JP2001013728A - カラートナー、該カラートナーを用いた画像形成方法及び装置ユニット - Google Patents

カラートナー、該カラートナーを用いた画像形成方法及び装置ユニット

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JP2001013728A JP18479499A JP18479499A JP2001013728A JP 2001013728 A JP2001013728 A JP 2001013728A JP 18479499 A JP18479499 A JP 18479499A JP 18479499 A JP18479499 A JP 18479499A JP 2001013728 A JP2001013728 A JP 2001013728A
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 オイルの使用無しに定着を行なうことのでき
る耐オフセット性に優れるカラートナーを提供する。 【解決手段】 結着樹脂が、結着樹脂中の該3価以上の
多価カルボン酸単量体ユニットの含有量をXa mol
%、該炭素数5〜30の飽和もしくは不飽和の脂肪族炭
化水素基を有する多価カルボン酸単量体ユニット及び/
又は多価アルコール単量体ユニットの含有量をYa m
ol%としたとき、下記条件 0.5<Xa<15
5<Ya<30 2≦Ya/Xa≦10を満足する非
線状ポリエステル樹脂A、及び、3価以上の多価カルボ
ン酸単量体ユニットを非線状ポリエステル樹脂Aよりも
少ない量で含有する非線状のポリエステル樹脂Bを少な
くとも有し、非線状ポリエステル樹脂Aと非線状ポリエ
ステル樹脂Bの混合重量比が、20/80〜80/2
0、且つ、該ワックスの示差走査熱量計(DSC)測定
による最大吸熱ピークが60〜135℃。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真法、静電
潜像を顕像化するための画像形成方法に使用されるカラ
ートナーまたはトナージェット法に使用されるカラート
ナー、該カラートナーを用いたカラー画像形成方法及び
画像形成装置本体に脱着可能に装着される装置ユニット
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、電子写真法としては米国特許第
2,297,691号明細書、特公昭42−23910
号公報及び特公昭43−24748号公報等に記載され
ているごとく多数の方法が知られているが、一般には光
導電性物質を利用し、種々の手段により感光体上に電気
的潜像を形成し、次いで、該潜像をトナーで現像を行っ
て、可視像とし、必要に応じて紙などの転写材料にトナ
ーを転写させた後、熱・圧力等により転写材上にトナー
画像を定着して複写物を得るものであり、そして転写せ
ず感光体上に残ったトナーは種々の方法でクリーニング
され、上述の工程が繰り返される。
【0003】近年このような複写装置は、より小型化,
より軽量化そしてより高速化,より高信頼性が厳しく追
及されてきている。また、単なる一般に言うオリジナル
原稿を複写するための事務処理用複写機ということだけ
でなく、コンピューターの出力としてのデジタルプリン
ターあるいはグラフィックデザイン等の高細密画像のコ
ピー用に使われはじめた。
【0004】また、パーソナル・ユーザーを対象とした
コンピュター機器の普及に伴い、映像による情報伝達機
構として、フルカラーによる映像コミュニケーションが
幅広く浸透しつつある。
【0005】この様な状況下で、出力機器の一つである
プリンターや複写機においてもフルカラー化が急速に進
んでおり、一般ユーザーにおいてもカラー画像がより身
近なものとなりつつある。
【0006】そのため、フルカラー画質としてより高精
細,高画質が求められており、その結果トナーに要求さ
れる性能もより高度になってきた。
【0007】ところで、デジタルフルカラープリンター
及び高細密画像のフルカラーコピーにおいてトナーに要
求される性能のうち最も重要なものに、定着性能があ
る。
【0008】定着工程に関しては、種々の方法や装置が
開発されているが、現在最も一般的な方法は熱ローラー
による圧着加熱方式である。
【0009】加熱ローラーによる圧着加熱方式は、トナ
ーに対し離型性を有する材料(シリコーンゴムやフッ素
樹脂)で表面を形成した熱ローラーの表面に被定着シー
トのトナー像面を加圧下で接触しながら通過せしめるこ
とにより定着を行なうものである。この方法は、熱ロー
ラーの表面と被定着シートのトナー像とが加圧下で接触
するため、トナー像を被定着シート上に融着する際の熱
効率が極めて良好であり、迅速に定着を行なうことがで
きる。しかしながら、上記方法では、熱ローラー表面と
トナー像とが溶融状態で加圧下で接触するためにトナー
像の一部が定着ローラー表面に付着、転移し、次の被定
着シートを汚すことがある(オフセット現象)。熱定着
ローラー表面に対してトナーが付着しないようにするこ
とは、熱ローラー定着方式の必須条件の一つとされてい
る。
【0010】フルカラー電子写真装置の場合では、色材
の3原色であるイエロー、マゼンタ、シアンの3色のト
ナー又はそれに黒色トナーを加えた4色のトナーを用い
て色再現を行なうものが一般的であり、多色画像を紙或
いはオバーヘッドプロジェクターシート(OHT)等の
被定着シート上に定着し、色再現・ OHT画像の透過
性を満足しなくてはならない。このため被定着シート上
のトナー層を十分に溶融し、画像表面を平滑にすること
が要求される。画像の平滑性とオフセット防止を両立す
る目的で、定着ロールにシリコーンオイル等のオイルを
供給しローラ上に均一に被覆する手段が必須であり、こ
れらが小型で安価なシステムを設計する上での阻害因子
となっている。
【0011】トナー自身に良好な定着性と耐オフセット
性を持たせる方法として、特開昭52−3304号公
報,特開昭52−3305号公報,特開昭57−525
74号公報,特開昭61−138259号公報,特開昭
56−87051号公報,特開昭63−188158号
公報,特開昭63−113558号公報及び特開平8−
030036号公報等にトナー中にワックス類を含有さ
せる技術が開示されている。
【0012】ワックス類は、トナーの耐オフセット性の
向上や、低温時の定着性の向上のために用いられてお
り、オイルレス定着を実現した電子写真装置として複写
機、プリンター等が数多く市販されている。しかしなが
ら、ピクトリアルなフルカラー画像を求められる高画質
フルカラー電子写真装置としては、画像に適度な光沢を
持たせ、オバーヘッドプロジェクターシート(OHT)
上での色再現・透過性を満足させる点で不十分である。
【0013】また、これらワックス類は、耐ブロッキン
グ性を悪化させたり、複写機等の昇温などによって熱に
さらされると現像性が悪化したり、また長期放置時にワ
ックスがブルーミングして現像性が悪化したりする。更
に、これらのワックス類はトナー中に均一に分散されに
くく、遊離あるいは偏在したワックスが現像性,耐久性
等に悪影響を与えやすく、影響を与えない添加量では十
分な離型性が得られず、定着装置側でのオイル等の離型
剤の使用が不可欠となる。
【0014】また、トナーバインダーとしても良好な定
着性と耐オフセット性を持たせる方法として、特開昭4
7−12334号公報,特開昭57−37353号公報
及び特開昭57−208559号公報においては、エー
テル化ビスフェノール単量体と、ジカルボン酸単量体
と、3価以上の多価アルコール単量体及び/又は3価以
上の多価カルボン酸単量体とを含む単量体成分とより得
られる非線状共重合体よりなるポリエステルをバインダ
ーとして含有するトナーが提案されている。この技術
は、エーテル化ビスフェノール単量体とジカルボン酸単
量体とよりなるポリエステルを、3価以上の多価アルコ
ール単量体及び/又は3価以上の多価カルボン酸単量体
を含む多量の単量体成分により架橋することによって得
られるポリエステルをバインダーとして含有させること
により、トナーにオフセット防止性能を有せしめたもの
である。しかしながら、これらのトナーをフルカラー画
像形成に用いた場合は、耐高温オフセット性に対しては
実用化しうるレベルではあるが、その軟化点が高く、良
好な低温定着が困難であり、シャープメルト性に難があ
るため、該ポリエステルを用いたフルカラートナーの重
ね合わせによる混色性や色再現性は充分でない。
【0015】特開昭57−109825号公報,特開昭
62−78568号公報,特開昭62−78569号公
報,特公昭63−57785号公報及び特開昭59−2
9256号公報においては、エーテル化ビスフェノール
単量体と、長鎖脂肪族炭化水素を導入したジカルボン酸
単量体やその他のジカルボン酸単量体と、3価以上の多
価アルコール単量体及び/又は3価以上の多価カルボン
酸単量体を含む単量体成分とより得られる非線状共重合
体であって、その側鎖に炭素数3〜22の飽和もしくは
不飽和の脂肪族炭化水素基を有するポリエステルをバイ
ンダーとして含有するトナーを開示されているが、これ
らのポリエステル樹脂は高速定着用トナーを主な目的と
しており、樹脂の粘弾性特性としては、前述した粘性重
視ポリエステルとは全く逆に、弾性を強化し、ローラー
への高温オフセットを著しく低下せしめたものである。
そして、定着時、熱ローラーの加圧及び加熱をできる限
り高め、トナーを半溶融の状態で転写紙の繊維の間へ押
し込み、加圧・加熱定着を行い、該目的を達成しようと
するものである。それゆえ、カラー画像に必要なトナー
層が溶融し連続皮膜を形成し、平滑面を得るということ
はほとんど出来ず、定着したトナーは、転写紙上で粒子
状態で存在し、得られるカラー画像はくすんだものとな
り彩度に乏しい。また、OHT上画像はトナー粒子表面
で光が散乱、拡散してしまい、ほとんど光を透過せず、
実用的に使用不能となってしまう。
【0016】特公昭55−6895号公報や特開昭56
−98202号公報に記載の如く、結着樹脂の分子量分
布の幅を広くすることによりオフセット現象を抑制する
方法もあるが、一般に樹脂の重合度が高くなり使用定着
温度も高く設定する必要がある。
【0017】更に、特公昭57−493号公報,特開昭
50−44836号公報,特開昭57−37353号公
報に記載の如く、樹脂を非線状化、又は架橋化すること
によってオフセット現象を抑制する方法;特開昭61−
213858号公報,特開平1−295269号公報,
特開平1−30061号公報,特開平1−302267
号公報,特開平3−96964号公報の如く、ポリエス
テル樹脂を金属イオン架橋化してオフセット現象を改善
する方法が提案されている。
【0018】トナーの耐オフセット性を向上させる方法
として、架橋ポリマーと呼ばれる多官能性モノマーや多
官能開始剤を用いた共有結合性架橋樹脂ないし分岐性樹
脂を用いたトナー(特開平3−203746号公報,特
開平4−24648号公報に記載)や、金属酸化物とポ
リマーとを強固に結合させたイオン結合性架橋ポリマー
を用いたトナー(特開昭61−213858号公報,特
開平6−175395号公報に記載)が提案されてい
る。いずれも耐オフセット性は向上するものの結着樹脂
本来の定着性が低下し、またポリマー分子のからみ合い
が強いため、テトラヒドロフラン不溶分に代表される架
橋による樹脂成分が着色剤や荷電制御剤の結着樹脂への
分散性を困難なものとしフルカラートナーとしては不向
きである。さらにトナー製造時におけるトナー混練物の
粉砕性も低下させてしまう。
【0019】更に、特開昭63−225244号公報〜
63−225246号公報では、低温定着性,耐高温オ
フセット性,耐ブロッキング性を向上させる目的で2種
の非線状ポリエステルを含有してなるトナーが開示され
ている。また、特開昭60−214368号公報,特開
平2−082267号公報,特開平2−158747号
公報,特開平4−338973号公報,特開平7−26
1459号公報及び特開平8−101530号公報等
に、物性の異なる2種のポリエステルをブレンドし、ト
ナーの定着性と耐オフセット性を向上させる手法が提案
されているが、フルカラー定着としては不十分なもの、
シリコーンオイル等の離型剤の定着ローラ塗布量は減る
ものの必須なものであり、未だ完全なオイルレスフルカ
ラートナーは得られていない。
【0020】更に、特開平3−188468号公報に、
トナー粒子中におけるバインダーとしてのポリエステル
樹脂が、以下の(A)〜(C)の条件;(A)ポリエス
テル樹脂の酸価をAv、水酸基価をOHvとしたとき、
Avが20〜35(KOHmg/g)、Av/OHv=
1.0〜1.5の範囲にあること、(B)テトラヒドロ
フラン不溶分が10%以下であること、(C)テトラヒ
ドロフラン可溶分のゲル・パーミエーション・クロマト
グラフィー(GPC)による分子量分布において、重量
平均分子量Mwと数平均分子量Mnとの比率がMw/M
n≧10であり、数平均分子量3,000〜8,000
の領域にピーク(低分子側ピーク)を少なくとも1つ有
し、数平均分子量100,000〜600,000の領
域にピークまたは肩(高分子側ピーク)を1つ有し、か
つ、高分子側ピーク領域が5〜15%存在すること、を
満足しているトナーが提案されている。しかしながら、
特開平3−188468号公報のポリエステルは、酸価
が20(KOHmg/g)以上と高く、またソフトセグ
メント成分を含有するものの多価カルボン酸量が多く、
架橋成分の割合が高くなる(実施例においてもTHF不
溶分が2%以上存在する)ためフルカラー定着性(グロ
スコントロール、耐オフセットの両立)を満足しない。
【0021】更に、特開平7−234537号公報に、
炭素数5〜30のソフトセグメントを有するポリエステ
ル樹脂を主成分とし、熱特性を規定したワックスを含有
するトナー、及びこれを満たす非線状ポリエステル樹脂
と線状ポリエステル樹脂の混合物を用いたトナーが提案
されている。しかしながら、特開平7−234537号
公報のポリエステルは、ソフトセグメント成分を含有す
るものの、ソフトセグメント成分に対する3価以上の多
価モノマー成分量が多いため、やはりフルカラー定着性
(グロスコントロール、耐オフセットの両立)を満足し
ない。
【0022】このように、適度な光沢を持たせたピクト
リアルなフルカラー画像の色再現性及びオバーヘッドプ
ロジェクターシート(OHT)上での色再現・透過性を
満足しつつ、良好な低温定着性能、耐オフセット性に優
れたオイルレス定着に使用可能なカラートナーとして
は、後述の画像特性と併せて未だ改良すべき課題を残し
ている。
【0023】すなわち、オイルレス定着での優れた耐オ
フセット性を示しつつ、得られるフルカラー画像が、ト
ナー粒子による乱反射を出来る限り抑え、適度の光沢性
やつやを有し、トナー層の下層にある異なる色調のトナ
ー層を妨げない透明性を有し、高彩度な色調に至るまで
色再現性の広いカラートナーが求められている。
【0024】一方、近年の複写機及びプリンターの小型
化、コンパクト化から現像機内の温度は上昇しやすく、
トナーの高温における保存性はこれまで以上のものが望
まれており、さらには、高品位画像出力のため、安定し
た現像性と良好な転写性を同時に十分に満足するトナー
が待望されている。
【0025】安定した現像性と良好な転写性を得るに
は、トナー粒子の帯電制御が必須である。トナーに電荷
を保有せしめるためには、トナーの成分である樹脂の摩
擦帯電性を利用することも出来るが、この方法ではトナ
ーの帯電が安定しないので、濃度の立ち上がりが遅く、
カブリ易い。そこで、所望の摩擦帯電性をトナーに付与
するために帯電制御剤を添加することが行われている。
【0026】今日、当該技術分野で知られている帯電制
御剤としては、負摩擦帯電性帯電制御剤として、モノア
ゾ染料の金属錯塩,ヒドロキシカルボン酸,ジカルボン
酸,芳香族ジオール等の金属錯塩,酸成分を含む樹脂等
が知られている。正摩擦帯電性帯電制御剤として、ニグ
ロシン染料,アジン染料,トリフェニルメタン系染顔
料,4級アンモニウム塩,4級アンモニウム塩を側鎖に
有するポリマー等が知られている。
【0027】しかし、帯電制御剤によっては、画像濃度
とカブリのバランスがとりにくい、高湿環境で十分な画
像濃度を得にくい、樹脂への分散性が悪い、保存安定
性,定着性及び耐オフセット性に悪影響を与える等欠点
を有する。従来、芳香族カルボン酸類の金属錯体,金属
塩は、特開昭53−127726号公報,特開昭57−
111541号公報,特開昭57−124357号公
報,特開昭57−104940号公報,特開昭61−6
9073号公報,特開昭61−73693号公報,特開
昭61−267058号公報,特開昭62−10515
6号公報,特開昭62−145255号公報,特開昭6
2−163061号公報,特開昭63−208865号
公報,特開平3−276166号公報,特開平4−84
141号公報及び特開平8−160668号公報を始め
としていくつかの提案がなされている。しかしながら、
これらの公報に提案されているものは、摩擦帯電付与と
いう観点からはいずれも優れたものであるが、特にフル
カラートナーに適用した場合には、簡易な現像器構成で
環境変動,経時,使用状況に関わらず、安定した現像性
の得られるものは少ない。更に、上述の如きカラートナ
ーに求められる定着性能と安定した現像性を両立するこ
とは困難であった。
【0028】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記の従来の
問題点を解決したカラトナー及び画像形成方法を提供す
ることを目的とする。
【0029】即ち、本発明の目的は、僅かな定着オイル
の使用によって、更には定着オイルの使用無しに定着を
行なうことのできる耐オフセット性に優れ、低温定着が
可能なカラートナーを提供することにある。
【0030】また本発明の目的は、記録材上、特にオバ
ーヘッドプロジェクターシート(OHT)上でオイルの
ベタツキ感がなく、色再現・透過性を満足するカラート
ナーを提供することにある。
【0031】また本発明の目的は、僅かな定着オイルの
使用によって、或いはオイルレス定着によって得られる
フルカラー画像が、適度の光沢性やつやを有し、混色性
(発色性)に優れ高彩度な色調に至るまで色再現性に優
れるカラートナー、カラー画像形成方法及び装置ユニッ
トを提供することにある。
【0032】更に本発明の目的は、光沢のムラが無く、
繰り返し使用によっても光沢の変動のない安定した画像
品位が得られるカラートナー、カラー画像形成方法及び
装置ユニットを提供することにある。
【0033】また本発明の目的は、簡易なオイル塗布機
構で、或いはオイル塗布機構を有さないことで、小型、
低コストのカラー画像形成装置を実現できるカラー画像
形成方法を提供することにある。
【0034】更に本発明の目的は、定着オイルの補充が
必要なく、定着部の消耗部品数が少ないことで、ランニ
ングコストを低減できるカラー画像形成装置を実現でき
るカラー画像形成方法を提供することにある。
【0035】
【課題を解決するための手段】本発明は、少なくとも結
着樹脂、ワックス、有機金属化合物及び着色剤を有する
カラートナーにおいて、該結着樹脂が、少なくとも3価
以上の多価カルボン酸単量体ユニットと、炭素数5〜3
0の飽和もしくは不飽和の脂肪族炭化水素基を有する多
価カルボン酸単量体ユニット及び/又は多価アルコール
単量体ユニットを含有し、該結着樹脂中の該3価以上の
多価カルボン酸単量体ユニットの含有量をXa mol
%、該炭素数5〜30の飽和もしくは不飽和の脂肪族炭
化水素基を有する多価カルボン酸単量体ユニット及び/
又は多価アルコール単量体ユニットの含有量をYa m
ol%としたとき、下記条件 0.5<Xa<15 5<Ya<30 2≦Ya/Xa≦10 を満足する非線状ポリエステル樹脂A、及び、3価以上
の多価カルボン酸単量体ユニットを非線状ポリエステル
樹脂Aよりも少ない量で含有する非線状のポリエステル
樹脂Bを少なくとも有し、非線状ポリエステル樹脂Aと
非線状ポリエステル樹脂Bの混合重量比が、20/80
〜80/20であり、且つ、該ワックスの示差走査熱量
計(DSC)測定による最大吸熱ピークが60〜135
℃にあることを特徴とするカラートナーに関する。
【0036】また本発明は、潜像保持体を帯電する帯電
工程;帯電された潜像保持体に静電潜像を形成する潜像
形成工程;該静電潜像をトナーによって現像してトナー
画像を形成する現像工程;現像されたトナー画像を中間
転写体を介して、又は介さずに記録材上に転写する転写
工程;及び記録材上に転写されたトナー画像の表面に定
着部材を接触させ、且つ該トナー画像に熱及び圧力を付
与することにより、該トナー画像を該記録材上に定着す
る定着工程;を有する画像形成方法において、該現像工
程は、少なくとも結着樹脂、ワックス、有機金属化合物
及び着色剤を有するカラートナーを用いる工程であっ
て、該結着樹脂が、少なくとも3価以上の多価カルボン
酸単量体ユニットと、炭素数5〜30の飽和もしくは不
飽和の脂肪族炭化水素基を有する多価カルボン酸単量体
ユニット及び/又は多価アルコール単量体ユニットを含
有し、該結着樹脂中の該3価以上の多価カルボン酸単量
体ユニットの含有量をXa mol%、該炭素数5〜3
0の飽和もしくは不飽和の脂肪族炭化水素基を有する多
価カルボン酸単量体ユニット及び/又は多価アルコール
単量体ユニットの含有量をYa mol%としたとき、
下記条件 0.5<Xa<15 5<Ya<30 2≦Ya/Xa≦10 を満足する非線状ポリエステル樹脂A、及び、3価以上
の多価カルボン酸単量体ユニットを非線状ポリエステル
樹脂Aよりも少ない量で含有する非線状のポリエステル
樹脂Bを少なくとも有し、非線状ポリエステル樹脂Aと
非線状ポリエステル樹脂Bの混合重量比が、20/80
〜80/20であり、且つ、示差走査熱量計(DSC)
測定による最大吸熱ピークが60〜135℃にあるカラ
ートナーを用いて静電潜像を現像してトナー画像を形成
する工程であることを特徴とするカラー画像形成方法に
関する。
【0037】更に本発明は、少なくとも静電潜像を現像
するためのトナー、該トナーを保有するためのトナー容
器、該トナー容器に保有されているトナーを担持し、且
つ現像領域に搬送するためのトナー担持体、及び該トナ
ー担持体に担持されるトナーの層厚を規制するためのト
ナー層厚規制部材を有しており、該トナーは、少なくと
も結着樹脂、ワックス、有機金属化合物及び着色剤を有
するカラートナーであり、該結着樹脂が、少なくとも3
価以上の多価カルボン酸単量体ユニットと、炭素数5〜
30の飽和もしくは不飽和の脂肪族炭化水素基を有する
多価カルボン酸単量体ユニット及び/又は多価アルコー
ル単量体ユニットを含有し、該結着樹脂中の該3価以上
の多価カルボン酸単量体ユニットの含有量をXa mo
l%、該炭素数5〜30の飽和もしくは不飽和の脂肪族
炭化水素基を有する多価カルボン酸単量体ユニット及び
/又は多価アルコール単量体ユニットの含有量をYa
mol%としたとき、下記条件 0.5<Xa<15 5<Ya<30 2≦Ya/Xa≦10 を満足する非線状ポリエステル樹脂A、及び3価以上の
多価カルボン酸単量体ユニットを非線状ポリエステル樹
脂Aよりも少ない量で含有する非線状のポリエステル樹
脂Bを少なくとも有し、非線状ポリエステル樹脂Aと非
線状ポリエステル樹脂Bの混合重量比が、20/80〜
80/20であり、且つ、示差走査熱量計(DSC)測
定による最大吸熱ピークが60〜135℃にあることを
特徴とするカラー画像形成装置及び画像形成装置本体に
脱離可能に装着される装置ユニットに関する。
【0038】
【発明の実施の形態】本発明は、オイルレスフルカラー
定着を目的として種々の樹脂系とワックスを鋭意検討し
た結果、特定の構成において、オイルレス定着(定着ロ
ーラ非巻き付き性能、耐オフセット性)、画像グロスコ
ントロール、OHT透過性を全て満足できることを見出
した。
【0039】すなわち、少なくとも結着樹脂、ワック
ス、有機金属化合物及び着色剤を有するカラートナーに
おいて、該結着樹脂が、少なくとも3価以上の多価カル
ボン酸単量体ユニットと、炭素数5〜30の飽和もしく
は不飽和の脂肪族炭化水素基を有する多価カルボン酸単
量体ユニット及び/又は多価アルコール単量体ユニット
を含有し、該結着樹脂中の該3価以上の多価カルボン酸
単量体ユニットの含有量をXa mol%、該炭素数5
〜30の飽和もしくは不飽和の脂肪族炭化水素基を有す
る多価カルボン酸単量体ユニット及び/又は多価アルコ
ール単量体ユニットの含有量をYa mol%としたと
き、下記条件 0.5<Xa<15 5<Ya<30 2≦Ya/Xa≦10 を満足する非線状ポリエステル樹脂A、及び、3価以上
の多価カルボン酸単量体ユニットを非線状ポリエステル
樹脂Aよりも少ない量で含有する非線状のポリエステル
樹脂Bを少なくとも有し、非線状ポリエステル樹脂Aと
非線状ポリエステル樹脂Bの混合重量比が、20/80
〜80/20であり、且つ、該ワックスの示差走査熱量
計(DSC)測定による最大吸熱ピークが60〜135
℃にあることを特徴とするカラートナーによって達成さ
れる。
【0040】一般に有機金属化合物は、ポリエステルの
末端極性基と結合し、金属架橋することは知られてい
る。
【0041】本発明者らは、ポリマー中でこの架橋度合
いをコントロールする手法として、炭素数5〜30の飽
和もしくは不飽和の脂肪族炭化水素基を有する多価カル
ボン酸単量体ユニット及び/又は多価アルコール単量体
ユニット、3価以上の多価カルボン酸単量体ユニット及
び有機金属化合物を少なくとも含有するトナーにおい
て、金属架橋反応に対する立体障害性のある炭素数5
〜30の飽和もしくは不飽和の脂肪族炭化水素基を有す
る多価カルボン酸単量体ユニット及び/又は多価アルコ
ール単量体ユニット(ソフトセグメント成分)と金属架
橋の反応確率の高い3価以上の多価カルボン酸単量体ユ
ニットの含有量及び含有比を限定した非線状ポリエステ
ル樹脂A、微量の3価以上の多価カルボン酸単量体ユ
ニットを含有する金属架橋反応性を有しながら線状ポリ
エステルに近いシャープメルト性と線状ポリエステルよ
りも耐オフセット性が改善される非線状ポリエステル樹
脂B、有機金属化合物及び示差走査熱量計(DSC)
測定による最大吸熱ピークが60〜135℃にあるワッ
クスを用いることが、フルカラー定着で求められるグロ
スコントロール、耐オフセット性の両立に重要であるこ
とを見出した。
【0042】すなわち、3価以上の多価カルボン酸単量
体ユニット及び炭素数5〜30の飽和もしくは不飽和の
脂肪族炭化水素基を有する多価カルボン酸単量体ユニッ
ト及び/又は多価アルコール単量体ユニット(ソフトセ
グメント成分)の含有量及びその比を規定することで、
3価以上の多価カルボン酸単量体ユニットの有機金属化
合物との金属架橋の反応確率の高さとソフトセグメント
成分の金属架橋反応に対する立体障害性の効果のバラン
スが取られた金属架橋密度を制御した非線状ポリエステ
ル樹脂Aと、微量の3価以上の多価カルボン酸単量体ユ
ニットを含有させ金属架橋反応性を持たせることで非線
状ポリエステル樹脂Aとの相溶性を大幅に向上させたシ
ャープメルト成分としての非線状ポリエステル樹脂Bと
を所定比率内でブレンドし、これに特定のワックスを添
加することで、オイルレスでのカラー定着性を顕著に向
上させることを見い出し本発明に至った。
【0043】本発明中の非線状ポリエステル樹脂Aで、
3価以上の多価カルボン酸単量体ユニットの含有量が1
5mol%を超えると有機金属化合物との架橋反応がす
すむことにより非オフセット領域は広がるが、定着性が
損なわれ、シャープメルト性を有する非線状ポリエステ
ル樹脂Bを結着樹脂としてブレンドした場合において
も、カラー画像に求められるグロスが低下し、OHT透
過性も悪化する。カラー画像に適当なグロスが得られる
温度領域を広く取るためには、3価以上の多価カルボン
酸単量体ユニットの含有量が10mol%以下であるこ
とがより好ましく良い。一方、3価以上の多価カルボン
酸単量体ユニットの含有量が0.5mol%未満の場
合、有機金属化合物との架橋反応が進まず非オフセット
領域が狭いものとなり、3価以上の多価カルボン酸単量
体ユニット含有量が3mol%未満の場合、非オフセッ
ト領域を十分に広くとることが困難となり、両面にカラ
ー画像を形成する場合には、2面目の定着時に画像の平
滑性を落としグロスの低いカラー画像となってしまう、
或いはオフセットを生ずる。よって、非線状ポリエステ
ル樹脂Aの3価以上の多価カルボン酸単量体ユニットの
含有量が3mol%以上であることが、より好ましい。
【0044】また、本発明中の非線状ポリエステル樹脂
Aでソフトセグメント成分の含有量が5mol%未満の
場合、ソフトセグメント成分が有する金属架橋反応に対
する立体障害性の効果が十分ではなくなり、3価以上の
多価カルボン酸単量体ユニットと有機金属化合物との架
橋反応が進み易く、3価以上の多価カルボン酸単量体ユ
ニット或いは有機金属化合物の含有量を減らしても金属
架橋の架橋密度が高くなり、金属架橋により生成する高
分子量成分が熱に対する可動性においてより鈍いものと
なるため、定着性が損なわれ、カラー画像に求められる
グロスが低下し、OHT透過性も悪化する。逆にソフト
セグメント成分の含有量が30mol%を超える場合
は、ソフトセグメント成分が発揮する金属架橋反応に対
する立体障害性が過大となり、ポリエステル樹脂と有機
金属化合物との架橋反応が進まず非オフセット領域が狭
いものとなる。
【0045】更に、非線状ポリエステル樹脂Aにおける
3価以上の多価カルボン酸単量体ユニットの含有量Xa
mol%とソフトセグメント成分の含有量Ya mo
l%の比(Ya/Xa)が2未満の場合、有機金属化合
物との架橋反応がより促進し、非オフセット領域は広が
るが、定着性が損なわれ、カラー画像に求められるグロ
スが低下し、OHT透過性も悪化する。その比(Ya/
Xa)が10を超える場合は、ソフトセグメント成分の
金属架橋反応に対する立体障害により架橋性が低下し、
非オフセット領域が狭いものとなる。
【0046】更に、非線状ポリエステル樹脂Bは、3価
以上の多価カルボン酸単量体ユニットの含有量が、非線
状ポリエステル樹脂Aの3価以上の多価カルボン酸単量
体ユニットの含有量よりも少ないことが必要である。非
線状ポリエステル樹脂Bの3価以上の多価カルボン酸単
量体ユニットの含有量が、3価以上の多価カルボン酸単
量体ユニットの含有量、ソフトセグメント成分の含有量
及びこれらの比を規定した非線状ポリエステル樹脂Aの
3価以上の多価カルボン酸単量体ユニットの含有量より
も多いと、有機金属化合物との金属架橋反応の非線状ポ
リエステル樹脂Bの影響が大きくなり、金属架橋反応を
制御することで優れたカラー定着性を実現する本発明の
意図の一つから外れる方向となり、耐オフセット性と平
滑な定着面が得られる良好な定着性を得られなくなる。
【0047】また、本発明においては、上記非線状ポリ
エステルAにシャープメルト性を有する非線状ポリエス
テル樹脂Bを20/80〜80/20の重量比で混合す
ることが、より低い定着温度設定でフルカラー定着で求
められるグロスコントロール、耐オフセット性の両立を
達成するために必要である。非線状ポリエステルAと非
線状ポリエステル樹脂Bの混合重量比が20/80より
も小さい場合には、トータルの結着樹脂としての耐オフ
セット性が十分ではなく、混合重量比が80/20を超
えると、より低い定着温度設定でフルカラー定着を満足
させることが困難となり、定着温度設定を高めること
は、消費電力の増大に留まらず、画像形成装置内でのト
ナーの流動性の低下及びブロッキングの原因となり、定
着部材を短寿命化させ、得られる画像転写材のカールを
増長させる等多々の弊害を招く。シャープメルト性を有
する非線状ポリエステル樹脂Bは、非線状ポリエステル
樹脂Aとの相溶性を維持しつつ、非線状ポリエステル樹
脂A単体よりも着色剤及びワックスの分散性を向上さ
せ、トナーの着色力の向上及び色再現性の向上、長期繰
り返し使用での現像性の安定化に寄与する。
【0048】更に、本発明においては、結着樹脂は、非
線状ポリエステル樹脂Aが含有する3価以上の多価カル
ボン酸単量体ユニットの含有量をXa mol%、該非
線状ポリエステル樹脂Bが含有する3価以上の多価カル
ボン酸単量体ユニットの含有量をXb mol%とした
とき、その比(Xa/Xb)が、2以上かつ50以下で
あることが好ましい。
【0049】非線状ポリエステル樹脂Aが含有する3価
以上の多価カルボン酸単量体ユニットの含有量Xa m
ol%と、非線状ポリエステル樹脂Aが含有する3価以
上の多価カルボン酸単量体ユニットの含有量Xb mo
l%との比(Xa/Xb)が、2以上であることで、有
機金属化合物との金属架橋反応の非線状ポリエステル樹
脂Bの影響がより小さくなり、耐オフセット性と平滑な
定着面が得られる良好な定着性を得る上でより優位であ
る。
【0050】しかしながら、非線状ポリエステル樹脂A
と非線状ポリエステル樹脂Bの3価以上の多価カルボン
酸単量体ユニットの含有量の比(Xa/Xb)が50よ
りも大きいと、非線状ポリエステル樹脂Bの有機金属化
合物との金属架橋反応が小さくなり過ぎ、有機金属化合
物との金属架橋反応の進んだ非線状ポリエステル樹脂A
と、有機金属化合物との金属架橋反応がほとんどない非
線状ポリエステル樹脂Bをブレンドすることで、結着樹
脂の相溶性の低下による結着樹脂自体の均質分散性、ワ
ックス及び着色剤の分散性の低下の原因となり、定着
性、耐オフセット性及び長期の繰り返し使用によっての
現像性を低下させる可能性がある。
【0051】非線状ポリエステル樹脂Bは、3価以上の
多価カルボン酸単量体ユニットを3mol%未満で含有
することが好ましく良い。非線状ポリエステル樹脂B
は、末端の官能基のみが反応性を有する線状ポリエステ
ル樹脂と比較して、3mol%未満の微量の3価以上の
多価カルボン酸単量体ユニットを含有することで、粗な
架橋構造と金属架橋性の適度な付与により、シャープメ
ルト性の低下を抑制しつつ耐オフセット性を高めること
ができ、有機金属化合物のトナー全体での分散性向上に
も寄与する。
【0052】非線状ポリエステル樹脂Bで3価以上の多
価カルボン酸単量体ユニットの含有量が3mol%以上
の場合、非線状ポリエステル樹脂A自体の架橋性に加え
て、非線状ポリエステル樹脂Bの有機金属化合物との金
属架橋反応性がより高まるため、シャープメルト性が低
下して定着性が損なわれ、より低温でフルカラー定着を
実現する本発明の目的を達成し得なくなる。
【0053】また、本発明に使用されるワックスの示差
走査熱量計(DSC)測定による最大吸熱ピークは、結
着樹脂の溶融挙動とより合ったワックス融解性を選択
し、より低い定着温度設定でのオイルレスフルカラー定
着を達成するために60〜135℃にあることが必要で
ある。ワックスの示差走査熱量計(DSC)測定による
最大吸熱ピークが60℃未満の場合、カラートナーの保
存性、耐久性が悪化し、135℃よりも高い場合、上記
トナー構成すなわち低温で溶融開始するカラートナーで
の離型性が発揮されない。更には、結着樹脂中での分散
性に劣り、長期繰り返し使用での現像性の低下を招く。
【0054】また、本発明においては、有機金属化合物
のトナー中の含有量が0.2〜10重量%であり、且つ
該結着樹脂中の3価以上の多価カルボン酸単量体ユニッ
トの全含有量Xc mol%と該有機金属化合物のトナ
ー中の含有量Z重量%が下記の式を満足することが好ま
しい。
【0055】2≦Xc×Z≦50
【0056】該有機金属化合物のトナー中の含有量が
0.2重量%未満の場合、架橋反応が進まず非オフセッ
ト領域が狭いものとなり、10重量%を超える場合、架
橋反応がより促進し、非オフセット領域は広がるが、定
着性が損なわれ、カラー画像に求められるグロスが低下
し、OHT透過性も悪化する。
【0057】また、非線状ポリエステル樹脂A中の3価
以上の多価カルボン酸単量体ユニットの含有量Xa m
ol%と該有機金属化合物のトナー中の含有量Z重量%
の積(Xc×Z)が2未満の場合、架橋性が低下し、非
オフセット領域が狭いものとなる。(Xc×Z)が50
を超える場合、架橋反応がより促進し、非オフセット領
域は広がるが、定着性が損なわれ、カラー画像に求めら
れるグロスが低下し、OHT透過性も悪化する。すなわ
ち、ソフトセグメントと3価以上の多価カルボン酸単量
体ユニットの含有量及び含有量比の限定に加えて、有機
金属化合物の含有量及び金属架橋の反応確率の高い3価
以上の多価カルボン酸単量体ユニットの有機金属化合物
に対する結着樹脂成分全体での含有量比を限定したポリ
エステル樹脂を用いることで、フルカラー定着で求めら
れるグロスコントロール、耐オフセット性を両立するの
により好ましい形態を提示している。
【0058】本発明のトナーにおいては、ワックスの示
差走査熱量計(DSC)測定による最大吸熱ピークが6
0〜135℃であるワックス含有していることが必要で
ある。より低温で溶融開始するカラートナーでの離型性
を更に高めるには、ワックスの示差走査熱量計(DS
C)測定による最大吸熱ピークが60〜120℃にある
ことが、より好ましい。
【0059】これらのワックスとしては、以下に挙げる
ワックス類のうち、示差熱分析における最大吸熱ピーク
を60℃以上135℃以下に有するものが例として挙げ
られる。
【0060】パラフィンワックス、マイクロクリスタリ
ンワックス、ペトロラクタム等の石油系ワックス及びそ
の誘導体、モンタンワックスびその誘導体、フィッシャ
ートロプシュ法による炭化水素ワックス及びその誘導
体、ポリエチレンに代表されるポリオレフィンワックス
及びその誘導体、カルナバワックス、キャンデリラワッ
クス等天然ワックス及びその誘導体などで、誘導体には
酸化物や、ビニル系モノマーとのブロック共重合物、グ
ラフト変性物を含む。高級脂肪族アルコール;ステアリ
ン酸、パルミチン酸等の脂肪酸、あるいはその化合物、
酸アミド、エステル、ケトン、硬化ヒマシ油及びその誘
導体、植物系ワックス、動物性ワックス等示差熱分析に
おける吸熱ピークを60℃以上135℃以下に有するも
のである。
【0061】これらの中でも、示差熱分析における最大
吸熱ピークを60℃以上135℃以下に有する化合物
が、ポリオレフィンもしくはフィッシャートロプシュ法
による炭化水素ワックスもしくは石油系ワックスである
場合が本発明においては好ましく、特に好ましくは炭化
水素系ワックス、ポリエチレンワックスである。
【0062】更に、本発明においては、ワックスのGP
C分子量分布における数平均分子量(Mn)と 重量平
均分子量(Mw)の比Mw/Mnが1.0〜2.0であ
ることが好ましい。本発明中で規定される結着樹脂の溶
融挙動とより合ったワックスの示差熱分析における最大
吸熱ピーク、その温度でよりシャープな融解性を示すよ
うにワックス成分の分子量分布を限定選択することで、
オイルレスフルカラー定着において低温定着性付与し、
耐オフセット性能を満たしつつ、よりOHT透明性を高
めることができる。ワックスのGPC分子量分布におけ
る数平均分子量(Mn)と 重量平均分子量(Mw)の
比Mw/Mnが2.0を超える場合には、本発明のカラ
ートナー構成すなわち低温で溶融開始するカラートナー
での離型性が効率的には発揮されない。十分な離型性を
得るためには、ワックスの添加量を増量せねばならず、
ワックス添加量の増量は、OHT透明性を損なうばかり
か、結着樹脂であるポリエステル樹脂中でのワックスの
均一な分散を困難なものとし、耐ブロッキング性を悪化
させたり、現像性を悪化させる原因となる。
【0063】また、ワックスの含有重量比率は、トナー
に対して0.3〜4.5重量%であることが好ましい。
ワックスの含有量が、0.3重量%未満では離型効果が
十分ではなく、4.5重量%を超えると上述のようにO
HT透明性を損ない、耐ブロッキング性の悪化、現像性
の悪化を招く。よって本発明のカラートナーにおいて
は、ワックスの添加量は、十分な離型効果が得られる範
囲でできるだけ少ないことが好ましく、添加量を3重量
%以下とすることがより好ましい。また、悪影響を与え
ない限り他のワックス類と併用しても構わない。
【0064】更に、本発明中のワックスは極性の小さい
もの、もしくは無極性のものが好ましい。ワックスの極
性が小さいほど、少量の添加で耐オフセット性を向上さ
せることが可能であり、高彩度で色再現性に優れたカラ
ー画像、OHT上のカラー画像の透過性を高める上でも
有利である。一般に、本発明の如く結着樹脂としてポリ
エステル樹脂を主とした場合、極性の小さなワックスは
結着樹脂中での分散性が悪くなると考えられる。しか
し、本発明者らの検討によれば、ポリエステル樹脂に極
性の小さなワックスを多量に添加すると、ワックスの結
着樹脂中での分散性が悪くなり、現像特性の低下、トナ
ー流動性の低下を生じるが、おおむね3重量%の添加で
は、ワックスは本発明中の結着樹脂中では微細な分散径
で存在し、現像特性の低下、トナー流動性の低下等の弊
害なく、耐オフセット性を高めることができることが知
見された。すなわち、本発明の如く結着樹脂としてポリ
エステル樹脂を主とした場合、示差熱分析における最大
吸熱ピークを60℃以上135℃以下に有するワックス
は、極性の小さいもの、もしくは無極性のものとして、
ポリオレフィンもしくはフィッシャートロプシュ法によ
る炭化水素ワックスもしくは石油系ワックスである場合
がより好ましく、特に好ましくは炭化水素系ワックス、
ポリエチレンワックスである。
【0065】更に、本発明で用いるワックスは、DSC
曲線における昇温時のオンセット温度が55〜105℃
にあることが好ましい。このようなワックスを用いるこ
とにより、耐ブロッキング性や定着性に優れたトナーを
得ることができる。
【0066】オンセット温度が55℃未満のものは、比
較的低温からトナー粒子が塑性変化するため耐ブロッキ
ング性に劣ったり、昇温に対して現像性の劣化を生じや
すい。一方、105℃を超える場合には、加熱による塑
性変化の速度が遅くなり耐低温オフセット性や定着性が
劣るようになる。
【0067】更に、本発明で用いるワックスは数平均分
子量(Mn)が200〜2000、重量平均分子量(M
w)が200〜2500(より好ましくはMn300〜
1000、Mw300〜1200)であり、かつMw/
Mnが2以下であることが好ましい。
【0068】上記範囲の分子量を持つことにより、トナ
ーに好ましい熱特性をもたせることができる。すなわ
ち、上記範囲より分子量が小さくなると、熱的影響を過
度に受けやすく、耐ブロッキング性,現像性に劣るよう
になる。上記範囲より分子量が大きくなると、外部から
の熱を効果的に利用できず、優れた定着性,耐オフセッ
ト性を得ることができにくい。また、Mw/Mnが2よ
り大きくなると、分子量分布が広いために溶融挙動が熱
に対してシャープでなくなり、良好な定着性と耐オフセ
ット性を共に満足する領域が得られにくくなる。
【0069】本発明に使用されるワックスのDSC曲線
における最大吸熱ピーク温度及びオンセット温度は、示
差走査熱量計により測定されるDSC曲線から得ること
ができる。例えば、測定装置としては、パーキンエルマ
ー社製のDSC−7が使用できる。
【0070】測定方法は、ASTM D3418−82
に準じて行う。本発明に用いられるDSC曲線は、1回
昇温させ前履歴を取った後、温度測定10℃/min、
温度30〜160℃の範囲で降温させた後、昇温させた
時に測定されるDSC曲線を用いる。
【0071】本発明に使用されるワックスの分子量は以
下の方法により測定することができる。
【0072】(GPC測定条件) 装置 :GPC−150C(ウォーターズ社) カラム:GMH−HT30cm2連(東ソー社製) 温度 :135℃ 溶媒 :o−ジクロロベンゼン(0.1%アイオノール
添加) 流速 :1.0ml/min 試料 :0.15%の試料を0.4ml注入 以上の条件で測定し、試料の分子量算出にあたっては単
分散ポリエステル標準試料により作成した分子量較正曲
線を使用する。さらに、Mark−Houwink粘度
式から導き出される換算式でポリエチレン換算すること
によって算出される。
【0073】更に、本発明においては、カラートナーの
結着樹脂成分として、THF可溶分及び0重量%以上
5.0重量%未満のTHF不溶分を含有することが好ま
しく良く、該THF可溶分のGPC分子量分布におい
て、1万未満の成分含有量(M1)40〜65%、1万
〜5万の成分含有量(M2)25〜50%、5万〜50
万の成分含有量(M3)2〜20%、50万を超える成
分含有量(M4)0.1〜10%であって、且つM1>
M2>M3>M4の関係を満足することが好ましい。
【0074】トナー結着樹脂が、ゲル分として5重量%
以上のTHF不溶分を含有する場合、低温で溶融しない
ゲルの存在は系を増粘させ、カラートナーに求められる
低温定着性を悪化させるばかりでなく、カラートナーに
要求される低温で溶融するシャープメルト成分を含有さ
せた場合においても、その溶融温度差で内部粘性増粘し
ているにも関わらず定着時のトナー表面粘性は低くオフ
セット幅も低くなる。
【0075】更に、該THF可溶分のGPC分子量分布
において、1万未満の成分含有量(M1)40〜65
%、1万〜5万の成分含有量(M2)25〜50%、5
万〜50万の成分含有量(M3)2〜20%、50万を
超える成分含有量(M4)0.1〜10%であり、5万
以下の成分が全体の80%以上であり、且つM1>M2
>M3>M4の関係を満たさない場合、カラートナーに
求められる低温定着性、グロス、OHT透過性と耐オフ
セット性の両立しずらい。
【0076】また、本発明において、本発明中の非線状
ポリエステル樹脂Aと混合して用いられる3価以上の多
価カルボン酸単量体を3mol%未満で含有する非線状
のポリエステル樹脂Bは、 THF可溶分のGPC分子
量分布において、重量平均分子量(Mw)が5000〜
30000であり、数平均分子量(Mn)が2000〜
7000であり、数平均分子量(Mn)と重量平均分子
量(Mw)の比Mw/Mnが2〜5であることが好まし
い。更に、THF可溶分を実質的に含まないことがより
好ましい。分子量が下限未満では、混合して用いる非線
状ポリエステル樹脂Aに対して溶融定着時の粘度が大幅
に低下するために耐オフセット性を低下させる方向であ
り、分子量が上限を超えると、定着性を損なう方向とな
る。 また、Mw/Mnは、シャープメルト性を得るた
めに小さいことが好ましく、Mw/Mnが5を超える
と、定着性を向上し得ない。
【0077】本発明において、結着樹脂成分(トナー組
成物の重合体成分全体)及び非線状ポリエステル樹脂B
のTHF不溶分、THF可溶分のGPC分子量分布は以
下の方法に従って測定した。
【0078】(トナーのTHF不溶分の測定)本発明の
THF不溶分とは、ソックスレイ抽出法で算出した「ト
ナー中のTHF溶媒に対して不溶性となったポリマー成
分の重量割合」を示す。すなわち、トナーサンプル1.
0gを秤量し(W1g)、円筒濾紙(例えば東洋濾紙製
No.86R)に入れてソックスレイ抽出器にかけ、溶
媒としてTHF200mlを用いて12時間抽出し、溶
媒によって抽出された可溶分をエバポレートした後、1
00℃で一昼夜真空乾燥し、THF可溶な樹脂成分量を
秤量する(W2g)。トナーのTHF不溶分を測定する
場合は、顔料のごとき樹脂成分以外の重量を(W3g)
として下記式から求められる。
【0079】
【数1】
【0080】(トナーのTHF可溶分の分子量分布の測
定)上記ソックスレイ抽出を行なったトナー試料のTH
F可溶分とTHFとを5〜25mg/5mlのの濃度比
で混合し室温にて数時間静置のあと十分に振り混ぜ、更
に一昼夜静置する。その後サンプル処理フィルタ(ポア
サイズ0.4〜0.5μm、例えばマイショリディスク
H−25−2 東ソー社製 エキクロディスク25CR
ゲルマン サイエンスジャパン社製等)を透過させた
ものを測定サンプルとして用いる。
【0081】GPC測定装置においては、40℃のヒー
トチャンバー中で絡むを安定化させ、この温度における
カラムに溶媒としてTHFを1ml/min.の流速で
流し、THF試料溶液を約100ml注入して測定す
る。試料の分子量測定にあったては、試料の有する分子
量分布を数種の単分散ポリスチレン標準試料により作製
された検量線の対数値とカウント数との関係から算出す
る。検量線作製用の標準ポリスチレン試料としては、例
えば東ソー社製、或は昭和電工社製の分子量が102
107程度のものを用い、少なくとも10点程度の標準
ポリスチレン試料を用いるのが適当である。検出器に
は、IR(屈折率)検出器を用いる。カラムとしては、
市販のポリスチレンジェルカラムを数本組み合わせるの
が好ましく、昭和電工社製のShodex GPC K
F−801,802,803,804,805,80
6,807,800Pの組み合わせが好ましい。GPC
の測定において、高分子両側はベースラインからクロマ
トグラムが立ち上がり開始点から測定を始め低分子量側
・分子量約400までを分子量の算出範囲とした。測定
装置は、GPC−150C(ウォーターズ社)を用い
た。
【0082】更に、本発明で用いられる結着樹脂成分
(トナー組成物の重合体成分全体)の酸価は、2mgK
OH/g〜20mgKOH/gであることが好ましい。
結着樹脂の酸価が2mgKOH/g未満の場合は有機金
属化合物との相互作用による現像安定性や耐久安定効果
を十分に発揮しきれなかったり、有機金属化合物の分散
不良に伴うワックスの分散不良による低温定着性の悪化
が見られる。一方、20mgKOH/gを超える場合は
吸湿性が強くなり、画像濃度が低下し、カブリが増加す
る傾向がある。
【0083】本発明において、トナー組成物の重合体成
分全体の酸価は以下の方法により求める。
【0084】(酸価の測定)基本操作はJIS K−0
070に準ずる。
【0085】1)試料は予め重合体成分以外の添加物を
除去して使用するか、重合体以外の成分の酸価、含有量
を予め求めておく。試料の粉砕品0.5〜2.0(g)
を精秤し、重合体成分の重さW(g)とする。
【0086】2)300(ml)のビーカーに試料を入
れ、トルエン/エタノール(4/1)混合液150(m
l)を加え溶解する。
【0087】3)0.1規定のKOHのメタノール溶液
を用いて、電位差滴定装置を用いて滴定する(例えば、
京都電子株式会社製の電位差滴定装置AT−400(w
inworkstation)とABP−410電動ビ
ュレットを用いての自動滴定が利用できる。) 4)この時のKOH溶液の使用量S(ml)とし、同時
にブランクを測定しこの時のKOH溶液の使用量をB
(ml)とする。
【0088】5)次式により酸価を計算する。fはKO
Hのファクターである。
【0089】酸価(mgKOH/g)=((S−B)×
f×5.61)/W
【0090】本発明に用いられるポリエステル樹脂の好
ましい組成を以下に説明する。
【0091】本発明に用いられる非線状ポリエステル樹
脂Aは、全成分中の3〜15mol%が3価以上の多価
カルボン酸単量体ユニットであり、ソフトセグメント成
分が5〜30mol%であり、その他が2価の酸成分及
び2価のアルコール成分等からなる。また、本発明に用
いられる非線状ポリエステル樹脂Bは、全成分中の3m
ol%未満が3価以上の多価カルボン酸単量体ユニット
であり、その他の成分としては2価の酸成分及び2価の
アルコール成分からなる。
【0092】本発明に用いられるポリエステル樹脂の構
成成分としての3価以上の多価カルボン酸単量体ユニッ
トとしては、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸、
1,3,5−ベンゼントリカルボン酸、1,2,4−シ
クロヘキサントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレン
トリカルボン酸、2,5,7−ナフタレントリカルボン
酸、1,2,4−ブタントリカルボン酸、1,2,5−
ヘキサントリカルボン酸、テトラ(メチレンカルボキ
シ)メタン、1,3−ジカルボキシル−2−メチル−2
−メチレンカルボキシプロパン、1,2,7,8−オク
タンテトラカルボン酸等の多価カルボン酸、これらの酸
無水物または低級アルキルエステル等が挙げられる。
【0093】また、本発明に用いられる非線状ポリエス
テル樹脂Aの構成成分としてのソフトセグメントとなる
単量体ユニットとしては、炭素数5〜30の飽和もしく
は不飽和の脂肪族炭化水素基を有する多価カルボン酸単
量体ユニット及び/又は多価アルコール単量体ユニット
であることが必要であり、ポリエステル樹脂の骨格にブ
ランチ化されて導入される飽和もしくは不飽和の脂肪族
炭化水素基を有する多価カルボン酸単量体ユニット及び
/又は多価アルコール単量体ユニットであることが好ま
しい。ソフトセグメント成分は、ポリエステル樹脂を構
成する2価及び3価以上の単量体ユニットのいずれかに
炭素数5〜30の飽和もしくは不飽和の脂肪族炭化水素
基を有するものであることが好ましいが、ソフトセグメ
ントで置換された脂肪族ジカルボン酸類及び/又はソフ
トセグメントで置換された脂肪族ジオール類の単量体ユ
ニットであることがより好ましい。
【0094】ソフトセグメントで置換された脂肪族ジカ
ルボン酸類単量体ユニットとしては、炭素数5〜30の
アルキル基又はアルケニル基(例えばn−ドデセニル
基,イソドデセニル基,n−ドデシル基,イソドデシル
基又はイソオクチル基等)で置換されたこはく酸、アジ
ピン酸、セバシン酸、アゼライン酸の如きアルキルジカ
ルボン酸類又はその無水物が好ましく、特に、ドデセニ
ルこはく酸、オクチルこはく酸及びその無水物が好まし
い。
【0095】また、ソフトセグメントで置換された脂肪
族ジオール類単量体ユニットとしては、炭素数5〜30
のアルキル基又はアルケニル基で置換されたエチレング
リコール、1,3−プロピレンジオ−ル,テトラメチル
グリコール,1,4−ブチレンジオール,1,5−ペン
チルジオール等が挙げられ、n−ドデセニルエチレング
リコール、n−ドデセニルトリエチレングリコール等が
好ましく用いられる。
【0096】また、本発明に用いられるポリエステル樹
脂の2価の酸成分としては、フタル酸、テレフタル酸、
イソフタル酸、無水フタル酸などのベンゼンジカルボン
酸類又はその無水物又はその低級アルキルエステル;こ
はく酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸の如き
アルキルジカルボン酸類又はその無水物又はその低級ア
ルキルエステル;フマル酸、マレイン酸、シトラコン
酸、イタコン酸の如き不飽和ジカルボン酸類又はその無
水物又はその低級アルキルエステル等が挙げられる。
【0097】また、2価のアルコール成分としては、エ
チレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブ
タンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタ
ンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリ
コール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサン
ジオール、ネオペンチルグリコール、2−エチル−1,
3−ヘキサンジオール、水素化ビスフェノールA、また
式(イ)で表わされるビスフェノール及びその誘導体;
【0098】
【化1】 (式中、Rはエチレン又はプロピレン基であり、x及び
yはそれぞれ0以上の整数であり、かつ、x+yの平均
値は0〜10である。) また式(ロ)で示されるジオール類;
【0099】
【化2】 (式中、R’はエチレン又はプロピレン基であり、x’
及びy’はそれぞれ0以上の整数であり、かつ、x’+
y’の平均値は0〜10である。)等のジオール類が挙
げられる。
【0100】これらのうち少なくともプロポキシ化及び
/又はエトキシ化したエーテル化ビスフェノールを用い
ることが好ましい。
【0101】更に、本発明に用い得る3価以上のアルコ
ール成分としては、例えばソルビトール、1,2,3,
6−ヘキサンテトロール、1,4−ソルビタン、ペンタ
エリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタ
エリスリトール、ショ糖、1,2,4−メンタトリオー
ル、グリセリン、2−メチルプロパントリオール、2−
メチル−1,2,4−ブタントリオール、トリメチロー
ルエタン、トリメチロールプロパン、1,3,5−トリ
ヒドロキシメチルベンゼン等が挙げられる。
【0102】本発明に使用される有機金属化合物とは、
例えば有機金属錯体、金属塩、キレート化合物であり、
モノアゾ金属錯体、アセチルアセトン金属錯体、サルチ
ル酸金属錯体、アルキルサルチル酸金属錯体、ジアルキ
ルサルチル酸金属錯体、オフシナフトエ酸金属錯体、ヒ
ドロキシカルボン酸金属錯体、ポリカルボン酸の金属塩
などが好ましい有機金属化合物として挙げられる。錯有
機金属錯体、金属塩、キレート化合物を構成する金属元
素としては、クロム、鉄、亜鉛、アルミニウム、ジルコ
ニウム等が挙げられ、黒トナーの場合は、無色・有色問
わず使用可能であるが、有彩色のカラートナーでは、ト
ナーの色調に影響を与えない無色または淡色のものが好
ましい。
【0103】本発明において、有機金属化合物の金属元
素としては、アルミニウム又はジルコニウムが本発明の
ポリエステル樹脂との架橋性に安定性が有り、粘弾性コ
ントロールが容易に行なえる点で好ましく良い。
【0104】本発明者らは、本発明に使用される有機金
属化合物として、ジルコニウム化合物、特にジルコニウ
ムの錯化合物或いはジルコニウムの芳香族カルボン酸塩
を本発明中の結着樹脂構成に組み合わせて用いること
で、低温定着性に優れ、トナー帯電の立ち上がりの良さ
を保持しつつ、高湿環境下から低湿環境下まで環境の変
化に対して比較的安定した帯電量を示すトナーを得るこ
とが出来ることを見出した。
【0105】本発明の有機ジルコニウム化合物は、ジル
コニウムイオンが八配位しやすいことと、カルボキシル
基,水酸基などの酸素が配位し易いことなどから、ジル
コニウムイオンにカルボキシル基,水酸基などが配位す
る機会が多くなる。従って、有機ジルコニウム化合物の
結着樹脂中へのなじみが良く、分散性に優れた性質と、
本発明構成を有したポリエステル樹脂を用いることによ
り、トナー粒子中からの脱落を防ぎ、帯電均一化と帯電
の耐久安定性が得られる。
【0106】また、本発明の金属架橋性をコントロール
されたポリエステル樹脂におけるカルボキシル基,水酸
基のジルコニウムイオンへの配位を介し、ポリマー鎖の
架橋をより効果的に施すことが出来るため、本発明の目
的であるゴム弾性のコントロール、粘性のコントロール
することが容易となる。また、離型性に優れ、定着部材
の汚れを効果的に防止でき、フルカラーオイルレス定着
を達成できる。
【0107】更に、本発明で使用可能な有機ジルコニウ
ム化合物は、本発明のポリエステル樹脂中での他の材料
(顔料、染料、ワックス等)の分散を向上させることに
より、帯電均一化並びに帯電の耐久安定性が得られる。
その上、トナーの透明性への影響が小さくなり、カラー
トナーにとって鮮やかな色彩を表現するのに好ましいも
のとなる。
【0108】これら有機ジルコニウム化合物の含有量
は、結着樹脂100重量部に対し0.1〜10重量部、
より好ましくは0.5〜6重量部の範囲で用いるのが効
果的であり、従来の技術で述べたような公知の電荷制御
剤と組み合わせて使用することもできる。
【0109】本発明においては、有機金属化合物として
芳香族ジオール,芳香族ヒドロキシカルボン酸,芳香族
ポリカルボン酸のジルコニウム錯体あるいはジルコニウ
ム錯塩を含有するトナーによって、本発明の目的をより
高度に達成可能である。
【0110】本発明の有機金属化合物として好ましく用
いられるジルコニウム化合物は、配位子として、芳香族
ジオール,芳香族ヒドロキシカルボン酸,芳香族ポリカ
ルボン酸を2〜4個キレート形成しているジルコニウム
錯体あるいはジルコニウム錯塩であることがより好まし
い。塩の場合は芳香族カルボン酸イオン,芳香族ヒドロ
キシカルボン酸イオン,芳香族ポリカルボン酸イオンを
1〜4個有しているものが好ましく、更には2〜3個有
しているものが好ましい。また、キレート形成数の異な
る錯体,錯塩あるいは配位子の異なる錯体,錯塩であっ
ても良い。更に、酸イオンの数の異なる塩の混合物であ
っても良い。
【0111】本発明中の有機金属化合物として好ましく
用いられるジルコニウム化合物は、配位子として、芳香
族ジオール,芳香族ヒドロキシカルボン酸,芳香族ポリ
カルボン酸を配位しているジルコニウム錯体あるいはジ
ルコニウム錯塩であり、より好ましくは一般式(1)で
表せるジルコニウム錯体あるいはジルコニウム錯塩であ
る。
【0112】
【化3】 一般式(1)において、Arは置換基としてアルキル
基、アリール基、アルアルキル基、シクロアルキル基、
アルケニル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、水酸
基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニ
ル基、アシル基、アシルオキシ基、カルボキシル基、ハ
ロゲン、ニトロ基、シアノ基、アミノ基、アミド基、カ
ルバモイル基を有していてもよい。芳香族残基を表わ
し、X,Yは−0−、−CO−O−を表わし、X,Yは
同じであっても異なっていてもよく、Lは中性配位子、
水、アルコール、アンモニア、アルキルアミン、ピリジ
ンを表わし、C1は1価のカチオン、水素、1価の金属
イオン、アンモニウム、アルキルアンモニウムを表わ
し、C2は2価のカチオン、2価の金属イオンを表し、
nは2、3、4を表わし、mは0、2、4を表わす。各
錯体または錯塩において配位子となる芳香族カルボン酸
類、芳香族ジオール類は同じものであっても異なるもの
であってもよい。またn,mの数の異なる錯化合物の混
合物であっても良い。結着樹脂中への錯体、錯塩の分散
性向上の観点あるいは帯電性向上の観点から、芳香族残
基としては、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン
環、フェナントレン環が好ましく、置換基としてはアル
キル基、カルボキシル基、水酸基が好ましく、Lとして
は水が好ましく、C1としては水素、ナトリウム、カリ
ウム、アンモニウム、アルキルアンモニウムが好まし
い。
【0113】更に好ましい錯体あるいは錯塩は一般式
(2)、(3)、(4)で表わせるジルコニウム錯体ま
たは塩である。
【0114】
【化4】 一般式(2)、(3)、(4)において、Rは水素、ア
ルキル基、アリール基、アルアルキル基、シクロアルキ
ル基、アルケニル基、アルコキシ基、アリールオキシ
基、水酸基、アシルオキシ基、アルコキシカルボニル
基、アリールオキシカルボニル基、アシル基、カルボキ
シル基、ハロゲン、ニトロ基、アミノ基、カルバモイル
基を表わし、相互に連結して脂肪族環、芳香環あるいは
複素環を形成しても良く、この場合この環に置換基Rを
有していても良く、置換基Rは1から8個持っていても
よく、それぞれ同じであっても、異なっていてもよく、
Cは1価のカチオン、水素、アルカリ金属、アンモニウ
ム、アルキルアンモニウムを表わし、1は1〜8の整数
を表わし、nは2、3、4を表わし、mは0、2、4を
表わし、各錯体または錯塩において配位子となる芳香族
カルボン酸類、芳香族ジオール類は同じ物であっても異
なるものであってもよい。またn,mの数の異なる錯化
合物の混合物であっても良い。結着樹脂中への錯体、錯
塩の分散性向上の観点あるいは帯電性向上の観点から、
置換基Rとしてはアルキル基、アルケニル基、カルボキ
シル基、水酸基が好ましく、Cとしては水素、ナトリウ
ム、カリウム、アンモニウム、アルキルアンモニウムが
好ましい。特に好ましいのは、カウンターイオンを有さ
ない、一般式においてn=2の場合のジルコニウム中性
錯体であり、優れた環境安定性が得られ、結着樹脂中へ
の分散性にも優れ、良好な耐久性が得られる。
【0115】本発明に用いられるジルコニワム錯体ある
いは錯塩は、六配位または八配位の錯化合物で、八配位
の中には、配位子が橋かけした複核錯化合物となり示性
式上六配位となる錯化合物がある。このような錯化合物
の構造の代表的なものを、以下の一般化学式(5)〜
(9)でその構造を例示する。以下の構造の中には配位
子Lを持たないものも包含する。
【0116】
【化5】
【0117】
【化6】 本発明に使用される好ましい芳香族カルボン酸のジルコ
ニウム塩を一般式(10)及び(11)で示す。
【0118】
【化7】 一般式(10)、(11)において、Arは置換基とし
てアルキル基、アリール基、アルアルキル基、シクロア
ルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、アリールオキ
シ基、水酸基、アシルオキシ基、アルコキシカルボニル
基、アリールオキシカルボニル基、アシル基、カルボキ
シル基、ハロゲン、ニトロ基、シアノ基、アミノ基、ア
ミド基、カルバモイル基を有していてもよい、芳香族残
基を表わし、A1は1価のアニオン、ハロゲンイオン、
水酸イオン、硝酸イオンを表わし、A2は2価のアニオ
ン、硫酸イオン、リン酸水素イオンを表し、nは1,
2,3又は4を表わす。各金属塩において酸イオンとな
る芳香族カルボン酸類、芳香族ジオール類は同じもので
あっても異なるものであってもよい。また、nの数が異
なる塩の混合物であっても良い。結着樹脂中への金属塩
の分散性向上の観点あるいは帯電性向上の観点から、芳
香族残基としては、ベンゼン環、ナフタレン環、アント
ラセン環、フェナントレン環が好ましく、置換基として
はアルキル基、カルボキシル基、水酸基、アシルオキシ
基が好ましく、一般式(10)ではnが4のもの、一般
式(11)ではnが2のものが好ましい。
【0119】更に好ましい金属塩は一般式(12)、
(13)で表わせるジルコニウム塩である。
【0120】
【化8】 一般式(12)及び(13)において、Rは水素、アル
キル基、アリール基、アルアルキル基、シクロアルキル
基、アルケニル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、
水酸基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカル
ボニル基、アシルオキシ基、アシル基、カルボキシル
基、ハロゲン、ニトロ基、アミノ基、アミド基、カルバ
モイル基を表わし、相互に連結して脂肪族環、芳香環あ
るいは複素環を形成しても良く、この場合この環に置換
基Rを有していても良い、置換基Rは1から8個持って
いてもよく、それぞれ同じであっても、異なっていても
よく、A1は1価のアニオン、ハロゲンイオン、水酸イ
オン、硝酸イオンを表わし、A2は2価のアニオン、硫
酸イオン、リン酸水素イオンを表し、lは1〜8の整数
を表わし、nは1,2,3又は4を表わす。各金属塩に
おいて酸イオンとなる芳香族カルボン酸類、芳香族ジオ
ール類は同じものであっても異なるものであってもよ
い。また、nの数が異なる塩の混合物であっても良い。
結着樹脂中への金属塩の分散性向上の観点あるいは帯電
性向上の観点から、置換基としてはアルキル基、アルケ
ニル基、カルボキシル基、水酸基、アシルオキシ基が好
ましく、一般式(12)ではnが4のもの、一般式(1
3)ではnが2のものが好ましく、優れた環境安定性が
得られ、結着樹脂中への分散性にも優れ、優れた耐久性
が得られる。
【0121】本発明の有機ジルコニウム化合物は、塩化
酸化ジルコニウム、硫酸ジルコニウム、有機酸ジルコニ
ウムなどのジルコニウム化合物を水、アルコール、アル
コール水溶液に溶解し、芳香族カルボン酸、芳香族ジオ
ールおよびこれらのアルカリ金属塩を添加するか、ある
いは芳香族カルボン酸、芳香族ジオールとアルカリ剤を
添加することにより合成される。これらの有機ジルコニ
ウム化合物は、アルコール水溶液などで再結晶し、アル
コール洗浄で精製する。また、錯塩の場合は、生成物を
鉱酸、アルカリ剤、アミン剤で処理することにより種々
のカウンターイオンを持つ錯塩が得られる。本発明にお
いては、ジルコニウム錯塩のカウンターイオンに水素イ
オン、アルカリ金属イオン、アンモニウムイオンなど複
数種有しているものも含む。
【0122】以下に、本発明に用いられる有機ジルコニ
ウム化合物の具体例を挙げるが、ここでは、示性式を示
す。水分子を2〜4個配位しているものも含まれるが、
ここでは水分子の記載を省略する。また、カウンターイ
オンは複数種有するものも含むが、ここでは一番多いカ
ウンターイオンのみを記載する。
【0123】
【化9】
【0124】
【化10】
【0125】
【化11】
【0126】
【化12】
【0127】
【化13】
【0128】
【化14】
【0129】
【化15】
【0130】
【化16】
【0131】
【化17】
【0132】
【化18】
【0133】
【化19】
【0134】
【化20】
【0135】
【化21】
【0136】
【化22】
【0137】
【化23】
【0138】
【化24】
【0139】
【化25】
【0140】
【化26】
【0141】
【化27】
【0142】
【化28】
【0143】
【化29】
【0144】
【化30】
【0145】
【化31】
【0146】
【化32】
【0147】本発明に用いられる着色剤としては、従来
公知の着色剤が使用できる。
【0148】例えば、シアントナーに用いられるシアン
着色剤としては、銅フタロシアニン化合物及びその誘導
体,アンスラキノン化合物,塩基染料レーキ化合物等が
利用できる。具体的には、C.I.ピグメントブルー
1、7、15、15:1、15:2、15:3、15:
4、60、62、66等が好適に利用できる。
【0149】マゼンタトナーに用いられるマゼンタ着色
剤としては、縮合アゾ化合物,ジケトピロロピロール化
合物,アンスラキノン,キナクリドン化合物,塩基染料
レーキ化合物,ナフトール化合物,ベンズイミダゾロン
化合物,チオインジゴ化合物,ペリレン化合物が用いら
れる。具体的には、C.I.ピグメントレッド2、3、
5、6、7、23、48;2、48;3、48;4、5
7;1、81;1、122、144、146、166、
169、177、184、185、202、206、2
20、221、254が好ましい。
【0150】イエロートナーに用いられるイエロー着色
剤としては、縮合アゾ化合物,イソインドリノン化合
物,アンスラキノン化合物,アゾ金属錯体,メチン化合
物,アリルアミド化合物に代表される化合物が用いられ
る。具体的には、C.I.ピグメントイエロー12、1
3、14、15、17、62、74、83、93、9
4、95、109、110、111、128、129、
147、168等が好ましい。
【0151】ブラックトナーに用いられるブラック着色
剤としては、カーボンブラック、磁性体、上記に示した
シアン/マゼンタ/イエロー着色剤を用い黒色に調色さ
れたもの等が利用できる。
【0152】これらの着色剤は、単独又は混合し更には
固溶体の状態で用いることができる。本発明において着
色剤は、色相角,彩度,明度,耐候性,OHP透明性,
トナー中への分散性の点から選択される。該着色剤の添
加量は、樹脂成分100重量部に対し1〜20重量部添
加して用いることが好ましい。
【0153】上記有彩色の着色剤の中でも、シアントナ
ーは銅フタロシアニン系の顔料を含有させることが、マ
ゼンタトナーはキナクリドン系の有機顔料を含有するこ
とが、イエロートナーはジアリーリド系の有機顔料を含
有していることが、トナーの良好な帯電性、流動性及び
分光反射特性を得られる点で特に好ましい。
【0154】銅フタロシアニン系の有機顔料としては、
C.I.ピグメントブルー15;15:1;15:2;
15:3;15:4が挙げられる。さらに式(ハ)で示
される構造を有するフタロシアニン骨格にフタルイミド
メチル基を1〜5個置換したフタロシアニン顔料が挙げ
られる。他の置換基のついた銅フタロシアニン系の顔料
であっても良い。
【0155】
【化33】
【0156】その含有量としては、結着樹脂100重量
部に対して0.1〜12重量部であり、好ましくは0.
5〜10重量部、より好ましくは1〜8重量部が良い。
12重量部を上回るとシアントナーの彩度、明度が低下
し、色再現能力が低下する。
【0157】キナクリドン系の有機顔料としては、C.
I.ピグメントレッド122が好ましく、C.I.ピグ
メントレッド192,202,206,207,209
も好ましい。さらにC.I.ピグメントバイオレット1
9も好ましい。C.I.ピグメントレッド122をベー
ス顔料として、他の着色剤と併用しても良い。その際用
いられる顔料としては、C.I.ピグメントレッド1,
2,3,4,5,6,7,8,9,10,11,12,
13,14,15,16,17,18,19,21,2
2,23,30,31,32,37,38,39,4
0,41,48,49,50,51,52,53,5
4,55,57,58,60,63,64,68,8
1,83,87,88,89,90,112,114,
123,146,150,163,184,185,2
38;C.I.ピグメントバイオレット19;C.I.
バットレッド1,2,10,13,15,23,29,
35等が挙げられる。キサンテン系染料に代表される様
な染料を一部併用しても良い。
【0158】その含有量は結着樹脂100重量部に対し
て、0.1〜15重量部であり、好ましくは1〜12重
量部、より好ましくは1〜10重量部である。他の染顔
料と併用する場合であっても、他の染顔料は、キナクリ
ドン系顔料100重量部に対して50重量部以下、好ま
しくは25重量部以下が良い。
【0159】ジアリーリド系の有機顔料としては、C.
I.ピグメントイエロー12,13,14,17,8
1,106,113が好ましく、さらに、C.I.ピグ
メントイエロー55,63,83,87,90,11
4,121,124,126,127,136,15
2,170,171,172,174,176,188
であっても良い。
【0160】さらに、C.I.ピグメントイエロー1
2,13,14,17,81をベース顔料として、他の
イエロー着色剤と併用しても良く、イエロー系の染料と
一部併用しても特に何ら構ない。
【0161】その含有量は、結着樹脂100重量部に対
して0.1〜12重量部であり、好ましくは0.5〜1
0重量部、より好ましくは1〜8重量部が良い。
【0162】ブラック着色剤として、特に磁性体を用い
る場合には、他の着色剤と異なり、樹脂成分100重量
部に対し20〜200重量部、特に好ましくは40〜1
50重量部添加して用いることが良い。
【0163】磁性体としては、マグネタイト,マグヘマ
タイト,フェライト等の酸化鉄;鉄,コバルト,ニッケ
ルのような金属あるいはこれらの金属とアルミニウム,
コバルト,銅,鉛,マグネシウム,マンガン,セレン,
チタン,タングステン,バナジウムのような金属の合金
及びその混合物が用いられ、その磁性体表面あるいは内
部に非鉄元素を含有するものが好ましい。
【0164】これら磁性体は、異種元素を含有するマグ
ネタイト,マグヘマイト,フェライト等の磁性酸化鉄及
びその混合物が好ましく用いられる。中でもリチウム,
ベリリウム,ボロン,マグネシウム,アルミニウム,シ
リコン,リン,ゲルマニウム,チタン,ジルコニウム,
錫,鉛,亜鉛,カルシウム,バリウム,スカンジウム,
バナジウム,クロム,マンガン,コバルト,銅,ニッケ
ル,ガリウム,カドミウム,インジウム,銀,パラジウ
ム,金,水銀,白金,タングステン,モリブデン,ニオ
ブ,オスミウム,ストロンチウム,イットリウム,テク
ネチウム,ルテニウム,ロジウム,ビスマスから選ばれ
る少なくとも一つ以上の元素を含有する磁性酸化鉄であ
ることが好ましい。特にリチウム,ベリリウム,ボロ
ン,マグネシウム,アルミニウム,シリコン,リン,ゲ
ルマニウム,ジルコニウム,錫,第4周期の遷移金属元
素が好ましい元素である。これらの元素は酸化鉄結晶格
子の中に取り込まれても良いし、酸化物として酸化鉄中
に取り込まれても良いし、表面に酸化物あるいは水酸化
物として存在しても良い。また、酸化物として含有され
ているのが好ましい形態である。
【0165】また、これらの磁性体は粒度分布が揃い、
その結着樹脂への分散性とあいまって、トナーの帯電性
を安定化することが出来る。近年はトナー粒径の小径化
が進んでおり、重量平均粒径10μm以下のような場合
でも、帯電均一性が促進され、トナーの凝集性も軽減さ
れ、画像濃度の向上,カブリの改善等現像性が向上す
る。特に重量平均粒径6.0μm以下のトナーにおいて
はその効果は顕著であり、きわめて高精細な画像が得ら
れる。重量平均粒径は2.5μm以上である方が十分な
画像濃度が得られて好ましい。
【0166】これらの異種元素の含有率は磁性酸化鉄の
鉄元素を基準として0.05〜10重量%であることが
好ましい。更に好ましくは0.1〜7重量%であり、特
に好ましくは0.2〜5重量%、更には0.3〜4重量
%である。0.05重量%より少ないと、これら元素の
含有効果が得られなく、良好な分散性,帯電均一性が得
られなくなる。また、10重量%より多くなると、電荷
の放出が多くなり帯電不足を生じ、画像濃度が低くなっ
たり、カブリが増加することがある。
【0167】これら磁性体中の異種元素の含有分布にお
いては、磁性体の表面に近い方に多く存在しているもの
が好ましい。例えば、磁性酸化鉄の鉄元素溶解率が20
重量%までに存在する異種元素の含有量Bと該磁性酸化
鉄の異種元素の全含有量Aとの比(B/A)×100が
40%以上であることが好ましい。さらには40〜80
%が好ましく60〜80%が特に好ましい。表面存在量
を多くすることにより分散効果や電気的拡散効果をより
向上させることが出来る。
【0168】また、本発明の磁性トナーに用いる磁性酸
化鉄は、シランカップリング剤、チタンカップリング
剤、チタネート、アミノシラン等で処理しても良い。
【0169】本発明の磁性酸化鉄中の元素量は、蛍光X
線分析装置SYSTEM3080(理学電機工業(株)
社製)を使用し、JIS K0119蛍光X線分析通則
に従って、蛍光X線分析を行うことにより測定した。元
素分布については、塩酸溶解しながらの元素量をプラズ
マ発光分光(ICP)により測定定量し、各元素の全溶
時の濃度に対する各溶解時の各元素濃度からその溶解率
を求めた。
【0170】本発明のトナーに使用される結着樹脂は、
本発明中のポリエステル樹脂に加えて、本発明に悪影響
の無い程度で他の樹脂との併用が可能である。
【0171】例えば、ポリスチレン,ポリ−p−クロル
スチレン,ポリビニルトルエンなどのスチレンおよびそ
の置換体の単重合体;スチレン−p−クロルスチレン共
重合体,スチレン−ビニルトルエン共重合体,スチレン
−ビニルナフタリン共重合体,スチレン−アクリル酸エ
ステル共重合体,スチレン−メタクリル酸エステル共重
合体,スチレン−α−クロルメタクリル酸メチル共重合
体,スチレン−アクリロニトリル共重合体,スチレン−
ビニルメチルエーテル共重合体,スチレン−ビニルエチ
ルエーテル共重合体,スチレン−ビニルメチルケトン共
重合体,スチレン−ブタジエン共重合体,スチレン−イ
ソプレン共重合体,スチレン−アクリロニトリル−イン
デン共重合体などのスチレン系共重合体;ポリ塩化ビニ
ル,フェノール樹脂,天然変性フェノール樹脂,天然樹
脂変性マレイン酸樹脂,アクリル樹脂,メタクリル樹
脂,ポリ酢酸ビニール,シリコーン樹脂,ポリエステル
樹脂,ポリウレタン,ポリアミド樹脂,フラン樹脂,エ
ポキシ樹脂,キシレン樹脂,ポリビニルブチラール,テ
ルペン樹脂,クマロンインデン樹脂,石油系樹脂などが
使用できる。好ましい結着物質としては、スチレン系共
重合体がある。
【0172】スチレン系共重合体のスチレンモノマーに
対するコモノマーとしては、例えば、アクリル酸,アク
リル酸メチル,アクリル酸エチル,アクリル酸ブチル,
アクリル酸ドデシル,アクリル酸オクチル,アクリル酸
−2−エチルヘキシル,アクリル酸フェニル,メタクリ
ル酸,メタクリル酸メチル,メタクリル酸エチル,メタ
クリル酸ブチル,メタクリル酸オクチル,アクリロニト
リル,メタクリニトリル,アクリルアミドなどのような
二重結合を有するモノカルボン酸もしくはその置換体;
例えば、マレイン酸,マレイン酸ブチル,マレイン酸メ
チル,マレイン酸ジメチルなどのような二重結合を有す
るジカルボン酸およびその置換体;例えば塩化ビニル,
酢酸ビニル,安息香酸ビニルなどのようなビニルエステ
ル類;例えばエチレン,プロピレン,ブチレンなどのよ
うなエチレン系オレフィン類;例えばビニルメチルケト
ン,ビニルヘキシルケトンなどのようなビニルケトン
類;例えばビニルメチルエーテル,ビニルエチルエーテ
ル,ビニルイソブチルエーテルなどのようなビニルエー
テル類;等のビニル単量体が単独もしくは2つ以上用い
られる。
【0173】本発明に係る樹脂組成物は、保存性の観点
から、ガラス転移温度(Tg)が45〜75℃、好まし
くは50〜70℃であり、Tgが45℃より低いと高温
雰囲気下でトナーが劣化し易く、定着時にオフセットが
発生し易くなる。また、Tgが75℃を超えると、定着
性が低下する傾向にある。
【0174】また、本発明のトナーには、無機微粉体ま
たは疎水性無機微粉体が混合されることが好ましい。例
えば、シリカ微粉末、アルミナ微粉末、酸化チタン微粉
末を添加して用いることがより好ましい。
【0175】本発明に用いられるシリカ微粉体は、ケイ
素ハロゲン化合物の蒸気相酸化により生成されたいわゆ
る乾式法またはヒュームドシリカと称される乾式シリカ
及び水ガラス等から製造されるいわゆる湿式シリカの両
方が使用可能であるが、表面及び内部にあるシラノール
基が少なく、製造残渣のない乾式シリカの方が好まし
い。
【0176】さらに本発明に用いるシリカ微粉体等は疎
水化処理されているものが好ましい。疎水化処理するに
は、シリカ微粉体と反応あるいは物理吸着する有機ケイ
素化合物などで化学的に処理することによって付与され
る。好ましい方法としては、ケイ素ハロゲン化合物の蒸
気相酸化により生成された乾式シリカ微粉体をシランカ
ップリング剤で処理した後、あるいはシランカップリン
グ剤で処理すると同時にシリコーンオイルの如き有機ケ
イ素化合物で処理する方法が挙げられる。
【0177】疎水化処理に使用されるシランカップリン
グ剤としては、例えばヘキサメチルジシラザン、トリメ
チルシラン、トリメチルクロルシラン、トリメチルエト
キシシラン、ジメチルジクロルシラン、メチルトリクロ
ルシラン、アリルジメチルクロルシラン、アリルフェニ
ルジクロルシラン、ベンジルジメチルクロルシラン、ブ
ロムメチルジメチルクロルシラン、α−クロルエチルト
リクロルシラン、β−クロルエチルトリクロルシラン、
クロルメチルジメチルクロルシラン、トリオルガノシラ
ンメルカプタン、トリメチルシリルメルカプタン、トリ
オルガノシリルアクリレート、ビニルジメチルアセトキ
シシラン、ジメチルエトキシシラン、ジメチルジメトキ
シシラン、ジフェニルジエトキシシラン、ヘキサメチル
ジシロキサン、1,3−ジビニルテトラメチルジシロキ
サン、1,3−ジフェニルテトラメチルジシロキサンが
挙げられる。
【0178】有機ケイ素化合物としては、シリコーンオ
イルが挙げられる。好ましいシリコーンオイルとして
は、25℃における粘度がおよそ30〜1,000セン
チストークスのものが用いられ、例えばジメチルシリコ
ーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル、α−メ
チルスチレン変性シリコーンオイル、クロルフェニルシ
リコーンオイル、フッ素変性シリコーンオイル等が好ま
しい。
【0179】シリコーンオイル処理の方法は、例えばシ
ランカップリング剤で処理されたシリカ微粉体とシリコ
ーンオイルとをヘンシェルミキサー等の混合機を用いて
直接混合しても良いし、ベースとなるシリカヘシリコー
ンオイルを噴射する方法によっても良い。あるいは適当
な溶剤にシリコーンオイルを溶解あるいは分散せしめた
後、ベースのシリカ微粉体とを混合し、溶剤を除去して
作製しても良い。
【0180】本発明中のトナーには、必要に応じて上記
無機微粉体以外の外部添加剤を添加してもよい。
【0181】例えば帯電補助剤、導電性付与剤、流動性
付与剤、ケーキング防止剤、熱ロール定着時の離型剤、
滑剤、研磨剤等の働きをする樹脂微粒子や無機微粒子で
ある。
【0182】例えばテフロン(登録商標),ステアリン
酸亜鉛,ポリ弗化ビニリデンの如き滑剤、中でもポリ弗
化ビニリデンが好ましい。或いは酸化セリウム,炭化ケ
イ素,チタン酸ストロンチウム等の研磨剤、中でもチタ
ン酸ストロンチウムが好ましい。或いは例えば酸化チタ
ン,酸化アルミニウム等の流動性付与剤、中でも特に疎
水性のものが好ましい。ケーキング防止剤、或いは例え
ばカーボンブラック,酸化亜鉛,酸化アンチモン,酸化
スズ等の導電性付与剤、また逆極性の白色微粒子及び黒
色微粒子を現像性向上剤として少量用いることもでき
る。
【0183】トナーと混合される無機微粉体または疎水
性無機微粉体は、トナー100重量部に対して0.1〜
5重量部(好ましくは、0.1〜3重量部)使用するの
が良い。
【0184】本発明に係るトナーを作製するには、上述
したようなトナー構成材料をボールミル,ヘンシェルミ
キサー等の混合機により十分混合した後、熱ロールニー
ダー,エクストルーダーの熱混練機を用いてよく混練
し、冷却固化後、機械的な粉砕、分級によってトナーを
得る方法が好ましく、本発明に係るトナーを製造するこ
とが出来る。
【0185】次に、本発明の画像形成方法について説明
する。
【0186】本発明の画像形成方法は、潜像保持体を帯
電する帯電工程;帯電された潜像保持体に静電潜像を形
成する潜像形成工程;該静電潜像をトナーによって現像
してトナー画像を形成する現像工程;現像されたトナー
画像を中間転写体を介して、又は介さずに記録材上に転
写する転写工程;及び記録材上に転写されたトナー画像
の表面に定着部材を接触させ、且つ該トナー画像に熱及
び圧力を付与することにより、該トナー画像を該記録材
上に定着する定着工程;を有しており、該現像工程が、
少なくとも結着樹脂、ワックス、有機金属化合物及び着
色剤を有するカラートナーを用いる工程であって、該結
着樹脂が、少なくとも3価以上の多価カルボン酸単量体
ユニットと、炭素数5〜30の飽和もしくは不飽和の脂
肪族炭化水素基を有する多価カルボン酸単量体ユニット
及び/又は多価アルコール単量体ユニットを含有し、該
結着樹脂中の該3価以上の多価カルボン酸単量体ユニッ
トの含有量をXa mol%、該炭素数5〜30の飽和
もしくは不飽和の脂肪族炭化水素基を有する多価カルボ
ン酸単量体ユニット及び/又は多価アルコール単量体ユ
ニットの含有量をYa mol%としたとき、下記条件 0.5<Xa<15 5<Ya<30 2≦Ya/Xa≦10 を満足する非線状ポリエステル樹脂A、及び、3価以上
の多価カルボン酸単量体ユニットを非線状ポリエステル
樹脂Aよりも少ない量で含有する非線状のポリエステル
樹脂Bからなり、非線状ポリエステル樹脂Aと非線状ポ
リエステル樹脂Bの混合重量比が、20/80〜80/
20であり、且つ、示差走査熱量計(DSC)測定によ
る最大吸熱ピークが60〜135℃にある本発明中の特
定のカラートナーを用いて静電潜像を現像してトナー画
像を形成する工程であることを特徴とする。
【0187】トナー画像に熱及び圧力を付与することに
より、該トナー画像を該記録材上に定着する定着工程に
関しては、種々の方法や装置が開発されているが、現在
最も一般的な方法は熱ローラーによる圧着加熱方式であ
る。従来、熱ローラーの如き記録材上に転写されたトナ
ー画像の表面に定着部材を接触させ、且つ該トナー画像
に熱及び圧力を付与することにより、トナー画像を記録
材上に定着する定着方式では、定着部材表面とトナー像
とが溶融状態で加圧下で接触するためにトナー像の一部
が定着部材表面に付着、転移し、次の被定着シートを汚
すことがある(オフセット現象)。
【0188】また、色材の3原色であるイエロー、マゼ
ンタ、シアンの3色のトナー又はそれに黒色トナーを加
えた4色のトナーを用いて、各色トナーを重ねあわて加
熱定着し、トナーの混色によりフルカラー色再現を行な
うカラー画像形成方式では、多色画像を紙或いはオバー
ヘッドプロジェクターシート(OHT)等の被定着シー
ト上に定着し、色再現・OHT画像の透過性を満足しな
くてはならない。このため被定着シート上のトナー層を
十分に溶融し、画像表面を平滑にすることが要求され
る。このため、画像の平滑性とオフセット防止を両立す
ることが求められる。
【0189】これらに対し本発明は、本発明中の定着部
材との離型性及び混色性に優れる特定のカラートナーを
適用することで、画像の平滑性とオフセット防止を両立
するものである。
【0190】本発明においては、定着工程は、定着部材
から記録材のトナー画像の定着面に供給される定着オイ
ルの記録材単位面積当たりの塗布量が0〜1×10-7
/cm2で、トナー画像を記録材上に定着する工程であ
ることが好ましい。
【0191】画像の平滑性とオフセット防止を両立する
目的で、定着部材にシリコーンオイル等の定着オイルを
離型剤として供給しローラ上に均一に被覆する手段が広
く用いられている。定着部材から記録材のトナー画像の
定着面に供給される定着オイル(例えばシリコーンオイ
ル)の記録材単位面積当たりの塗布量の規制手段として
は、ウェブ、パッド或いはローラー等にオイルを含浸さ
せ供給する形態が可能であり、定着部材(例えばシリコ
ーンゴムローラー)にオイルを含浸させたものでも可能
である。
【0192】しかし、定着オイルを塗布及び又は供給す
る場合、被定着シートの定着オイルによるベタツキ感、
得られるカラー画像のてかり等の問題があり、初期と長
期間使用後での離型剤供給量が異なることで、得られる
画質(例えばグロス、オイルのベタツキ感等)が変動し
易く、離型剤供給量を一定化するためには煩雑な離型剤
の塗布及び又は供給機構が必要となる。簡易な手段で本
発明の如く極微量の離型剤を塗布しようとする場合、オ
イルの塗布ムラを生じ易く、得られる画像上でのオイル
の付着ムラは画像品位を大幅に低下させる。定着オイル
の塗布機構或いはオイルの補充等が小型化、安価な装
置、低ランニングコスト等の阻害因子となっている。
【0193】これらに対し、定着部材から記録材のトナ
ー画像の定着面に供給される定着オイルの記録材単位面
積当たりの塗布量が0〜1×10-7g/cm2とするこ
とで、画像のてかりを抑制することが可能である。本発
明中の特定のカラートナーを適用することで、画像のて
かりを抑制しつつ、画像の平滑性とオフセット防止を両
立することが可能である。
【0194】好ましくは、カラー画像の定着オイルによ
るグロスのムラを抑制するために、定着部材から記録材
のトナー画像の定着面に供給される定着オイルの記録材
単位面積当たりの塗布量は、0〜3×10-8g/cm2
であることが良く、より好ましくは0〜1×10-8g/
cm2であることが良い。
【0195】更に本発明においては、定着工程は、定着
部材から記録材に定着オイルを供給することなくトナー
画像を記録材上に定着する工程であることが好ましく良
い。
【0196】本発明の目的の一つである完全オイルレス
定着、即ちシリコーンオイル等の定着オイルを塗布しな
い(定着部材が転写材上のトナー画像に接触する表面の
定着オイル存在量が実質的に0g/cm2)ことによっ
て、カラー画像形成装置の小型化、低コスト化が可能で
あり、繰り返し使用或いは経時での定着オイルの供給量
の変化によるカラー画像品位の変化がなくなる。本発明
中の特定のカラートナーを適用することで、完全オイル
レス定着においても、オフセットを防止しつつ、画像の
平滑性に優れ適度で安定したグロスを示すカラー画像を
小型、低コストの装置で得ることが可能となる。
【0197】次に、本発明の画像形成方法における定着
工程について、熱ロール定着を例として図9を基に説明
する。
【0198】本発明の画像形成方法における定着工程
は、記録材上に形成されているトナー画像の表面に定着
部材を接触させ、且つトナー画像に熱及び圧力を付与す
ることにより、トナー画像を記録材に定着するものであ
り、このトナー画像を形成するためのトナーとして上述
した本発明中の特定のトナーを用いるものである。
【0199】例えば、記録材上に転写された未定着のト
ナー画像は、図9に示す加熱ローラ153及び加圧ロー
ラ154を有する加熱加圧定着装置へ導入され加熱定着
される。
【0200】定着装置の機械的構成としては、記録材1
60上のトナー画像161が直接接触する側の定着ロー
ラー153として弾性ローラーを使用することが好まし
い。即ち、定着ローラーが弾性を有する場合は、未定着
のトナー画像表面の凹凸に対して定着ローラー表面自身
が変形して押圧するために、トナー画像の均一な加熱、
加圧が可能となり、光沢性の均一化に一層効果的であ
る。
【0201】本発明の画像形成方法においては、記録材
上160に重ねられた複数色のカラートナー画像を、接
触加熱及び加圧する定着部材によって定着する工程を有
しており、記録材160へのトナー画像161の定着時
に、定着部材である定着ローラー153から記録材16
0のトナー画像161の定着面に供給されるシリコーン
オイルの記録材単位面積当たりの塗布量が0〜1×10
-7g/cm2、好ましくは0乃至3×10-8g/cm2
より好ましくはシリコーンオイルを塗布しない(0g/
cm2)ことが良い。
【0202】また、必要に応じて記録材160と定着ロ
ーラー153または加圧ローラー154との分離爪15
9が定着装置に設けられる。
【0203】本発明の定着部材へのシリコーンオイルの
塗布形態としては、ウェブ或はパッド等にシリコーンオ
イルのを含浸させ供給する簡易な形態が可能である。ま
た、予め定着部材、例えばシリコーンゴムローラにオイ
ルを含浸させたものでも可能である。
【0204】定着温度は140〜180℃程度の範囲が
好ましく、加圧力は20〜60kgf程度が好ましい。
【0205】本発明においては、上記の画像形成方法の
説明で用いた画像形成装置を構成する各構成部材のうち
複数の構成部材をユニット化して、画像形成装置本体に
脱離可能に装着できる装置ユニットを構成することがで
きる。
【0206】本発明の装置ユニットは、静電潜像を現像
するためのトナー、該トナーを保有するためのトナー容
器、該トナー容器に保有されているトナーを担持し、且
つ現像領域に搬送するためのトナー担持体、及び該トナ
ー担持体に担持されるトナーの層厚を規制するためのト
ナー層厚規制部材を少なくとも有しており、画像形成装
置本体に脱離可能に装着されるものであり、このトナー
として上述した本発明のトナーを用いる。
【0207】このような装置ユニットとしては、例えば
図7に示す現像装置170及び図8に示す現像装置18
0が挙げられる。
【0208】図7に示す現像装置170を装置ユニット
とする場合には、トナー容器としての現像容器171、
トナーとしての一成分現像剤176、トナー担持体とし
ての現像スリーブ172、及びトナー層厚規制部材とし
ての弾性ブレード174に加えて、現像剤スリーブ17
2上に一成分現像剤を供給するための供給ローラー17
3をユニット化して構成しても良い。
【0209】図8に示す現像装置180を装置ユニット
とする場合には、トナー容器としての現像容器181、
トナーとしての一成分現像剤188、トナー担持体とし
ての弾性ローラー182、及び、トナー層厚規制部材と
しての弾性ブレード186に加えて、弾性ローラー18
2上に一成分現像剤を供給するための供給ローラー18
5及び現像容器内181内の一成分現像剤188を攪拌
するための攪拌部材187をユニット化して構成しても
良い。
【0210】更に図7に示す現像装置170又は図8に
示す現像装置180を、例えば図3に示すフルカラー画
像形成装置の現像手段17a、17b、17c及び17
dにそれぞれ用いる場合、装置ユニットとして現像手段
17aと潜像保持体としての感光ドラム19aとをユニ
ット化して装置ユニットを構成することができ、この装
置ユニットを画像形成装置本体に脱離可能に装着するこ
とができる。同様に現像手段17bと感光ドラム19b
とを、現像手段17cと感光ドラム19cとを、現像手
段17dと感光ドラム19dとをそれぞれユニット化し
て装置ユニットを構成することができる。
【0211】この場合には、現像手段17a及び感光ド
ラム19aに加えて、クリーニング手段18aを加えて
ユニット化した装置ユニットを構成することができる。
【0212】本発明の画像形成方法及び画像形成装置に
ついて詳細に説明する。
【0213】本発明の画像形成方法は、潜像保持体を帯
電する帯電工程;帯電された潜像保持体に静電潜像を形
成する潜像形成工程;該静電潜像をトナーによって現像
してトナー画像を形成する現像工程;現像された該トナ
ー画像を中間転写体を介して又は介さずに記録材に転写
する工程(転写工程);及び転写された該トナー画像を
該記録材に定着する工程(定着工程);を有するもので
あり、トナーとして上述の如く本発明中の特定のトナー
を用いるものである。
【0214】帯電工程において、帯電部材としては、コ
ロナ帯電器の如き潜像担持体の表面に非接触で帯電を行
う非接触帯電部材、ブレード、ローラー及びブラシの如
き潜像担持体の表面に接触して帯電を行う接触帯電部
材、ブレード及びローラー如き帯電部材を潜像担持体の
表面に(1mm以下に)近接させて帯電を行う近接帯電
部材のいずれも用いることができるが、帯電時のオゾン
の発生を少なくできることから、接触帯電部材或いは近
接帯電部材を用いることが好ましい。
【0215】接触帯電は、感光体に、ローラー型、ブレ
ード型、ブラシ型、磁気ブラシ型等の電荷供給部材とし
ての帯電部材を接触させ、この接触帯電部材に所定の帯
電バイアスを印加して感光体面を所定の極性・電位に一
様帯電させるものである。コロナ帯電器による帯電処理
との対比において、電源の低電圧化が図れ、オゾンの発
生量が少ない、低電力化等の長所を有している。この中
でも特に接触帯電部材として導電ローラー(帯電ローラ
ー)を用いたローラー帯電方式が帯電の安定性という点
から好ましく用いられている。
【0216】具体的には、帯電は帯電部材から被帯電体
への放電によって行なわれるため、ある閾値電圧以上の
電圧を印加することによって帯電が開始される。例を示
すと、ある有機感光体に対して帯電ローラーを加圧当接
させた場合には、約640V以上の電圧を印加すれば感
光体の表面電位が上昇を始め、それ以降は印加電圧に対
して傾き1で線形に感光体表面電位が増加する。以後、
この閾値電圧を放電開始電圧(帯電開始電圧)Vthと
定義する(接触帯電部材に直流電圧を印加して被帯電体
としての像担持体の帯電が開始する場合の接触帯電部材
への印加電圧値)。
【0217】このようにしてDC電圧のみを接触帯電部
材に印加して帯電を行なう方式を「DC帯電方式」と称
す。
【0218】しかし、DC帯電方式においては環境変動
等によって接触帯電部材の抵抗値が変動するため、また
感光体が削れることによって膜厚が変化すると放電開始
電圧Vthが変動するため、感光体の電位を所望の値に
することが難しかった。
【0219】そこで、更なる帯電の均一化を図るために
特開昭63−149669号公報に開示されるように、
所望の被帯電体表面電位Vに相当するDC電圧に2×V
th以上のピーク間電圧を持つ交流電圧成分(AC電圧
成分)を重畳した電圧(交番電圧・脈流電圧・振動電
圧;時間とともに電圧値が周期的に変化する電圧)を接
触帯電部材に印加する「AC帯電方式」が用いられる。
これはAC電圧による電位のならし効果を目的としたも
のであり、被帯電体の電位はAC電圧のピークの中央で
ある電位Vに収束し、環境等の外乱には影響されること
はなく、接触帯電方法として優れた方法である。
【0220】ここで、AC電圧の波形としては、正弦
波、矩形波、三角波等適宜使用可能である。また直流電
源を周期的にオン/オフすることによって形成された矩
形波であってもよい。このようにAC電圧の波形として
は周期的にその電圧値が変化するようなバイアスが使用
できる。
【0221】被帯電体としての像担持体の表面に電荷注
入層(充電層)を具備させ、電圧を印加した接触帯電部
材で電荷注入層に直接に電荷を注入して像担持体面を所
定の極性・電位に帯電させる注入帯電方式もあり、これ
も接触帯電の範疇である。
【0222】近接帯電は、帯電部材は被帯電体面に必ず
しも接触させなくとも帯電部材と被帯電体面との間に、
ギャップ間電圧とパッシェンカーブで決まる放電可能領
域さえ確実に保証されれば、非接触で近接した配設形態
であっても被帯電体の帯電を行なわせることができるこ
とを利用したものである。
【0223】近接帯電は、帯電部材を被帯電体面に対し
て数10〜数100μm程度の僅少な空隙部を存在させ
て非接触に対向配設し、該帯電部材にDC電圧あるいは
DC+AC電圧を印加することで被帯電体面を所定の極
性・電位に一様帯電させるものである。
【0224】近接帯電もコロナ帯電器による帯電処理と
の対比において、電源の低電圧化が図れ、オゾンの発生
量が少ない上、さらに帯電部材が被帯電体に非接触であ
るため被帯電体に損傷を与えないメリットがある。
【0225】潜像担持体としては、アモルファスセレ
ン,硫化カドミウム,酸化亜鉛,有機光導電体,アモル
ファスシリコンの様な光導電絶縁物質層を持つ電子写真
感光体・静電記録誘電体等が例示され、感光体ドラムも
しくは感光ベルト等として用いられる。これらのうち、
潜像担持体としては、アモルファスシリコン感光層又は
有機系感光層を有する感光体が好ましく用いられる。
【0226】有機感光層としては、感光層が電荷発生物
質及び電荷輸送性能を有する物質を同一層に含有する単
一層型でもよく、又は、電荷輸送層と電荷発生層を成分
とする機能分離型感光層であってもよい。導電性基体上
に電荷発生層、次いで電荷輸送層の順で積層されている
構造の積層型感光層は好ましい例のひとつである。
【0227】本発明に用いられる像担持体の好ましい態
様のひとつを以下に説明する。
【0228】導電性基体としては、アルミニウム、ステ
ンレスの如き金属;アルミニウム合金、酸化インジウム
−酸化錫合金による被膜層を有するプラスチック;導電
性粒子を含浸させた紙、プラスチック、導電性ポリマー
を有するプラスチック等の円筒状シリンダー及びフィル
ムが用いられる。すなわち、導電材料をそのままドラム
形状或いはベルト等のフィルム形状に成形加工してもよ
いし、塗料として、或いは蒸着、エッチング、プラズマ
処理等によって加工してもよい。
【0229】これら導電性基体上には、感光層の接着性
向上、塗工性改良、基体の保護、基体上の欠陥の被覆、
基体からの電荷注入性改良、感光層の電気的破壊に対す
る保護を目的として下引き層を設けても良い。下引き層
は、ポリビニルアルコール、ポリ−N−ビニルイミダゾ
ール、ポリエチレンオキシド、エチルセルロース、メチ
ルセルロース、ニトロセルロース、エチレン−アクリル
酸コポリマー、ポリビニルブチラール、フェノール樹
脂、カゼイン、ポリアミド、共重合ナイロン、ニカワ、
ゼラチン、ポリウレタン、酸化アルミニウム等の材料に
よって形成される。その膜厚は通常0.1〜10μm、
より好ましくは0.1〜3μmが良い。
【0230】電荷発生層は、アゾ系顔料、フタロシアニ
ン系顔料、インジゴ系顔料、ペリレン系顔料、多環キノ
ン系顔料、スクワリリウム色素、ピリリウム塩類、チオ
ピリリウム塩類、トリフェニルメタン系色素の如き有機
化合物又は非晶質シリコンの如き無機物質で形成されて
いる電荷発生物質を適当な結着材に分散し塗工あるいは
蒸着により形成される。結着材としては、広範囲な結着
性樹脂から選択できる。例えば、ポリカーボネート樹
脂、ポリエステル樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポ
リスチレン樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、フェ
ノール樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、酢酸ビニ
ル樹脂等が挙げられる。電荷発生層中に含有される結着
材の量は80重量%以下、好ましくは0〜40重量%が
良い。電荷発生層の膜厚は5μm以下、特には0.05
〜2μmが好ましい。
【0231】電荷輸送層は、電荷の存在下で電荷発生層
から電荷キャリアを受け取り、これを輸送する機能を有
している。電荷輸送層は電荷輸送物質を必要に応じて結
着樹脂と共に溶剤中に溶解し、塗工することによって形
成され、その膜厚は一般的には5〜40μmである。電
荷輸送物質としては、主鎖または側鎖にビフェニレン、
アントラセン、ピレン、フェナントレンの如き構造を有
する多環芳香族化合物、インドール、カルバゾール、オ
キサジアゾール、ピラゾリンの如き含窒素環式化合物、
ヒドラゾン化合物、スチリル化合物、非晶質シリコン等
が挙げられる。
【0232】これら電荷輸送物質を分散させる結着樹脂
としては、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、
ポリメタクリル酸エステル、ポリスチレン樹脂、アクリ
ル樹脂、ポリアミド樹脂の如き樹脂;ポリ−N−ビニル
カルバゾール、ポリビニルアントラセンの如き有機光導
電性ポリマー等が挙げられる。
【0233】また、本発明方法に用いられる有機感光体
の別の様態としては、上述の電荷発生物質及び電荷輪送
能を有する物質を同一層に含有させた感光層を導電性基
体上に形成したもの等も挙げられる。
【0234】また、表面層として、保護層を設けてもよ
い。保護層の樹脂としては、ポリエステル樹脂、ポリカ
ーボネイト樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、フェノ
ール樹脂、あるいはこれらの樹脂を硬化剤で硬化させた
ものが挙げられる。これらは単独あるいは2種以上組み
合わされて用いられる。
【0235】保護層の樹脂中の導電性微粒子を分散して
もよい。導電性微粒子としては、金属又は金属酸化物が
挙げられる。好ましくは、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化
スズ、酸化アンチモン、酸化インジウム、酸化ビスマ
ス、酸化スズ被膜酸化チタン、スズ被膜酸化インジウ
ム、アンチモン被膜酸化スズ、酸化ジルコニウムで形成
されている超微粒子がある。これらは単独で用いても2
種以上を混合して用いても良い。一般的に保護層に粒子
を分散させる場合、分散粒子による入射光の散乱を防ぐ
ために入射光の波長よりも粒子の粒径の方が小さいこと
が好ましい。保護層に分散される導電性粒子又は絶縁性
粒子の粒径としては0.5μm以下であることが好まし
い。保護層中での含有量は、保護層総重量に対して2〜
90重量%が好ましく、5〜80重量%がより好まし
い。保護層の膜厚は、0.1〜10μmが好ましく、1
〜7μmがより好ましい。
【0236】表面層の塗工は、樹脂分散液をスプレーコ
ーティング、ビームコーティングあるいは浸透コーティ
ングすることによって行うことができる。
【0237】また、表面層に離型性を付与することも好
ましく、この効果により、トナーの転写効率を改良する
ことができる。潜像担持体表面が高分子結着材を主体と
して構成される場合、例えば、セレン、アモルファスシ
リコンの如き無機感光体の上に樹脂を主体とした保護膜
を設ける場合、又は機能分離型有機感光体の電荷輪送層
として、電荷輸送剤と樹脂からなる表面層をもつ場合、
さらにその上に保護層を設ける場合に特に有効である。
【0238】表面層に離型性を付与する手段としては、
イ)膜を構成する樹脂自体に表面エネルギーの低いもの
を用いる、ロ)撥水、親油性を付与するような添加剤を
加える、ハ)高い離型性を有する材料を粉体状にして分
散するが挙げられる。イ)の例としては、樹脂の構造中
にフッ素含有基、シリコン含有基を導入することにより
達成し得る。ロ)としては、界面活性剤を添加剤とすれ
ばよい。ハ)としては、フッ素原子を含む化合物(例え
ば、四フッ化エチレン、ポリフッ化ビニリデン、フッ化
カーボン等)の粉体が挙げられる。この中でも特にポリ
4フッ化エチレンが好適である。特に含フッ素樹脂の如
き離型性粉体の最表面層への分散が好適である。
【0239】これらの粉体を表面に含有させるために
は、バインダー樹脂中に該粉体を分散させた層を像担持
体最表面に設けるか、あるいは、元々樹脂を主体として
構成されている有機像担持体であれば、新たに表面層を
設けなくても、最上層に該粉体を分散させれば良い。
【0240】該粉体の表面層への添加量は、表面層総重
量に対して、1〜60重量%、さらには、2〜50重量
%が好ましい。1重量%より少ないと転写効率が改善さ
れず、60重量%を超えると膜の強度が低下したり、像
担持体ヘの入射光量が低下したりするため、好ましくな
い。また、該粉体の粒径については、画質の面から1μ
m以下、より好ましくは0.5μm以下が良い。1μm
より大きいと入射光の散乱によりラインの切れが悪くな
る。
【0241】更に、表面層として、電荷注入層を有する
ことも本発明の画像形成方法の好ましい様態の一つであ
る。
【0242】この電荷注入層の体積抵抗値は、十分な帯
電性と画像流れを起こさないよう1×108〜1×10
15Ωcmであることが好ましく、より好ましくは画像流
れなどの点から、体積抵抗値が1×1010〜1×1015
Ωcm、更に体積抵抗値の環境変動なども考慮すると、
体積抵抗値が1×1010〜1×1014Ωcmのものを用
いるのが望ましい。1×108Ωcm未満では高湿環境
で帯電電荷が表面方向に保持されないため画像流れを生
じ、1×1015Ωcmを超えると帯電部材からの帯電電
荷を十分注入・保持できず、帯電不良を生じる傾向にあ
る。このような機能層を感光体表面に設けることによっ
て、帯電部材から注入された帯電電荷を保持する役割を
果たし、更に光露光時にこの電荷を感光体基体に逃す役
割を果たし、残留電位を低減させる。このような感光体
と注入帯電用の接触帯電部材とを用いる構成をとること
によって、帯電開始電圧Vthが小さく、感光体帯電電
位を帯電部材に印加する電圧のほとんど90%以上まで
に帯電させることが可能となる。
【0243】例えば、帯電部材に絶対値で100〜20
00Vの直流電圧を印加した時、電荷注入層を有する電
子写真感光体の帯電電位は印加電圧の80%以上、更に
は90%以上にすることができる。これに対し、従来の
放電を利用した帯電によって得られる感光体の帯電電位
は、印加電圧が放電開始電圧以下ではほとんど0Vであ
り、1000Vの直流電圧でも印加電圧の50%に満た
ない程度の帯電電位しか得られかった。
【0244】電荷注入層は金属蒸着膜などの無機の層、
あるいは導電性微粒子を結着樹脂中に分散させた導電性
微粒子分散層などによって構成され、蒸着膜は蒸着、導
電性微粒子分散膜は浸漬塗工法、スプレー塗工法、ロー
ルコート塗工、及びビーム塗工法などの適当な塗工法に
て塗工することによって形成される。また、絶縁性のバ
インダーに光透過性の高いイオン導電性を持つ樹脂を混
合、もしくは共重合させて構成するもの、または中抵抗
で光導電性のある樹脂単体で構成するものでもよい。導
電性微粒子分散膜の場合、導電性微粒子の添加量は結着
樹脂100重量部に対して2〜250重量部、更には2
〜190重量部であることが好ましい。2重量部未満の
場合には、所望の体積抵抗値を得にくくなり、また25
0重量部を超える場合には膜強度が低下してしまい電荷
注入層が削り取られ易くなり、感光体の寿命が短くなる
傾向になるからであり、また抵抗が低くなってしまい、
潜像電位が流れることによる画像不良を生じ易くなるか
らである。
【0245】電荷注入層の結着樹脂としては、ポリエス
テル樹脂、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、エポ
キシ樹脂、フェノール樹脂、あるいはこれらの樹脂を硬
化剤で硬化させたものが挙げられる。これらは単独ある
いは2種以上組み合わされて用いられる。また、電荷注
入層の結着樹脂は下層の結着樹脂と同じとすることも可
能であるが、この場合には電荷注入層の塗工時に電荷輸
送層の塗工面を乱してしまう可能性があるため、コート
法を特に選択する必要がある。更に、感光層がアモルフ
ァスシリコンである場合は、電荷注入層はSiCである
ことが好ましい。
【0246】また、多量の導電性微粒子を分散させる場
合には、反応性モノマーや反応性オリゴマーに導電性微
粒子等を分散させて、感光体に塗布した後に光や熱によ
って硬化することが好ましい。
【0247】電荷注入層の結着樹脂中に分散させる導電
性微粒子としては、金属又は金属酸化物が挙げられる。
好ましくは、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化スズ、酸化ア
ンチモン、酸化インジウム、酸化ビスマス、酸化スズ被
膜酸化チタン、スズ被膜酸化インジウム、アンチモン被
膜酸化スズ、酸化ジルコニウムの如き超微粒子がある。
これらは単独で用いても2種以上を混合して用いても良
い。電荷注入層に分散される導電性粒子又は絶縁性粒子
の粒径としては0.5μm以下であることが好ましい。
【0248】また、電荷注入層が潤滑性粉体を含有する
ことも好ましい。その理由は、帯電時に感光体と注入帯
電部材の摩擦が低減されるために帯電ニップが拡大し、
帯電特性が向上するためである。特に潤滑性粉体として
は臨界表面張力の低いフッ素系樹脂、シリコーン系樹
脂、またはポリオレフィン系樹脂を用いるのがより望ま
しい。更に好ましくは4フッ化エチレン樹脂(PTF
E)が用いられる。この場合、潤滑性粉体の添加量は、
結着樹脂100重量部に対して2〜50重量部、更には
5〜40重量部が好ましい。2重量部未満では潤滑性粉
体の量が十分ではないために、帯電特性の向上が十分で
なく、また50重量部を超えると、画像の分解能、感光
体の感度が大きく低下してしまうからである。
【0249】電荷注入層の膜厚は0.1〜10μmであ
ることが好ましく、更には1〜7μmであることが好ま
しい。膜厚が0.1μm未満であると微少な傷に対する
耐性がなくなり、結果として注入不良による画像欠陥を
生じ、10μmを超えると注入電荷の拡散により画像が
乱れ易くなってしまう。
【0250】ここで、電荷注入層の体積抵抗値の測定方
法は、表面に導電膜を蒸着させたポリエチレンテレフタ
レート(PET)フィルム上に電荷注入層を作製し、こ
れを体積抵抗測定装置(ヒューレットパッカード社製4
140B pAMATER)にて、23℃,65%の環
境で100Vの電圧を印加して測定するというものであ
る。
【0251】電荷注入層を有さない感光体では、少ない
トラップ点に効率良く電荷注入をしなければならないた
め帯電部材の抵抗値は1×103Ω以下でならず、帯電
部材の抵抗値が1×104Ωcm以下になってしまうと
感光体表面に生じたキズ、ピンホールなどに対して接触
帯電部材から過大なリーク電流が流れ込み、周辺の帯電
不良や、ピンホールの拡大、帯電部材の通電破壊が生じ
るため良好な電荷注入帯電を行うことができなかった。
これに対し、電荷注入層を設けた場合には感光体表面に
電荷を保持できる領域が増加するため、もっと高い抵抗
値の帯電部材を用いても良好な帯電が行える。すなわ
ち、中抵抗の接触帯電部材を用いながら、感光体への電
荷注入帯電効率を向上させる手段として、感光体への電
荷注入を助けるための電荷注入層を感光体表面に設ける
構成が良好な電荷注入帯電を行うには必要である。
【0252】注入帯電の本質的な帯電機構は、帯電部材
表層が感光体表面の電荷注入層に接触することで帯電部
材表層から電荷注入層に電荷注入を行うと考えられる。
従って、帯電部材として要請される特性は、該電荷注入
層表面に十分な密度と、電荷の移動にかかる適正な抵抗
を持つことである。
【0253】中抵抗の接触帯電部材で、中抵抗の表面抵
抗を持つ感光体表面に電荷注入を行うものであるが、好
ましくは感光体表面材質の持つトラップ電位に電荷を注
入するものではなく、光透過性で絶縁性の結着樹脂に導
電性微粒子を分散した電荷注入層の導電性微粒子に電荷
を充電して帯電を行う。
【0254】具体的には、電荷輸送層を誘電体、アルミ
ニウム支持体と電荷注入層内の導電性微粒子を両電極板
とする微小なコンデンサーに、接触帯電部材で電荷を充
電する理論に基づくものである。この際、導電性微粒子
は互いに電気的には独立であり、一種の微小なフロート
電極を形成している。このため、マクロ的には感光体表
面は均一電位に充電、帯電されているように見えるが、
実際には微小な無数の充電された導電性微粒子が感光体
表面を覆っているような状況となっている。このため、
画像露光を行ってもそれぞれの導電性微粒子は電気的に
独立なため、静電潜像を保持することが可能になる。
【0255】従って、従来の通常感光体表面に少ないな
がらも存在していたトラップ準位を導電性微粒子で代用
することで、電荷注入性、電荷保持性が向上するのであ
る。
【0256】注入帯電における帯電部材の抵抗値は、注
入帯電性と上述の耐ピンホールリーク性から1×104
〜1×107Ωcmであることが好ましい。
【0257】注入帯電部材の形状は、ブレード状、ブラ
シ状でもよいが、周速差を適性に設定する上では、回転
可能なローラー状、ベルト状、ブラシローラー状(ブラ
シロール)が有利と考えられる。
【0258】ローラー状の接触帯電部材としては、材質
としては、例えば、ローラーの場合は、例えば特開平1
−211799号公報などに開示があるが、導電性基体
として、鉄、銅、ステンレスなどの金属、カーボン分散
樹脂、金属あるいは、金属酸化物分散樹脂などが使用で
きる。弾性ローラーの構成としては、導電性基体上に弾
性層、導電層、抵抗層を設けたものが用いられ、ローラ
ー弾性層としては、クロロプレンゴム、イソプレンゴ
ム、EPDMゴム、ポリウレタンゴム、エポキシゴム、
ブチルゴムなどのゴムまたはスポンジや、スチレン−ブ
タジエンサーモプラスチックエラストマー、ポリウレタ
ン系サーモプラスチックエラストマー、ポリエステル系
サーモプラスチックエラストマー、エチレン−酢ビサー
モプラスチックエラストマーなどのサーモプラスチック
エラストマーなどで形成することができ、導電層として
は、体積抵抗率が107Ωcm以下、望ましくは106Ω
cm以下である。例えば、金属蒸着膜、導電性粒子分散
樹脂、導電性樹脂などが用いられ、具体例として、金属
蒸着膜としては、アルミニウム、インジウム、ニッケ
ル、銅、鉄などの蒸着膜が挙げられ、導電性粒子分散樹
脂の例としては、カーボン、アルミニウム、ニッケル、
酸化チタンなどの導電性粒子をウレタン、ポリエステ
ル、酢酸ビニル−塩化ビニル共重合体ポリメタクリル酸
メチルなどの樹脂中に分散したものなどが挙げられる。
導電性樹脂としては、4級アンモニウム塩含有ポリメタ
クリル酸メチル、ポリビニルアニリン、ポリビニルピロ
ール、ポリジアセチレン、ポリエチレンイミンなどが挙
げられる。抵抗層は、例えば、体積抵抗率が106〜1
12Ωcmの層であり、半導性樹脂、導電性粒子分散絶
縁樹脂などを用いることができる。半導性樹脂として
は、エチルセルロース、ニトロセルロース、メトキシメ
チル化ナイロン、エトキシメチル化ナイロン、共重合ナ
イロン、ポリビニルヒドリン、カゼインなどの樹脂が用
いられる。導電性粒子分散樹脂の例としては、カーボ
ン、アルミニウム、酸化インジウム、酸化チタンなどの
導電性粒子をウレタン、ポリエステル、酢酸ビニル−塩
化ビニル共重合体、ポリメタクリル酸メチルなどの絶縁
性樹脂中に少量分散したものなどが挙げられる。
【0259】また、接触帯電部材が感光体に対して周速
差をもって移動することが好ましい。接触帯電部材の周
速表面の移動速度と該感光体表面移動速度が異なるよう
にすることにより、帯電安定性を長期間にわたり得なが
ら、感光体の高寿命を保ちつつ、かつ帯電ローラの高寿
命を同時に達成することが可能であり、帯電の高安定
化、画像形成システムの高寿命化が達成できる。すなわ
ち、接触帯電部材の表面にはトナーが付着しやすく、こ
の付着トナーが帯電を阻害する傾向にあり、感光体表面
移動速度と接触帯電部材表面移動速度を異ならせること
により、同一感光体表面に対し実質的により多くの接触
帯電部材表面を供給できるために帯電阻害に対し効果を
得る。つまり、トナーが帯電部位に来た場合、感光体と
の付着力の小さいトナーは電界によって帯電部材の方へ
移動し、帯電部材表面の抵抗が局所的に変化するため、
放電経路が遮断されて、感光体表面に電位がのりにくく
なり、その結果帯電不良を発生させるという問題点を効
果的に解消する。
【0260】潜像形成工程においては、画像露光手段と
して、レーザー及びLEDの如き公知の手段が用いられ
る。近年の高解像性、高画質への要求を鑑みて、より小
さなスポット径を露光できる手段が好ましく、パワーの
面からレーザーが特に好ましく用いられる。
【0261】現像工程において、静電潜像を現像するた
めの現像手段としては、トナーのみよりなる一成分系現
像剤を用いる一成分系現像方式及びトナー及びキャリア
よりなる二成分系現像剤を用いる二成分系現像方式を用
いることができる。
【0262】一成分系現像方式として、磁性体をトナー
中に含有せしめた磁性トナーを用いる場合、現像スリー
ブ中に内蔵せしめたマグネットによる磁気拘束力を利用
し、磁性トナーを搬送及び帯電せしめ現像する方法があ
る。更に、一成分系現像剤として、磁性体を合有しない
非磁性トナーを用いる場合には、ブレード又はローラー
部材、ブラシ部材等を用い、現像スリーブにて強制的に
非磁性トナーを圧接させることにより、非磁性トナーを
摩擦帯電し現像スリーブ上にトナーを付着せしめること
で搬送せしめ現像する方法がある。
【0263】また、二成分系現像方式は、トナー及びキ
ャリアを有する二成分系現像剤を現像剤担持体上で循環
搬送し、潜像担持体とそれに対向する現像剤担持体の現
像領域で潜像担持体に保持されている潜像を該現像剤担
持体上の二成分系現像剤のトナーで現像するものであ
る。
【0264】転写工程において、転写手段としては、コ
ロナ帯電器、転写ローラー、転写ブレード又は転写ベル
トが用いられる。
【0265】転写工程において、紙、OHTシート等の
記録材上に潜像担持体上に形成されているトナー像を直
接転写することに加えて、中間転写体を用いて、潜像保
持体上に形成されているトナー像をこの中間転写体上に
一次転写し、中間転写体上に転写されたトナー像を中間
転写体上から記録材上ヘ二次転写することも可能であ
る。
【0266】本発明の画像形成方法は、潜像保持体を帯
電する第1の帯電工程;帯電された潜像保持体に静電潜
像を形成する第1の潜像形成工程;該静電潜像を第1の
トナーにより現像して第1のトナー画像を形成する第1
の現像工程;現像された第1のトナー画像を中間転写体
上に転写する第1の転写工程;潜像保持体を帯電する第
2の帯電工程;帯電された潜像保持体に静電潜像を形成
する第2の潜像形成工程;該静電潜像を第2のトナーに
より現像して第2のトナー画像を形成する第2の現像工
程;現像された第2のトナー画像を第1のトナー画像が
転写されている中間転写体に転写する第2の転写工程;
潜像保持体を帯電する第3の帯電工程;帯電された潜像
保持体に静電潜像を形成する第3の潜像形成工程;該静
電潜像を第3のトナーにより現像して第3のトナー画像
を形成する第3の現像工程;現像された第3のトナー画
像を第1のトナー画像及び第2のトナー画像が転写され
ている中間転写体上に転写する第3の転写工程;潜像保
持体を帯電する第4の帯電工程;帯電された潜像保持体
に静電潜像を形成する第4の潜像形成工程;該静電潜像
を第4のトナーにより現像して第4のトナー画像を形成
する第4の現像工程;現像された第4のトナー画像を第
1のトナー画像、第2のトナー画像及び第3のトナー画
像が転写されている中間転写体上に転写する第4の転写
工程;該中間転写体上に転写された第1のトナー画像、
第2のトナー画像、第3のトナー画像及び第4のトナー
画像を有する多色トナー画像を記録材上に一括して2次
転写する一括転写工程;及び記録材上に一括して2次転
写された該多色トナー画像の表面に定着部材を接触さ
せ、且つ該多色トナー画像に熱及び圧力を付与すること
により、該多色トナー画像を該記録材に定着する定着工
程;を有する画像形成方法において、該第1のトナー
は、シアントナー、マゼンタトナー、イエロートナー及
びブラックトナーからなるグループから選択されるカラ
ートナーであり、該第2のトナーは、第1のトナーとし
て選択されたカラートナーを除く残りのグループから選
択されるカラートナーであり、該第3のトナーは、第1
のトナーとして選択されたカラートナー及び第2のトナ
ーとして選択されたカラートナーを除く残りのグループ
から選択されるカラートナーであり、該第4のトナー
は、第1のトナーとして選択されたカラートナー、第2
のトナーとして選択されたカラートナー及び第3のトナ
ーとして選択されたカラートナーを除く残りのカラート
ナーであるカラー画像形成方法であることが好ましい。
【0267】上記の中間転写体を用いて多重トナー像を
記録材に一括転写し、多重トナー像を記録材上に定着す
る画像形成方法を図2をもとに説明する。
【0268】潜像保持体としての感光体ドラム3に接触
しながら回転する帯電ローラ2により感光ドラム3上に
表面電位を持たせ露光手段1により静電潜像を形成す
る。静電潜像は第1現像器4,第2現像器5,第3現像
器6及び第4現像器7により順次現像されそれぞれトナ
ー像が形成され、このトナー像は一色ごとに中間転写体
11上に多重転写され、多重トナー像が形成される。中
間転写体11はドラム状のものが用いられ、外周面に保
持部材を張設したもの、基材上に導電付与部材、例えば
カーボンブラック,酸化亜鉛,酸化錫,炭化珪素又は酸
化チタンを十分分散させた弾性層(例えばニトリルブタ
ジエンラバー)を有するものが好ましく用いられる。ベ
ルト状の中間転写体を用いても良い。中間転写体の硬度
は10〜50度(JIS K−6301)の弾性層から
構成されることや、転写ベルトの場合では転写材(記録
材)への転写部でこの硬度を有する弾性層を持つ支持部
材で構成されていることが好ましい。感光体ドラム3か
ら中間転写体11への転写は、電源13より中間転写体
11の芯金9の上にバイアスを付与することで転写電流
が得られトナー像の転写が行なわれる。保持部材、ベル
トの背面からのコロナ放電やローラ帯電を利用しても良
い。中間転写体11上の多重トナー像は転写帯電手段1
4により記録材S上に一括転写される。転写帯電手段は
コロナ帯電器や転写ローラ、転写ベルトを用いた静電転
写手段が好ましく用いられる。
【0269】また、本発明の画像形成方法は、潜像保持
体を帯電する第1の帯電工程;帯電された潜像保持体に
静電潜像を形成する第1の潜像形成工程;該静電潜像を
第1のトナーにより現像して第1のトナー画像を形成す
る第1の現像工程;現像された第1のトナー画像を中間
転写体を介さずに記録材上に転写する第1の転写工程;
潜像保持体を帯電する第2の帯電工程;帯電された潜像
保持体に静電潜像を形成する第2の潜像形成工程;該静
電潜像を第2のトナーにより現像して第2のトナー画像
を形成する第2の現像工程;現像された第2のトナー画
像を第1のトナー画像が転写されている記録材上に転写
する第2の転写工程;潜像保持体を帯電する第3の帯電
工程;帯電された潜像保持体に静電潜像を形成する第3
の潜像形成工程;該静電潜像を第3のトナーにより現像
して第3のトナー画像を形成する第3の現像工程;現像
された第3のトナー画像を第1のトナー画像及び第2の
トナー画像が転写されている記録材上に転写する第3の
転写工程;潜像保持体を帯電する第4の帯電工程;帯電
された潜像保持体に静電潜像を形成する第4の潜像形成
工程;該静電潜像を第4のトナーにより現像して第4の
トナー画像を形成する第4の現像工程;現像された第4
のトナー画像を第1のトナー画像、第2のトナー画像及
び第3のトナー画像が転写されている記録材上に転写す
る第4の転写工程;記録材上に順次転写された第1のト
ナー画像、第2のトナー画像、第3のトナー画像及び第
4のトナー画像を有する多色トナー画像の表面に定着部
材を接触させ、且つ該多色トナー画像に熱及び圧力を付
与することにより、該多色トナー画像を該記録材に定着
する定着工程;を有する画像形成方法において、該第1
のトナーは、シアントナー、マゼンタトナー、イエロー
トナー及びブラックトナーからなるグループから選択さ
れるカラートナーであり、該第2のトナーは、第1のト
ナーとして選択されたカラートナーを除く残りのグルー
プから選択されるカラートナーであり、該第3のトナー
は、第1のトナーとして選択されたカラートナー及び第
2のトナーとして選択されたカラートナーを除く残りの
グループから選択されるカラートナーであり、該第4の
トナーは、第1のトナーとして選択されたカラートナ
ー、第2のトナーとして選択されたカラートナー及び第
3のトナーとして選択されたカラートナーを除く残りの
カラートナーであるカラー画像形成方法であることが好
ましく良い。
【0270】上記の中間転写体を介することなく記録材
上に順次転写された多重トナー像を記録材に定着する画
像形成方法を一例として図3を基に説明する。
【0271】ここでは、第1,第2,第3および第4の
画像形成部29a,29b,29c,29dが並設されてお
り、各画像形成部はそれぞれ専用の静電潜像保持体、い
わゆる感光ドラム19a,19b,19cおよび19dを具
備している。
【0272】感光ドラム19a乃至19dはその外周側に
潜像形成手段23a,23b,23cおよび23d、現像部
17a,17b,17cおよび17d、転写用放電部2
a,24b,24cおよび24d、ならびにクリーニング
部18a,18b,18cおよび18dが配置されている。
【0273】このような構成にて、先ず、第1画像形成
部29aの感光ドラム19a上に潜像形成手段23aによ
って原稿画像における、例えばイエロー成分色の潜像が
形成される。該潜像は現像手段17aのイエロートナー
を有する現像剤で可視画像とされ、転写部24aにて、
記録材Sに転写される。
【0274】上記のようにイエロー画像が記録材Sに転
写されている間に、第2画像形成部29bではマゼンタ
成分色の潜像が感光ドラム19b上に形成され、続いて
現像手段17bのマゼンタトナーを有する現像剤で可視
画像とされる。この可視画像(マゼンタトナー像)は、
上記の第1画像形成部29aでの転写が終了した記録材
Sが転写部24bに搬入されたときに、該記録材Sの所
定位置に重ねて転写される。
【0275】以下、上記と同様な方法により第3,第4
の画像形成部29c,29dによってシアン色,ブラック
色の画像形成が行なわれ、上記同一の記録材Sに、シア
ン色,ブラック色を重ねて転写するのである。このよう
な画像形成プロセスが終了したならば、記録材Sは定着
部22に搬送され、記録材S上の画像を定着する。これ
によって記録材S上には多色画像が得られるのである。
転写が終了した各感光ドラム19a,19b,19cおよ
び19dはクリーニング部18a,18b,18cおよび1
dにより残留トナーを除去され、引き続き行なわれる
次の潜像形成のために供せられる。
【0276】なお、上記画像形成装置では、記録材Sの
搬送のために、搬送ベルト25が用いられており、図3
において、記録材Sは右側から左側への搬送され、その
搬送過程で、各画像形成部29a,29b,29cおよび
29dにおける各転写部24a,24b,24cおよび24
dを通過し、転写をうける。
【0277】この画像形成方法において、記録材を搬送
する搬送手段として加工の容易性及び耐久性の観点から
テトロン(登録商標)繊維のメッシュを用いた搬送ベル
トおよびポリエチレンテレフタレート系樹脂、ポリイミ
ド系樹脂、ウレタン系樹脂の如き薄い誘電体シートを用
いた搬送ベルトが好ましく利用される。
【0278】記録材Sが第4画像形成部29dを通過す
ると、AC電圧が除電器20に加えられ、記録材Sは除
電され、ベルト25から分離され、その後、定着器22
に入り、画像定着され、排出口26から排出される。
【0279】図1は、本発明の画像形成方法を実施可能
なさらに別の画像形成装置の概略図を示す。
【0280】画像形成装置本体には、第1画像形成ユニ
ットPa、第2画像形成ユニットPb、第3画像形成ユ
ニットPc及び第4画像形成ユニットPdが併設され、
各々異なった色の画像が潜像、現像、転写のプロセスを
経て記録材上に形成される。
【0281】画像形成装置に併設される各画像形成ユニ
ットの構成について第1の画像形成ユニットPaを例に
挙げて説明する。
【0282】第1の画像形成ユニットPaは、潜像保持
体としての30φの電子写真感光体ドラム61aを具備
し、この感光体ドラム61aは矢印a方向へ回転移動さ
れる。62aは帯電手段としての一次帯電器であり、感
光ドラム61aと接触するように16φスリーブに担持
された磁気ブラシ帯電器が用いられている。67aは、
一次帯電器62aにより表面が均一に帯電されている感
光体ドラム61aに静電潜像を形成するための潜像形成
手段としての露光装置である。63aは、感光体ドラム
61a上に担持されている静電潜像を現像してカラート
ナー画像を形成するための現像手段としての現像器であ
りカラートナーを保持している。64aは、感光体ドラ
ム61aの表面に形成されたカラートナー画像を、ベル
ト状の記録材担持体68によって搬送されて来る記録材
の表面に転写するための転写手段としての転写ブレード
であり、この転写ブレード64aは、記録材担持体68
の裏面に当接して転写バイアスを印加し得るものであ
る。
【0283】この第1の画像形成ユニットPaは、一次
帯電器62aによって帯電部において感光体ドラム61
aの感光体を均一に一次帯電した後、露光装置67aに
より感光体に静電潜像を形成し、現像器63aによっ
て、現像部において静電潜像をカラートナーを用いて現
像し、この現像されたトナー画像を第1の転写部(感光
体と記録材の当接位置)で記録材を担持搬送するベルト
状の記録材担持体68の裏面側に当接する転写ブレード
64aから転写バイアスを印加することによって記録材
の表面に転写する。
【0284】この第1の画像形成ユニットPaは、感光
体ドラムの表面に当接して、転写残トナーを感光体ドラ
ムの表面から除去するためのクリーニング部材を転写部
と帯電部との間及び帯電部と現像部との間に有しておら
ず、現像器が感光体上に存在する転写残トナーのクリー
ニングを兼ねる現像兼クリーニング方式を用いている。
【0285】本画像形成装置は、上記のような第1の画
像形成ユニットPaと同様の構成であり、現像器に保有
されるカラートナーの色の異なる第2の画像形成ユニッ
トPb、第3の画像形成ユニットPc、第4の画像形成
ユニットPdの4つの画像形成ユニットを併設するもの
である。例えば、第1の画像形成ユニットPaにイエロ
ートナー、第2の画像形成ユニットPbにマゼンタトナ
ー、第3の画像形成ユニットPcにシアントナー、及び
第4の画像形成ユニットPdにブラックトナーをそれぞ
れ用い、各画像形成ユニットの転写部で各カラートナー
の記録材上への転写が順次行なわれる。この工程で、レ
ジストレーションを合わせつつ、同一記録材上に一回の
記録材の移動で各カラートナーは重ね合わせられ、終了
すると分離帯電器69によって記録材担持体68上から
記録材が分離され、搬送ベルトの如き搬送手段によって
定着器70に送られ、ただ一回の定着によって最終のフ
ルカラー画像が得られる。
【0286】定着器70は、一対の40φの定着ローラ
71と30φの加圧ローラ72を有し、定着ローラ71
は、内部に加熱手段75及び76を有している。73
は、定着ローラ上の汚れを除去するウェッブである。本
発明の場合、73のウェッブ機構はなくてもかまわな
い。
【0287】記録材上に転写された未定着のカラートナ
ー画像は、この定着器70の定着ローラ71と加圧ロー
ラ72との圧接部を通過することにより、熱及び圧力の
作用により記録材上に定着される。
【0288】図1において、記録材担持体68は、無端
のベルト状部材であり、このベルト状部材は、80の駆
動ローラによって矢印e方向に移動するものである。7
9は、転写ベルトクリーニング装置であり、81はベル
ト従動ローラであり、82は、ベルト除電器である。8
3は記録材ホルダー内の記録材を記録材担持体68に搬
送するための一対のレジストローラである。
【0289】転写手段としては、記録材担持体の裏面側
に当接する転写ブレードに代えてローラ状の転写ローラ
の如き記録材担持体の裏面側に当接して転写バイアスを
直接印加可能な接触転写手段を用いることが可能であ
る。
【0290】さらに、上記の接触転写手段に代えて、一
般的に用いられている記録材担持体の裏面側に非接触で
配置されているコロナ帯電器から転写バイアスを印加し
て転写を行う非接触の転写手段を用いることも可能であ
る。
【0291】しかしながら、転写バイアス印加時のオゾ
ンの発生量を制御できる点で接触転写手段を用いること
がより好ましい。
【0292】更に他の実施形態のフルカラー画像を形成
するための画像形成方法を例にして図4に基づいて説明
する。
【0293】感光ドラム33上に適当な手段で形成され
た静電潜像は、矢印の方向へ回転する回転現像ユニット
39に取り付けられた現像手段としての現像器36中に
第1のカラートナー及びキャリアを有する二成分系現像
剤により可視化される。感光体ドラム33上のカラート
ナー画像は、グリッパー47によって転写ドラム48上
に保持されている記録材Sに、転写帯電器44により転
写される。
【0294】転写帯電器44には、コロナ帯電器又は接
触帯電器が利用され、転写帯電器44にコロナ帯電器が
使われる場合には、−10kV〜+10kVの電圧が印
加され、転写電流は−500μA〜+500μAであ
る。転写ドラム48の外周面には保持部材が張設され、
この保持部材はポリフッ化ビニリデン樹脂フィルムやポ
リエチレンテレフタレートの如きフィルム状誘電体シー
トによって構成される。例えば、厚さ100μm〜20
0μm,体積抵抗1012〜1014Ω・cmのシートが用
いられる。
【0295】次に2色目として回転現像ユニットが回転
し、現像器35が感光ドラム33に対向する。そして現
像器35中の第2のカラートナー及びキャリアを有する
現像剤により現像され、このカラートナー画像も前記と
同一の記録材上に重ねて転写される。
【0296】更に3色目、4色目も同様に行なわれる。
このように転写ドラム48は記録材を把持したまま所定
回数だけ回転し所定色数のトナー像が多重転写される。
静電転写するための転写電流は、一色目<二色目<三色
目<四色目の順に高めることが感光ドラム上に残る転写
残留トナーを少なくするために好ましい。
【0297】多重転写された記録材Sは、分離帯電器4
5により転写ドラム48より分離され、シリコーンオイ
ルを含浸している、あるいは、オイルを含浸しないウェ
ッブを有する加熱加圧ローラー定着器32(あるいはウ
ェッブ機構のない定着器)で定着され、定着時に加色混
合されることにより、フルカラー複写画像となる。
【0298】現像器34〜37に供給される補給トナー
は各色ごとに具備した補給ホッパーより、補給信号に基
づいた一定量をトナー搬送ケーブルを経由して、回転現
像ユニットの中心にあるトナー補給筒に搬送され、各現
像器に送られる。
【0299】また、多重現像一括転写方法について、フ
ルカラー電子写真法プリンターを例にして図5に基づい
て説明する。
【0300】感光ドラム103上に帯電器102とレー
ザー光を用いた露光部101で形成された静電潜像は現
像器104,105,106,107により順次トナー
を現像して可視化される。現像プロセスにおいては、非
接触現像方法が好ましく用いられる。非接触現像方法に
よれば現像器中の現像剤層が像形成体の表面を擦ること
がないので、2回目以降の現像工程において先行の現像
工程で形成された像を乱すことなく現像を行なうことが
できる。現像する順は、多色の場合は黒以外の色で、明
度,彩度の高い色から現像するのが好ましい。フルカラ
ーの場合は、イエロー、ついでマゼンタあるいはシアン
のどちらか、ついでマゼンタあるいはシアンの残った
方、最後に黒の順で現像することが好ましい。
【0301】感光ドラム103上に形成された多色多重
画像,フルカラー画像は転写帯電器109により記録材
Sに転写される。転写工程においては、静電転写法が好
ましく用いられ、コロナ放電又は接触転写方法が利用さ
れる。コロナ放電転写方法とは、記録材Sを介しコロナ
放電を生じさせる転写帯電器109を像に対向するよう
に配置し、記録材Sの背面からコロナ放電を作用させ静
電的に転写する方法である。接触転写方法とは、記録材
Sを介し、転写ローラー、転写ベルトを像形成体に接触
させてローラーにバイアスを印加させるか、ベルトの背
面から静電的に転写する方法である。この静電転写方法
により感光ドラム103の表面に担持された多色トナー
像が一括して記録材Sに転写される。
【0302】多色トナー像が一括転写された記録材S
は、感光ドラム103から分離され熱ローラー定着器1
12で定着されることにより多色画像となる。
【0303】次に本発明に使用可能な現像器の構成につ
いて図面を用いて詳細に説明する。
【0304】本発明において、現像領域で感光体表面に
現像剤担持体に担持される現像剤を接触させて現像を行
なう接触現像方式と、現像領域で感光体表面に現像剤担
持体に担持されている現像剤を感光体と現像剤層が非接
触となるような間隔に設定した現像剤担持体から飛翔さ
せて現像を行なう非接触現像方式のいずれを用いること
も可能である。
【0305】接触現像方式としては、トナー及びキャリ
アを有する二成分系現像剤を用いる現像方法(図6)と
一成分系現像剤を用いる現像方法(図8)が挙げられ
る。
【0306】接触二成分系現像方法としては、トナーと
磁性キャリアとを混合した二成分系現像剤を例えば図6
に示すような現像装置120を用い、現像を行なうこと
ができる。
【0307】現像装置120は、二成分系現像剤128
を収納する現像容器126、現像容器126に収納され
ている二成分系現像剤128を担持し、現像領域に搬送
するための現像剤担持体としての現像スリーブ121、
現像スリーブ121上に形成されるトナー層の層厚を規
制するための現像剤層厚規制手段としての現像ブレード
127を有している。
【0308】現像スリーブ121は、非磁性のスリーブ
基体122内にマグネット123を内包している。
【0309】現像容器126の内部は、隔壁130によ
って現像室(第1室)R1と撹拌室(第2室)R2とに区
画され、撹拌室R2の上方には隔壁130を隔てトナー
貯蔵室R3が形成されている。現像室R1及び撹拌室R2
内には現像剤128が収容されており、トナー貯蔵室R
3内には補給用トナー(非磁性トナー)129が収容さ
れている。なお、トナー貯蔵室R3には補給口131が
設けられ、補給口131を経て消費されたトナーに見合
った量の補給用トナー129が撹拌室R2内に落下補給
される。
【0310】現像室R1内には搬送スクリュー124が
設けられており、この搬送スクリュー124の回転駆動
によって現像室R1内の現像剤128は、現像スリーブ
121の長手方向に向けて搬送される。同様に、撹拌室
2内には搬送スクリュー125が設けられ、搬送スク
リュー125の回転によって、補給口131から撹拌室
2内に落下したトナーを現像スリーブ121の長手方
向に沿って搬送する。
【0311】現像剤128は、非磁性トナーと磁性キャ
リアとを有した二成分系現像剤である。
【0312】二成分系現像剤に使用されるキャリアとし
ては、例えば表面酸化または未酸化の鉄、ニッケル、
銅、亜鉛、コバルト、マンガン、クロム及び希土類の如
き磁性金属、それらの磁性合金、それらの磁性酸化物及
びそれらの磁性フェライトからなるグループから選択さ
れる磁性粒子が挙げられる。
【0313】さらには、樹脂中に磁性粉が分散されたバ
インダー型のキャリアも用いることができる。
【0314】キャリアは、上記の磁性粒子のキャリアコ
アの表面を被覆材で被覆した被覆キャリアを用いること
が好ましい。この被覆キャリアにおいて、キャリアコア
の表面を被覆材で被覆する方法としては、被覆材を溶剤
中に溶解もしくは懸濁せしめて塗布しキャリアコアに付
着せしめる方法、あるいは単に粉体状態で混合する方法
が適用できる。
【0315】キャリアコアの被覆材としては、ポリテト
ラフルオロエチレン、モノクロロトリフルオロエチレン
重合体、ポリフッ化ビニリデン、シリコーン樹脂、ポリ
エステル樹脂、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリ
アミド、ポリビニルブチラール、アミノアクリレート樹
脂が挙げられる。これらは、単独或は複数で用いるのが
適当である。
【0316】上記材料の処理量は、適宜決定すれば良い
が、一般には総量でキャリアに対し0.1〜30重量%
(好ましくは0.5〜20重量%)が好ましい。
【0317】本発明に用いられるキャリアは、平均粒径
が好ましくは10〜100μm、より好ましくは20〜
70μmであることが良い。
【0318】キャリアの平均粒径が10μm未満の場合
には、二成分系現像剤のパッキングが強まり、トナーと
キャリアとの混合性が低下し、トナーの帯電性が安定し
にくくなり、さらにキャリアの感光体ドラム表面への付
着が生じやすくなる。
【0319】キャリアの平均粒径が100μmを超える
場合には、トナーとの接触機会が減ることから、低帯電
量のトナーが混在し、カブリが発生しやすくなる。さら
にトナー飛散が生じやすい傾向にあるため二成分系現像
剤中のトナー濃度の設定を低めにする必要があり、高画
像濃度の画像形成ができなくなることがある。
【0320】特に好ましいキャリアとしては、磁性フェ
ライトコア粒子の如き磁性コア粒子の表面をシリコーン
樹脂、フッ素系樹脂、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂
及びメタクリレート系樹脂の如き樹脂を、好ましくは
0.01〜5重量%、より好ましくは0.1〜1重量%
をコーティングし、250メッシュパス・400メッシ
ュオンのキャリア粒子を70重量%以上含有し、かつ上
記平均粒径を有するように粒度分布を調整した磁性キャ
リアであるものが挙げられる。
【0321】上記磁性コートキャリアは粒径分布がシャ
ープな場合、本発明のカラートナーに対し好ましい摩擦
帯電性が得られ、さらに電子写真特性を向上させる効果
がある。
【0322】カラートナーとキャリアとを混合して二成
分系現像剤を調製する場合、その混合比率は現像剤中の
トナー濃度として、2重量%〜15重量%、好ましくは
3重量%〜13重量%、より好ましくは4重量%〜10
重量%にすると通常良好な結果が得られる。トナー濃度
が2重量%未満では画像濃度が低くなりやすく、15重
量%を超える場合ではカブリや機内飛散が生じやすく、
現像剤の耐用寿命が短くなる傾向がある。
【0323】キャリアの磁気特性は、現像スリーブに内
蔵されたマグネットローラによって影響され、現像剤の
現像特性及び搬送性に大きく影智を及ぼすものである。
【0324】本発明においては、マグネットローラを内
蔵した現像スリーブ上で、マグネットローラを固定して
現像スリーブを単体で回転し、磁性粒子からなるキャリ
アと絶縁性カラートナーからなる二成分系現像剤を現像
スリーブ上で循環搬送し、核二成分系現像剤にて静電潜
像保持体表面に保持された静電潜像を現像するに際し
て、該マグネットローラが反発極を有する極構成と
し、現像領域における磁束密度を500〜1200ガ
ウスとし、キャリアの飽和磁化が20〜70Am2
kgのとき、カラー複写において画像の均一性や階調再
現性にすぐれ好適である。
【0325】キャリアの飽和磁化が70Am2/kg
(3000エルステッドの印加磁場に対し)を超える場
合であると、現像時に感光体上の静電潜像に対向した現
像スリーブ上のキャリアとトナーにより構成されるブラ
シ状の穂立ちが固く締まった状態となり、階調性や中間
調の再現が悪くなる。また、20Am2/kg未満であ
ると、トナー及びキャリアを現像スリーブ上に良好に保
持することが困難になり、キャリア付着やトナー飛散抑
制が悪化するという問題点が発生しやすくなる。
【0326】現像容器126の感光体ドラム119に近
接する部位には開口部が設けられ、該開口部から現像ス
リーブ121が外部に吐出し、現像スリーブ121と感
光体ドラム119との間には間隙が設けられている。非
磁性材にて形成される現像スリーブ121には、バイア
スを印加するためのバイアス印加手段132が配置され
ている。
【0327】スリーブ基体122に固定された磁界発生
手段としてのマグネットローラー、即ち磁石123は、
上述したように、現像磁極S1とその下流に位置する磁
極N3と、現像剤128を搬送するための磁極N2
2、N1とを有する。磁石123は、現像磁極S1が感
光体ドラム119に対抗するようにスリーブ基体122
内に配置されている。現像磁極S1は、現像スリーブ1
21と感光体ドラム119との間の現像部の近傍に磁界
を形成し、該磁界によって磁気ブラシが形成される。
【0328】現像スリーブ121の上方に配置され、現
像スリーブ121上の現像剤128の層厚を規制する規
制ブレード127は、アルミニウム、SUS316の如
き非磁性材料で作製される。非磁性ブレード127の端
部と現像スリーブ121面との距離Aは300〜100
0μm、好ましくは400〜900μmである。この距
離が300μmより小さいと、磁性キャリアがこの間に
詰まり現像剤層にムラを生じやすいと共に、良好な現像
を行なうのに必要な現像剤を塗布することができず濃度
の薄いムラの多い現像画像しか得られないという問題点
がある。現像剤中に混在している不用粒子による不均一
塗布(いわゆるブレードづまり)を防止するためには、
400μm以上が好ましい。1000μmより大きいと
現像スリーブ121上へ塗布される現像剤量が増加し所
定の現像剤層厚の規制が行えず、感光体ドラム119へ
の磁性キャリア粒子の付着が多くなると共に現像剤の循
環、非磁性の現像ブレード127による現像規制が弱ま
りトナーのトリボが不足しカブリやすくなるという問題
点がある。
【0329】この二成分系現像装置120の現像は、交
番電界を印加しつつ、トナーと磁性キャリアとにより、
構成される磁気ブラシ潜像担持体(例えば、感光体ドラ
ム)119に接触している状態で現像を行うことが好ま
しい。現像剤担持体(現像スリーブ)121と感光体ド
ラム119との距離(S−D間距離)Bは100〜10
00μmであることがキャリア付着防止及びドット再現
性の向上において良好である。100μmより狭いと現
像剤の供給が不十分になりやすく、画像濃度が低くな
り、1000μmを超えると磁石S1からの磁力線が広
がり磁気ブラシの密度が低くなり、ドット再現性に劣っ
たり、キャリアを拘束する力が弱まりキャリア付着が生
じやすくなる。
【0330】交番電界のピーク間の電圧は500〜50
00Vが好ましく、周波数は500〜10000Hz、
好ましくは500〜3000Hzであり、それぞれプロ
セスに適宜選択して用いることができる。この場合、波
形としては三角波、矩形波、正弦波、或いはDuty比
を変えた波形から選択して用いることができる。印加電
圧が、500Vより低いと十分な画像濃度がえられにく
く、非画像部のカブリトナーを良好に回収することがで
きない場合がある。5000Vを超える場合には磁気ブ
ラシを介して、静電像を乱してしまい、画質低下を招く
場合がある。
【0331】良好に帯電したトナーを有する二成分系現
像剤を使用することで、カブリ取り電圧(Vback)
を低くすることができ、感光体の一次帯電を低めること
ができるために感光体寿命を長寿命化できる。Vbac
kは、現像システムにもよるが150V以下、より好ま
しくは100V以下が良い。
【0332】コントラスト電位としては、十分画像濃度
ができるように200V〜500Vが好ましく用いられ
る。
【0333】周波数が500Hzより低いとプロセスス
ピードにも関係するが、キャリアへの電荷注入が起こる
ためキャリア付着、あるいは潜像を乱すことで画質を低
下させる場合がある。10000Hzを超えると電界に
対してトナーが追随できず画質低下を招きやすい。
【0334】十分が画像濃度を出し、ドット再現性に優
れ、かつキャリア付着のない現像を行なうために現像ス
リーブ121上の磁気ブラシの感光体ドラム119との
接触幅(現像ニップC)を好ましくは3〜8mmにする
ことである。現像ニップCが3mmより狭いと十分な画
像濃度とドット再現性を良好に満足することが困難であ
り、8mmより広いと、現像剤のパッキングが起き機械
の動作を留めてしまったり、またキャリア付着を十分に
抑えることが困難になる。現像ニップの調整方法として
は、現像剤規制部材127と現像スリーブ121との距
離Aを調整したり、現像スリーブ121と感光体ドラム
119との距離Bを調整することでニップ幅を適宜調整
する。
【0335】なお、感光体上の転写残トナーは、上記の
現像器のトナーとキャリアとからなる磁気ブラシによっ
て、現像時に回収される。
【0336】接触一成分現像方法としては、非磁性トナ
ーを用いて、例えば図8に示すような現像装置180を
用い現像することが可能である。
【0337】現像装置180は、磁性又は非磁性のトナ
ーを有する一成分現像剤188を収容する現像容器18
1、現像容器181に収納されている一成分現像剤18
8を担持し、現像領域に搬送するための現像剤担持体1
82、現像剤担持体上に現像剤を供給するための供給ロ
ーラー185、現像剤担持体上の現像剤層厚を規制する
ための現像剤層厚規制部材としての弾性ブレード18
6、現像容器181内の現像剤188を撹拌するための
撹拌部材187を有している。
【0338】現像剤担持体上182としては、ローラー
基体183上に、発泡シリコーンゴムの如き弾性を有す
るゴム又は樹脂の如き弾性部材によって形成された弾性
層184を有する弾性ローラーを用いることが好まし
い。
【0339】この弾性ローラー182は、潜像保持体と
しての感光体ドラム189の表面に圧接して、弾性ロー
ラー表面に塗布されている一成分系現像剤188により
感光体に形成されている静電潜像を現像する共に、転写
後に感光体上に存在する不要な一成分現像剤188を回
収する。
【0340】接触一成分現像方法では、現像剤担持体は
実質的に感光体表面と接触している。これは、現像剤担
持体から一成分系現像剤を除いたときに現像剤担持体が
感光体と接触しているということを意味する。このと
き、現像剤を介して、感光体と現像剤担持体との間に働
く電界によってエッジ効果のない画像が得れれると同時
にクリーニングが行なわれる。現像剤担持体としての弾
性ローラー表面或いは、表面近傍が電位を持ち感光体表
面と弾性ローラー表面間で電界を有する必要性がある。
このため、弾性ローラーの弾性ゴムが中抵抗領域に抵抗
制御されて感光体表面との導通を防ぎつつ電界を保つ
か、又は導電性ローラーの表面層に薄層の誘電層を設け
る方法も利用できる。さらには、導電性ローラー上に感
光体表面と接触する側の面を絶縁性物質により被覆した
導電性樹脂スリーブ或いは、絶縁性スリーブで感光体と
接触しない側の面に導電層を設けた構成も可能である。
【0341】この一成分系現像剤を担持する弾性ローラ
ーは、感光体ドラムと同方向に回転しても良いし、逆方
向に回転しても良い。その回転が同方向である場合、感
光体ドラムの周速に対して、周速比で100%より大き
いことが好ましい。100%以下であるとラインの鮮明
性が悪いなどの画像品質に問題を生じやすい。周速比が
高まれば高まるほど、現像部位に供給される現像剤の量
は多く、静電潜像に対し現像剤の脱着頻度が多くなり、
不要な部分の現像剤は掻き落とされ、必要な部分には現
像剤が付与されるという繰り返しにより、静電潜像に忠
実な画像が得られる。さらに好ましくは周速比は100
%以上が良い。
【0342】現像剤層厚規制部材186は、現像剤担持
体182の表面に弾性力で圧接するものであれば、弾性
ブレードに限られることなく、弾性ローラーを用いるこ
とも可能である。
【0343】弾性ブレード、弾性ローラーとしては、シ
リコーンゴム、ウレタンゴム、NBRの如きゴム弾性
体;ポリエチレンテレフタレートの如き合成樹脂弾性
体;ステンレス、鋼の如き金属弾性体が使用できる。さ
らに、それらの複合体であっても使用できる。
【0344】弾性ブレードの場合には、弾性ブレード上
辺部側である基部は現像剤容器側に固定保持され、下辺
部側をブレードの弾性に抗して現像スリーブの順方向或
いは逆方向にたわめ状態にしてブレード内面側(逆方向
の場合には外面側)をスリーブ表面に適度に弾性押圧を
もって当接させる。
【0345】供給ローラー185はポリウレタンフォー
ムの如き発泡材より成っており、現像剤担持体に対し
て、順又は逆方向に0でない相対速度をもって回転し、
一成分系現像剤の供給とともに、現像剤担持体上の現像
後の現像剤(未現像現像剤)の剥ぎ取りも行っている。
【0346】現像領域において、現像剤担持体上の一成
分系現像剤によって感光体の静電潜像を現像する際に
は、現像剤担持体と感光体ドラムとの間に直接及び/又
は交流の現像バイアスを印加して現像することが好まし
い。
【0347】次に非接触現像方式について説明する。
【0348】非接触現像方式としては、非磁性トナーを
有する一成分系磁性現像剤を用いる現像方法が挙げられ
る。
【0349】ここでは、非磁性トナーを有する一成分系
非磁性現像剤を用いる現像方法を図7に示す概略構成図
に基づいて説明する。
【0350】現像装置170は、非磁性トナーを有する
非磁性一成分系現像剤176を収容する現像容器17
1、現像容器171に収容されている一成分系非磁性現
像剤176を担持し、現像領域に搬送するための現像剤
担持体172、現像剤担持体上に一成分系非磁性現像剤
を供給するための供給ローラー173、現像剤担持体上
の現像剤層厚を規制するための現像剤層厚規制部材とし
ての弾性ブレード174、現像容器171内の一成分系
非磁性現像剤176を撹拌するための撹拌部材175を
有している。
【0351】169は静電潜像保持体であり、潜像形成
は図示しない電子写真プロセス手段又は静電記録手段に
よりなされる。172は現像剤担持体としての現像スリ
ーブであり、アルミニウム或いはステンレスからなる非
磁性スリーブからなる。
【0352】現像スリーブは、アルミニウム、ステンレ
スの粗管をそのまま用いてもよいが、好ましくはその表
面をガラスビーズを吹き付けて均一に荒らしたものや、
鏡面処理したもの、或いは樹脂でコートしたものが良
い。
【0353】一成分系非磁性現像剤176は現像容器1
71に貯蔵されており、供給ローラー173によって現
像剤担持体172上へ供給される。供給ローラー173
はポリウレタンフォームの如き発泡材より成っており、
現像剤担持体に対して、順又は逆方向に0でない相対速
度をもって回転し、現像剤の供給とともに、現像剤担持
体172上の現像後の現像剤(未現像現像剤)の剥ぎ取
りも行っている。現像剤担持体172上に供給された一
成分系非磁性現像剤は現像剤層厚規制部材としての弾性
ブレード174によって均一且つ薄層に塗布される。
【0354】弾性塗布ブレードと現像剤担持体との当接
圧力は、現像スリーブ母線方向の線圧として0.3〜2
5kg/m、好ましくは0.5〜12kg/mが有効で
ある。当接圧力が0.3kg/mより小さい場合、一成
分系非磁性現像剤の均一塗布が困難となり、一成分系非
磁性現像剤の帯電量分布がブロードとなりカブリや飛散
の原因となる。当接圧力が25kg/mを超えると、一
成分系非磁性現像剤に大きな圧力がかかり、一成分系非
磁性現像剤が劣化するため、一成分系非磁性現像剤の凝
集が発生するなど好ましくない。また、現像剤担持体を
駆動させるために大きなトルクを要するため好ましくな
い。即ち、当接圧力を0.3〜25kg/mに調整する
ことで、本発明のトナーを用いた一成分系非磁性現像剤
の凝集を効果的にほぐすことが可能になり、さらに、一
成分系非磁性現像剤の帯電量を瞬時に立ち上げることが
可能になる。
【0355】現像剤層厚規制部材は、弾性ブレード、弾
性ローラーを用いることができ、これらは所望の極性に
現像剤を帯電するのに適した摩擦帯電系列の材質のもの
を用いることが好ましい。
【0356】本発明において、シリコーンゴム、ウレタ
ンゴム、スチレンブタジエンゴムが好適である。さら
に、ポリアミド、ポリイミド、ナイロン、メラミン、メ
ラミン架橋ナイロン、フェノール樹脂、フッ素系樹脂、
シリコーン樹脂、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂、ス
チレン系樹脂の如き有機樹脂層を設けても良い。導電性
ゴム、導電性樹脂を使用し、さらに金属酸化物、カーボ
ンブラック、無機ウイスカー、無機繊維の如きフィラー
や荷電制御剤をブレードのゴム中・樹脂中に分散するこ
とにより適度の導電性、帯電付与性を与え、一成分系非
磁性現像剤を適度に帯電させることができて好ましい。
【0357】この非磁性一成分現像方法において、ブレ
ードにより現像スリーブ上に一成分系非磁性現像剤を薄
層コートする系においては、十分な画像濃度を得るため
に、現像スリーブ上の一成分系非磁性現像剤層の厚さを
現像スリーブと潜像保持体との対抗空隙長βよりも小さ
くし、この空隙に交番電場を印加することが好ましい。
即ち図7に示すバイアス電源177により、現像スリー
ブ172と潜像保持体169との間に交番電場又は交番
電場に直流電場を重畳した現像バイアスを印加すること
により、現像スリーブ上から潜像保持体への一成分系非
磁性現像剤の移動を容易にし、更に良質の画像を得るこ
とができる。
【0358】
【実施例】以下実施例にもとづいて具体的に本発明につ
いて説明する。しかしながら、これによって本発明の実
施の態様がなんら限定されるものではない。実施例中の
部数は重量部である。
【0359】実施例に用いられる樹脂として、表1に記
載のモノマー組成のポリエステル樹脂を脱水縮合法によ
り合成し、樹脂骨格にドデセニル基がブランチ化して導
入されている非線状ポリエステル樹脂A1〜A11、及
び表2に示す成分と表3に示す分子量を有する非線状ポ
リエステル樹脂B1〜B3を得た。
【0360】 <実施例1> ・非線状ポリエステル樹脂A−1(表1に記載) 50重量部 ・非線状ポリエステル樹脂B−1(表2及び3に記載) 50重量部 ・銅フタロシアニン系顔料 5重量部 (C.I.Pigment Blue 15:3) ・ポリエチレンワックス 2重量部 (mp=106℃、Mn=670、Mw/Mn=1.35) ・ジルコニウム化合物(14) 3重量部 上記材料をヘンシェルミキサーで前混合した後、110
℃に設定した二軸混練押し出し機によって、溶融混練し
た。溶融混練時に徐々に混練物の粘度が上昇したことか
ら、新たな架橋が形成されたことが確認された。
【0361】得られた混練物を冷却し、カッターミルで
粗粉砕した後、ジェット気流を用いた微粉砕機で粉砕
し、得られた微粉砕粉末をコアンダ効果を利用した多分
割分級機を用いて分級し、重量平均粒径7.0μmのト
ナー粒子Aを得た。表3にその処方・物性を示す。
【0362】トナー粒子A100重量部に対し、疎水化
処理したメタノールウエッタビリティ80%,BET比
表面積120m2/gの疎水性シリカ微粉体(シリカ微
粉体100重量部に対してヘキサメチルジシラザン10
重量部とジメチルシリコーン10重量部で処理)1.2
重量部を外添混合してトナーAを調製した。
【0363】このシアントナーA7.0重量部に対し
て、スチレン−メタクリル酸メチル(共重合体重量比6
5:35)を約0.35重量%コーティングした平均粒
径45μmのCu−Zn−Fe系フェライトキャリアを
総重量100重量部になるように混合し、二成分現像剤
とした。二成分現像剤中のトナー濃度は7.0重量%に
した。
【0364】このトナーAを定着オイル供給機構を伴わ
ない定着器(定着スピード100mm/sec.、定着
ローラー径Φ40mm、加圧ローラー径Φ40mm、定
着・加圧ローラー表層PFA[パーフロロアルコキシエ
チレン]20μm、ニップ幅7.5mm、総加圧力30
kgf)において、定着・加圧ローラー表面に定着オイ
ルがない状態で定着性と耐オフセット性の評価を行っ
た。
【0365】その結果、定着開始点は110℃と低く、
非オフセット幅も大である。また、フルカラートナーに
重要なグロス10以上となる領域が存在し、グロスコン
トロール可能であった。また、OHT上に画像をOHT
モードとして170℃,30mm/sec.の定着スピ
ードで定着試験を行なった。このカラー画像をオバーヘ
ッドプロジェクター(OHP)に投影し、評価を行なっ
た。得られた画像はオフセットすることなく、透明性に
優れ、明暗ムラもなく、色再現性も優れていた。
【0366】更に、180℃,100mm/sec.の
定着スピードで両面ベタ画像の定着を行ったが、オフセ
ットすることなく、両面ともに画像の平滑性が高く、定
着ローラーの汚れも無かった。
【0367】また、市販のフルカラー複写機(カラーレ
ザーコピア800,キヤノン社製)定着器構成を上記の
オイル塗布機構を伴わない定着器に改造したものを用い
て15℃,10%RHの環境と30℃,80%RHの環
境で1万枚のプリント試験を行った。1万枚プリント後
の現像性(画像濃度)及びカブリを評価した。耐久濃度
推移、カブリ抑制は良好であった。評価結果は表5に示
す。
【0368】<実施例2〜3及び比較例1〜2>表4に
記載のように非線状ポリエステル樹脂A−1と非線状ポ
リエステル樹脂B−1の処方比を振って実施例1と同様
にトナーB〜Eを作製し、同様の試験をした結果を表5
に示す。
【0369】<実施例4〜9>表1に記載の非線状ポリ
エステル樹脂A−1〜A−6及び非線状ポリエステル樹
脂B−2を用いて、表4に記載の処方で実施例1と同様
にトナーF〜Kを作製し、同様の試験をした結果を表5
に示す。
【0370】<比較例3〜7>表1に記載の比較用非線
状ポリエステル樹脂A−7〜A−11と、表2及び表3
に記載の非線状ポリエステル樹脂B−2を用いて、表4
に記載の処方で実施例1と同様にトナーL〜Pを作製
し、同様の試験をした結果を表5に示す。
【0371】<比較例8>表1に記載の非線状ポリエス
テル樹脂A−6と、表2及び表3に記載の比較用非線状
ポリエステル樹脂B−3を用いて、表4に記載の処方で
実施例1と同様にトナーQを作製し、同様の試験をした
結果を表5に示す。
【0372】<実施例10〜11>有機金属化合物とし
て亜鉛化合物及びクロム化合物である下記化合物136
及び137(但し、配位している水分子は省略する。)
を使用した表4に記載の処方で実施例1と同様にトナー
R及びSを作製し、同様の試験をした結果を表5に示
す。但し、トナーSは実施例1のシアン顔料をカーボン
ブラック5重量部に変更した。
【0373】
【化34】
【0374】<実施例12〜14及び比較例9>ワック
スとして表4に記載のワックスを使用し、表4に記載の
処方で実施例1と同様にトナーT〜Wを作製し、同様の
試験をした結果を表5に示す。
【0375】<実施例15〜16>表4に記載のように
有機金属化合物の添加量を変えた処方で実施例1と同様
にトナーX及びYを作製し、同様の試験をした結果を表
5に示す。
【0376】以下、本発明の実施例におけるトナー評価
方法・評価基準に関して記載する。
【0377】(1)現像性 30℃,80%RHの環境下で、通常の複写機用普通紙
(75g/m2)に1万枚プリントアウト終了時の画像
濃度維持により評価した。尚、画像濃度は「マクベス反
射濃度計」(マクベス社製)を用いて、原稿濃度が0.
00の白地部分のプリントアウト画像に対する相対濃度
を測定した。 A:1.40以上 B:1.30以上1.40未満 C:1.20以上1.30未満 D:1.20未満
【0378】(2)カブリ カブリ測定は、23℃,5%RHの環境下で通常の複写
機用普通紙(75g/m2)に1万枚プリントアウト画
像の白地部分の白色度をリフレクトメーター(東京電色
社製)により測定し、その白色度と転写紙の白色度の差
から、カブリ濃度(%)を算出し、評価した。 A:非常に良好(1.0%未満) B:良好(1.0%以上2.0%未満) C:普通(2.0%以上3.0%未満) D:悪い(3.0%以上)
【0379】(3)定着性及びグロス 定着性は、定着画像のトナーのり量を0.6g/cm2
のベタ画像とし、この画像に対し50g/cm2の荷重
をかけ、柔和な薄紙により定着画像を摺擦し、摺擦前後
での画像濃度の低下率(%)が20%以下となる温度を
定着開始温度として評価した。
【0380】耐オフセット性は、同様に定着画像のトナ
ーのり量を0.6g/cm2のベタ画像とし、定着時の
定着ローラーの汚れ(トナーの転移)が始まる温度を高
温側のオフセット温度として評価した。
【0381】また、同一定着画像の光沢度(グロス)ハ
ンディ光沢度計グロスメーターPG−3D(日本電色工
業製)を用いて、光の入射角75°の条件で測定した。
グロス値が10以上となる温度領域が、30℃以上であ
る場合を○、20℃以下の場合を△(実用不可)、グロ
ス値が10以上となる温度領域が存在しない場合を×
(実用不可)として評価した。
【0382】定着温度条件としては、110℃から5℃
毎に200℃まで行なった。
【0383】(4)耐久オフセット性 耐久オフセット性は、定着温度190℃で画像面積率約
5%のサンプル画像をプリントアウトし、連続3000
枚の画像上の汚れの程度、3000枚後の定着・加圧ロ
ーラーの表面観察により評価した。 A:画像上・ローラー上全くない。;実用可 B:画像上には全くないがローラー上にわずかだがトナ
ーの痕跡有り。:実用可 C:画像裏面にややトナー痕跡がある画像が5枚存在
し、ローラー上にわずかだがトナーの痕跡有り。;実用
不可 D:画像上・ローラー上にオフセットが発生する頻度が
高い。;実用不可 E:定着器に巻き付いて耐久不可。:実用不可
【0384】(5)OHT画像透明性 OHT画像透明性の評価は、OHT上に画像をOHTモ
ードとして170℃、30mm/sec.の定着スピー
ドで定着試験を行い、このカラー画像をオバーヘッドプ
ロジェクター(OHP)に投影し、評価を行なった。 ◎:得られた画像はオフセットすることなく、透明性に
優れ、明暗ムラもなく、色再現性も優れる。;実用可 ○:若干の明暗ムラがあるものの、実用上問題無い。 △:明暗ムラがあり、色再現に乏しい。;実用不可 ×:透明性が著しく劣り、ほとんど色再現されない。;
実用不可
【0385】(6)両面画像性 両面画像性の評価は、定着画像のトナーのり量を0.6
g/cm2のベタ画像とし、定着スピード100mm/
sec.、定着温度180℃で定着した後、定着画像の
裏面にトナーのり量を0.6g/cm2のベタ画像を再
度形成させ、その裏面を表面と同様の条件で定着させた
際のオフセットの有無、両面のベタ画像の平滑性及び定
着ローラーの汚れを評価した。 ○:得られた画像はオフセットすることなく、両面とも
に画像の平滑性が高く、定着ローラーの汚れも無い。;
実用可 △:若干ベタ画像の平滑性が劣る、或いは定着ローラー
がトナーで僅かに汚れる。;実用可 ×:顕著にオフセットを生ずる。;実用不可
【0386】
【表1】
【0387】
【表2】
【0388】
【表3】
【0389】
【表4】
【0390】
【表5】
【0391】
【発明の効果】本発明によって、定着オイルの使用無し
に定着を行なうことのできる耐オフセット性により優れ
たカラートナーを得ることが可能となる。また、オイル
レス定着によっても、適度の光沢性やつやを有し、高彩
度な色調に至るまで色再現性に優れるフルカラー画像が
得られる。また、オバーヘッドプロジェクターシート
(OHT)上でオイルのベタツキ感がなく、色再現・透
過性を満足するカラートナーを得ることが可能となる。
更に、OHT上でもオフセットすることなく、その優れ
た耐オフセット性とオイルレスでの定着によってフルカ
ラー画像の画面出力をも可能となる。また、低湿下で使
用しても、高湿下で使用しても高い画像品質が得られ、
経時において画像欠陥を生じないカラートナーを得るこ
とが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の画像形成方法を実施し得る好適な画像
形成装置の例を示す概略図である。
【図2】本発明の画像形成方法を実施し得る画像形成装
置の他の例を示す概略図である。
【図3】本発明の画像形成方法を実施し得る画像形成装
置の他の例を示す概略図である。
【図4】本発明の画像形成方法を実施し得る画像形成装
置の他の例を示す概略図である。
【図5】本発明の画像形成方法を実施し得る画像形成装
置の他の例を示す概略図である。
【図6】二成分系現像剤を用いる画像形成装置の概略図
である。
【図7】非接触一成分現像方法による現像装置の概略図
である。
【図8】接触一成分現像方法による現像装置の概略図で
ある。
【図9】加熱加圧定着装置の例としての熱ロール定着装
置の概略図である。
【符号の説明】
1 露光手段 2 帯電ローラ 3 感光ドラム 4 現像器 5 現像器 6 現像器 7 現像器 8 感光ドラムクリーナー 9 芯金 10 保持部材 11 中間転写体 12 中間転写体クリーナー 13 電源 14 転写帯電器 15 分離除電器 16 帯電器 17 現像器 18 感光ドラムクリーナー 19 感光ドラム 20 分離除電器 22 定着器 23 潜像形成部 24 転写放電部 25 搬送ベルト 26 排出部 27 吸着帯電器 28 分離除電放電部 29 画像形成部 31 露光手段 32 定着器 33 感光ドラム 34 現像器 35 現像器 36 現像器 37 現像器 38 感光ドラムクリーナー 39 回転現像ユニット 40 転写ドラムユニット 44 転写帯電器 45 分離帯電器 46 帯電器 47 グリッパー 48 転写ドラム 49 分離爪 60a 転写バイアス印加手段(接地していても良い) 61a 感光体ドラム 62a 一次帯電器 63a 現像器 64a 転写ブレード 65a トナーホッパー 66a 補給ローラ 67a 露光装置 68 記録材担持体 69 分離帯電器 70 定着器 71 定着ローラ 72 加圧ローラ 73 ウェッブ 75,76 加熱手段 78 温度検知手段 79 転写ベルトクリーニング装置 80 駆動ローラ 81 ベルト従動ローラ 82 ベルト除電器 83 レジストローラ 84 給紙ローラ 101 露光手段 102 帯電手段 103 感光ドラム 104 現像器 105 現像器 106 現像器 107 現像器 108 感光ドラムクリーナー 109 転写帯電器 110 分離除電器 111 除電器 112 定着器 119 感光体ドラム 120 現像装置 121 現像スリーブ(現像剤担持体) 122 スリーブ基体 123 磁石 124 搬送スクリュー 125 搬送スクリュー 126 現像容器 127 現像ブレード 128 二成分現像剤 129 補給用トナー 130 隔壁 131 補給口 169 静電潜像保持体(感光体ドラム) 170 現像装置 171 現像容器 172 現像スリーブ(現像剤担持体) 173 現像剤供給ローラー 174 弾性ブレード(現像ブレード) 175 撹拌部材 176 一成分非磁性現像剤 180 現像装置 181 現像容器 182 現像スリーブ(現像剤担持体) 183 ローラー基体 184 弾性層 185 現像剤供給ローラー 186 弾性ブレード(現像ブレード) 187 撹拌部材 188 一成分現像剤 189 感光体ドラム
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G03G 15/08 507 G03G 9/08 346 15/20 102 365 104 15/08 507L (72)発明者 遊佐 寛 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 唐木 由紀 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 Fターム(参考) 2H005 AA01 AA06 AA21 CA08 CA13 CA14 CA25 DA02 EA03 EA06 EA07 EA10 FB02 2H030 AA07 AD01 AD04 BB23 BB24 BB42 2H033 AA09 AA32 AA39 BA46 BA58 BB01 BB10 2H077 AB02 AC02 AC04 AD06 AD13 AD14 AD17 AD23 AD36 AE04 BA09 EA03 EA13 EA14 EA15 EA16 FA22 GA12

Claims (72)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも結着樹脂、ワックス、有機金
    属化合物及び着色剤を有するカラートナーにおいて、 該結着樹脂が、少なくとも3価以上の多価カルボン酸単
    量体ユニットと、炭素数5〜30の飽和もしくは不飽和
    の脂肪族炭化水素基を有する多価カルボン酸単量体ユニ
    ット及び/又は多価アルコール単量体ユニットを含有
    し、該結着樹脂中の該3価以上の多価カルボン酸単量体
    ユニットの含有量をXa mol%、該炭素数5〜30
    の飽和もしくは不飽和の脂肪族炭化水素基を有する多価
    カルボン酸単量体ユニット及び/又は多価アルコール単
    量体ユニットの含有量をYa mol%としたとき、下
    記条件 0.5<Xa<15 5<Ya<30 2≦Ya/Xa≦10 を満足する非線状ポリエステル樹脂A、及び、3価以上
    の多価カルボン酸単量体ユニットを非線状ポリエステル
    樹脂Aよりも少ない量で含有する非線状のポリエステル
    樹脂Bを少なくとも有し、 非線状ポリエステル樹脂Aと非線状ポリエステル樹脂B
    の混合重量比が、20/80〜80/20であり、 且つ、該ワックスの示差走査熱量計(DSC)測定によ
    る最大吸熱ピークが60〜135℃にあることを特徴と
    するカラートナー。
  2. 【請求項2】 該結着樹脂は、該非線状ポリエステル樹
    脂Aが含有する3価以上の多価カルボン酸単量体ユニッ
    トの含有量をXa mol%、該非線状ポリエステル樹
    脂Bが含有する3価以上の多価カルボン酸単量体ユニッ
    トの含有量をXb mol%としたとき、下記条件 2≦Xa/Xb≦50 を満足することを特徴とする請求項1に記載のカラート
    ナー。
  3. 【請求項3】 該有機金属化合物のトナー中の含有量が
    0.2〜10重量%であり、且つ該結着樹脂中の3価以
    上の多価カルボン酸単量体ユニットの全含有量をXc
    mol%、該有機金属化合物のトナー中の含有量をZ重
    量%としたとき、下記条件 2≦Xc×Z≦50 を満足することを特徴とする請求項1又は2に記載のカ
    ラートナー。
  4. 【請求項4】 該有機金属化合物は金属元素としてジル
    コニウムを有し、芳香族ジオール,芳香族ヒドロキシカ
    ルボン酸,芳香族モノカルボン酸及び芳香族ポリカルボ
    ン酸から成るグループから選択される芳香族化合物が配
    位又は/及び結合している有機ジルコニウム化合物であ
    ることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の
    カラートナー。
  5. 【請求項5】 該有機金属化合物は金属元素としてアル
    ミニウムを有し、芳香族ジオール,芳香族ヒドロキシカ
    ルボン酸,芳香族モノカルボン酸及び芳香族ポリカルボ
    ン酸から成るグループから選択される芳香族化合物が配
    位又は/及び結合している有機アルミニウム化合物であ
    ることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の
    カラートナー。
  6. 【請求項6】 該ワックスの示差走査熱量計(DSC)
    測定による最大吸熱ピークが60〜120℃にあること
    を特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載のカラー
    トナー。
  7. 【請求項7】 該ワックスのGPC分子量分布における
    数平均分子量(Mn)と重量平均分子量(Mw)の比M
    w/Mnが1.0〜2.0であることを特徴とする請求
    項1乃至6のいずれかに記載のカラートナー。
  8. 【請求項8】 該ワックスのGPC分子量分布における
    数平均分子量(Mn)が200〜2000であり、重量
    平均分子量(Mw)が200〜2500であることを特
    徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載のカラートナ
    ー。
  9. 【請求項9】 該ワックスの含有重量比率が、トナーに
    対して0.3〜4.5重量%であることを特徴とする請
    求項1乃至7のいずれかに記載のカラートナー。
  10. 【請求項10】 該ワックスは、炭化水素系ワックスを
    有することを特徴とする請求項1乃至9のいずれかに記
    載のカラートナー。
  11. 【請求項11】 該ワックスは、ポリエチレンワックス
    を有することを特徴とする請求項1乃至10のいずれか
    に記載のカラートナー。
  12. 【請求項12】 該結着樹脂を構成する成分である非線
    状ポリエステル樹脂Aは、少なくとも3価以上の多価カ
    ルボン酸単量体ユニットを3mol%以上含有している
    ことを特徴とする請求項1乃至11のいずれかに記載の
    カラートナー。
  13. 【請求項13】 該結着樹脂を構成する成分である非線
    状ポリエステル樹脂Aは、少なくとも3価以上の多価カ
    ルボン酸単量体ユニットを10mol%以下で含有して
    いることを特徴とする請求項1乃至12のいずれかに記
    載のカラートナー。
  14. 【請求項14】 該結着樹脂を構成する成分である非線
    状ポリエステル樹脂Aは、ポリエステル樹脂の骨格に炭
    素数5〜30の飽和もしくは不飽和の脂肪族炭化水素基
    がブランチ化されて導入されていることを特徴とする請
    求項1乃至13のいずれかに記載のカラートナー。
  15. 【請求項15】 該結着樹脂を構成する成分である非線
    状ポリエステル樹脂Aは、炭素数5〜30の飽和もしく
    は不飽和の脂肪族炭化水素基で置換された脂肪族ジカル
    ボン酸類及び脂肪族ジオール類の少なくとも一方の単量
    体ユニットを用いて合成することによって得られたこと
    を特徴とする請求項1乃至14のいずれかに記載のカラ
    ートナー。
  16. 【請求項16】 該結着樹脂を構成する成分である非線
    状ポリエステル樹脂Bは、3価以上の多価カルボン酸単
    量体ユニットを3mol%未満で含有していることを特
    徴とする請求項1乃至15のいずれかに記載のカラート
    ナー。
  17. 【請求項17】 該結着樹脂を構成する成分である非線
    状のポリエステル樹脂BのTHF可溶分のGPC分子量
    分布における数平均分子量(Mn)が2000〜700
    0であり、重量平均分子量(Mw)が5000〜300
    00であり、数平均分子量(Mn)と重量平均分子量
    (Mw)の比Mw/Mnが2〜5であることを特徴とす
    る請求項1乃至16のいずれかに記載のカラートナー。
  18. 【請求項18】 該トナーの樹脂成分の酸価が2〜20
    mgKOH/gであることを特徴とする請求項1乃至1
    7のいずれかに記載のカラートナー。
  19. 【請求項19】 該トナーの樹脂成分は、THF不溶分
    を0乃至5.0重量%未満含有することを特徴とする請
    求項1乃至18のいずれかに記載のカラートナー。
  20. 【請求項20】 該トナーの樹脂成分は、THF可溶分
    のGPC分子量分布において、1万未満の成分含有量
    (M1)40〜65%、1万〜5万の成分含有量(M
    2)25〜50%、5万〜50万の成分含有量(M3)
    2〜20%、50万を超える成分含有量(M4)0.1
    〜10%であって、且つM1>M2>M3>M4の関係
    を満足することを特徴とする請求項1乃至19のいずれ
    かに記載のカラートナー。
  21. 【請求項21】 該トナーは、少なくともシアントナ
    ー、マゼンタトナー及びイエロートナーを組み合わせて
    フルカラー画像を形成するためのシアン着色剤を含有す
    るシアントナーであることを特徴とする請求項1乃至2
    0のいずれかに記載のカラートナー。
  22. 【請求項22】 該トナーは、少なくともシアントナ
    ー、マゼンタトナー及びイエロートナーを組み合わせて
    フルカラー画像を形成するためのマゼンタ着色剤を含有
    するマゼンタトナーであることを特徴とする請求項1乃
    至20のいずれかに記載のカラートナー。
  23. 【請求項23】 該トナーは、少なくともシアントナ
    ー、マゼンタトナー及びイエロートナーを組み合わせて
    フルカラー画像を形成するためのイエロー着色剤を含有
    するイエロートナーであることを特徴とする請求項1乃
    至20のいずれかに記載のカラートナー。
  24. 【請求項24】 該トナーは、少なくともシアントナ
    ー、マゼンタトナー、イエロートナー及びブラックトナ
    ーを組み合わせてフルカラー画像を形成するためのブラ
    ック着色剤を含有するブラックトナーであることを特徴
    とする請求項1乃至20のいずれかに記載のカラートナ
    ー。
  25. 【請求項25】 潜像保持体を帯電する帯電工程;帯電
    された潜像保持体に静電潜像を形成する潜像形成工程;
    該静電潜像をトナーによって現像してトナー画像を形成
    する現像工程;現像されたトナー画像を中間転写体を介
    して、又は介さずに記録材上に転写する転写工程;及び
    記録材上に転写されたトナー画像の表面に定着部材を接
    触させ、且つ該トナー画像に熱及び圧力を付与すること
    により、該トナー画像を該記録材上に定着する定着工
    程;を有する画像形成方法において、 該現像工程は、少なくとも結着樹脂、ワックス、有機金
    属化合物及び着色剤を有するカラートナーを用いる工程
    であって、 該結着樹脂が、少なくとも3価以上の多価カルボン酸単
    量体ユニットと、炭素数5〜30の飽和もしくは不飽和
    の脂肪族炭化水素基を有する多価カルボン酸単量体ユニ
    ット及び/又は多価アルコール単量体ユニットを含有
    し、該結着樹脂中の該3価以上の多価カルボン酸単量体
    ユニットの含有量をXa mol%、該炭素数5〜30
    の飽和もしくは不飽和の脂肪族炭化水素基を有する多価
    カルボン酸単量体ユニット及び/又は多価アルコール単
    量体ユニットの含有量をYa mol%としたとき、下
    記条件 0.5<Xa<15 5<Ya<30 2≦Ya/Xa≦10 を満足する非線状ポリエステル樹脂A、及び、3価以上
    の多価カルボン酸単量体ユニットを非線状ポリエステル
    樹脂Aよりも少ない量で含有する非線状のポリエステル
    樹脂Bを少なくとも有し、 非線状ポリエステル樹脂Aと非線状ポリエステル樹脂B
    の混合重量比が、20/80〜80/20であり、 且つ、示差走査熱量計(DSC)測定による最大吸熱ピ
    ークが60〜135℃にあるカラートナーを用いて静電
    潜像を現像してトナー画像を形成する工程であることを
    特徴とするカラー画像形成方法。
  26. 【請求項26】 該定着工程は、該定着部材から該記録
    材のトナー画像の定着面に供給される定着オイルの記録
    材単位面積当たりの塗布量が0〜1×10-7g/cm2
    で、該トナー画像を該記録材上に定着する工程であるこ
    とを特徴とする請求項25に記載のカラー画像形成方
    法。
  27. 【請求項27】 該定着工程は、該定着部材から該記録
    材に定着オイルを供給することなく該トナー画像を該記
    録材上に定着する工程であることを特徴とする請求項2
    5又は26に記載のカラー画像形成方法。
  28. 【請求項28】 該現像工程は、該非線状ポリエステル
    樹脂Aが含有する3価以上の多価カルボン酸単量体ユニ
    ットの含有量をXa mol%、該非線状ポリエステル
    樹脂Bが含有する3価以上の多価カルボン酸単量体ユニ
    ットの含有量をXb mol%としたとき、下記条件 3≦Xa/Xb≦50 を満足する結着樹脂を含有するカラートナーを用いて静
    電潜像を現像してトナー画像を形成する工程であること
    を特徴とする請求項25乃至27のいずれかに記載のカ
    ラー画像形成方法。
  29. 【請求項29】 該現像工程は、該有機金属化合物のト
    ナー中の含有量が0.2〜10重量%であり、且つ該結
    着樹脂中の3価以上の多価カルボン酸単量体ユニットの
    全含有量をXc mol%、該有機金属化合物のトナー
    中の含有量をZ重量%としたとき、下記条件 2≦Xc×Z≦50 を満足するカラートナーを用いて静電潜像を現像してト
    ナー画像を形成する工程であることを特徴とする請求項
    25乃至28のいずれかに記載のカラー画像形成方法。
  30. 【請求項30】 該現像工程は、該有機金属化合物が金
    属元素としてジルコニウムを有し、芳香族ジオール,芳
    香族ヒドロキシカルボン酸,芳香族モノカルボン酸及び
    芳香族ポリカルボン酸から成るグループから選択される
    芳香族化合物が配位又は/及び結合している有機ジルコ
    ニウム化合物であるカラートナーを用いて静電潜像を現
    像してトナー画像を形成する工程であることを特徴とす
    る請求項25乃至29のいずれかに記載のカラー画像形
    成方法。
  31. 【請求項31】 該現像工程は、該有機金属化合物が金
    属元素としてアルミニウムを有し、芳香族ジオール,芳
    香族ヒドロキシカルボン酸,芳香族モノカルボン酸及び
    芳香族ポリカルボン酸から成るグループから選択される
    芳香族化合物が配位又は/及び結合している有機アルミ
    ニウム化合物であるカラートナーを用いて静電潜像を現
    像してトナー画像を形成する工程であることを特徴とす
    る請求項25乃至30のいずれかに記載のカラー画像形
    成方法。
  32. 【請求項32】 該現像工程は、該ワックスの示差走査
    熱量計(DSC)測定による最大吸熱ピークが60〜1
    20℃にあるカラートナーを用いて静電潜像を現像して
    トナー画像を形成する工程であることを特徴とする請求
    項25乃至31のいずれかに記載のカラー画像形成方
    法。
  33. 【請求項33】 該現像工程は、該ワックスのGPC分
    子量分布における数平均分子量(Mn)と 重量平均分
    子量(Mw)の比Mw/Mnが1.0〜2.0であるカ
    ラートナーを用いて静電潜像を現像してトナー画像を形
    成する工程であることを特徴とする請求項25乃至32
    のいずれかに記載のカラー画像形成方法。
  34. 【請求項34】 該現像工程は、該ワックスのGPC分
    子量分布における数平均分子量(Mn)が200〜20
    00であり、重量平均分子量(Mw)が200〜250
    0であるカラートナーを用いて静電潜像を現像してトナ
    ー画像を形成する工程であることを特徴とする請求項2
    5乃至33のいずれかに記載のカラー画像形成方法。
  35. 【請求項35】 該現像工程は、該ワックスの含有重量
    比率が、トナーに対して0.3〜4.5重量%であるカ
    ラートナーを用いて静電潜像を現像してトナー画像を形
    成する工程であることを特徴とする請求項25乃至34
    のいずれかに記載のカラー画像形成方法。
  36. 【請求項36】 該現像工程は、該ワックスが炭化水素
    系ワックスを有するカラートナーを用いて静電潜像を現
    像してトナー画像を形成する工程であることを特徴とす
    る請求項25乃至35のいずれかに記載のカラー画像形
    成方法。
  37. 【請求項37】 該現像工程は、該ワックスがポリエチ
    レンワックスを有するカラートナーを用いて静電潜像を
    現像してトナー画像を形成する工程であることを特徴と
    する請求項25乃至36のいずれかに記載のカラー画像
    形成方法。
  38. 【請求項38】 該現像工程は、該結着樹脂を構成する
    成分である非線状ポリエステル樹脂Aが少なくとも3価
    以上の多価カルボン酸単量体ユニットを3mol%以上
    含有しているカラートナーを用いて静電潜像を現像して
    トナー画像を形成する工程であることを特徴とする請求
    項25乃至37のいずれかに記載のカラー画像形成方
    法。
  39. 【請求項39】 該現像工程は、該結着樹脂を構成する
    成分である非線状ポリエステル樹脂Aが少なくとも3価
    以上の多価カルボン酸単量体ユニットを10mol%以
    下で含有しているカラートナーを用いて静電潜像を現像
    してトナー画像を形成する工程であることを特徴とする
    請求項25乃至38のいずれかに記載のカラー画像形成
    方法。
  40. 【請求項40】 該現像工程は、該結着樹脂を構成する
    成分である非線状ポリエステル樹脂Aがポリエステル樹
    脂の骨格に炭素数5〜30の飽和もしくは不飽和の脂肪
    族炭化水素基がブランチ化されて導入されているカラー
    トナーを用いて静電潜像を現像してトナー画像を形成す
    る工程であることを特徴とする請求項25乃至39のい
    ずれかに記載のカラー画像形成方法。
  41. 【請求項41】 該現像工程は、該結着樹脂を構成する
    成分である非線状ポリエステル樹脂Aが炭素数5〜30
    の飽和もしくは不飽和の脂肪族炭化水素基で置換された
    脂肪族ジカルボン酸類及び脂肪族ジオール類の少なくと
    も一方の単量体ユニットを用いて合成することによって
    得られたカラートナーを用いて静電潜像を現像してトナ
    ー画像を形成する工程であることを特徴とする請求項2
    5乃至40のいずれかに記載のカラー画像形成方法。
  42. 【請求項42】 該現像工程は、該結着樹脂を構成する
    成分である非線状ポリエステル樹脂Bが3価以上の多価
    カルボン酸単量体ユニットを3mol%未満で含有して
    いるカラートナーを用いて静電潜像を現像してトナー画
    像を形成する工程であることを特徴とする請求項25乃
    至41のいずれかに記載のカラー画像形成方法。
  43. 【請求項43】 該現像工程は、該結着樹脂を構成する
    成分である非線状のポリエステル樹脂BのTHF可溶分
    のGPC分子量分布における数平均分子量(Mn)が2
    000〜7000であり、重量平均分子量(Mw)が5
    000〜30000であり、数平均分子量(Mn)と
    重量平均分子量(Mw)の比Mw/Mnが2〜5である
    カラートナーを用いて静電潜像を現像してトナー画像を
    形成する工程であることを特徴とする請求項25乃至4
    2のいずれかに記載のカラー画像形成方法。
  44. 【請求項44】 該現像工程は、該トナーの樹脂成分の
    酸価が2〜20mgKOH/gであるカラートナーを用
    いて静電潜像を現像してトナー画像を形成する工程であ
    ることを特徴とする請求項25乃至43のいずれかに記
    載のカラー画像形成方法。
  45. 【請求項45】 該現像工程は、該トナーの樹脂成分が
    THF不溶分を0乃至5.0重量%未満含有するカラー
    トナーを用いて静電潜像を現像してトナー画像を形成す
    る工程であることを特徴とする請求項25乃至44のい
    ずれかに記載のカラー画像形成方法。
  46. 【請求項46】 該現像工程は、該トナーの樹脂成分が
    THF可溶分のGPC分子量分布において、1万未満の
    成分含有量(M1)40〜65%、1万〜5万の成分含
    有量(M2)25〜50%、5万〜50万の成分含有量
    (M3)2〜20%、50万を超える成分含有量(M
    4)0.1〜10%であって、且つM1>M2>M3>
    M4の関係を満足するカラートナーを用いて静電潜像を
    現像してトナー画像を形成する工程であることを特徴と
    する請求項25乃至45のいずれかに記載のカラー画像
    形成方法。
  47. 【請求項47】 潜像保持体を帯電する第1の帯電工
    程;帯電された潜像保持体に静電潜像を形成する第1の
    潜像形成工程;該静電潜像を第1のトナーにより現像し
    て第1のトナー画像を形成する第1の現像工程;現像さ
    れた第1のトナー画像を中間転写体上に転写する第1の
    転写工程;潜像保持体を帯電する第2の帯電工程;帯電
    された潜像保持体に静電潜像を形成する第2の潜像形成
    工程;該静電潜像を第2のトナーにより現像して第2の
    トナー画像を形成する第2の現像工程;現像された第2
    のトナー画像を第1のトナー画像が転写されている中間
    転写体に転写する第2の転写工程;潜像保持体を帯電す
    る第3の帯電工程;帯電された潜像保持体に静電潜像を
    形成する第3の潜像形成工程;該静電潜像を第3のトナ
    ーにより現像して第3のトナー画像を形成する第3の現
    像工程;現像された第3のトナー画像を第1のトナー画
    像及び第2のトナー画像が転写されている中間転写体上
    に転写する第3の転写工程;潜像保持体を帯電する第4
    の帯電工程;帯電された潜像保持体に静電潜像を形成す
    る第4の潜像形成工程;該静電潜像を第4のトナーによ
    り現像して第4のトナー画像を形成する第4の現像工
    程;現像された第4のトナー画像を第1のトナー画像、
    第2のトナー画像及び第3のトナー画像が転写されてい
    る中間転写体上に転写する第4の転写工程;該中間転写
    体上に転写された第1のトナー画像、第2のトナー画
    像、第3のトナー画像及び第4のトナー画像を有する多
    色トナー画像を記録材上に一括して2次転写する一括転
    写工程;及び記録材上に一括して2次転写された該多色
    トナー画像の表面に定着部材を接触させ、且つ該多色ト
    ナー画像に熱及び圧力を付与することにより、該多色ト
    ナー画像を該記録材に定着する定着工程;を有する画像
    形成方法において、該第1のトナーは、シアントナー、
    マゼンタトナー、イエロートナー及びブラックトナーか
    らなるグループから選択されるカラートナーであり、該
    第2のトナーは、第1のトナーとして選択されたカラー
    トナーを除く残りのグループから選択されるカラートナ
    ーであり、該第3のトナーは、第1のトナーとして選択
    されたカラートナー及び第2のトナーとして選択された
    カラートナーを除く残りのグループから選択されるカラ
    ートナーであり、該第4のトナーは、第1のトナーとし
    て選択されたカラートナー、第2のトナーとして選択さ
    れたカラートナー及び第3のトナーとして選択されたカ
    ラートナーを除く残りのカラートナーであることを特徴
    とする請求項25乃至46のいずれかに記載のカラー画
    像形成方法。
  48. 【請求項48】 潜像保持体を帯電する第1の帯電工
    程;帯電された潜像保持体に静電潜像を形成する第1の
    潜像形成工程;該静電潜像を第1のトナーにより現像し
    て第1のトナー画像を形成する第1の現像工程;現像さ
    れた第1のトナー画像を中間転写体を介さずに記録材上
    に転写する第1の転写工程;潜像保持体を帯電する第2
    の帯電工程;帯電された潜像保持体に静電潜像を形成す
    る第2の潜像形成工程;該静電潜像を第2のトナーによ
    り現像して第2のトナー画像を形成する第2の現像工
    程;現像された第2のトナー画像を第1のトナー画像が
    転写されている記録材上に転写する第2の転写工程;潜
    像保持体を帯電する第3の帯電工程;帯電された潜像保
    持体に静電潜像を形成する第3の潜像形成工程;該静電
    潜像を第3のトナーにより現像して第3のトナー画像を
    形成する第3の現像工程;現像された第3のトナー画像
    を第1のトナー画像及び第2のトナー画像が転写されて
    いる記録材上に転写する第3の転写工程;潜像保持体を
    帯電する第4の帯電工程;帯電された潜像保持体に静電
    潜像を形成する第4の潜像形成工程;該静電潜像を第4
    のトナーにより現像して第4のトナー画像を形成する第
    4の現像工程;現像された第4のトナー画像を第1のト
    ナー画像、第2のトナー画像及び第3のトナー画像が転
    写されている記録材上に転写する第4の転写工程;記録
    材上に順次転写された第1のトナー画像、第2のトナー
    画像、第3のトナー画像及び第4のトナー画像を有する
    多色トナー画像の表面に定着部材を接触させ、且つ該多
    色トナー画像に熱及び圧力を付与することにより、該多
    色トナー画像を該記録材に定着する定着工程;を有する
    画像形成方法において、 該第1のトナーは、シアントナー、マゼンタトナー、イ
    エロートナー及びブラックトナーからなるグループから
    選択されるカラートナーであり、 該第2のトナーは、第1のトナーとして選択されたカラ
    ートナーを除く残りのグループから選択されるカラート
    ナーであり、 該第3のトナーは、第1のトナーとして選択されたカラ
    ートナー及び第2のトナーとして選択されたカラートナ
    ーを除く残りのグループから選択されるカラートナーで
    あり、 該第4のトナーは、第1のトナーとして選択されたカラ
    ートナー、第2のトナーとして選択されたカラートナー
    及び第3のトナーとして選択されたカラートナーを除く
    残りのカラートナーであることを特徴とする請求項25
    乃至46のいずれかに記載のカラー画像形成方法。
  49. 【請求項49】 少なくとも静電潜像を現像するための
    トナー、該トナーを保有するためのトナー容器、該トナ
    ー容器に保有されているトナーを担持し且つ現像領域に
    搬送するためのトナー担持体、及び該トナー担持体に担
    持されるトナーの層厚を規制するためのトナー層厚規制
    部材を有しており、 該トナーは、少なくとも結着樹脂、ワックス、有機金属
    化合物及び着色剤を有するカラートナーであり、 該結着樹脂が、少なくとも3価以上の多価カルボン酸単
    量体ユニットと、炭素数5〜30の飽和もしくは不飽和
    の脂肪族炭化水素基を有する多価カルボン酸単量体ユニ
    ット及び/又は多価アルコール単量体ユニットを含有
    し、該結着樹脂中の該3価以上の多価カルボン酸単量体
    ユニットの含有量をXa mol%、該炭素数5〜30
    の飽和もしくは不飽和の脂肪族炭化水素基を有する多価
    カルボン酸単量体ユニット及び/又は多価アルコール単
    量体ユニットの含有量をYa mol%としたとき、下
    記条件 0.5<Xa<15 5<Ya<30 2≦Ya/Xa≦10 を満足する非線状ポリエステル樹脂A、及び、3価以上
    の多価カルボン酸単量体ユニットを非線状ポリエステル
    樹脂Aよりも少ない量で含有する非線状のポリエステル
    樹脂Bを少なくとも有し、 非線状ポリエステル樹脂Aと非線状ポリエステル樹脂B
    の混合重量比が、20/80〜80/20であり、 且つ、示差走査熱量計(DSC)測定による最大吸熱ピ
    ークが60〜135℃にあることを特徴とするカラー画
    像形成装置本体に脱離可能に装着される装置ユニット。
  50. 【請求項50】 該結着樹脂が、該非線状ポリエステル
    樹脂Aが含有する3価以上の多価カルボン酸単量体ユニ
    ットの含有量をXa mol%、該非線状ポリエステル
    樹脂Bが含有する3価以上の多価カルボン酸単量体ユニ
    ットの含有量をXb mol%としたとき、下記条件 4≦Xa/Xb≦50 を満足することを特徴とする請求項49に記載のカラー
    画像形成装置本体に脱離可能に装着される装置ユニッ
    ト。
  51. 【請求項51】 該トナーは、トナー中の該有機金属化
    合物の含有量が0.2〜10重量%であり、且つ該結着
    樹脂中の3価以上の多価カルボン酸単量体ユニットの全
    含有量をXc mol%、該有機金属化合物のトナー中
    の含有量をZ重量%としたとき、下記条件 2≦Xc×Z≦50 を満足することを特徴とする請求項49又は50に記載
    のカラー画像形成装置本体に脱離可能に装着される装置
    ユニット。
  52. 【請求項52】 該有機金属化合物が金属元素としてジ
    ルコニウムを有し、芳香族ジオール,芳香族ヒドロキシ
    カルボン酸,芳香族モノカルボン酸及び芳香族ポリカル
    ボン酸から成るグループから選択される芳香族化合物が
    配位又は/及び結合している有機ジルコニウム化合物で
    あることを特徴とする請求項49乃至51のいずれかに
    記載のカラー画像形成装置本体に脱離可能に装着される
    装置ユニット。
  53. 【請求項53】 該有機金属化合物は金属元素としてア
    ルミニウムを有し、芳香族ジオール,芳香族ヒドロキシ
    カルボン酸、芳香族モノカルボン酸及び芳香族ポリカル
    ボン酸から成るグループから選択される芳香族化合物が
    配位又は/及び結合している有機アルミニウム化合物で
    あることを特徴とする請求項49乃至51のいずれかに
    記載のカラー画像形成装置本体に脱離可能に装着される
    装置ユニット。
  54. 【請求項54】 該ワックスの示差走査熱量計(DS
    C)測定による最大吸熱ピークが60〜120℃にある
    ことを特徴とする請求項49乃至53のいずれかに記載
    のカラー画像形成装置本体に脱離可能に装着される装置
    ユニット。
  55. 【請求項55】 該ワックスのGPC分子量分布におけ
    る数平均分子量(Mn)と 重量平均分子量(Mw)の
    比Mw/Mnが1.0〜2.0であることを特徴とする
    請求項49乃至54のいずれかに記載のカラー画像形成
    装置本体に脱離可能に装着される装置ユニット。
  56. 【請求項56】 該ワックスのGPC分子量分布におけ
    る数平均分子量(Mn)が200〜2000であり、重
    量平均分子量(Mw)が200〜2500であることを
    特徴とする請求項49乃至55のいずれかに記載のカラ
    ー画像形成装置本体に脱離可能に装着される装置ユニッ
    ト。
  57. 【請求項57】 該ワックスの含有重量比率が、トナー
    に対して0.3〜4.5重量%であることを特徴とする
    請求項49乃至56のいずれかに記載のカラー画像形成
    装置本体に脱離可能に装着される装置ユニット。
  58. 【請求項58】 該ワックスは、炭化水素系ワックスを
    有することを特徴とする請求項49乃至57のいずれか
    に記載のカラー画像形成装置本体に脱離可能に装着され
    る装置ユニット。
  59. 【請求項59】 該ワックスは、ポリエチレンワックス
    を有することを特徴とする請求項49乃至58のいずれ
    かに記載のカラー画像形成装置本体に脱離可能に装着さ
    れる装置ユニット。
  60. 【請求項60】 該結着樹脂を構成する成分である非線
    状ポリエステル樹脂Aは、少なくとも3価以上の多価カ
    ルボン酸単量体ユニットを3mol%以上含有している
    ことを特徴とする請求項49乃至59のいずれかに記載
    のカラー画像形成装置本体に脱離可能に装着される装置
    ユニット。
  61. 【請求項61】 該結着樹脂を構成する成分である非線
    状ポリエステル樹脂Aは、少なくとも3価以上の多価カ
    ルボン酸単量体ユニットを10mol%以下で含有して
    いることを特徴とする請求項49乃至60のいずれかに
    記載のカラー画像形成装置本体に脱離可能に装着される
    装置ユニット。
  62. 【請求項62】 該結着樹脂を構成する成分である非線
    状ポリエステル樹脂Aは、ポリエステル樹脂の骨格に炭
    素数5〜30の飽和もしくは不飽和の脂肪族炭化水素基
    がブランチ化されて導入されていることを特徴とする請
    求項49乃至61のいずれかに記載のカラー画像形成装
    置本体に脱離可能に装着される装置ユニット。
  63. 【請求項63】 該結着樹脂を構成する成分である非線
    状ポリエステル樹脂Aは、炭素数5〜30の飽和もしく
    は不飽和の脂肪族炭化水素基で置換された脂肪族ジカル
    ボン酸類及び脂肪族ジオール類の少なくとも一方の単量
    体ユニットを用いて合成することによって得られたこと
    を特徴とする請求項49乃至62のいずれかに記載のカ
    ラー画像形成装置本体に脱離可能に装着される装置ユニ
    ット。
  64. 【請求項64】 該結着樹脂を構成する成分である非線
    状ポリエステル樹脂Bは、3価以上の多価カルボン酸単
    量体ユニットを3mol%未満で含有していることを特
    徴とする請求項49乃至63のいずれかに記載のカラー
    画像形成装置本体に脱離可能に装着される装置ユニッ
    ト。
  65. 【請求項65】 該結着樹脂を構成する成分である非線
    状のポリエステル樹脂BのTHF可溶分のGPC分子量
    分布における数平均分子量(Mn)が2000〜700
    0であり、重量平均分子量(Mw)が5000〜300
    00であり、数平均分子量(Mn)と重量平均分子量
    (Mw)の比Mw/Mnが2〜5であることを特徴とす
    る請求項49乃至64のいずれかに記載のカラー画像形
    成装置本体に脱離可能に装着される装置ユニット。
  66. 【請求項66】 該トナーの樹脂成分の酸価が2〜20
    mgKOH/gであることを特徴とする請求項49乃至
    65のいずれかに記載のカラー画像形成装置本体に脱離
    可能に装着される装置ユニット。
  67. 【請求項67】 該トナーの樹脂成分は、THF不溶分
    を0乃至5.0重量%未満含有することを特徴とする請
    求項49乃至66のいずれかに記載のカラー画像形成装
    置本体に脱離可能に装着される装置ユニット。
  68. 【請求項68】 該トナーの樹脂成分は、THF可溶分
    のGPC分子量分布において、1万未満の成分含有量
    (M1)40〜65%、1万〜5万の成分含有量(M
    2)25〜50%、5万〜50万の成分含有量(M3)
    2〜20%、50万を超える成分含有量(M4)0.1
    〜10%であって、且つM1>M2>M3>M4の関係
    を満足することを特徴とする請求項49乃至67のいず
    れかに記載のカラー画像形成装置本体に脱離可能に装着
    される装置ユニット。
  69. 【請求項69】 該トナーは、少なくともシアントナ
    ー、マゼンタトナー及びイエロートナーを組み合わせて
    フルカラー画像を形成するためのシアン着色剤を含有す
    るシアントナーであることを特徴とする請求項49乃至
    68のいずれかに記載のカラー画像形成装置本体に脱離
    可能に装着される装置ユニット。
  70. 【請求項70】 該トナーは、少なくともシアントナ
    ー、マゼンタトナー及びイエロートナーを組み合わせて
    フルカラー画像を形成するためのマゼンタ着色剤を含有
    するマゼンタトナーであることを特徴とする請求項49
    乃至68のいずれかに記載のカラー画像形成装置本体に
    脱離可能に装着される装置ユニット。
  71. 【請求項71】 該トナーは、少なくともシアントナ
    ー、マゼンタトナー及びイエロートナーを組み合わせて
    フルカラー画像を形成するためのイエロー着色剤を含有
    するイエロートナーであることを特徴とする請求項49
    乃至68のいずれかに記載のカラー画像形成装置本体に
    脱離可能に装着される装置ユニット。
  72. 【請求項72】 該トナーは、少なくともシアントナ
    ー、マゼンタトナー、イエロートナー及びブラックトナ
    ーを組み合わせてフルカラー画像を形成するためのブラ
    ック着色剤を含有するブラックトナーであることを特徴
    とする請求項49乃至68のいずれかに記載のカラー画
    像形成装置本体に脱離可能に装着される装置ユニット。
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