JP2001012953A - 振動型ジャイロスコープ - Google Patents

振動型ジャイロスコープ

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JP2001012953A
JP2001012953A JP11187856A JP18785699A JP2001012953A JP 2001012953 A JP2001012953 A JP 2001012953A JP 11187856 A JP11187856 A JP 11187856A JP 18785699 A JP18785699 A JP 18785699A JP 2001012953 A JP2001012953 A JP 2001012953A
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菊池  尊行
Shoji Yokoi
昭二 横井
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Abstract

(57)【要約】 【課題】複数の回転軸の周りの各回転角速度を検出可能
な振動型ジャイロスコープを提供する。 【解決手段】振動型ジャイロスコープは、所定面に略平
行に延びる第一の回転軸xおよび第二の回転軸yを中心
とする各回転角速度を検出する。振動型ジャイロスコー
プは、所定面に沿って延びる振動子1Aを備えている。
振動子1Aが、第一の回転軸xおよび第二の回転軸yに
対して交差する方向に向かって延びる少なくとも一対の
駆動振動片3A、3B、および駆動振動片と分離された
少なくとも一対の検出振動片6A、6Bを備えている。
一対の検出振動片の一方からの検出信号と他方からの検
出信号との和から、第一の回転軸xの周りの回転角速度
を検出する。一方の検出信号と他方の検出信号との差か
ら、第二の回転軸yの周りの回転角速度を検出する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複数の回転軸の周
りの回転角速度を測定するための振動型ジャイロスコー
プに関するものである。
【0002】
【従来の技術】例えば自動車の車体回転速度フィードバ
ック式の車両制御方法に用いる回転速度センサーに、振
動型ジャイロスコープを使用することが検討されてい
る。こうしたシステムにおいては、操舵輪の方向自身
は、ハンドルの回転角度によって検出する。これと同時
に、実際に車体が回転している回転速度を振動ジャイロ
スコープによって検出する。そして、操舵輪の方向と実
際の車体の回転速度を比較して差を求め、この差に基づ
いて車輪トルク、操舵角に補正を加えることによって、
安定した車体制御を実現する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】こうした振動型ジャイ
ロスコープでは、2軸方向の各回転角速度を検出するこ
とが望まれる。2軸の各回転角速度を同時に測定するた
めには、複数の振動子を、それぞれ所望の回転軸の周り
に取り付けることが考えられる。しかし、この方法で
は、2つの振動子をそれぞれ別個の位置に、別個の方向
に向かって取り付ける必要があるので、製造、施工コス
トが高い。
【0004】本発明の課題は、複数の回転軸の周りの各
回転角速度を検出可能な振動型ジャイロスコープを提供
することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、所定面に略平
行に延びる第一の回転軸および第二の回転軸を中心とす
る各回転角速度を検出するための振動型ジャイロスコー
プであって、所定面に沿って延びる振動子を備えてお
り、振動子が、第一の回転軸および第二の回転軸に対し
て交差する方向に向かって屈曲振動する少なくとも一対
の駆動振動片、この駆動振動片と分離された少なくとも
一対の検出振動片、一対の検出振動片の一方からの検出
信号と他方からの検出信号との和から第一の回転軸の周
りの回転角速度を検出する手段、および一方の検出信号
と他方の検出信号との差から第二の回転軸の周りの回転
角速度を検出する手段を備えていることを特徴とする。
【0006】図1を参照しつつ、本発明について更に説
明する。図1(a)の振動型ジャイロスコープは、第一
の回転軸xおよび第二の回転軸yを中心とする各回転角
速度を測定するものである。振動子1Aは、少なくとも
一対の駆動振動片3A、3Bからなる駆動振動系2A
と、少なくとも一対の検出振動片6A、6Bからなる検
出振動系4Aとを備えている。5は各振動片の付け根で
ある。
【0007】各駆動振動片3A、3Bに対して、矢印A
XYに示すように、x軸およびy軸に対して交差する方
向に向かって駆動振動を励振する。この状態で、図1
(b)に示すように、振動子1Aをy軸の周りに回転さ
せると、駆動振動片3Aと3Bとは、所定面に垂直な第
三の軸(z軸)の方向へとBZのように振動する。この
際、一方の駆動振動片3Aの振動の位相と他方の駆動振
動片3Bの振動の位相とは逆になる。これに応答して、
検出振動片6Aと6Bとは、CZに示すように、Z軸方
向へと向かって、逆位相で振動する。
【0008】一方、図1(c)に示すように、振動子1
Aをx軸の周りに回転させると、駆動振動片3Aと3B
とは、所定面に垂直な第三の軸(z軸)の方向へとDZ
のように振動する。この際、一方の駆動振動片3Aの振
動の位相と他方の駆動振動片3Bの振動の位相とは同じ
になる。これに応答して、検出振動片6Aと6Bとは、
EZのように、z軸の方向へと順位相で振動する。
【0009】検出振動片6Aから得られた検出信号と、
6Bから得られた検出信号との差は、図1(b)、
(c)から分かるように、y軸の周りの回転角速度を反
映する。なぜなら、図1(b)に示す各振動CZに由来
する検出信号は、逆位相なので増幅され、図1(c)に
示す各振動EZに由来する検出信号は、順位相なので消
去されるからである。一方、検出振動片6Aから得られ
た検出信号と、6Bから得られた検出信号との和は、図
1(c)から分かるように、x軸の周りの回転角速度を
反映する。なぜなら、図1(b)に示す各振動CZに由
来する検出信号は、逆位相なので消去され、図1(c)
に示す各振動EZに由来する検出信号は、順位相なので
増幅されるからである。従って、本振動子によって、x
軸の周りとy軸の周りとの各回転角速度を検出できる。
【0010】本発明の好適な実施形態においては、振動
子が、駆動振動片と検出振動片とを連結する連結片を備
えており、この連結片が、第二の回転軸yの方向に向か
って延びている。図2(a)−(c)はこの実施形態に
係るものである。図1に示した各構成部分については説
明を省略する。
【0011】振動子1Bは、各駆動振動片3A、3B
と、各検出振動片6A、6Bとを連結する連結片7を備
えている。連結片7の長手方向は、y軸と略平行であ
る。
【0012】本発明の他の実施形態においては、振動子
が、固定部、固定部の一方の側に設けられている第一の
連結片、および固定部の他方の側に設けられている第二
の連結片を備えており、駆動振動片が第一の連結片に連
結されており、検出振動片が第二の連結片に連結されて
いる。図3(a)、(b)は、この実施形態に係る振動
子を示す模式図である。
【0013】振動子1Cは、固定部10、固定部10の
一方の側から突出する第一の連結片8、固定部10の他
方の側から突出する第二の連結片9を備えている。第一
の連結片8の先端から、一対の駆動振動片3A、3Bが
延びており、第二の連結片9の先端から、一対の検出振
動片6A、6Bが延びている。
【0014】各駆動振動片3A、3Bに対して、矢印A
XYに示すように、x軸およびy軸に対して交差する方
向に向かって駆動振動を励振する。この状態で、図3
(a)に示すように、振動子1Cをy軸の周りに回転さ
せると、駆動振動片3Aと3Bとは、第三の軸zの方向
へとBZのように振動する。これに応答して、検出振動
片6Aと6Bとは、CZに示すように、Z軸方向へと向
かって、逆位相で振動する。
【0015】図3(b)に示すように、振動子1Cをx
軸の周りに回転させると、駆動振動片3Aと3Bとは、
第三の軸zの方向へとDZのように振動する。これに応
答して、検出振動片6Aと6Bとは、EZに示すよう
に、Z軸方向へと向かって、順位相で振動する。
【0016】この実施形態においては、固定部10は細
長いものであることが好ましく、その縦横比は3倍以上
であることが好ましい。
【0017】本発明の他の実施形態においては、振動型
ジャイロスコープが、第三の回転軸zを中心とする回転
角速度を検出するものであり、振動子が、固定部と、駆
動振動片を固定部に連結する細長い連結片とを備えてお
り、振動子が第三の回転軸を中心として回転したときに
コリオリ力によって連結片に生ずる屈曲振動に基づいて
第三の回転軸を中心とする回転角速度を検出する。図4
(a)、(b)は、この実施形態に係るものである。
【0018】振動子1Dは、固定部10と、一対の駆動
振動片3A、3Bを固定部10に連結する細長い連結片
8とを備えている。図4では、一対の検出振動片6A、
6Bも連結片8に連結されている。
【0019】各駆動振動片3A、3Bに対して、矢印A
XYに示すように、x軸およびy軸に対して交差する方
向に向かって駆動振動を励振する。この状態で、図4
(a)に示すように、振動子1Dをy軸の周りに回転さ
せると、検出振動片6Aと6Bとは、CZに示すよう
に、Z軸方向へと向かって、逆位相で振動する。振動子
1Cをx軸の周りに回転させると、検出振動片6Aと6
Bとは、EZに示すように、Z軸方向へと向かって、順
位相で振動する。
【0020】これと共に、図4(b)に示すように、振
動子1Dを、z軸の周りに回転させると、各駆動振動片
3A、3Bには、FXYで示すような方向の振動が発生
する。この振動成分をx軸方向とy軸方向とに向かって
分解すると、y軸方向の各成分は互いに相殺し、x軸方
向の成分が残る。この結果、GXで示すように、連結片
8が、その付け根8aを中心として振動する。連結片8
の付け根8aの近傍に何らかの検出手段を設けることに
よって、連結片8の屈曲振動を検出する。
【0021】本発明の他の実施形態においては、振動子
が、固定部と、駆動振動片を固定部に連結する細長い連
結片と、固定部から突出する少なくとも一対の共振アー
ムとを備えており、振動子が第三の回転軸を中心として
回転したときにコリオリ力によって連結片に生ずる屈曲
振動に対して、各共振アームが共振し、各共振アームの
共振に基づいて第三の回転軸を中心とする回転角速度を
検出する。または、駆動振動片を固定部の一方の側に連
結する細長い連結片と、固定部の他方の側から突出する
共振片とを備えており、振動子が第三の回転軸を中心と
して回転したときにコリオリ力によって連結片に生ずる
屈曲振動に対して、共振片が共振し、この共振片の共振
に基づいて第三の回転軸を中心とする回転角速度を検出
する。図5は、この実施形態に係る振動子を示す模式図
である。
【0022】振動子1Eは、固定部10の一方の側から
突出する連結片8と、他方の側から突出する共振片12
とを備えている。一対の駆動振動片3A、3Bが連結片
8の先端に設けられており、一対の検出振動片4A、4
Bが連結片8の両側面から突出している。
【0023】この振動子1Eは、前述したように、x軸
およびy軸の周りの各回転角速度を検出する。これと共
に、振動子1Eをz軸の周りに回転させると、各駆動振
動片3A、3Bには矢印FXYで示すような振動が発生
し、これに応答して、連結片8には、矢印GXで示すよ
うに、付け根8aを中心とする屈曲振動が発生する。こ
の屈曲振動GXに対して、一対の共振アーム11A、1
1Bが矢印HXのように順位相で屈曲振動する。従っ
て、各共振アーム11A、1Bにそれぞれ検出手段を設
け、各検出手段からの検出信号を加算することによっ
て、z軸の周りの回転回転角速度を算出できる。
【0024】これと共に、固定部10の他方の側にある
共振片12は、連結片8の振動GXに応答して、JXの
ように屈曲振動する。共振片12の付け根の近傍に検出
手段を設け、この検出手段からの検出信号を処理するこ
とによって、z軸の周りの回転角速度を算出できる。
【0025】このように、共振アームを11A、11
B、あるいは共振片12を、x軸およびy軸の周りの回
転角速度を検出する検出振動片6A、6Bから分離して
設けることによって、z軸の周りの回転角速度の検出感
度を向上させることができる。
【0026】連結片8の屈曲振動からz軸の周りの回転
角速度を検出するためには、連結片8の縦横比は3倍以
上とすることが好ましい。
【0027】また、本発明の実施形態においては、振動
子が、少なくとも二対の駆動振動片、少なくとも二対の
検出振動片、各対の駆動振動片および各対の検出振動片
に対してそれぞれ連結されている細長い連結片、および
各連結片を互いに連結する連結部分を備えており、二対
の駆動振動片にそれぞれ駆動振動を励起するための手段
を備えている。この際、特に好ましくは、振動子が、連
結部分に連結されている少なくとも一つの第二の検出振
動片を備えており、振動子が第三の回転軸を中心として
回転したときにコリオリ力によって各連結片に生ずる屈
曲振動に対して、第二の検出振動片が共振し、この第二
の検出振動片の共振に基づいて第三の回転軸を中心とす
る回転角速度を検出する。図6、図7は、この実施形態
に係る振動子1Fに係るものである。
【0028】振動子1Fは、少なくとも二対の駆動振動
片3Aと3Bおよび3Cと3D、少なくとも二対の検出
振動片6Aと6B、および6Cと6D、各対の駆動振動
片および各対の検出振動片に対してそれぞれ連結されて
いる細長い連結片8A、8B、および各連結片8Aと8
Bとを互いに連結する連結部分20を備えている。連結
部分20は、本例では略正方形をしており、連結部分2
0の相対向する各辺から、連結片8A、8Bが突出して
いる。2A、2Bは駆動振動系であり、4C、4Dは検
出振動系である。
【0029】各駆動振動片に対して、矢印AXYで示す
ように、屈曲振動を励振し、この状態で振動子1Fをx
軸、y軸の周りに回転させると、各検出振動片6A−6
DがCZ、EZで示すように振動するので、前述したよ
うにしてx軸、y軸の周りの回転角速度を算出できる。
【0030】また、振動子1Fは、連結部分20に連結
されている二つの第二の検出振動片13を備えている。
図7に示すように、振動子1Fが第三の回転軸zを中心
として回転すると、コリオリ力によって各連結片8A、
8Bに、矢印GXで示す屈曲振動が生ずる。これに応答
して、第二の検出振動片13がKYのように屈曲振動す
る。この振動に基づいて、z軸の周りの回転角速度を算
出できる。
【0031】振動子の材質は特に限定しないが、水晶、
LiNbO3 、LiTaO3 、ニオブ酸リチウム−タン
タル酸リチウム固溶体(Li(Nb,Ta)O3)単結
晶、ホウ酸リチウム単結晶、ランガサイト単結晶等から
なる圧電単結晶を使用することが好ましい。圧電単結晶
を使用すると、検出感度を良好にすることができるとと
もに、検出ノイズを小さくできる。
【0032】本発明の振動子を圧電性材料によって形成
した場合には、この振動子に駆動電極および検出電極を
設ける。圧電性材料としては、圧電単結晶の他に、PZ
T等の圧電セラミックスがある。本発明の振動子を、エ
リンバー等の恒弾性金属によって形成することもでき
る。この場合には、振動子の所定箇所に圧電体を取り付
ける必要がある。
【0033】振動子は、圧電材料や恒弾性合金の他に、
シリコンマイクロマシンにおいて使用されるように、シ
リコン半導体プロセスによって形成することもできる。
この場合には、振動子を駆動する際には、静電力等を利
用する。具体的には静電検出電極を利用できる。また、
静電検出電極のかわりに、特定の金属がドープされた半
導体ドーピング領域を設け、この半導体ドーピング領域
によってピエゾ抵抗素子を構成できる。この場合には、
振動子が回転するときに、各屈曲振動片の各ピエゾ抵抗
素子に加わる応力による抵抗値の変化を測定し、回転角
速度の指標として検出する。
【0034】駆動振動片は、第一の回転軸に対して、1
0−80°の角度をなすことが好ましく、30−60°
の角度をなすことが一層好ましい。
【0035】振動子が圧電性セラミックスまたは恒弾性
金属によって形成されている場合には、駆動振動片およ
び検出振動片が、第一の回転軸xに対して10−80°
の角度をなしていることが好ましく、30−60°の角
度をなしていることが一層好ましい。これが約45°で
あると、x軸の周りの回転角速度の検出感度と、y軸の
周りの回転角速度の検出感度とを同程度とすることがで
きるので、特に好ましい。
【0036】振動子が圧電性単結晶、特に水晶、ニオブ
酸リチウム、タンタル酸リチウム、ニオブ酸リチウム−
タンタル酸リチウム固溶体からなる場合には、駆動振動
片および検出振動片が、第一の回転軸に対して10−8
0°の角度をなしていることが好ましく、20−70°
の角度をなしていることが一層好ましい。一対の駆動振
動片同士、あるいは一対の検出振動片同士は、約120
°の角度をなすことが特に好ましい。
【0037】水晶のように、所定面内に3回回転の結晶
軸を有している単結晶によって振動子が形成されている
場合には、各結晶軸の方向に向かって各駆動振動片、各
検出振動片が延びるようにすることが好ましい。これに
よって、一対の駆動振動片の振動面の結晶方位、あるい
は一対の検出振動片の振動面の結晶方位が一致する。
【0038】第一の回転軸xの周りの回転角速度に対応
する屈曲振動CZの共振周波数f(CZ)と、第二の回
転軸yの周りの回転角速度に対応する屈曲振動EZの共
振周波数f(EZ)とは、互いに50Hz以上異なって
いることが好ましい。また、駆動振動の共振周波数f
(D)は、屈曲振動CZの共振周波数f(CZ)と屈曲
振動EZの共振周波数f(EZ)との間にあることが好
ましい。この場合には、駆動振動の共振周波数f(D)
と屈曲振動CZの共振周波数f(CZ)との差|f
(D)−f(CZ)|と、駆動振動の共振周波数f
(D)と屈曲振動EZの共振周波数f(EZ)との差|
f(D)−f(EZ)|とが、互いに10Hz以下異な
っていることが好ましい。これによって、x軸の周りの
回転角速度の検出感度と、y軸の周りの回転角速度の検
出感度とを近づけ、あるいは一致させることができる。
【0039】本発明においては、振動子が所定面に沿っ
て延びているが、これは厳密に幾何学的意味で所定面内
に延びていることを言うものではなく、本技術分野にお
いて常識的な値、例えば厚さにして1mm以下の範囲内
に振動子が形成されていることを意味する。
【0040】図8は、本発明の他の実施形態に係る振動
子1Gを示す斜視図である。振動子1Gは、固定部10
と、固定部10から延びる細長い連結片8とを備えてい
る。連結片8の先端側には拡張部分14が設けられてい
る。拡張部分14の先端側から一対の駆動振動片3A、
3Bが延びており、拡張部分14の固定部10側の端部
から一対の検出振動片6A、6Bが延びている。駆動振
動片と検出振動片とは互いに略平行である。
【0041】図9に示す振動子1Hは、図8に示した振
動子1Gとほぼ同様の形態を有しているが、各駆動振動
片3A、3B、検出振動片6A、6Bが延びている方向
が異なっており、かつ連結片22が平面的に見て長方形
をなしている。
【0042】図10に示す振動子1Jの外形は正方形な
いし正方形に近い長方形である。振動子1Jは枠部15
を備えており、枠部15内には中空部16が形成されて
いる。枠部15から中空部16へと向かって連結片8が
突出している。連結片8の先端から一対の駆動振動片3
A、3Bが突出しており、駆動振動片から若干付け根8
a側に離れた位置から、一対の検出振動片6A、6Bが
突出している。
【0043】本例の振動子1Jの全体は恒弾性金属から
なっており、恒弾性金属の表面に、アース電極膜が形成
されており、アース電極膜の表面に、圧電セラミックス
板が取り付けられており、圧電セラミックス板の表面
に、各電極が形成されている。また、振動子1Jの枠部
15の縁部には電極パッド17A、17B、17C、1
7D、17Eが形成されている。
【0044】各駆動振動片3A、3B上にはそれぞれ駆
動電極18A、18Bが形成されている。各検出振動片
6A、6B上にはそれぞれ検出電極19A、19Bが形
成されている。連結片8には第二の検出電極21A、2
1Bが形成されている。これらの各駆動電極および検出
電極とアース電極との間に、それぞれ圧電セラミックス
板が挟まれている。
【0045】各駆動電極18A、18Bは、電極パッド
17Aを介して高周波電源25に接続されており、この
高周波電源25によって各駆動振動片を励振する。各検
出電極19A、19B、21A、21Bからの各検出信
号は、次のように処理される。即ち、各検出振動片19
A、19Bからの検出信号を、電極パッド17B、17
Cを通して振動子の外部へと送り、加算し、この和を計
算装置へと送り、x軸の周りの回転角速度を算出する。
また、各検出振動片19A、19Bからの検出信号を、
電極パッド17B、17Cを通して振動子の外部へと送
り、除算し、その差を計算装置へと送り、y軸の周りの
回転角速度を算出する。また、検出電極21A、21B
からの検出信号を、電極パッド17D、17Eを通して
振動子の外部へと送り、除算し、この差を計算装置へと
送り、z軸の周りの回転角速度を算出する。
【0046】
【発明の効果】以上述べてきたように、本発明によれ
ば、複数の回転軸の周りの各回転角速度を検出可能な振
動型ジャイロスコープを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は振動子1Aの模式図であり、(b)
は、振動子1Aをy軸の周りに回転させたときの動作を
示す模式図であり、(c)は、振動子1Aをx軸の周り
に回転させたときの動作を示す模式図である。
【図2】(a)は、連結片7を備える振動子1Bの模式
図であり、(b)は、振動子1Bをy軸の周りに回転さ
せたときの動作を示す模式図であり、(c)は、振動子
1Bをx軸の周りに回転させたときの動作を示す模式図
である。
【図3】(a)は、固定部10、第一の連結片8および
第二の連結片9を備える振動子1Cを示す模式図であ
り、(b)は、振動子1Cをx軸の周りに回転させとき
の動作を示す模式図である。
【図4】(a)は、振動子1Dをx軸およびy軸の周り
に回転させたときの動作を示す模式図であり、(b)
は、振動子1Dをz軸のまわりに回転させたときの動作
を示す模式図である。
【図5】振動子1Eをz軸の周りに回転させたときの動
作を示す模式図であり、振動子1Eは、固定部10、連
結片8、一対の共振アーム11A、11B、および共振
片12を備えている。
【図6】振動子1Fをx軸およびy軸の周りに回転させ
たときの動作を示す模式図であり、振動子1Fは、第一
の連結片8A、第二の連結片8B、一対の第二の検出振
動片13、およびこれらを連結する連結部分20を備え
ている。
【図7】振動子1Fをz軸の周りに回転させたときの動
作を示す模式図である。
【図8】振動子1Gを示す斜視図である。
【図9】振動子1Hを示す斜視図である。
【図10】振動子1Jおよびその回路構成を示す模式図
である。
【符号の説明】
1A、1B、1C、1D、1E、1F、1G、1H、1
J 振動子 2A、2B 駆動振動系 3
A、3B、3C、3D 駆動振動片 4A、4
B、4C、4D 検出振動系 5 各振動片の付
け根 6A、6B、6C、6D 第一の回転軸xおよび第二の
回転軸yの周りの各回転角速度を検出するための検出振
動片 7 第二の回転軸の方向に延びる連結片
8、8A、8B 細長い連結片 10
固定部 11A、11B 共振アーム 12 共振片
13 第三の回転軸zの周りの回転角速度を検出す
るための第二の検出振動片 AXY各駆動振動片
の駆動振動 BZ 第二の回転軸yの周り
の回転によって各駆動振動片に励起された屈曲振動
CZ 振動BZに応答して各検出振動片に励起され
た検出振動 DZ 第一の回転軸xの周りの回転
によって各駆動振動片に励起された屈曲振動 E
Z 振動DZに応答して各検出振動片に励起された検出
振動 FXY 第三の回転軸zの周りの回転によ
って各駆動振動片に励起された振動 GX 各駆
動振動片に励起された振動FXYに基づいて連結片8に
励起された屈曲振動 HX 振動GXに応
答して共振アーム11A、11Bに励起された検出振動
JX振動GXに応答して共振片12に励起され
た検出振動 GO 振動子の重心 GD
駆動振動の全体の重心

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】所定面に略平行に延びる第一の回転軸およ
    び第二の回転軸を中心とする各回転角速度を検出するた
    めの振動型ジャイロスコープであって、 前記所定面に沿って延びる振動子を備えており、この振
    動子が、第一の回転軸および第二の回転軸に対して交差
    する方向に向かって延びる少なくとも一対の駆動振動
    片、この駆動振動片と分離された少なくとも一対の検出
    振動片、一対の検出振動片の一方からの検出信号と他方
    からの検出信号との和から第一の回転軸の周りの回転角
    速度を検出する手段、および一対の検出振動片の一方か
    らの検出信号と他方からの検出信号との差から第二の回
    転軸の周りの回転角速度を検出する手段を備えているこ
    とを特徴とする、振動型ジャイロスコープ。
  2. 【請求項2】前記振動子が、前記駆動振動片と前記検出
    振動片とを連結する連結片を備えていることを特徴とす
    る、請求項1記載の振動型ジャイロスコープ。
  3. 【請求項3】前記振動子が、固定部、この固定部の一方
    の側に設けられている第一の連結片、および固定部の他
    方の側に設けられている第二の連結片を備えており、前
    記駆動振動片が第一の連結片に連結されており、前記検
    出振動片が第二の連結片に連結されていることを特徴と
    する、請求項1記載の振動型ジャイロスコープ。
  4. 【請求項4】前記振動型ジャイロスコープが、前記所定
    面に対して略垂直な第三の回転軸を中心とする回転角速
    度を検出するものであり、前記振動子が、固定部と、前
    記駆動振動片を前記固定部に連結する細長い連結片とを
    備えており、振動子が第三の回転軸を中心として回転し
    たときにコリオリ力によって連結片に生ずる屈曲振動に
    基づいて、第三の回転軸を中心とする回転角速度を検出
    することを特徴とする、請求項1または2記載の振動型
    ジャイロスコープ。
  5. 【請求項5】前記振動型ジャイロスコープが、前記所定
    面に対して略垂直な第三の回転軸を中心とする回転角速
    度を検出するものであり、前記振動子が、固定部と、前
    記駆動振動片を前記固定部に連結する細長い連結片と、
    前記固定部から突出する少なくとも一対の共振アームと
    を備えており、振動子が第三の回転軸を中心として回転
    したときにコリオリ力によって連結片に生ずる屈曲振動
    に対して、各共振アームが共振し、各共振アームの共振
    に基づいて第三の回転軸を中心とする回転角速度を検出
    することを特徴とする、請求項1または2記載の振動型
    ジャイロスコープ。
  6. 【請求項6】前記振動型ジャイロスコープが、前記所定
    面に対して略垂直な第三の回転軸を中心とする回転角速
    度を検出するものであり、前記振動子が、細長い固定部
    と、前記駆動振動片を前記固定部の一方の側に連結する
    細長い連結片と、前記固定部の他方の側から突出する共
    振片とを備えており、振動子が第三の回転軸を中心とし
    て回転したときにコリオリ力によって連結片に生ずる屈
    曲振動に対して、共振片が共振し、この共振片の共振に
    基づいて第三の回転軸を中心とする回転角速度を検出す
    ることを特徴とする、請求項1または2または5記載の
    振動型ジャイロスコープ。
  7. 【請求項7】前記検出振動片が前記連結片に連結されて
    いることを特徴とする、請求項4−6のいずれか一つの
    請求項に記載の振動型ジャイロスコープ。
  8. 【請求項8】前記振動子が、少なくとも二対の前記駆動
    振動片、少なくとも二対の前記検出振動片、各対の駆動
    振動片および各対の検出振動片に対してそれぞれ連結さ
    れている細長い連結片、および各連結片を互いに連結す
    る連結部分を備えており、二対の駆動振動片にそれぞれ
    駆動振動を励起するための手段を備えていることを特徴
    とする、請求項1記載の振動型ジャイロスコープ。
  9. 【請求項9】前記二対の駆動振動片の駆動振動の全体の
    重心が、前記振動子の重心上またはその近傍にあること
    を特徴とする、請求項8記載の振動型ジャイロスコー
    プ。
  10. 【請求項10】前記振動型ジャイロスコープが、前記所
    定面に対して略垂直な第三の回転軸を中心とする回転角
    速度を検出するものであり、前記振動子が、前記連結部
    分に連結されている少なくとも一つの第二の検出振動片
    を備えており、振動子が第三の回転軸を中心として回転
    したときにコリオリ力によって各連結片に生ずる屈曲振
    動に対して、第二の検出振動片が共振し、この第二の検
    出振動片の共振に基づいて第三の回転軸を中心とする回
    転角速度を検出することを特徴とする、請求項8または
    9記載の振動型ジャイロスコープ。
  11. 【請求項11】前記振動子が圧電性セラミックスまたは
    恒弾性金属からなり、前記駆動振動片および前記検出振
    動片が、前記第一の回転軸に対して10−80°の角度
    をなしていることを特徴とする、請求項1−10のいず
    れか一つの請求項に記載の振動型ジャイロスコープ。
  12. 【請求項12】前記振動子が圧電性単結晶からなり、前
    記駆動振動片および前記検出振動片が、前記第一の回転
    軸に対して10−80°の角度をなしていることを特徴
    とする、請求項1−10のいずれか一つの請求項に記載
    の振動型ジャイロスコープ。
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