、ドライバーに制御の状態を認識させることができ
る。
【0026】このようにして、クルーズコントロールの
セット直後においては、減速制御や警報制御を禁止す
る。クルーズコントロールのセットの際には、車速をセ
ットしたい車速にまで上昇させる場合が多く、セットの
際に先行車に近づいている場合が多い。ドライバーは自
己の意思で先行車に近いという状況を作り出したのであ
り、状況を十分把握している。そこで、セット直後に急
な減速や警報が発するのは好ましくない。本実施形態に
より、不要な減速や、警報の発生を防止することができ
る。また、加速していた前車が急に減速することがなく
なり、後続車にとっても好ましい走行になる。
【0027】次に、図3の制御について説明する。ま
ず、クルーズコントロールがセットされた(S21)場
合には、そのときの検出車間距離DをDbに設定する
(S22)。そして、図2の場合と同様に、減速が必要
か(S23)、シフトダウンまたはブレーキ制御または
接近警報が必要か(S24)、Tb秒以内かを判定する
(S25)。そして、すべてYESであった場合には、
現在の車間Dがβ×Db以下かを判定する(S26)。
ここで、βは0より大きく、1より小さい予め定めた値
(0<β<1)である。そして、この判定において、N
Oであった場合には、シフトダウンまたはブレーキ制御
または接近警報の要求信号は送信しない(S27)。こ
れによって、図2の場合と同様に、不要な減速または警
報を防止できる。なお、S23,24において、NOの
場合にも、S27に移行する。
【0028】一方、S26においてYESの場合には、
シフトダウンまたはブレーキ制御または接近警報の要求
信号を送信し(S28)、エンジンECU14がシフト
ダウンまたは及びブレーキ制御または接近警報の発生を
行う。なお、S25において、NOの場合には、セット
後所定時間を経過したため、S28に移行し、減速、接
近警報を行う。
【0029】このように、本実施形態では、S26にお
いて、車間距離Dのセット時の車間Dbに対する比率が
十分小さくなった際には、減速または警報の制御を行
う。これによって、セット後に先行車に接近しすぎた場
合に減速または警報の制御を行うことができる。
【0030】なお、S26においては、現在の車間Dが
β×Db以下という1段階の判定とした。しかし、この
判定を複数段階に分けることも好適である。例えば、β
0として0より大きく、βより小さい値(0<β0<β)
を設定しておき、車間Dがβ×Db以下であれば、シフ
トダウンまたはブレーキ制御を行い、車間Dがβ0以下
の時に警告を発生させることも好適である。
【0031】「第2実施形態」本実施形態は、クルーズ
コントロールのセット時において、アクセル操作がなさ
れた後、アクセルがはなされた時の車間制御ECU12
の制御に関する。
【0032】図4に示すように、まず先行車に対し減速
が必要か否かを判定する(S31)。この判定でYES
であれば、シフトダウンまたはブレーキ制御または接近
警報が必要かを判定する(S32)。この判定でYES
であれば、アクセルがはなされたか否かを判定する(S
33)。これはアクセル開度0度を検出する信号の変化
によって判定する。この判定でもYESであれば、クル
ーズコントロールセットからTb秒以内かを判定する
(S34)。そして、この判定でYESであれば、シフ
トダウンまたはブレーキ制御または接近警報についての
要求信号を送信しない(S35)。なお、S31または
S32において、NOであれば、元々減速の要求が発生
しないため、この場合もS35に移行する。
【0033】一方、S33において、アクセル開度0度
になった後でない場合、またはクルーズコントロールの
セット後Tb秒が経過し、S34の判定でNOとなった
場合には、シフトダウンまたはブレーキ制御または接近
警報をエンジンECU14に送信し(S36)、エンジ
ンECU14が対応する制御(シフトダウンまたはブレ
ーキ制御または接近警報)を実施する(S37)。
【0034】このようにして、アクセルがはなされた直
後においては、減速制御や警報制御を禁止する。クルー
ズコントロールをセットしているときに、アクセルを踏
んで先行車に接近した場合には、その接近はドライバー
の意志で行われており、一般的にはブレーキを踏むのを
身構えており、大きな減速を期待していない状況が多
い。そこで、アクセルをはなした直後に急な減速や警報
が発するのは好ましくない。本実施形態により、不要な
減速や、警報の発生を防止することができる。なお、S
33の判定は、アクセルをはなした直後にYESとな
り、その後アクセルが踏まれなければTb秒間はYES
となるようにしている。これは、アクセルが踏まれたと
きにオフになり、はなされた場合にオンとなり、かつS
34の判定でYESとなった時にオフとなるようなフラ
グを設けることなどによって容易に達成できる。
【0035】次に、図5の制御について説明する。ま
ず、図4の場合と同様に、減速が必要か(S41)、シ
フトダウンまたはブレーキ制御または接近警報が必要か
(S42)、アクセルがはなされたか否かを判定する
(S43)。そして、すべてYESであった場合には、
そのときの検出車間距離DをDbに設定する(S4
4)。また、クルーズコントロールセットからTb秒以
内かを判定し(S45)、YESであれば、現在の車間
Dがβ×Db(0<β<1)以下かを判定する(S4
6)。そして、この判定において、NOであった場合に
は、シフトダウンまたはブレーキ制御または接近警報の
要求信号は送信しない(S47)。これによって、図4
の場合と同様に、不要な減速または警報を防止できる。
なお、S41,42において、NOの場合にも、S47
に移行する。
【0036】一方、S46においてYESの場合には、
シフトダウンまたはブレーキ制御または接近警報の要求
信号を送信し(S48)、エンジンECU14がシフト
ダウンまたは及びブレーキ制御または接近警報の発生を
行う(S49)。なお、S43またはS45において、
NOの場合には、S48に移行し、減速警報制御を行
う。
【0037】このように、本実施形態では、図3の例と
同様に、アクセル操作後の走行において、車間距離Dの
セット時の車間Dbに対する比率が十分小さくなった際
には、減速または警報の制御を行う。これによって、セ
ット後に先行車に接近しすぎた場合に減速、警報などを
行うことができる。
【0038】なお、S46における判定を図3の例と同
様に複数段階に分けることも好適である。
【0039】「第3実施形態」本実施形態では、クルー
ズコントロールのセット時におけるシフトダウン制御中
に、アクセルが踏まれた時の車間制御ECU12の制御
に関する。
【0040】図6に示すように、まずクルーズコントロ
ールのセット時におけるシフトダウン制御中か否かを判
定する(S51)。この判定でYESであれば、次にス
ロットル開度(またはアクセルペダル開度)が予め定め
られた角度θ1より大きいかを判定する(S52)。こ
の判定で、YESであれば、タイマをカウントアップし
(S53)、タイマが所定時間T1(例えば、数秒)を
越えたかを判定する(S54)。
【0041】そして、このS54の判定でYESであれ
ば、シフトダウン制御を解除する(S55)が、S54
の判定でNOであれば、シフトダウン制御を解除しな
い。また、S51またはS52の判定において、NOの
場合にはタイマをリセットし(S56)、処理を終了す
る。さらに、S54においてNOの場合には、そのまま
処理を終了する。
【0042】なお、上述のS52におけるスロットル開
度についてしきい値θ1は、普通のシフト制御とは独立
したユーザの加速意志を判断するためのしきい値として
設定する。また、θ1を複数用意しておき、その複数の
θ1に応じて、T1を変更し、シフトダウン制御継続の
時間をスロットル開度に適合させることで、よりドライ
バーのフィーリングにあった制御を行うことができる。
なお、この場合には、θ1に対応してT1を変更できる
ようにマップを作成しておくとよい。
【0043】このように、シフトダウン制御中におい
て、アクセルが踏み込まれた場合には、シフトダウン制
御を所定時間継続する。これによって、アクセルが踏み
込まれた直後におけるシフトアップを防止できる。シフ
トアップが起こるとこの変速によるショックと、アクセ
ル踏み込みによるエンジントルクの小→大への急変の2
つが重なり、大きなショックが発生する可能性がある。
本実施形態により、このようなショックの発生を防止で
きる。
【0044】また、上述の例では、車間制御ECU12
においてシフトダウン要求を所定時間継続した。しか
し、シフト制御部18において、上述のロジックを採用
することもできる。すなわち、車間制御ECU12は、
スロットル開度についての情報は考慮せずに、シフトダ
ウン要求を出力する。一方、シフト制御部18がスロッ
トル開度についての情報を受け取り、スロットル開度が
所定値以上の場合にはシフトダウン制御を継続する。そ
して、所定時間経過後にシフトダウン制御を解除する。
このようなシステムによれば、車間制御ECU12がシ
フトダウン要求を保持したまま、故障した場合において
も、アクセル操作に応じてシフトダウン制御を解除する
ことができ、フェールセーフにもなる。
【0045】「第4実施形態」本実施形態では、先行車
との相対関係に基づく車速制御内容が減速制御であって
も、車間距離が所定以上であった場合には、特定の減速
手段については作動させないことを特徴とする。ここで
は、特に、先行車が遠方に存在する場合の処理に関す
る。図7に示すように、まず先行車に対して減速が必要
かを判定する(S61)。この判定でYESの場合、ス
ロットル全閉またはシフトダウンまたはブレーキによる
減速制御かを判定する(S62)。この判定においても
YESの場合には、検出した車間距離Dが予め設定され
たしきい値D0以下か否かを判定する(S63)。そし
て、この判定において、NOであれば、スロットル全閉
またはシフトダウンまたはブレーキによる減速制御の要
求をエンジンECU14へ送信しない(S64)。な
お、S61またはS62においてNOの場合も、S64
に進む。
【0046】一方、S63において、YESの場合に
は、スロットル全閉またはシフトダウンまたはブレーキ
による減速制御の要求をエンジンECU14へ送信し
(S65)、エンジンECU14がこれらの制御を行う
(S66)。
【0047】このように、本実施形態においては、車間
制御ECU12において、スロットル全閉やシフトダウ
ン要求を発する場合を、車間距離が所定値D0以下の場
合に限定する。
【0048】車間制御ECU12において、スロットル
全閉またはシフトダウンまたはブレーキによる減速制御
を開始する条件は、相対速度と自車速、車間距離等に基
づいてマップを検索することによって得られた、目標加
減速度が所定値となったときに開始する。この制御は、
自動制御であり、早めに減速を行うように設定してあ
る。例えば、60m以上等の遠方であっても、目標減速
度が大きくなれば、スロットル全閉やシフトダウン制御
が開始される。しかし、一般のドライバーが、通常の運
転において先行車を発見してアクセルペダルから足をは
なすタイミングや、ブレーキをはなすタイミングは、も
う少し先行車が近づいてからである。このため、先行車
が遠いのに、スロットルを全閉したり、シフトダウンや
ブレーキによる減速を実施すると、ドライバーにとって
違和感が大きくなる。そこで、スロットル全閉またはシ
フトダウンまたはブレーキによる減速を車間距離が所定
距離D0以下に限定することで、ドライバーのフィーリ
ングに合った制御が行える。なお、距離D0は、ドライ
バーがアクセルペダルから足をはなすタイミング、また
はブレーキを踏むタイミングから設定するとよい。ま
た、この距離を自車速等の走行条件に応じて変更できる
ようにしてもよい。また、スロットル全閉やシフトダウ
ンやブレーキによる減速制御の開始条件自体に車間距離
によるフィルタを織り込むこともできるが、上述の車間
距離、相対速度等に基づく、マップはそのままにしてお
き、本実施形態のような判断を追加することが効果的で
ある。
【0049】ここで、先行車が自車線内にいるかどうか
は、ステアリングセンサなどから現在走行しているカー
ブの曲率半径Rを推定して行っている。しかし、この方
式では、原理上、カーブの入口/出口では先行車を見失
ったり、隣車線の車両を誤認識したりしやすい。このよ
うな見失いや誤検知は、車間距離が、例えば60〜80
m以上等、遠方の場合に起こりやすい。本実施形態のよ
うに、車間距離による減速制御の禁止を行うことで、先
行車の誤検知による不要な減速を防止することができ
る。
【0050】「第5実施形態」本実施形態では、自車が
走行している道路が平坦路でない場合に、車速制御手段
による車速の制御を変更する。ここでは、降坂路を走行
中か否かにより制御を変更する場合について説明する。
図8に示すように、まず自車が走行している道路が降坂
路か否かを判定する(S71)。この判定は、(i)ス
ロットル全閉と判定して車速の増し分の積算値が一定以
上になった、(ii)車両の加速度が正であることを、
一定時間以上計測した、(iii)地図データとして勾
配データをもっておき、現在地における勾配データを読
み出して判定する、(iv)路車間通信などで、路側か
ら勾配データを受け取る、(v)勾配検出センサを車載
し、その検出値から判定する、等の方法が利用できる。
【0051】この判定においては、YESであれば、目
標車間時間(または車間距離)を現在の設定車間時間
(または車間距離)+α1に設定する(S72)。すな
わち、降坂路と判定されたときには、目標とする車間時
間(または車間距離)を予め定めた量(α)だけ、大き
く変更する。
【0052】また、シフトダウン開始タイミングを早く
する(S73)。例えば、後述するS74におけるシフ
トダウン要求開始を、(現在減速度)−(目標減速度)
の絶対値が所定のしきい値より大きくなった時に発する
場合、そのしきい値を小さな値に変更する。また、アク
セル全閉のタイミングで必ずシフトダウンを行うように
することもできる。
【0053】次に、シフトダウンが必要かを判定する
(S74)。この判定は、上述のように、目標減速度と
現在減速度の差に基づいて判定することができる。この
判定で、YESの場合には、シフトダウンの要求をエン
ジンECU14に送信する(S75)。
【0054】このように、本実施形態では、降坂路にお
いて、目標車間距離を遠目に設定できるともに、シフト
ダウンを早めに行える。そこで、十分な減速度を得て、
先行車に接近しすぎることを有効に防止できる。
【0055】また、S71において降坂路を判定し、S
72においてα1として負の値を設定し、かつS73に
おいてシフトダウンのタイミングを遅くなるように設定
すれば、登坂路にも適用できる。さらに、S74におけ
るシフトダウンが必要か否かの判定は、目標車速と現車
速の差に基づいて行うこともできる。
【0056】即ち、登坂路、降坂路、平坦路において、
減速開始のタイミングや目標車間距離を変更することに
よって、各々の場合に最適な車間距離を保つことができ
る。
【0057】「第6実施形態」本実施形態では、車両走
行制御手段によって、ブレーキ制御による減速が行われ
ている間、警報1が発せられ、更に、ドライバーがブレ
ーキを踏む必要が生じた時は、警報1とは異なる接近警
報が発生する。図9に示すように、まず先行車との車間
距離、相対速度等から警報2(接近警報)の発生が必要
か否かを判定する(S81)。この判定は、車間距離制
御によるブレーキ操作では十分でなく、ドライバーによ
るブレーキ操作が必要か否かという判定である。そし
て、この判定でYESであれば、警報2を発生する(S
82)。この警報2(接近警報)は、ドライバーに緊急
のブレーキ操作を求める警報であり、強い音色の警報や
ブレーキ操作を求める音声等、緊急度の高い警報が好適
である。
【0058】S81の判定においてNOであれば、先行
車との車間距離、相対速度から接近警報1の発生が必要
か否かを判定する(S83)。これは車間距離制御によ
りブレーキによる減速制御を行うか否かの判定であり、
警報2(接近警報)の判定に比べ緩やかな条件での判定
である。この判定でNOであれば、警報についての処理
は不要でありS81に戻る。S83の判定でYESであ
れば、ブレーキ制御が開始されているかを判定する(S
84)。これは、車間制御ECU12からエンジンEC
U14に対し、ブレーキ要求が送信されたかを確認する
ことによって行う。この確認がとれていない間はこの判
定を繰り返す。そして、ブレーキ要求の送信が確認され
た時には、警報装置24から警報1を出力する(S8
5)。この警報1は、ブレーキ制御が行われていること
をドライバーに知らせるための警報であり、比較的穏や
かな音色に設定されている。そして、S82またはS8
5の警報発生が行われた場合には、処理を終了する。
【0059】通常の制御においては、先行車との車間距
離が狭まると、そのブレーキ制御の間継続して警報1が
発生する。さらに、車間距離が狭まり、ブレーキ制御の
みでは減速が不十分となり、ドライバーによるブレーキ
操作が必要になった場合に、警報2(接近警報)が発生
する。但し、ドライバーの操作によって先行車と接近
し、アクセルを離した時点で減速制御では間に合わず、
ドライバーのブレーキ操作が即座に必要となる場合に
は、警報に2(接近警報)がすぐに発生することにな
る。
【0060】このように、本実施形態によれば、ブレー
キ作動時に、これを知らせる警報1を発する。車間制御
に基づくブレーキ制御は、その制動G(減速度)は、か
なり小さいものに限定している。従って、大きな減速度
が必要な場合には、これはドライバーが補うことを前提
としている。警報1によりドライバーにブレーキ操作が
必要になるかもしれないことの注意喚起が行え、ドライ
バーはその操作に備えることができる。また、この警報
1の発生は、実際にブレーキ制御が行われているときに
限定しているため、ドライバーにとって、違和感のない
警報となる。すなわち、ブレーキが作動していないとき
の先に警報が出力され、その後ブレーキが作動される
と、ドライバーに違和感がある。尚、警報1について
は、ブレーキ制御が行われてから一定時間は発生しない
ことも好適である。これによって、ブレーキ制御により
容易に車間が回復するような場合に、警報が発生しない
ようにできる。
【0061】また、車間制御によるブレーキ操作では減
速度が不足する緊急時には、音色の異なる警報2が出力
される。これによって、ドライバーにブレーキ操作や回
避操作などが必要なことを確実に知らせることができ
る。
【0062】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
通常走行モードと自動走行モードとの間で、モードが切
り替わった直後において、新たなモードにおける車速制
御装置動作条件を変更する。このため、モードの移行時
における不適切な制御を防止し、ドライバーにとって違
和感のない走行を行うことができる。また、警報発生の
タイミングについても適切なものにできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の走行制御装置の全体構成を示すブロ
ック図である。
【図2】 第1実施形態の動作例を示すフローチャート
である。
【図3】 第1実施形態の他の動作例を示すフローチャ
ートである。
【図4】 第2実施形態の動作例を示すフローチャート
である。
【図5】 第2実施形態の他の動作例を示すフローチャ
ートである。
【図6】 第3実施形態の動作例を示すフローチャート
である。
【図7】 第4実施形態の動作例を示すフローチャート
である。
【図8】 第5実施形態の動作例を示すフローチャート
である。
【図9】 第6実施形態の動作例を示すフローチャート
である。
【符号の説明】
10 レーザレーダ装置、12 車間制御ECU、14
エンジンECU、16 電子スロットル、18 シフ
ト制御部、20 ブレーキアクチュエータ、22 VS
CECU、24 警報装置。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F02D 29/00 F02D 29/00 H 29/02 301 29/02 301D (72)発明者 服部 彰 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 宮越 恒雄 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 川崎 智哉 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 Fターム(参考) 3D041 AA41 AA53 AA71 AA77 AA80 AB01 AC30 AD00 AD04 AD10 AD31 AD41 AD47 AD50 AD51 AE04 AE32 AE41 AF01 3D044 AA11 AA14 AA25 AA35 AA36 AA41 AA42 AB01 AC03 AC15 AC26 AC31 AC39 AC55 AC57 AC59 AD04 AD17 AD21 AE01 AE03 AE04 AE07 AE14 AE15 AE19 AE21 3D046 BB18 EE01 GG02 GG06 HH20 HH22 JJ00 KK11 3G093 AA01 BA02 BA03 BA23 BA24 CB12 CB13 DA06 DB05 DB11 DB15 DB16 DB23 EA09 EB03 EB04 FA01 FA04 FA10 FA11 FA12

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 先行車との相対関係を検出する検出手段
    と、検出された相対関係に基づいて自車の速度を制御す
    る制御手段と、を有する車両走行制御装置において、 ドライバーの操作に基づき加減速を制御する通常走行モ
    ードと、 前記制御手段により車速を制御する自動走行モードと、 を有し、 前記通常走行モードと自動走行モードとの間で、モード
    が切り替わった直後は、新たなモードにおける車速制御
    装置動作条件を変更する変更手段を有することを特徴と
    する車両走行制御装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の装置において、 前記変更手段は、通常走行モードから前記装置による自
    動走行モードに切り替わった直後に、先行車との相対関
    係に基づく車速制御内容が減速制御であっても、少なく
    とも特定の減速機器については、所定時間は作動させな
    いことを特徴とする車両走行制御装置。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載の装置において、 前記変更手段は、前記所定時間以内であっても、先行車
    との距離が所定以上近づいた場合には、前記特定の減速
    機器について作動させることを特徴とする車両走行制御
    装置。
  4. 【請求項4】 請求項1に記載の装置において、 ドライバーがアクセルを踏んで加速したことで、自動走
    行モードから通常走行モードに移行したときに、所定時
    間はシフトアップしないように車速制御装置動作条件を
    変更することを特徴とする車両走行制御装置。
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