JP4365937B2 - カラートナー - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真,静電荷像を顕像化するための画像形成方法に使用されるカラートナー、又は、トナージェットに使用されるカラートナー、及び、該カラートナーを用いたフルカラー画像形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、電子写真法としては米国特許第2,297,691号明細書、特公昭42−23910号公報及び特公昭43−24748号公報等に記載されているごとく多数の方法が知られているが、一般には光導電性物質を利用し、種々の手段により感光体上に電気的潜像を形成し、次いで、該潜像をトナーで現像を行って、可視像とし、必要に応じて紙などの記録材にトナーを転写させた後、熱・圧力等により転写材(記録材)上にトナー画像を定着して複写物を得るものであり、そして転写せず感光体上に残ったトナーは種々の方法でクリーニングされ、上述の工程が繰り返される。
【0003】
近年このような複写装置は、より小型化,より軽量化そしてより高速化,より高信頼性が厳しく追及されてきている。また、単なる一般に言うオリジナル原稿を複写するための事務処理用複写機ということだけでなく、コンピューターの出力としてのデジタルプリンターあるいはグラフィックデザイン等の高細密画像のコピー用に使われはじめた。
【0004】
また、パーソナル・ユーザーを対象としたコンピュター機器の普及に伴い、映像による情報伝達機構として、フルカラーによる映像コミュニケーションが幅広く浸透しつつある。
【0005】
この様な状況下で、出力機器の一つであるプリンターや複写機においてもフルカラー化が急速に進んでおり、一般ユーザーにおいてもカラー画像がより身近なものとなりつつある。
【0006】
そのため、フルカラー画質としてより高精細,高画質が求められており、その結果トナーに要求される性能もより高度になってきた。
【0007】
ところで、デジタルフルカラープリンター及び高細密画像のフルカラーコピーにおいてトナーに要求される性能のうち最も重要なものに、定着性能がある。
【0008】
定着工程に関しては、種々の方法や装置が開発されているが、現在最も一般的な方法は熱ローラーによる圧着加熱方式である。
【0009】
加熱ローラーによる圧着加熱方式は、トナーに対し離型性を有する材料(シリコーンゴムやフッ素樹脂)で表面を形成した熱ローラーの表面に、被定着シートのトナー像面を加圧下で接触しながら通過せしめることにより定着を行なうものである。この方法は熱ローラーの表面と被定着シートのトナー像とが加圧下で接触するため、トナー像を被定着シート上に融着する際の熱効率が極めて良好であり、迅速に定着を行なうことができ、高速度電子写真複写機においても非常に有効である。しかしながら、上記方法では、熱ローラー表面とトナー像とが溶融状態で加圧下で接触するためにトナー像の一部が定着ローラー表面に付着・転移し、次の被定着シートを汚すことがある(オフセット現象)。熱定着ローラー表面に対してトナーが付着しないようにすることは熱ローラー定着方式の必須条件の一つとされている。
【0010】
フルカラーの場合では、色材の3原色であるイエロー、マゼンタ、シアンの3色のトナー又はそれに黒色トナーを加えた4色のトナーを用いて色再現を行なうのが一般的であり、多色画像を紙或いはオバーヘッドプロジェクターシート(OHT)等の被定着シート上に定着し、色再現・OHT画像の透過性を満足しなくてはならない。このためトナー層を十分に溶融し、画像表面を平滑にすることが要求される。画像の平滑性とオフセット防止を両立する目的で、定着ロールにシリコーンオイル等のオイルを供給しローラ上に均一に被覆する手段が必須であり、これらが小型で安価なシステムを設計する上での阻害因子となっている。
【0011】
トナー自身に良好な定着性と耐オフセット性を持たせる方法として、特開昭52−3304号公報、特開昭52−3305号公報、特開昭57−52574号公報、特開昭61−138259号公報、特開昭56−87051号公報、特開昭63−188158号公報、特開昭63−113558号公報及び特開平8−030036号公報等にトナー中にワックス類を含有させる技術が開示されている。
【0012】
ワックス類は、トナーの耐オフセット性の向上や、低温時の定着性の向上のために用いられている。しかしながら、これらの性能を向上させる反面、耐ブロッキング性を悪化させたり、複写機等の昇温などによって熱にさらされると現像性が悪化したり、また長期放置時にワックスがブルーミングして現像性が悪化したりする。
【0013】
更に、これらのワックス類はトナー中に均一に分散されにくく、遊離あるいは偏在したワックスが現像性,耐久性等に悪影響を与えやすく、影響を与えない添加量では十分な離型性が得られず、定着装置側でのオイル等の離型剤の使用が不可欠となる。
【0014】
また、トナーバインダーとしても良好な定着性と耐オフセット性を持たせる方法として、特開昭47−12334号公報、特開昭57−37353号公報及び特開昭57−208559号公報においては、エーテル化ビスフェノール単量体と、ジカルボン酸単量体と、3価以上の多価アルコール単量体及び/又は3価以上の多価カルボン酸単量体とを含む単量体成分とより得られる非線状共重合体よりなるポリエステルをバインダーとして含有するトナーが提案されている。この技術は、エーテル化ビスフェノール単量体とジカルボン酸単量体とよりなるポリエステルを、3価以上の多価アルコール単量体及び/又は3価以上の多価カルボン酸単量体を含む多量の単量体成分により架橋することによって得られるポリエステルをバインダーとして含有させることにより、トナーにオフセット防止性能を有せしめたものである。しかしながら、これらのトナーにおいては、その軟化点が若干高く、従って良好な低温定着性が困難であるし、さらに、フルカラー複写に用いた場合は、耐高温オフセット性に対しては実用化しうるレベルではあるが、上述のごとく定着性、シャープメルト性に難があるため、該ポリエステルを用いたフルカラートナーの重ね合わせによる混色性や色再現性は充分でない。
【0015】
特開昭57−109825号公報、特開昭62−78568号公報、特開昭62−78569号公報、特公昭63−57785号公報及び特開昭59−29256号公報においては、エーテル化ビスフェノール単量体と、長鎖脂肪族炭化水素を導入したジカルボン酸単量体やその他のジカルボン酸単量体と、3価以上の多価アルコール単量体及び/又は3価以上の多価カルボン酸単量体を含む単量体成分とより得られる非線状共重合体であって、その側鎖に炭素数3〜22の飽和もしくは不飽和の脂肪族炭化水素基を有するポリエステルをバインダーとして含有するトナーを開示されているが、これらのポリエステル樹脂は高速定着用トナーを主に目的としており、樹脂の粘弾性特性としては、前述した粘性重視ポリエステルとは全く逆に、弾性を強化し、ローラーヘの高温オフセットを著しく低下せしめたものである。そして、定着時、熱ローラーの加圧及び加熱をできる限り高め、トナーを半溶融の状態で転写紙の繊維の間へ押し込み、加圧・加熱定着を行い、該目的を達成しようとするものである。それゆえ、カラー画像に必要なトナー層が溶融し連続皮膜を形成し、平滑面を得るということはほとんど出来ず、定着したトナーは、転写紙上で粒子状態で存在し、得られるカラー画像はくすんだものとなり彩度にとぼしい。OHT画像はトナー粒子表面で光が散乱・拡散してしまい、ほとんど光を透過せず、実用的に使用不能となってしまう。
【0016】
特公昭55−6895号公報や特開昭56−98202号公報に記載の如く、結着樹脂の分子量分布の幅を広くすることによりオフセット現象を抑制する方法もあるが、一般に樹脂の重合度が高くなり使用定着温度も高く設定する必要がある。
【0017】
更に、特公昭57−493号公報、特開昭50−44836号公報及び特開昭57−37353号公報に記載の如く、樹脂を非線状化、又は架橋化することによってオフセット現象を抑制する方法;特開昭61−213858号公報、特開平1−295269号公報、特開平1−30061号公報、特開平1−302267号公報及び特開平3−96964号公報の如く、ポリエステル樹脂を金属イオン架橋化してオフセット現象を改善する方法が提案されている。
【0018】
トナーの耐オフセット性を向上させる方法として、架橋ポリマーと呼ばれる多官能性モノマーや多官能開始剤を用いた共有結合性架橋樹脂ないし分岐性樹脂を用いたトナー(特開平3−203746号公報、特開平4−24648号公報に記載)や、金属酸化物とポリマーとを強固に結合させたイオン結合性架橋ポリマーを用いたトナー(特開昭61−213858号公報、特開平6−175395号公報に記載)が提案されている。いずれも耐オフセット性は向上するものの結着樹脂本来の定着性が低下し、またポリマー分子のからみ合いが強いため、テトラヒドロフラン不溶分に代表される架橋による樹脂成分が着色剤や荷電制御剤の結着樹脂への分散性を困難なものとし、さらにトナー製造時におけるトナー混練物の粉砕性も低下させてしまう。
【0019】
更に、特開昭63−225244号公報〜63−225246号公報では、低温定着性,耐高温オフセット性及び耐ブロッキング性を向上させる目的で2種の非線状ポリエステルを含有してなるトナーが開示されている。また、特開昭60−214368号公報、特開平2−082267号公報、特開平2−158747号公報、特開平4−338973号公報、特開平7−261459号公報及び特開平8−101530号公報等に、物性の異なる2種のポリエステルをブレンドし、トナーの定着性と耐オフセット性を向上させる手法が提案されているが、フルカラー定着としては不十分なもの、シリコーンオイル等の離型剤の定着ローラ塗布量は減るものの必須なものであり、未だ完全なオイルレスフルカラートナーは得られていない。
【0020】
更に、特開平3−188468号公報に、トナー粒子中におけるバインダーとしてのポリエステル樹脂が、以下の(A)〜(C)の条件
(A)ポリエステル樹脂の酸価をAv、水酸基価をOHvとしたとき、Avが20〜35(mgKOH/g)、Av/OHv=1.0〜1.5の範囲にあること;
(B)テトラヒドロフラン不溶分が10%以下であること;
(C)テトラヒドロフラン可溶分のゲル・パーミテーション・クロマトグラフィー(GPC)による分子量分布において、重量平均分子量Mwと数平均分子量Mnとの比率がMw/Mn≧10であり、数平均分子量3,000〜8,000の領域にピーク(低分子側ピーク)を少なくとも1つ有し、数平均分子量100,000〜600,000の領域にピークまたは肩(高分子側ピーク)を1つ有し、かつ、高分子側ピーク領域が5〜15%存在すること;
を満足しているトナーが提案されている。しかしながら、特開平3−188468号公報のポリエステルは、酸価が20(mgKOH/g)以上と高く、またソフトセグメント成分を含有するものの多価カルボン酸量が多く、架橋成分の割合が高くなる(実施例においてもTHF不溶分が2%以上存在する)ためフルカラー定着性(グロスコントロール、耐オフセットの両立)を満足しない。
【0021】
一般に、最低定着温度は低温オフセットと高温オフセットの間にあるため、使用可能温度領域は最低定着温度と高温オフセットの間である。最低定着温度をできるだけ下げ、高温オフセット発生温度をできるだけ上げることにより使用定着温度を下げることができると共に使用可能温度領域を広げることができる。その結果、省エネルギー化、高速定着化、紙のカールの発生を防ぐことができる。また、紙のカールを抑制できることから両面コピーを円滑におこなえ、複写機のインテリジェント化、定着装置の温度コントロールの精度、許容幅の緩和がおこなえる。
【0022】
そのため、低温定着性及び高温オフセット性の良いトナーが望まれている。しかしながら、低速から高速まで適用できる定着温度領域の広い、耐オフセット性に優れたトナーとしては、後述の画像特性と併せて未だ改良すべき課題を残している。
【0023】
また、近年の複写機及びプリンターの小型化、コンパクト化から現像機内の温度は上昇しやすく、トナーの高温における保存性はこれまで以上のものが望まれており、さらには、高品位画像出力のため、安定した現像性と良好な転写性を同時に十分に満足するトナーが待望されている。
【0024】
一方、トナーに電荷を保有せしめるためには、トナーの成分である樹脂の摩擦帯電性を利用することも出来るが、この方法ではトナーの帯電が安定しないので、濃度の立ち上がりが遅く、カブリ易い。そこで、所望の摩擦帯電性をトナーに付与するために帯電制御剤を添加することが行われている。
【0025】
今日、当該技術分野で知られている帯電制御剤としては、負摩擦帯電性帯電制御剤として、モノアゾ染料の金属錯塩,ヒドロキシカルボン酸,ジカルボン酸,芳香族ジオール等の金属錯塩,酸成分を含む樹脂等が知られている。正摩擦帯電性帯電制御剤として、ニグロシン染料,アジン染料,トリフェニルメタン系染顔料,4級アンモニウム塩,4級アンモニウム塩を側鎖に有するポリマー等が知られている。
【0026】
しかし、帯電制御剤によっては、画像濃度とカブリのバランスがとりにくい、高湿環境で十分な画像濃度を得にくい、樹脂への分散性が悪い、保存安定性、定着性、耐オフセット性に悪影響を与える等のような欠点を有する。従来、芳香族カルボン酸類の金属錯体・金属塩は、特開昭53−127726号公報、特開昭57−111541号公報、特開昭57−124357号公報、特開昭57−104940号公報、特開昭61−69073号公報、特開昭61−73693号公報、特開昭61−267058号公報、特開昭62−105156号公報、特開昭62−145255号公報、特開昭62−163061号公報、特開昭63−208865号公報、特開平3−276166号公報、特開平4−84141号公報及び特開平8−160668号公報を始めとしていくつかの提案がなされている。しかしながら、これらの公報に提案されているものは、摩擦帯電付与という観点からはいずれも優れたものであるが、特にフルカラートナーに適用した場合には、簡易な現像器構成で環境変動,経時,使用状況に関わらず、安定した現像性の得られるものは少ない。また、高速機において長期耐久時においても安定した現像性が得られるものも少ない。
【0027】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記の従来の問題点を解決したカラートナー及び画像形成方法を提供することを目的とする。
【0028】
即ち、本発明の目的は、定着オイルの使用無しに定着を行なうことのできる耐オフセット性に優れ、低温定着が可能なカラートナー及び画像形成方法を提供することにある。また、低湿下で使用しても、高湿下で使用しても高い画像品質が得られ、経時において画像欠陥を生じないカラートナー及び画像形成方法を提供することにある。
【0029】
【課題を解決するための手段】
本発明は、少なくとも結着樹脂、ワックス、有機金属化合物及び着色剤を含むカラートナーにおいて、
該結着樹脂は、ポリエステル樹脂を有し、
該トナーTHF可溶分のGPC分子量分布において、400乃至1万未満の成分における3価以上の多価カルボン酸単量体ユニットのmol%をXa、1万〜5万の成分における3価以上の多価カルボン酸単量体ユニットのmol%をXb、5万を超える成分における3価以上の多価カルボン酸単量体ユニットのmol%をXcとした場合に、Xc>Xb>Xa≧2.95の関係を満足し、かつ、
該トナーのTHF可溶分のGPC分子量分布において、400乃至1万未満における炭素数5〜30の飽和もしくは不飽和の脂肪族炭化水素基を有する成分mol%をYa、1万〜5万の成分における炭素数5〜30の飽和もしくは不飽和の脂肪族炭化水素基を有する成分mol%をYb、5万を超える成分における炭素数5〜30の飽和もしくは不飽和の脂肪族炭化水素基を有する成分mol%をYcとしたとき、Yc>Yb>Ya≧9.72の関係を満足し、
該ワックスは、低分子量ポリエチレンワックスであり、
該カラートナーは、THF可溶分及び0乃至25重量%未満のTHF不溶分を含有し、該THF可溶分のGPC分子量分布において、分子量分布における面積比で、400乃至1万未満の成分含有量(M1)35〜55%、1万〜5万の成分含有量(M2)30〜45%、5万〜50万の成分含有量(M3)8〜20%、50万を超える成分含有量(M4)2〜12%であって、且つM1>M2>M3>M4の関係を満足する
ことを特徴とするカラートナーに関する。
【0031】
【発明の実施の形態】
本発明は、オイルレスフルカラー定着を目的として種々の樹脂とワックスを鋭意検討した結果、特定の構成において、オイルレス定着(定着ローラ非巻き付き性、耐オフセット性)、画像グロスコントロール、OHT透過性を全て満足できることを見出した。
【0032】
すなわち、少なくとも結着樹脂、有機金属化合物、ワックス及び着色剤を含むカラートナーにおける、該トナーTHF可溶分のGPC分子量分布において、400乃至1万未満の成分における3価以上の多価カルボン酸単量体ユニットのmol%をXa、1万〜5万の成分における3価以上の多価カルボン酸単量体ユニットのmol%をXb、5万を超える成分における3価以上の多価カルボン酸単量体ユニットのmol%をXcとした場合に、Xc>Xb>Xaの関係を満足することを特徴とするカラートナーで達成することができる。
【0033】
Xc>Xb>Xaを満たすことで、高分子側がより架橋され非オフセット領域が広がり、また、低分子量側は高分子量側ほど架橋されないために低温定着性が良好となり、オイルレス定着が可能となる。また、Xc>Xb>Xaを満たす範囲内で、グロスコントロールを行うことが可能である。
【0034】
上記の関係を満足することで、グロスと非オフセット領域の両立を図ることができ、オイルレス定着が可能となる。
【0035】
このような物性を満たすトナーを作る手段としては例えば、三価以上の多価カルボン酸類を多く含まなくて分子量1万未満の成分を多く含むポリエステル樹脂と、三価以上の多価カルボン酸類を多く含み分子量1万未満の成分を多く含まないポリエステル樹脂を混合(ブレンド)することが挙げられる。混合するポリエステル樹脂は2種類以上でも構わない。
【0036】
また、該トナーのTHF可溶分のGPC分子量分布において、1万未満における炭素数5〜30の飽和もしくは不飽和の脂肪族炭化水素基を有する成分mol%をYa、1万〜5万の成分における炭素数5〜30の飽和もしくは不飽和の脂肪族炭化水素基を有する成分mol%をYb、5万を超える成分における炭素数5〜30の飽和もしくは不飽和の脂肪族炭化水素基を有する成分mol%をYcとしたとき、Yc>Yb>Yaの関係を満足することが好ましい。
【0037】
Yc>Yb>Yaを満たすことで、強度に架橋され過ぎた高分子側を、不飽和の脂肪族炭化水素基がソフトセグメントの役割を果たすことによって、和らげることが可能となり、その結果、満足し得る低温定着性と耐高温オフセット性を得ることができる。
【0038】
上記の関係を満足することで、グロスと非オフセット領域の両立を図ることができ、オイルレス定着が可能となる。
【0039】
更に、本発明においては、有機金属化合物のトナー中の含有量が0.2〜10重量%であり、且つ該トナー中の3価以上の多価カルボン酸単量体全mol%と該有機金属化合物のトナー中の重量%が、下記の式
2≦(3価以上の多価カルボン酸単量体全mol%)×(有機金属化合物のトナー中の重量%)≦50
を満足することが好ましい。
【0040】
該有機金属化合物のトナー中の含有量が0.2重量%未満の場合、架橋反応が進まず非オフセット領域が狭いものとなり、10重量%を超える場合、架橋反応がより促進し、非オフセット領域は広がるが、定着性が損なわれ、カラー画像に求められるグロスが低下し、OHT透過性も悪化する。
【0041】
更に、該トナー中の3価以上の多価カルボン酸単量体mol%と該有機金属化合物のトナー中の重量%が
2≦(多価カルボン酸単量体mol%)×(有機金属化合物のトナー中の重量%)≦50
を満足しない場合も、カラー画像に要求されるグロスと非オフセット領域の両立が不具合となる。
【0042】
〔各分子量成分の分取〕
本発明において、該結着樹脂の各分子量成分の分取は、以下の方法により得ることができる。
【0043】
「装置構成」
LC−908(日本分析工業株式会社製)
JRS−86(同社;リピートインジェクタ)
JAR−2(同社;オートサンプラー)
FC−201(ギルソン社;フラクッションコレクタ)
「カラム構成」
JAIGEL−1H〜5H(20φ×600mm:分取カラム)
「測定条件」
温度:40℃
溶媒:THF
流量:5ml/min
検出器:RI
【0044】
試料は予め重合体成分以外の添加剤を分離しておく。分取方法としては、分子量が1万、5万になる溶媒時間を予め測定し、その前後で試料を分取する。分取したサンプルから溶媒を除去し、3価以上の多価カルボン酸と炭素数5〜30の飽和もしくは不飽和の脂肪族炭化水素基を有する成分の組成分析の試料とする。
【0045】
「結着樹脂の組成分析」
上記分取カラムによって得られたサンプルを6NのNaOHで加水分解し、エーテルで抽出後、各サンプルのメチル化を行い、GC/MSによりトリメリット酸、ドデセニルこはく酸を同定し、GCのピーク面積値により各々の量を求めた。
【0046】
本発明に使用される有機金属化合物とは、例えば有機金属錯体、金属塩、キレート化合物であり、モノアゾ金属錯体、アセチルアセトン金属錯体、サルチル酸金属錯体、アルキルサルチル酸金属錯体、ジアルキルサルチル酸金属錯体、オキシナフトエ酸金属錯体、ヒドロキシカルボン酸金属錯体、ポリカルボン酸の金属塩などが挙げられる。有機金属錯体、金属塩、キレート化合物を構成する金属元素としては、クロム、鉄、亜鉛、アルミ、ジルコニウム等が挙げられ、黒トナーの場合は、無色・有色問わず使用可能であるが、カラートナーでは、トナーの色調に影響を与えない無色または淡色のものが好ましい。
【0047】
本発明者らは、本発明に使用される有機金属化合物として、ジルコニウムの錯化合物或いは芳香族酸塩と上記の樹脂構成とを組み合わせて用いることで、低温定着性に優れ、トナー帯電の立ち上がりの良さを保持しつつ、高湿環境下においても高い帯電量を得、低湿環境下においても帯電過剰となることのないトナーを得ることが出来ることを見出した。
【0048】
本発明の有機ジルコニウム化合物はジルコニウムイオンが八配位しやすいことと、カルボキシル基,水酸基などの酸素が配位し易いことなどから、ジルコニウムイオンにカルボキシル基,水酸基などが配位する機会が多くなる。従って、有機ジルコニウム化合物の結着樹脂中へのなじみが良く、分散性に優れた性質と、本発明構成を有した樹脂を用いることにより、トナー粒子中からの脱落を防ぎ、帯電均一化と帯電の耐久安定性が得られる。
【0049】
また、本発明の金属架橋性をコントロールされた樹脂におけるカルボキシル基,水酸基のジルコニウムイオンヘの配位を介し、ポリマー鎖の架橋をより効果的に施すことが出来るため、本発明の目的であるゴム弾性のコントロール、粘性のコントロールすることが容易となる。また、離型性に優れ、定着部材の汚れを効果的に防止でき、フルカラーオイルレス定着を達成できる。
【0050】
更に、本発明で使用可能な有機ジルコニウム化合物は、本発明の樹脂中での他の材料(顔料、染料、ワックス等)の分散を向上させることにより、帯電均一化並びに帯電の耐久安定性が得られる。その上、トナーの透明性への影響が小さくなり、カラートナーにとって鮮やかな色彩を表現するのに好ましいものとなる。
【0051】
これら有機ジルコニウム化合物の含有量は結着樹脂100重量部に対し0.1〜10重量部、より好ましくは0.5〜6重量部の範囲で用いるのが効果的であり、従来の技術で述べたような公知の電荷制御剤と組み合わせて使用することもできる。
【0052】
本発明においては、有機金属化合物として芳香族ジオール,芳香族ヒドロキシカルボン酸,芳香族ポリカルボン酸のジルコニウム錯体あるいはジルコニウム錯塩を含有するトナーによって、本発明の目的をより高度に達成可能である。
【0053】
本発明の有機金属化合物として好ましく用いられるジルコニウム化合物は、配位子として、芳香族ジオール,芳香族ヒドロキシカルボン酸,芳香族ポリカルボン酸を2〜4個キレート形成しているジルコニウム錯体あるいはジルコニウム錯塩であることがより好ましい。塩の場合は芳香族カルボン酸イオン,芳香族ヒドロキシカルボン酸イオン,芳香族ポリカルボン酸イオンをl〜4個有しているものが好ましく、更には2〜3個有しているものが好ましい。また、キレート形成数の異なる錯体,錯塩あるいは配位子の異なる錯体,錯塩であっても良い。更に、酸イオンの数の異なる塩の混合物であっても良い。
【0054】
本発明中の有機金属化合物として好ましく用いられるジルコニウム化合物は、配位子として、芳香族ジオール,芳香族ヒドロキシカルボン酸,芳香族ポリカルボン酸を配位しているジルコニウム錯体あるいはジルコニウム錯塩であり、より好ましくは一般式(1)で表せるジルコニウム錯体あるいはジルコニウム錯塩である。
【0055】
【化1】
Figure 0004365937
一般式(1)において、Arは置換基としてアルキル基、アリール基、アルアルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、水酸基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アシル基、アシルオキシ基、カルボキシル基、ハロゲン、ニトロ基、シアノ基、アミノ基、アミド基、カルバモイル基を有していてもよい。芳香族残基を表わし、X,Yは−0−、−CO−O−を表わし、X,Yは同じであっても異なっていてもよく、Lは中性配位子、水、アルコール、アンモニア、アルキルアミン、ピリジンを表わし、C1は1価のカチオン、水素、1価の金属イオン、アンモニウム、アルキルアンモニウムを表わし、C2は2価のカチオン、2価の金属イオンを表し、nは2、3、4を表わし、mは0、2、4を表わす。各錯体または錯塩において配位子となる芳香族カルボン酸類、芳香族ジオール類は同じものであっても異なるものであってもよい。またn,mの数の異なる錯化合物の混合物であっても良い。結着樹脂中への錯体、錯塩の分散性向上の観点あるいは帯電性向上の観点から、芳香族残基としては、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、フェナントレン環が好ましく、置換基としてはアルキル基、カルボキシル基、水酸基が好ましく、Lとしては水が好ましく、C1としては水素、ナトリウム、カリウム、アンモニウム、アルキルアンモニウムが好ましい。
【0056】
更に好ましい錯体あるいは錯塩は一般式(2)、(3)、(4)で表わせるジルコニウム錯体または塩である。
【0057】
【化2】
Figure 0004365937
一般式(2)、(3)、(4)において、Rは水素、アルキル基、アリール基、アルアルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、水酸基、アシルオキシ基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アシル基、カルボキシル基、ハロゲン、ニトロ基、アミノ基、カルバモイル基を表わし、相互に連結して脂肪族環、芳香環あるいは複素環を形成しても良く、この場合この環に置換基Rを有していても良く、置換基Rは1から8個持っていてもよく、それぞれ同じであっても、異なっていてもよく、Cは1価のカチオン、水素、アルカリ金属、アンモニウム、アルキルアンモニウムを表わし、1は1〜8の整数を表わし、nは2、3、4を表わし、mは0、2、4を表わし、各錯体または錯塩において配位子となる芳香族カルボン酸類、芳香族ジオール類は同じ物であっても異なるものであってもよい。またn,mの数の異なる錯化合物の混合物であっても良い。結着樹脂中への錯体、錯塩の分散性向上の観点あるいは帯電性向上の観点から、置換基Rとしてはアルキル基、アルケニル基、カルボキシル基、水酸基が好ましく、Cとしては水素、ナトリウム、カリウム、アンモニウム、アルキルアンモニウムが好ましい。特に好ましいのは、カウンターイオンを有さない、一般式においてn=2の場合のジルコニウム中性錯体であり、優れた環境安定性が得られ、結着樹脂中への分散性にも優れ、良好な耐久性が得られる。
【0058】
本発明に用いられるジルコニワム錯体あるいは錯塩は、六配位または八配位の錯化合物で、八配位の中には、配位子が橋かけした複核錯化合物となり示性式上六配位となる錯化合物がある。このような錯化合物の構造の代表的なものを、以下の一般化学式(5)〜(9)でその構造を例示する。以下の構造の中には配位子Lを持たないものも包含する。
【0059】
【化3】
Figure 0004365937
【0060】
【化4】
Figure 0004365937
本発明に使用される好ましい芳香族カルボン酸のジルコニウム塩を一般式(10)及び(11)で示す。
【0061】
【化5】
Figure 0004365937
一般式(10)、(11)において、Arは置換基としてアルキル基、アリール基、アルアルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、水酸基、アシルオキシ基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アシル基、カルボキシル基、ハロゲン、ニトロ基、シアノ基、アミノ基、アミド基、カルバモイル基を有していてもよい、芳香族残基を表わし、A1は1価のアニオン、ハロゲンイオン、水酸イオン、硝酸イオンを表わし、A2は2価のアニオン、硫酸イオン、リン酸水素イオンを表し、nは1,2,3又は4を表わす。各金属塩において酸イオンとなる芳香族カルボン酸類、芳香族ジオール類は同じものであっても異なるものであってもよい。また、nの数が異なる塩の混合物であっても良い。結着樹脂中への金属塩の分散性向上の観点あるいは帯電性向上の観点から、芳香族残基としては、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、フェナントレン環が好ましく、置換基としてはアルキル基、カルボキシル基、水酸基、アシルオキシ基が好ましく、一般式(10)ではnが4のもの、一般式(11)ではnが2のものが好ましい。
【0062】
更に好ましい金属塩は一般式(12)、(13)で表わせるジルコニウム塩である。
【0063】
【化6】
Figure 0004365937
一般式(12)及び(13)において、Rは水素、アルキル基、アリール基、アルアルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、水酸基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アシルオキシ基、アシル基、カルボキシル基、ハロゲン、ニトロ基、アミノ基、アミド基、カルバモイル基を表わし、相互に連結して脂肪族環、芳香環あるいは複素環を形成しても良く、この場合この環に置換基Rを有していても良い、置換基Rは1から8個持っていてもよく、それぞれ同じであっても、異なっていてもよく、A1は1価のアニオン、ハロゲンイオン、水酸イオン、硝酸イオンを表わし、A2は2価のアニオン、硫酸イオン、リン酸水素イオンを表し、lは1〜8の整数を表わし、nは1,2,3又は4を表わす。各金属塩において酸イオンとなる芳香族カルボン酸類、芳香族ジオール類は同じものであっても異なるものであってもよい。また、nの数が異なる塩の混合物であっても良い。結着樹脂中への金属塩の分散性向上の観点あるいは帯電性向上の観点から、置換基としてはアルキル基、アルケニル基、カルボキシル基、水酸基、アシルオキシ基が好ましく、一般式(12)ではnが4のもの、一般式(13)ではnが2のものが好ましく、優れた環境安定性が得られ、結着樹脂中への分散性にも優れ、優れた耐久性が得られる。
【0064】
本発明の有機ジルコニウム化合物は、塩化酸化ジルコニウム、硫酸ジルコニウム、有機酸ジルコニウムなどのジルコニウム化合物を水、アルコール、アルコール水溶液に溶解し、芳香族カルボン酸、芳香族ジオールおよびこれらのアルカリ金属塩を添加するか、あるいは芳香族カルボン酸、芳香族ジオールとアルカリ剤を添加することにより合成される。これらの有機ジルコニウム化合物は、アルコール水溶液などで再結晶し、アルコール洗浄で精製する。また、錯塩の場合は、生成物を鉱酸、アルカリ剤、アミン剤で処理することにより種々のカウンターイオンを持つ錯塩が得られる。本発明においては、ジルコニウム錯塩のカウンターイオンに水素イオン、アルカリ金属イオン、アンモニウムイオンなど複数種有しているものも含む。
【0065】
以下に、本発明に用いられる有機ジルコニウム化合物の具体例を挙げるが、ここでは、示性式を示す。水分子を2〜4個配位しているものも含まれるが、ここでは水分子の記載を省略する。また、カウンターイオンは複数種有するものも含むが、ここでは一番多いカウンターイオンのみを記載する。
【0066】
【化7】
Figure 0004365937
【0067】
【化8】
Figure 0004365937
【0068】
【化9】
Figure 0004365937
【0069】
【化10】
Figure 0004365937
【0070】
【化11】
Figure 0004365937
【0071】
【化12】
Figure 0004365937
【0072】
【化13】
Figure 0004365937
【0073】
【化14】
Figure 0004365937
【0074】
【化15】
Figure 0004365937
【0075】
【化16】
Figure 0004365937
【0076】
【化17】
Figure 0004365937
【0077】
【化18】
Figure 0004365937
【0078】
【化19】
Figure 0004365937
【0079】
【化20】
Figure 0004365937
【0080】
【化21】
Figure 0004365937
【0081】
【化22】
Figure 0004365937
【0082】
【化23】
Figure 0004365937
【0083】
【化24】
Figure 0004365937
【0084】
【化25】
Figure 0004365937
【0085】
【化26】
Figure 0004365937
【0086】
【化27】
Figure 0004365937
【0087】
【化28】
Figure 0004365937
【0088】
【化29】
Figure 0004365937
【0089】
【化30】
Figure 0004365937
【0090】
本発明のトナーの酸価は、2〜30mgKOH/gであることが好ましい。トナーの酸価が2mgKOH/g未満の場合は有機金属化合物との相互作用による現像安定性や耐久安定効果を十分に発揮しきれなかったり、有機金属化合物の分散不良に伴うワックスの分散不良による低温定着性の悪化が見られる。一方、30mgKOH/gを超える場合は吸湿性が強くなり、画像濃度が低下し、カブリが増加する傾向がある。
【0091】
本発明において、トナー組成物の重合体成分全体の酸価は以下の方法により求める。
【0092】
(酸価の測定)
基本操作はJIS K−0070に準ずる。
【0093】
1)試料は予め重合体成分以外の添加物を除去して使用するか、重合体以外の成分の酸価、含有量を予め求めておく。試料の粉砕品0.5〜2.0(g)を精秤し、重合体成分の重さW(g)とする。
【0094】
2)300(ml)のビーカーに試料を入れ、トルエン/エタノール(4/1)の混合液150(ml)を加え溶解する。
【0095】
3)0.1規定のKOHのメタノール溶液を用いて、電位差滴定装置を用いて滴定する(例えば、京都電子株式会社製の電位差滴定装置AT−400(winWorkstation)とABP−410電動ビュレットを用いての自動滴定が利用できる。)
【0096】
4)この時のKOH溶液の使用量S(ml)とし、同時にブランクを測定しこの時のKOH溶液の使用量をB(ml)とする。
【0097】
5)次式により酸価を計算する。fはKOHのファクターである。
【0098】
酸価(mgKOH/g)=((S−B)×f×5.61)/W
【0099】
本発明に用いられる3価以上の多価カルボン酸単量体としては、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸、1,3,5−ベンゼントリカルボン酸、1,2,4−シクロヘキサントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸、2,5,7−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ブタントリカルボン酸、1,2,5−ヘキサントリカルボン酸、テトラ(メチレンカルボキシ)メタン、1,3−ジカルボキシル−2−メチル−2−メチレンカルボキシプロパン、1,2,7,8−オクタンテトラカルボン酸等の多価カルボン酸、これらの酸無水物または低級アルキルエステル等が挙げられる。
【0100】
また、本発明に用いられるポリエステル樹脂の構成成分としての炭素数5〜30の飽和もしくは不飽和の脂肪族炭化水素基を有する単量体としては、ポリエステル樹脂の骨格にブランチ化されて導入される飽和もしくは不飽和の脂肪族炭化水素基を有する単量体であることが必要であり、炭素数5〜30の飽和もしくは不飽和の脂肪族炭化水素基を有する単量体であることが好ましい。炭素数5〜30の飽和もしくは不飽和の脂肪族炭化水素基を有する成分は、ポリエステル樹脂を構成する2価及び3価以上のモノマーのいずれかに炭素数5〜30の飽和もしくは不飽和の脂肪族炭化水素基を有するものであればよいが、炭素数5〜30の飽和もしくは不飽和の脂肪族炭化水素基を有する成分で置換された脂肪族ジカルボン酸類及び/又は炭素数5〜30の飽和もしくは不飽和の脂肪族炭化水素基を有する成分で置換された脂肪族ジオール類の単量体であることがより好ましい。
【0101】
炭素数5〜30の飽和もしくは不飽和の脂肪族炭化水素基を有する成分で置換された脂肪族ジカルボン酸類単量体としては、炭素数5〜30のアルキル基又はアルケニル基で置換されたこはく酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸の如きアルキルジカルボン酸類又はその無水物が好ましく、特に、ドデセニルこはく酸、オクチルこはく酸及びその無水物が好ましい。
【0102】
また、炭素数5〜30の飽和もしくは不飽和の脂肪族炭化水素基を有する成分で置換された脂肪族ジオール類単量体としては、n−ドデセニルエチレングリコール、n−ドデセニルトリエチレングリコール等が挙げられる。
【0103】
また、本発明に用いられる非線状ポリエステル樹脂の他の構成成分としては、炭素数5〜30の飽和もしくは不飽和の脂肪族炭化水素基を有する成分を有さない2価の酸成分、2価及び/又は3価以上のアルコール成分が用いられる。
【0104】
2価の酸成分としては、フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、無水フタル酸などのベンゼンジカルボン酸類又はその無水物又はその低級アルキルエステル;こはく酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸の如きアルキルジカルボン酸類又はその無水物又はその低級アルキルエステル;フマル酸、マレイン酸、シトラコン酸、イタコン酸の如き不飽和ジカルボン酸類又はその無水物又はその低級アルキルエステル等が挙げられる。
【0105】
また、2価のアルコール成分としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、水素化ビスフェノールA、また式(イ)で表わされるビスフェノール及びその誘導体;
【0106】
【化31】
Figure 0004365937
(式中、Rはエチレン又はプロピレン基であり、x及びyはそれぞれ0以上の整数であり、かつ、x+yの平均値は0〜10である。)
また式(ロ)で示されるジオール類;
【0107】
【化32】
Figure 0004365937
(式中、R’はエチレン又はプロピレン基であり、x’及びy’はそれぞれ0以上の整数であり、かつ、x’+y’の平均値は0〜10である。)
等のジオール類が挙げられる。
【0108】
これらのうち少なくともプロポキシ化及び/又はエトキシ化したエーテル化ビスフェノールを用いることが好ましい。
【0109】
脂肪族ジオールとしては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ペンタエチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ネオペンチルグリコール等が挙げられる。
【0110】
更に、本発明に用い得る3価以上のアルコール成分としては、例えばソルビトール、1,2,3,6−ヘキサンテトロール、1,4−ソルビタン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、ショ糖、1,2,4−メタントリオール、グリセリン、2−メチルプロパントリオール、2−メチル−1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、1,3,5−トリヒドロキシメチルベンゼン等が挙げられる。
【0111】
本発明のトナーは、ワックスとして、示差熱分析における吸熱ピークを60℃以上120℃以下にひとつ以上有する物質としては、以下のワックス類を挙げることができる。
【0112】
パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、ペトロラクタム等の石油系ワックス及びその誘導体、モンタンワックス及びその誘導体、フィッシャートロプシュ法による炭化水素ワックス及びその誘導体、ポリエチレンに代表されるポリオレフィンワックス及びその誘導体、カルナバワックス、キャンデリラワックス等天然ワックス及びその誘導体などで、誘導体には酸化物や、ビニル系モノマーとのブロック共重合物、グラフト変性物を含む。高級脂肪族アルコール、ステアリン酸、パルミチン酸等の脂肪酸、あるいはその化合物、酸アミド、エステル、ケトン、硬化ヒマシ油及びその誘導体、植物系ワックス、動物性ワックス等、示差熱分析における吸熱ピークを60℃以上120℃以下に有するものである。
【0113】
これらの中でも、示差熱分析における吸熱ピークを60℃以上120℃以下に有する化合物が、ポリオレフィンもしくはフィッシャートロプシュ法による炭化水素ワックスもしくは石油系ワックスである場合が本発明においては好ましく、特に好ましくはポリエチレンワックスである。
【0114】
更に、本発明で用いるワックスは、DSC曲線における昇温時のオンセット温度が55〜105℃にあることが好ましい。このようなワックスを用いることにより、耐ブロッキング性や定着性に優れたトナーを得ることができる。
【0115】
オンセット温度が55℃未満のものは、比較的低温からトナー粒子が塑性変化するため耐ブロッキング性に劣ったり、昇温に対して現像性の劣化を生じやすい。一方、105℃を超える場合には、加熱による塑性変化の速度が遅くなり耐低温オフセット性や定着性が劣るようになる。
【0116】
また、本発明で用いるワックスはDSC曲線における昇温時の吸熱ピーク温度(融点;mp)が60〜120℃の範囲にあることが好ましい。
【0117】
更に、本発明で用いるワックスは数平均分子量(Mn)が200〜2500、重量平均分子量(Mw)が400〜5000であり、かつMw/Mnが2以下であることが好ましい。
【0118】
上記範囲の分子量を持つことにより、トナーに好ましい熱特性をもたせることができる。すなわち、上記範囲より分子量が小さくなると、熱的影響を過度に受けやすく、耐ブロッキング性や現像性が劣るようになる。上記範囲より分子量が大きくなると、外部からの熱を効果的に利用できず、優れた定着性,耐オフセット性を得ることができない。また、Mw/Mnが2より大きくなると、分子量分布が広いために溶融挙動が熱に対してシャープでなくなり、良好な定着性と耐オフセット性を共に満足する領域が得られにくくなる。
【0119】
本発明に使用される炭化水素系ワックスのDSC曲線におけるオンセット温度及びピーク温度は、示差走査熱量計により測定されるDSC曲線から得ることができる。例えば、測定装置としては、パーキンエルマー社製のDSC−7が使用できる。
【0120】
測定方法は、ASTM D3418−82に準じて行う。本発明に用いられるDSC曲線は、1回昇温させ前履歴を取った後、温度測定10℃/min、温度0〜200℃の範囲で降温させた後、昇温させた時に測定されるDSC曲線を用いる。
【0121】
これら炭化水素系ワックスの含有量は、結着樹脂100重量部に対し、0.5〜5重量部で用いるのが効果的であり、悪影響を与えない限り他のワックス類と併用しても構わない。
【0122】
本発明に使用される炭化水素系ワックスの分子量は以下の方法により測定することができる。
【0123】
(GPC測定条件)
装置:GPC−150C(ウォーターズ社)
カラム:GMH−HT30cm2連(東ソー社製)
温度:135℃
溶媒:o−ジクロロベンゼン(0.1%アイオノール添加)
流速:1.0m1/min
試料:0.15%の試料を0.4ml注入
以上の条件で測定し、試料の分子量算出にあたっては単分散ポリエステル標準試料により作成した分子量較正曲線を使用する。さらに、Mark−Houwink粘度式から導き出される換算式でポリエチレン換算することによって算出される。
【0124】
更に、本発明においては、カラートナーの結着樹脂として、THF可溶分及び0乃至25重量%のTHF不溶分を含有し、該THF可溶分のGPC分子量分布において、1万未満の成分含有量(M1)35〜55%、1万〜5万の成分含有量(M2)30〜45%、5万〜50万の成分含有量(M3)8〜20%、50万を超えるの成分含有量(M4)2〜12%であって、且つM1>M2>M3>M4の関係を満足することが好ましい。
【0125】
該THF可溶分のGPC分子量分布において、1万未満の成分含有量(M1)35〜55%(より好ましくは35〜50%)、1万〜5万の成分含有量(M2)30〜45%(より好ましくは30〜40%)、5万〜50万の成分含有量(M3)8〜20%(より好ましくは8〜15%)、50万を超える成分含有量(M4)2〜12%(より好ましくは2〜10%)であり、且つM1>M2>M3>M4の関係を満たさない場合、カラートナーに求められる低温定着性、グロス、OHT透過性と耐オフセット性の両立が十分でなくなる。THF不溶分が25%を超え、M4が12を超える場合、低温定着性が悪化する。また、M1が55%を超える場合は、非オフセット領域が狭くなる。また、M1>M2>M3>M4を満たす範囲内で、グロスとOHT透過性のコントロールを行うことができる。
【0126】
本発明において、THF不溶分、THF可溶分のGPC分子量分布は以下の方法に従って測定した。
【0127】
(トナーのTHF不溶分の測定)
本発明のTHF不溶分とは、ソックスレイ抽出法で算出した「トナー中のTHF溶媒に対して不溶性となったポリマー成分の重量割合」を示す。すなわち、トナーサンプル1.0gを秤量し(W1g)、円筒濾紙(例えば東洋濾紙製No.86R)に入れてソックスレイ抽出器にかけ、溶媒としてTHF200mlを用いて12時間抽出し、溶媒によって抽出された可溶分をエバポレートした後、100℃で一昼夜真空乾燥し、THF可溶な樹脂成分量を秤量する(W2g)。トナーのTHF不溶分を測定する場合は、顔料のごとき樹脂成分以外の重量を(W3g)として下記式から求められる。
【0128】
【数1】
Figure 0004365937
【0129】
(トナーのTHF可溶分の分子量分布の測定)
上記ソックスレイ抽出を行なったトナー試料のTHF可溶分とTHFとを5〜25mg/5mlの濃度比で混合し室温にて数時間静置のあと十分に振り混ぜ、更に一昼夜静置する。その後サンプル処理フィルタ(ポアサイズ0.4〜0.5μm、例えばマイショリディスクH−25−2 東ソー社製 エキクロディスク25CR ゲルマン サイエンスジャパン社製等)を透過させたものを測定サンプルとして用いる。
【0130】
GPC測定装置においては、40℃のヒートチャンバー中でカラムを安定化させ、この温度におけるカラムに溶媒としてTHFを1ml/min.の流速で流し、THF試料溶液を約100ml注入して測定する。試料の分子量測定にあったては、試料の有する分子量分布を数種の単分散ポリスチレン標準試料により作製された検量線の分子量対数値と溶出時間との関係から算出する。検量線作成用の標準ポリスチレン試料としては、例えば東ソー社製、或は昭和電工社製の分子量が102〜107程度のものを用い、少なくとも10点程度の標準ポリスチレン試料を用いるのが適当である。検出器には、IR(屈折率)検出器を用いる。カラムとしては、市販のポリスチレンジェルカラムを数本組み合わせるのが好ましく、昭和電工社製のShodex GPC KF−801,802,803,804,805,806,807,808,800Pの組み合わせや、東ソー社製のTSKgel G1000H(HXL),G2000H(HXL),G3000H(HXL),G4000H(HXL),G5000H(HXL),G6000H(HXL),G7000(HXL),TSKguardcolumnの組み合わせを挙げることができる。一般に、GPCクロマトグラムの測定では、高分子量側はベースラインからクロマトグラムが立ち上がり開始点から測定を始め、低分子量側は分子量約400まで測定する。
【0131】
上記構成で得られるトナー分子量分布、THF不溶分(ゲル分)量を限定し、このトナーの樹脂構成の溶融挙動とよりあったワックスの融点、その融点でよりシャープな融解性を要求するために、ワックス成分の分子量分布を限定選択することによって、特にフルカラー定着に求められる低温定着性、OHT透過性を損なうことなく耐オフセット性能を付与でき、オイルレスフルカラー定着を達成しうることを見いだした。
【0132】
本発明のトナーに使用される結着樹脂は、本発明に悪影響の無い程度で他の樹脂との併用が可能である。
【0133】
例えば、ポリスチレン,ポリ−p−クロルスチレン,ポリビニルトルエンなどのスチレンおよびその置換体の単重合体;スチレン−p−クロルスチレン共重合体,スチレン−ビニルトルエン共重合体,スチレン−ビニルナフタリン共重合体,スチレン−アクリル酸エステル共重合体,スチレン−メタクリル酸エステル共重合体,スチレン−α−クロルメタクリル酸メチル共重合体,スチレン−アクリロニトリル共重合体,スチレン−ビニルメチルエーテル共重合体,スチレン−ビニルエチルエーテル共重合体,スチレン−ビニルメチルケトン共重合体,スチレン−ブタジエン共重合体,スチレン−イソプレン共重合体,スチレン−アクリロニトリル−インデン共重合体などのスチレン系共重合体;ポリ塩化ビニル,フェノール樹脂,天然変性フェノール樹脂,天然樹脂変性マレイン酸樹脂,アクリル樹脂,メタクリル樹脂,ポリ酢酸ビニール,シリコーン樹脂,ポリエステル樹脂,ポリウレタン,ポリアミド樹脂,フラン樹脂,エポキシ樹脂,キシレン樹脂,ポリビニルブチラール,テルペン樹脂,クマロンインデン樹脂,石油系樹脂などが使用できる。好ましい結着物質としては、スチレン系共重合体がある。
【0134】
スチレン系共重合体のスチレンモノマーに対するコモノマーとしては、例えば、アクリル酸,アクリル酸メチル,アクリル酸エチル,アクリル酸ブチル,アクリル酸ドデシル,アクリル酸オクチル,アクリル酸−2−エチルヘキシル,アクリル酸フェニル,メタクリル酸,メタクリル酸メチル,メタクリル酸エチル,メタクリル酸ブチル,メタクリル酸オクチル,アクリロニトリル,メタクリロニトリル,アクリルアミドなどのような二重結合を有するモノカルボン酸もしくはその置換体;例えば、マレイン酸,マレイン酸ブチル,マレイン酸メチル,マレイン酸ジメチルなどのような二重結合を有するジカルボン酸およびその置換体;例えば塩化ビニル,酢酸ビニル,安息香酸ビニルなどのようなビニルエステル類;例えばエチレン,プロピレン,ブチレンなどのようなエチレン系オレフィン類;例えばビニルメチルケトン,ビニルヘキシルケトンなどのようなビニルケトン類;例えばビニルメチルエーテル,ビニルエチルエーテル,ビニルイソブチルエーテルなどのようなビニルエーテル類;等のビニル単量体が単独もしくは2つ以上用いられる。
【0135】
本発明に係る樹脂組成物は、保存性の観点から、ガラス転移温度(Tg)が45〜75℃、好ましくは50〜70℃であり、Tgが45℃より低いと高温雰囲気下でトナーが劣化し易く、定着時にオフセットが発生し易くなる。また、Tgが75℃を超えると、定着性が低下する傾向にある。
【0136】
本発明に用いられる有彩色の着色剤としては、従来公知の着色剤が適用できるが、シアントナーは銅フタロシアニン系の有機顔料を含有しており、マゼンタトナーはキナクリドン系の有機顔料を含有しており、イエロートナーはジアラーリド系の有機顔料を含有している場合、良好な帯電性、良好なトナーの流動性、及び良好な分光反射特性が得られるので好ましい。
【0137】
銅フタロシアニン系の有機顔料としては、C.I.ピグメントブルー15;15:1;15:2;15:3;15:4が挙げられる。さらに式(ハ)で示される構造を有するフタロシアニン骨格にフタルイミドメチル基を1〜5個置換したフタロシアニン顔料が挙げられる。他の置換基のついた銅フタロシアニン系の顔料であっても良い。
【0138】
【化33】
Figure 0004365937
【0139】
その含有量としては、結着樹脂100重量部に対して0.1〜12重量部であり、好ましくは0.5〜10重量部、より好ましくは1〜8重量部が良い。12重量部を上回るとシアントナーの彩度、明度が低下し、色再現能力が低下する。
【0140】
キナクリドン系の有機顔料としては、C.I.ピグメントレッド122が好ましく、C.I.ピグメントレッド192,202,206,207,209も好ましい。さらにC.I.ピグメントバイオレット19も好ましい。C.I.ピグメントレッド122をベース顔料として、他の着色剤と併用しても良い。その際用いられる顔料としては、C.I.ピグメントレッド1,2,3,4,5,6,7,8,9,10,11,12,13,14,15,16,17,18,19,21,22,23,30,31,32,37,38,39,40,41,48,49,50,51,52,53,54,55,57,58,60,63,64,68,81,83,87,88,89,90,112,114,123,146,150,163,184,185,238;C.I.ピグメントバイオレット19;C.I.バットレッド1,2,10,13,15,23,29,35等が挙げられる。キサンテン系染料に代表される様な染料を一部併用しても良い。
【0141】
その含有量は結着樹脂100重量部に対して、0.1〜15重量部であり、好ましくは1〜12重量部、より好ましくは1〜10重量部である。他の染顔料と併用する場合であっても、他の染顔料は、キナクリドン系顔料100重量部に対して50重量部以下、好ましくは25重量部以下が良い。
【0142】
ジアリーリド系の有機顔料としては、C.I.ピグメントイエロー12,13,14,17,81,106,113が好ましく、さらに、C.I.ピグメントイエロー55,63,83,87,90,114,121,124,126,127,136,152,170,171,172,174,176,188であっても良い。
【0143】
さらに、C.I.ピグメントイエロー12,13,14,17,81をベース顔料として、他のイエロー着色剤と併用しても良く、イエロー系の染料と一部併用しても特に何ら構ない。
【0144】
その含有量は、結着樹脂100重量部に対して0.1〜12重量部であり、好ましくは0.5〜10重量部、より好ましくは1〜8重量部が良い。
【0145】
本発明のトナーは黒トナーとして磁性体を含有しても構わない。磁性体としては、マグネタイト,マグヘマタイト,フェライト等の酸化鉄;鉄,コバルト,ニッケルのような金属あるいはこれらの金属とアルミニウム,コバルト,銅,鉛,マグネシウム,マンガン,セレン,チタン,タングステン,バナジウムのような金属の合金及びその混合物が用いられ、その磁性体表面あるいは内部に非鉄元素を含有するものが好ましい。
【0146】
これら磁性体は、異種元素を含有するマグネタイト,マグヘマイト,フェライト等の磁性酸化鉄及びその混合物が好ましく用いられる。中でもリチウム,ベリリウム,ボロン,マグネシウム,アルミニウム,シリコン,リン,ゲルマニウム,チタン,ジルコニウム,錫,鉛,亜鉛,カルシウム,バリウム,スカンジウム,バナジウム,クロム,マンガン,コバルト,銅,ニッケル,ガリウム,カドミウム,インジウム,銀,パラジウム,金,水銀,白金,タングステン,モリブデン,ニオブ,オスミウム,ストロンチウム,イットリウム,テクネチウム,ルテニウム,ロジウム,ビスマスから選ばれる少なくとも一つ以上の元素を含有する磁性酸化鉄であることが好ましい。特にリチウム,ベリリウム,ボロン,マグネシウム,アルミニウム,シリコン,リン,ゲルマニウム,ジルコニウム,錫,第4周期の遷移金属元素が好ましい元素である。これらの元素は酸化鉄結晶格子の中に取り込まれても良いし、酸化物として酸化鉄中に取り込まれても良いし、表面に酸化物あるいは水酸化物として存在しても良い。また、酸化物として含有されているのが好ましい形態である。
【0147】
また、これらの磁性体は粒度分布が揃い、その結着樹脂への分散性とあいまって、トナーの帯電性を安定化することが出来る。近年はトナー粒径の小径化が進んでおり、重量平均粒径10μm以下のような場合でも、帯電均一性が促進され、トナーの凝集性も軽減され、画像濃度の向上,カブリの改善等現像性が向上する。特に重量平均粒径6.0μm以下のトナーにおいてはその効果は顕著であり、きわめて高精細な画像が得られる。重量平均粒径は2.5μm以上である方が十分な画像濃度が得られて好ましい。
【0148】
これらの異種元素の含有率は磁性酸化鉄の鉄元素を基準として0.05〜10重量%であることが好ましい。更に好ましくは0.1〜7重量%であり、特に好ましくは0.2〜5重量%、更には0.3〜4重量%である。0.05重量%より少ないと、これら元素の含有効果が得られなく、良好な分散性,帯電均一性が得られなくなる。また、10重量%より多くなると、電荷の放出が多くなり帯電不足を生じ、画像濃度が低くなったり、カブリが増加することがある。
【0149】
これら磁性体中の異種元素の含有分布においては、磁性体の表面に近い方に多く存在しているものが好ましい。例えば、磁性酸化鉄の鉄元素溶解率が20重量%までに存在する異種元素の含有量Bと該磁性酸化鉄の異種元素の全含有量Aとの比(B/A)×100が40%以上であることが好ましい。さらには40〜80%が好ましく60〜80%が特に好ましい。表面存在量を多くすることにより分散効果や電気的拡散効果をより向上させることが出来る。また、トナー中に含有される量としては樹脂成分100重量部に対して20〜200重量部、特に好ましくは樹脂成分100重量部に対して40〜150重量部がより良い。
【0150】
更に、これら磁性酸化鉄の球形度(Ψ)が0.8以上であることが好ましい。球形度(Ψ)が0.8より小さい場合には磁性酸化鉄の個々の粒子が、面と面で接触する形となり、粒径0.1〜1.0μm付近の小さな磁性酸化鉄粒子では機械的せん断力をもってしても容易に磁性酸化鉄同士を引き離すことが出来ず、そのためトナー中への磁性酸化鉄の分散が十分に行えない場合がある。
【0151】
また、本発明の磁性トナーに用いる磁性酸化鉄は、シランカップリング剤、チタンカップリング剤、チタネート、アミノシラン等で処理しても良い。
【0152】
本発明の磁性酸化鉄中の元素量は、蛍光X線分析装置SYSTEM3080(理学電機工業(株)社製)を使用し、JIS K0119蛍光X線分析通則に従って、蛍光X線分析を行うことにより測定した。元素分布については、塩酸溶解しながらの元素量をプラズマ発光分光(ICP)により測定定量し、各元素の全溶時の濃度に対する各溶解時の各元素濃度からその溶解率を求めた。
【0153】
本発明のトナーにおいては、必要に応じて、滑剤としての脂肪酸金属塩(例えばステアリン酸亜鉛、ステアリン酸アルミ)、フッ素含有重合体微粉末(例えばポリテトラフルオロエチレン、ポリビニリデンフルオライド或いはテトラフルオロエチレン−ビニリデンフルオライド共重合体の微粉末)、或いは酸化スズ及び酸化亜鉛の如き導電性付与剤を添加してもよい。
【0154】
また、本発明のトナーには、無機微粉体または疎水性無機微粉体が混合されることが好ましい。例えば、シリカ微粉末、アルミナ微粉末、酸化チタン微粉末を添加して用いることがより好ましい。
【0155】
本発明に用いられるシリカ微粉体は、ケイ素ハロゲン化合物の蒸気相酸化により生成されたいわゆる乾式法またはヒュームドシリカと称される乾式シリカ及び水ガラス等から製造されるいわゆる湿式シリカの両方が使用可能であるが、表面及び内部にあるシラノール基が少なく、製造残滓のない乾式シリカの方が好ましい。
【0156】
さらに本発明に用いるシリカ微粉体等は疎水化処理されているものが好ましい。疎水化処理するには、シリカ微粉体と反応あるいは物理吸着する有機ケイ素化合物などで化学的に処理することによって付与される。好ましい方法としては、ケイ素ハロゲン化合物の蒸気相酸化により生成された乾式シリカ微粉体をシランカップリング剤で処理した後、あるいはシランカップリング剤で処理すると同時にシリコーンオイルの如き有機ケイ素化合物で処理する方法が挙げられる。
【0157】
疎水化処理に使用されるシランカップリング剤としては、例えばヘキサメチルジシラザン、トリメチルシラン、トリメチルクロルシラン、トリメチルエトキシシラン、ジメチルジクロルシラン、メチルトリクロルシラン、アリルジメチルクロルシラン、アリルフェニルジクロルシラン、ベンジルジメチルクロルシラン、ブロムメチルジメチルクロルシラン、α−クロルエチルトリクロルシラン、β−クロルエチルトリクロルシラン、クロルメチルジメチルクロルシラン、トリオルガノシランメルカプタン、トリメチルシリルメルカプタン、トリオルガノシリルアクリレート、ビニルジメチルアセトキシシラン、ジメチルエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、ヘキサメチルジシロキサン、1,3−ジビニルテトラメチルジシロキサン、1,3−ジフェニルテトラメチルジシロキサンが挙げられる。
【0158】
有機ケイ素化合物としては、シリコーンオイルが挙げられる。好ましいシリコーンオイルとしては、25℃における粘度がおよそ30〜1,000センチストークスのものが用いられ、例えばジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル、α−メチルスチレン変性シリコーンオイル、クロルフェニルシリコーンオイル、フッ素変性シリコーンオイル等が好ましい。
【0159】
シリコーンオイル処理の方法は、例えばシランカップリング剤で処理されたシリカ微粉体とシリコーンオイルとをヘンシェルミキサー等の混合機を用いて直接混合しても良いし、ベースとなるシリカヘシリコーンオイルを噴射する方法によっても良い。あるいは適当な溶剤にシリコーンオイルを溶解あるいは分散せしめた後、ベースのシリカ微粉体とを混合し、溶剤を除去して作製しても良い。
【0160】
本発明中のトナーには、必要に応じて上記無機微粉体以外の外部添加剤を添加してもよい。
【0161】
例えば帯電補助剤、導電性付与剤、流動性付与剤、ケーキング防止剤、熱ロール定着時の離型剤、滑剤、研磨剤等の働きをする樹脂微粒子や無機微粒子である。
【0162】
例えばテフロン,ステアリン酸亜鉛,ポリ弗化ビニリデンの如き滑剤、中でもポリ弗化ビニリデンが好ましい。或いは酸化セリウム,炭化ケイ素,チタン酸ストロンチウム等の研磨剤、中でもチタン酸ストロンチウムが好ましい。或いは例えば酸化チタン,酸化アルミニウム等の流動性付与剤、中でも特に疎水性のものが好ましい。ケーキング防止剤、或いは例えばカーボンブラック,酸化亜鉛,酸化アンチモン,酸化スズ等の導電性付与剤、また逆極性の白色微粒子及び黒色微粒子を現像性向上剤として少量用いることもできる。
【0163】
トナーと混合される無機微粉体または疎水性無機微粉体は、トナー100重量部に対して0.1〜5重量部(好ましくは、0.1〜3重量部)使用するのが良い。
【0164】
本発明に係るトナーを作製するには、上述したようなトナー構成材料をボールミル,ヘンシェルミキサー等の混合機により十分混合した後、熱ロールニーダー,エクストルーダーの熱混練機を用いてよく混練し、冷却固化後、機械的な粉砕、分級によってトナーを得る方法が好ましく、本発明に係るトナーを製造することが出来る。
【0165】
一方、本発明の画像形成方法は、記録材上に重ねられた複数色のカラートナーを、接触加熱及び/又は加圧する定着部材によって定着することでフルカラー画像を得る画像形成方法において、該トナーとして上記構成のトナーを用い、該記録材への該トナー画像の定着時に、定着部材から記録材のトナー画像の定着面に供給されるシリコーンオイルの記録材単位面積当たりの塗布量が0乃至1×10-7g/cm2(記録材単位面積当たりの塗布量)であることを特徴とするものである。
【0166】
より好ましくは、該記録材への該トナー画像の定着時に、該定着部材から該記録材にシリコーンオイルを0乃至3×10-8g/cm2(記録材単位面積当たりの塗布量)であることを特徴とするものである。
【0167】
更に好ましくは、該記録材への該トナー画像の定着時に、該定着部材から該記録材にシリコーンオイルを供給せずに定着を行うことが好ましい。
【0168】
該記録材への該トナー画像の定着時に、該定着部材から該記録材にシリコーンオイルを供給する手段として、例えば、定着部材にシリコーンオイルを塗布する方法がある。定着部材への塗布形態としては、ウェブ或いはパッドなどオイルを含浸させ供給する簡易な形態が可能である。また、シリコーンゴムローラーにオイルを含浸させたものでも可能である。
【0169】
しかしながら、定着部材が記録材上のトナー画像に接触する表面に離型剤を塗布及び/又は供給する補助手段を有さない定着部材であることが、より好ましい。離型剤を塗布及び/または供給する補助手段を有する場合、初期と長期間使用後での離型剤供給量が異なることで、得られる画質(例えばオイルのべたつき感など)が変動しやすく、離型剤供給量を一定化するためには煩雑な離型剤の塗布及び/又は供給機構が必要となる。更には、簡易な手段で本発明の如く極少量の離型剤を塗布しようとする場合、オイルの塗布ムラを生じやすく、得られる画像上でのオイルの付着ムラは画像品位を大幅に低下させる。
【0170】
本発明の画像形成方法について詳細に説明する。本発明の画像形成方法は、
静電潜像を保持するための潜像保持体を帯電する工程(帯電工程);
帯電された該潜像保持体に静電潜像を形成する工程(潜像形成工程);
該静電潜像をトナーによって現像し、トナー画像を形成する工程(現像工程);
現像された該トナー画像を中間転写体を介して又は介さずに記録材に転写する工程(転写工程);及び
転写された該トナー画像を該記録材に定着する工程(定着工程);
を有するものであり、トナーとして上述の如く本発明中の特定のトナーを用いるものである。
【0171】
帯電工程において、帯電部材としては、コロナ帯電器の如き潜像担持体の表面に非接触で帯電を行う非接触帯電部材、ブレード、ローラー及びブラシの如き潜像担持体の表面に接触して帯電を行う接触帯電部材、ブレード及びローラー如き帯電部材を潜像担持体の表面に(1mm以下に)近接させて帯電を行う近接帯電部材のいずれも用いることができるが、帯電時のオゾンの発生を少なくできることから、接触帯電部材或いは近接帯電部材を用いることが好ましい。
【0172】
接触帯電は、感光体に、ローラー型、ブレード型、ブラシ型、磁気ブラシ型等の電荷供給部材としての帯電部材を接触させ、この接触帯電部材に所定の帯電バイアスを印加して感光体面を所定の極性・電位に一様帯電させるものである。コロナ帯電器による帯電処理との対比において、電源の低電圧化が図れ、オゾンの発生量が少ない、低電力化等の長所を有している。この中でも特に接触帯電部材として導電ローラー(帯電ローラー)を用いたローラー帯電方式が帯電の安定性という点から好ましく用いられている。
【0173】
具体的には、帯電は帯電部材から被帯電体への放電によって行なわれるため、ある閾値電圧以上の電圧を印加することによって帯電が開始される。例を示すと、ある有機感光体に対して帯電ローラーを加圧当接させた場合には、約640V以上の電圧を印加すれば感光体の表面電位が上昇を始め、それ以降は印加電圧に対して傾き1で線形に感光体表面電位が増加する。以後、この閾値電圧を放電開始電圧(帯電開始電圧)Vthと定義する(接触帯電部材に直流電圧を印加して被帯電体としての像担持体の帯電が開始する場合の接触帯電部材への印加電圧値)。
【0174】
このようにしてDC電圧のみを接触帯電部材に印加して帯電を行なう方式を「DC帯電方式」と称す。
【0175】
しかし、DC帯電方式においては環境変動等によって接触帯電部材の抵抗値が変動するため、また感光体が削れることによって膜厚が変化すると放電開始電圧Vthが変動するため、感光体の電位を所望の値にすることが難しかった。
【0176】
そこで、更なる帯電の均一化を図るために特開昭63−149669号公報に開示されるように、所望の被帯電体表面電位Vに相当するDC電圧に2×Vth以上のピーク間電圧を持つ交流電圧成分(AC電圧成分)を重畳した電圧(交番電圧・脈流電圧・振動電圧;時間とともに電圧値が周期的に変化する電圧)を接触帯電部材に印加する「AC帯電方式」が用いられる。これはAC電圧による電位のならし効果を目的としたものであり、被帯電体の電位はAC電圧のピークの中央である電位Vに収束し、環境等の外乱には影響されることはなく、接触帯電方法として優れた方法である。
【0177】
ここで、AC電圧の波形としては、正弦波、矩形波、三角波等適宜使用可能である。また直流電源を周期的にオン/オフすることによって形成された矩形波であってもよい。このようにAC電圧の波形としては周期的にその電圧値が変化するようなバイアスが使用できる。
【0178】
被帯電体としての像担持体の表面に電荷注入層(充電層)を具備させ、電圧を印加した接触帯電部材で電荷注入層に直接に電荷を注入して像担持体面を所定の極性・電位に帯電させる注入帯電方式もあり、これも接触帯電の範疇である。
【0179】
近接帯電は、帯電部材は被帯電体面に必ずしも接触させなくとも帯電部材と被帯電体面との間に、ギャップ間電圧とパッシェンカーブで決まる放電可能領域さえ確実に保証されれば、非接触で近接した配設形態であっても被帯電体の帯電を行なわせることができることを利用したものである。
【0180】
近接帯電は、帯電部材を被帯電体面に対して数10〜数100μm程度の僅少な空隙部を存在させて非接触に対向配設し、該帯電部材にDC電圧あるいはDC+AC電圧を印加することで被帯電体面を所定の極性・電位に一様帯電させるものである。
【0181】
近接帯電もコロナ帯電器による帯電処理との対比において、電源の低電圧化が図れ、オゾンの発生量が少ない上、さらに帯電部材が被帯電体に非接触であるため被帯電体に損傷を与えないメリットがある。
【0182】
潜像担持体としては、アモルファスセレン,硫化カドミウム,酸化亜鉛,有機光導電体,アモルファスシリコンの様な光導電絶縁物質層を持つ電子写真感光体・静電記録誘電体等が例示され、感光体ドラムもしくは感光ベルト等として用いられる。これらのうち、潜像担持体としては、アモルファスシリコン感光層又は有機系感光層を有する感光体が好ましく用いられる。
【0183】
有機感光層としては、感光層が電荷発生物質及び電荷輸送性能を有する物質を同一層に含有する単一層型でもよく、又は、電荷輸送層と電荷発生層を成分とする機能分離型感光層であってもよい。導電性基体上に電荷発生層、次いで電荷輸送層の順で積層されている構造の積層型感光層は好ましい例のひとつである。
【0184】
本発明に用いられる像担持体の好ましい態様のひとつを以下に説明する。
【0185】
導電性基体としては、アルミニウム、ステンレスの如き金属;アルミニウム合金、酸化インジウム−酸化錫合金による被膜層を有するプラスチック;導電性粒子を含浸させた紙、プラスチック、導電性ポリマーを有するプラスチック等の円筒状シリンダー及びフィルムが用いられる。すなわち、導電材料をそのままドラム形状或いはベルト等のフィルム形状に成形加工してもよいし、塗料として、或いは蒸着、エッチング、プラズマ処理等によって加工してもよい。
【0186】
これら導電性基体上には、感光層の接着性向上、塗工性改良、基体の保護、基体上の欠陥の被覆、基体からの電荷注入性改良、感光層の電気的破壊に対する保護を目的として下引き層を設けても良い。下引き層は、ポリビニルアルコール、ポリ−N−ビニルイミダゾール、ポリエチレンオキシド、エチルセルロース、メチルセルロース、ニトロセルロース、エチレン−アクリル酸コポリマー、ポリビニルブチラール、フェノール樹脂、カゼイン、ポリアミド、共重合ナイロン、ニカワ、ゼラチン、ポリウレタン、酸化アルミニウム等の材料によって形成される。その膜厚は通常0.1〜10μm、より好ましくは0.1〜3μmが良い。
【0187】
電荷発生層は、アゾ系顔料、フタロシアニン系顔料、インジゴ系顔料、ペリレン系顔料、多環キノン系顔料、スクワリリウム色素、ピリリウム塩類、チオピリリウム塩類、トリフェニルメタン系色素の如き有機化合物又は非晶質シリコンの如き無機物質で形成されている電荷発生物質を適当な結着材に分散し塗工あるいは蒸着により形成される。結着材としては、広範囲な結着性樹脂から選択できる。例えば、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリスチレン樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、フェノール樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、酢酸ビニル樹脂等が挙げられる。電荷発生層中に含有される結着材の量は80重量%以下、好ましくは0〜40重量%が良い。電荷発生層の膜厚は5μm以下、特には0.05〜2μmが好ましい。
【0188】
電荷輸送層は、電荷の存在下で電荷発生層から電荷キャリアを受け取り、これを輸送する機能を有している。電荷輸送層は電荷輸送物質を必要に応じて結着樹脂と共に溶剤中に溶解し、塗工することによって形成され、その膜厚は一般的には5〜40μmである。電荷輸送物質としては、主鎖または側鎖にビフェニレン、アントラセン、ピレン、フェナントレンの如き構造を有する多環芳香族化合物、インドール、カルバゾール、オキサジアゾール、ピラゾリンの如き含窒素環式化合物、ヒドラゾン化合物、スチリル化合物、非晶質シリコン等が挙げられる。
【0189】
これら電荷輸送物質を分散させる結着樹脂としては、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリメタクリル酸エステル、ポリスチレン樹脂、アクリル樹脂、ポリアミド樹脂の如き樹脂;ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリビニルアントラセンの如き有機光導電性ポリマー等が挙げられる。
【0190】
また、本発明方法に用いられる有機感光体の別の様態としては、上述の電荷発生物質及び電荷輪送能を有する物質を同一層に含有させた感光層を導電性基体上に形成したもの等も挙げられる。
【0191】
また、表面層として、保護層を設けてもよい。保護層の樹脂としては、ポリエステル樹脂、ポリカーボネイト樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、あるいはこれらの樹脂を硬化剤で硬化させたものが挙げられる。これらは単独あるいは2種以上組み合わされて用いられる。
【0192】
保護層の樹脂中の導電性微粒子を分散してもよい。導電性微粒子としては、金属又は金属酸化物が挙げられる。好ましくは、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化スズ、酸化アンチモン、酸化インジウム、酸化ビスマス、酸化スズ被膜酸化チタン、スズ被膜酸化インジウム、アンチモン被膜酸化スズ、酸化ジルコニウムで形成されている超微粒子がある。これらは単独で用いても2種以上を混合して用いても良い。一般的に保護層に粒子を分散させる場合、分散粒子による入射光の散乱を防ぐために入射光の波長よりも粒子の粒径の方が小さいことが好ましい。保護層に分散される導電性粒子又は絶縁性粒子の粒径としては0.5μm以下であることが好ましい。保護層中での含有量は、保護層総重量に対して2〜90重量%が好ましく、5〜80重量%がより好ましい。保護層の膜厚は、0.1〜10μmが好ましく、1〜7μmがより好ましい。
【0193】
表面層の塗工は、樹脂分散液をスプレーコーティング、ビームコーティングあるいは浸透コーティングすることによつて行うことができる。
【0194】
また、表面層に離型性を付与することも好ましく、この効果により、トナーの転写効率を改良ことができる。潜像担持体表面が高分子結着材を主体として構成される場合、例えば、セレン、アモルファスシリコンの如き無機感光体の上に樹脂を主体とした保護膜を設ける場合、又は機能分離型有機感光体の電荷輪送層として、電荷輸送剤と樹脂からなる表面層をもつ場合、さらにその上に保護層を設ける場合に特に有効である。
【0195】
表面層に離型性を付与する手段としては、イ)膜を構成する樹脂自体に表面エネルギーの低いものを用いる、ロ)撥水、親油性を付与するような添加剤を加える、ハ)高い離型性を有する材料を粉体状にして分散するが挙げられる。イ)の例としては、樹脂の構造中にフッ素含有基、シリコン含有基を導入することにより達成し得る。ロ)としては、界面活性剤を添加剤とすればよい。ハ)としては、フッ素原子を含む化合物(例えば、四フッ化エチレン、ポリフッ化ビニリデン、フッ化カーボン等)の粉体が挙げられる。この中でも特にポリ4フッ化エチレンが好適である。特に含フッ素樹脂の如き離型性粉体の最表面層への分散が好適である。
【0196】
これらの粉体を表面に含有させるためには、バインダー樹脂中に該粉体を分散させた層を像担持体最表面に設けるか、あるいは、元々樹脂を主体として構成されている有機像担持体であれば、新たに表面層を設けなくても、最上層に該粉体を分散させれば良い。
【0197】
該粉体の表面層への添加量は、表面層総重量に対して、1〜60重量%、さらには、2〜50重量%が好ましい。1重量%より少ないと転写効率が改善されず、60重量%を超えると膜の強度が低下したり、像担持体ヘの入射光量が低下したりするため、好ましくない。また、該粉体の粒径については、画質の面から1μm以下、より好ましくは0.5μm以下が良い。1μmより大きいと入射光の散乱によりラインの切れが悪くなる。
【0198】
更に、表面層として、電荷注入層を有することも本発明の画像形成方法の好ましい様態の一つである。
【0199】
この電荷注入層の体積抵抗値は、十分な帯電性と画像流れを起こさないよう1×108〜1×1015Ωcmであることが好ましく、より好ましくは画像流れなどの点から、体積抵抗値が1×1010〜1×1015Ωcm、更に体積抵抗値の環境変動なども考慮すると、体積抵抗値が1×1010〜1×1014Ωcmのものを用いるのが望ましい。1×108Ωcm未満では高湿環境で帯電電荷が表面方向に保持されないため画像流れを生じ、1×1015Ωcmを超えると帯電部材からの帯電電荷を十分注入・保持できず、帯電不良を生じる傾向にある。このような機能層を感光体表面に設けることによって、帯電部材から注入された帯電電荷を保持する役割を果たし、更に光露光時にこの電荷を感光体基体に逃す役割を果たし、残留電位を低減させる。このような感光体と注入帯電用の接触帯電部材とを用いる構成をとることによって、帯電開始電圧Vhが小さく、感光体帯電電位を帯電部材に印加する電圧のほとんど90%以上までに帯電させることが可能となる。
【0200】
例えば、帯電部材に絶対値で100〜2000Vの直流電圧を印加した時、電荷注入層を有する電子写真感光体の帯電電位は印加電圧の80%以上、更には90%以上にすることができる。これに対し、従来の放電を利用した帯電によって得られる感光体の帯電電位は、印加電圧が放電開始電圧以下ではほとんど0Vであり、1000Vの直流電圧でも印加電圧の50%に満たない程度の帯電電位しか得られかった。
【0201】
電荷注入層は金属蒸着膜などの無機の層、あるいは導電性微粒子を結着樹脂中に分散させた導電性微粒子分散層などによって構成され、蒸着膜は蒸着、導電性微粒子分散膜は浸漬塗工法、スプレー塗工法、ロールコート塗工、及びビーム塗工法などの適当な塗工法にて塗工することによって形成される。また、絶縁性のバインダーに光透過性の高いイオン導電性を持つ樹脂を混合、もしくは共重合させて構成するもの、または中抵抗で光導電性のある樹脂単体で構成するものでもよい。導電性微粒子分散膜の場合、導電性微粒子の添加量は結着樹脂100重量部に対して2〜250重量部、更には2〜190重量部であることが好ましい。2重量部未満の場合には、所望の体積抵抗値を得にくくなり、また250重量部を超える場合には膜強度が低下してしまい電荷注入層が削り取られ易くなり、感光体の寿命が短くなる傾向になるからであり、また抵抗が低くなってしまい、潜像電位が流れることによる画像不良を生じ易くなるからである。
【0202】
電荷注入層の結着樹脂としては、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、あるいはこれらの樹脂を硬化剤で硬化させたものが挙げられる。これらは単独あるいは2種以上組み合わされて用いられる。また、電荷注入層の結着樹脂は下層の結着樹脂と同じとすることも可能であるが、この場合には電荷注入層の塗工時に電荷輸送層の塗工面を乱してしまう可能性があるため、コート法を特に選択する必要がある。更に、感光層がアモルファスシリコンである場合は、電荷注入層はSiCであることが好ましい。
【0203】
また、多量の導電性微粒子を分散させる場合には、反応性モノマーや反応性オリゴマーに導電性微粒子等を分散させて、感光体に塗布した後に光や熱によって硬化することが好ましい。
【0204】
電荷注入層の結着樹脂中に分散させる導電性微粒子としては、金属又は金属酸化物が挙げられる。好ましくは、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化スズ、酸化アンチモン、酸化インジウム、酸化ビスマス、酸化スズ被膜酸化チタン、スズ被膜酸化インジウム、アンチモン被膜酸化スズ、酸化ジルコニウムの如き超微粒子がある。これらは単独で用いても2種以上を混合して用いても良い。電荷注入層に分散される導電性粒子又は絶縁性粒子の粒径としては0.5μm以下であることが好ましい。
【0205】
また、電荷注入層が潤滑性粉体を含有することも好ましい。その理由は、帯電時に感光体と注入帯電部材の摩擦が低減されるために帯電ニップが拡大し、帯電特性が向上するためである。特に潤滑性粉体としては臨界表面張力の低いフッ素系樹脂、シリコーン系樹脂、またはポリオレフィン系樹脂を用いるのがより望ましい。更に好ましくは4フッ化エチレン樹脂(PTFE)が用いられる。この場合、潤滑性粉体の添加量は、結着樹脂100重量部に対して2〜50重量部、更には5〜40重量部が好ましい。2重量部未満では潤滑性粉体の量が十分ではないために、帯電特性の向上が十分でなく、また50重量部を超えると、画像の分解能、感光体の感度が大きく低下してしまうからである。
【0206】
電荷注入層の膜厚は0.1〜10μmであることが好ましく、更には1〜7μmであることが好ましい。膜厚が0.1μm未満であると微少な傷に対する耐性がなくなり、結果として注入不良による画像欠陥を生じ、10μmを超えると注入電荷の拡散により画像が乱れ易くなってしまう。
【0207】
ここで、電荷注入層の体積抵抗値の測定方法は、表面に導電膜を蒸着させたポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム上に電荷注入層を作製し、これを体積抵抗測定装置(ヒューレットパッカード社製4140B pAMATER)にて、23℃,65%の環境で100Vの電圧を印加して測定するというものである。
【0208】
電荷注入層を有さない感光体では、少ないトラップ点に効率良く電荷注入をしなければならないため帯電部材の抵抗値は1×103Ω以下でならず、帯電部材の抵抗値が1×104Ωcm以下になってしまうと感光体表面に生じたキズ、ピンホールなどに対して接触帯電部材から過大なリーク電流が流れ込み、周辺の帯電不良や、ピンホールの拡大、帯電部材の通電破壊が生じるため良好な電荷注入帯電を行うことができなかった。これに対し、電荷注入層を設けた場合には感光体表面に電荷を保持できる領域が増加するため、もっと高い抵抗値の帯電部材を用いても良好な帯電が行える。すなわち、中抵抗の接触帯電部材を用いながら、感光体への電荷注入帯電効率を向上させる手段として、感光体への電荷注入を助けるための電荷注入層を感光体表面に設ける構成が良好な電荷注入帯電を行うには必要である。
【0209】
注入帯電の本質的な帯電機構は、帯電部材表層が感光体表面の電荷注入層に接触することで帯電部材表層から電荷注入層に電荷注入を行うと考えられる。従って、帯電部材として要請される特性は、該電荷注入層表面に十分な密度と、電荷の移動にかかる適正な抵抗を持つことである。
【0210】
中抵抗の接触帯電部材で、中抵抗の表面抵抗を持つ感光体表面に電荷注入を行うものであるが、好ましくは感光体表面材質の持つトラップ電位に電荷を注入するものではなく、光透過性で絶縁性の結着樹脂に導電性微粒子を分散した電荷注入層の導電性微粒子に電荷を充電して帯電を行う。
【0211】
具体的には、電荷輸送層を誘電体、アルミニウム支持体と電荷注入層内の導電性微粒子を両電極板とする微小なコンデンサーに、接触帯電部材で電荷を充電する理論に基づくものである。この際、導電性微粒子は互いに電気的には独立であり、一種の微小なフロート電極を形成している。このため、マクロ的には感光体表面は均一電位に充電、帯電されているように見えるが、実際には微小な無数の充電された導電性微粒子が感光体表面を覆っているような状況となっている。このため、画像露光を行ってもそれぞれの導電性微粒子は電気的に独立なため、静電潜像を保持することが可能になる。
【0212】
従って、従来の通常感光体表面に少ないながらも存在していたトラップ準位を導電性微粒子で代用することで、電荷注入性、電荷保持性が向上するのである。
【0213】
注入帯電における帯電部材の抵抗値は、注入帯電性と上述の耐ピンホールリーク性から1×104〜1×107Ωcmであることが好ましい。
【0214】
注入帯電部材の形状は、ブレード状、ブラシ状でもよいが、周速差を適性に設定する上では、回転可能なローラー状、ベルト状、ブラシローラー状(ブラシロール)が有利と考えられる。
【0215】
ローラー状の接触帯電部材としては、材質としては、例えば、ローラーの場合は、例えば特開平1−211799号公報などに開示があるが、導電性基体として、鉄、銅、ステンレスなどの金属、カーボン分散樹脂、金属あるいは、金属酸化物分散樹脂などが使用できる。弾性ローラーの構成としては、導電性基体上に弾性層、導電層、抵抗層を設けたものが用いられ、ローラー弾性層としては、クロロプレンゴム、イソプレンゴム、EPDMゴム、ポリウレタンゴム、エポキシゴム、ブチルゴムなどのゴムまたはスポンジや、スチレン−ブタジエンサーモプラスチックエラストマー、ポリウレタン系サーモプラスチックエラストマー、ポリエステル系サーモプラスチックエラストマー、エチレン−酢ビサーモプラスチックエラストマーなどのサーモプラスチックエラストマーなどで形成することができ、導電層としては、体積抵抗率が107Ωcm以下、望ましくは106Ωcm以下である。例えば、金属蒸着膜、導電性粒子分散樹脂、導電性樹脂などが用いられ、具体例として、金属蒸着膜としては、アルミニウム、インジウム、ニッケル、銅、鉄などの蒸着膜が挙げられ、導電性粒子分散樹脂の例としては、カーボン、アルミニウム、ニッケル、酸化チタンなどの導電性粒子をウレタン、ポリエステル、酢酸ビニル−塩化ビニル共重合体ポリメタクリル酸メチルなどの樹脂中に分散したものなどが挙げられる。導電性樹脂としては、4級アンモニウム塩含有ポリメタクリル酸メチル、ポリビニルアニリン、ポリビニルピロール、ポリジアセチレン、ポリエチレンイミンなどが挙げられる。抵抗層は、例えば、体積抵抗率が106〜1012Ωcmの層であり、半導性樹脂、導電性粒子分散絶縁樹脂などを用いることができる。半導性樹脂としては、エチルセルロース、ニトロセルロース、メトキシメチル化ナイロン、エトキシメチル化ナイロン、共重合ナイロン、ポリビニルヒドリン、カゼインなどの樹脂が用いられる。導電性粒子分散樹脂の例としては、カーボン、アルミニウム、酸化インジウム、酸化チタンなどの導電性粒子をウレタン、ポリエステル、酢酸ビニル−塩化ビニル共重合体、ポリメタクリル酸メチルなどの絶縁性樹脂中に少量分散したものなどが挙げられる。
【0216】
また、接触帯電部材が感光体に対して周速差をもって移動することが好ましい。接触帯電部材の周速表面の移動速度と該感光体表面移動速度が異なるようにすることにより、帯電安定性を長期間にわたり得ながら、感光体の高寿命を保ちつつ、かつ帯電ローラの高寿命を同時に達成することが可能であり、帯電の高安定化、画像形成システムの高寿命化が達成できる。すなわち、接触帯電部材の表面にはトナーが付着しやすく、この付着トナーが帯電を阻害する傾向にあり、感光体表面移動速度と接触帯電部材表面移動速度を異ならせることにより、同一感光体表面に対し実質的により多くの接触帯電部材表面を供給できるために帯電阻害に対し効果を得る。つまり、トナーが帯電部位に来た場合、感光体との付着力の小さいトナーは電界によって帯電部材の方へ移動し、帯電部材表面の抵抗が局所的に変化するため、放電経路が遮断されて、感光体表面に電位がのりにくくなり、その結果帯電不良を発生させるという問題点を効果的に解消する。
【0217】
潜像形成工程においては、画像露光手段として、レーザー及びLEDの如き公知の手段が用いられる。近年の高解像性、高画質への要求を鑑みて、より小さなスポット径を露光できる手段が好ましく、パワーの面からレーザーが特に好ましく用いられる。
【0218】
現像工程において、静電潜像を現像するための現像手段としては、トナーのみよりなる一成分系現像剤を用いる一成分系現像方式及びトナー及びキャリアよりなる二成分系現像剤を用いる二成分系現像方式を用いることができる。
【0219】
一成分系現像剤として、磁性体をトナー中に含有せしめた磁性トナーの場合に、現像スリーブ中に内蔵せしめたマグネットを利用し、磁性トナーを搬送及び帯電せしめる方法がある。更に、一成分系現像剤として、磁性体を合有しない非磁性トナーを用いる場合には、ブレード及びファーブラシを用い、現像スリーブにて強制的に摩擦帯電し現像スリーブ上にトナーを付着せしめることで搬送せしめる方法がある。
【0220】
次に上記二成分系現像剤を用いた二成分系現像方式について説明する。
【0221】
二成分系現像方式は、トナー及びキャリアを有する二成分系現像剤を現像剤担持体上で循環搬送し、潜像担持体とそれに対向する現像剤担持体の現像領域で潜像担持体に保持されている潜像を該現像剤担持体上の二成分系現像剤のトナーで現像するものである。
【0222】
二成分系現像剤に使用されるキャリアとしては、例えば表面酸化または未酸化の鉄、ニッケル、銅、亜鉛、コバルト、マンガン、クロム及び希土類の如き磁性金属、それらの磁性合金、それらの磁性酸化物及びそれらの磁性フェライトからなるグループから選択される磁性粒子が挙げられる。
【0223】
さらには、樹脂中に磁性粉が分散されたバインダー型のキャリアも用いることができる。
【0224】
キャリアは、上記の磁性粒子のキャリアコアの表面を被覆材で被覆した被覆キャリアを用いることが好ましい。この被覆キャリアにおいて、キャリアコアの表面を被覆材で被覆する方法としては、被覆材を溶剤中に溶解もしくは懸濁せしめて塗布しキャリアコアに付着せしめる方法、あるいは単に粉体状態で混合する方法が適用できる。
【0225】
キャリアコアの被覆材としては、ポリテトラフルオロエチレン、モノクロロトリフルオロエチレン重合体、ポリフッ化ビニリデン、シリコーン樹脂、ポリエステル樹脂、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリアミド、ポリビニルブチラール、アミノアクリレート樹脂が挙げられる。これらは、単独或は複数で用いるのが適当である。
【0226】
上記材料の処理量は、適宜決定すれば良いが、一般には総量でキャリアに対し0.1〜30重量%(好ましくは0.5〜20重量%)が好ましい。
【0227】
本発明に用いられるキャリアは、平均粒径が好ましくは10〜100μm、より好ましくは20〜70μmであることが良い。
【0228】
キャリアの平均粒径が10μm未満の場合には、二成分系現像剤のパッキングが強まり、トナーとキャリアとの混合性が低下し、トナーの帯電性が安定しにくくなり、さらにキャリアの感光体ドラム表面への付着が生じやすくなる。
【0229】
キャリアの平均粒径が100μmを超える場合には、トナーとの接触機会が減ることから、低帯電量のトナーが混在し、カブリが発生しやすくなる。さらにトナー飛散が生じやすい傾向にあるため二成分系現像剤中のトナー濃度の設定を低めにする必要があり、高画像濃度の画像形成ができなくなることがある。
【0230】
特に好ましいキャリアとしては、磁性フェライトコア粒子の如き磁性コア粒子の表面をシリコーン樹脂、フッ素系樹脂、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂及びメタクリレート系樹脂の如き樹脂を、好ましくは0.01〜5重量%、より好ましくは0.1〜1重量%をコーティングし、250メッシュパス・400メッシュオンのキャリア粒子を70重量%以上含有し、かつ上記平均粒径を有するように粒度分布を調整した磁性キャリアであるものが挙げられる。
【0231】
上記磁性コートキャリアは粒径分布がシャープな場合、本発明のカラートナーに対し好ましい摩擦帯電性が得られ、さらに電子写真特性を向上させる効果がある。
【0232】
カラートナーとキャリアとを混合して二成分系現像剤を調製する場合、その混合比率は現像剤中のトナー濃度として、2重量%〜15重量%、好ましくは3重量%〜13重量%、より好ましくは4重量%〜10重量%にすると通常良好な結果が得られる。トナー濃度が2重量%未満では画像濃度が低くなりやすく、15重量%を超える場合ではカブリや機内飛散が生じやすく、現像剤の耐用寿命が短くなる傾向がある。
【0233】
キャリアの磁気特性は現像スリーブに内蔵されたマグネットローラによって影響され、現像剤の現像特性及び搬送性に大きく影響を及ぼすものである。
【0234】
本発明の画像形成方法においては、現像スリーブ(現像剤担持体)とこれに内蔵されたマグネットローラのうち、例えばマグネットローラを固定して現像スリーブを単体で回転し、二成分系現像剤を現像スリーブ上で循環搬送し、該二成分系現像剤にて静電潜像担持体表面に保持された静電潜像を現像するものである。
【0235】
本発明の画像形成方法においては、▲1▼該マグネットローラが反発極を有する極構成とし、▲2▼現像領域における磁束密度が500〜1200ガウスであり、▲3▼現像用キャリアの飽和磁化が20〜50Am2/kgである場合には、画像の均一性や階調再現性にすぐれ好適である。
【0236】
本発明の画像形成方法においては、現像領域で現像バイアスを印加して静電潜像を二成分系現像剤のトナーで現像することが可能である。
【0237】
特に好ましい現像バイアスについて以下に詳述する。
【0238】
本発明の画像形成方法においては、潜像担持体と現像剤担持体の間の現像領域に現像電界を形成するため、現像剤担持体に非連続の交流成分を有する現像電圧を印加することにより、潜像担持体に保持されている潜像を現像剤担持体上の二成分系現像剤のトナーで現像することが好ましい。この現像電圧は、具体的には、現像領域で潜像担持体から現像剤担持体にトナーを向かわせる第1電圧と、現像剤担持体から潜像担持体にトナーを向かわせる第2電圧と、該第1電圧と該第2電圧の間の第3電圧を現像剤担持体に印加し、潜像担持体と現像剤担持体との間に現像電界を形成する。
【0239】
さらに、前述の潜像担持体から現像剤担持体にトナーを向かわせる第1電圧と現像剤担持体から潜像担持体にトナーを向かわせる第2電圧とを現像剤担持体に印加する合計時間、すなわち、交流成分の作用している時間(T1)よりも、該第1電圧と該第2電圧との間の第3電圧を現像剤担持体に印加する時間、すなわち、交流成分の休止している時間(T2)を長くすることが、潜像担持体上でトナーを再配列させ潜像に忠実に再現する目的で特に好ましい。
【0240】
具体的には、現像領域で潜像担持体と現像剤担持体との間に、潜像担持体から現像剤担持体にトナーが向かう電界と現像剤担持体から潜像担持体にトナーが向かう電界を少なくとも1回形成した後に、潜像担持体の画像部ではトナーが現像剤担持体から潜像担持体に向かい、潜像担持体の非画像部では、トナーが潜像担持体から現像剤担持体に向かう電界を所定時間形成することにより、潜像担持体に保持されている潜像を現像剤担持体に担持されている二成分系現像剤のトナーで現像するものであり、この潜像担持体から現像剤担持体にトナーが向かう電界と現像剤担持体から潜像担持体にトナーが向かう電界を形成する合計時間(T1)より潜像担持体の画像部ではトナーが現像剤担持体から潜像担持体に向かい、潜像担持体の非画像部では、トナーが潜像担持体から現像剤担持体に向かう電界を形成する時間(T2)の方を長くすることが好ましい。
【0241】
前述の特定の現像電界、すなわち交番電界を形成して現像する現像方法で、定期的に交番を休止する現像電界を用いて現像を行なった場合に、キャリア付着がより発生しづらいものである。この理由は、いまだ明確ではないが以下のように考えられる。
【0242】
すなわち、従来の連続的な正弦波あるいは矩形波においては、高画像濃度を達成しようとして電界強度を強くすると、トナーとキャリアは一体となって潜像担持体と現像剤担持体の間を往復運動し、結果として潜像担持体にキャリアが強く摺擦し、キャリア付着が発生する。この傾向は微粉キャリアが多い程顕著である。
【0243】
しかるに、本発明において特定の交流電界を印加すると、1パルスではトナーあるいはキャリアが現像剤担持体と潜像担持体間を往復しきらない往復運動をするため、その後の潜像担持体の表面電位と現像バイアスの直流成分の電位差VcontがVcont<0の場合には、Vcontがキャリアを現像剤担持体から飛翔させるように働くが、キャリアの磁気特性とマグネットローラの現像領域での磁束密度をコントロールすることによって、キャリア付着は防止でき、Vcont>0の場合には、磁界の力およびVcontが現像用キャリアを現像剤担持体側に引きつけるように働き、キャリア付着は発生しない。
【0244】
キャリアの磁気特性は、現像スリーブに内蔵されたマグネットローラによって影響され、現像剤の現像特性及び搬送性に大きく影響を及ぼすものである。
【0245】
本発明においては、マグネットローラを内蔵した現像スリーブ上で、マグネットローラを固定して現像スリーブを単体で回転し、磁性粒子からなるキャリアと絶縁性カラートナーからなる二成分系現像剤を現像スリーブ上で循環搬送し、核二成分系現像剤にて静電潜像保持体表面に保持された静電潜像を現像するに際して、▲1▼該マグネットローラが反発極を有する極構成とし、▲2▼現像領域における磁束密度を500〜1200ガウスとし、▲3▼キャリアの飽和磁化が20〜70Am2/kgのとき、カラー複写において画像の均一性や階調再現性にすぐれ好適である。
【0246】
飽和磁化が70Am2/kg(3000エルステッドの印加磁場に対し)を超える場合であると、現像時に感光体上の静電潜像に対向した現像スリーブ上のキャリアとトナーにより構成されるブラシ状の穂立ちが固く締まった状態となり、階調性や中間調の再現が悪くなる。また、20Am2/kg未満であると、トナー及びキャリアを現像スリーブ上に良好に保持することが困難になり、キャリア付着やトナー飛散抑制が悪化するという問題点が発生しやすくなる。
【0247】
転写工程において、転写手段としては、コロナ帯電器、転写ローラまたはベルトが用いられる。更に、転写工程後に感光体上に存在する転写残りトナーを感光体表面を利用して、現像部分に搬送し回収再利用するに際しては、感光体帯電バイアスを変更することなくしても、実現可能であるが、実用上、転写紙ジャム時あるいは画像比率の高い画像を連続してとるなどした場合、過剰量がトナー帯電器に混入する場合が考えられる。
【0248】
この場合、電子写真装置の動作中、感光体上に画像を形成しない部分を利用して、帯電器から現像機へとトナーを移動させることが可能である。その画像形成部分とは、前回転時、後回転時、転写紙間などである。その場合、トナーが帯電器より感光体に移りやすいような帯電バイアスに変更することも好ましく用いられる。帯電器から出やすいバイアスとしては、交流成分のピーク・ピーク間電圧を小さ目にするあるいは直流成分とする。あるいは、ピーク・ピーク間電圧を同じにして、波形を変更して交流実効値をさげる方法などが挙げられる。
【0249】
転写工程において、記録材としては、(i)記録紙を用い、潜像担持体上に形成されているトナー像をこの記録材上に直接転写することに加えて、(ii)中間転写体を用い、潜像担持体上に形成されているトナー像をこの中間転写体上に一次転写し、中間転写体上に転写されたトナー像を中間転写体上から記録材上ヘ二次転写することも可能である。
【0250】
上記の中間転写体を用いて多重トナー像を記録材に一括転写する画像形成方法を図2をもとに税明する。
【0251】
潜像担持体としての感光体ドラム3に接触しながら回転する帯電ローラ2により感光ドラム3上に表面電位を持たせ露光手段1により静電潜像を形成する。静電潜像は第1現像器4,第2現像器5,第3現像器6及び第4現像器7により順次現像されそれぞれトナー像が形成され、このトナー像は一色ごとに中間転写体11上に多重転写され、多重トナー像が形成される。中間転写体11はドラム状のものが用いられ、外周面に保持部材を張設したもの、基材上に導電付与部材、例えばカーボンブラック,酸化亜鉛,酸化錫,炭化珪素又は酸化チタンを十分分散させた弾性層(例えばニトリルブタジエンラバー)を有するものが用いられる。ベルト状の中間転写体を用いても良い。中間転写体の硬度は10〜50度(JIS K−6301)の弾性層から構成されることや、転写ベルトの場合では記録材(記録材)への転写部でこの硬度を有する弾性層を持つ支持部材で構成されていることが好ましい。感光体ドラム3から中間転写体11への転写は、電源13より中間転写体11の芯金9の上にバイアスを付与することで転写電流が得られトナー像の転写が行なわれる。保持部材、ベルトの背面からのコロナ放電やローラ帯電を利用しても良い。中間転写体11上の多重トナー像は転写帯電器14により記録材S上に一括転写される。転写帯電器はコロナ帯電器や転写ローラ、転写ベルトを用いた接触静電転写手段が用いられる。
【0252】
上記のいずれかの方法によって記録材上に転写されたトナー像は、定着工程において、加熱及び/又は加圧により記録材に定着される。
【0253】
図1は、本発明の画像形成方法を実施可能なさらに別の画像形成装置の概略図を示す。
【0254】
画像形成装置本体には、第1画像形成ユニットPa、第2画像形成ユニットPb、第3画像形成ユニットPc及び第4画像形成ユニットPdが併設され、各々異なった色の画像が潜像、現像、転写のプロセスを経て記録材上に形成される。
【0255】
画像形成装置に併設される各画像形成ユニットの構成について第1の画像形成ユニットPaを例に挙げて説明する。
【0256】
第1の画像形成ユニットPaは、潜像担持体としての30φの電子写真感光体ドラム61aを具備し、この感光体ドラム61aは矢印a方向へ回転移動される。62aは帯電手段としての一次帯電器であり、感光ドラム61aと接触するように16φスリーブに担持された磁気ブラシ帯電器が用いられている。67aは、一次帯電器62aにより表面が均一に帯電されている感光体ドラム61aに静電潜像を形成するための潜像形成手段としての露光装置である。63aは、感光体ドラム61a上に担持されている静電潜像を現像してカラートナー画像を形成するための現像手段としての現像器でありカラートナーを保持している。64aは、感光体ドラム61aの表面に形成されたカラートナー画像を、ベルト状の記録材担持体68によって搬送されて来る記録材の表面に転写するための転写手段としての転写ブレードであり、この転写ブレード64aは、記録材担持体68の裏面に当接して転写バイアスを印加し得るものである。
【0257】
この第1の画像形成ユニットPaは、一次帯電器62aによって帯電部において感光体ドラム61aの感光体を均一に一次帯電した後、露光装置67aにより感光体に静電潜像を形成し、現像器63aによって、現像部において静電潜像をカラートナーを用いて現像し、この現像されたトナー画像を第1の転写部(感光体と記録材の当接位置)で記録材を担持搬送するベルト状の記録材担持体68の裏面側に当接する転写ブレード64aから転写バイアスを印加することによって記録材の表面に転写する。
【0258】
この第1の画像形成ユニットPaは、感光体ドラムの表面に当接して、転写残トナーを感光体ドラムの表面から除去するためのクリーニング部材を転写部と帯電部との間及び帯電部と現像部との間に有しておらず、現像器が感光体上に存在する転写残トナーのクリーニングを兼ねる現像兼クリーニング方式を用いている。
【0259】
本画像形成装置は、上記のような第1の画像形成ユニットPaと同様の構成であり、現像器に保有されるカラートナーの色の異なる第2の画像形成ユニットPb、第3の画像形成ユニットPc、第4の画像形成ユニットPdの4つの画像形成ユニットを併設するものである。例えば、第1の画像形成ユニットPaにイエロートナー、第2の画像形成ユニットPbにマゼンタトナー、第3の画像形成ユニットPcにシアントナー、及び第4の画像形成ユニットPdにブラックトナーをそれぞれ用い、各画像形成ユニットの転写部で各カラートナーの記録材上への転写が順次行なわれる。この工程で、レジストレーションを合わせつつ、同一記録材上に一回の記録材の移動で各カラートナーは重ね合わせられ、終了すると分離帯電器69によって記録材担持体68上から記録材が分離され、搬送ベルトの如き搬送手段によって定着器70に送られ、ただ一回の定着によって最終のフルカラー画像が得られる。
【0260】
定着器70は、一対の40φの定着ローラ71と30φの加圧ローラ72を有し、定着ローラ71は、内部に加熱手段75及び76を有している。73は、定着ローラ上の汚れを除去するウェッブである。本発明の場合、73のウェッブ機構はなくてもかまわない。
【0261】
記録材上に転写された未定着のカラートナー画像は、この定着器70の定着ローラ71と加圧ローラ72との圧接部を通過することにより、熱及び圧力の作用により記録材上に定着される。
【0262】
図1において、記録材担持体68は、無端のベルト状部材であり、このベルト状部材は、80の駆動ローラによって矢印e方向に移動するものである。79は、転写ベルトクリーニング装置であり、81はベルト従動ローラであり、82は、ベルト除電器である。83は記録材ホルダー内の記録材を記録材担持体68に搬送するための一対のレジストローラである。
【0263】
転写手段としては、記録材担持体の裏面側に当接する転写ブレードに代えてローラ状の転写ローラの如き記録材担持体の裏面側に当接して転写バイアスを直接印加可能な接触転写手段を用いることが可能である。
【0264】
さらに、上記の接触転写手段に代えて、一般的に用いられている記録材担持体の裏面側に非接触で配置されているコロナ帯電器から転写バイアスを印加して転写を行う非接触の転写手段を用いることも可能である。
【0265】
しかしながら、転写バイアス印加時のオゾンの発生量を制御できる点で接触転写手段を用いることがより好ましい。
【0266】
次に、複数色の画像を画像形成部にて形成し、これを同一記録材に順次重ねて転写するようにした画像形成方法を図3をもとに説明する。
【0267】
ここでは、第1,第2,第3および第4の画像形成部29a,29b,29c,29dが並設されており、各画像形成部はそれぞれ専用の静電潜像保持体、いわゆる感光ドラム19a,19b,19cおよび19dを具備している。
【0268】
感光ドラム19a乃至19dはその外周側に潜像形成手段23a,23b,23cおよび23d、現像部17a,17b,17cおよび17d、転写用放電部24a,24b,24cおよび24d、ならびにクリーニング部18a,18b,18cおよび18dが配置されている。
【0269】
このような構成にて、先ず、第1画像形成部29aの感光ドラム19a上に潜像形成手段23aによって原稿画像における、例えばイエロー成分色の潜像が形成される。該潜像は現像手段17aのイエロートナーを有する現像剤で可視画像とされ、転写部24aにて、記録材Sに転写される。
【0270】
上記のようにイエロー画像が記録材Sに転写されている間に、第2画像形成部29bではマゼンタ成分色の潜像が感光ドラム19b上に形成され、続いて現像手段17bのマゼンタトナーを有する現像剤で可視画像とされる。この可視画像(マゼンタトナー像)は、上記の第1画像形成部29aでの転写が終了した記録材Sが転写部24bに搬入されたときに、該記録材Sの所定位置に重ねて転写される。
【0271】
以下、上記と同様な方法により第3,第4の画像形成部29c,29dによってシアン色,ブラック色の画像形成が行なわれ、上記同一の記録材Sに、シアン色,ブラック色を重ねて転写するのである。このような画像形成プロセスが終了したならば、記録材Sは定着部22に搬送され、記録材S上の画像を定着する。これによって記録材S上には多色画像が得られるのである。転写が終了した各感光ドラム19a,19b,19cおよび19dはクリーニング部18a,18b,18cおよび18dにより残留トナーを除去され、引き続き行なわれる次の潜像形成のために供せられる。
【0272】
なお、上記画像形成装置では、記録材Sの搬送のために、搬送ベルト25が用いられており、図3において、記録材Sは右側から左側への搬送され、その搬送過程で、各画像形成部29a,29b,29cおよび29dにおける各転写部24a,24b,24cおよび24dを通過し、転写をうける。
【0273】
この画像形成方法において、記録材を搬送する搬送手段として加工の容易性及び耐久性の観点からテトロン繊維のメッシュを用いた搬送ベルトおよびポリエチレンテレフタレート系樹脂、ポリイミド系樹脂、ウレタン系樹脂の如き薄い誘電体シートを用いた搬送ベルトが利用される。
【0274】
記録材Sが第4画像形成部29dを通過すると、AC電圧が除電器20に加えられ、記録材Sは除電され、ベルト25から分離され、その後、定着器22に入り、画像定着され、排出口26から排出される。
【0275】
なお、この画像形成方法では、その画像形成部にそれぞれ独立した静電潜像保持体を具備しており、記録材はベルト式の搬送手段で、順次、各静電潜像保持体の転写部へ送られるように構成してもよい。
【0276】
また、この画像形成方法では、その画像形成部に共通する静電潜像保持体を具備してなり、記録材は、ドラム式の搬送手段で、静電潜像保持体の転写部へ繰返し送られて、各色の転写をうけるように構成してもよい。
【0277】
しかしながら、この搬送ベルトでは、体積抵抗が高いため、カラー画像形成装置におけるように、数回の転写を繰り返す過程で、搬送ベルトが帯電量を増加させて行く。このため、各転写の都度、転写電流を順次増加させないと、均一な転写を維持できない。
【0278】
本発明トナーは転写性が優れているので、転写を繰返す毎に搬送手段の帯電が増しても、同じ転写電流で各転写におけるトナーの転写性を均一化でき、良質な高品位画像が得られることになる。
【0279】
更に他の実施形態のフルカラー画像を形成するための画像形成方法を例にして図4に基づいて説明する。
【0280】
感光ドラム33上に適当な手段で形成された静電潜像は、矢印の方向へ回転する回転現像ユニット39に取り付けられた現像手段としての現像器36中に第1のカラートナー及びキャリアを有する二成分系現像剤により可視化される。感光体ドラム33上のカラートナー画像は、グリッパー47によって転写ドラム48上に保持されている記録材Sに、転写帯電器44により転写される。
【0281】
転写帯電器44には、コロナ帯電器又は接触帯電器が利用され、転写帯電器44にコロナ帯電器が使われる場合には、−10kV〜+10kVの電圧が印加され、転写電流は−500μA〜+500μAである。転写ドラム48の外周面には保持部材が張設され、この保持部材はポリフッ化ビニリデン樹脂フィルムやポリエチレンテレフタレートの如きフィルム状誘電体シートによって構成される。例えば、厚さ100μm〜200μm,体積抵抗1012〜1014Ω・cmのシートが用いられる。
【0282】
次に2色目として回転現像ユニットが回転し、現像器35が感光ドラム33に対向する。そして現像器35中の第2のカラートナー及びキャリアを有する現像剤により現像され、このカラートナー画像も前記と同一の記録材上に重ねて転写される。
【0283】
更に3色目、4色目も同様に行なわれる。このように転写ドラム48は記録材を把持したまま所定回数だけ回転し所定色数のトナー像が多重転写される。静電転写するための転写電流は、一色目<二色目<三色目<四色目の順に高めることが感光ドラム上に残る転写残留トナーを少なくするために好ましい。
【0284】
多重転写された記録材Sは、分離帯電器45により転写ドラム48より分離され、シリコーンオイルを含浸している、あるいは、オイルを含浸しないウェッブを有する加熱加圧ローラー定着器32(あるいはウェッブ機構のない定着器)で定着され、定着時に加色混合されることにより、フルカラー複写画像となる。
【0285】
現像器34〜37に供給される補給トナーは各色ごとに具備した補給ホッパーより、補給信号に基づいた一定量をトナー搬送ケーブルを経由して、回転現像ユニットの中心にあるトナー補給筒に搬送され、各現像器に送られる。
【0286】
また、多重現像一括転写方法について、フルカラー電子写真法プリンターを例にして図5に基づいて説明する。
【0287】
感光ドラム103上に帯電器102とレーザー光を用いた露光部101で形成された静電潜像は現像器104,105,106,107により順次トナーを現像して可視化される。現像プロセスにおいては、非接触現像方法が好ましく用いられる。非接触現像方法によれば現像器中の現像剤層が像形成体の表面を擦ることがないので、2回目以降の現像工程において先行の現像工程で形成された像を乱すことなく現像を行なうことができる。現像する順は、多色の場合は黒以外の色で、明度,彩度の高い色から現像するのが好ましい。フルカラーの場合は、イエロー、ついでマゼンタあるいはシアンのどちらか、ついでマゼンタあるいはシアンの残った方、最後に黒の順で現像することが好ましい。
【0288】
感光ドラム103上に形成された多色多重画像,フルカラー画像は転写帯電器109により記録材Sに転写される。転写工程においては、静電転写法が好ましく用いられ、コロナ放電又は接触転写方法が利用される。コロナ放電転写方法とは、記録材Sを介しコロナ放電を生じさせる転写帯電器109を像に対向するように配置し、記録材Sの背面からコロナ放電を作用させ静電的に転写する方法である。接触転写方法とは、記録材Sを介し、転写ローラー、転写ベルトを像形成体に接触させてローラーにバイアスを印加させるか、ベルトの背面から静電的に転写する方法である。この静電転写方法により感光ドラム103の表面に担持された多色トナー像が一括して記録材Sに転写される。
【0289】
多色トナー像が一括転写された記録材Sは、感光ドラム103から分離され熱ローラー定着器112で定着されることにより多色画像となる。
【0290】
次に本発明に使用可能な現像器の構成について図面を用いて詳細に説明する。
【0291】
本発明において、現像領域で感光体表面に現像剤担持体に担持される現像剤を接触させて現像を行なう接触現像方式と、現像領域で感光体表面に現像剤担持体に担持されている現像剤を感光体と現像剤層が非接触となるような間隔に設定した現像剤担持体から飛翔させて現像を行なう非接触ジャンピング現像方式のいずれを用いることも可能である。
【0292】
接触現像方式としては、トナー及びキャリアを有する二成分系現像剤を用いる現像方法(図6)と一成分系現像剤を用いる現像方法(図7)が挙げられる。
【0293】
接触二成分系現像方法としては、トナーと磁性キャリアとを混合した二成分系現像剤を例えば図6に示すような現像装置120を用い、現像を行なうことができる。
【0294】
現像装置120は、二成分系現像剤128を収納する現像容器126、現像容器126に収納されている二成分系現像剤128を担持し、現像領域に搬送するための現像剤担持体としての現像スリーブ121、現像スリーブ121上に形成されるトナー層の層厚を規制するための現像剤層厚規制手段としての現像ブレード127を有している。
【0295】
現像スリーブ121は、非磁性のスリーブ基体122内にマグネット123を内包している。
【0296】
現像容器126の内部は、隔壁130によって現像室(第1室)R1と撹拌室(第2室)R2とに区画され、撹拌室R2の上方には隔壁130を隔てトナー貯蔵室R3が形成されている。現像室R1及び撹拌室R2内には現像剤128が収容されており、トナー貯蔵室R3内には補給用トナー(非磁性トナー)129が収容されている。なお、トナー貯蔵室R3には補給口131が設けられ、補給口131を経て消費されたトナーに見合った量の補給用トナー129が撹拌室R2内に落下補給される。
【0297】
現像室R1内には搬送スクリュー124が設けられており、この搬送スクリュー124の回転駆動によって現像室R1内の現像剤128は、現像スリーブ121の長手方向に向けて搬送される。同様に、撹拌室R2内には搬送スクリュー125が設けられ、搬送スクリュー125の回転によって、補給口131から撹拌室R2内に落下したトナーを現像スリーブ121の長手方向に沿って搬送する。
【0298】
現像剤128は、非磁性トナーと磁性キャリアとを有した二成分系現像剤である。
【0299】
現像容器126の感光体ドラム119に近接する部位には開口部が設けられ、該開口部から現像スリーブ121が外部に吐出し、現像スリーブ121と感光体ドラム119との間には間隙が設けられている。非磁性材にて形成される現像スリーブ121には、バイアスを印加するためのバイアス印加手段132が配置されている。
【0300】
スリーブ基体122に固定された磁界発生手段としてのマグネットローラー、即ち磁石123は、上述したように、現像磁極S1とその下流に位置する磁極N3と、現像剤128を搬送するための磁極N2、S2、N1とを有する。磁石123は、現像磁極S1が感光体ドラム119に対抗するようにスリーブ基体122内に配置されている。現像磁極S1は、現像スリーブ121と感光体ドラム119との間の現像部の近傍に磁界を形成し、該磁界によって磁気ブラシが形成される。
【0301】
現像スリーブ121の上方に配置され、現像スリーブ121上の現像剤128の層厚を規制する規制ブレード127は、アルミニウム、SUS316の如き非磁性材料で作製される。非磁性ブレード127の端部と現像スリーブ121面との距離Aは300〜1000μm、好ましくは400〜900μmである。この距離が300μmより小さいと、磁性キャリアがこの間に詰まり現像剤層にムラを生じやすいと共に、良好な現像を行なうのに必要な現像剤を塗布することができず濃度の薄いムラの多い現像画像しか得られないという問題点がある。現像剤中に混在している不用粒子による不均一塗布(いわゆるブレードづまり)を防止するためには、400μm以上が好ましい。1000μmより大きいと現像スリーブ121上へ塗布される現像剤量が増加し所定の現像剤層厚の規制が行えず、感光体ドラム119への磁性キャリア粒子の付着が多くなると共に現像剤の循環、非磁性の現像ブレード127による現像規制が弱まりトナーのトリボが不足しカブリやすくなるという問題点がある。
【0302】
この二成分系現像装置120の現像は、交番電界を印加しつつ、トナーと磁性キャリアとにより、構成される磁気ブラシ潜像担持体(例えば、感光体ドラム)119に接触している状態で現像を行うことが好ましい。現像剤担持体(現像スリーブ)121と感光体ドラム119との距離(S−D間距離)Bは100〜1000μmであることがキャリア付着防止及びドット再現性の向上において良好である。100μmより狭いと現像剤の供給が不十分になりやすく、画像濃度が低くなり、1000μmを超えると磁石S1からの磁力線が広がり磁気ブラシの密度が低くなり、ドット再現性に劣ったり、キャリアを拘束する力が弱まりキャリア付着が生じやすくなる。
【0303】
交番電界のピーク間の電圧は500〜5000Vが好ましく、周波数は500〜10000Hz、好ましくは500〜3000Hzであり、それぞれプロセスに適宜選択して用いることができる。この場合、波形としては三角波、矩形波、正弦波、或いはDuty比を変えた波形から選択して用いることができる。印加電圧が、500Vより低いと十分な画像濃度がえられにくく、非画像部のカブリトナーを良好に回収することができない場合がある。5000Vを超える場合には磁気ブラシを介して、静電像を乱してしまい、画質低下を招く場合がある。
【0304】
良好に帯電したトナーを有する二成分系現像剤を使用することで、カブリ取り電圧(Vback)を低くすることができ、感光体の一次帯電を低めることができるために感光体寿命を長寿命化できる。Vbackは、現像システムにもよるが150V以下、より好ましくは100V以下が良い。
【0305】
コントラスト電位としては、十分画像濃度ができるように200V〜500Vが好ましく用いられる。
【0306】
周波数が500Hzより低いとプロセススピードにも関係するが、キャリアへの電荷注入が起こるためキャリア付着、あるいは潜像を乱すことで画質を低下させる場合がある。10000Hzを超えると電界に対してトナーが追随できず画質低下を招きやすい。
【0307】
十分が画像濃度を出し、ドット再現性に優れ、かつキャリア付着のない現像を行なうために現像スリーブ121上の磁気ブラシの感光体ドラム119との接触幅(現像ニップC)を好ましくは3〜8mmにすることである。現像ニップCが3mmより狭いと十分な画像濃度とドット再現性を良好に満足することが困難であり、8mmより広いと、現像剤のパッキングが起き機械の動作を留めてしまったり、またキャリア付着を十分に抑えることが困難になる。現像ニップの調整方法としては、現像剤規制部材127と現像スリーブ121との距離Aを調整したり、現像スリーブ121と感光体ドラム119との距離Bを調整することでニップ幅を適宜調整する。
【0308】
なお、感光体上の転写残トナーは、上記の現像器のトナーとキャリアとからなる磁気ブラシによって、現像時に回収される。
【0309】
接触一成分現像方法としては、非磁性トナーを用いて、例えば図9に示すような現像装置80を用い現像することが可能である。
【0310】
現像装置180は、磁性又は非磁性のトナーを有する一成分現像剤188を収容する現像容器181、現像容器181に収納されている一成分現像剤188を担持し、現像領域に搬送するための現像剤担持体182、現像剤担持体上に現像剤を供給するための供給ローラー185、現像剤担持体上の現像剤層厚を規制するための現像剤層厚規制部材としての弾性ブレード186、現像容器181内の現像剤188を撹拌するための撹拌部材187を有している。
【0311】
現像剤担持体上182としては、ローラー基体183上に、発泡シリコーンゴムの如き弾性を有するゴム又は樹脂の如き弾性部材によって形成された弾性層184を有する弾性ローラーを用いることが好ましい。
【0312】
この弾性ローラー182は、潜像保持体としての感光体ドラム189の表面に圧接して、弾性ローラー表面に塗布されている一成分系現像剤188により感光体に形成されている静電潜像を現像する共に、転写後に感光体上に存在する不要な一成分現像剤188を回収する。
【0313】
本発明において、現像剤担持体は実質的に感光体表面と接触している。これは、現像剤担持体から一成分系現像剤を除いたときに現像剤担持体が感光体と接触しているということを意味する。このとき、現像剤を介して、感光体と現像剤担持体との間に働く電界によってエッジ効果のない画像が得れれると同時にクリーニングが行なわれる。現像剤担持体としての弾性ローラー表面或いは、表面近傍が電位を持ち感光体表面と弾性ローラー表面間で電界を有する必要性がある。このため、弾性ローラーの弾性ゴムが中抵抗領域に抵抗制御されて感光体表面との導通を防ぎつつ電界を保つか、又は導電性ローラーの表面層に薄層の誘電層を設ける方法も利用できる。さらには、導電性ローラー上に感光体表面と接触する側の面を絶縁性物質により被覆した導電性樹脂スリーブ或いは、絶縁性スリーブで感光体と接触しない側の面に導電層を設けた構成も可能である。
【0314】
この一成分系現像剤を担持する弾性ローラーは、感光体ドラムと同方向に回転しても良いし、逆方向に回転しても良い。その回転が同方向である場合、感光体ドラムの周速に対して、周速比で100%より大きいことが好ましい。100%以下であるとラインの鮮明性が悪いなどの画像品質に問題を生じやすい。周速比が高まれば高まるほど、現像部位に供給される現像剤の量は多く、静電潜像に対し現像剤の脱着頻度が多くなり、不要な部分の現像剤は掻き落とされ、必要な部分には現像剤が付与されるという繰り返しにより、静電潜像に忠実な画像が得られる。さらに好ましくは周速比は100%以上が良い。
【0315】
現像剤層厚規制部材186は、現像剤担持体182の表面に弾性力で圧接するものであれば、弾性ブレードに限られることなく、弾性ローラーを用いることも可能である。
【0316】
弾性ブレード、弾性ローラーとしては、シリコーンゴム、ウレタンゴム、NBRの如きゴム弾性体;ポリエチレンテレフタレートの如き合成樹脂弾性体;ステンレス、鋼の如き金属弾性体が使用できる。さらに、それらの複合体であっても使用できる。
【0317】
弾性ブレードの場合には、弾性ブレード上辺部側である基部は現像剤容器側に固定保持され、下辺部側をブレードの弾性に抗して現像スリーブの順方向或いは逆方向にたわめ状態にしてブレード内面側(逆方向の場合には外面側)をスリーブ表面に適度に弾性押圧をもって当接させる。
【0318】
供給ローラー185はポリウレタンフォームの如き発泡材より成っており、現像剤担持体に対して、順又は逆方向に0でない相対速度をもって回転し、一成分系現像剤の供給とともに、現像剤担持体上の現像後の現像剤(未現像現像剤)の剥ぎ取りも行っている。
【0319】
現像領域において、現像剤担持体上の一成分系現像剤によって感光体の静電潜像を現像する際には、現像剤担持体と感光体ドラムとの間に直接及び/又は交流の現像バイアスを印加して現像することが好ましい。
【0320】
次に非接触ジャンピング現像方式について説明する。
【0321】
非接触ジャンピング現像方式としては、非磁性トナーを有する一成分系磁性現像剤を用いる現像方法が挙げられる。
【0322】
ここでは、非磁性トナーを有する一成分系非磁性現像剤を用いる現像方法を図8に示す概略構成図に基づいて説明する。
【0323】
現像装置170は、非磁性トナーを有する非磁性一成分系現像剤176を収容する現像容器171、現像容器171に収容されている一成分系非磁性現像剤176を担持し、現像領域に搬送するための現像剤担持体172、現像剤担持体上に一成分系非磁性現像剤を供給するための供給ローラー173、現像剤担持体上の現像剤層厚を規制するための現像剤層厚規制部材としての弾性ブレード174、現像容器171内の一成分系非磁性現像剤176を撹拌するための撹拌部材175を有している。
【0324】
169は静電潜像保持体であり、潜像形成は図示しない電子写真プロセス手段又は静電記録手段によりなされる。172は現像剤担持体としての現像スリーブであり、アルミニウム或いはステンレスからなる非磁性スリーブからなる。
【0325】
現像スリーブは、アルミニウム、ステンレスの粗管をそのまま用いてもよいが、好ましくはその表面をガラスビーズを吹き付けて均一に荒らしたものや、鏡面処理したもの、或いは樹脂でコートしたものが良い。
【0326】
一成分系非磁性現像剤176は現像容器171に貯蔵されており、供給ローラー173によって現像剤担持体172上へ供給される。供給ローラー173はポリウレタンフォームの如き発泡材より成っており、現像剤担持体に対して、順又は逆方向に0でない相対速度をもって回転し、現像剤の供給とともに、現像剤担持体172上の現像後の現像剤(未現像現像剤)の剥ぎ取りも行っている。現像剤担持体172上に供給された一成分系非磁性現像剤は現像剤層厚規制部材としての弾性ブレード174によって均一且つ薄層に塗布される。
【0327】
弾性塗布ブレードと現像剤担持体との当接圧力は、現像スリーブ母線方向の線圧として0.3〜25kg/m、好ましくは0.5〜12kg/mが有効である。当接圧力が0.3kg/mより小さい場合、一成分系非磁性現像剤の均一塗布が困難となり、一成分系非磁性現像剤の帯電量分布がブロードとなりカブリや飛散の原因となる。当接圧力が25kg/mを超えると、一成分系非磁性現像剤に大きな圧力がかかり、一成分系非磁性現像剤が劣化するため、一成分系非磁性現像剤の凝集が発生するなど好ましくない。また、現像剤担持体を駆動させるために大きなトルクを要するため好ましくない。即ち、当接圧力を0.3〜25kg/mに調整することで、本発明のトナーを用いた一成分系非磁性現像剤の凝集を効果的にほぐすことが可能になり、さらに、一成分系非磁性現像剤の帯電量を瞬時に立ち上げることが可能になる。
【0328】
現像剤層厚規制部材は、弾性ブレード、弾性ローラーを用いることができ、これらは所望の極性に現像剤を帯電するのに適した摩擦帯電系列の材質のものを用いることが好ましい。
【0329】
本発明において、シリコーンゴム、ウレタンゴム、スチレンブタジエンゴムが好適である。さらに、ポリアミド、ポリイミド、ナイロン、メラミン、メラミン架橋ナイロン、フェノール樹脂、フッ素系樹脂、シリコーン樹脂、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂、スチレン系樹脂の如き有機樹脂層を設けても良い。導電性ゴム、導電性樹脂を使用し、さらに金属酸化物、カーボンブラック、無機ウイスカー、無機繊維の如きフィラーや荷電制御剤をブレードのゴム中・樹脂中に分散することにより適度の導電性、帯電付与性を与え、一成分系非磁性現像剤を適度に帯電させることができて好ましい。
【0330】
この非磁性一成分現像方法において、ブレードにより現像スリーブ上に一成分系非磁性現像剤を薄層コートする系においては、十分な画像濃度を得るために、現像スリーブ上の一成分系非磁性現像剤層の厚さを現像スリーブと潜像保持体との対抗空隙長βよりも小さくし、この空隙に交番電場を印加することが好ましい。即ち図8に示すバイアス電源177により、現像スリーブ172と潜像保持体169との間に交番電場又は交番電場に直流電場を重畳した現像バイアスを印加することにより、現像スリーブ上から潜像保持体への一成分系非磁性現像剤の移動を容易にし、更に良質の画像を得ることができる。
【0331】
【実施例】
以下実施例にもとづいて具体的に本発明について説明する。しかしながら、これによって本発明の実施の態様がなんら限定されるものではない。実施例中の部数は重量部である。
【0332】
実施例に用いられる樹脂として、表1に記載のモノマー組成のポリエステル樹脂を脱水縮合法により合成した。
【0333】
<実施例1>
・ポリエステル樹脂a 40重量部
・ポリエステル樹脂b 30重量部
・ポリエステル樹脂c 30重量部
・銅フタロシアニン系顔料 4.9重量部
(C.I.Pigment Blue 15:3)
・ポリエチレンワックス 2重量部
(mp=106℃、Mn=670、Mw/Mn=1.35)
・ジルコニウム化合物(14) 4重量部
上記材料をヘンシェルミキサーで前混合した後、120℃に設定した二軸混練押し出し機によって、溶融混練した。
【0334】
得られた混練物を冷却し、カッターミルで粗粉砕した後、ジェット気流を用いた微粉砕機で粉砕し、得られた微粉砕粉末をコアンダ効果を利用した多分割分級機を用いて分級し、重量平均粒径7.5μmのトナー粒子Aを得た。表2にその処方・物性を示す。
【0335】
トナー粒子A100重量部に対し、疎水化処理したメタノールウエッタビリティ80%,BET比表面積120m2/gの疎水性シリカ微粉体(シリカ微粉体100重量部に対してヘキサメチルジシラザン10重量部とジメチルシリコーン10重量部で処理)1.2重量部と、メタノールウエッタビリティ70%,BET比表面積200m2/gの疎水性γアルミナ微粉体(アルミナ100重量部に対してイソブチルメトキシシラン20重量部で処理)とを、外添混合してトナーAを調製した。
【0336】
このシアントナーA6.0重量部に対して、スチレン−メタクリル酸メチル(共重合体重量比65:35)を約0.35重量%コーティングした平均粒径45μmのCu−Zn−Fe系フェライトキャリアを総重量100重量部になるように混合し、二成分現像剤とした。二成分現像剤中のトナー濃度は6.0重量%にした。
【0337】
このトナーAを定着オイル供給機構を伴わない定着器(定着スピード180mm/sec.、定着ローラー径Φ40mm、加圧ローラー径Φ40mm、定着・加圧ローラー表層PFA[パーフロロアルコキシエチレン]20μm、ニップ幅8mm、総加圧力70kgf)において、定着性、耐オフセット性の評価を、市販のフルカラー複写機(カラーレザーコピア800、キヤノン社製)定着器構成を上記のオイル塗布機構を伴わない定着器に改造したものを用いて、18℃,10%RHの環境と32.5℃,85%RHの環境で2万枚のプリント試験を行った。評価結果は表4に示す。
【0338】
その結果、耐久濃度推移、カブリ抑制は良好であった。また、定着開始点は120℃と低く、非オフセット幅も大である。また、フルカラートナーに重要なグロス10以上となる領域が存在し、グロスコントロール可能であった。また、OHT上に画像をOHTモードとして180℃、60mm/sec.の定着スピードで定着試験を行った。このカラー画像をオーバーヘッドプロジェクター(OHP)に投影し、評価を行った。得られた画像はオフセットすることなく、透明性に優れ、明暗ムラもなく、色再現性にも優れていた。
【0339】
<実施例2>
・ポリエステル樹脂a 45重量部
・ポリエステル樹脂b 35重量部
・ポリエステル樹脂c 20重量部
・銅フタロシアニン系顔料 4.9重量部
(C.I.Pigment Blue 15:3)
・ポリエチレンワックス 2重量部
(mp=106℃、Mn=670、Mw/Mn=1.35)
・ジルコニウム化合物(14) 4重量部
上記材料を用いて、実施例1と同様にして行った。
【0340】
参考例1
ポリエステル樹脂a,b,cの比率及びジルコニウム化合物を12重量部含有させる以外は実施例1と同様にして行った。
【0341】
参考例2
・ポリエステル樹脂a 60重量部
・ポリエステル樹脂b 10重量部
・ポリエステル樹脂c 30重量部
・銅フタロシアニン系顔料 4.9重量部
(C.I.Pigment Blue 15:3)
・パラフィンワックス 2重量部
(mp=70℃、Mw/Mn=1.5)
・クロム化合物(137) 4重量部
上記材料用いて実施例1と同様にして行った。
【0342】
【化34】
Figure 0004365937
【0343】
参考例3
表2の材料で、実施例1と同様に行った。
【0344】
<比較例1>
・ポリエステル樹脂d 100重量部
・銅フタロシアニン系顔料 4.9重量部
(C.I.Pigment Blue 15:3)
・ポリプロピレンワックス 2重量部
(mp=145℃、Mn=830、Mw/Mn=4.5)
・亜鉛化合物(136) 4重量部
上記材料を用いて、実施例1と同様にして行った。
【0345】
【化35】
Figure 0004365937
【0346】
<比較例2>
・ポリエステル樹脂e 80重量部
・ポリエステル樹脂f 20重量部
・銅フタロシアニン系顔料 4.9重量部
(C.I.Pigment Blue 15:3)
・ポリプロピレンワックス 2重量部
・クロム化合物(137) 1重量部
上記材料を用いて、実施例1と同様にして行った。
【0347】
<比較例3>
・ポリエステル樹脂e 50重量部
・ポリエステル樹脂f 50重量部
・銅フタロシアニン系顔料 4.9重量部
(C.I.Pigment Blue 15:3)
・高級アルコールワックス 6重量部
・クロム化合物(137) 4重量部
上記材料を用いて、実施例1と同様にして行った。
【0348】
<比較例4>
比較例2において、クロム化合物の量を4重量部とし、高級アルコールワックスを用いない以外は比較例3と同様に行った。
【0349】
以下、本発明の実施例におけるトナー評価方法・評価基準に関して記載する。
【0350】
(1)現像性
32.5℃,85%RHの環境下で、通常の複写機用普通紙(75g/m2)に2万枚プリントアウト終了時の画像濃度維持により評価した。尚、画像濃度は「マクベス反射濃度計」(マクベス社製)を用いて、原稿濃度が0.00の白地部分のプリントアウト画像に対する相対濃度を測定した。
A:1.40以上
B:1.30以上1.40未満
C:1.20以上1.30未満
D:1.20未満
【0351】
(2)カブリ
カブリ測定は、18℃,10%RHの環境下で通常の複写機用普通紙(75g/m2)に2万枚プリントアウト画像の白地部分の白色度をリフレクトメーター(東京電色社製)により測定し、その白色度と転写紙の白色度の差から、カブリ濃度(%)を算出し、評価した。
A:非常に良好(1.0%未満)
B:良好(1.0%以上2.0%未満)
C:普通(2.0%以上3.0%未満)
D:悪い(3.0%以上)
【0352】
(3)定着性及びグロス
定着性は、定着画像のトナーのり量を0.6g/cm2のベタ画像とし、この画像に対し50g/cm2の荷重をかけ、柔和な薄紙により定着画像を摺擦し、摺擦前後での画像濃度の低下率(%)で評価した。また、同一定着画像の光沢度(グロス)ハンディ光沢度計グロスメーターPG−3D(日本電色工業製)を用いて、光の入射角75°の条件で測定した。
【0353】
定着温度条件としては、120℃から5℃毎に210℃まで行なった。
【0354】
(4)耐オフセット性
耐オフセット性は、定着温度200℃で画像面積率約5%のサンプル画像をプリントアウトし、連続3000枚の画像上の汚れの程度、3000枚後の定着・加圧ローラーの表面観察により評価した。
A:画像上・ローラー上全くない。;実用可
B:画像上には全くないがローラー上にわずかだがトナーの痕跡有り。:実用可
C:画像裏面にややトナー痕跡がある画像が5枚存在し、ローラー上にわずかだがトナーの痕跡有り。;実用不可
D:画像上・ローラー上にオフセットが発生する頻度が高い。;実用不可
E:定着器に巻き付いて耐久不可。:実用不可
【0355】
(5)OHT画像透明性
OHT画像透明性の評価は、OHT上に画像をOHTモードとして180℃、60mm/sec.の定着スピードで定着試験を行い、このカラー画像をオバーヘッドプロジェクター(OHP)に投影し、評価を行なった。
A:得られた画像はオフセットすることなく、透明性に優れ、明暗ムラもなく、色再現性も優れる。
B:若干の明暗ムラがあるものの、実用上問題無い。
C:明暗ムラがあり、色再現に乏しい。
【0356】
【表1】
Figure 0004365937
【0357】
【表2】
Figure 0004365937
【0358】
【表3】
Figure 0004365937
【0359】
【表4】
Figure 0004365937
【0360】
【発明の効果】
本発明によって、定着オイルの使用無しに定着を行なうことのできる耐オフセット性に優れ、低温定着が可能なカラートナーを得ることが可能となる。また、低湿下で使用しても、高湿下で使用しても高い画像品質が得られ、経時において画像欠陥を生じないカラートナーを得ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の画像形成方法を実施し得る好適な画像形成装置の例を示す概略図である。
【図2】本発明の画像形成方法を実施し得る画像形成装置の他の例を示す概略図である。
【図3】本発明の画像形成方法を実施し得る画像形成装置の他の例を示す概略図である。
【図4】本発明の画像形成方法を実施し得る画像形成装置の他の例を示す概略図である。
【図5】本発明の画像形成方法を実施し得る画像形成装置の他の例を示す概略図である。
【図6】二成分系現像剤を用いる画像形成装置の概略図である。
【図7】接触一成分現像方法による現像装置の概略図である。
【図8】非接触一成分現像方法による現像装置の概略図である。
【符号の説明】
1 露光手段
2 帯電ローラ
3 感光ドラム
4 現像器
5 現像器
6 現像器
7 現像器
8 感光ドラムクリーナー
9 芯金
10 保持部材
11 中間転写体
12 中間転写体クリーナー
13 電源
14 転写帯電器
15 分離除電器
16 帯電器
17 現像器
18 感光ドラムクリーナー
19 感光ドラム
20 分離除電器
22 定着器
23 潜像形成部
24 転写放電部
25 搬送ベルト
26 排出部
27 吸着帯電器
28 分離除電放電部
29 画像形成部
31 露光手段
32 定着器
33 感光ドラム
34 現像器
35 現像器
36 現像器
37 現像器
38 感光ドラムクリーナー
39 回転現像ユニット
40
44 転写帯電器
45 分離帯電器
46 帯電器
47 グリッパー
48 転写ドラム
49 分離爪
60a 転写バイアス印加手段(接地していても良い)
61a 感光体ドラム
62a 一次帯電器
63a 現像器
64a 転写ブレード
65a トナーホッパー
66a 補給ローラ
67a 露光装置
68 記録材担持体
69 分離帯電器
70 定着器
71 定着ローラ
72 加圧ローラ
73 ウェッブ
75,76 加熱手段
78 温度検知手段
79 転写ベルトクリーニング装置
80 駆動ローラ
81 ベルト従動ローラ
82 ベルト除電器
83 レジストローラ
84 給紙ローラ
101 露光手段
102 帯電手段
103 感光ドラム
104 現像器
105 現像器
106 現像器
107 現像器
108 感光ドラムクリーナー
109 転写帯電器
110 分離除電器
111 除電器
112 定着器
119 感光体ドラム
120 現像装置
121 現像スリーブ(現像剤担持体)
122 スリーブ基体
123 磁石
124 搬送スクリュー
125 搬送スクリュー
126 現像容器
127 現像ブレード
128 二成分現像剤
129 補給用トナー
130 隔壁
131 補給口
169 静電潜像担持体(感光体ドラム)
170 現像装置
171 現像容器
172 現像スリーブ(現像剤担持体)
173 現像剤供給ローラー
174 弾性ブレード(現像ブレード)
175 撹拌部材
176 一成分非磁性現像剤
180 現像装置
181 現像容器
182 現像スリーブ(現像剤担持体)
183 ローラー基体
184 弾性層
185 現像剤供給ローラー
186 弾性ブレード(現像ブレード)
187 撹拌部材
188 一成分現像剤
189 感光体ドラム

Claims (8)

  1. 少なくとも結着樹脂、ワックス、有機金属化合物及び着色剤を含むカラートナーにおいて、
    該結着樹脂は、ポリエステル樹脂を有し、
    該トナーTHF可溶分のGPC分子量分布において、400乃至1万未満の成分における3価以上の多価カルボン酸単量体ユニットのmol%をXa、1万〜5万の成分における3価以上の多価カルボン酸単量体ユニットのmol%をXb、5万を超える成分における3価以上の多価カルボン酸単量体ユニットのmol%をXcとした場合に、Xc>Xb>Xa≧2.95の関係を満足し、かつ、
    該トナーのTHF可溶分のGPC分子量分布において、400乃至1万未満における炭素数5〜30の飽和もしくは不飽和の脂肪族炭化水素基を有する成分mol%をYa、1万〜5万の成分における炭素数5〜30の飽和もしくは不飽和の脂肪族炭化水素基を有する成分mol%をYb、5万を超える成分における炭素数5〜30の飽和もしくは不飽和の脂肪族炭化水素基を有する成分mol%をYcとしたとき、Yc>Yb>Ya≧9.72の関係を満足し、
    該ワックスは、低分子量ポリエチレンワックスであり、
    該カラートナーは、THF可溶分及び0乃至25重量%未満のTHF不溶分を含有し、該THF可溶分のGPC分子量分布において、分子量分布における面積比で、400乃至1万未満の成分含有量(M1)35〜55%、1万〜5万の成分含有量(M2)30〜45%、5万〜50万の成分含有量(M3)8〜20%、50万を超える成分含有量(M4)2〜12%であって、且つM1>M2>M3>M4の関係を満足する
    ことを特徴とするカラートナー。
  2. 該有機金属化合物のトナー中の含有量が0.2〜10重量%であり、且つ該トナー中の3価以上の多価カルボン酸単量体全mol%と該有機金属化合物のトナー中の重量%が、下記の式
    2≦(3価以上の多価カルボン酸単量体全mol%)×(有機金属化合物のトナー中の重量%)≦50
    を満足することを特徴とする請求項1に記載のカラートナー。
  3. 該有機金属化合物が、金属元素としてジルコニウムを有し、芳香族ジオール、芳香族ヒドロキシカルボン酸、芳香族モノカルボン酸及び芳香族ポリカルボン酸からなるグループから選択される芳香族化合物が配位又は/及び結合している有機ジルコニウム化合物であることを特徴とする請求項1又は2に記載のカラートナー。
  4. 該ワックスのGPC分子量分布における数平均分子量(Mn)と重量平均分子量(Mw)の比(Mw/Mn)が1.0〜2.0であることを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載のカラートナー。
  5. 該ワックスの含有重量比率が、トナーに対して0.5〜5重量%であることを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載のカラートナー。
  6. 該炭素数5〜30の飽和もしくは不飽和の脂肪族炭化水素基が、ポリエステル樹脂の骨格にブランチ化されて導入されていることを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載のカラートナー。
  7. 該結着樹脂を構成する成分であるポリエステル樹脂は、炭素数5〜30の飽和もしくは不飽和の脂肪族炭化水素基で置換された脂肪族ジカルボン酸類及び炭素数5〜30の飽和もしくは不飽和の脂肪族炭化水素基で置換された脂肪族ジオール類の少なくとも一方のモノマーを用いて合成することによって得られたことを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載のカラートナー。
  8. 該カラートナーの酸価が2〜30mgKOH/gであることを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載のカラートナー。
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