JP3907556B2 - 画像形成方法、画像形成装置及びプロセスカートリッジ - Google Patents

画像形成方法、画像形成装置及びプロセスカートリッジ Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は電子写真法、静電記録法等を利用した記録方法に用いられるプロセスカートリッジ、現像装置、画像形成方法及び画像形成装置に関するものである。詳しくは、予め静電潜像担持体上に現像剤像を形成後、転写材上に転写させて画像形成する複写機、プリンター、ファックス等の画像形成装置に用いられるプロセスカートリッジや現像装置、これを用いる画像形成方法及び画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、電子写真法を用いた機器は、従来の複写機に加え、例えば、プリンターやファックスのごとき装置に適用されている。特にプリンターやファックスでは複写装置部分を小さくする必要や、メンテナンスを容易にする為、現像装置を中心とした現像剤ユニットと静電潜像担持体(以下「ドラム」とも呼ぶ)を中心としたドラムユニットの二つのユニット化や、さらにそれらを一体化したプロセスカートリッジを用いることが多くなってきた。
【0003】
そしてこれらのプロセスカートリッジに用いられる現像方式としては、小型化に有利な一成分現像方式が多い。一成分現像方式は、一成分現像剤(以下「トナー」とも呼ぶ)を使用し、層厚規制部材(以下「ブレード」とも呼ぶ)とトナー粒子の摩擦、及び現像剤担持体(以下「現像ローラ」とも呼ぶ)とトナー粒子の摩擦によりトナー粒子に電荷を与えると同時に現像ローラ上に薄く塗布し、現像ローラとドラムとが対向した現像領域にトナーを搬送し、ドラム上の静電潜像を現像し、トナー画像として顕像化する。
【0004】
一成分現像方式は、ガラスビーズや鉄粉、フェライト等のキャリア粒子が必要な二成分現像方式とは異なり、キャリア粒子が不要のため、現像装置自体を小型化、軽量化できる。さらに二成分現像方式は、現像剤中のトナー濃度を一定に保つ必要があるため、トナー濃度を検知し必要量のトナーを補給する装置が必要であり、現像装置の大型化、重量化を招く。この点においても一成分現像方式は小型化、軽量化に有利である。
【0005】
また近年は高画質化やフルカラー化によりドラムと現像ローラを直接又は間接的に接触させ、ドラムにトナーを接触させて現像を行う接触現像法も行われるようになってきた。
【0006】
しかしながら、ドラムと現像ローラが直接又は間接的に当接して現像を行うと、現像時にトナーや外添剤がドラムと摺擦されるため、ドラムへの融着による雨降り状の画像(以下「フィルミング」と呼ぶ)や、ドラムの削れによる縦スジが発生しやすくなることが分かった。さらに、トナーがドラムと現像ローラの間で擦摺され、トナー劣化による耐久後半での白地汚れ(以下「カブリ」と呼ぶ)も発生し易くなる。さらにこのトナー劣化は、現像ローラに接しているブレードへのトナーの融着も促進し、画像上に縦スジを発生させてしまうことがある。
【0007】
さらに、前記のような取り外し可能なユニットやプロセスカートリッジを接触現像法で使用すると、ドラムと現像ローラの当接や離間、カートリッジの着脱、カートリッジの輸送、搬送、持ち運び時のショック、また、ロータリー方式の現像装置であればロータリー回転時のショックから、ドラムと現像ローラの接点部分が加圧・摺擦を受けて異常帯電し、その部分が画像に出てしまうという現象(以下「ショックスジ」と呼ぶ)が起こりやすくなってしまう。
【0008】
これらの問題点に関して、特開2001−265019号公報では、ドラムの改良で改善しようと試みられているが、ドラムの削れやフィルミングは改善できるが、ショックスジの抑制については改善の余地が残されている。また特開平5−113715号公報では、現像ローラを改良してショックスジを改善しているが、ドラムの削れやフィルミングという問題を解決するには十分ではなかった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、ドラムと、少なくとも現像時には前記ドラム表面に直接又は間接的に接触して現像を行う現像ローラと、現像ローラに直接又は間接的に接するブレードにより少なくとも構成される一成分接触現像装置において、フィルミング、ドラム表面の削れによる縦スジやトナー劣化によるカブリ、層厚規制部材への融着、様々な衝撃によるショックスジを改善したプロセスカートリッジ、現像装置、画像形成方法及び画像形成装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記の目的は以下の本発明によって達成される。
すなわち本発明は、静電潜像を担持する静電潜像担持体と、この静電潜像担持体に担持された静電潜像に現像剤を供給して静電潜像を現像する現像装置とを有する画像形成装置に用いられ、少なくとも現像時には現像剤を表面に担持し静電潜像担持体表面に直接又は間接的に接触する現像剤担持体と、この現像剤担持体に直接又は間接的に接触して現像剤担持体上の現像剤層の層厚を規制する層厚規制部材とを有する現像装置において、静電潜像担持体は、導電性基体と、この導電性基体上に形成される有機感光層とを有し、有機感光層は、表面を含む有機感光層の一部を少なくとも形成する感光層形成樹脂と、電荷輸送物質とを含有し、現像剤は、ポリエステル樹脂を主成分とする結着樹脂と着色剤とを含有する一成分現像剤であり、感光層形成樹脂のテトラヒドロフラン可溶分の内の数平均分子量が5万以下の成分の存在割合をBとし、現像剤のトルエン可溶分の重量平均分子量をMw(Tol)とし、現像剤のテトラヒドロフラン可溶分の重量平均分子量をMw(THF)としたときに、下記条件式を満足するプロセスカートリッジ、現像装置、及びこれを用いる画像形成方法及び画像形成装置に関する。
【0011】
【数5】
B×Mw(THF)/Mw(Tol)≧1.0
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明者が鋭意検討を行った結果、静電潜像を担持する静電潜像担持体と、この静電潜像担持体に担持された静電潜像に現像剤を供給して静電潜像を現像する現像装置とを有する画像形成装置に用いられ、少なくとも現像時には現像剤を表面に担持し静電潜像担持体表面に直接又は間接的に接触する現像剤担持体と、この現像剤担持体に直接又は間接的に接触して現像剤担持体上の現像剤層の層厚を規制する層厚規制部材とを有する現像装置において、静電潜像担持体は、導電性基体と、この導電性基体上に形成される有機感光層とを有し、有機感光層は、表面を含む有機感光層の一部を少なくとも形成する感光層形成樹脂と、電荷輸送物質とを含有し、現像剤は、ポリエステル樹脂を主成分とする結着樹脂と着色剤とを含有する一成分現像剤であり、感光層形成樹脂のテトラヒドロフラン可溶分の内の数平均分子量が5万以下の成分の存在割合をBとし、現像剤のトルエン可溶分の重量平均分子量をMw(Tol)とし、現像剤のテトラヒドロフラン可溶分の重量平均分子量をMw(THF)としたときに、下記条件式を満足するプロセスカートリッジや現像装置、これを用いる画像形成方法及び画像形成装置を用いることにより、カブリやブレードへの融着、ドラムの削れ、フィルミングやショックスジを改善できることを見出した。
以下に詳細を説明する。
【0013】
【数6】
B×Mw(THF)/Mw(Tol)≧1.0
【0014】
本発明に用いられる画像形成装置は、静電潜像を担持する静電潜像担持体と、この静電潜像担持体に担持された静電潜像に現像剤を供給して静電潜像を現像する、後述する現像装置とを有する。本発明に用いられる画像形成装置は、前述した要件を満たしていれば特に限定されず、様々な形態と取り得る。このような画像形成装置としては、例えば複写機やプリンター、FAX等の種々の画像形成装置が挙げられる。
【0015】
本発明に用いられる静電潜像担持体は、導電性基体と、この導電性基体上に形成される有機感光層とを有する。本発明に使用される静電潜像担持体は、フィルミングやドラム削れ、ショックスジ等の高画質化や安全性の関係から有機感光体が使用される。Se系感光体では耐熱性、耐摩耗性、機械強度、経時安定性や毒性に問題があり、使用法もさることながら、廃棄等の取り扱いにも十分な注意が必要になる、また、その他の無機系の感光体はショックスジの改善効果も見込めないため好ましくない。また、アモルファスシリコン感光体は最近注目されているが、生産性が低く高コストであることに加え、表面抵抗が低く、高湿度下でフィルミングしやすいという問題があり、本発明では使用が困難である。
【0016】
前記導電性基体は、前記のドラム等の形状を形成する適度な強度と適度な導電性を有するものであれば特に限定されず、公知の導電性基体が用いられる。
【0017】
前記有機感光層は、表面を含む有機感光層の一部を少なくとも形成する感光層形成樹脂と、電荷輸送物質とを含有する。有機感光層は、静電潜像を形成するための電荷の発生と輸送との両方の機能を一つの層に有する単層型の有機感光層であっても良いし、複数の機能のそれぞれを有する複数の層を積層した積層型の有機感光層であっても良い。本発明において、電荷輸送物質をはじめ有機感光層を構成する材料は、感光層形成樹脂の物性以外は特に限定されず、種々の公知の材料を用いることができる。
【0018】
有機感光層を形成する樹脂としては、例えばポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリフェニレンエーテルアクリル樹脂、フェノール樹脂、アルキッド樹脂、ジアリールフタレート樹脂、エポキシ樹脂、塩化ビニール樹脂、メタクリル酸エステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリフェニレンオキシド樹脂、ポリスルホン樹脂等の各種樹脂化合物を用いることができる。
【0019】
前記感光層形成樹脂の主成分としては、ポリカーボネート樹脂かポリアリレート樹脂がより好ましい。その理由として、ポリカーボネート樹脂やポリアリレート樹脂は構造上、他の電子写真感光体の表面層に使われる一般的な樹脂と比較して、機械的強度が高いことが考えられる。加えて、トナーや放電生成物との親和性も低く抑えられ、融着防止にも有効である。
【0020】
また、前記感光層形成樹脂のテトラヒドロフラン可溶分のZ平均分子量は100,000以上であることが、耐久性の観点から好ましい。
【0021】
また、本発明に用いられる画像形成装置には、前記静電潜像担持体や後述する現像装置のほかにも、様々な手段や部材等の構成要素を有することが可能である。例えば、本発明に用いられる画像形成装置は、ドラムに接触して設けられドラム上の転写残トナーを除去するクリーニング部材を有することが可能である。このような構成によれば、一つの画像形成プロセスが終了し、次の画像形成プロセスが始まる前に、静電潜像担持体表面をクリーニングすることができ、帯電不良や潜像形成の阻害等に伴う画像不良を防止する上で好ましい。
【0022】
このようなクリーニング部材としては、例えばゴム等の弾性ブレードや、回転自在なロール状のブラシ部材、弾性層によって表面が形成されるロール部材等、公知のクリーニング部材が用いられる。クリーニング部材は、一般に、ドラムに向けて開口する廃トナー容器の開口部に設けられる。除去された転写残トナーは廃トナー容器内に収容される。
【0023】
本発明に用いられる画像形成装置は、ドラムに接触して設けられドラムを帯電させる帯電部材を有することが可能である。このような構成によれば、放電によってドラムを帯電させる際のオゾンの発生を防止することができ、またより低い電圧でのドラムの帯電が可能であることから、環境面及び省力化及びドラム劣化防止の観点から好ましい。
【0024】
このような帯電部材としては、例えば芯金と、この芯金周面に形成される導電性の弾性層とを有する帯電ローラや、導電性スリーブと、この導電性スリーブ周面に磁力を発生させるマグネットロール等の磁力発生手段と、導電性スリーブ上に担持される導電性の磁性粒子とを有する磁気ブラシ帯電部材等の、公知の接触帯電部材が用いられる。
【0025】
また、本発明では、静電潜像担持体、現像装置、及び前述した帯電部材やクリーニング部材等を一体的に、かつ画像形成装置本体に対して着脱自在に構成されたプロセスカートリッジも好適に用いられる。プロセスカートリッジにおいて、静電潜像担持体等を一体的に構成する手段や、これを本体に対して着脱自在に構成する手段としては、公知の手段が採用される。
【0026】
本発明に用いられる現像装置は、少なくとも現像時には現像剤を表面に担持し静電潜像担持体表面に直接又は間接的に接触する現像剤担持体と、この現像剤担持体に直接又は間接的に接触して現像剤担持体上の現像剤層の層厚を規制する層厚規制部材とを有する。本発明に使用される現像装置は上記要件を満たしていれば様々な形態において使用可能であり、複写機やプリンター、FAX等の本体に一体化されている現像装置でも、ドラムとクリーナー、現像ローラ、トナー貯蔵容器が一体化されたプロセスカートリッジでも、現像ローラとトナー貯蔵容器を一体化したプロセスカートリッジとドラムユニットが別々になっている現像装置等、上記要件を満足する現像装置であれば上記形態のいずれでも使用可能である。
【0027】
本発明に用いられる現像剤担持体としては、例えば磁性又は非磁性等の、使用される現像剤の種類等に応じて適切な形態のものを用いれば良いが、例えば金属ローラの表面を高分子弾性体でコーティングしたり、金属芯金に高分子弾性体を一体成型したりして形成されている現像ローラが好ましい。
【0028】
前記現像ローラにおける高分子弾性体としては、弾性を有する様々な高分子組成物が用いられ、例えばEPDM(エチレン−プロピレン−ジエン三元共重合体)、ウレタン、シリコーンゴム、ニトリルブタジエンゴム、クロロプレンゴム、スチレンブタジエンゴム、ブタジエンゴムなどから選択された樹脂や、それら樹脂に電気抵抗調整材料として導電性微粒子、例えばカーボン、酸化チタン等を分散混合した物や、上述した樹脂にイオン性導電材料、例えば過塩素酸ナトリウム、過塩素酸カルシウム、塩化ナトリウム等の無機イオン性導電物質を用いた電気的抵抗調整樹脂が用いられる。
【0029】
上記現像ローラとしては、JIS−K6301アスカーCスケール硬度計によるアスカーC硬度で40°以上95°未満のものが好適である。アスカーC硬度が40°未満の場合、ドラム削れやトナー劣化、ショックスジ防止には好ましいが、環境温度によるトナーへのトリボ付与が不安定になり易く、カブリが発生し易くなる恐れがある。また、アスカーC硬度が95°以上のときはトナー劣化やショックスジが悪化する恐れがある。現像ローラのアスカーC硬度は、例えば前記高分子弾性体の厚さによって調整することが可能である。
【0030】
また前記層厚規制部材についても、その形態については特に限定されないが、現像ローラに接触して設けられ現像ローラに担持されるトナーを規制して現像ローラ上におけるトナーコート量を制御するブレードであることが好ましい。このような構成によれば、現像ローラにおけるトナーコート量を制御する上で好ましい。このようなブレードとしては、可撓性の板状部材や、SUS、リン青銅等の金属板等、公知のブレードが用いられる。
【0031】
本発明における静電潜像の現像は、静電潜像担持体と現像剤担持体を直接又は間接的に接触させた接触現像法によって行われる。これは、静電潜像担持体と現像剤担持体とが現像時において接触していない場合、静電潜像担持体上の静電潜像において、エッジ部に電気力線が集中することにより、画像のエッジ部にトナーが偏って現像されてしまい、望まれる画質の画像を形成することが困難である為である。ちなみに本発明で言う間接的な接触とは、静電潜像担持体と現像剤担持体とが、互いに対向して形成するニップ部においてトナーを介して接触している状態を言う。
【0032】
本発明における静電潜像の現像では、静電潜像担持体と現像剤担持体とは、現像時において直接又は間接的に接触すれば良く、静電潜像担持体と現像剤担持体とは、直接又は間接的に接触する所定の位置に設置されていても良いし、静電潜像担持体と現像剤担持体とが現像時に相対的に移動して、直接又は間接的に接触する位置に配置されても良い。なお、本発明において、上記の現像工程以外の工程は、特に限定されず、公知の画像形成方法における各工程が採用される。
【0033】
本発明では、感光層形成樹脂のテトラヒドロフラン可溶分の内の数平均分子量が5万以下の成分の存在割合をBとし、現像剤のトルエン可溶分の重量平均分子量をMw(Tol)とし、現像剤のテトラヒドロフラン可溶分の重量平均分子量をMw(THF)としたときに、B×Mw(THF)/Mw(Tol)≧1.0を満足する。
【0034】
これらを含む、本発明に係る物性の測定法に関しては後述するが、本発明のMw(THF)/Mw(Tol)は、トナーのTHFに対する溶解度と、トナーのトルエンに対する溶解度との差を利用して求まる、トナー中の中分子量体の量の指標である。Mw(THF)は、例えば架橋剤のように結着樹脂中の重合鎖を互いにつなぐ成分の配合量等によって調整することが可能である。また、Mw(Tol)は、例えばポリエステル樹脂の製造に使用される触媒の配合量等によって調整することが可能である。
【0035】
本発明者らは種々の検討の結果、このトナーの中分子量体と感光層形成樹脂の分子量が、ドラム削れやフィルミング、ブレード融着、カブリ、ショックスジに大きく影響することを見出し、本発明に至った。具体的には、B×Mw(THF)Mw(Tol)≧1.0を満たすものが上記弊害を著しく改善することが分かった。
【0036】
この理由は定かではないが、トナーの中分子量体の持つ粘弾性的な特徴がトナーや静電潜像担持体表面の劣化を抑制し、その上で静電潜像担持体における感光層形成樹脂の分子量を制御することにより、今まで以上にドラム融着、ドラム削れ、トナー劣化によるかぶり、ブレード融着、ショックスジを改善するものと考えられる。
【0037】
またこのとき、トナーに使用される樹脂(後述する結着樹脂)は、ポリエステルを主成分とした樹脂であることが、ブレード融着やショックスジ、ドラム削れに対して好ましい。またこのとき使用されるトナーは、重合トナーのように球形の粒子形状が球形であるトナーや、球形化処理を施して粒子形状を球形にしたトナーであることが、帯電性が均一でショックによる微粉発生もないことから好ましく、前述したようにポリエステルを主成分とする樹脂をトナーに使用することがより好ましい。
【0038】
このとき、前記感光層形成樹脂の数平均分子量は5万以下の割合で制御される。これは本発明者らが鋭意検討の結果、前述した中分子量体の重量平均分子量の範囲では、感光層形成樹脂の数平均分子量は比較的小さ目の方が好ましく、5万以下の割合で検討したときに優位性を見出した。しかしながら、感光層形成樹脂の数平均分子量は、ドラム削れ等の観点から、より好ましくはMzが100,000以上であり、またこのような観点から、ポリカーボネート樹脂かポリアリレート樹脂を使用することがより好ましい。
【0039】
そして現像剤の方は、前記中分子量体の、溶剤を代えた時の溶解度の差により分子量比を規定した。本発明者らは鋭意検討の結果、THFに可溶でトルエンに不溶な中分子量体を感光層形成樹脂の分子量と共に制御することにより、ドラム削れやドラム融着、そしてショックスジを改善することを突き止めた。これは、現像剤のTHFとトルエンの溶解度の差を利用した判別法であり、本検討によって経験的に得られた知見である。このとき、現像剤のトルエン可溶分の重量平均分子量は、定着性を考えると好適にはMw(Tol)=5000〜100000である。
【0040】
特にショックスジについて説明すると、ショックスジは、静電潜像担持体と現像剤担持体との間に挟まれているトナーが、静電潜像担持体と現像剤担持体との当接や離間、カートリッジ着脱、カートリッジ輸送・搬送・持ち運び時等のショック、また、ロータリー方式の現像装置であればロータリー回転時のショックの時等に加圧・摺擦されることにより異常帯電し、その跡が画像に横スジとして現れる現象である。
【0041】
ショックスジ解消のメカニズムについては定かではないが、感光層形成樹脂の分子量とトナーの分子量を本発明の範囲に制御することにより、前記加圧時のショックが緩和されて異常帯電が減少し、そのことにより画像上の横スジが目立たない範囲まで抑制されているものと考えられる。以上により、感光体形成樹脂の数平均分子量とトナーの分子量を本発明の範囲に制御することでドラム削れやフィルミングを抑えつつ、ショックスジが改善されたと考えられる。
【0042】
本発明に用いられる現像剤は、ポリエステル樹脂を主成分とする結着樹脂と着色剤とを含有する一成分現像剤である。本発明に用いられる現像剤には、上記結着樹脂や着色剤のほかにも、一成分現像剤に配合される公知の各種材料を、本発明の効果を損なわない範囲で好適に用いることができる。
【0043】
また本発明に用いられる現像剤は、30〜200℃における示差走査式熱分析による最大吸熱ピークが80〜120℃にあることが、カブリやドラム融着の発生、及びオフセットの発生を抑制する上で好ましい。現像剤の上記最大吸熱ピークは、例えば後述するワックスの配合等により調整することが可能である。
【0044】
本発明に使用される結着樹脂は、ポリスチレン、ポリ−α−メチルスチレン、スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−塩化ビニル共重合体、スチレン−酢酸ビニル共重合体、スチレン−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−メタクリル酸アクリル共重合体、塩化ビニル樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリウレタン樹脂等を混合もしくはグラフト重合等をして使用できるが、主成分としてはポリエステル樹脂が使用される。ちなみに主成分とは全結着樹脂中でポリエステル樹脂が50%以上のことであり、全てポリエステル樹脂であっても構わない。
【0045】
前記ポリエステル樹脂の製造方法としては、例えば、酸化反応による合成法、カルボン酸及びその誘導体からの合成、マイケル付加反応に代表されるエステル基導入反応、カルボン酸化合物とアルコール化合物からの脱水縮合反応を利用する方法、酸ハロゲン化物とアルコール化合物からの反応、及びエステル交換反応等の公知の反応によって製造される。エステル樹脂の製造では適当な触媒が用いられることがあり、このような触媒としては、エステル化反応に使う一般の酸性、アルカリ性触媒、例えば酢酸亜鉛、チタン化合物などでよい。生成したポリエステル樹脂はそのまま利用しても良いし、生成後、再結晶法、蒸留法などにより高純度化させてもよい。
【0046】
前記ポリエステル樹脂の特に好ましい製造方法は、原料の多用性、反応のしやすさから、二価以上の多価カルボン酸化合物と二価以上の多価アルコール化合物との脱水縮合反応である。この場合、全成分中45〜55mol%がアルコール成分であり、55〜45mol%が酸成分であることが好ましい。
【0047】
前記アルコール成分としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、水素化ビスフェノールA、下記式(I)で示されるビスフェノール誘導体、及び下記式(II)で示されるジオールの如きジオール類等が挙げられる。
【0048】
【化1】
Figure 0003907556
【0049】
【化2】
Figure 0003907556
【0050】
二価のカルボン酸としてはフタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、無水フタル酸、ジフェニル−P・P’−ジカルボン酸、ナフタレン−2,7−ジカルボン酸、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸、ジフェニルメタン−P・P’−ジカルボン酸、ベンゾフェノン−4,4’−ジカルボン酸、1,2−ジフェノキシエタン−P・P’−ジカルボン酸の如きベンゼンジカルボン酸類又はその無水物;こはく酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、グリタル酸、シクロヘキサンジカルボン酸、トリエチレンジカルボン酸、マロン酸の如きアルキルジカルボン酸類又はその無水物、またさらに炭素数6〜18のアルキル基又はアルケニル基で置換されたこはく酸もしくはその無水物;フマル酸、マレイン酸、シトラコン酸、イタコン酸の如き不飽和ジカルボン酸又はその無水物等が挙げられる。
【0051】
特に好ましい前記ポリエステル樹脂のアルコール成分としては、前記(I)式で示されるビスフェノール誘導体であり、酸成分としては、フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸又はその無水物、こはく酸、n−ドデセニルコハク酸、又はその無水物、フマル酸、マレイン酸、無水マレイン酸の如きジカルボン酸が挙げられる。
【0052】
前記ポリエステル樹脂は、二価のジカルボン酸及び二価のジオールから合成することにより得ることが可能である。場合により、三価以上のポリカルボン酸又はポリオールを、本発明に悪影響を与えない範囲で少量使用しても良い。
【0053】
三価以上のポリカルボン酸としては、トリメリット酸、ピロメリット酸、シクロヘキサントリカルボン酸類、2,5,7−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ブタントリカルボン酸、1,2,5−ヘキサントリカルボン酸、1,3−ジカルボキシル−2−メチレンカルボキシルプロパン、1,3−ジカルボキシル−2−メチル−メチレンカルボキシルプロパン、テトラ(メチレンカルボキシル)メタン、1,2,7,8−オクタンテトラカルボン酸及びそれらの無水物が挙げられる。
【0054】
三価以上のポリオールとしては、ソルビトール、1,2,3,6−ヘキサンテトール、1,4−ソルビタン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、ショ糖、1,2,4−メタントリオール、グリセリン、2−メチルプロパントリオール、2−メチル−1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、1,3,5−トリヒドロキシメチルベンゼンが挙げられる。
【0055】
本発明に用いられる現像剤には、着色剤としてカーボンブラック、マグネタイト等の黒色着色剤や、以下に示すイエロー/マゼンタ/シアン着色剤等、あらゆる顔料及び染料を、単独で又は二種以上を併用して用いることができる。例えば本発明に係る現像剤をフルカラー用トナーとして使用する場合には、着色剤としては次のようなものが挙げられる。
【0056】
マゼンタ用顔料としてはC.I.ピグメントレッド1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、 16、17、18、19、21、22、23、30、31、32、37、38、39、40、41、48、49、50、51、52、53、54、55、57、58、60、63、64、68、81、83、87、88、89、90、112、114、122、123、163、202、206、207、209;C.I.ピグメントバイオレット19;C.I.バットレッド1、2、10、13、15、23、29、35が挙げられる。
【0057】
前記着色剤として顔料を単独で使用してもかまわないが、染料と顔料と併用してその鮮明度を向上させてもかまわない。
【0058】
マゼンタ用染料としては、例えば、C.I.ソルベントレッド1、3、8、23、24、25、27、30、49、81、82、83、84、100、109、121;C.I.ディスパースレッド9;C.I.ソルベントバイオレット8、13、14、21、27;C.I.ディスパースバイオレット1等の油溶染料、C.I.ベーシックレッド1、2、9、12、13、14、15、17、18、22、23、24、27、29、32、34、35、36、37、38、39、40;C.I.ベーシックバイオレット1、3、7、10、14、15、21、25、26、27、28の如き塩基性染料が挙げられる。
【0059】
シアン用着色顔料としては、C.I.ピグメントブルー2、3、15、16、17;C.I.バットブルー6;C.I.アシッドブルー45、フタロシアニン骨格にフタルイミドメチル基を1〜5個置換した銅フタロシアニン顔料が挙げられる。
【0060】
イエロー用着色顔料としてはC.I.ピグメントイエロー1、2、3、4、5、6、7、10、11、12、13、14、15、16、17、23、65、73、83;C.I.バットイエロー1、3、20等が挙げられる。
【0061】
本発明に用いられる現像剤には、トナーの帯電量を制御する為に荷電制御剤を使用することが可能である。荷電制御剤としては、例えばトナーを正帯電性に制御する場合は、脂肪酸金属塩等による変性物;トリブチルベンジジルアンモニウム−1−ヒドロキシ−4−ナフトスルホン酸塩、テトラブチルアンモニウムテトラフルオロボレート等の4級アンモニウム塩、及びこれらの類似体であるホスホニウム塩等のオニウム塩;アミン及びポリアミン系化合物;高級脂肪酸の金属塩;アセチルアセトン金属錯体;ジブチルスズオキサイド、ジオクチルスズオキサイド、ジシクロヘキシルスズオキサイド等のジオルガノスズオキサイド;ジブチルスズボレート、ジオクチルスズボレート、ジシクロヘキシルスズボレート等のジオルガノスズボレート等が挙げられる。
【0062】
また、トナーを負帯電性に制御する場合は、有機金属錯体、キレート化合物が有効で、モノアゾ金属錯体、アセチルアセトン金属錯体、芳香族ヒドロキシカルボン酸、芳香族ジカルボン酸系の金属錯体を用いることができる。
【0063】
前記荷電制御剤の使用量は、結着樹脂100質量部に対して0.1〜15質量部であり、好ましくは0.1〜10質量部である。
【0064】
本発明に用いられる現像剤には、定着オフセット防止のためにワックスを添加することが可能である。このようなワックスとしては、例えば低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、パラフィンワックス、フィッシャートロプシュワックス等の脂肪族炭化水素系ワックス又はその酸化物;カルナバワックス、モンタン酸エステルワックス等の脂肪族エステルを主成分とするワックス、又はその一部又は全部を脱酸化したもの等が挙げられる。
【0065】
また、前記ワックスとしては、例えばパルミチン酸、ステアリン酸、モンタン酸等の飽和直鎖脂肪酸類;ブラジン酸、エレオステアリン酸、リナリン酸等の不飽和脂肪酸類;ステアリルアルコール、アラルキルアルコール、ベヘニルアルコール、カルナウビルアルコール、セリルアルコール、メリシルアルコール等の飽和アルコール;ソルビトール等の多価アルコール類;リノール酸アミド等の脂肪酸アミド類;メチレンビスステアリン酸アミド等の飽和脂肪酸ビスアミド類;エチレンビスオレイン酸アミド等の不飽和脂肪酸アミド類;N,N’−ジステアリルイソフタル酸アミド等の芳香族ビスアミド類;ステアリン酸亜鉛等の脂肪酸金属塩;脂肪族炭化水素系ワックスにスチレン等のビニル系モノマーを用いてグラフト化させたワックス類;ベヘニン酸モノグリセリド等の脂肪酸と多価アルコールの部分エステル化物;植物性油脂の水素添加等によって得られるヒドロキシル基を有するメチルエステル化物等も用いることができる。
【0066】
前記ワックスとしては、好適には示差走査式熱分析における吸熱ピークが80℃〜120℃のものが用いられる。吸熱ピークが80℃未満のものであればワックスの染み出しが起こる恐れがあり、その結果、帯電不良によるカブリやドラムへの融着が発生する恐れがある。また、吸熱ピークが120℃より大きいと定着時に溶け難くなり、オフセットを起こすことがある。
【0067】
さらに本発明に用いられる現像剤には、現像性、耐久性を向上させるために無機粉体を添加することもできる。このような無機粉体としては、例えば亜鉛、アルミニウム、セリウム、コバルト、鉄、ジルコニウム、クロム、マンガン、ストロンチウム、錫、アンチモン等の金属酸化物;チタン酸カルシウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸ストロンチウム等の複合金属酸化物;硫酸バリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸アルミニウム等の金属塩;カオリン等の粘土鉱物;アパタイト等のリン酸化合物;シリカ、炭化ケイ素、窒化ケイ素等のケイ素化合物;カーボンブラックやグラファイト等の炭素粉末が挙げられる。
【0068】
本発明に用いられる現像剤には、同様の目的で有機粒子や複合粒子を添加することもできる。このような有機粒子や複合粒子としては、例えばポリアミド樹脂粒子、シリコーン樹脂粒子、シリコーンゴム粒子、ウレタン粒子、メラミン−ホルムアルデヒド粒子、アクリル粒子等の樹脂粒子;ゴム、ワックス、脂肪酸系化合物、樹脂等と金属、金属酸化物、金属塩、カーボンブラック等の無機粒子とからなる複合粒子;ポリフッ化エチレン、ポリフッ化ビニリデン等のフッ素樹脂;フッ化カーボン等のフッ素化合物;ステアリン酸亜鉛等の脂肪酸金属塩;脂肪酸、脂肪酸エステル等の脂肪酸誘導体;硫化モリブデン、アミノ酸及びアミノ酸誘導体等が挙げられる。
【0069】
なお上記無機粉体や有機粒子、複合粒子は、外添剤として使用することが可能であり、トナー粒子の製造後における任意の時点で外添することができる。例えばトナー粒子の分級や球形化を行う工程でトナー粒子に外添することもできる。なお本発明に用いられる現像剤は、懸濁重合法等の重合法や粉砕法等の公知の方法によって製造することができる。また生成したトナー粒子の球形化等の形状処理や分級等の粒度分布処理を行うことが、帯電の均一性や現像性等を向上させる上で好ましい。
【0070】
本発明に係わる示差走査式熱分析(DSC)測定では、トナーの熱のやり取りを測定し、その挙動を観測するので、測定原理から、高精度の内熱式入力補償型の示差走査熱量計で測定する必要がある。このような示差走査熱量計としては、例えば、パーキンエルマー社製のDSC−7が使用できる。測定方法は、ASTM D3418−82に準じて行う。
【0071】
本発明に用いられるDSC曲線は、1回昇温させ前履歴をとった後、温度速度10℃/min、温度30〜200℃の範囲で降温、昇温させたときに測定されるDSC曲線を用いる。なお吸熱ピーク温度とは、DSC曲線において、プラス方向のピーク温度のことであり、即ち、ピーク曲線の微分値が正から負にかわる際の0になる点を言う。
【0072】
現像剤やワックス成分の最大吸熱ピーク温度の測定では、前述した示差走査熱量計を用いる場合では、装置検出部の温度補正はインジウムと亜鉛の融点を用い、熱量の補正についてはインジウムの融解熱を用いる。測定サンプルにはアルミニウム製のパンを用い、対照用に空パンをセットし、昇温速度10℃/minで測定を行う。
【0073】
本発明における分子量の測定方法について説明する。
感光層形成樹脂の分子量はGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィ)により、用いる結着樹脂をそのままTHF溶媒に所定量(樹脂1質量部/テトラヒドロフラン1000質量部)溶解し、サンプル処理フィルター(ポアサイズ0.45〜0.5μm、例えばマイショリディスクH−25−5 東ソー社製、エキクロディスク25CR ゲルマン サイエンス ジャパン社製などが利用できる)を通過させて不純物等の固形分を取り除いたものを試料として測定する。
【0074】
又は、感光層形成樹脂の分子量は、静電潜像担持体の最表面から10μm以下の領域の樹脂を削り取り、それをTHFに溶解させ、同様に固形分を取り除いた後、測定する。
【0075】
一種類の感光層形成樹脂を用いるのであれば、それをそのままTHFに溶解して測定し、その結果導かれる数平均分子量をMn、Z平均分子量をMzと見なして何ら問題ない。
【0076】
複数種の感光層形成樹脂を用いるのであれば、実際の混合比でTHFに溶かして測定し、その結果導かれる数平均分子量をMn、Z平均分子量をMzとする。感光層形成樹脂のみの入手が困難である場合や、設計の精度をより高めたい場合は、製造された静電潜像担持体の最表面から10μm以下の領域を削り出し、THFに溶解させて測定し、その結果導かれる数平均分子量をMn、Z平均分子量をMzとして算出する。
【0077】
また、Bの値に関しては、分子量分布の5万のところの積分値から存在割合を読み取り、小数点以下2桁まで算出する。
【0078】
次に、現像剤の分子量の測定方法について説明する。
トナーをテトラヒドロフラン(THF)中に入れ、数時間放置した後、十分振とうし、THFと良く混ぜ、さらに12時間以上静置する。このときTHF中への放置時間が24時間以上となるようにする。その後、サンプル処理フィルター(ポアサイズ0.5μm)を通過させたものを、GPCの試料とする。トナー濃度は、樹脂成分が0.5〜5mg/mlとなるように調整する。このGPC試料を用いて測定されたトナーの分子量分布から、Mw(THF)を求める。
【0079】
同様にMw(Tol)の測定では トナーをトルエン中に入れ、数時間放置した後、十分振とうし、トルエンと良く混ぜ、さらに12時間以上静置する。このときトルエン中への放置時間が24時間以上となるようにする。その後、サンプル処理フィルター0.5を通過させたものを減圧乾燥してトルエンを飛ばし、残ったトルエン溶解物をTHFで溶解してGPCの試料とする。トナー濃度は、樹脂成分が0.5〜5mg/mlとなるように調整する。このGPC試料を用いて測定されたトナーの分子量分布から、Mw(Tol)を求める。
【0080】
現像剤の分子量分布は、40℃のヒートチャンバ中でカラムを安定化させ、この温度におけるカラムに、溶媒としてTHFを毎分1mlの流速で流し、前述したGPC試料溶液を約100μl注入して測定される。試料の分子量測定にあたっては、試料の有する分子量分布を、数種の単分散ポリスチレン標準試料により作成された検量線の対数値とカウント数との関係から算出する。
【0081】
検量線作成用の標準ポリスチレン試料としては、たとえば、東ソー社製あるいは、昭和電工社製の分子量が102〜107程度のものを用い、少なくとも10点程度の標準ポリスチレン試料を用いるのが適当である。検出器にはRI(屈折率)検出器を用いる。
【0082】
カラムとしては、市販のポリスチレンジェルカラムを複数本組み合わせるのが良く、例えば昭和電工社製のshodex GPC KF−801、802、803、804、805、806、807、800Pの組み合わせや、東ソー社製のTSKge1G1000H(HXL)、G2000H(HXL)、G3000H(HXL)、G4000H(HXL)、G5000H(HXL)、G6000H(HXL)、G7000H(HXL)、TSKguardcolumnの組み合わせが挙げられる。特に、カラム構成は、昭和電工社製A−801、802、803、804、805、806及び807を連結したものが好ましい。
【0083】
本発明の現像装置の一例を図1に示す。この現像装置は、プロセスカートリッジに組み込まれた形態の現像装置である。図1のプロセスカートリッジは、ドラム1と、帯電部材2と、現像装置20と、クリーニングブレード5と、これを開口部に有する廃トナー容器18とを有する。ドラム1には有機感光体が用いられ、帯電部材2には例えば帯電ローラが用いられる。廃トナー容器18と現像装置20との間には、これらを接続するスペーサ31が設けられ、画像信号に対応した露光光の光路が形成されている。
【0084】
現像装置20は、一成分トナーとして例えば非磁性トナーを収容する現像容器10と、現像容器10内の長手方向に延在する開口部に位置しドラム1と対向設置された現像ローラ11と、トナー供給ローラ12と、ブレード13と、トナー搬送部材14とを備え、ドラム1上の静電潜像を現像して可視化するようになっている。
【0085】
現像容器10は、開口部に現像ローラ11が設けられ、図中下方に凸の底面で形成され互いに連通している三つのトナー溜まりが形成されている。最も開口部側のトナー溜まりには現像ローラ11、トナー供給ローラ12、及びブレード13が設けられ、図中、中央のトナー溜まりにはトナー搬送部材14が設けられている。
【0086】
現像ローラ11は、一例として、弾性層の基層に表層コートした弾性ローラなどを用いることができる。現像ローラ11は、ドラム1に対して直接接触する位置に支持されているか、又はドラム1に対して現像ローラ11に担持したトナーを介して現像ローラ11とドラムとが接触する位置、すなわち間接的に接触する位置に支持されている。
【0087】
図中における現像ローラ11の上方位置には、SUS等の金属板や、ウレタン、シリコーンゴム等のゴム材料や、バネ弾性を有するSUS又はリン青銅の金属薄板を基体とし、現像ローラ11への当接面側にゴム材料を接着したもの等からなるブレード13が、自由端側の先端近傍を現像ローラ11の外周面に面接触にて当接するように設けられている。現像ローラ11に対するブレード13の当接方向としては、当接部に対して先端側が現像ローラ11の回転方向上流側に位置するいわゆるカウンター方向になっている。
【0088】
トナー供給ローラ12は、ブレード13と現像ローラ11表面との当接部に対し現像ローラ11の回転方向上流側で当接し、かつ回転可能に支持されている。この構造としては、発泡骨格状スポンジ構造や、芯金上にレーヨン、ナイロン等の繊維を植毛したファーブラシ構造のものが、現像ローラ11へのトナーの供給、及び現像ローラ11からの未現像トナーの剥ぎ取りの点から好ましい。このトナー供給ローラ12の現像ローラ11に対する当接幅としては1〜8mmが有効で、また現像ローラ11に対してその当接部において相対速度を持たせることが好ましい。
【0089】
トナー搬送部材14は、回転自在なクラウン状やクランク状の棒体、あるいはこの棒体に舌状部材を取り付けたものなど、回転軸の回転に従って現像容器内にてトナーを攪拌、搬送する部材によって構成されている。
【0090】
図1に示したプロセスカートリッジを装着する画像形成装置を図2に示す。
この画像形成装置は、画像信号に応じた光を帯電したドラム1に照射する露光装置6、転写手段である転写ローラ4、ヒータを有する定着ローラ7aとこれに対して付勢して設けられる加圧ローラ7bとを有する定着装置7、給紙系、排紙系、及び図示しない公知の支持、案内部材等を少なくとも有する。支持、案内部材は、転写ローラ4にドラム1が対向し、露光装置6からのレーザー光等の露光光Lが前記スペーサ31による隙間(光路)を通る位置にプロセスカートリッジを案内して着脱自在に支持する。
【0091】
ドラム1は、帯電部材2によって一様に帯電する。帯電したドラム1には露光装置6からの露光光Lが照射され、これによりドラム1に静電潜像が形成される。静電潜像が形成されたドラム1には、現像装置20から静電潜像に応じてトナーが供給され、ドラム1上にトナー像が形成される。ドラム1上のトナー像は、給紙トレイ15から給紙ローラ16等により搬送される転写材Pへ転写ローラ4によって転写される。未定着トナー像を担持する転写材Pは定着装置7に送られる。定着装置7では、定着ローラ7aと加圧ローラ7bとの間に転写材Pが導入され、加熱加圧によってトナー像が転写材に定着する。画像が定着された転写材Pは排出ローラ17によって画像形成装置外に排出される。
【0092】
現像装置20では、トナー搬送部材14によってトナーを攪拌し、これをトナー供給ローラ12に向けてトナーを搬送する。これにより現像容器10における図中、中央のトナー溜まりのトナーは開口部側のトナー溜まりに搬送され、トナー供給ローラ12へ搬送される。また図中、中央のトナー溜まりには、発熱の影響が最も少ない奥(図中、紙面に対して右手)のトナー溜まりから、搬送したトナーの量に応じて新たにトナーが供給される。このようにトナー溜まりを現像容器に適宜設けると、トナー同士の摺擦によるトナーの劣化や過剰帯電を抑制する上で有利である。
【0093】
トナー供給ローラ12に搬送されたトナーは現像ローラ11に供給される。現像ローラ11に供給されたトナーは、現像ローラ11上に担持され搬送されるが、ブレード13によって規制され、所定の層厚のトナー層が現像ローラ11上に形成される。
【0094】
現像ローラ11上に薄層形成されたトナーは、一様にドラム1との対向部である現像部へ搬送される。この現像部において、現像ローラ11上に薄層形成されたトナーは、例えば現像ローラ11とドラム1の両者間に印加された直流バイアスによってドラム1の静電潜像に付着し、ドラム1上の静電潜像をトナー像として現像する。
【0095】
次いで、本発明の画像形成装置に適用される、中間転写体を有するフルカラー用画像形成装置の一例として、電子写真プロセスを利用したカラー画像形成装置(複写機あるいはレーザービームプリンター)を図3に示す。
【0096】
図3に示す画像形成装置は、繰り返し使用される回転ドラム型の静電潜像担持体である有機感光体(以下「感光体」と記す)51と、感光体51に接触して配置され感光体51を一様に帯電させる一次帯電器52と、四体の現像装置を有する現像手段54と、感光体51上のトナー画像が転写される中間転写ベルト55と、電圧の印加により中間転写ベルト55に感光体51上のトナー画像を転写させる一次転写ローラ56と、電圧の印加により中間転写ベルト55上のトナー画像を転写材Pに転写させる二次転写ローラ57と、転写材P上の未定着トナー画像を加熱加圧により定着させる定着器65と、転写後の感光体51上に残留する転写残トナーを除去するためのクリーニング部材を有するクリーニング装置63と、転写後の中間転写ベルト55上に残留する転写残トナーを除去するためのクリーニング用帯電部材59と、中間転写ベルト55及び二次転写ローラ57が形成する二次転写ニップ部に転写材Pを搬送する給紙ローラ61及び転写材ガイド60とを有する。
【0097】
感光体51は、図中の矢印が示す方向に所定の周速度(プロセススピード)をもって回転駆動する。一次帯電器52は、弾性及び導電性を有する回転自在なローラであり、電源82に接続されている。現像手段54は、イエロー色現像器41、マゼンタ色現像器42、シアン色現像器43、及びブラック色現像器44の四体の現像装置を有する回転自在なローラである。各現像器41〜44は、前述した現像装置と同様に構成されており、現像ローラが現像手段の外側に面して設けられている。現像手段54は、現像時に回転し、各現像器41〜44のいずれかを感光体1と現像ローラとが直接又は間接的に接触する位置に搬送し、かつ支持するように、回転自在に設けられている。
【0098】
中間転写ベルト55は、回転駆動するプーリ58と従動プーリ62とによって軸支される無端形状のベルトであり、図中、紙面に対して時計方向に感光体51と同じ周速度で回転駆動する。一次転写ローラ56は、導電性の回転自在なローラであり、電源80に接続されている。二次転写ローラ57は、プーリ58に対して平行に軸受させており、かつ中間転写ベルト55の下面部に離間可能に設けられている。また二次転写ローラ57は、電源81に接続されている。定着器65は、前述した定着装置と同様に加熱ローラと加圧ローラとを有する加熱加圧定着装置である。クリーニング用帯電部材59は、例えば芯金と、その周面に形成される導電性弾性層とによって構成される回転自在なローラであり、電源83と接続されている。
【0099】
感光体51は、回転過程で一次帯電器52により所定の極性・電位に一様に帯電処理される。一次帯電器の電源82は、例えば直流に交流を重畳して印加するが、直流のみでもよい。次いで、不図示の露光手段(カラー原稿画像の色分解・結像露光光学系、画像情報の時系列電気デジタル画素信号に対応して変調されたレーザービームを出力するレーザースキャナによる走査露光系等)による画像露光53を受けることにより、目的のカラー画像の第1の色成分像(例えば、イエロー色成分像)に対応した静電潜像が形成される。
【0100】
次いで、その静電潜像が第1の現像器(イエロー色現像器41)により第1色であるイエロートナーYにより現像される。この時、現像手段54は、イエロー色現像器41のみを感光体51に対向する現像位置に搬送して支持し、その他の第2〜第4の現像器(マゼンタ色現像器42、シアン色現像器43及びブラック色現像器44)の各現像器を現像位置から離れた位置に搬送して支持する。
【0101】
感光体51上に形成、担持された上記第1色のイエロートナー画像は、感光体51と中間転写ベルト55とのニップ部において、一次転写ローラ6から中間転写ベルト5に印加される一次転写バイアスにより形成される電界によって、中間転写ベルト5の外周面に順次一次転写されていく。中間転写ベルト55への第一色のイエロートナー画像の転写を終えた感光体51の表面は、クリーニング装置63により清掃される。
【0102】
以下、同様に第2色のマゼンタトナー画像、第3色のシアントナー画像、第4色のブラックトナー画像が順次中間転写ベルト55上に重ね合わせて転写され、目的のカラー画像に対応した合成カラートナー画像が形成される。感光体51から中間転写ベルト55への第1〜第4色のトナー画像の順次重畳転写のための一次転写バイアスは、トナーとは逆極性(+)でバイアス電源80から印加される。その印加電圧は、例えば+100V〜2kVの範囲である。
【0103】
感光体51から中間転写ベルト55への第1〜第3色のトナー画像の一次転写工程において、二次転写ローラ57は中間転写ベルト55から離間させることも可能である。
【0104】
中間転写ベルト55上に転写された合成カラートナー画像は、転写材Pに転写される。中間転写ベルト55から転写材Pへの転写は、二次転写ローラ57が中間転写ベルト55に当接し、一方で給紙ローラ61から転写材ガイド60を通って中間転写ベルト55と二次転写ローラ57との当接ニップに所定のタイミングで転写材Pが給送され、二次転写バイアスが電源81から二次転写ローラ57に印加される。この二次転写バイアスにより中間転写ベルト55から転写材Pへ合成カラートナー画像が二次転写される。トナー画像の転写を受けた転写材Pは、定着器65へ導入され加熱定着される。
【0105】
転写材Pへの画像転写終了後、中間転写ベルト55には離接自在に配置されたクリーニング用帯電部材59が当接され、感光体51とは逆極性のバイアスを印加することにより、転写材Pに転写されずに中間転写ベルト55上に残留している転写残トナーに一次転写時と逆極性の電荷が付与する。なおバイアス電源83は、直流に交流を重畳して印加している。一次転写時と逆極性に帯電された前記転写残トナーは、感光体51とのニップ部及びその近傍において感光体51に静電的に転写され、中間転写ベルト55がクリーニングされる。この工程は一次転写と同時に行うことができるため、スループットの低下を生じない。
【0106】
【実施例】
以下に実施例及び比較例を挙げて本発明を具体的に説明する。なお、以下の実施例等における「部」は「質量部」である。
【0107】
<ドラムの製造例1>
Alシリンダーを支持体とし、以下の材料より構成される塗料を支持体上に浸せき法で塗布し、140℃で30分間熱硬化して15μmの導電層を形成した。
導電性顔料:SnO2コート処理硫酸バリウム 10部
抵抗調節用顔料:酸化チタン 2部
バインダー樹脂:フェノール樹脂 6部
レベリング材:シリコーンオイル 0.001部
溶剤:メタノール、メトキシプロパノール0.2/0.8 20部
【0108】
次にこの上に、N−メトキシメチル化ナイロン3部及び共重合ナイロン3部をメタノール40部、n−ブタノール60部の混合溶媒に溶解した溶液を浸せき法で塗布し、0.6μmの中間層を形成した。
【0109】
オキシチタニルフタロシアニン(TiOPc)3.5部、下記構造式(1)のアゾ顔料0.36部及びポリビニルブチラール(商品名:エスレックBX−10、積水化学工業製)3部をシクロヘキサノン100部に溶解させた後に、高圧分散機(マイクロフルイタイザー、Microfluidics社製)にて分散した後、下記構造式(2)の硫黄系添加剤0.66部及びエチルアセテート250部を加えて電荷発生層用分散液を調製した。これを、中間層を形成した支持体に浸せき法で塗布し、0.3μmの電荷発生層を形成した。
【0110】
【化3】
Figure 0003907556
【0111】
【化4】
Figure 0003907556
【0112】
次に下記構造式(3)の電荷輸送材9部及び、結着樹脂として下記構造式(4)で表されるポリアリレート樹脂(重量平均分子量Mw=16万、nは重合度を表す)10部をジメトキシメタン33部、モノクロロベンゼン60部の混合溶媒に溶解させて電荷輸送層用塗布液とした。
【0113】
【化5】
Figure 0003907556
【0114】
【化6】
Figure 0003907556
【0115】
この塗料を、電荷発生層を形成した支持体に浸せき法で塗布(塗布速度一定)し、120℃で1時間乾燥し18μm(中心付近)の表面層となる電荷輸送層を形成し、ドラム1を作製した。このとき、感光層形成樹脂はMw=160000、Mn=81400、Mz=260000、B=0.22であった。
【0116】
<ドラムの製造例2>
ドラムの製造例1において、電荷輸送層に用いる結着樹脂を重量平均分子量Mw=7.43万のビスフェノールZ型ポリカーボネート樹脂に変更する以外はドラムの製造例1と同様にしてドラム2を製造した。このとき、感光層形成樹脂はMw=74300、Mn=45300、Mz=110000、B=0.58であった。
【0117】
<ドラムの製造例3>
ドラムの製造例1において、電荷輸送層に用いる結着樹脂を重量平均分子量Mw=5.41万のビスフェノールZ型ポリカーボネート樹脂に変更する以外はドラムの製造例1と同様にしてドラム3を製造した。このとき、感光層形成樹脂はMw=54100、Mn=28300、Mz=85600、B=0.91であった。
【0118】
<ドラムの製造例4>
ドラムの製造例1において、電荷輸送層に用いる結着樹脂を重量平均分子量Mw=8.2万のポリフェニレンエーテルアクリル樹脂に変更する以外はドラムの製造例1と同様にしてドラム4を製造した。このとき、感光層形成樹脂はMw=82000、Mn=46200、Mz=131000、B=0.57であった。
【0119】
<トナー用バインダーの製造例1>
ポリエステル樹脂の単量体として、ビスフェノールA−エチレンオキサイド2付加物40mol、イソフタル酸39mol、1,2,5−ベンゼントリカルボン酸1mol、及び触媒としてジブチル錫オキシド0.005molを重縮合にて反応させてバインダー1を得た。このとき、Mw(Tol)=27100、Mw(THF)=30100、Mw(THF)/Mw(Tol)=1.11であった。
【0120】
<トナー用バインダーの製造例2>
ポリエステル樹脂の単量体として、ビスフェノールA−エチレンオキサイド2付加物40mol、イソフタル酸35mol、1,2,5−ベンゼントリカルボン酸5mol、及び触媒としてジブチル錫オキシド0.005molを重縮合にて反応させてバインダー2を得た。このとき、Mw(Tol)=22100、Mw(THF)=72000、Mw(THF)/Mw(Tol)=3.26であった。
【0121】
<トナー用バインダーの製造例3>
ポリエステル樹脂の単量体として、ビスフェノールA−エチレンオキサイド2付加物40mol、イソフタル酸30mol、1,2,5−ベンゼントリカルボン酸10mol、及び触媒としてジブチル錫オキシド0.005molを重縮合にて反応させてバインダー3を得た。このとき、Mw(Tol)=25000、Mw(THF)=151000、Mw(THF)/Mw(Tol)=6.03であった。
【0122】
<トナー用バインダーの製造例4>
ポリエステル樹脂の単量体として、ビスフェノールA−エチレンオキサイド2付加物40mol、イソフタル酸38mol、1,2,5−ベンゼントリカルボン酸2mol、及び触媒としてジブチル錫オキシド0.05molを重縮合にて反応させてバインダー4を得た。このとき、Mw(Tol)=4800、Mw(THF)=16800、Mw(THF)/Mw(Tol)=3.5であった。
【0123】
<トナー用バインダーの製造例5>
ポリエステル樹脂の単量体として、ビスフェノールA−エチレンオキサイド2付加物40mol、イソフタル酸35mol、1,2,5−ベンゼントリカルボン酸5mol、及び触媒としてジブチル錫オキシド0.001molを重縮合にて反応させてバインダー5を得た。このとき、Mw(Tol)=102000、Mw(THF)=123000、Mw(THF)/Mw(Tol)=1.21であった。
【0124】
<トナー用バインダーの製造例6>
結着樹脂の単量体として、スチレン83部、n−ブチルアクリレート17部及び触媒としてBPO(ベンゾイルパーオキサイド)を3.3部反応させてバインダー6−1を得た。
【0125】
結着樹脂の単量体として、スチレン78部、n−ブチルアクリレート20部、ジビニルベンゼン2部及び触媒としてBPOを0.1部反応させてバインダー6−2を得た。
【0126】
その後、バインダー6−1と6−2を7:3の割合でキシレンに均一溶解し、脱溶剤することによってバインダー6を得た。このとき、Mw(Tol)=185000、Mw(THF)=245000、Mw(THF)/Mw(Tol)=1.32であった。
【0127】
<トナーの製造例1>
・バインダー1 100部
・エステルワックス(融点104℃) 4部
・カーボンブラック 8部
・サリチル酸金属化合物 2部
上記材料を、ヘンシェルミキサーを用いて混合し、二軸押し出し混練機で溶融混練した後、ハンマーミルで粗粉砕し、ジェットミルで微粉砕した後、分級して着色粒子を得た。
【0128】
さらに上記着色粒子100部に対して、スルホン酸基含有樹脂(藤倉化成社製、FCA−1001)を0.5部混合したものを、ハイブリダイザー1型(奈良機械製作所製)を用い2500rpmで3分間処理した。この着色粒子100部に対して、ヘキサメチルジシラザンで疎水化処理したシリカ(BET=180m2/g)1.5部をヘンシェルミキサーFM10Bにて外添してトナーAを得た。このトナーの最大吸熱ピークは104℃であった。
【0129】
<トナーの製造例2>
バインダー1に変えてバインダー2を用いた以外は、トナーの製造例1と同様にしてトナーBを得た。
【0130】
<トナーの製造例3>
バインダー1に変えてバインダー3を用いた以外は、トナーの製造例1と同様にしてトナーCを得た。
【0131】
<トナーの製造例4>
バインダー1に変えてバインダー4を用いた以外は、トナーの製造例1と同様にしてトナーDを得た。
【0132】
<トナーの製造例5>
バインダー1に変えてバインダー5を用いた以外は、トナーの製造例1と同様にしてトナーEを得た。
【0133】
<トナーの製造例6>
バインダー1に変えてバインダー6を用いた以外は、トナーの製造例1と同様にしてトナーFを得た。
【0134】
<トナーの製造例7>
・バインダー2 100部
・エステルワックス(融点104℃) 4部
・マグネタイト 80部
・サリチル酸金属化合物 2部
上記材料を、ヘンシェルミキサーを用いて混合し、二軸押し出し混練機で溶融混練した後、ハンマーミルで粗粉砕し、さらに粉砕機としてクリプトロン(川崎重工製)を用いて微粉砕した後、分級して着色粒子を得た。
【0135】
さらに上記着色粒子100部に対して、スルホン酸基含有樹脂(藤倉化成社製、FCA−1001)を0.5部混合したものを、ハイブリダイザー1型(奈良機械製作所製)を用い2500rpmで3分間処理した。この着色粒子100部に対して、製造例1に用いたシリカ1.5部をヘンシェルミキサーFM10Bにて外添してトナーGを得た。このトナーの最大吸熱ピークは104℃であった。
【0136】
<現像ローラの製造例1>
シリコーンゴムを100部、カーボンブラック9部及びジメチルシリコーンオイル5部を二軸混練機にて混練し、コンパウンド状に調整し、このコンパウンドを金属製軸体の外周面に成型し、加熱して厚さ4mm、16mmφの弾性層を形成する。次いで、弾性層をシランカップリング剤ディッピングコートによりプライマー処理を行い、カーボンブラック40部を分散した導電性ポリアミド樹脂をこの上にディッピングコートをして25μmの表面層を形成し、加熱乾燥して現像ローラ1を得た。現像ローラ1のアスカーC硬度は60°であった。
【0137】
<現像ローラの製造例2>
シリコーンゴムを100部、カーボンブラック9部及びジメチルシリコーンオイル5部を二軸混練機にて混練し、コンパウンド状に調整し、このコンパウンドを金属製軸体の外周面に成型し、加熱して厚さ0.5mm、16mmφの弾性層を形成する。次いで、弾性層をシランカップリング剤のディッピングコートによりプライマー処理を行い、カーボンブラック40部を分散した導電性ポリアミド樹脂をこの上にディッピングコートして25μmの表面層を形成し、加熱乾燥して現像ローラ2を得た。現像ローラ2のアスカーC硬度は98°であった。
【0138】
<現像ローラの製造例3>
シリコーンゴムを100部、カーボンブラック9部及びジメチルシリコーンオイル1部を二軸混練機にて混練し、コンパウンド状に調整し、このコンパウンドを金属製軸体の外周面に成型し、加熱して厚さ4mm、16mmφの弾性層を形成する。次いで、弾性層をシランカップリング剤のディッピングコートによりプライマー処理を行い、カーボンブラック40部を分散した導電性ポリアミド樹脂をこの上にディッピングコートして25μmの表面層を形成し、加熱乾燥して現像ローラ3を得た。現像ローラ3のアスカーC硬度は35°であった。
【0139】
<実施例1>
上記部材やトナー等の中からドラム2、現像ローラ1、及びトナーBを用い、画像形成装置としては市販のカラーレーザープリンターLBP2710(キヤノン社製)を用い、カートリッジにトナーを300g充填し、印字比率2%で15000枚の連続プリントの試験をした。いずれの試験においても、初期と1000枚目、10000枚目にべた黒パターンとべた白パターン、ハーフトーン画像をサンプルとしてプリントし、その時の画像も確認した。また、初期はショックスジの確認も行った。構成を表1に、結果を表2に示す。
【0140】
なお各評価項目について、評価項目と評価方法を以下に示す。
オフセットに関しては、初期画像においてホットオフセット、コールドオフセット共に発生しなかったものはA、画像に出ない程度の発生はB、画像にまで発生したものはCとした。
【0141】
カブリに関しては10000枚の連続プリント後の画像を評価し、カブリが1%未満ならA、1%以上3%未満ならB、3%以上5%未満ならC、5%以上であればDとランク分けした。ちなみにカブリの値は、ベタ白画像上の反射光をリフレクトメーター(東京電色社製)により測定した。
【0142】
フィルミングに関しては、1000枚の連続プリント後の画像を評価し、100cm2あたりのフィルミングによる紋の数が0.5個未満ならA、0.5個以上1.5個未満ならB、1.5個以上3個未満ならC、3個以上ならDとランク分けした。
【0143】
ブレード融着に関しては、ブレード融着由来の画像スジが10cm幅あたり1本未満であればA、1本以上3本未満であればB、3本以上5本以下であればC、5本以上であればDとした。
【0144】
ショックスジに関しては、ドラム、現像ローラ、ブレードが一体となったプロセスカートリッジにおいて、初期に数枚の画出しの後、カートリッジを取り出して振動ふるいに固定し、5秒振動させた後に再びハーフトーンの画出しを行い、ショックスジである横スジが発生していなければA、軽微な発生であればB、はっきりと発生していればCと評価した。
【0145】
ドラム削れに関しては、10000枚の評価の後、削れ量が0.7μm以下であれば優秀であり、Aとした。0.7μm以上1μm未満であれば良好であり、Bとした。1μm以上1.3μm未満であれば使用可能であり、Cとした。1.3μm以上であればスジが発生したり、色ずれ等が発生する恐れがあり、使用困難によりDと判断した。
【0146】
定着性に関してはベタ黒、ハーフトーンのサンプルで、荷重250gにて10回のこすり試験を行い、その時の初期の濃度と試験後の濃度を反射濃度計RD918にて測定し、その差によって3.0%未満は優秀であり、Aとした。また、3.0%以上6.0%未満は優れているのでB、使用可能ということで6.0%以上10%未満はC、明らかに劣るということで10%以上はDとした。
【0147】
<実施例2>
トナーをCにしたことを除いては実施例1と同様に評価した。構成を表1に、結果を表2に示す。
【0148】
<実施例3>
トナーをAに、ドラムを3にしたことを除いては実施例1と同様に評価した。構成を表1に、結果を表2に示す。
【0149】
<実施例4>
トナーをBにしたことを除いては実施例3と同様に評価した。構成を表1に、結果を表2に示す。
【0150】
<実施例5>
トナーをCにしたことを除いては実施例3と同様に評価した。構成を表1に、結果を表2に示す。
【0151】
<実施例6>
ドラムを1にしたことを除いては実施例2と同様に評価した。構成を表1に、結果を表2に示す。
【0152】
<実施例7>
トナーをDにしたことを除いては実施例1と同様に評価した。構成を表1に、結果を表2に示す。
【0153】
<実施例8>
トナーをEにしたことを除いては実施例3と同様に評価した。構成を表1に、結果を表2に示す。
【0154】
<実施例9>
エステルワックス(融点104℃)の代わりにエステルワックス(融点65℃)にしてトナー材料の一部を変更したことを除いては実施例1と同様に評価した。構成を表1に、結果を表2に示す。
【0155】
<実施例10>
エステルワックス(融点104℃)の代わりに低分子量ポリエチレンワックス(融点154℃)にしてトナー材料の一部を変更したことを除いては実施例1と同様に評価した。構成を表1に、結果を表2に示す。
【0156】
<実施例11>
ドラムを4にしたことを除いては実施例1と同様に評価した。構成を表1に、結果を表2に示す。
【0157】
<実施例12>
現像ローラを3にしたことを除いては実施例1と同様に評価した。構成を表1に、結果を表2に示す。
【0158】
<実施例13>
現像ローラを2にしたことを除いては実施例1と同様に評価した。構成を表1に、結果を表2に示す。
【0159】
<実施例14>
トナーをGにしたことを除いては実施例1と同様に評価した。構成を表1に、結果を表2に示す。
【0160】
<実施例15>
カーボンブラック8部をC.I.ピグメントブルー15:3を6部にしてトナー材料の一部を変更したことを除いては実施例1と同様に評価した。構成を表1に、結果を表2に示す。
【0161】
<比較例1>
ドラムを1にしたことを除いては実施例3と同様に評価した。構成を表1に、結果を表2に示す。
【0162】
<比較例2>
ドラムを1にしたことを除いては実施例1と同様に評価した。構成を表1に、結果を表2に示す。
【0163】
<比較例3>
トナーをAにしたことを除いては実施例1と同様に評価した。構成を表1に、結果を表2に示す。
【0164】
<比較例4>
トナーをFにしたことを除いては実施例1と同様に評価した。構成を表1に、結果を表2に示す。
【0165】
<実施例16>
評価機を図3のものにしたことを除いては実施例1と同様に評価した。構成を表1に、結果を表2に示す。
【0166】
<実施例17>
評価機を図3のものにしたことを除いては実施例8と同様に評価した。構成を表1に、結果を表2に示す。
【0167】
<実施例18>
評価機を図3のものにしたことを除いては実施例11と同様に評価した。構成を表1に、結果を表2に示す。
【0168】
<実施例19>
評価機を図3のものにしたことを除いては実施例13と同様に評価した。構成を表1に、結果を表2に示す。
【0169】
【表1】
Figure 0003907556
【0170】
【表2】
Figure 0003907556
【0171】
【発明の効果】
本発明は、静電潜像を担持する静電潜像担持体と、この少なくとも現像時には前記現像剤を表面に担持し前記静電潜像担持体表面に直接又は間接的に接触する現像剤担持体と、この現像剤担持体に直接又は間接的に接触して現像剤担持体上の現像剤層の層厚を規制する層厚規制部材とを有し、静電潜像担持体に担持された静電潜像に現像剤を供給して静電潜像を現像する現像装置とを用い、静電潜像担持体は、導電性基体と、この導電性基体上に形成される有機感光層とを有し、有機感光層は、表面を含む有機感光層の一部を少なくとも形成する感光層形成樹脂と、電荷輸送物質とを含有し、現像剤は、ポリエステル樹脂を主成分とする結着樹脂と着色剤とを含有する一成分現像剤であり、感光層形成樹脂のテトラヒドロフラン可溶分の内の数平均分子量が5万以下の成分の存在割合をBとし、現像剤のトルエン可溶分の重量平均分子量をMw(Tol)とし、現像剤のテトラヒドロフラン可溶分の重量平均分子量をMw(THF)としたときに、下記条件式を満足することから、一成分接触現像装置において、フィルミング、ドラム表面の削れによる縦スジやトナー劣化によるカブリ、層厚規制部材への融着、様々な衝撃によるショックスジを改善することができる。
【0172】
【数7】
B×Mw(THF)/Mw(Tol)≧1.0
【0173】
本発明では、感光層形成樹脂のテトラヒドロフラン可溶分のZ平均分子量が100,000以上であると、静電潜像担持体の耐久性を向上させる上でより一層効果的である。
【0174】
本発明では、現像剤の30〜200℃における示差走査式熱分析による最大吸熱ピークが、80〜120℃にあると、カブリやドラム融着の発生、及びオフセットの発生を抑制する上でより一層効果的である。
【0175】
本発明では、現像剤担持体のアスカーC硬度が40°以上95°未満であると、ドラム削れ、トナー劣化、ショックスジ及びカブリの発生を防止する上でより一層効果的である。
【0176】
本発明では、感光層形成樹脂が、ポリカーボネート樹脂又はポリアリレート樹脂を主成分とすると、ドラム削れやドラム融着を防止する上でより一層効果的である。
【0177】
本発明では、現像剤のトルエン可溶分の重量平均分子量Mw(Tol)が、5,000〜100,000であると、定着性を向上させる観点からより一層効果的である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の現像装置を有するプロセスカートリッジの一例を示す概略構成図である。
【図2】図1のプロセスカートリッジを有する本発明の画像形成装置の一例を示す概略構成図である。
【図3】本発明の画像形成装置の他の一例を示す概略構成図である。
【符号の説明】
1 ドラム
2 帯電部材
4 転写ローラ
5 クリーニングブレード
6 露光装置
7 定着装置
7a 定着ローラ
7b 加圧ローラ
10 現像容器
11 現像ローラ
12 トナー供給ローラ
13 ブレード
14 トナー搬送部材
15 給紙トレイ
16 給紙ローラ
17 排出ローラ
18 廃トナー容器
20 現像装置
31 スペーサ
41 イエロー色現像器
42 マゼンタ色現像器
43 シアン色現像器
44 ブラック色現像器
51 感光体
52 一次帯電器
53 画像露光
54 現像手段
55 中間転写ベルト
56 一次転写ローラ
57 二次転写ローラ
58 プーリ
59 クリーニング用帯電部材
60 転写材ガイド
61 給紙ローラ
62 従動プーリ
63 クリーニング装置
65 定着器
80〜83 電源
L 露光光
P 転写材

Claims (18)

  1. 静電潜像を担持している静電潜像担持体に、現像装置によって現像剤を供給して静電潜像を現像する工程を含む画像形成方法において、
    前記静電潜像担持体は、導電性基体と、この導電性基体上に形成される有機感光層とを有し、
    前記有機感光層は、表面を含む有機感光層の一部を少なくとも形成する感光層形成樹脂と、電荷輸送物質とを含有し、
    前記現像装置は、少なくとも現像時には前記現像剤を表面に担持し前記静電潜像担持体表面に直接又は間接的に接触する現像剤担持体と、この現像剤担持体に直接又は間接的に接触して現像剤担持体上の現像剤層の層厚を規制する層厚規制部材とを有し、
    前記現像剤は、ポリエステル樹脂を主成分とする結着樹脂と着色剤とを含有する一成分現像剤であり、
    前記感光層形成樹脂のテトラヒドロフラン可溶分の内の数平均分子量が5万以下の成分の存在割合をBとし、前記現像剤のトルエン可溶分の重量平均分子量をMw(Tol)とし、前記現像剤のテトラヒドロフラン可溶分の重量平均分子量をMw(THF)としたときに、下記条件式を満足することを特徴とする画像形成方法。
    Figure 0003907556
  2. 前記感光層形成樹脂のテトラヒドロフラン可溶分のZ平均分子量が100,000以上であることを特徴とする請求項に記載の画像形成方法。
  3. 前記現像剤の30〜200℃における示差走査式熱分析による最大吸熱ピークが、80〜120℃にあることを特徴とする請求項又はに記載の画像形成方法。
  4. 前記現像剤担持体のアスカーC硬度が40°以上95°未満であることを特徴とする請求項乃至のいずれか一項に記載の画像形成方法。
  5. 前記感光層形成樹脂が、ポリカーボネート樹脂又はポリアリレート樹脂を主成分とすることを特徴とする請求項乃至のいずれか一項に記載の画像形成方法。
  6. 前記現像剤のトルエン可溶分の重量平均分子量Mw(Tol)が、5,000〜100,000であることを特徴とする請求項乃至のいずれか一項に記載の画像形成方法。
  7. 静電潜像を担持する静電潜像担持体と、この静電潜像担持体に担持された静電潜像に現像剤を供給して静電潜像を現像する現像装置とを有する画像形成装置において、
    前記静電潜像担持体は、導電性基体と、この導電性基体上に形成される有機感光層とを有し、
    前記有機感光層は、表面を含む有機感光層の一部を少なくとも形成する感光層形成樹脂と、電荷輸送物質とを含有し、
    前記現像装置は、少なくとも現像時には前記現像剤を表面に担持し前記静電潜像担持体表面に直接又は間接的に接触する現像剤担持体と、この現像剤担持体に直接又は間接的に接触して現像剤担持体上の現像剤層の層厚を規制する層厚規制部材とを有し、
    前記現像剤は、ポリエステル樹脂を主成分とする結着樹脂と着色剤とを含有する一成分現像剤であり、
    前記感光層形成樹脂のテトラヒドロフラン可溶分の内の数平均分子量が5万以下の成分の存在割合をBとし、前記現像剤のトルエン可溶分の重量平均分子量をMw(Tol)とし、前記現像剤のテトラヒドロフラン可溶分の重量平均分子量をMw(THF)としたときに、下記条件式を満足することを特徴とする画像形成装置。
    Figure 0003907556
  8. 前記感光層形成樹脂のテトラヒドロフラン可溶分のZ平均分子量が100,000以上であることを特徴とする請求項に記載の画像形成装置。
  9. 前記現像剤の30〜200℃における示差走査式熱分析による最大吸熱ピークが、80〜120℃にあることを特徴とする請求項又はに記載の画像形成装置。
  10. 前記現像剤担持体のアスカーC硬度が40°以上95°未満であることを特徴とする請求項乃至のいずれか一項に記載の画像形成装置。
  11. 前記感光層形成樹脂が、ポリカーボネート樹脂又はポリアリレート樹脂を主成分とすることを特徴とする請求項乃至10のいずれか一項に記載の画像形成装置。
  12. 前記現像剤のトルエン可溶分の重量平均分子量Mw(Tol)が、5,000〜100,000であることを特徴とする請求項乃至11のいずれか一項に記載の画像形成装置。
  13. 静電潜像を担持する静電潜像担持体と、この静電潜像担持体に担持された静電潜像に現像剤を供給して静電潜像を現像する現像装置とを少なくとも有すると共にこれらを一体的に有し、静電潜像を担持している静電潜像担持体に、現像装置によって現像剤を供給して静電潜像を現像する工程を含む画像形成方法に使用される画像形成装置の本体に対して着脱自在に設けられるプロセスカートリッジにおいて、
    前記静電潜像担持体は、導電性基体と、この導電性基体上に形成される有機感光層とを有し、
    前記有機感光層は、表面を含む有機感光層の一部を少なくとも形成する感光層形成樹脂と、電荷輸送物質とを含有し、
    前記現像装置は、少なくとも現像時には前記現像剤を表面に担持し前記静電潜像担持体表面に直接又は間接的に接触する現像剤担持体と、この現像剤担持体に直接又は間接的に接触して現像剤担持体上の現像剤層の層厚を規制する層厚規制部材とを有し、
    前記現像剤は、ポリエステル樹脂を主成分とする結着樹脂と着色剤とを含有する一成分現像剤であり、
    前記感光層形成樹脂のテトラヒドロフラン可溶分の内の数平均分子量が5万以下の成分の存在割合をBとし、前記現像剤のトルエン可溶分の重量平均分子量をMw(Tol)とし、前記現像剤のテトラヒドロフラン可溶分の重量平均分子量をMw(THF)としたときに、下記条件式を満足することを特徴とするプロセスカートリッジ。
    Figure 0003907556
  14. 前記感光層形成樹脂のテトラヒドロフラン可溶分のZ平均分子量が100,000以上であることを特徴とする請求項13に記載のプロセスカートリッジ。
  15. 前記現像剤の30〜200℃における示差走査式熱分析による最大吸熱ピークが、80〜120℃にあることを特徴とする請求項13又は14に記載のプロセスカートリッジ。
  16. 前記現像剤担持体のアスカーC硬度が40°以上95°未満であることを特徴とする請求項13乃至15のいずれか一項に記載のプロセスカートリッジ。
  17. 前記感光層形成樹脂が、ポリカーボネート樹脂又はポリアリレート樹脂を主成分とすることを特徴とする請求項13乃至16のいずれか一項に記載のプロセスカートリッジ。
  18. 前記現像剤のトルエン可溶分の重量平均分子量Mw(Tol)が、5,000〜100,000であることを特徴とする請求項13乃至17のいずれか一項に記載のプロセスカートリッジ。
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