JP2001015336A - 非接触制御用電磁石 - Google Patents

非接触制御用電磁石

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JP2001015336A
JP2001015336A JP18142799A JP18142799A JP2001015336A JP 2001015336 A JP2001015336 A JP 2001015336A JP 18142799 A JP18142799 A JP 18142799A JP 18142799 A JP18142799 A JP 18142799A JP 2001015336 A JP2001015336 A JP 2001015336A
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electromagnet
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magnetic flux
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JP18142799A
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Tadahira Ishida
匡平 石田
Takuichi Nishimura
拓一 西村
Kazushige Ishino
和茂 石野
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JFE Engineering Corp
Original Assignee
NKK Corp
Nippon Kokan Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電磁石と制御対象との距離が大きくなっても
漏れ磁束が小さい非接触制御用電磁石を提供する。 【解決手段】 制御対象1と電磁石2の間隔(リフトオ
フ)をL[mm]、電磁石のコアの足部分の長さをF[mm]、
電磁石のコアの窓部の長さをW[mm]とする。また、空気
の透磁率をμ0、コアと制御対象の透磁率をμとする。
空気中を短絡して流れる漏れ磁束の磁気抵抗は、(W+2F)
/(μ*S)+W/(μ0*S)である。制御対象1まで到達した磁
束の磁気抵抗は、(W+2F)/(μ*S)+2L/(μ0*S)+W/(μ*S)
である。前者が後者より大きければ、大部分の磁束は実
線の経路を通って制御対象を通過するようになる。W*(1
0-1/μ)/S>2L/(μ0*S)が得られる。ここで、μ0
μであることを考慮すると、結局、W>2Lが得られ
る。よって、W>2Lとすれば、電磁石と制御対象との
距離が大きくなっても漏れ磁束を小さくすることができ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、たとえば製鉄設備
の鋼板圧延ライン、鋼板の表面処理ライン、鋼板の非接
触搬送装置や、機械振動体などにおいて、鋼板の振動、
位置、形状や機械的振動体等を非接触で制御するために
用いられる非接触制御用電磁石に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、電磁石を用いて強磁性体の制御対
象の振動、位置、形状等を非接触で制御する技術が開発
されてきた。これらの技術の例として、特開平2−62
355号公報や実開平5−72854号公報に開示され
た技術がある。これらの技術は、非接触センサで制御対
象(鋼板、機械振動体)の位置を検知し、制御対象から
所要の間隔をあけて制御対象の片側もしくは両側に配置
した電磁石によって、制御対象に対して吸引力を与え、
鋼板のC反り等の形状不良を矯正したり、鋼板を非接触
搬送したり、機械振動体の振動を抑制したりするもので
ある。
【0003】その例として薄鋼板の振動を制御する制御
装置の概要を図5に示す。薄鋼板11の振動は変位計1
2で検出される。変位計12としては、レーザーを利用
した光学式距離計、渦電流を利用した渦流式距離計等、
公知のものを適宜選択して利用できる。制御器13は、
変位計12の出力を設定値と比較し、その偏差にPID
演算等を行って電磁石15の電流値を決定し、駆動アン
プ14に指令値として与える。駆動アンプ14は、電磁
石15に流す電流が指令値になるように制御を行う。
【0004】従来、これらの制御のために用いられる電
磁石の設計は、求められる制御特性や装置の空間的制約
に応じて、経験的にコイルの巻数や全体の形状を決定す
ることにより行われてきた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】これらのコイルの設計
においては、制御対象と電磁石との接触による制御対象
や電磁石の破損を防ぐために、制御対象と電磁石との間
隔はできるだけ広くとることが望ましい。しかし、一般
的に電磁石の吸引力は距離の2乗に反比例して小さくな
るので、あまり間隔を広くとることができない。
【0006】従来、この間隔を広くとる場合は、コイル
の巻数を増やしたり、コイル電流を大きくすることで対
応した。しかしながら、コイルの巻数を増やすと電磁石
の周波数特性を悪化させる。また、コイル電流を大きく
すると、それだけ巨大な電源装置が必要となって費用が
増大する。そして、大きな磁束を発生させたとしても、
磁束が制御対象に到達することなく、空気中を短絡する
漏れ磁束となってエネルギーを無駄にしてしまう。よっ
て、コイルの形状を適切なものとすることにより、電磁
石と制御対象との距離が大きくなっても、できるだけ漏
れ磁束を小さくするようにすることが望まれていた。ま
た、電磁石と制御対象との距離が異なる場合でも、でき
るだけ1種類のコイルで対応することが望まれていた。
【0007】本発明はこのような事情に鑑みてなされた
もので、電磁石と制御対象との距離が大きくなっても漏
れ磁束が小さい非接触制御用電磁石を提供すると共に、
電磁石と制御対象との距離が異なる場合でも共用が可能
な非接触制御用電磁石を提供することを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
の第1の手段は、磁性体の被制御物体を、吸引力により
非接触で制御するために用いられる電磁石であって、コ
ア部の窓部の長さが、制御対象と当該電磁石の距離の2
倍を超える長さとされていることを特徴とする非接触制
御用電磁石(請求項1)である。
【0009】本手段の作用を図1を用いて説明する。図
1において1は制御対象、2は電磁石であり、制御対象
1と電磁石2の間隔(リフトオフ)をL[mm]、電磁石の
コアの足部分の長さをF[mm]、電磁石のコアの窓部の長
さをW[mm]とする。また、空気の透磁率をμ0、コアと
制御対象の透磁率をμとする。
【0010】空気中を短絡して流れる漏れ磁束の経路
は、図1の点線で表され、この場合の磁気抵抗(=磁路
の長さ/(透磁率×断面積))は、 (W+2F)/(μ*S)+W/(μ0*S) … である。
【0011】また、制御対象まで到達した磁束の経路は
図1の実線で表され、この場合の磁気抵抗は、 (W+2F)/(μ*S)+2L/(μ0*S)+W/(μ*S) … である。
【0012】実線の経路の磁気抵抗が破線の経路の磁気
抵抗に比して小さければ、すなわち、式の値<式の
値であれば、大部分の磁束は実線の経路を通って制御対
象を通過するようになる。これより、 W*(1/μ0-1/μ)/S>2L/(μ0*S) … が得られる。ここで、μ0≪μであることを考慮する
と、式の左辺の第2項は無視することができ、結局、 W>2L … が得られる。
【0013】本手段においては、式を満足するように
されているので、漏れ磁束に対して吸引力に寄与する磁
束の量が多くなる。よって、電磁石と制御対象との距離
が大きくなっても漏れ磁束が小さくなり、電磁石が発生
する磁束を有効に利用することができる。
【0014】前記課題を解決するための第2の手段は、
磁性体の被制御物体を、吸引力により非接触で制御する
ために用いられる電磁石であって、コアの窓部の長さが
可変とされていることを特徴とする非接触制御用電磁石
(請求項2)である。
【0015】特に、第1の手段のように、制御対象物と
電磁石の距離に応じてコアの窓部の長さを決定するよう
にすると、制御対象毎にコアの窓部の異なる磁石を用い
なければならなくなる場合がある。本手段においては、
コアの窓部の長さが可変とされているので、1種類の電
磁石で異なる制御対象に対応することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て、図を用いて説明する。図2は本発明の実施の形態で
ある非接触制御用電磁石の例を示すものであり、(a)は
E型コア、(b)はコの字型コアを有するものである。い
ずれの場合も、コアの窓部の長さWは、制御対象1と電
磁石2との間隔(リフトオフ)Lの2倍よりも大きくさ
れている。なお、E型コアの場合は、各窓部の長さがL
よりも大きくなっている必要がある。このような電磁石
2においては、前述のように、漏れ磁束よりも制御対象
1内を通過する磁束の方が大きくなるので、電磁石と制
御対象との距離が大きくなっても漏れ磁束の大きさを少
なくすることができる。
【0017】図3に、本発明の実施の形態である非接触
制御用電磁石の他の例を示す。これは、窓部の長さが可
変とされているもので、(a)は組み立てたもの、(b)はコ
アを構成する単位要素である鋼板を示す。図3におい
て、3は窓部長さ可変コア、4は単位要素鋼板、5は窓
部長さ調整用長穴である。
【0018】窓部長さ可変コア3は、(b)に示すような
単位要素鋼板4を、左右を逆にして交互に積層して構成
される。単位要素鋼板4の中間部には、窓部長さ調整用
長穴5が設けられており、積層が完了した時点で、この
長穴に少なくとも2本の固定用ボルトを通し、上下から
ナット等で締め付けることにより、窓部長さ可変コア3
の形状が決定される。固定用ボルトの直径は、窓部長さ
調整用長穴の短辺の長さにほぼ等しくされている。
【0019】図4は、図3に示した窓部長さ可変コア3
の窓部の長さが長くなるように組み立てを行った状態を
示す図である。このように、左右の単位要素鋼板4の相
対位置をずらすことにより、窓部の長さを可変とするこ
とができる。
【0020】
【実施例】図3、図4に示すような窓部長さ可変コアを
有する電磁石を用いて、薄鋼板の振動抑制制御を行っ
た。薄鋼板の振動振幅が20mmであったので、その平均位
置から電磁石までの距離を30mm(=L)とし、W=80mm
とした。コアはコの字型とし、各足に350回ずつコイル
を巻いた。この電磁石を用いて振動抑制制御を行ったと
ころ、振動振幅が最小で5mmまで減衰した。その後、窓
長さ可変部をスライドさせ、W=120mmとして振動抑制
制御を行ったところ、同等の減衰効果が確認できた。
【0021】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のうち請求
項1に係る発明においては、コア部の窓部の長さが、制
御対象と当該電磁石の距離の2倍を超える長さとされて
いるので、漏れ磁束に対して吸引力に寄与する磁束の量
が多くなり、電磁石が発生する磁束を有効に利用するこ
とができる。
【0022】請求項2に係る発明においては、コアの窓
部の長さが可変とされているので、1種類の電磁石で異
なる制御対象に対応することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】リフトオフLと窓部の長さWの適切な関係を説
明するための図である。
【図2】本発明の実施の形態である非接触制御用電磁石
の例を示す図である。
【図3】本発明の実施の形態である非接触制御用電磁石
の他の例を示す図である。
【図4】図3に示す電磁石の窓の幅を広げた状態を示す
図である。
【図5】従来の、薄鋼板の振動を制御する制御装置の概
要を示す図である。
【符号の説明】
1…制御対象 2…電磁石 3…窓部長さ可変コア 4…単位要素鋼板 5…窓部長さ調整用長穴

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 磁性体の被制御物体を、吸引力により非
    接触で制御するために用いられる電磁石であって、コア
    部の窓部の長さが、制御対象と当該電磁石の距離の2倍
    を超える長さとされていることを特徴とする非接触制御
    用電磁石。
  2. 【請求項2】 磁性体の被制御物体を、吸引力により非
    接触で制御するために用いられる電磁石であって、コア
    の窓部の長さが可変とされていることを特徴とする非接
    触制御用電磁石。
JP18142799A 1999-06-28 1999-06-28 非接触制御用電磁石 Pending JP2001015336A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017115213A (ja) * 2015-12-25 2017-06-29 Jfeスチール株式会社 金属帯の安定装置および溶融めっき金属帯の製造方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2017115213A (ja) * 2015-12-25 2017-06-29 Jfeスチール株式会社 金属帯の安定装置および溶融めっき金属帯の製造方法
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