JP2001017080A - 食用油脂の脱ガム方法 - Google Patents

食用油脂の脱ガム方法

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JP2001017080A
JP2001017080A JP19318499A JP19318499A JP2001017080A JP 2001017080 A JP2001017080 A JP 2001017080A JP 19318499 A JP19318499 A JP 19318499A JP 19318499 A JP19318499 A JP 19318499A JP 2001017080 A JP2001017080 A JP 2001017080A
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degumming
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fat
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Toshiyuki Inui
利之 乾
Takeshi Honma
武 本間
Tametomo Yamamoto
為朝 山本
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Nisshin Oil Mills Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 風味をその製品の特徴とし評価の指標とする
食用油脂について、その元来もっている、または、製造
工程において付与された風味を損なうことなく脱ガムを
行う方法を提供する。 【解決手段】 攪拌工程と、水和工程、乾燥工程、ろ過
工程いずれか1工程以上との組合わせからなる脱ガム方
法において、攪拌工程において膜を使用することを特徴
とする食用油脂の脱ガム方法に関し、好ましくは使用す
る膜の孔径が0.01μm〜100μm、かつ、厚さが
1mm〜30cmであり、好ましくは材質がセラミック
製であり、好ましくは食用油脂の含水量が0.05%〜
1%であり、好ましくは攪拌工程後の食用油脂液状部分
の含水量が0.1重量%以下であり、真空乾燥等の乾燥
工程を経る必要がない脱ガム方法に関する。また、好ま
しくは、食用油脂が胡麻油、オリーブ油、椿油、種水で
あって、風味改良を目的とする脱ガム方法に関する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、食用油脂の脱ガム
方法に関し、特に、膜を使用することで、元来もってい
る、または、生産工程中の処理により付与された風味等
を維持することができる脱ガム方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、食用油脂の脱ガム方法は、原料か
ら抽出または圧搾された原油を一定の温度に調整し、そ
の後、水を数〜十数重量%添加し、攪拌を行うことでリ
ン脂質と水和・析出させ、その析出したガム分を遠心分
離機等で分離することで、低リン脂質の油脂を得ること
ができるという方法である。ここで、水を添加する代わ
りに水蒸気を吹き込むこともでき、また、シュウ酸、ク
エン酸、リン酸等の有機酸の水溶液を用いると更に分離
が容易になることが知られている。しかし、通常、攪拌
機等による高速攪拌により水分とリン脂質を接触させる
ことで、水和・析出させているが、攪拌機等による高速
攪拌での水分とリン脂質の接触効率には限界があるた
め、油に加える水もしくは水溶液等の量はリン脂質に対
して過剰にならざるを得ない。この結果、遠心分離機等
によりリン脂質を含むガム分を分離除去した後で、真空
乾燥等により余剰水分を除去する必要性が生じる。ここ
で、この真空乾燥工程等を経ることは、その後、脱色、
脱臭工程を経る通常のサラダ油等であれば問題はない
が、元来もっている、もしくは生産工程中の処理により
付与された風味を製品の特徴とする食用油脂に関して
は、その製品の特徴であり評価の指標となる香気成分等
が飛散してしまい、製品の価値が大幅に失われることと
なる。これは水蒸気を使用した場合も、有機酸を含む水
溶液を使用した場合も同様である。有機酸を含む水溶液
を使用した場合は風味に与える悪影響はさらに大きくな
る。その他、リン脂質の低減方法としては、長期間の静
置とろ過を繰返すことによる低減方法があるが、これ
は、数週間の期間が必要であること、大幅かつ定常的な
リン脂質の低減が困難であるという問題がある。シリカ
と接触させてリン脂質除去する方法(特開平02−16
3196号)も存在するが、リン脂質除去量に限界があ
るため通常の脱ガム工程を経た後での使用を想定してお
り、また、限外ろ過膜を使用した油脂の脱ガム方法(特
願平02−155989号)があるが、処理量に限界が
あるという問題の他、当該方法ではリン脂質を得ること
を目的をしているため、油脂を溶剤で希釈しており、得
られる油脂の風味は考慮されていないという問題があ
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、特に、風味
をその製品の特徴とし評価の指標とする食用油脂につい
て、その元来もっている、または、製造工程において付
与された風味を損なうことなく、かつ、脱ガムに長期間
を要しない脱ガム方法を提供することを目的とする。
【0004】
【発明が解決するための手段】前記目的を達成するため
に、本発明者らは鋭意検討を重ねた結果、膜を使用する
ことにより、風味を損なうことなく、かつ、脱ガムに長
期間を要せず、食用油脂を脱ガムすることが可能である
ことを見出した。すなわち、この発明は、攪拌工程と、
水和工程、乾燥工程、ろ過工程いずれか1工程以上との
組合わせからなる脱ガム方法において、攪拌工程におい
て膜を使用することを特徴とする食用油脂の脱ガム方法
に関し、好ましくは使用する膜の孔径が0.01μm〜
100μm、かつ、厚さが1mm〜30cmであり、好
ましくは材質がセラミック製であり、好ましくは食用油
脂の含水量が0.05%〜1%であり、好ましくは攪拌
工程後の食用油脂の液状部分の含水量が0.1重量%以
下であり、真空乾燥等の乾燥工程を経る必要がない脱ガ
ム方法に関する。また、好ましくは、食用油脂が胡麻
油、オリーブ油、椿油、種水であって、風味改良を目的
とする脱ガム方法に関する。本発明の方法を提供するこ
とにより、上記問題点を解消せんとするものである。
【0005】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳しく説明する。
本発明は食用油脂の脱ガム方法に関し、風味をその製品
の特徴とし評価の指標となる食用油脂について、その元
来もっている、または、製造工程において付与された風
味を損なうことなく、かつ、脱ガムに長期間を要しない
脱ガム方法に関するものであり、膜を使用することを特
徴とするものである。すなわち、風味をその製品の特徴
とし評価の指標となる食用油脂に対し、添水をすること
無く、または、微量の添水を行い、食用油脂の含水量を
0.05重量%〜1重量%に調整した後、攪拌工程とし
ての膜に通油させることにより、リン脂質と水を効率的
に接触、水和させ、リン脂質を含んだガム分をフロック
として析出させることができる。 ここで、使用する膜
は、孔径が0.01μm〜100μm、好ましくは0.
01μm〜50μmであり、かつ、厚さが1mm〜30
cm、好ましくは1mm〜20cmである。また、特
に、セラミック製の膜を使用することにより、セラミッ
ク製の膜に含まれるシリカがリン脂質を吸着し、より、
食用油脂のリン脂質除去効果は高いものとなる。食用油
脂の膜を通油させる条件としては、食用油脂の品温が5
℃〜120℃で好適に行うことができる。この品温は孔
径、粘度、処理速度に応じて条件を調整できる。また、
攪拌工程として膜への通油は、食用油脂の粗ろ過、中間
ろ過、仕上げろ過の工程を兼ねることができる。析出し
たガム分のフロックを、遠心分離やろ過により分離する
ことで、短時間で脱ガムがなされ、リン脂質は大幅に、
かつ、通常の脱ガム工程と同様に低減される。また、上
記の様に添水が不要、または、添水量が微量であるた
め、風味に悪影響を与える真空乾燥等の工程は不要であ
る。特に、攪拌工程後の食用油脂の液状部分の含水量が
0.1重量%以下である場合が好ましい。上記の脱ガム
方法により、脱ガム前の風味を維持するとができるた
め、特に胡麻油、オリーブ油、椿油、種水等の風味が重
要である食用油脂には好適な脱ガム方法である。
【0006】脱ガムとは、原油中に含まれるリン脂質、
樹脂性物質等のガム分、炭水化物、蛋白質等の不純物を
除去する工程をいう。脱ガム工程の概要は、水や水蒸気
等を加える工程、上記不純物の水和性化を促すための攪
拌工程、水和性になり析出したガム分を遠心分離機等で
分離する分離工程、油中の余剰水分を除去する乾燥工程
等がある。その後、仕上げのためのろ過工程を経る場合
もある。
【0007】食用油脂とは、植物体、植物種子、植物果
実などを圧搾および/または抽出してなる油脂であり、
本発明において処理される食用油脂とは、一般的な精製
処理をされていないものをいい、具体的には圧搾や抽出
された原油、この原油を粗ろ過したもの、静置とろ過を
繰返し不純物を除去した物等を含む、未脱ガム油もしく
は軽脱ガム油等をいう。食用油脂の種類としては、大豆
油、菜種油、高オレイン酸菜種油、コーン油、胡麻油、
オリーブ油、綿実油、紅花油、高オレイン酸紅花油、ヒ
マワリ油、高オレイン酸ヒマワリ油、パーム油、パーム
オレイン油、パーム核油、ヤシ油、カカオ油、米糠油、
落花生油、シソ油、エゴマ油、亜麻仁油、ブドウ種子
油、マカデミアナッツ油、ヘーゼルナッツ油、カボチャ
種子油、クルミ油、椿油、茶実油、ボラージ油、小麦胚
芽油、藻類油、牛脂、豚脂、鶏油、魚油、乳脂、卵油、
アザラシ油、品種改良によって低飽和化されたこれらの
油脂などが使用できる。本発明では、これらのうちから
選ばれる1種もしくは2種以上からなるものが好まし
く、特に胡麻油、オリーブ油、椿油、ナタネ種子を焙煎
して得られる種水から選ばれる1種または2種以上から
なるものが好ましい。
【0008】食用油脂に含まれる水分量は0.05重量
%〜1%が好ましく、さらには0.06〜0.5重量%
が好ましい。この範囲より少ないとリン脂質が除去しき
れずに油中に残存する場合がある。また、この範囲より
多いと余剰水分を除去するために真空乾燥を行う必要が
生じ、例え軽度であっても、真空乾燥等を経ると余剰水
分とともに香気成分等が飛散し、風味が劣化するため好
ましくない。食用油脂中の含水量は生産工程中、例えば
搾油工程での調整、および、脱ガム工程前での微量な添
水により調整することができる。上記含水量の範囲に調
整するために必要な量の水分を添水することができ、こ
の時の食用油脂の品温は5℃〜120℃で行うことがで
き、好ましくは20℃〜100℃、さらに好ましくは4
0℃〜100℃で添水し、攪拌することで、含水量を調
整することができる。
【0009】本発明で使用される膜は、脱ガム工程の中
の攪拌工程で、攪拌機等が果たす役割を果たす。即ち、
攪拌工程で膜が使用されることに、本発明の特徴があ
る。つまり、一定量の水分を含有する食用油脂を、微細
な孔径を有する膜に通油させることで、この微細な孔
を、好ましくは、入り組んだ形状の孔を通ることによ
り、その過程において、食用油は微細に攪拌され、水分
と接触することにより、脱ガム工程における攪拌工程と
同様の働きをしめす。しかも、膜のいたるところで、こ
の微細な攪拌が行われているので、非常に精密で、か
つ、接触効率の高い攪拌であると言える。
【0010】本発明で使用する膜とは、綿布、麻布、ろ
紙等の繊維、羊毛布、絹布、フェルト等の動物繊維、ナ
イロン、サラン、クレハロン、ビニロン布等の合成繊維
による各種ろ紙、ビニルスポンジ、ゴム、焼結金属、素
焼き、セラミック、多孔磁器等の多孔物質、グラスウー
ル、グラスファイト等を材料とした、平膜、板状膜、中
空膜等をいう。
【0011】本発明で使用する膜の孔径は、孔径が0.
01μm〜100μm、好ましくは0.01μm〜50
μmであり、かつ、厚さが1mm〜30cm、好ましく
は1mm〜20cmである。使用する膜の孔径、厚さが
この条件の範囲内である場合、膜の各孔でそれぞれ微細
な攪拌がなされているのと同様の効果が得られ、通常の
脱ガムの様に攪拌機等で攪拌に比べて接触効率に優れて
いるため、ごく微量の水分であっても十分な攪拌効果が
得られる。孔径が0.01μm以下である場合、通油
量、つまり処理量が極端に少なくなるため、また、10
0μm以上である場合、リン脂質等と水分の十分な接触
が得られないため、好ましいとはいえない。また、厚さ
が1mm以下である場合、通油時間が短く十分な水分と
リン脂質の接触がなされず、30cm以上では処理量の
問題や、詰まり易くなる等のデメリットが生じるため、
好ましいとはいえない。
【0012】膜への通油方法としては、重力による自然
落下による方法、機械的な加圧による方法、真空または
減圧による吸引等の方法での通油が可能であるが、本発
明の脱ガム効果を得て、かつ、風味を重視する場合は加
圧により通油することが好ましい。また、膜に対して垂
直に通油させる方式でも、膜に対して並行に通油させる
クロスフロー方式でも本発明の効果は得られる。通油時
の条件は、油温は5℃〜120℃で好適に通油が可能で
ある。油温が5℃以下の場合は食用油の粘度が高すぎて
通油が難しく、油温が120℃以上の場合は含水量が減
少する場合があるので好ましくない。
【0013】また、この膜を使用した攪拌工程は、攪拌
と食用油脂のろ過工程を兼ねることができる。粗ろ過、
中間ろ過、仕上げろ過いずれのろ過工程でも可能である
が、膜の孔径が微細であることを考慮すれば、粗ろ過を
経た後の、中間ろ過工程等で行われることが好ましい。
【0014】膜を通油した後に生じるリン脂質等を含む
ガム分のフロックを、遠心分離、ろ過工程等で分離する
ことにより、短時間で脱ガムを終了させる事が可能であ
る。通常の脱ガム工程とほぼ同等の時間で脱ガムが可能
である。特に、風味を重視する食用油脂の場合、長期間
の静置やろ過を繰返すことによりリン脂質を含むガム分
を析出、除去させる方法も可能であるが、この場合、数
日〜数週間の期間を必要とする。本発明の脱ガム方法で
は、上記数日〜数週間のように長期間を必要とすること
なく数秒〜数分という短時間での脱ガムが可能であり、
かつ、風味の良い製品を得ることができる。
【0015】さらに、通常の脱ガム方法と異なり、水分
を添加すること無く、もしくは、微量の水分を添加する
ことで済むため、製品の風味に重要な香気成分等が分離
される油滓に移行することがない。特に、攪拌工程を経
て析出したフロック等を除去した食用油脂の液状部分の
含水量が0.1重量%以下、好ましくは0.08重量%
以下である場合、余剰な水分を除去する乾燥工程を経る
必要が無いため、真空、減圧、加熱等による香気成分の
飛散等がない。このため脱ガム前の良好な風味を維持す
ることができる。
【0016】ここで、脱ガム前の良好な風味を維持する
ことができることは、通常の脱ガム方法で処理された食
用油脂の風味が大幅に劣化することを鑑みれば、本発明
の脱ガム方法により、脱ガム油の風味が改良されたとい
うことができる。また、ガム分と同時に不純物も除去さ
れるため、雑味が除去され、その食用油脂の持つ風味の
特徴が引き出されるという好影響から、脱ガム前の食用
油脂に比べても風味が改良されていると言える。
【0017】本発明の脱ガム方法によれば、風味をその
製品の特徴とし評価の指標となる食用油脂に対し、元来
もっている、もしくは生産工程中の処理により付与され
た風味を損なうことなく、かつ、脱ガムに長期間を要す
ることなく食用油脂を脱ガムすることが可能である。
【0018】
【実施例】以下の実施例に代表的な例をあげ、より詳細
に本発明を説明するが、本発明は特にこの実施例に限定
されるものではない。下記に、風味評価方法、水分測定
方法、リン脂質測定方法について規定する。 <風味評価方法>風味評価を香りと味に分けて評価し
た。100mlのガラス製のサンプルビンに評価対象の
食用油脂を50ml入れ、フタを閉めた。フタ閉をめて
から1分後、下記の風味評価を行った。 1) 評価手順 (1)香り:フタを開けた直後、フタを開けてから
5分後の、香りの強さ、香りの質について、脱ガム前の
サンプルと比較した (2)味 :1mlを口に含んで、味全体に関し脱ガム
前のサンプルと比較した 2)評価結果:脱ガム処理前のサンプルと比較しその差
異についての総合的な評価を行った。 ◎:向上していると感じた ○:同等であると感じた △:多少劣化していると感じた ×:明らかに劣化していると感じた <水分測定方法>カールフィッシャー式水分測定器によ
って、食用油に含有される水分を測定した。 <リン脂質測定方法>ICP測定器(JOBIN YV
ON製)を用いて、食用油中に含有されるP(リン)の
含有量を測定し、その測定値に25.4を乗じた値を食
用油中に含有されるリン脂質した。 リン脂質含量(ppm)=P(リン)のICP測定値×
25.4
【0019】実施例1 焙煎された胡麻種子を圧搾して得られた原油を、ろ布を
用いて粗ろ過し、さらにろ過助剤を用いてろ過した後、
攪拌を行いながら油温が80℃になるまで加熱した。そ
の後、対油0.02重量%の微量の水を添加し、さらに
攪拌を3分間継続した。この胡麻油の水分とリン脂質の
測定を行った。測定結果は表1に示す。その後、油温を
50℃、圧力を1kg/cm2に調整し、孔径が0.1
μm、膜の各部分の厚さが1.3mm以上であるセラミ
ックフィルター(Φ3−37穴/モリノス型 日本ガイ
シ製)に、クロスフロー方式で通油した。上記膜を通過
した胡麻油を常温まで放置した後、ろ紙を用いて析出し
たガム分を除去した。この胡麻油の水分、リン脂質を測
定した。また、この胡麻油と本処理を行う前の胡麻油と
の風味を比較した。この測定結果、風味評価の結果を表
1に示す。
【0020】実施例2 焙煎された胡麻種子を圧搾して得られた原油を、ろ布を
用いて粗ろ過し、さらにろ過助剤を用いてろ過した後、
攪拌を行いながら油温が80℃になるまで加熱した。そ
の後、対油0.03重量%の微量の水を添加し、さらに
攪拌を3分間継続した。この胡麻油の水分とリン脂質の
測定を行った。測定結果は表1に示す。その後、油温を
50℃、圧力を1kg/cm2に調整し、孔径が1μ
m、膜の各部分の厚さが1.8mm以上であるセラミッ
クフィルター(Φ3−19穴/モリノス型 日本ガイシ
製)に、クロスフロー方式で通油した。上記膜を通過し
た胡麻油を常温まで放置した後、ろ紙を用いて析出した
ガム分を除去した。この胡麻油の水分、リン脂質を測定
した。また、この胡麻油と本処理を行う前の胡麻油との
風味を比較した。この測定結果、風味評価の結果を表1
に示す。
【0021】実施例3 焙煎された胡麻種子を加水処理し、油の水分が高くなる
ように調整された焙煎胡麻種子を圧搾して得られた原油
を、ろ布を用いて粗ろ過し、さらにろ過助剤を用いてろ
過した後、この胡麻油の水分とリン脂質の測定を行っ
た。測定結果は表1に示す。その後、油温を50℃、圧
力を1kg/cm2に調整し、孔径が0.1μm、膜の
各部分の厚さが1.3mm以上であるセラミックフィル
ター(Φ3−37穴/モリノス型 日本ガイシ製)に、
クロスフロー方式で通油した。上記膜を通過した胡麻油
を常温まで放置した後、ろ紙を用いて析出したガム分を
除去した。この胡麻油の水分、リン脂質を測定した。ま
た、この胡麻油と本処理を行う前の胡麻油との風味を比
較した。この測定結果、風味評価の結果を表1に示す。
【0022】比較例1 実施例1と同様に、焙煎された胡麻種子を圧搾して得ら
れた原油を、ろ布を用いて粗ろ過し、さらにろ過助剤を
用いてろ過した後、攪拌を行いながら油温が80℃にな
るまで加熱した。その後、対油0.02重量%の微量の
水を添加し、さらに攪拌を3分間継続した。この胡麻油
の水分とリン脂質の測定を行った。測定結果は表2に示
す。その後、油温を50℃、圧力を1kg/cm2に調
整し、孔径が200μm、厚さが6mmのろ布を通油さ
せた。上記膜を通過した胡麻油を常温まで放置した後、
ろ紙を用いて析出したガム分を除去した。この胡麻油の
水分、リン脂質を測定した。また、この胡麻油と本処理
を行っていない粗ろ過油との風味を比較した。この測定
結果、風味評価の結果を表2に示す。
【0023】比較例2 実施例1と同様に、焙煎された胡麻種子を圧搾して得ら
れた原油を、ろ布を用いて粗ろ過し、さらにろ過助剤を
用いてろ過した後、攪拌を行いながら油温が80℃にな
るまで加熱した。その後、対油0.02重量%の微量の
水を添加し、さらに攪拌を3分間継続した。この胡麻油
の水分とリン脂質の測定を行った。測定結果は表1に示
す。その後、油温を50℃、圧力を1kg/cm2に調
整し、孔径が5μm、厚さが0.6mmのろ紙に通油さ
せた。上記膜を通過した胡麻油を常温まで放置した後、
ろ紙を用いて析出したガム分を除去した。この胡麻油の
水分、リン脂質を測定した。また、この胡麻油と本処理
を行う前の胡麻油との風味を比較した。この測定結果、
風味評価の結果を表2に示す。
【0024】
【表1】
【0025】
【表2】
【0026】実施例4 オリーブの実を圧搾して得られた原油を、ろ布を用いて
粗ろ過し、さらにろ過助剤を用いてろ過した後、攪拌を
行いながら油温が65℃になるまで加熱した。その後、
対油0.02重量%の微量の水を添加し、さらに攪拌を
5分間継続した。このオリーブ油の水分とリン脂質の測
定を行った。測定結果は表1に示す。その後、油温を5
0℃、圧力を1kg/cm2に調整し、孔径が0.1μ
m、膜の各部分の厚さが1.3mm以上であるセラミッ
クフィルター(Φ3−37穴/モリノス型 日本ガイシ
製)に、クロスフロー方式で通油した。上記膜を通過し
た胡麻油を常温まで放置した後、ろ紙を用いて析出した
ガム分を除去した。このオリーブ油の水分、リン脂質を
測定した。また、このオリーブ油と本処理を行う前のオ
リーブ油との風味を比較した。この測定結果、風味評価
の結果を表3に示す。
【0027】
【表3】
【0028】実施例1〜4より、本発明の脱ガム方法に
よれば、微量な添水、もしくは、添水することなくリン
脂質の低減が可能であり、かつ、脱ガム後も風味が維持
され、もしくは不純物の除去効果による風味が向上され
ることがわかった。
【0029】
【発明の効果】本発明によれば、風味をその製品の特徴
とし評価の指標とする食用油脂について、その元来もっ
ている、または、製造工程において付与された風味を損
なうことなく脱ガムすることができる。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】攪拌工程と、水和工程、乾燥工程、ろ過工
    程いずれか1工程以上との組合わせからなる脱ガム方法
    において、攪拌工程において膜を使用することを特徴と
    する食用油脂の脱ガム方法。
  2. 【請求項2】使用する膜の孔径が0.01μm〜100
    μm、かつ、厚さが1mm〜30cmである請求項1に
    記載の脱ガム方法。
  3. 【請求項3】使用する膜の材質がセラミックである請求
    項1または2に記載の脱ガム方法。
  4. 【請求項4】含水量が0.05重量%〜1重量%に調整
    された食用油脂について行われる請求項1〜3のいずれ
    か1項に記載の脱ガム方法。
  5. 【請求項5】攪拌工程後の食用油脂の液状部分の含水量
    が0.1重量%以下である請求項1〜4のいずれか1項
    に記載の脱ガム方法。
  6. 【請求項6】食用油脂が胡麻油、オリーブ油、椿油、種
    水であって、風味改良を目的とする請求項1〜5のいず
    れか1項に記載の脱ガム方法。
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Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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