JP2001013729A - カラートナー及び該カラートナーを用いた画像形成方法 - Google Patents

カラートナー及び該カラートナーを用いた画像形成方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 定着オイルの使用無しに定着を行なうことの
できる耐オフセット性に優れ、低温定着が可能で、色再
現・透過性を満足するカラートナーを提供することにあ
る。 【解決手段】 少なくとも結着樹脂、ワックス、有機金
属化合物及び着色剤を含むカラートナーにおいて、該結
着樹脂は、ポリエステル樹脂を有し、該トナーTHF可
溶分のGPC分子量分布において、400乃至1万未満
の成分における3価以上の多価カルボン酸単量体ユニッ
トのmol%をXa、1万〜5万の成分における3価以
上の多価カルボン酸単量体ユニットのmol%をXb、
5万を超える成分における3価以上の多価カルボン酸単
量体ユニットのmol%をXcとした場合に、Xc>X
b>Xaの関係を満足することを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真,静電荷
像を顕像化するための画像形成方法に使用されるカラー
トナー、又は、トナージェットに使用されるカラートナ
ー、及び、該カラートナーを用いたフルカラー画像形成
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、電子写真法としては米国特許第
2,297,691号明細書、特公昭42−23910
号公報及び特公昭43−24748号公報等に記載され
ているごとく多数の方法が知られているが、一般には光
導電性物質を利用し、種々の手段により感光体上に電気
的潜像を形成し、次いで、該潜像をトナーで現像を行っ
て、可視像とし、必要に応じて紙などの記録材にトナー
を転写させた後、熱・圧力等により転写材(記録材)上
にトナー画像を定着して複写物を得るものであり、そし
て転写せず感光体上に残ったトナーは種々の方法でクリ
ーニングされ、上述の工程が繰り返される。
【0003】近年このような複写装置は、より小型化,
より軽量化そしてより高速化,より高信頼性が厳しく追
及されてきている。また、単なる一般に言うオリジナル
原稿を複写するための事務処理用複写機ということだけ
でなく、コンピューターの出力としてのデジタルプリン
ターあるいはグラフィックデザイン等の高細密画像のコ
ピー用に使われはじめた。
【0004】また、パーソナル・ユーザーを対象とした
コンピュター機器の普及に伴い、映像による情報伝達機
構として、フルカラーによる映像コミュニケーションが
幅広く浸透しつつある。
【0005】この様な状況下で、出力機器の一つである
プリンターや複写機においてもフルカラー化が急速に進
んでおり、一般ユーザーにおいてもカラー画像がより身
近なものとなりつつある。
【0006】そのため、フルカラー画質としてより高精
細,高画質が求められており、その結果トナーに要求さ
れる性能もより高度になってきた。
【0007】ところで、デジタルフルカラープリンター
及び高細密画像のフルカラーコピーにおいてトナーに要
求される性能のうち最も重要なものに、定着性能があ
る。
【0008】定着工程に関しては、種々の方法や装置が
開発されているが、現在最も一般的な方法は熱ローラー
による圧着加熱方式である。
【0009】加熱ローラーによる圧着加熱方式は、トナ
ーに対し離型性を有する材料(シリコーンゴムやフッ素
樹脂)で表面を形成した熱ローラーの表面に、被定着シ
ートのトナー像面を加圧下で接触しながら通過せしめる
ことにより定着を行なうものである。この方法は熱ロー
ラーの表面と被定着シートのトナー像とが加圧下で接触
するため、トナー像を被定着シート上に融着する際の熱
効率が極めて良好であり、迅速に定着を行なうことがで
き、高速度電子写真複写機においても非常に有効であ
る。しかしながら、上記方法では、熱ローラー表面とト
ナー像とが溶融状態で加圧下で接触するためにトナー像
の一部が定着ローラー表面に付着・転移し、次の被定着
シートを汚すことがある(オフセット現象)。熱定着ロ
ーラー表面に対してトナーが付着しないようにすること
は熱ローラー定着方式の必須条件の一つとされている。
【0010】フルカラーの場合では、色材の3原色であ
るイエロー、マゼンタ、シアンの3色のトナー又はそれ
に黒色トナーを加えた4色のトナーを用いて色再現を行
なうのが一般的であり、多色画像を紙或いはオバーヘッ
ドプロジェクターシート(OHT)等の被定着シート上
に定着し、色再現・OHT画像の透過性を満足しなくて
はならない。このためトナー層を十分に溶融し、画像表
面を平滑にすることが要求される。画像の平滑性とオフ
セット防止を両立する目的で、定着ロールにシリコーン
オイル等のオイルを供給しローラ上に均一に被覆する手
段が必須であり、これらが小型で安価なシステムを設計
する上での阻害因子となっている。
【0011】トナー自身に良好な定着性と耐オフセット
性を持たせる方法として、特開昭52−3304号公
報、特開昭52−3305号公報、特開昭57−525
74号公報、特開昭61−138259号公報、特開昭
56−87051号公報、特開昭63−188158号
公報、特開昭63−113558号公報及び特開平8−
030036号公報等にトナー中にワックス類を含有さ
せる技術が開示されている。
【0012】ワックス類は、トナーの耐オフセット性の
向上や、低温時の定着性の向上のために用いられてい
る。しかしながら、これらの性能を向上させる反面、耐
ブロッキング性を悪化させたり、複写機等の昇温などに
よって熱にさらされると現像性が悪化したり、また長期
放置時にワックスがブルーミングして現像性が悪化した
りする。
【0013】更に、これらのワックス類はトナー中に均
一に分散されにくく、遊離あるいは偏在したワックスが
現像性,耐久性等に悪影響を与えやすく、影響を与えな
い添加量では十分な離型性が得られず、定着装置側での
オイル等の離型剤の使用が不可欠となる。
【0014】また、トナーバインダーとしても良好な定
着性と耐オフセット性を持たせる方法として、特開昭4
7−12334号公報、特開昭57−37353号公報
及び特開昭57−208559号公報においては、エー
テル化ビスフェノール単量体と、ジカルボン酸単量体
と、3価以上の多価アルコール単量体及び/又は3価以
上の多価カルボン酸単量体とを含む単量体成分とより得
られる非線状共重合体よりなるポリエステルをバインダ
ーとして含有するトナーが提案されている。この技術
は、エーテル化ビスフェノール単量体とジカルボン酸単
量体とよりなるポリエステルを、3価以上の多価アルコ
ール単量体及び/又は3価以上の多価カルボン酸単量体
を含む多量の単量体成分により架橋することによって得
られるポリエステルをバインダーとして含有させること
により、トナーにオフセット防止性能を有せしめたもの
である。しかしながら、これらのトナーにおいては、そ
の軟化点が若干高く、従って良好な低温定着性が困難で
あるし、さらに、フルカラー複写に用いた場合は、耐高
温オフセット性に対しては実用化しうるレベルではある
が、上述のごとく定着性、シャープメルト性に難がある
ため、該ポリエステルを用いたフルカラートナーの重ね
合わせによる混色性や色再現性は充分でない。
【0015】特開昭57−109825号公報、特開昭
62−78568号公報、特開昭62−78569号公
報、特公昭63−57785号公報及び特開昭59−2
9256号公報においては、エーテル化ビスフェノール
単量体と、長鎖脂肪族炭化水素を導入したジカルボン酸
単量体やその他のジカルボン酸単量体と、3価以上の多
価アルコール単量体及び/又は3価以上の多価カルボン
酸単量体を含む単量体成分とより得られる非線状共重合
体であって、その側鎖に炭素数3〜22の飽和もしくは
不飽和の脂肪族炭化水素基を有するポリエステルをバイ
ンダーとして含有するトナーを開示されているが、これ
らのポリエステル樹脂は高速定着用トナーを主に目的と
しており、樹脂の粘弾性特性としては、前述した粘性重
視ポリエステルとは全く逆に、弾性を強化し、ローラー
ヘの高温オフセットを著しく低下せしめたものである。
そして、定着時、熱ローラーの加圧及び加熱をできる限
り高め、トナーを半溶融の状態で転写紙の繊維の間へ押
し込み、加圧・加熱定着を行い、該目的を達成しようと
するものである。それゆえ、カラー画像に必要なトナー
層が溶融し連続皮膜を形成し、平滑面を得るということ
はほとんど出来ず、定着したトナーは、転写紙上で粒子
状態で存在し、得られるカラー画像はくすんだものとな
り彩度にとぼしい。OHT画像はトナー粒子表面で光が
散乱・拡散してしまい、ほとんど光を透過せず、実用的
に使用不能となってしまう。
【0016】特公昭55−6895号公報や特開昭56
−98202号公報に記載の如く、結着樹脂の分子量分
布の幅を広くすることによりオフセット現象を抑制する
方法もあるが、一般に樹脂の重合度が高くなり使用定着
温度も高く設定する必要がある。
【0017】更に、特公昭57−493号公報、特開昭
50−44836号公報及び特開昭57−37353号
公報に記載の如く、樹脂を非線状化、又は架橋化するこ
とによってオフセット現象を抑制する方法;特開昭61
−213858号公報、特開平1−295269号公
報、特開平1−30061号公報、特開平1−3022
67号公報及び特開平3−96964号公報の如く、ポ
リエステル樹脂を金属イオン架橋化してオフセット現象
を改善する方法が提案されている。
【0018】トナーの耐オフセット性を向上させる方法
として、架橋ポリマーと呼ばれる多官能性モノマーや多
官能開始剤を用いた共有結合性架橋樹脂ないし分岐性樹
脂を用いたトナー(特開平3−203746号公報、特
開平4−24648号公報に記載)や、金属酸化物とポ
リマーとを強固に結合させたイオン結合性架橋ポリマー
を用いたトナー(特開昭61−213858号公報、特
開平6−175395号公報に記載)が提案されてい
る。いずれも耐オフセット性は向上するものの結着樹脂
本来の定着性が低下し、またポリマー分子のからみ合い
が強いため、テトラヒドロフラン不溶分に代表される架
橋による樹脂成分が着色剤や荷電制御剤の結着樹脂への
分散性を困難なものとし、さらにトナー製造時における
トナー混練物の粉砕性も低下させてしまう。
【0019】更に、特開昭63−225244号公報〜
63−225246号公報では、低温定着性,耐高温オ
フセット性及び耐ブロッキング性を向上させる目的で2
種の非線状ポリエステルを含有してなるトナーが開示さ
れている。また、特開昭60−214368号公報、特
開平2−082267号公報、特開平2−158747
号公報、特開平4−338973号公報、特開平7−2
61459号公報及び特開平8−101530号公報等
に、物性の異なる2種のポリエステルをブレンドし、ト
ナーの定着性と耐オフセット性を向上させる手法が提案
されているが、フルカラー定着としては不十分なもの、
シリコーンオイル等の離型剤の定着ローラ塗布量は減る
ものの必須なものであり、未だ完全なオイルレスフルカ
ラートナーは得られていない。
【0020】更に、特開平3−188468号公報に、
トナー粒子中におけるバインダーとしてのポリエステル
樹脂が、以下の(A)〜(C)の条件 (A)ポリエステル樹脂の酸価をAv、水酸基価をOH
vとしたとき、Avが20〜35(mgKOH/g)、
Av/OHv=1.0〜1.5の範囲にあること; (B)テトラヒドロフラン不溶分が10%以下であるこ
と; (C)テトラヒドロフラン可溶分のゲル・パーミテーシ
ョン・クロマトグラフィー(GPC)による分子量分布
において、重量平均分子量Mwと数平均分子量Mnとの
比率がMw/Mn≧10であり、数平均分子量3,00
0〜8,000の領域にピーク(低分子側ピーク)を少
なくとも1つ有し、数平均分子量100,000〜60
0,000の領域にピークまたは肩(高分子側ピーク)
を1つ有し、かつ、高分子側ピーク領域が5〜15%存
在すること;を満足しているトナーが提案されている。
しかしながら、特開平3−188468号公報のポリエ
ステルは、酸価が20(mgKOH/g)以上と高く、
またソフトセグメント成分を含有するものの多価カルボ
ン酸量が多く、架橋成分の割合が高くなる(実施例にお
いてもTHF不溶分が2%以上存在する)ためフルカラ
ー定着性(グロスコントロール、耐オフセットの両立)
を満足しない。
【0021】一般に、最低定着温度は低温オフセットと
高温オフセットの間にあるため、使用可能温度領域は最
低定着温度と高温オフセットの間である。最低定着温度
をできるだけ下げ、高温オフセット発生温度をできるだ
け上げることにより使用定着温度を下げることができる
と共に使用可能温度領域を広げることができる。その結
果、省エネルギー化、高速定着化、紙のカールの発生を
防ぐことができる。また、紙のカールを抑制できること
から両面コピーを円滑におこなえ、複写機のインテリジ
ェント化、定着装置の温度コントロールの精度、許容幅
の緩和がおこなえる。
【0022】そのため、低温定着性及び高温オフセット
性の良いトナーが望まれている。しかしながら、低速か
ら高速まで適用できる定着温度領域の広い、耐オフセッ
ト性に優れたトナーとしては、後述の画像特性と併せて
未だ改良すべき課題を残している。
【0023】また、近年の複写機及びプリンターの小型
化、コンパクト化から現像機内の温度は上昇しやすく、
トナーの高温における保存性はこれまで以上のものが望
まれており、さらには、高品位画像出力のため、安定し
た現像性と良好な転写性を同時に十分に満足するトナー
が待望されている。
【0024】一方、トナーに電荷を保有せしめるために
は、トナーの成分である樹脂の摩擦帯電性を利用するこ
とも出来るが、この方法ではトナーの帯電が安定しない
ので、濃度の立ち上がりが遅く、カブリ易い。そこで、
所望の摩擦帯電性をトナーに付与するために帯電制御剤
を添加することが行われている。
【0025】今日、当該技術分野で知られている帯電制
御剤としては、負摩擦帯電性帯電制御剤として、モノア
ゾ染料の金属錯塩,ヒドロキシカルボン酸,ジカルボン
酸,芳香族ジオール等の金属錯塩,酸成分を含む樹脂等
が知られている。正摩擦帯電性帯電制御剤として、ニグ
ロシン染料,アジン染料,トリフェニルメタン系染顔
料,4級アンモニウム塩,4級アンモニウム塩を側鎖に
有するポリマー等が知られている。
【0026】しかし、帯電制御剤によっては、画像濃度
とカブリのバランスがとりにくい、高湿環境で十分な画
像濃度を得にくい、樹脂への分散性が悪い、保存安定
性、定着性、耐オフセット性に悪影響を与える等のよう
な欠点を有する。従来、芳香族カルボン酸類の金属錯体
・金属塩は、特開昭53−127726号公報、特開昭
57−111541号公報、特開昭57−124357
号公報、特開昭57−104940号公報、特開昭61
−69073号公報、特開昭61−73693号公報、
特開昭61−267058号公報、特開昭62−105
156号公報、特開昭62−145255号公報、特開
昭62−163061号公報、特開昭63−20886
5号公報、特開平3−276166号公報、特開平4−
84141号公報及び特開平8−160668号公報を
始めとしていくつかの提案がなされている。しかしなが
ら、これらの公報に提案されているものは、摩擦帯電付
与という観点からはいずれも優れたものであるが、特に
フルカラートナーに適用した場合には、簡易な現像器構
成で環境変動,経時,使用状況に関わらず、安定した現
像性の得られるものは少ない。また、高速機において長
期耐久時においても安定した現像性が得られるものも少
ない。
【0027】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の従来
の問題点を解決したカラートナー及び画像形成方法を提
供することを目的とする。
【0028】即ち、本発明の目的は、定着オイルの使用
無しに定着を行なうことのできる耐オフセット性に優
れ、低温定着が可能なカラートナー及び画像形成方法を
提供することにある。また、低湿下で使用しても、高湿
下で使用しても高い画像品質が得られ、経時において画
像欠陥を生じないカラートナー及び画像形成方法を提供
することにある。
【0029】
【課題を解決するための手段】本発明は、少なくとも結
着樹脂、ワックス、有機金属化合物及び着色剤を含むカ
ラートナーにおいて、該結着樹脂は、ポリエステル樹脂
を有し、該トナーTHF可溶分のGPC分子量分布にお
いて、400乃至1万未満の成分における3価以上の多
価カルボン酸単量体ユニットのmol%をXa、1万〜
5万の成分における3価以上の多価カルボン酸単量体ユ
ニットのmol%をXb、5万を超える成分における3
価以上の多価カルボン酸単量体ユニットのmol%をX
cとした場合に、Xc>Xb>Xaの関係を満足するこ
とを特徴とするカラートナーに関する。
【0030】更に本発明は、記録材上に重ねられた複数
色のカラートナーを、接触加熱及び/又は加圧する定着
部材によって定着することでフルカラー画像を得る画像
形成方法において、(i)該カラートナーは、少なくと
も結着樹脂、ワックス、有機金属化合物及び着色剤を含
むカラートナーであり、該結着樹脂は、ポリエステル樹
脂を有し、該トナーTHF可溶分のGPC分子量分布に
おいて、400乃至1万未満の成分における3価以上の
多価カルボン酸単量体ユニットのmol%をXa、1万
〜5万の成分における3価以上の多価カルボン酸単量体
ユニットのmol%をXb、5万を超える成分における
3価以上の多価カルボン酸単量体ユニットのmol%を
Xcとした場合に、Xc>Xb>Xaの関係を満足し、
(ii)該記録材への該トナー画像の定着時に、該定着
部材から該記録材のトナー画像の定着面に供給されるシ
リコーンオイルの記録材単位面積当たりの塗布量が0乃
至1×10-7g/cm2であることを特徴とする画像形
成方法に関する。
【0031】
【発明の実施の形態】本発明は、オイルレスフルカラー
定着を目的として種々の樹脂とワックスを鋭意検討した
結果、特定の構成において、オイルレス定着(定着ロー
ラ非巻き付き性、耐オフセット性)、画像グロスコント
ロール、OHT透過性を全て満足できることを見出し
た。
【0032】すなわち、少なくとも結着樹脂、有機金属
化合物、ワックス及び着色剤を含むカラートナーにおけ
る、該トナーTHF可溶分のGPC分子量分布におい
て、400乃至1万未満の成分における3価以上の多価
カルボン酸単量体ユニットのmol%をXa、1万〜5
万の成分における3価以上の多価カルボン酸単量体ユニ
ットのmol%をXb、5万を超える成分における3価
以上の多価カルボン酸単量体ユニットのmol%をXc
とした場合に、Xc>Xb>Xaの関係を満足すること
を特徴とするカラートナーで達成することができる。
【0033】Xc>Xb>Xaを満たすことで、高分子
側がより架橋され非オフセット領域が広がり、また、低
分子量側は高分子量側ほど架橋されないために低温定着
性が良好となり、オイルレス定着が可能となる。また、
Xc>Xb>Xaを満たす範囲内で、グロスコントロー
ルを行うことが可能である。
【0034】上記の関係を満足することで、グロスと非
オフセット領域の両立を図ることができ、オイルレス定
着が可能となる。
【0035】このような物性を満たすトナーを作る手段
としては例えば、三価以上の多価カルボン酸類を多く含
まなくて分子量1万未満の成分を多く含むポリエステル
樹脂と、三価以上の多価カルボン酸類を多く含み分子量
1万未満の成分を多く含まないポリエステル樹脂を混合
(ブレンド)することが挙げられる。混合するポリエス
テル樹脂は2種類以上でも構わない。
【0036】また、該トナーのTHF可溶分のGPC分
子量分布において、1万未満における炭素数5〜30の
飽和もしくは不飽和の脂肪族炭化水素基を有する成分m
ol%をYa、1万〜5万の成分における炭素数5〜3
0の飽和もしくは不飽和の脂肪族炭化水素基を有する成
分mol%をYb、5万を超える成分における炭素数5
〜30の飽和もしくは不飽和の脂肪族炭化水素基を有す
る成分mol%をYcとしたとき、Yc>Yb>Yaの
関係を満足することが好ましい。
【0037】Yc>Yb>Yaを満たすことで、強度に
架橋され過ぎた高分子側を、不飽和の脂肪族炭化水素基
がソフトセグメントの役割を果たすことによって、和ら
げることが可能となり、その結果、満足し得る低温定着
性と耐高温オフセット性を得ることができる。
【0038】上記の関係を満足することで、グロスと非
オフセット領域の両立を図ることができ、オイルレス定
着が可能となる。
【0039】更に、本発明においては、有機金属化合物
のトナー中の含有量が0.2〜10重量%であり、且つ
該トナー中の3価以上の多価カルボン酸単量体全mol
%と該有機金属化合物のトナー中の重量%が、下記の式 2≦(3価以上の多価カルボン酸単量体全mol%)×
(有機金属化合物のトナー中の重量%)≦50 を満足することが好ましい。
【0040】該有機金属化合物のトナー中の含有量が
0.2重量%未満の場合、架橋反応が進まず非オフセッ
ト領域が狭いものとなり、10重量%を超える場合、架
橋反応がより促進し、非オフセット領域は広がるが、定
着性が損なわれ、カラー画像に求められるグロスが低下
し、OHT透過性も悪化する。
【0041】更に、該トナー中の3価以上の多価カルボ
ン酸単量体mol%と該有機金属化合物のトナー中の重
量%が 2≦(多価カルボン酸単量体mol%)×(有機金属化
合物のトナー中の重量%)≦50 を満足しない場合も、カラー画像に要求されるグロスと
非オフセット領域の両立が不具合となる。
【0042】〔各分子量成分の分取〕本発明において、
該結着樹脂の各分子量成分の分取は、以下の方法により
得ることができる。
【0043】「装置構成」 LC−908(日本分析工業株式会社製) JRS−86(同社;リピートインジェクタ) JAR−2(同社;オートサンプラー) FC−201(ギルソン社;フラクッションコレクタ) 「カラム構成」 JAIGEL−1H〜5H(20φ×600mm:分取
カラム) 「測定条件」 温度:40℃ 溶媒:THF 流量:5ml/min 検出器:RI
【0044】試料は予め重合体成分以外の添加剤を分離
しておく。分取方法としては、分子量が1万、5万にな
る溶媒時間を予め測定し、その前後で試料を分取する。
分取したサンプルから溶媒を除去し、3価以上の多価カ
ルボン酸と炭素数5〜30の飽和もしくは不飽和の脂肪
族炭化水素基を有する成分の組成分析の試料とする。
【0045】「結着樹脂の組成分析」上記分取カラムに
よって得られたサンプルを6NのNaOHで加水分解
し、エーテルで抽出後、各サンプルのメチル化を行い、
GC/MSによりトリメリット酸、ドデセニルこはく酸
を同定し、GCのピーク面積値により各々の量を求め
た。
【0046】本発明に使用される有機金属化合物とは、
例えば有機金属錯体、金属塩、キレート化合物であり、
モノアゾ金属錯体、アセチルアセトン金属錯体、サルチ
ル酸金属錯体、アルキルサルチル酸金属錯体、ジアルキ
ルサルチル酸金属錯体、オキシナフトエ酸金属錯体、ヒ
ドロキシカルボン酸金属錯体、ポリカルボン酸の金属塩
などが挙げられる。有機金属錯体、金属塩、キレート化
合物を構成する金属元素としては、クロム、鉄、亜鉛、
アルミ、ジルコニウム等が挙げられ、黒トナーの場合
は、無色・有色問わず使用可能であるが、カラートナー
では、トナーの色調に影響を与えない無色または淡色の
ものが好ましい。
【0047】本発明者らは、本発明に使用される有機金
属化合物として、ジルコニウムの錯化合物或いは芳香族
酸塩と上記の樹脂構成とを組み合わせて用いることで、
低温定着性に優れ、トナー帯電の立ち上がりの良さを保
持しつつ、高湿環境下においても高い帯電量を得、低湿
環境下においても帯電過剰となることのないトナーを得
ることが出来ることを見出した。
【0048】本発明の有機ジルコニウム化合物はジルコ
ニウムイオンが八配位しやすいことと、カルボキシル
基,水酸基などの酸素が配位し易いことなどから、ジル
コニウムイオンにカルボキシル基,水酸基などが配位す
る機会が多くなる。従って、有機ジルコニウム化合物の
結着樹脂中へのなじみが良く、分散性に優れた性質と、
本発明構成を有した樹脂を用いることにより、トナー粒
子中からの脱落を防ぎ、帯電均一化と帯電の耐久安定性
が得られる。
【0049】また、本発明の金属架橋性をコントロール
された樹脂におけるカルボキシル基,水酸基のジルコニ
ウムイオンヘの配位を介し、ポリマー鎖の架橋をより効
果的に施すことが出来るため、本発明の目的であるゴム
弾性のコントロール、粘性のコントロールすることが容
易となる。また、離型性に優れ、定着部材の汚れを効果
的に防止でき、フルカラーオイルレス定着を達成でき
る。
【0050】更に、本発明で使用可能な有機ジルコニウ
ム化合物は、本発明の樹脂中での他の材料(顔料、染
料、ワックス等)の分散を向上させることにより、帯電
均一化並びに帯電の耐久安定性が得られる。その上、ト
ナーの透明性への影響が小さくなり、カラートナーにと
って鮮やかな色彩を表現するのに好ましいものとなる。
【0051】これら有機ジルコニウム化合物の含有量は
結着樹脂100重量部に対し0.1〜10重量部、より
好ましくは0.5〜6重量部の範囲で用いるのが効果的
であり、従来の技術で述べたような公知の電荷制御剤と
組み合わせて使用することもできる。
【0052】本発明においては、有機金属化合物として
芳香族ジオール,芳香族ヒドロキシカルボン酸,芳香族
ポリカルボン酸のジルコニウム錯体あるいはジルコニウ
ム錯塩を含有するトナーによって、本発明の目的をより
高度に達成可能である。
【0053】本発明の有機金属化合物として好ましく用
いられるジルコニウム化合物は、配位子として、芳香族
ジオール,芳香族ヒドロキシカルボン酸,芳香族ポリカ
ルボン酸を2〜4個キレート形成しているジルコニウム
錯体あるいはジルコニウム錯塩であることがより好まし
い。塩の場合は芳香族カルボン酸イオン,芳香族ヒドロ
キシカルボン酸イオン,芳香族ポリカルボン酸イオンを
l〜4個有しているものが好ましく、更には2〜3個有
しているものが好ましい。また、キレート形成数の異な
る錯体,錯塩あるいは配位子の異なる錯体,錯塩であっ
ても良い。更に、酸イオンの数の異なる塩の混合物であ
っても良い。
【0054】本発明中の有機金属化合物として好ましく
用いられるジルコニウム化合物は、配位子として、芳香
族ジオール,芳香族ヒドロキシカルボン酸,芳香族ポリ
カルボン酸を配位しているジルコニウム錯体あるいはジ
ルコニウム錯塩であり、より好ましくは一般式(1)で
表せるジルコニウム錯体あるいはジルコニウム錯塩であ
る。
【0055】
【化1】 一般式(1)において、Arは置換基としてアルキル
基、アリール基、アルアルキル基、シクロアルキル基、
アルケニル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、水酸
基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニ
ル基、アシル基、アシルオキシ基、カルボキシル基、ハ
ロゲン、ニトロ基、シアノ基、アミノ基、アミド基、カ
ルバモイル基を有していてもよい。芳香族残基を表わ
し、X,Yは−0−、−CO−O−を表わし、X,Yは
同じであっても異なっていてもよく、Lは中性配位子、
水、アルコール、アンモニア、アルキルアミン、ピリジ
ンを表わし、C1は1価のカチオン、水素、1価の金属
イオン、アンモニウム、アルキルアンモニウムを表わ
し、C2は2価のカチオン、2価の金属イオンを表し、
nは2、3、4を表わし、mは0、2、4を表わす。各
錯体または錯塩において配位子となる芳香族カルボン酸
類、芳香族ジオール類は同じものであっても異なるもの
であってもよい。またn,mの数の異なる錯化合物の混
合物であっても良い。結着樹脂中への錯体、錯塩の分散
性向上の観点あるいは帯電性向上の観点から、芳香族残
基としては、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン
環、フェナントレン環が好ましく、置換基としてはアル
キル基、カルボキシル基、水酸基が好ましく、Lとして
は水が好ましく、C1としては水素、ナトリウム、カリ
ウム、アンモニウム、アルキルアンモニウムが好まし
い。
【0056】更に好ましい錯体あるいは錯塩は一般式
(2)、(3)、(4)で表わせるジルコニウム錯体ま
たは塩である。
【0057】
【化2】 一般式(2)、(3)、(4)において、Rは水素、ア
ルキル基、アリール基、アルアルキル基、シクロアルキ
ル基、アルケニル基、アルコキシ基、アリールオキシ
基、水酸基、アシルオキシ基、アルコキシカルボニル
基、アリールオキシカルボニル基、アシル基、カルボキ
シル基、ハロゲン、ニトロ基、アミノ基、カルバモイル
基を表わし、相互に連結して脂肪族環、芳香環あるいは
複素環を形成しても良く、この場合この環に置換基Rを
有していても良く、置換基Rは1から8個持っていても
よく、それぞれ同じであっても、異なっていてもよく、
Cは1価のカチオン、水素、アルカリ金属、アンモニウ
ム、アルキルアンモニウムを表わし、1は1〜8の整数
を表わし、nは2、3、4を表わし、mは0、2、4を
表わし、各錯体または錯塩において配位子となる芳香族
カルボン酸類、芳香族ジオール類は同じ物であっても異
なるものであってもよい。またn,mの数の異なる錯化
合物の混合物であっても良い。結着樹脂中への錯体、錯
塩の分散性向上の観点あるいは帯電性向上の観点から、
置換基Rとしてはアルキル基、アルケニル基、カルボキ
シル基、水酸基が好ましく、Cとしては水素、ナトリウ
ム、カリウム、アンモニウム、アルキルアンモニウムが
好ましい。特に好ましいのは、カウンターイオンを有さ
ない、一般式においてn=2の場合のジルコニウム中性
錯体であり、優れた環境安定性が得られ、結着樹脂中へ
の分散性にも優れ、良好な耐久性が得られる。
【0058】本発明に用いられるジルコニワム錯体ある
いは錯塩は、六配位または八配位の錯化合物で、八配位
の中には、配位子が橋かけした複核錯化合物となり示性
式上六配位となる錯化合物がある。このような錯化合物
の構造の代表的なものを、以下の一般化学式(5)〜
(9)でその構造を例示する。以下の構造の中には配位
子Lを持たないものも包含する。
【0059】
【化3】
【0060】
【化4】 本発明に使用される好ましい芳香族カルボン酸のジルコ
ニウム塩を一般式(10)及び(11)で示す。
【0061】
【化5】 一般式(10)、(11)において、Arは置換基とし
てアルキル基、アリール基、アルアルキル基、シクロア
ルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、アリールオキ
シ基、水酸基、アシルオキシ基、アルコキシカルボニル
基、アリールオキシカルボニル基、アシル基、カルボキ
シル基、ハロゲン、ニトロ基、シアノ基、アミノ基、ア
ミド基、カルバモイル基を有していてもよい、芳香族残
基を表わし、A1は1価のアニオン、ハロゲンイオン、
水酸イオン、硝酸イオンを表わし、A2は2価のアニオ
ン、硫酸イオン、リン酸水素イオンを表し、nは1,
2,3又は4を表わす。各金属塩において酸イオンとな
る芳香族カルボン酸類、芳香族ジオール類は同じもので
あっても異なるものであってもよい。また、nの数が異
なる塩の混合物であっても良い。結着樹脂中への金属塩
の分散性向上の観点あるいは帯電性向上の観点から、芳
香族残基としては、ベンゼン環、ナフタレン環、アント
ラセン環、フェナントレン環が好ましく、置換基として
はアルキル基、カルボキシル基、水酸基、アシルオキシ
基が好ましく、一般式(10)ではnが4のもの、一般
式(11)ではnが2のものが好ましい。
【0062】更に好ましい金属塩は一般式(12)、
(13)で表わせるジルコニウム塩である。
【0063】
【化6】 一般式(12)及び(13)において、Rは水素、アル
キル基、アリール基、アルアルキル基、シクロアルキル
基、アルケニル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、
水酸基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカル
ボニル基、アシルオキシ基、アシル基、カルボキシル
基、ハロゲン、ニトロ基、アミノ基、アミド基、カルバ
モイル基を表わし、相互に連結して脂肪族環、芳香環あ
るいは複素環を形成しても良く、この場合この環に置換
基Rを有していても良い、置換基Rは1から8個持って
いてもよく、それぞれ同じであっても、異なっていても
よく、A1は1価のアニオン、ハロゲンイオン、水酸イ
オン、硝酸イオンを表わし、A2は2価のアニオン、硫
酸イオン、リン酸水素イオンを表し、lは1〜8の整数
を表わし、nは1,2,3又は4を表わす。各金属塩に
おいて酸イオンとなる芳香族カルボン酸類、芳香族ジオ
ール類は同じものであっても異なるものであってもよ
い。また、nの数が異なる塩の混合物であっても良い。
結着樹脂中への金属塩の分散性向上の観点あるいは帯電
性向上の観点から、置換基としてはアルキル基、アルケ
ニル基、カルボキシル基、水酸基、アシルオキシ基が好
ましく、一般式(12)ではnが4のもの、一般式(1
3)ではnが2のものが好ましく、優れた環境安定性が
得られ、結着樹脂中への分散性にも優れ、優れた耐久性
が得られる。
【0064】本発明の有機ジルコニウム化合物は、塩化
酸化ジルコニウム、硫酸ジルコニウム、有機酸ジルコニ
ウムなどのジルコニウム化合物を水、アルコール、アル
コール水溶液に溶解し、芳香族カルボン酸、芳香族ジオ
ールおよびこれらのアルカリ金属塩を添加するか、ある
いは芳香族カルボン酸、芳香族ジオールとアルカリ剤を
添加することにより合成される。これらの有機ジルコニ
ウム化合物は、アルコール水溶液などで再結晶し、アル
コール洗浄で精製する。また、錯塩の場合は、生成物を
鉱酸、アルカリ剤、アミン剤で処理することにより種々
のカウンターイオンを持つ錯塩が得られる。本発明にお
いては、ジルコニウム錯塩のカウンターイオンに水素イ
オン、アルカリ金属イオン、アンモニウムイオンなど複
数種有しているものも含む。
【0065】以下に、本発明に用いられる有機ジルコニ
ウム化合物の具体例を挙げるが、ここでは、示性式を示
す。水分子を2〜4個配位しているものも含まれるが、
ここでは水分子の記載を省略する。また、カウンターイ
オンは複数種有するものも含むが、ここでは一番多いカ
ウンターイオンのみを記載する。
【0066】
【化7】
【0067】
【化8】
【0068】
【化9】
【0069】
【化10】
【0070】
【化11】
【0071】
【化12】
【0072】
【化13】
【0073】
【化14】
【0074】
【化15】
【0075】
【化16】
【0076】
【化17】
【0077】
【化18】
【0078】
【化19】
【0079】
【化20】
【0080】
【化21】
【0081】
【化22】
【0082】
【化23】
【0083】
【化24】
【0084】
【化25】
【0085】
【化26】
【0086】
【化27】
【0087】
【化28】
【0088】
【化29】
【0089】
【化30】
【0090】本発明のトナーの酸価は、2〜30mgK
OH/gであることが好ましい。トナーの酸価が2mg
KOH/g未満の場合は有機金属化合物との相互作用に
よる現像安定性や耐久安定効果を十分に発揮しきれなか
ったり、有機金属化合物の分散不良に伴うワックスの分
散不良による低温定着性の悪化が見られる。一方、30
mgKOH/gを超える場合は吸湿性が強くなり、画像
濃度が低下し、カブリが増加する傾向がある。
【0091】本発明において、トナー組成物の重合体成
分全体の酸価は以下の方法により求める。
【0092】(酸価の測定)基本操作はJIS K−0
070に準ずる。
【0093】1)試料は予め重合体成分以外の添加物を
除去して使用するか、重合体以外の成分の酸価、含有量
を予め求めておく。試料の粉砕品0.5〜2.0(g)
を精秤し、重合体成分の重さW(g)とする。
【0094】2)300(ml)のビーカーに試料を入
れ、トルエン/エタノール(4/1)の混合液150
(ml)を加え溶解する。
【0095】3)0.1規定のKOHのメタノール溶液
を用いて、電位差滴定装置を用いて滴定する(例えば、
京都電子株式会社製の電位差滴定装置AT−400(w
inWorkstation)とABP−410電動ビ
ュレットを用いての自動滴定が利用できる。)
【0096】4)この時のKOH溶液の使用量S(m
l)とし、同時にブランクを測定しこの時のKOH溶液
の使用量をB(ml)とする。
【0097】5)次式により酸価を計算する。fはKO
Hのファクターである。
【0098】酸価(mgKOH/g)=((S−B)×
f×5.61)/W
【0099】本発明に用いられる3価以上の多価カルボ
ン酸単量体としては、1,2,4−ベンゼントリカルボ
ン酸、1,3,5−ベンゼントリカルボン酸、1,2,
4−シクロヘキサントリカルボン酸、1,2,4−ナフ
タレントリカルボン酸、2,5,7−ナフタレントリカ
ルボン酸、1,2,4−ブタントリカルボン酸、1,
2,5−ヘキサントリカルボン酸、テトラ(メチレンカ
ルボキシ)メタン、1,3−ジカルボキシル−2−メチ
ル−2−メチレンカルボキシプロパン、1,2,7,8
−オクタンテトラカルボン酸等の多価カルボン酸、これ
らの酸無水物または低級アルキルエステル等が挙げられ
る。
【0100】また、本発明に用いられるポリエステル樹
脂の構成成分としての炭素数5〜30の飽和もしくは不
飽和の脂肪族炭化水素基を有する単量体としては、ポリ
エステル樹脂の骨格にブランチ化されて導入される飽和
もしくは不飽和の脂肪族炭化水素基を有する単量体であ
ることが必要であり、炭素数5〜30の飽和もしくは不
飽和の脂肪族炭化水素基を有する単量体であることが好
ましい。炭素数5〜30の飽和もしくは不飽和の脂肪族
炭化水素基を有する成分は、ポリエステル樹脂を構成す
る2価及び3価以上のモノマーのいずれかに炭素数5〜
30の飽和もしくは不飽和の脂肪族炭化水素基を有する
ものであればよいが、炭素数5〜30の飽和もしくは不
飽和の脂肪族炭化水素基を有する成分で置換された脂肪
族ジカルボン酸類及び/又は炭素数5〜30の飽和もし
くは不飽和の脂肪族炭化水素基を有する成分で置換され
た脂肪族ジオール類の単量体であることがより好まし
い。
【0101】炭素数5〜30の飽和もしくは不飽和の脂
肪族炭化水素基を有する成分で置換された脂肪族ジカル
ボン酸類単量体としては、炭素数5〜30のアルキル基
又はアルケニル基で置換されたこはく酸、アジピン酸、
セバシン酸、アゼライン酸の如きアルキルジカルボン酸
類又はその無水物が好ましく、特に、ドデセニルこはく
酸、オクチルこはく酸及びその無水物が好ましい。
【0102】また、炭素数5〜30の飽和もしくは不飽
和の脂肪族炭化水素基を有する成分で置換された脂肪族
ジオール類単量体としては、n−ドデセニルエチレング
リコール、n−ドデセニルトリエチレングリコール等が
挙げられる。
【0103】また、本発明に用いられる非線状ポリエス
テル樹脂の他の構成成分としては、炭素数5〜30の飽
和もしくは不飽和の脂肪族炭化水素基を有する成分を有
さない2価の酸成分、2価及び/又は3価以上のアルコ
ール成分が用いられる。
【0104】2価の酸成分としては、フタル酸、テレフ
タル酸、イソフタル酸、無水フタル酸などのベンゼンジ
カルボン酸類又はその無水物又はその低級アルキルエス
テル;こはく酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン
酸の如きアルキルジカルボン酸類又はその無水物又はそ
の低級アルキルエステル;フマル酸、マレイン酸、シト
ラコン酸、イタコン酸の如き不飽和ジカルボン酸類又は
その無水物又はその低級アルキルエステル等が挙げられ
る。
【0105】また、2価のアルコール成分としては、エ
チレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブ
タンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタ
ンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリ
コール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサン
ジオール、ネオペンチルグリコール、2−エチル−1,
3−ヘキサンジオール、水素化ビスフェノールA、また
式(イ)で表わされるビスフェノール及びその誘導体;
【0106】
【化31】 (式中、Rはエチレン又はプロピレン基であり、x及び
yはそれぞれ0以上の整数であり、かつ、x+yの平均
値は0〜10である。) また式(ロ)で示されるジオール類;
【0107】
【化32】 (式中、R’はエチレン又はプロピレン基であり、x’
及びy’はそれぞれ0以上の整数であり、かつ、x’+
y’の平均値は0〜10である。)等のジオール類が挙
げられる。
【0108】これらのうち少なくともプロポキシ化及び
/又はエトキシ化したエーテル化ビスフェノールを用い
ることが好ましい。
【0109】脂肪族ジオールとしては、エチレングリコ
ール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコー
ル、テトラエチレングリコール、ペンタエチレングリコ
ール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオ
ール、1,6−ヘキサンジオール、1,2−プロピレン
グリコール、1,3−プロピレングリコール、ジプロピ
レングリコール、ネオペンチルグリコール等が挙げられ
る。
【0110】更に、本発明に用い得る3価以上のアルコ
ール成分としては、例えばソルビトール、1,2,3,
6−ヘキサンテトロール、1,4−ソルビタン、ペンタ
エリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタ
エリスリトール、ショ糖、1,2,4−メタントリオー
ル、グリセリン、2−メチルプロパントリオール、2−
メチル−1,2,4−ブタントリオール、トリメチロー
ルエタン、トリメチロールプロパン、1,3,5−トリ
ヒドロキシメチルベンゼン等が挙げられる。
【0111】本発明のトナーは、ワックスとして、示差
熱分析における吸熱ピークを60℃以上120℃以下に
ひとつ以上有する物質としては、以下のワックス類を挙
げることができる。
【0112】パラフィンワックス、マイクロクリスタリ
ンワックス、ペトロラクタム等の石油系ワックス及びそ
の誘導体、モンタンワックス及びその誘導体、フィッシ
ャートロプシュ法による炭化水素ワックス及びその誘導
体、ポリエチレンに代表されるポリオレフィンワックス
及びその誘導体、カルナバワックス、キャンデリラワッ
クス等天然ワックス及びその誘導体などで、誘導体には
酸化物や、ビニル系モノマーとのブロック共重合物、グ
ラフト変性物を含む。高級脂肪族アルコール、ステアリ
ン酸、パルミチン酸等の脂肪酸、あるいはその化合物、
酸アミド、エステル、ケトン、硬化ヒマシ油及びその誘
導体、植物系ワックス、動物性ワックス等、示差熱分析
における吸熱ピークを60℃以上120℃以下に有する
ものである。
【0113】これらの中でも、示差熱分析における吸熱
ピークを60℃以上120℃以下に有する化合物が、ポ
リオレフィンもしくはフィッシャートロプシュ法による
炭化水素ワックスもしくは石油系ワックスである場合が
本発明においては好ましく、特に好ましくはポリエチレ
ンワックスである。
【0114】更に、本発明で用いるワックスは、DSC
曲線における昇温時のオンセット温度が55〜105℃
にあることが好ましい。このようなワックスを用いるこ
とにより、耐ブロッキング性や定着性に優れたトナーを
得ることができる。
【0115】オンセット温度が55℃未満のものは、比
較的低温からトナー粒子が塑性変化するため耐ブロッキ
ング性に劣ったり、昇温に対して現像性の劣化を生じや
すい。一方、105℃を超える場合には、加熱による塑
性変化の速度が遅くなり耐低温オフセット性や定着性が
劣るようになる。
【0116】また、本発明で用いるワックスはDSC曲
線における昇温時の吸熱ピーク温度(融点;mp)が6
0〜120℃の範囲にあることが好ましい。
【0117】更に、本発明で用いるワックスは数平均分
子量(Mn)が200〜2500、重量平均分子量(M
w)が400〜5000であり、かつMw/Mnが2以
下であることが好ましい。
【0118】上記範囲の分子量を持つことにより、トナ
ーに好ましい熱特性をもたせることができる。すなわ
ち、上記範囲より分子量が小さくなると、熱的影響を過
度に受けやすく、耐ブロッキング性や現像性が劣るよう
になる。上記範囲より分子量が大きくなると、外部から
の熱を効果的に利用できず、優れた定着性,耐オフセッ
ト性を得ることができない。また、Mw/Mnが2より
大きくなると、分子量分布が広いために溶融挙動が熱に
対してシャープでなくなり、良好な定着性と耐オフセッ
ト性を共に満足する領域が得られにくくなる。
【0119】本発明に使用される炭化水素系ワックスの
DSC曲線におけるオンセット温度及びピーク温度は、
示差走査熱量計により測定されるDSC曲線から得るこ
とができる。例えば、測定装置としては、パーキンエル
マー社製のDSC−7が使用できる。
【0120】測定方法は、ASTM D3418−82
に準じて行う。本発明に用いられるDSC曲線は、1回
昇温させ前履歴を取った後、温度測定10℃/min、
温度0〜200℃の範囲で降温させた後、昇温させた時
に測定されるDSC曲線を用いる。
【0121】これら炭化水素系ワックスの含有量は、結
着樹脂100重量部に対し、0.5〜5重量部で用いる
のが効果的であり、悪影響を与えない限り他のワックス
類と併用しても構わない。
【0122】本発明に使用される炭化水素系ワックスの
分子量は以下の方法により測定することができる。
【0123】(GPC測定条件) 装置:GPC−150C(ウォーターズ社) カラム:GMH−HT30cm2連(東ソー社製) 温度:135℃ 溶媒:o−ジクロロベンゼン(0.1%アイオノール添
加) 流速:1.0m1/min 試料:0.15%の試料を0.4ml注入 以上の条件で測定し、試料の分子量算出にあたっては単
分散ポリエステル標準試料により作成した分子量較正曲
線を使用する。さらに、Mark−Houwink粘度
式から導き出される換算式でポリエチレン換算すること
によって算出される。
【0124】更に、本発明においては、カラートナーの
結着樹脂として、THF可溶分及び0乃至25重量%の
THF不溶分を含有し、該THF可溶分のGPC分子量
分布において、1万未満の成分含有量(M1)35〜5
5%、1万〜5万の成分含有量(M2)30〜45%、
5万〜50万の成分含有量(M3)8〜20%、50万
を超えるの成分含有量(M4)2〜12%であって、且
つM1>M2>M3>M4の関係を満足することが好ま
しい。
【0125】該THF可溶分のGPC分子量分布におい
て、1万未満の成分含有量(M1)35〜55%(より
好ましくは35〜50%)、1万〜5万の成分含有量
(M2)30〜45%(より好ましくは30〜40
%)、5万〜50万の成分含有量(M3)8〜20%
(より好ましくは8〜15%)、50万を超える成分含
有量(M4)2〜12%(より好ましくは2〜10%)
であり、且つM1>M2>M3>M4の関係を満たさな
い場合、カラートナーに求められる低温定着性、グロ
ス、OHT透過性と耐オフセット性の両立が十分でなく
なる。THF不溶分が25%を超え、M4が12を超え
る場合、低温定着性が悪化する。また、M1が55%を
超える場合は、非オフセット領域が狭くなる。また、M
1>M2>M3>M4を満たす範囲内で、グロスとOH
T透過性のコントロールを行うことができる。
【0126】本発明において、THF不溶分、THF可
溶分のGPC分子量分布は以下の方法に従って測定し
た。
【0127】(トナーのTHF不溶分の測定)本発明の
THF不溶分とは、ソックスレイ抽出法で算出した「ト
ナー中のTHF溶媒に対して不溶性となったポリマー成
分の重量割合」を示す。すなわち、トナーサンプル1.
0gを秤量し(W1g)、円筒濾紙(例えば東洋濾紙製
No.86R)に入れてソックスレイ抽出器にかけ、溶
媒としてTHF200mlを用いて12時間抽出し、溶
媒によって抽出された可溶分をエバポレートした後、1
00℃で一昼夜真空乾燥し、THF可溶な樹脂成分量を
秤量する(W2g)。トナーのTHF不溶分を測定する
場合は、顔料のごとき樹脂成分以外の重量を(W3g)
として下記式から求められる。
【0128】
【数1】
【0129】(トナーのTHF可溶分の分子量分布の測
定)上記ソックスレイ抽出を行なったトナー試料のTH
F可溶分とTHFとを5〜25mg/5mlの濃度比で
混合し室温にて数時間静置のあと十分に振り混ぜ、更に
一昼夜静置する。その後サンプル処理フィルタ(ポアサ
イズ0.4〜0.5μm、例えばマイショリディスクH
−25−2 東ソー社製 エキクロディスク25CR
ゲルマン サイエンスジャパン社製等)を透過させたも
のを測定サンプルとして用いる。
【0130】GPC測定装置においては、40℃のヒー
トチャンバー中でカラムを安定化させ、この温度におけ
るカラムに溶媒としてTHFを1ml/min.の流速
で流し、THF試料溶液を約100ml注入して測定す
る。試料の分子量測定にあったては、試料の有する分子
量分布を数種の単分散ポリスチレン標準試料により作製
された検量線の分子量対数値と溶出時間との関係から算
出する。検量線作成用の標準ポリスチレン試料として
は、例えば東ソー社製、或は昭和電工社製の分子量が1
2〜107程度のものを用い、少なくとも10点程度の
標準ポリスチレン試料を用いるのが適当である。検出器
には、IR(屈折率)検出器を用いる。カラムとして
は、市販のポリスチレンジェルカラムを数本組み合わせ
るのが好ましく、昭和電工社製のShodex GPC
KF−801,802,803,804,805,8
06,807,808,800Pの組み合わせや、東ソ
ー社製のTSKgel G1000H(HXL),G20
00H(HXL),G3000H(HXL),G4000H
(HXL),G5000H(HXL),G6000H
(HXL),G7000(HXL),TSKguardco
lumnの組み合わせを挙げることができる。一般に、
GPCクロマトグラムの測定では、高分子量側はベース
ラインからクロマトグラムが立ち上がり開始点から測定
を始め、低分子量側は分子量約400まで測定する。
【0131】上記構成で得られるトナー分子量分布、T
HF不溶分(ゲル分)量を限定し、このトナーの樹脂構
成の溶融挙動とよりあったワックスの融点、その融点で
よりシャープな融解性を要求するために、ワックス成分
の分子量分布を限定選択することによって、特にフルカ
ラー定着に求められる低温定着性、OHT透過性を損な
うことなく耐オフセット性能を付与でき、オイルレスフ
ルカラー定着を達成しうることを見いだした。
【0132】本発明のトナーに使用される結着樹脂は、
本発明に悪影響の無い程度で他の樹脂との併用が可能で
ある。
【0133】例えば、ポリスチレン,ポリ−p−クロル
スチレン,ポリビニルトルエンなどのスチレンおよびそ
の置換体の単重合体;スチレン−p−クロルスチレン共
重合体,スチレン−ビニルトルエン共重合体,スチレン
−ビニルナフタリン共重合体,スチレン−アクリル酸エ
ステル共重合体,スチレン−メタクリル酸エステル共重
合体,スチレン−α−クロルメタクリル酸メチル共重合
体,スチレン−アクリロニトリル共重合体,スチレン−
ビニルメチルエーテル共重合体,スチレン−ビニルエチ
ルエーテル共重合体,スチレン−ビニルメチルケトン共
重合体,スチレン−ブタジエン共重合体,スチレン−イ
ソプレン共重合体,スチレン−アクリロニトリル−イン
デン共重合体などのスチレン系共重合体;ポリ塩化ビニ
ル,フェノール樹脂,天然変性フェノール樹脂,天然樹
脂変性マレイン酸樹脂,アクリル樹脂,メタクリル樹
脂,ポリ酢酸ビニール,シリコーン樹脂,ポリエステル
樹脂,ポリウレタン,ポリアミド樹脂,フラン樹脂,エ
ポキシ樹脂,キシレン樹脂,ポリビニルブチラール,テ
ルペン樹脂,クマロンインデン樹脂,石油系樹脂などが
使用できる。好ましい結着物質としては、スチレン系共
重合体がある。
【0134】スチレン系共重合体のスチレンモノマーに
対するコモノマーとしては、例えば、アクリル酸,アク
リル酸メチル,アクリル酸エチル,アクリル酸ブチル,
アクリル酸ドデシル,アクリル酸オクチル,アクリル酸
−2−エチルヘキシル,アクリル酸フェニル,メタクリ
ル酸,メタクリル酸メチル,メタクリル酸エチル,メタ
クリル酸ブチル,メタクリル酸オクチル,アクリロニト
リル,メタクリロニトリル,アクリルアミドなどのよう
な二重結合を有するモノカルボン酸もしくはその置換
体;例えば、マレイン酸,マレイン酸ブチル,マレイン
酸メチル,マレイン酸ジメチルなどのような二重結合を
有するジカルボン酸およびその置換体;例えば塩化ビニ
ル,酢酸ビニル,安息香酸ビニルなどのようなビニルエ
ステル類;例えばエチレン,プロピレン,ブチレンなど
のようなエチレン系オレフィン類;例えばビニルメチル
ケトン,ビニルヘキシルケトンなどのようなビニルケト
ン類;例えばビニルメチルエーテル,ビニルエチルエー
テル,ビニルイソブチルエーテルなどのようなビニルエ
ーテル類;等のビニル単量体が単独もしくは2つ以上用
いられる。
【0135】本発明に係る樹脂組成物は、保存性の観点
から、ガラス転移温度(Tg)が45〜75℃、好まし
くは50〜70℃であり、Tgが45℃より低いと高温
雰囲気下でトナーが劣化し易く、定着時にオフセットが
発生し易くなる。また、Tgが75℃を超えると、定着
性が低下する傾向にある。
【0136】本発明に用いられる有彩色の着色剤として
は、従来公知の着色剤が適用できるが、シアントナーは
銅フタロシアニン系の有機顔料を含有しており、マゼン
タトナーはキナクリドン系の有機顔料を含有しており、
イエロートナーはジアラーリド系の有機顔料を含有して
いる場合、良好な帯電性、良好なトナーの流動性、及び
良好な分光反射特性が得られるので好ましい。
【0137】銅フタロシアニン系の有機顔料としては、
C.I.ピグメントブルー15;15:1;15:2;
15:3;15:4が挙げられる。さらに式(ハ)で示
される構造を有するフタロシアニン骨格にフタルイミド
メチル基を1〜5個置換したフタロシアニン顔料が挙げ
られる。他の置換基のついた銅フタロシアニン系の顔料
であっても良い。
【0138】
【化33】
【0139】その含有量としては、結着樹脂100重量
部に対して0.1〜12重量部であり、好ましくは0.
5〜10重量部、より好ましくは1〜8重量部が良い。
12重量部を上回るとシアントナーの彩度、明度が低下
し、色再現能力が低下する。
【0140】キナクリドン系の有機顔料としては、C.
I.ピグメントレッド122が好ましく、C.I.ピグ
メントレッド192,202,206,207,209
も好ましい。さらにC.I.ピグメントバイオレット1
9も好ましい。C.I.ピグメントレッド122をベー
ス顔料として、他の着色剤と併用しても良い。その際用
いられる顔料としては、C.I.ピグメントレッド1,
2,3,4,5,6,7,8,9,10,11,12,
13,14,15,16,17,18,19,21,2
2,23,30,31,32,37,38,39,4
0,41,48,49,50,51,52,53,5
4,55,57,58,60,63,64,68,8
1,83,87,88,89,90,112,114,
123,146,150,163,184,185,2
38;C.I.ピグメントバイオレット19;C.I.
バットレッド1,2,10,13,15,23,29,
35等が挙げられる。キサンテン系染料に代表される様
な染料を一部併用しても良い。
【0141】その含有量は結着樹脂100重量部に対し
て、0.1〜15重量部であり、好ましくは1〜12重
量部、より好ましくは1〜10重量部である。他の染顔
料と併用する場合であっても、他の染顔料は、キナクリ
ドン系顔料100重量部に対して50重量部以下、好ま
しくは25重量部以下が良い。
【0142】ジアリーリド系の有機顔料としては、C.
I.ピグメントイエロー12,13,14,17,8
1,106,113が好ましく、さらに、C.I.ピグ
メントイエロー55,63,83,87,90,11
4,121,124,126,127,136,15
2,170,171,172,174,176,188
であっても良い。
【0143】さらに、C.I.ピグメントイエロー1
2,13,14,17,81をベース顔料として、他の
イエロー着色剤と併用しても良く、イエロー系の染料と
一部併用しても特に何ら構ない。
【0144】その含有量は、結着樹脂100重量部に対
して0.1〜12重量部であり、好ましくは0.5〜1
0重量部、より好ましくは1〜8重量部が良い。
【0145】本発明のトナーは黒トナーとして磁性体を
含有しても構わない。磁性体としては、マグネタイト,
マグヘマタイト,フェライト等の酸化鉄;鉄,コバル
ト,ニッケルのような金属あるいはこれらの金属とアル
ミニウム,コバルト,銅,鉛,マグネシウム,マンガ
ン,セレン,チタン,タングステン,バナジウムのよう
な金属の合金及びその混合物が用いられ、その磁性体表
面あるいは内部に非鉄元素を含有するものが好ましい。
【0146】これら磁性体は、異種元素を含有するマグ
ネタイト,マグヘマイト,フェライト等の磁性酸化鉄及
びその混合物が好ましく用いられる。中でもリチウム,
ベリリウム,ボロン,マグネシウム,アルミニウム,シ
リコン,リン,ゲルマニウム,チタン,ジルコニウム,
錫,鉛,亜鉛,カルシウム,バリウム,スカンジウム,
バナジウム,クロム,マンガン,コバルト,銅,ニッケ
ル,ガリウム,カドミウム,インジウム,銀,パラジウ
ム,金,水銀,白金,タングステン,モリブデン,ニオ
ブ,オスミウム,ストロンチウム,イットリウム,テク
ネチウム,ルテニウム,ロジウム,ビスマスから選ばれ
る少なくとも一つ以上の元素を含有する磁性酸化鉄であ
ることが好ましい。特にリチウム,ベリリウム,ボロ
ン,マグネシウム,アルミニウム,シリコン,リン,ゲ
ルマニウム,ジルコニウム,錫,第4周期の遷移金属元
素が好ましい元素である。これらの元素は酸化鉄結晶格
子の中に取り込まれても良いし、酸化物として酸化鉄中
に取り込まれても良いし、表面に酸化物あるいは水酸化
物として存在しても良い。また、酸化物として含有され
ているのが好ましい形態である。
【0147】また、これらの磁性体は粒度分布が揃い、
その結着樹脂への分散性とあいまって、トナーの帯電性
を安定化することが出来る。近年はトナー粒径の小径化
が進んでおり、重量平均粒径10μm以下のような場合
でも、帯電均一性が促進され、トナーの凝集性も軽減さ
れ、画像濃度の向上,カブリの改善等現像性が向上す
る。特に重量平均粒径6.0μm以下のトナーにおいて
はその効果は顕著であり、きわめて高精細な画像が得ら
れる。重量平均粒径は2.5μm以上である方が十分な
画像濃度が得られて好ましい。
【0148】これらの異種元素の含有率は磁性酸化鉄の
鉄元素を基準として0.05〜10重量%であることが
好ましい。更に好ましくは0.1〜7重量%であり、特
に好ましくは0.2〜5重量%、更には0.3〜4重量
%である。0.05重量%より少ないと、これら元素の
含有効果が得られなく、良好な分散性,帯電均一性が得
られなくなる。また、10重量%より多くなると、電荷
の放出が多くなり帯電不足を生じ、画像濃度が低くなっ
たり、カブリが増加することがある。
【0149】これら磁性体中の異種元素の含有分布にお
いては、磁性体の表面に近い方に多く存在しているもの
が好ましい。例えば、磁性酸化鉄の鉄元素溶解率が20
重量%までに存在する異種元素の含有量Bと該磁性酸化
鉄の異種元素の全含有量Aとの比(B/A)×100が
40%以上であることが好ましい。さらには40〜80
%が好ましく60〜80%が特に好ましい。表面存在量
を多くすることにより分散効果や電気的拡散効果をより
向上させることが出来る。また、トナー中に含有される
量としては樹脂成分100重量部に対して20〜200
重量部、特に好ましくは樹脂成分100重量部に対して
40〜150重量部がより良い。
【0150】更に、これら磁性酸化鉄の球形度(Ψ)が
0.8以上であることが好ましい。球形度(Ψ)が0.
8より小さい場合には磁性酸化鉄の個々の粒子が、面と
面で接触する形となり、粒径0.1〜1.0μm付近の
小さな磁性酸化鉄粒子では機械的せん断力をもってして
も容易に磁性酸化鉄同士を引き離すことが出来ず、その
ためトナー中への磁性酸化鉄の分散が十分に行えない場
合がある。
【0151】また、本発明の磁性トナーに用いる磁性酸
化鉄は、シランカップリング剤、チタンカップリング
剤、チタネート、アミノシラン等で処理しても良い。
【0152】本発明の磁性酸化鉄中の元素量は、蛍光X
線分析装置SYSTEM3080(理学電機工業(株)
社製)を使用し、JIS K0119蛍光X線分析通則
に従って、蛍光X線分析を行うことにより測定した。元
素分布については、塩酸溶解しながらの元素量をプラズ
マ発光分光(ICP)により測定定量し、各元素の全溶
時の濃度に対する各溶解時の各元素濃度からその溶解率
を求めた。
【0153】本発明のトナーにおいては、必要に応じ
て、滑剤としての脂肪酸金属塩(例えばステアリン酸亜
鉛、ステアリン酸アルミ)、フッ素含有重合体微粉末
(例えばポリテトラフルオロエチレン、ポリビニリデン
フルオライド或いはテトラフルオロエチレン−ビニリデ
ンフルオライド共重合体の微粉末)、或いは酸化スズ及
び酸化亜鉛の如き導電性付与剤を添加してもよい。
【0154】また、本発明のトナーには、無機微粉体ま
たは疎水性無機微粉体が混合されることが好ましい。例
えば、シリカ微粉末、アルミナ微粉末、酸化チタン微粉
末を添加して用いることがより好ましい。
【0155】本発明に用いられるシリカ微粉体は、ケイ
素ハロゲン化合物の蒸気相酸化により生成されたいわゆ
る乾式法またはヒュームドシリカと称される乾式シリカ
及び水ガラス等から製造されるいわゆる湿式シリカの両
方が使用可能であるが、表面及び内部にあるシラノール
基が少なく、製造残滓のない乾式シリカの方が好まし
い。
【0156】さらに本発明に用いるシリカ微粉体等は疎
水化処理されているものが好ましい。疎水化処理するに
は、シリカ微粉体と反応あるいは物理吸着する有機ケイ
素化合物などで化学的に処理することによって付与され
る。好ましい方法としては、ケイ素ハロゲン化合物の蒸
気相酸化により生成された乾式シリカ微粉体をシランカ
ップリング剤で処理した後、あるいはシランカップリン
グ剤で処理すると同時にシリコーンオイルの如き有機ケ
イ素化合物で処理する方法が挙げられる。
【0157】疎水化処理に使用されるシランカップリン
グ剤としては、例えばヘキサメチルジシラザン、トリメ
チルシラン、トリメチルクロルシラン、トリメチルエト
キシシラン、ジメチルジクロルシラン、メチルトリクロ
ルシラン、アリルジメチルクロルシラン、アリルフェニ
ルジクロルシラン、ベンジルジメチルクロルシラン、ブ
ロムメチルジメチルクロルシラン、α−クロルエチルト
リクロルシラン、β−クロルエチルトリクロルシラン、
クロルメチルジメチルクロルシラン、トリオルガノシラ
ンメルカプタン、トリメチルシリルメルカプタン、トリ
オルガノシリルアクリレート、ビニルジメチルアセトキ
シシラン、ジメチルエトキシシラン、ジメチルジメトキ
シシラン、ジフェニルジエトキシシラン、ヘキサメチル
ジシロキサン、1,3−ジビニルテトラメチルジシロキ
サン、1,3−ジフェニルテトラメチルジシロキサンが
挙げられる。
【0158】有機ケイ素化合物としては、シリコーンオ
イルが挙げられる。好ましいシリコーンオイルとして
は、25℃における粘度がおよそ30〜1,000セン
チストークスのものが用いられ、例えばジメチルシリコ
ーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル、α−メ
チルスチレン変性シリコーンオイル、クロルフェニルシ
リコーンオイル、フッ素変性シリコーンオイル等が好ま
しい。
【0159】シリコーンオイル処理の方法は、例えばシ
ランカップリング剤で処理されたシリカ微粉体とシリコ
ーンオイルとをヘンシェルミキサー等の混合機を用いて
直接混合しても良いし、ベースとなるシリカヘシリコー
ンオイルを噴射する方法によっても良い。あるいは適当
な溶剤にシリコーンオイルを溶解あるいは分散せしめた
後、ベースのシリカ微粉体とを混合し、溶剤を除去して
作製しても良い。
【0160】本発明中のトナーには、必要に応じて上記
無機微粉体以外の外部添加剤を添加してもよい。
【0161】例えば帯電補助剤、導電性付与剤、流動性
付与剤、ケーキング防止剤、熱ロール定着時の離型剤、
滑剤、研磨剤等の働きをする樹脂微粒子や無機微粒子で
ある。
【0162】例えばテフロン(登録商標),ステアリン
酸亜鉛,ポリ弗化ビニリデンの如き滑剤、中でもポリ弗
化ビニリデンが好ましい。或いは酸化セリウム,炭化ケ
イ素,チタン酸ストロンチウム等の研磨剤、中でもチタ
ン酸ストロンチウムが好ましい。或いは例えば酸化チタ
ン,酸化アルミニウム等の流動性付与剤、中でも特に疎
水性のものが好ましい。ケーキング防止剤、或いは例え
ばカーボンブラック,酸化亜鉛,酸化アンチモン,酸化
スズ等の導電性付与剤、また逆極性の白色微粒子及び黒
色微粒子を現像性向上剤として少量用いることもでき
る。
【0163】トナーと混合される無機微粉体または疎水
性無機微粉体は、トナー100重量部に対して0.1〜
5重量部(好ましくは、0.1〜3重量部)使用するの
が良い。
【0164】本発明に係るトナーを作製するには、上述
したようなトナー構成材料をボールミル,ヘンシェルミ
キサー等の混合機により十分混合した後、熱ロールニー
ダー,エクストルーダーの熱混練機を用いてよく混練
し、冷却固化後、機械的な粉砕、分級によってトナーを
得る方法が好ましく、本発明に係るトナーを製造するこ
とが出来る。
【0165】一方、本発明の画像形成方法は、記録材上
に重ねられた複数色のカラートナーを、接触加熱及び/
又は加圧する定着部材によって定着することでフルカラ
ー画像を得る画像形成方法において、該トナーとして上
記構成のトナーを用い、該記録材への該トナー画像の定
着時に、定着部材から記録材のトナー画像の定着面に供
給されるシリコーンオイルの記録材単位面積当たりの塗
布量が0乃至1×10-7g/cm2(記録材単位面積当
たりの塗布量)であることを特徴とするものである。
【0166】より好ましくは、該記録材への該トナー画
像の定着時に、該定着部材から該記録材にシリコーンオ
イルを0乃至3×10-8g/cm2(記録材単位面積当
たりの塗布量)であることを特徴とするものである。
【0167】更に好ましくは、該記録材への該トナー画
像の定着時に、該定着部材から該記録材にシリコーンオ
イルを供給せずに定着を行うことが好ましい。
【0168】該記録材への該トナー画像の定着時に、該
定着部材から該記録材にシリコーンオイルを供給する手
段として、例えば、定着部材にシリコーンオイルを塗布
する方法がある。定着部材への塗布形態としては、ウェ
ブ或いはパッドなどオイルを含浸させ供給する簡易な形
態が可能である。また、シリコーンゴムローラーにオイ
ルを含浸させたものでも可能である。
【0169】しかしながら、定着部材が記録材上のトナ
ー画像に接触する表面に離型剤を塗布及び/又は供給す
る補助手段を有さない定着部材であることが、より好ま
しい。離型剤を塗布及び/または供給する補助手段を有
する場合、初期と長期間使用後での離型剤供給量が異な
ることで、得られる画質(例えばオイルのべたつき感な
ど)が変動しやすく、離型剤供給量を一定化するために
は煩雑な離型剤の塗布及び/又は供給機構が必要とな
る。更には、簡易な手段で本発明の如く極少量の離型剤
を塗布しようとする場合、オイルの塗布ムラを生じやす
く、得られる画像上でのオイルの付着ムラは画像品位を
大幅に低下させる。
【0170】本発明の画像形成方法について詳細に説明
する。本発明の画像形成方法は、静電潜像を保持するた
めの潜像保持体を帯電する工程(帯電工程);帯電され
た該潜像保持体に静電潜像を形成する工程(潜像形成工
程);該静電潜像をトナーによって現像し、トナー画像
を形成する工程(現像工程);現像された該トナー画像
を中間転写体を介して又は介さずに記録材に転写する工
程(転写工程);及び転写された該トナー画像を該記録
材に定着する工程(定着工程);を有するものであり、
トナーとして上述の如く本発明中の特定のトナーを用い
るものである。
【0171】帯電工程において、帯電部材としては、コ
ロナ帯電器の如き潜像担持体の表面に非接触で帯電を行
う非接触帯電部材、ブレード、ローラー及びブラシの如
き潜像担持体の表面に接触して帯電を行う接触帯電部
材、ブレード及びローラー如き帯電部材を潜像担持体の
表面に(1mm以下に)近接させて帯電を行う近接帯電
部材のいずれも用いることができるが、帯電時のオゾン
の発生を少なくできることから、接触帯電部材或いは近
接帯電部材を用いることが好ましい。
【0172】接触帯電は、感光体に、ローラー型、ブレ
ード型、ブラシ型、磁気ブラシ型等の電荷供給部材とし
ての帯電部材を接触させ、この接触帯電部材に所定の帯
電バイアスを印加して感光体面を所定の極性・電位に一
様帯電させるものである。コロナ帯電器による帯電処理
との対比において、電源の低電圧化が図れ、オゾンの発
生量が少ない、低電力化等の長所を有している。この中
でも特に接触帯電部材として導電ローラー(帯電ローラ
ー)を用いたローラー帯電方式が帯電の安定性という点
から好ましく用いられている。
【0173】具体的には、帯電は帯電部材から被帯電体
への放電によって行なわれるため、ある閾値電圧以上の
電圧を印加することによって帯電が開始される。例を示
すと、ある有機感光体に対して帯電ローラーを加圧当接
させた場合には、約640V以上の電圧を印加すれば感
光体の表面電位が上昇を始め、それ以降は印加電圧に対
して傾き1で線形に感光体表面電位が増加する。以後、
この閾値電圧を放電開始電圧(帯電開始電圧)Vthと
定義する(接触帯電部材に直流電圧を印加して被帯電体
としての像担持体の帯電が開始する場合の接触帯電部材
への印加電圧値)。
【0174】このようにしてDC電圧のみを接触帯電部
材に印加して帯電を行なう方式を「DC帯電方式」と称
す。
【0175】しかし、DC帯電方式においては環境変動
等によって接触帯電部材の抵抗値が変動するため、また
感光体が削れることによって膜厚が変化すると放電開始
電圧Vthが変動するため、感光体の電位を所望の値に
することが難しかった。
【0176】そこで、更なる帯電の均一化を図るために
特開昭63−149669号公報に開示されるように、
所望の被帯電体表面電位Vに相当するDC電圧に2×V
th以上のピーク間電圧を持つ交流電圧成分(AC電圧
成分)を重畳した電圧(交番電圧・脈流電圧・振動電
圧;時間とともに電圧値が周期的に変化する電圧)を接
触帯電部材に印加する「AC帯電方式」が用いられる。
これはAC電圧による電位のならし効果を目的としたも
のであり、被帯電体の電位はAC電圧のピークの中央で
ある電位Vに収束し、環境等の外乱には影響されること
はなく、接触帯電方法として優れた方法である。
【0177】ここで、AC電圧の波形としては、正弦
波、矩形波、三角波等適宜使用可能である。また直流電
源を周期的にオン/オフすることによって形成された矩
形波であってもよい。このようにAC電圧の波形として
は周期的にその電圧値が変化するようなバイアスが使用
できる。
【0178】被帯電体としての像担持体の表面に電荷注
入層(充電層)を具備させ、電圧を印加した接触帯電部
材で電荷注入層に直接に電荷を注入して像担持体面を所
定の極性・電位に帯電させる注入帯電方式もあり、これ
も接触帯電の範疇である。
【0179】近接帯電は、帯電部材は被帯電体面に必ず
しも接触させなくとも帯電部材と被帯電体面との間に、
ギャップ間電圧とパッシェンカーブで決まる放電可能領
域さえ確実に保証されれば、非接触で近接した配設形態
であっても被帯電体の帯電を行なわせることができるこ
とを利用したものである。
【0180】近接帯電は、帯電部材を被帯電体面に対し
て数10〜数100μm程度の僅少な空隙部を存在させ
て非接触に対向配設し、該帯電部材にDC電圧あるいは
DC+AC電圧を印加することで被帯電体面を所定の極
性・電位に一様帯電させるものである。
【0181】近接帯電もコロナ帯電器による帯電処理と
の対比において、電源の低電圧化が図れ、オゾンの発生
量が少ない上、さらに帯電部材が被帯電体に非接触であ
るため被帯電体に損傷を与えないメリットがある。
【0182】潜像担持体としては、アモルファスセレ
ン,硫化カドミウム,酸化亜鉛,有機光導電体,アモル
ファスシリコンの様な光導電絶縁物質層を持つ電子写真
感光体・静電記録誘電体等が例示され、感光体ドラムも
しくは感光ベルト等として用いられる。これらのうち、
潜像担持体としては、アモルファスシリコン感光層又は
有機系感光層を有する感光体が好ましく用いられる。
【0183】有機感光層としては、感光層が電荷発生物
質及び電荷輸送性能を有する物質を同一層に含有する単
一層型でもよく、又は、電荷輸送層と電荷発生層を成分
とする機能分離型感光層であってもよい。導電性基体上
に電荷発生層、次いで電荷輸送層の順で積層されている
構造の積層型感光層は好ましい例のひとつである。
【0184】本発明に用いられる像担持体の好ましい態
様のひとつを以下に説明する。
【0185】導電性基体としては、アルミニウム、ステ
ンレスの如き金属;アルミニウム合金、酸化インジウム
−酸化錫合金による被膜層を有するプラスチック;導電
性粒子を含浸させた紙、プラスチック、導電性ポリマー
を有するプラスチック等の円筒状シリンダー及びフィル
ムが用いられる。すなわち、導電材料をそのままドラム
形状或いはベルト等のフィルム形状に成形加工してもよ
いし、塗料として、或いは蒸着、エッチング、プラズマ
処理等によって加工してもよい。
【0186】これら導電性基体上には、感光層の接着性
向上、塗工性改良、基体の保護、基体上の欠陥の被覆、
基体からの電荷注入性改良、感光層の電気的破壊に対す
る保護を目的として下引き層を設けても良い。下引き層
は、ポリビニルアルコール、ポリ−N−ビニルイミダゾ
ール、ポリエチレンオキシド、エチルセルロース、メチ
ルセルロース、ニトロセルロース、エチレン−アクリル
酸コポリマー、ポリビニルブチラール、フェノール樹
脂、カゼイン、ポリアミド、共重合ナイロン、ニカワ、
ゼラチン、ポリウレタン、酸化アルミニウム等の材料に
よって形成される。その膜厚は通常0.1〜10μm、
より好ましくは0.1〜3μmが良い。
【0187】電荷発生層は、アゾ系顔料、フタロシアニ
ン系顔料、インジゴ系顔料、ペリレン系顔料、多環キノ
ン系顔料、スクワリリウム色素、ピリリウム塩類、チオ
ピリリウム塩類、トリフェニルメタン系色素の如き有機
化合物又は非晶質シリコンの如き無機物質で形成されて
いる電荷発生物質を適当な結着材に分散し塗工あるいは
蒸着により形成される。結着材としては、広範囲な結着
性樹脂から選択できる。例えば、ポリカーボネート樹
脂、ポリエステル樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポ
リスチレン樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、フェ
ノール樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、酢酸ビニ
ル樹脂等が挙げられる。電荷発生層中に含有される結着
材の量は80重量%以下、好ましくは0〜40重量%が
良い。電荷発生層の膜厚は5μm以下、特には0.05
〜2μmが好ましい。
【0188】電荷輸送層は、電荷の存在下で電荷発生層
から電荷キャリアを受け取り、これを輸送する機能を有
している。電荷輸送層は電荷輸送物質を必要に応じて結
着樹脂と共に溶剤中に溶解し、塗工することによって形
成され、その膜厚は一般的には5〜40μmである。電
荷輸送物質としては、主鎖または側鎖にビフェニレン、
アントラセン、ピレン、フェナントレンの如き構造を有
する多環芳香族化合物、インドール、カルバゾール、オ
キサジアゾール、ピラゾリンの如き含窒素環式化合物、
ヒドラゾン化合物、スチリル化合物、非晶質シリコン等
が挙げられる。
【0189】これら電荷輸送物質を分散させる結着樹脂
としては、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、
ポリメタクリル酸エステル、ポリスチレン樹脂、アクリ
ル樹脂、ポリアミド樹脂の如き樹脂;ポリ−N−ビニル
カルバゾール、ポリビニルアントラセンの如き有機光導
電性ポリマー等が挙げられる。
【0190】また、本発明方法に用いられる有機感光体
の別の様態としては、上述の電荷発生物質及び電荷輪送
能を有する物質を同一層に含有させた感光層を導電性基
体上に形成したもの等も挙げられる。
【0191】また、表面層として、保護層を設けてもよ
い。保護層の樹脂としては、ポリエステル樹脂、ポリカ
ーボネイト樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、フェノ
ール樹脂、あるいはこれらの樹脂を硬化剤で硬化させた
ものが挙げられる。これらは単独あるいは2種以上組み
合わされて用いられる。
【0192】保護層の樹脂中の導電性微粒子を分散して
もよい。導電性微粒子としては、金属又は金属酸化物が
挙げられる。好ましくは、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化
スズ、酸化アンチモン、酸化インジウム、酸化ビスマ
ス、酸化スズ被膜酸化チタン、スズ被膜酸化インジウ
ム、アンチモン被膜酸化スズ、酸化ジルコニウムで形成
されている超微粒子がある。これらは単独で用いても2
種以上を混合して用いても良い。一般的に保護層に粒子
を分散させる場合、分散粒子による入射光の散乱を防ぐ
ために入射光の波長よりも粒子の粒径の方が小さいこと
が好ましい。保護層に分散される導電性粒子又は絶縁性
粒子の粒径としては0.5μm以下であることが好まし
い。保護層中での含有量は、保護層総重量に対して2〜
90重量%が好ましく、5〜80重量%がより好まし
い。保護層の膜厚は、0.1〜10μmが好ましく、1
〜7μmがより好ましい。
【0193】表面層の塗工は、樹脂分散液をスプレーコ
ーティング、ビームコーティングあるいは浸透コーティ
ングすることによつて行うことができる。
【0194】また、表面層に離型性を付与することも好
ましく、この効果により、トナーの転写効率を改良こと
ができる。潜像担持体表面が高分子結着材を主体として
構成される場合、例えば、セレン、アモルファスシリコ
ンの如き無機感光体の上に樹脂を主体とした保護膜を設
ける場合、又は機能分離型有機感光体の電荷輪送層とし
て、電荷輸送剤と樹脂からなる表面層をもつ場合、さら
にその上に保護層を設ける場合に特に有効である。
【0195】表面層に離型性を付与する手段としては、
イ)膜を構成する樹脂自体に表面エネルギーの低いもの
を用いる、ロ)撥水、親油性を付与するような添加剤を
加える、ハ)高い離型性を有する材料を粉体状にして分
散するが挙げられる。イ)の例としては、樹脂の構造中
にフッ素含有基、シリコン含有基を導入することにより
達成し得る。ロ)としては、界面活性剤を添加剤とすれ
ばよい。ハ)としては、フッ素原子を含む化合物(例え
ば、四フッ化エチレン、ポリフッ化ビニリデン、フッ化
カーボン等)の粉体が挙げられる。この中でも特にポリ
4フッ化エチレンが好適である。特に含フッ素樹脂の如
き離型性粉体の最表面層への分散が好適である。
【0196】これらの粉体を表面に含有させるために
は、バインダー樹脂中に該粉体を分散させた層を像担持
体最表面に設けるか、あるいは、元々樹脂を主体として
構成されている有機像担持体であれば、新たに表面層を
設けなくても、最上層に該粉体を分散させれば良い。
【0197】該粉体の表面層への添加量は、表面層総重
量に対して、1〜60重量%、さらには、2〜50重量
%が好ましい。1重量%より少ないと転写効率が改善さ
れず、60重量%を超えると膜の強度が低下したり、像
担持体ヘの入射光量が低下したりするため、好ましくな
い。また、該粉体の粒径については、画質の面から1μ
m以下、より好ましくは0.5μm以下が良い。1μm
より大きいと入射光の散乱によりラインの切れが悪くな
る。
【0198】更に、表面層として、電荷注入層を有する
ことも本発明の画像形成方法の好ましい様態の一つであ
る。
【0199】この電荷注入層の体積抵抗値は、十分な帯
電性と画像流れを起こさないよう1×108〜1×10
15Ωcmであることが好ましく、より好ましくは画像流
れなどの点から、体積抵抗値が1×1010〜1×1015
Ωcm、更に体積抵抗値の環境変動なども考慮すると、
体積抵抗値が1×1010〜1×1014Ωcmのものを用
いるのが望ましい。1×108Ωcm未満では高湿環境
で帯電電荷が表面方向に保持されないため画像流れを生
じ、1×1015Ωcmを超えると帯電部材からの帯電電
荷を十分注入・保持できず、帯電不良を生じる傾向にあ
る。このような機能層を感光体表面に設けることによっ
て、帯電部材から注入された帯電電荷を保持する役割を
果たし、更に光露光時にこの電荷を感光体基体に逃す役
割を果たし、残留電位を低減させる。このような感光体
と注入帯電用の接触帯電部材とを用いる構成をとること
によって、帯電開始電圧Vhが小さく、感光体帯電電位
を帯電部材に印加する電圧のほとんど90%以上までに
帯電させることが可能となる。
【0200】例えば、帯電部材に絶対値で100〜20
00Vの直流電圧を印加した時、電荷注入層を有する電
子写真感光体の帯電電位は印加電圧の80%以上、更に
は90%以上にすることができる。これに対し、従来の
放電を利用した帯電によって得られる感光体の帯電電位
は、印加電圧が放電開始電圧以下ではほとんど0Vであ
り、1000Vの直流電圧でも印加電圧の50%に満た
ない程度の帯電電位しか得られかった。
【0201】電荷注入層は金属蒸着膜などの無機の層、
あるいは導電性微粒子を結着樹脂中に分散させた導電性
微粒子分散層などによって構成され、蒸着膜は蒸着、導
電性微粒子分散膜は浸漬塗工法、スプレー塗工法、ロー
ルコート塗工、及びビーム塗工法などの適当な塗工法に
て塗工することによって形成される。また、絶縁性のバ
インダーに光透過性の高いイオン導電性を持つ樹脂を混
合、もしくは共重合させて構成するもの、または中抵抗
で光導電性のある樹脂単体で構成するものでもよい。導
電性微粒子分散膜の場合、導電性微粒子の添加量は結着
樹脂100重量部に対して2〜250重量部、更には2
〜190重量部であることが好ましい。2重量部未満の
場合には、所望の体積抵抗値を得にくくなり、また25
0重量部を超える場合には膜強度が低下してしまい電荷
注入層が削り取られ易くなり、感光体の寿命が短くなる
傾向になるからであり、また抵抗が低くなってしまい、
潜像電位が流れることによる画像不良を生じ易くなるか
らである。
【0202】電荷注入層の結着樹脂としては、ポリエス
テル樹脂、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、エポ
キシ樹脂、フェノール樹脂、あるいはこれらの樹脂を硬
化剤で硬化させたものが挙げられる。これらは単独ある
いは2種以上組み合わされて用いられる。また、電荷注
入層の結着樹脂は下層の結着樹脂と同じとすることも可
能であるが、この場合には電荷注入層の塗工時に電荷輸
送層の塗工面を乱してしまう可能性があるため、コート
法を特に選択する必要がある。更に、感光層がアモルフ
ァスシリコンである場合は、電荷注入層はSiCである
ことが好ましい。
【0203】また、多量の導電性微粒子を分散させる場
合には、反応性モノマーや反応性オリゴマーに導電性微
粒子等を分散させて、感光体に塗布した後に光や熱によ
って硬化することが好ましい。
【0204】電荷注入層の結着樹脂中に分散させる導電
性微粒子としては、金属又は金属酸化物が挙げられる。
好ましくは、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化スズ、酸化ア
ンチモン、酸化インジウム、酸化ビスマス、酸化スズ被
膜酸化チタン、スズ被膜酸化インジウム、アンチモン被
膜酸化スズ、酸化ジルコニウムの如き超微粒子がある。
これらは単独で用いても2種以上を混合して用いても良
い。電荷注入層に分散される導電性粒子又は絶縁性粒子
の粒径としては0.5μm以下であることが好ましい。
【0205】また、電荷注入層が潤滑性粉体を含有する
ことも好ましい。その理由は、帯電時に感光体と注入帯
電部材の摩擦が低減されるために帯電ニップが拡大し、
帯電特性が向上するためである。特に潤滑性粉体として
は臨界表面張力の低いフッ素系樹脂、シリコーン系樹
脂、またはポリオレフィン系樹脂を用いるのがより望ま
しい。更に好ましくは4フッ化エチレン樹脂(PTF
E)が用いられる。この場合、潤滑性粉体の添加量は、
結着樹脂100重量部に対して2〜50重量部、更には
5〜40重量部が好ましい。2重量部未満では潤滑性粉
体の量が十分ではないために、帯電特性の向上が十分で
なく、また50重量部を超えると、画像の分解能、感光
体の感度が大きく低下してしまうからである。
【0206】電荷注入層の膜厚は0.1〜10μmであ
ることが好ましく、更には1〜7μmであることが好ま
しい。膜厚が0.1μm未満であると微少な傷に対する
耐性がなくなり、結果として注入不良による画像欠陥を
生じ、10μmを超えると注入電荷の拡散により画像が
乱れ易くなってしまう。
【0207】ここで、電荷注入層の体積抵抗値の測定方
法は、表面に導電膜を蒸着させたポリエチレンテレフタ
レート(PET)フィルム上に電荷注入層を作製し、こ
れを体積抵抗測定装置(ヒューレットパッカード社製4
140B pAMATER)にて、23℃,65%の環
境で100Vの電圧を印加して測定するというものであ
る。
【0208】電荷注入層を有さない感光体では、少ない
トラップ点に効率良く電荷注入をしなければならないた
め帯電部材の抵抗値は1×103Ω以下でならず、帯電
部材の抵抗値が1×104Ωcm以下になってしまうと
感光体表面に生じたキズ、ピンホールなどに対して接触
帯電部材から過大なリーク電流が流れ込み、周辺の帯電
不良や、ピンホールの拡大、帯電部材の通電破壊が生じ
るため良好な電荷注入帯電を行うことができなかった。
これに対し、電荷注入層を設けた場合には感光体表面に
電荷を保持できる領域が増加するため、もっと高い抵抗
値の帯電部材を用いても良好な帯電が行える。すなわ
ち、中抵抗の接触帯電部材を用いながら、感光体への電
荷注入帯電効率を向上させる手段として、感光体への電
荷注入を助けるための電荷注入層を感光体表面に設ける
構成が良好な電荷注入帯電を行うには必要である。
【0209】注入帯電の本質的な帯電機構は、帯電部材
表層が感光体表面の電荷注入層に接触することで帯電部
材表層から電荷注入層に電荷注入を行うと考えられる。
従って、帯電部材として要請される特性は、該電荷注入
層表面に十分な密度と、電荷の移動にかかる適正な抵抗
を持つことである。
【0210】中抵抗の接触帯電部材で、中抵抗の表面抵
抗を持つ感光体表面に電荷注入を行うものであるが、好
ましくは感光体表面材質の持つトラップ電位に電荷を注
入するものではなく、光透過性で絶縁性の結着樹脂に導
電性微粒子を分散した電荷注入層の導電性微粒子に電荷
を充電して帯電を行う。
【0211】具体的には、電荷輸送層を誘電体、アルミ
ニウム支持体と電荷注入層内の導電性微粒子を両電極板
とする微小なコンデンサーに、接触帯電部材で電荷を充
電する理論に基づくものである。この際、導電性微粒子
は互いに電気的には独立であり、一種の微小なフロート
電極を形成している。このため、マクロ的には感光体表
面は均一電位に充電、帯電されているように見えるが、
実際には微小な無数の充電された導電性微粒子が感光体
表面を覆っているような状況となっている。このため、
画像露光を行ってもそれぞれの導電性微粒子は電気的に
独立なため、静電潜像を保持することが可能になる。
【0212】従って、従来の通常感光体表面に少ないな
がらも存在していたトラップ準位を導電性微粒子で代用
することで、電荷注入性、電荷保持性が向上するのであ
る。
【0213】注入帯電における帯電部材の抵抗値は、注
入帯電性と上述の耐ピンホールリーク性から1×104
〜1×107Ωcmであることが好ましい。
【0214】注入帯電部材の形状は、ブレード状、ブラ
シ状でもよいが、周速差を適性に設定する上では、回転
可能なローラー状、ベルト状、ブラシローラー状(ブラ
シロール)が有利と考えられる。
【0215】ローラー状の接触帯電部材としては、材質
としては、例えば、ローラーの場合は、例えば特開平1
−211799号公報などに開示があるが、導電性基体
として、鉄、銅、ステンレスなどの金属、カーボン分散
樹脂、金属あるいは、金属酸化物分散樹脂などが使用で
きる。弾性ローラーの構成としては、導電性基体上に弾
性層、導電層、抵抗層を設けたものが用いられ、ローラ
ー弾性層としては、クロロプレンゴム、イソプレンゴ
ム、EPDMゴム、ポリウレタンゴム、エポキシゴム、
ブチルゴムなどのゴムまたはスポンジや、スチレン−ブ
タジエンサーモプラスチックエラストマー、ポリウレタ
ン系サーモプラスチックエラストマー、ポリエステル系
サーモプラスチックエラストマー、エチレン−酢ビサー
モプラスチックエラストマーなどのサーモプラスチック
エラストマーなどで形成することができ、導電層として
は、体積抵抗率が107Ωcm以下、望ましくは106Ω
cm以下である。例えば、金属蒸着膜、導電性粒子分散
樹脂、導電性樹脂などが用いられ、具体例として、金属
蒸着膜としては、アルミニウム、インジウム、ニッケ
ル、銅、鉄などの蒸着膜が挙げられ、導電性粒子分散樹
脂の例としては、カーボン、アルミニウム、ニッケル、
酸化チタンなどの導電性粒子をウレタン、ポリエステ
ル、酢酸ビニル−塩化ビニル共重合体ポリメタクリル酸
メチルなどの樹脂中に分散したものなどが挙げられる。
導電性樹脂としては、4級アンモニウム塩含有ポリメタ
クリル酸メチル、ポリビニルアニリン、ポリビニルピロ
ール、ポリジアセチレン、ポリエチレンイミンなどが挙
げられる。抵抗層は、例えば、体積抵抗率が106〜1
12Ωcmの層であり、半導性樹脂、導電性粒子分散絶
縁樹脂などを用いることができる。半導性樹脂として
は、エチルセルロース、ニトロセルロース、メトキシメ
チル化ナイロン、エトキシメチル化ナイロン、共重合ナ
イロン、ポリビニルヒドリン、カゼインなどの樹脂が用
いられる。導電性粒子分散樹脂の例としては、カーボ
ン、アルミニウム、酸化インジウム、酸化チタンなどの
導電性粒子をウレタン、ポリエステル、酢酸ビニル−塩
化ビニル共重合体、ポリメタクリル酸メチルなどの絶縁
性樹脂中に少量分散したものなどが挙げられる。
【0216】また、接触帯電部材が感光体に対して周速
差をもって移動することが好ましい。接触帯電部材の周
速表面の移動速度と該感光体表面移動速度が異なるよう
にすることにより、帯電安定性を長期間にわたり得なが
ら、感光体の高寿命を保ちつつ、かつ帯電ローラの高寿
命を同時に達成することが可能であり、帯電の高安定
化、画像形成システムの高寿命化が達成できる。すなわ
ち、接触帯電部材の表面にはトナーが付着しやすく、こ
の付着トナーが帯電を阻害する傾向にあり、感光体表面
移動速度と接触帯電部材表面移動速度を異ならせること
により、同一感光体表面に対し実質的により多くの接触
帯電部材表面を供給できるために帯電阻害に対し効果を
得る。つまり、トナーが帯電部位に来た場合、感光体と
の付着力の小さいトナーは電界によって帯電部材の方へ
移動し、帯電部材表面の抵抗が局所的に変化するため、
放電経路が遮断されて、感光体表面に電位がのりにくく
なり、その結果帯電不良を発生させるという問題点を効
果的に解消する。
【0217】潜像形成工程においては、画像露光手段と
して、レーザー及びLEDの如き公知の手段が用いられ
る。近年の高解像性、高画質への要求を鑑みて、より小
さなスポット径を露光できる手段が好ましく、パワーの
面からレーザーが特に好ましく用いられる。
【0218】現像工程において、静電潜像を現像するた
めの現像手段としては、トナーのみよりなる一成分系現
像剤を用いる一成分系現像方式及びトナー及びキャリア
よりなる二成分系現像剤を用いる二成分系現像方式を用
いることができる。
【0219】一成分系現像剤として、磁性体をトナー中
に含有せしめた磁性トナーの場合に、現像スリーブ中に
内蔵せしめたマグネットを利用し、磁性トナーを搬送及
び帯電せしめる方法がある。更に、一成分系現像剤とし
て、磁性体を合有しない非磁性トナーを用いる場合に
は、ブレード及びファーブラシを用い、現像スリーブに
て強制的に摩擦帯電し現像スリーブ上にトナーを付着せ
しめることで搬送せしめる方法がある。
【0220】次に上記二成分系現像剤を用いた二成分系
現像方式について説明する。
【0221】二成分系現像方式は、トナー及びキャリア
を有する二成分系現像剤を現像剤担持体上で循環搬送
し、潜像担持体とそれに対向する現像剤担持体の現像領
域で潜像担持体に保持されている潜像を該現像剤担持体
上の二成分系現像剤のトナーで現像するものである。
【0222】二成分系現像剤に使用されるキャリアとし
ては、例えば表面酸化または未酸化の鉄、ニッケル、
銅、亜鉛、コバルト、マンガン、クロム及び希土類の如
き磁性金属、それらの磁性合金、それらの磁性酸化物及
びそれらの磁性フェライトからなるグループから選択さ
れる磁性粒子が挙げられる。
【0223】さらには、樹脂中に磁性粉が分散されたバ
インダー型のキャリアも用いることができる。
【0224】キャリアは、上記の磁性粒子のキャリアコ
アの表面を被覆材で被覆した被覆キャリアを用いること
が好ましい。この被覆キャリアにおいて、キャリアコア
の表面を被覆材で被覆する方法としては、被覆材を溶剤
中に溶解もしくは懸濁せしめて塗布しキャリアコアに付
着せしめる方法、あるいは単に粉体状態で混合する方法
が適用できる。
【0225】キャリアコアの被覆材としては、ポリテト
ラフルオロエチレン、モノクロロトリフルオロエチレン
重合体、ポリフッ化ビニリデン、シリコーン樹脂、ポリ
エステル樹脂、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリ
アミド、ポリビニルブチラール、アミノアクリレート樹
脂が挙げられる。これらは、単独或は複数で用いるのが
適当である。
【0226】上記材料の処理量は、適宜決定すれば良い
が、一般には総量でキャリアに対し0.1〜30重量%
(好ましくは0.5〜20重量%)が好ましい。
【0227】本発明に用いられるキャリアは、平均粒径
が好ましくは10〜100μm、より好ましくは20〜
70μmであることが良い。
【0228】キャリアの平均粒径が10μm未満の場合
には、二成分系現像剤のパッキングが強まり、トナーと
キャリアとの混合性が低下し、トナーの帯電性が安定し
にくくなり、さらにキャリアの感光体ドラム表面への付
着が生じやすくなる。
【0229】キャリアの平均粒径が100μmを超える
場合には、トナーとの接触機会が減ることから、低帯電
量のトナーが混在し、カブリが発生しやすくなる。さら
にトナー飛散が生じやすい傾向にあるため二成分系現像
剤中のトナー濃度の設定を低めにする必要があり、高画
像濃度の画像形成ができなくなることがある。
【0230】特に好ましいキャリアとしては、磁性フェ
ライトコア粒子の如き磁性コア粒子の表面をシリコーン
樹脂、フッ素系樹脂、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂
及びメタクリレート系樹脂の如き樹脂を、好ましくは
0.01〜5重量%、より好ましくは0.1〜1重量%
をコーティングし、250メッシュパス・400メッシ
ュオンのキャリア粒子を70重量%以上含有し、かつ上
記平均粒径を有するように粒度分布を調整した磁性キャ
リアであるものが挙げられる。
【0231】上記磁性コートキャリアは粒径分布がシャ
ープな場合、本発明のカラートナーに対し好ましい摩擦
帯電性が得られ、さらに電子写真特性を向上させる効果
がある。
【0232】カラートナーとキャリアとを混合して二成
分系現像剤を調製する場合、その混合比率は現像剤中の
トナー濃度として、2重量%〜15重量%、好ましくは
3重量%〜13重量%、より好ましくは4重量%〜10
重量%にすると通常良好な結果が得られる。トナー濃度
が2重量%未満では画像濃度が低くなりやすく、15重
量%を超える場合ではカブリや機内飛散が生じやすく、
現像剤の耐用寿命が短くなる傾向がある。
【0233】キャリアの磁気特性は現像スリーブに内蔵
されたマグネットローラによって影響され、現像剤の現
像特性及び搬送性に大きく影響を及ぼすものである。
【0234】本発明の画像形成方法においては、現像ス
リーブ(現像剤担持体)とこれに内蔵されたマグネット
ローラのうち、例えばマグネットローラを固定して現像
スリーブを単体で回転し、二成分系現像剤を現像スリー
ブ上で循環搬送し、該二成分系現像剤にて静電潜像担持
体表面に保持された静電潜像を現像するものである。
【0235】本発明の画像形成方法においては、該マ
グネットローラが反発極を有する極構成とし、現像領
域における磁束密度が500〜1200ガウスであり、
現像用キャリアの飽和磁化が20〜50Am2/kg
である場合には、画像の均一性や階調再現性にすぐれ好
適である。
【0236】本発明の画像形成方法においては、現像領
域で現像バイアスを印加して静電潜像を二成分系現像剤
のトナーで現像することが可能である。
【0237】特に好ましい現像バイアスについて以下に
詳述する。
【0238】本発明の画像形成方法においては、潜像担
持体と現像剤担持体の間の現像領域に現像電界を形成す
るため、現像剤担持体に非連続の交流成分を有する現像
電圧を印加することにより、潜像担持体に保持されてい
る潜像を現像剤担持体上の二成分系現像剤のトナーで現
像することが好ましい。この現像電圧は、具体的には、
現像領域で潜像担持体から現像剤担持体にトナーを向か
わせる第1電圧と、現像剤担持体から潜像担持体にトナ
ーを向かわせる第2電圧と、該第1電圧と該第2電圧の
間の第3電圧を現像剤担持体に印加し、潜像担持体と現
像剤担持体との間に現像電界を形成する。
【0239】さらに、前述の潜像担持体から現像剤担持
体にトナーを向かわせる第1電圧と現像剤担持体から潜
像担持体にトナーを向かわせる第2電圧とを現像剤担持
体に印加する合計時間、すなわち、交流成分の作用して
いる時間(T1)よりも、該第1電圧と該第2電圧との
間の第3電圧を現像剤担持体に印加する時間、すなわ
ち、交流成分の休止している時間(T2)を長くするこ
とが、潜像担持体上でトナーを再配列させ潜像に忠実に
再現する目的で特に好ましい。
【0240】具体的には、現像領域で潜像担持体と現像
剤担持体との間に、潜像担持体から現像剤担持体にトナ
ーが向かう電界と現像剤担持体から潜像担持体にトナー
が向かう電界を少なくとも1回形成した後に、潜像担持
体の画像部ではトナーが現像剤担持体から潜像担持体に
向かい、潜像担持体の非画像部では、トナーが潜像担持
体から現像剤担持体に向かう電界を所定時間形成するこ
とにより、潜像担持体に保持されている潜像を現像剤担
持体に担持されている二成分系現像剤のトナーで現像す
るものであり、この潜像担持体から現像剤担持体にトナ
ーが向かう電界と現像剤担持体から潜像担持体にトナー
が向かう電界を形成する合計時間(T1)より潜像担持
体の画像部ではトナーが現像剤担持体から潜像担持体に
向かい、潜像担持体の非画像部では、トナーが潜像担持
体から現像剤担持体に向かう電界を形成する時間
(T2)の方を長くすることが好ましい。
【0241】前述の特定の現像電界、すなわち交番電界
を形成して現像する現像方法で、定期的に交番を休止す
る現像電界を用いて現像を行なった場合に、キャリア付
着がより発生しづらいものである。この理由は、いまだ
明確ではないが以下のように考えられる。
【0242】すなわち、従来の連続的な正弦波あるいは
矩形波においては、高画像濃度を達成しようとして電界
強度を強くすると、トナーとキャリアは一体となって潜
像担持体と現像剤担持体の間を往復運動し、結果として
潜像担持体にキャリアが強く摺擦し、キャリア付着が発
生する。この傾向は微粉キャリアが多い程顕著である。
【0243】しかるに、本発明において特定の交流電界
を印加すると、1パルスではトナーあるいはキャリアが
現像剤担持体と潜像担持体間を往復しきらない往復運動
をするため、その後の潜像担持体の表面電位と現像バイ
アスの直流成分の電位差VcontがVcont<0の場合に
は、Vcontがキャリアを現像剤担持体から飛翔させるよ
うに働くが、キャリアの磁気特性とマグネットローラの
現像領域での磁束密度をコントロールすることによっ
て、キャリア付着は防止でき、Vcont>0の場合には、
磁界の力およびVcontが現像用キャリアを現像剤担持体
側に引きつけるように働き、キャリア付着は発生しな
い。
【0244】キャリアの磁気特性は、現像スリーブに内
蔵されたマグネットローラによって影響され、現像剤の
現像特性及び搬送性に大きく影響を及ぼすものである。
【0245】本発明においては、マグネットローラを内
蔵した現像スリーブ上で、マグネットローラを固定して
現像スリーブを単体で回転し、磁性粒子からなるキャリ
アと絶縁性カラートナーからなる二成分系現像剤を現像
スリーブ上で循環搬送し、核二成分系現像剤にて静電潜
像保持体表面に保持された静電潜像を現像するに際し
て、該マグネットローラが反発極を有する極構成と
し、現像領域における磁束密度を500〜1200ガ
ウスとし、キャリアの飽和磁化が20〜70Am2
kgのとき、カラー複写において画像の均一性や階調再
現性にすぐれ好適である。
【0246】飽和磁化が70Am2/kg(3000エ
ルステッドの印加磁場に対し)を超える場合であると、
現像時に感光体上の静電潜像に対向した現像スリーブ上
のキャリアとトナーにより構成されるブラシ状の穂立ち
が固く締まった状態となり、階調性や中間調の再現が悪
くなる。また、20Am2/kg未満であると、トナー
及びキャリアを現像スリーブ上に良好に保持することが
困難になり、キャリア付着やトナー飛散抑制が悪化する
という問題点が発生しやすくなる。
【0247】転写工程において、転写手段としては、コ
ロナ帯電器、転写ローラまたはベルトが用いられる。更
に、転写工程後に感光体上に存在する転写残りトナーを
感光体表面を利用して、現像部分に搬送し回収再利用す
るに際しては、感光体帯電バイアスを変更することなく
しても、実現可能であるが、実用上、転写紙ジャム時あ
るいは画像比率の高い画像を連続してとるなどした場
合、過剰量がトナー帯電器に混入する場合が考えられ
る。
【0248】この場合、電子写真装置の動作中、感光体
上に画像を形成しない部分を利用して、帯電器から現像
機へとトナーを移動させることが可能である。その画像
形成部分とは、前回転時、後回転時、転写紙間などであ
る。その場合、トナーが帯電器より感光体に移りやすい
ような帯電バイアスに変更することも好ましく用いられ
る。帯電器から出やすいバイアスとしては、交流成分の
ピーク・ピーク間電圧を小さ目にするあるいは直流成分
とする。あるいは、ピーク・ピーク間電圧を同じにし
て、波形を変更して交流実効値をさげる方法などが挙げ
られる。
【0249】転写工程において、記録材としては、
(i)記録紙を用い、潜像担持体上に形成されているト
ナー像をこの記録材上に直接転写することに加えて、
(ii)中間転写体を用い、潜像担持体上に形成されて
いるトナー像をこの中間転写体上に一次転写し、中間転
写体上に転写されたトナー像を中間転写体上から記録材
上ヘ二次転写することも可能である。
【0250】上記の中間転写体を用いて多重トナー像を
記録材に一括転写する画像形成方法を図2をもとに税明
する。
【0251】潜像担持体としての感光体ドラム3に接触
しながら回転する帯電ローラ2により感光ドラム3上に
表面電位を持たせ露光手段1により静電潜像を形成す
る。静電潜像は第1現像器4,第2現像器5,第3現像
器6及び第4現像器7により順次現像されそれぞれトナ
ー像が形成され、このトナー像は一色ごとに中間転写体
11上に多重転写され、多重トナー像が形成される。中
間転写体11はドラム状のものが用いられ、外周面に保
持部材を張設したもの、基材上に導電付与部材、例えば
カーボンブラック,酸化亜鉛,酸化錫,炭化珪素又は酸
化チタンを十分分散させた弾性層(例えばニトリルブタ
ジエンラバー)を有するものが用いられる。ベルト状の
中間転写体を用いても良い。中間転写体の硬度は10〜
50度(JIS K−6301)の弾性層から構成され
ることや、転写ベルトの場合では記録材(記録材)への
転写部でこの硬度を有する弾性層を持つ支持部材で構成
されていることが好ましい。感光体ドラム3から中間転
写体11への転写は、電源13より中間転写体11の芯
金9の上にバイアスを付与することで転写電流が得られ
トナー像の転写が行なわれる。保持部材、ベルトの背面
からのコロナ放電やローラ帯電を利用しても良い。中間
転写体11上の多重トナー像は転写帯電器14により記
録材S上に一括転写される。転写帯電器はコロナ帯電器
や転写ローラ、転写ベルトを用いた接触静電転写手段が
用いられる。
【0252】上記のいずれかの方法によって記録材上に
転写されたトナー像は、定着工程において、加熱及び/
又は加圧により記録材に定着される。
【0253】図1は、本発明の画像形成方法を実施可能
なさらに別の画像形成装置の概略図を示す。
【0254】画像形成装置本体には、第1画像形成ユニ
ットPa、第2画像形成ユニットPb、第3画像形成ユ
ニットPc及び第4画像形成ユニットPdが併設され、
各々異なった色の画像が潜像、現像、転写のプロセスを
経て記録材上に形成される。
【0255】画像形成装置に併設される各画像形成ユニ
ットの構成について第1の画像形成ユニットPaを例に
挙げて説明する。
【0256】第1の画像形成ユニットPaは、潜像担持
体としての30φの電子写真感光体ドラム61aを具備
し、この感光体ドラム61aは矢印a方向へ回転移動さ
れる。62aは帯電手段としての一次帯電器であり、感
光ドラム61aと接触するように16φスリーブに担持
された磁気ブラシ帯電器が用いられている。67aは、
一次帯電器62aにより表面が均一に帯電されている感
光体ドラム61aに静電潜像を形成するための潜像形成
手段としての露光装置である。63aは、感光体ドラム
61a上に担持されている静電潜像を現像してカラート
ナー画像を形成するための現像手段としての現像器であ
りカラートナーを保持している。64aは、感光体ドラ
ム61aの表面に形成されたカラートナー画像を、ベル
ト状の記録材担持体68によって搬送されて来る記録材
の表面に転写するための転写手段としての転写ブレード
であり、この転写ブレード64aは、記録材担持体68
の裏面に当接して転写バイアスを印加し得るものであ
る。
【0257】この第1の画像形成ユニットPaは、一次
帯電器62aによって帯電部において感光体ドラム61
aの感光体を均一に一次帯電した後、露光装置67aに
より感光体に静電潜像を形成し、現像器63aによっ
て、現像部において静電潜像をカラートナーを用いて現
像し、この現像されたトナー画像を第1の転写部(感光
体と記録材の当接位置)で記録材を担持搬送するベルト
状の記録材担持体68の裏面側に当接する転写ブレード
64aから転写バイアスを印加することによって記録材
の表面に転写する。
【0258】この第1の画像形成ユニットPaは、感光
体ドラムの表面に当接して、転写残トナーを感光体ドラ
ムの表面から除去するためのクリーニング部材を転写部
と帯電部との間及び帯電部と現像部との間に有しておら
ず、現像器が感光体上に存在する転写残トナーのクリー
ニングを兼ねる現像兼クリーニング方式を用いている。
【0259】本画像形成装置は、上記のような第1の画
像形成ユニットPaと同様の構成であり、現像器に保有
されるカラートナーの色の異なる第2の画像形成ユニッ
トPb、第3の画像形成ユニットPc、第4の画像形成
ユニットPdの4つの画像形成ユニットを併設するもの
である。例えば、第1の画像形成ユニットPaにイエロ
ートナー、第2の画像形成ユニットPbにマゼンタトナ
ー、第3の画像形成ユニットPcにシアントナー、及び
第4の画像形成ユニットPdにブラックトナーをそれぞ
れ用い、各画像形成ユニットの転写部で各カラートナー
の記録材上への転写が順次行なわれる。この工程で、レ
ジストレーションを合わせつつ、同一記録材上に一回の
記録材の移動で各カラートナーは重ね合わせられ、終了
すると分離帯電器69によって記録材担持体68上から
記録材が分離され、搬送ベルトの如き搬送手段によって
定着器70に送られ、ただ一回の定着によって最終のフ
ルカラー画像が得られる。
【0260】定着器70は、一対の40φの定着ローラ
71と30φの加圧ローラ72を有し、定着ローラ71
は、内部に加熱手段75及び76を有している。73
は、定着ローラ上の汚れを除去するウェッブである。本
発明の場合、73のウェッブ機構はなくてもかまわな
い。
【0261】記録材上に転写された未定着のカラートナ
ー画像は、この定着器70の定着ローラ71と加圧ロー
ラ72との圧接部を通過することにより、熱及び圧力の
作用により記録材上に定着される。
【0262】図1において、記録材担持体68は、無端
のベルト状部材であり、このベルト状部材は、80の駆
動ローラによって矢印e方向に移動するものである。7
9は、転写ベルトクリーニング装置であり、81はベル
ト従動ローラであり、82は、ベルト除電器である。8
3は記録材ホルダー内の記録材を記録材担持体68に搬
送するための一対のレジストローラである。
【0263】転写手段としては、記録材担持体の裏面側
に当接する転写ブレードに代えてローラ状の転写ローラ
の如き記録材担持体の裏面側に当接して転写バイアスを
直接印加可能な接触転写手段を用いることが可能であ
る。
【0264】さらに、上記の接触転写手段に代えて、一
般的に用いられている記録材担持体の裏面側に非接触で
配置されているコロナ帯電器から転写バイアスを印加し
て転写を行う非接触の転写手段を用いることも可能であ
る。
【0265】しかしながら、転写バイアス印加時のオゾ
ンの発生量を制御できる点で接触転写手段を用いること
がより好ましい。
【0266】次に、複数色の画像を画像形成部にて形成
し、これを同一記録材に順次重ねて転写するようにした
画像形成方法を図3をもとに説明する。
【0267】ここでは、第1,第2,第3および第4の
画像形成部29a,29b,29c,29dが並設されてお
り、各画像形成部はそれぞれ専用の静電潜像保持体、い
わゆる感光ドラム19a,19b,19cおよび19dを具
備している。
【0268】感光ドラム19a乃至19dはその外周側に
潜像形成手段23a,23b,23cおよび23d、現像部
17a,17b,17cおよび17d、転写用放電部2
a,24b,24cおよび24d、ならびにクリーニング
部18a,18b,18cおよび18dが配置されている。
【0269】このような構成にて、先ず、第1画像形成
部29aの感光ドラム19a上に潜像形成手段23aによ
って原稿画像における、例えばイエロー成分色の潜像が
形成される。該潜像は現像手段17aのイエロートナー
を有する現像剤で可視画像とされ、転写部24aにて、
記録材Sに転写される。
【0270】上記のようにイエロー画像が記録材Sに転
写されている間に、第2画像形成部29bではマゼンタ
成分色の潜像が感光ドラム19b上に形成され、続いて
現像手段17bのマゼンタトナーを有する現像剤で可視
画像とされる。この可視画像(マゼンタトナー像)は、
上記の第1画像形成部29aでの転写が終了した記録材
Sが転写部24bに搬入されたときに、該記録材Sの所
定位置に重ねて転写される。
【0271】以下、上記と同様な方法により第3,第4
の画像形成部29c,29dによってシアン色,ブラック
色の画像形成が行なわれ、上記同一の記録材Sに、シア
ン色,ブラック色を重ねて転写するのである。このよう
な画像形成プロセスが終了したならば、記録材Sは定着
部22に搬送され、記録材S上の画像を定着する。これ
によって記録材S上には多色画像が得られるのである。
転写が終了した各感光ドラム19a,19b,19cおよ
び19dはクリーニング部18a,18b,18cおよび1
dにより残留トナーを除去され、引き続き行なわれる
次の潜像形成のために供せられる。
【0272】なお、上記画像形成装置では、記録材Sの
搬送のために、搬送ベルト25が用いられており、図3
において、記録材Sは右側から左側への搬送され、その
搬送過程で、各画像形成部29a,29b,29cおよび
29dにおける各転写部24a,24b,24cおよび24
dを通過し、転写をうける。
【0273】この画像形成方法において、記録材を搬送
する搬送手段として加工の容易性及び耐久性の観点から
テトロン(登録商標)繊維のメッシュを用いた搬送ベル
トおよびポリエチレンテレフタレート系樹脂、ポリイミ
ド系樹脂、ウレタン系樹脂の如き薄い誘電体シートを用
いた搬送ベルトが利用される。
【0274】記録材Sが第4画像形成部29dを通過す
ると、AC電圧が除電器20に加えられ、記録材Sは除
電され、ベルト25から分離され、その後、定着器22
に入り、画像定着され、排出口26から排出される。
【0275】なお、この画像形成方法では、その画像形
成部にそれぞれ独立した静電潜像保持体を具備してお
り、記録材はベルト式の搬送手段で、順次、各静電潜像
保持体の転写部へ送られるように構成してもよい。
【0276】また、この画像形成方法では、その画像形
成部に共通する静電潜像保持体を具備してなり、記録材
は、ドラム式の搬送手段で、静電潜像保持体の転写部へ
繰返し送られて、各色の転写をうけるように構成しても
よい。
【0277】しかしながら、この搬送ベルトでは、体積
抵抗が高いため、カラー画像形成装置におけるように、
数回の転写を繰り返す過程で、搬送ベルトが帯電量を増
加させて行く。このため、各転写の都度、転写電流を順
次増加させないと、均一な転写を維持できない。
【0278】本発明トナーは転写性が優れているので、
転写を繰返す毎に搬送手段の帯電が増しても、同じ転写
電流で各転写におけるトナーの転写性を均一化でき、良
質な高品位画像が得られることになる。
【0279】更に他の実施形態のフルカラー画像を形成
するための画像形成方法を例にして図4に基づいて説明
する。
【0280】感光ドラム33上に適当な手段で形成され
た静電潜像は、矢印の方向へ回転する回転現像ユニット
39に取り付けられた現像手段としての現像器36中に
第1のカラートナー及びキャリアを有する二成分系現像
剤により可視化される。感光体ドラム33上のカラート
ナー画像は、グリッパー47によって転写ドラム48上
に保持されている記録材Sに、転写帯電器44により転
写される。
【0281】転写帯電器44には、コロナ帯電器又は接
触帯電器が利用され、転写帯電器44にコロナ帯電器が
使われる場合には、−10kV〜+10kVの電圧が印
加され、転写電流は−500μA〜+500μAであ
る。転写ドラム48の外周面には保持部材が張設され、
この保持部材はポリフッ化ビニリデン樹脂フィルムやポ
リエチレンテレフタレートの如きフィルム状誘電体シー
トによって構成される。例えば、厚さ100μm〜20
0μm,体積抵抗1012〜1014Ω・cmのシートが用
いられる。
【0282】次に2色目として回転現像ユニットが回転
し、現像器35が感光ドラム33に対向する。そして現
像器35中の第2のカラートナー及びキャリアを有する
現像剤により現像され、このカラートナー画像も前記と
同一の記録材上に重ねて転写される。
【0283】更に3色目、4色目も同様に行なわれる。
このように転写ドラム48は記録材を把持したまま所定
回数だけ回転し所定色数のトナー像が多重転写される。
静電転写するための転写電流は、一色目<二色目<三色
目<四色目の順に高めることが感光ドラム上に残る転写
残留トナーを少なくするために好ましい。
【0284】多重転写された記録材Sは、分離帯電器4
5により転写ドラム48より分離され、シリコーンオイ
ルを含浸している、あるいは、オイルを含浸しないウェ
ッブを有する加熱加圧ローラー定着器32(あるいはウ
ェッブ機構のない定着器)で定着され、定着時に加色混
合されることにより、フルカラー複写画像となる。
【0285】現像器34〜37に供給される補給トナー
は各色ごとに具備した補給ホッパーより、補給信号に基
づいた一定量をトナー搬送ケーブルを経由して、回転現
像ユニットの中心にあるトナー補給筒に搬送され、各現
像器に送られる。
【0286】また、多重現像一括転写方法について、フ
ルカラー電子写真法プリンターを例にして図5に基づい
て説明する。
【0287】感光ドラム103上に帯電器102とレー
ザー光を用いた露光部101で形成された静電潜像は現
像器104,105,106,107により順次トナー
を現像して可視化される。現像プロセスにおいては、非
接触現像方法が好ましく用いられる。非接触現像方法に
よれば現像器中の現像剤層が像形成体の表面を擦ること
がないので、2回目以降の現像工程において先行の現像
工程で形成された像を乱すことなく現像を行なうことが
できる。現像する順は、多色の場合は黒以外の色で、明
度,彩度の高い色から現像するのが好ましい。フルカラ
ーの場合は、イエロー、ついでマゼンタあるいはシアン
のどちらか、ついでマゼンタあるいはシアンの残った
方、最後に黒の順で現像することが好ましい。
【0288】感光ドラム103上に形成された多色多重
画像,フルカラー画像は転写帯電器109により記録材
Sに転写される。転写工程においては、静電転写法が好
ましく用いられ、コロナ放電又は接触転写方法が利用さ
れる。コロナ放電転写方法とは、記録材Sを介しコロナ
放電を生じさせる転写帯電器109を像に対向するよう
に配置し、記録材Sの背面からコロナ放電を作用させ静
電的に転写する方法である。接触転写方法とは、記録材
Sを介し、転写ローラー、転写ベルトを像形成体に接触
させてローラーにバイアスを印加させるか、ベルトの背
面から静電的に転写する方法である。この静電転写方法
により感光ドラム103の表面に担持された多色トナー
像が一括して記録材Sに転写される。
【0289】多色トナー像が一括転写された記録材S
は、感光ドラム103から分離され熱ローラー定着器1
12で定着されることにより多色画像となる。
【0290】次に本発明に使用可能な現像器の構成につ
いて図面を用いて詳細に説明する。
【0291】本発明において、現像領域で感光体表面に
現像剤担持体に担持される現像剤を接触させて現像を行
なう接触現像方式と、現像領域で感光体表面に現像剤担
持体に担持されている現像剤を感光体と現像剤層が非接
触となるような間隔に設定した現像剤担持体から飛翔さ
せて現像を行なう非接触ジャンピング現像方式のいずれ
を用いることも可能である。
【0292】接触現像方式としては、トナー及びキャリ
アを有する二成分系現像剤を用いる現像方法(図6)と
一成分系現像剤を用いる現像方法(図7)が挙げられ
る。
【0293】接触二成分系現像方法としては、トナーと
磁性キャリアとを混合した二成分系現像剤を例えば図6
に示すような現像装置120を用い、現像を行なうこと
ができる。
【0294】現像装置120は、二成分系現像剤128
を収納する現像容器126、現像容器126に収納され
ている二成分系現像剤128を担持し、現像領域に搬送
するための現像剤担持体としての現像スリーブ121、
現像スリーブ121上に形成されるトナー層の層厚を規
制するための現像剤層厚規制手段としての現像ブレード
127を有している。
【0295】現像スリーブ121は、非磁性のスリーブ
基体122内にマグネット123を内包している。
【0296】現像容器126の内部は、隔壁130によ
って現像室(第1室)R1と撹拌室(第2室)R2とに区
画され、撹拌室R2の上方には隔壁130を隔てトナー
貯蔵室R3が形成されている。現像室R1及び撹拌室R2
内には現像剤128が収容されており、トナー貯蔵室R
3内には補給用トナー(非磁性トナー)129が収容さ
れている。なお、トナー貯蔵室R3には補給口131が
設けられ、補給口131を経て消費されたトナーに見合
った量の補給用トナー129が撹拌室R2内に落下補給
される。
【0297】現像室R1内には搬送スクリュー124が
設けられており、この搬送スクリュー124の回転駆動
によって現像室R1内の現像剤128は、現像スリーブ
121の長手方向に向けて搬送される。同様に、撹拌室
2内には搬送スクリュー125が設けられ、搬送スク
リュー125の回転によって、補給口131から撹拌室
2内に落下したトナーを現像スリーブ121の長手方
向に沿って搬送する。
【0298】現像剤128は、非磁性トナーと磁性キャ
リアとを有した二成分系現像剤である。
【0299】現像容器126の感光体ドラム119に近
接する部位には開口部が設けられ、該開口部から現像ス
リーブ121が外部に吐出し、現像スリーブ121と感
光体ドラム119との間には間隙が設けられている。非
磁性材にて形成される現像スリーブ121には、バイア
スを印加するためのバイアス印加手段132が配置され
ている。
【0300】スリーブ基体122に固定された磁界発生
手段としてのマグネットローラー、即ち磁石123は、
上述したように、現像磁極S1とその下流に位置する磁
極N3 と、現像剤128を搬送するための磁極N2
2、N1とを有する。磁石123は、現像磁極S1が感
光体ドラム119に対抗するようにスリーブ基体122
内に配置されている。現像磁極S1は、現像スリーブ1
21と感光体ドラム119との間の現像部の近傍に磁界
を形成し、該磁界によって磁気ブラシが形成される。
【0301】現像スリーブ121の上方に配置され、現
像スリーブ121上の現像剤128の層厚を規制する規
制ブレード127は、アルミニウム、SUS316の如
き非磁性材料で作製される。非磁性ブレード127の端
部と現像スリーブ121面との距離Aは300〜100
0μm、好ましくは400〜900μmである。この距
離が300μmより小さいと、磁性キャリアがこの間に
詰まり現像剤層にムラを生じやすいと共に、良好な現像
を行なうのに必要な現像剤を塗布することができず濃度
の薄いムラの多い現像画像しか得られないという問題点
がある。現像剤中に混在している不用粒子による不均一
塗布(いわゆるブレードづまり)を防止するためには、
400μm以上が好ましい。1000μmより大きいと
現像スリーブ121上へ塗布される現像剤量が増加し所
定の現像剤層厚の規制が行えず、感光体ドラム119へ
の磁性キャリア粒子の付着が多くなると共に現像剤の循
環、非磁性の現像ブレード127による現像規制が弱ま
りトナーのトリボが不足しカブリやすくなるという問題
点がある。
【0302】この二成分系現像装置120の現像は、交
番電界を印加しつつ、トナーと磁性キャリアとにより、
構成される磁気ブラシ潜像担持体(例えば、感光体ドラ
ム)119に接触している状態で現像を行うことが好ま
しい。現像剤担持体(現像スリーブ)121と感光体ド
ラム119との距離(S−D間距離)Bは100〜10
00μmであることがキャリア付着防止及びドット再現
性の向上において良好である。100μmより狭いと現
像剤の供給が不十分になりやすく、画像濃度が低くな
り、1000μmを超えると磁石S1からの磁力線が広
がり磁気ブラシの密度が低くなり、ドット再現性に劣っ
たり、キャリアを拘束する力が弱まりキャリア付着が生
じやすくなる。
【0303】交番電界のピーク間の電圧は500〜50
00Vが好ましく、周波数は500〜10000Hz、
好ましくは500〜3000Hzであり、それぞれプロ
セスに適宜選択して用いることができる。この場合、波
形としては三角波、矩形波、正弦波、或いはDuty比
を変えた波形から選択して用いることができる。印加電
圧が、500Vより低いと十分な画像濃度がえられにく
く、非画像部のカブリトナーを良好に回収することがで
きない場合がある。5000Vを超える場合には磁気ブ
ラシを介して、静電像を乱してしまい、画質低下を招く
場合がある。
【0304】良好に帯電したトナーを有する二成分系現
像剤を使用することで、カブリ取り電圧(Vback)
を低くすることができ、感光体の一次帯電を低めること
ができるために感光体寿命を長寿命化できる。Vbac
kは、現像システムにもよるが150V以下、より好ま
しくは100V以下が良い。
【0305】コントラスト電位としては、十分画像濃度
ができるように200V〜500Vが好ましく用いられ
る。
【0306】周波数が500Hzより低いとプロセスス
ピードにも関係するが、キャリアへの電荷注入が起こる
ためキャリア付着、あるいは潜像を乱すことで画質を低
下させる場合がある。10000Hzを超えると電界に
対してトナーが追随できず画質低下を招きやすい。
【0307】十分が画像濃度を出し、ドット再現性に優
れ、かつキャリア付着のない現像を行なうために現像ス
リーブ121上の磁気ブラシの感光体ドラム119との
接触幅(現像ニップC)を好ましくは3〜8mmにする
ことである。現像ニップCが3mmより狭いと十分な画
像濃度とドット再現性を良好に満足することが困難であ
り、8mmより広いと、現像剤のパッキングが起き機械
の動作を留めてしまったり、またキャリア付着を十分に
抑えることが困難になる。現像ニップの調整方法として
は、現像剤規制部材127と現像スリーブ121との距
離Aを調整したり、現像スリーブ121と感光体ドラム
119との距離Bを調整することでニップ幅を適宜調整
する。
【0308】なお、感光体上の転写残トナーは、上記の
現像器のトナーとキャリアとからなる磁気ブラシによっ
て、現像時に回収される。
【0309】接触一成分現像方法としては、非磁性トナ
ーを用いて、例えば図9に示すような現像装置80を用
い現像することが可能である。
【0310】現像装置180は、磁性又は非磁性のトナ
ーを有する一成分現像剤188を収容する現像容器18
1、現像容器181に収納されている一成分現像剤18
8を担持し、現像領域に搬送するための現像剤担持体1
82、現像剤担持体上に現像剤を供給するための供給ロ
ーラー185、現像剤担持体上の現像剤層厚を規制する
ための現像剤層厚規制部材としての弾性ブレード18
6、現像容器181内の現像剤188を撹拌するための
撹拌部材187を有している。
【0311】現像剤担持体上182としては、ローラー
基体183上に、発泡シリコーンゴムの如き弾性を有す
るゴム又は樹脂の如き弾性部材によって形成された弾性
層184を有する弾性ローラーを用いることが好まし
い。
【0312】この弾性ローラー182は、潜像保持体と
しての感光体ドラム189の表面に圧接して、弾性ロー
ラー表面に塗布されている一成分系現像剤188により
感光体に形成されている静電潜像を現像する共に、転写
後に感光体上に存在する不要な一成分現像剤188を回
収する。
【0313】本発明において、現像剤担持体は実質的に
感光体表面と接触している。これは、現像剤担持体から
一成分系現像剤を除いたときに現像剤担持体が感光体と
接触しているということを意味する。このとき、現像剤
を介して、感光体と現像剤担持体との間に働く電界によ
ってエッジ効果のない画像が得れれると同時にクリーニ
ングが行なわれる。現像剤担持体としての弾性ローラー
表面或いは、表面近傍が電位を持ち感光体表面と弾性ロ
ーラー表面間で電界を有する必要性がある。このため、
弾性ローラーの弾性ゴムが中抵抗領域に抵抗制御されて
感光体表面との導通を防ぎつつ電界を保つか、又は導電
性ローラーの表面層に薄層の誘電層を設ける方法も利用
できる。さらには、導電性ローラー上に感光体表面と接
触する側の面を絶縁性物質により被覆した導電性樹脂ス
リーブ或いは、絶縁性スリーブで感光体と接触しない側
の面に導電層を設けた構成も可能である。
【0314】この一成分系現像剤を担持する弾性ローラ
ーは、感光体ドラムと同方向に回転しても良いし、逆方
向に回転しても良い。その回転が同方向である場合、感
光体ドラムの周速に対して、周速比で100%より大き
いことが好ましい。100%以下であるとラインの鮮明
性が悪いなどの画像品質に問題を生じやすい。周速比が
高まれば高まるほど、現像部位に供給される現像剤の量
は多く、静電潜像に対し現像剤の脱着頻度が多くなり、
不要な部分の現像剤は掻き落とされ、必要な部分には現
像剤が付与されるという繰り返しにより、静電潜像に忠
実な画像が得られる。さらに好ましくは周速比は100
%以上が良い。
【0315】現像剤層厚規制部材186は、現像剤担持
体182の表面に弾性力で圧接するものであれば、弾性
ブレードに限られることなく、弾性ローラーを用いるこ
とも可能である。
【0316】弾性ブレード、弾性ローラーとしては、シ
リコーンゴム、ウレタンゴム、NBRの如きゴム弾性
体;ポリエチレンテレフタレートの如き合成樹脂弾性
体;ステンレス、鋼の如き金属弾性体が使用できる。さ
らに、それらの複合体であっても使用できる。
【0317】弾性ブレードの場合には、弾性ブレード上
辺部側である基部は現像剤容器側に固定保持され、下辺
部側をブレードの弾性に抗して現像スリーブの順方向或
いは逆方向にたわめ状態にしてブレード内面側(逆方向
の場合には外面側)をスリーブ表面に適度に弾性押圧を
もって当接させる。
【0318】供給ローラー185はポリウレタンフォー
ムの如き発泡材より成っており、現像剤担持体に対し
て、順又は逆方向に0でない相対速度をもって回転し、
一成分系現像剤の供給とともに、現像剤担持体上の現像
後の現像剤(未現像現像剤)の剥ぎ取りも行っている。
【0319】現像領域において、現像剤担持体上の一成
分系現像剤によって感光体の静電潜像を現像する際に
は、現像剤担持体と感光体ドラムとの間に直接及び/又
は交流の現像バイアスを印加して現像することが好まし
い。
【0320】次に非接触ジャンピング現像方式について
説明する。
【0321】非接触ジャンピング現像方式としては、非
磁性トナーを有する一成分系磁性現像剤を用いる現像方
法が挙げられる。
【0322】ここでは、非磁性トナーを有する一成分系
非磁性現像剤を用いる現像方法を図8に示す概略構成図
に基づいて説明する。
【0323】現像装置170は、非磁性トナーを有する
非磁性一成分系現像剤176を収容する現像容器17
1、現像容器171に収容されている一成分系非磁性現
像剤176を担持し、現像領域に搬送するための現像剤
担持体172、現像剤担持体上に一成分系非磁性現像剤
を供給するための供給ローラー173、現像剤担持体上
の現像剤層厚を規制するための現像剤層厚規制部材とし
ての弾性ブレード174、現像容器171内の一成分系
非磁性現像剤176を撹拌するための撹拌部材175を
有している。
【0324】169は静電潜像保持体であり、潜像形成
は図示しない電子写真プロセス手段又は静電記録手段に
よりなされる。172は現像剤担持体としての現像スリ
ーブであり、アルミニウム或いはステンレスからなる非
磁性スリーブからなる。
【0325】現像スリーブは、アルミニウム、ステンレ
スの粗管をそのまま用いてもよいが、好ましくはその表
面をガラスビーズを吹き付けて均一に荒らしたものや、
鏡面処理したもの、或いは樹脂でコートしたものが良
い。
【0326】一成分系非磁性現像剤176は現像容器1
71に貯蔵されており、供給ローラー173によって現
像剤担持体172上へ供給される。供給ローラー173
はポリウレタンフォームの如き発泡材より成っており、
現像剤担持体に対して、順又は逆方向に0でない相対速
度をもって回転し、現像剤の供給とともに、現像剤担持
体172上の現像後の現像剤(未現像現像剤)の剥ぎ取
りも行っている。現像剤担持体172上に供給された一
成分系非磁性現像剤は現像剤層厚規制部材としての弾性
ブレード174によって均一且つ薄層に塗布される。
【0327】弾性塗布ブレードと現像剤担持体との当接
圧力は、現像スリーブ母線方向の線圧として0.3〜2
5kg/m、好ましくは0.5〜12kg/mが有効で
ある。当接圧力が0.3kg/mより小さい場合、一成
分系非磁性現像剤の均一塗布が困難となり、一成分系非
磁性現像剤の帯電量分布がブロードとなりカブリや飛散
の原因となる。当接圧力が25kg/mを超えると、一
成分系非磁性現像剤に大きな圧力がかかり、一成分系非
磁性現像剤が劣化するため、一成分系非磁性現像剤の凝
集が発生するなど好ましくない。また、現像剤担持体を
駆動させるために大きなトルクを要するため好ましくな
い。即ち、当接圧力を0.3〜25kg/mに調整する
ことで、本発明のトナーを用いた一成分系非磁性現像剤
の凝集を効果的にほぐすことが可能になり、さらに、一
成分系非磁性現像剤の帯電量を瞬時に立ち上げることが
可能になる。
【0328】現像剤層厚規制部材は、弾性ブレード、弾
性ローラーを用いることができ、これらは所望の極性に
現像剤を帯電するのに適した摩擦帯電系列の材質のもの
を用いることが好ましい。
【0329】本発明において、シリコーンゴム、ウレタ
ンゴム、スチレンブタジエンゴムが好適である。さら
に、ポリアミド、ポリイミド、ナイロン、メラミン、メ
ラミン架橋ナイロン、フェノール樹脂、フッ素系樹脂、
シリコーン樹脂、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂、ス
チレン系樹脂の如き有機樹脂層を設けても良い。導電性
ゴム、導電性樹脂を使用し、さらに金属酸化物、カーボ
ンブラック、無機ウイスカー、無機繊維の如きフィラー
や荷電制御剤をブレードのゴム中・樹脂中に分散するこ
とにより適度の導電性、帯電付与性を与え、一成分系非
磁性現像剤を適度に帯電させることができて好ましい。
【0330】この非磁性一成分現像方法において、ブレ
ードにより現像スリーブ上に一成分系非磁性現像剤を薄
層コートする系においては、十分な画像濃度を得るため
に、現像スリーブ上の一成分系非磁性現像剤層の厚さを
現像スリーブと潜像保持体との対抗空隙長βよりも小さ
くし、この空隙に交番電場を印加することが好ましい。
即ち図8に示すバイアス電源177により、現像スリー
ブ172と潜像保持体169との間に交番電場又は交番
電場に直流電場を重畳した現像バイアスを印加すること
により、現像スリーブ上から潜像保持体への一成分系非
磁性現像剤の移動を容易にし、更に良質の画像を得るこ
とができる。
【0331】
【実施例】以下実施例にもとづいて具体的に本発明につ
いて説明する。しかしながら、これによって本発明の実
施の態様がなんら限定されるものではない。実施例中の
部数は重量部である。
【0332】実施例に用いられる樹脂として、表1に記
載のモノマー組成のポリエステル樹脂を脱水縮合法によ
り合成した。
【0333】 <実施例1> ・ポリエステル樹脂a 40重量部 ・ポリエステル樹脂b 30重量部 ・ポリエステル樹脂c 30重量部 ・銅フタロシアニン系顔料 4.9重量部 (C.I.Pigment Blue 15:3) ・ポリエチレンワックス 2重量部 (mp=106℃、Mn=670、Mw/Mn=1.35) ・ジルコニウム化合物(14) 4重量部 上記材料をヘンシェルミキサーで前混合した後、120
℃に設定した二軸混練押し出し機によって、溶融混練し
た。
【0334】得られた混練物を冷却し、カッターミルで
粗粉砕した後、ジェット気流を用いた微粉砕機で粉砕
し、得られた微粉砕粉末をコアンダ効果を利用した多分
割分級機を用いて分級し、重量平均粒径7.5μmのト
ナー粒子Aを得た。表2にその処方・物性を示す。
【0335】トナー粒子A100重量部に対し、疎水化
処理したメタノールウエッタビリティ80%,BET比
表面積120m2/gの疎水性シリカ微粉体(シリカ微
粉体100重量部に対してヘキサメチルジシラザン10
重量部とジメチルシリコーン10重量部で処理)1.2
重量部と、メタノールウエッタビリティ70%,BET
比表面積200m2/gの疎水性γアルミナ微粉体(ア
ルミナ100重量部に対してイソブチルメトキシシラン
20重量部で処理)とを、外添混合してトナーAを調製
した。
【0336】このシアントナーA6.0重量部に対し
て、スチレン−メタクリル酸メチル(共重合体重量比6
5:35)を約0.35重量%コーティングした平均粒
径45μmのCu−Zn−Fe系フェライトキャリアを
総重量100重量部になるように混合し、二成分現像剤
とした。二成分現像剤中のトナー濃度は6.0重量%に
した。
【0337】このトナーAを定着オイル供給機構を伴わ
ない定着器(定着スピード180mm/sec.、定着
ローラー径Φ40mm、加圧ローラー径Φ40mm、定
着・加圧ローラー表層PFA[パーフロロアルコキシエ
チレン]20μm、ニップ幅8mm、総加圧力70kg
f)において、定着性、耐オフセット性の評価を、市販
のフルカラー複写機(カラーレザーコピア800、キヤ
ノン社製)定着器構成を上記のオイル塗布機構を伴わな
い定着器に改造したものを用いて、18℃,10%RH
の環境と32.5℃,85%RHの環境で2万枚のプリ
ント試験を行った。評価結果は表4に示す。
【0338】その結果、耐久濃度推移、カブリ抑制は良
好であった。また、定着開始点は120℃と低く、非オ
フセット幅も大である。また、フルカラートナーに重要
なグロス10以上となる領域が存在し、グロスコントロ
ール可能であった。また、OHT上に画像をOHTモー
ドとして180℃、60mm/sec.の定着スピード
で定着試験を行った。このカラー画像をオーバーヘッド
プロジェクター(OHP)に投影し、評価を行った。得
られた画像はオフセットすることなく、透明性に優れ、
明暗ムラもなく、色再現性にも優れていた。
【0339】 <実施例2> ・ポリエステル樹脂a 45重量部 ・ポリエステル樹脂b 35重量部 ・ポリエステル樹脂c 20重量部 ・銅フタロシアニン系顔料 4.9重量部 (C.I.Pigment Blue 15:3) ・ポリエチレンワックス 2重量部 (mp=106℃、Mn=670、Mw/Mn=1.35) ・ジルコニウム化合物(14) 4重量部 上記材料を用いて、実施例1と同様にして行った。
【0340】<実施例3>ポリエステル樹脂a,b,c
の比率及びジルコニウム化合物を12重量部含有させる
以外は実施例1と同様にして行った。
【0341】 <実施例4> ・ポリエステル樹脂a 60重量部 ・ポリエステル樹脂b 10重量部 ・ポリエステル樹脂c 30重量部 ・銅フタロシアニン系顔料 4.9重量部 (C.I.Pigment Blue 15:3) ・パラフィンワックス 2重量部 (mp=70℃、Mw/Mn=1.5) ・クロム化合物(137) 4重量部 上記材料用いて実施例1と同様にして行った。
【0342】
【化34】
【0343】<実施例5>表2の材料で、実施例1と同
様に行った。
【0344】 <比較例1> ・ポリエステル樹脂d 100重量部 ・銅フタロシアニン系顔料 4.9重量部 (C.I.Pigment Blue 15:3) ・ポリプロピレンワックス 2重量部 (mp=145℃、Mn=830、Mw/Mn=4.5) ・亜鉛化合物(136) 4重量部 上記材料を用いて、実施例1と同様にして行った。
【0345】
【化35】
【0346】 <比較例2> ・ポリエステル樹脂e 80重量部 ・ポリエステル樹脂f 20重量部 ・銅フタロシアニン系顔料 4.9重量部 (C.I.Pigment Blue 15:3) ・ポリプロピレンワックス 2重量部 ・クロム化合物(137) 1重量部 上記材料を用いて、実施例1と同様にして行った。
【0347】 <比較例3> ・ポリエステル樹脂e 50重量部 ・ポリエステル樹脂f 50重量部 ・銅フタロシアニン系顔料 4.9重量部 (C.I.Pigment Blue 15:3) ・高級アルコールワックス 6重量部 ・クロム化合物(137) 4重量部 上記材料を用いて、実施例1と同様にして行った。
【0348】<比較例4>比較例2において、クロム化
合物の量を4重量部とし、高級アルコールワックスを用
いない以外は比較例3と同様に行った。
【0349】以下、本発明の実施例におけるトナー評価
方法・評価基準に関して記載する。
【0350】(1)現像性 32.5℃,85%RHの環境下で、通常の複写機用普
通紙(75g/m2)に2万枚プリントアウト終了時の
画像濃度維持により評価した。尚、画像濃度は「マクベ
ス反射濃度計」(マクベス社製)を用いて、原稿濃度が
0.00の白地部分のプリントアウト画像に対する相対
濃度を測定した。 A:1.40以上 B:1.30以上1.40未満 C:1.20以上1.30未満 D:1.20未満
【0351】(2)カブリ カブリ測定は、18℃,10%RHの環境下で通常の複
写機用普通紙(75g/m2)に2万枚プリントアウト
画像の白地部分の白色度をリフレクトメーター(東京電
色社製)により測定し、その白色度と転写紙の白色度の
差から、カブリ濃度(%)を算出し、評価した。 A:非常に良好(1.0%未満) B:良好(1.0%以上2.0%未満) C:普通(2.0%以上3.0%未満) D:悪い(3.0%以上)
【0352】(3)定着性及びグロス 定着性は、定着画像のトナーのり量を0.6g/cm2
のベタ画像とし、この画像に対し50g/cm2の荷重
をかけ、柔和な薄紙により定着画像を摺擦し、摺擦前後
での画像濃度の低下率(%)で評価した。また、同一定
着画像の光沢度(グロス)ハンディ光沢度計グロスメー
ターPG−3D(日本電色工業製)を用いて、光の入射
角75°の条件で測定した。
【0353】定着温度条件としては、120℃から5℃
毎に210℃まで行なった。
【0354】(4)耐オフセット性 耐オフセット性は、定着温度200℃で画像面積率約5
%のサンプル画像をプリントアウトし、連続3000枚
の画像上の汚れの程度、3000枚後の定着・加圧ロー
ラーの表面観察により評価した。 A:画像上・ローラー上全くない。;実用可 B:画像上には全くないがローラー上にわずかだがトナ
ーの痕跡有り。:実用可 C:画像裏面にややトナー痕跡がある画像が5枚存在
し、ローラー上にわずかだがトナーの痕跡有り。;実用
不可 D:画像上・ローラー上にオフセットが発生する頻度が
高い。;実用不可 E:定着器に巻き付いて耐久不可。:実用不可
【0355】(5)OHT画像透明性 OHT画像透明性の評価は、OHT上に画像をOHTモ
ードとして180℃、60mm/sec.の定着スピー
ドで定着試験を行い、このカラー画像をオバーヘッドプ
ロジェクター(OHP)に投影し、評価を行なった。 A:得られた画像はオフセットすることなく、透明性に
優れ、明暗ムラもなく、色再現性も優れる。 B:若干の明暗ムラがあるものの、実用上問題無い。 C:明暗ムラがあり、色再現に乏しい。
【0356】
【表1】
【0357】
【表2】
【0358】
【表3】
【0359】
【表4】
【0360】
【発明の効果】本発明によって、定着オイルの使用無し
に定着を行なうことのできる耐オフセット性に優れ、低
温定着が可能なカラートナーを得ることが可能となる。
また、低湿下で使用しても、高湿下で使用しても高い画
像品質が得られ、経時において画像欠陥を生じないカラ
ートナーを得ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の画像形成方法を実施し得る好適な画像
形成装置の例を示す概略図である。
【図2】本発明の画像形成方法を実施し得る画像形成装
置の他の例を示す概略図である。
【図3】本発明の画像形成方法を実施し得る画像形成装
置の他の例を示す概略図である。
【図4】本発明の画像形成方法を実施し得る画像形成装
置の他の例を示す概略図である。
【図5】本発明の画像形成方法を実施し得る画像形成装
置の他の例を示す概略図である。
【図6】二成分系現像剤を用いる画像形成装置の概略図
である。
【図7】接触一成分現像方法による現像装置の概略図で
ある。
【図8】非接触一成分現像方法による現像装置の概略図
である。
【符号の説明】
1 露光手段 2 帯電ローラ 3 感光ドラム 4 現像器 5 現像器 6 現像器 7 現像器 8 感光ドラムクリーナー 9 芯金 10 保持部材 11 中間転写体 12 中間転写体クリーナー 13 電源 14 転写帯電器 15 分離除電器 16 帯電器 17 現像器 18 感光ドラムクリーナー 19 感光ドラム 20 分離除電器 22 定着器 23 潜像形成部 24 転写放電部 25 搬送ベルト 26 排出部 27 吸着帯電器 28 分離除電放電部 29 画像形成部 31 露光手段 32 定着器 33 感光ドラム 34 現像器 35 現像器 36 現像器 37 現像器 38 感光ドラムクリーナー 39 回転現像ユニット 40 44 転写帯電器 45 分離帯電器 46 帯電器 47 グリッパー 48 転写ドラム 49 分離爪 60a 転写バイアス印加手段(接地していても良い) 61a 感光体ドラム 62a 一次帯電器 63a 現像器 64a 転写ブレード 65a トナーホッパー 66a 補給ローラ 67a 露光装置 68 記録材担持体 69 分離帯電器 70 定着器 71 定着ローラ 72 加圧ローラ 73 ウェッブ 75,76 加熱手段 78 温度検知手段 79 転写ベルトクリーニング装置 80 駆動ローラ 81 ベルト従動ローラ 82 ベルト除電器 83 レジストローラ 84 給紙ローラ 101 露光手段 102 帯電手段 103 感光ドラム 104 現像器 105 現像器 106 現像器 107 現像器 108 感光ドラムクリーナー 109 転写帯電器 110 分離除電器 111 除電器 112 定着器 119 感光体ドラム 120 現像装置 121 現像スリーブ(現像剤担持体) 122 スリーブ基体 123 磁石 124 搬送スクリュー 125 搬送スクリュー 126 現像容器 127 現像ブレード 128 二成分現像剤 129 補給用トナー 130 隔壁 131 補給口 169 静電潜像担持体(感光体ドラム) 170 現像装置 171 現像容器 172 現像スリーブ(現像剤担持体) 173 現像剤供給ローラー 174 弾性ブレード(現像ブレード) 175 撹拌部材 176 一成分非磁性現像剤 180 現像装置 181 現像容器 182 現像スリーブ(現像剤担持体) 183 ローラー基体 184 弾性層 185 現像剤供給ローラー 186 弾性ブレード(現像ブレード) 187 撹拌部材 188 一成分現像剤 189 感光体ドラム
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G03G 15/08 507 G03G 9/08 331 15/20 102 346 104 365 111 15/08 507L (72)発明者 遊佐 寛 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 吉田 聡 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 Fターム(参考) 2H005 AA01 AA06 AA21 CA08 CA13 CA14 CA25 DA02 EA03 EA06 EA07 2H030 AA03 AD01 BB02 BB23 BB34 2H033 AA09 AA32 AA39 BA46 BA58 BB01 BB10 BD01 2H077 AB02 AC02 AC04 AD02 AD06 AD13 AD17 AD23 AD36 AE04 BA09 EA03 EA13 EA16 FA13 FA25 GA13

Claims (27)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも結着樹脂、ワックス、有機金
    属化合物及び着色剤を含むカラートナーにおいて、 該結着樹脂は、ポリエステル樹脂を有し、 該トナーTHF可溶分のGPC分子量分布において、4
    00乃至1万未満の成分における3価以上の多価カルボ
    ン酸単量体ユニットのmol%をXa、1万〜5万の成
    分における3価以上の多価カルボン酸単量体ユニットの
    mol%をXb、5万を超える成分における3価以上の
    多価カルボン酸単量体ユニットのmol%をXcとした
    場合に、Xc>Xb>Xaの関係を満足することを特徴
    とするカラートナー。
  2. 【請求項2】 該トナーのTHF可溶分のGPC分子量
    分布において、400乃至1万未満における炭素数5〜
    30の飽和もしくは不飽和の脂肪族炭化水素基を有する
    成分mol%をYa、1万〜5万の成分における炭素数
    5〜30の飽和もしくは不飽和の脂肪族炭化水素基を有
    する成分mol%をYb、5万を超える成分における炭
    素数5〜30の飽和もしくは不飽和の脂肪族炭化水素基
    を有する成分mol%をYcとしたとき、Yc>Yb>
    Yaの関係を満足することを特徴とする請求項1に記載
    のカラートナー。
  3. 【請求項3】 該有機金属化合物のトナー中の含有量が
    0.2〜10重量%であり、且つ該トナー中の3価以上
    の多価カルボン酸単量体全mol%と該有機金属化合物
    のトナー中の重量%が、下記の式 2≦(3価以上の多価カルボン酸単量体全mol%)×
    (有機金属化合物のトナー中の重量%)≦50 を満足することを特徴とする請求項1又は2に記載のカ
    ラートナー。
  4. 【請求項4】 該有機金属化合物が、金属元素としてジ
    ルコニウムを有し、芳香族ジオール、芳香族ヒドロキシ
    カルボン酸、芳香族モノカルボン酸及び芳香族ポリカル
    ボン酸からなるグループから選択される芳香族化合物が
    配位又は/及び結合している有機ジルコニウム化合物で
    あることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載
    のカラートナー。
  5. 【請求項5】 該ワックスの融点(mp)が60〜12
    0℃であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか
    に記載のカラートナー。
  6. 【請求項6】 該ワックスのGPC分子量分布における
    数平均分子量(Mn)と重量平均分子量(Mw)の比
    (Mw/Mn)が1.0〜2.0であることを特徴とす
    る請求項1乃至5のいずれかに記載のカラートナー。
  7. 【請求項7】 該ワックスの含有重量比率が、トナーに
    対して0.5〜5重量%であることを特徴とする請求項
    1乃至6のいずれかに記載のカラートナー。
  8. 【請求項8】 該ワックスは、低分子量炭化水素系ワッ
    クスであることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか
    に記載のカラートナー。
  9. 【請求項9】 該ワックスは、低分子量ポリエチレンワ
    ックスであることを特徴とする請求項1乃至8のいずれ
    かに記載のカラートナー。
  10. 【請求項10】 該炭素数5〜30の飽和もしくは不飽
    和の脂肪族炭化水素基が、ポリエステル樹脂の骨格にブ
    ランチ化されて導入されていることを特徴とする請求項
    1乃至9のいずれかに記載のカラートナー。
  11. 【請求項11】 該結着樹脂を構成する成分であるポリ
    エステル樹脂は、炭素数5〜30の飽和もしくは不飽和
    の脂肪族炭化水素基で置換された脂肪族ジカルボン酸類
    及び炭素数5〜30の飽和もしくは不飽和の脂肪族炭化
    水素基で置換された脂肪族ジオール類の少なくとも一方
    のモノマーを用いて合成することによって得られたこと
    を特徴とする請求項1乃至10のいずれかに記載のカラ
    ートナー。
  12. 【請求項12】 該カラートナーの酸価が2〜30mg
    KOH/gであることを特徴とする請求項1乃至11の
    いずれかに記載のカラートナー。
  13. 【請求項13】 該カラートナーは、THF可溶分及び
    0乃至25重量%未満のTHF不溶分を含有し、該TH
    F可溶分のGPC分子量分布において、400乃至1万
    未満の成分含有量(M1)35〜55%、1万〜5万の
    成分含有量(M2)30〜45%、5万〜50万の成分
    含有量(M3)8〜20%、50万を超える成分含有量
    (M4)2〜12%であって、且つM1>M2>M3>
    M4の関係を満足することを特徴とする請求項1乃至1
    2のいずれかに記載のカラートナー。
  14. 【請求項14】 記録材上に重ねられた複数色のカラー
    トナーを、接触加熱及び/又は加圧する定着部材によっ
    て定着することでフルカラー画像を得る画像形成方法に
    おいて、 (i)該カラートナーは、少なくとも結着樹脂、ワック
    ス、有機金属化合物及び着色剤を含むカラートナーであ
    り、 該結着樹脂は、ポリエステル樹脂を有し、 該トナーTHF可溶分のGPC分子量分布において、4
    00乃至1万未満の成分における3価以上の多価カルボ
    ン酸単量体ユニットのmol%をXa、1万〜5万の成
    分における3価以上の多価カルボン酸単量体ユニットの
    mol%をXb、5万を超える成分における3価以上の
    多価カルボン酸単量体ユニットのmol%をXcとした
    場合に、Xc>Xb>Xaの関係を満足し、 (ii)該記録材への該トナー画像の定着時に、該定着
    部材から該記録材のトナー画像の定着面に供給されるシ
    リコーンオイルの記録材単位面積当たりの塗布量が0乃
    至1×10-7g/cm2であることを特徴とする画像形
    成方法。
  15. 【請求項15】 該記録材への該トナー画像の定着時
    に、該定着部材から該記録材にシリコーンオイルを供給
    せずに定着を行うことを特徴とする請求項14に記載の
    画像形成方法。
  16. 【請求項16】 該トナーのTHF可溶分のGPC分子
    量分布において、400乃至1万未満における炭素数5
    〜30の飽和もしくは不飽和の脂肪族炭化水素基を有す
    る成分mol%をYa、1万〜5万の成分における炭素
    数5〜30の飽和もしくは不飽和の脂肪族炭化水素基を
    有する成分mol%をYb、5万を超える成分における
    炭素数5〜30の飽和もしくは不飽和の脂肪族炭化水素
    基を有する成分mol%をYcとしたとき、Yc>Yb
    >Yaの関係を満足することを特徴とする請求項14又
    は15に記載の画像形成方法。
  17. 【請求項17】 該有機金属化合物のトナー中の含有量
    が0.2〜10重量%であり、且つ該トナー中の3価以
    上の多価カルボン酸単量体全mol%と該有機金属化合
    物のトナー中の重量%が、下記の式 2≦(3価以上の多価カルボン酸単量体全mol%)×
    (有機金属化合物のトナー中の重量%)≦50 を満足することを特徴とする請求項14乃至16のいず
    れかに記載の画像形成方法。
  18. 【請求項18】 該有機金属化合物が、金属元素として
    ジルコニウムを有し、芳香族ジオール、芳香族ヒドロキ
    シカルボン酸、芳香族モノカルボン酸及び芳香族ポリカ
    ルボン酸からなるグループから選択される芳香族化合物
    が配位又は/及び結合している有機ジルコニウム化合物
    であることを特徴とする請求項14乃至17のいずれか
    に記載の画像形成方法。
  19. 【請求項19】 該ワックスの融点(mp)が60〜1
    20℃であることを特徴とする請求項14乃至18のい
    ずれかに記載の画像形成方法。
  20. 【請求項20】 該ワックスのGPC分子量分布におけ
    る数平均分子量(Mn)と重量平均分子量(Mw)の比
    (Mw/Mn)が1.0〜2.0であることを特徴とす
    る請求項14乃至19のいずれかに記載の画像形成方
    法。
  21. 【請求項21】 該ワックスの含有重量比率が、トナー
    に対して0.5〜5重量%であることを特徴とする請求
    項14乃至20のいずれかに記載の画像形成方法。
  22. 【請求項22】 該ワックスは、低分子量炭化水素系ワ
    ックスであることを特徴とする請求項14乃至21のい
    ずれかに記載の画像形成方法。
  23. 【請求項23】 該ワックスは、低分子量ポリエチレン
    ワックスであることを特徴とする請求項14乃至22の
    いずれかに記載の画像形成方法。
  24. 【請求項24】 該炭素数5〜30の飽和もしくは不飽
    和の脂肪族炭化水素基が、ポリエステル樹脂の骨格にブ
    ランチ化されて導入されていることを特徴とする請求項
    14乃至23のいずれかに記載の画像形成方法。
  25. 【請求項25】 該結着樹脂を構成する成分であるポリ
    エステル樹脂は、炭素数5〜30の飽和もしくは不飽和
    の脂肪族炭化水素基で置換された脂肪族ジカルボン酸類
    及び炭素数5〜30の飽和もしくは不飽和の脂肪族炭化
    水素基で置換された脂肪族ジオール類の少なくとも一方
    のモノマーを用いて合成することによって得られたこと
    を特徴とする請求項14乃至24のいずれかに記載の画
    像形成方法。
  26. 【請求項26】 該カラートナーの酸価が2〜30mg
    KOH/gであることを特徴とする請求項14乃至25
    のいずれかに記載の画像形成方法。
  27. 【請求項27】 該カラートナーは、THF可溶分及び
    0乃至25重量%未満のTHF不溶分を含有し、該TH
    F可溶分のGPC分子量分布において、400乃至1万
    未満の成分含有量(M1)35〜55%、1万〜5万の
    成分含有量(M2)30〜45%、5万〜50万の成分
    含有量(M3)8〜20%、50万を超えるの成分含有
    量(M4)2〜12%であって、且つM1>M2>M3
    >M4の関係を満足することを特徴とする請求項14乃
    至26のいずれかに記載の画像形成方法。
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KR100506441B1 (ko) * 2001-09-06 2005-08-11 캐논 가부시끼가이샤 토너 및 가열 정착 방법
DE102009051118A1 (de) * 2009-10-13 2011-04-21 Otto Bock Mobility Solutions Gmbh Elektrorollstuhl

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