JP2000180466A - 直線加速度計 - Google Patents

直線加速度計

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JP2000180466A
JP2000180466A JP10361052A JP36105298A JP2000180466A JP 2000180466 A JP2000180466 A JP 2000180466A JP 10361052 A JP10361052 A JP 10361052A JP 36105298 A JP36105298 A JP 36105298A JP 2000180466 A JP2000180466 A JP 2000180466A
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Japan
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tuning
fork
axis
tuning fork
vibration
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JP10361052A
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English (en)
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Takayuki Kikuchi
菊池  尊行
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NGK Insulators Ltd
Original Assignee
NGK Insulators Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】音叉型振動片を使用した直線加速度センサーの
感度を向上させ得るような、あるいは、その測定誤差を
少なくできるような、新たな動作原理に基づく直線加速
度センサーを提供する。 【解決手段】振動子は所定面内に延びる。振動子が、少
なくとも一対の音叉型振動片であって、無荷重時に所定
の共振周波数において共振する音叉型振動片9A、9
B、音叉型振動片9A、9Bの一方の端部25を固定す
る固定部7、および音叉型振動片の他方の端部26に連
結されている振動系21を備えている。音叉型振動片の
共振周波数の変化を検出することによって、直線加速度
を算出するのに際して、振動系21の内部に駆動振動D
を励振する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、直線加速度を検出
するための直線加速度計に関するものである。
【0002】
【従来の技術】特開昭55−51329号公報によれ
ば、一対の音叉型振動片によって振動子を作製し、振動
子を励振して各音叉型振動片を共振させ、この状態で音
叉型振動子の長手方向に応力を加え、応力を共振周波数
の変化に変換している。また、「Proceedings of the A
nnual Meeting: Institute of Navigation」Vol.4
9、1993年、第401−403頁の「Micromachine
d Quartz Sensors for Tactical Missions」によれば、
二対の音叉型振動片を同軸の方向に並べ、各音叉型振動
片の間に質量を挟んでいる。質量に対して、前記軸の方
向に直線加速度が加わると、一方の音叉型振動片の対に
は引張応力が加わり、他方の音叉型振動片の対には圧縮
応力が加わるので、各共振周波数はそれぞれ反対方向に
変化する。各音叉型振動片対の共振周波数の変化の差を
とることによって、直線加速度を一層正確に測定するこ
とを試みている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、こうした音叉
型振動片を使用した直線加速度センサーの動作原理に
は、その感度を一層向上させるという観点からは、長期
間にわたって進歩が見られなかった。また、直線加速度
を測定するべき一方の軸方向とは垂直な他方の軸の方向
にも直線加速度が加わっているときには、直線加速度セ
ンサーの測定値に誤差が生じ,測定感度を低下させる。
【0004】本発明の課題は、音叉型振動片を使用した
直線加速度センサーの感度を向上させ得るような、新た
な動作原理に基づく直線加速度センサーを提供すること
である。
【0005】また、本発明の課題は、音叉型振動片を使
用した直線加速度センサーの測定誤差を少なくし、その
感度を向上させ得るような、新たな動作原理に基づく直
線加速度センサーを提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、直線加速度を
検出するための直線加速度計であって、所定面内に延び
る振動子を備えており、振動子が、少なくとも一対の音
叉型振動片であって、無荷重時に所定の共振周波数にお
いて共振する音叉型振動片、これらの音叉型振動片の一
方の端部を固定する固定部、および音叉型振動片の他方
の端部に連結されている振動系を備えており、音叉型振
動片の共振周波数の変化を検出することによって直線加
速度を算出するのに際して、振動系の内部に駆動振動を
励振することを特徴とする。
【0007】本発明者は、音叉型振動片を利用した直線
加速度センサーにおいて、その質量部の中に振動系を設
け、音叉型振動片の共振周波数の変化を測定する際に、
その振動系内に何らかの駆動振動を励振することによっ
て、感度を向上させ得ることを見いだした。
【0008】図1の模式図を参照しつつ、本発明を説明
する。一対の音叉型振動片9A、9Bからなる音叉型振
動子6の一方の端部25は、固定部7Aに対して固定さ
れており、固定部7Aは何らかの固定手段8によって外
部の部材に固定されている。音叉型振動子6の他方の端
部26は、振動系21に対して連結されている。振動系
21中には、何らかの振動片22が包含されている。直
線加速度αを測定する際に、振動片22に対して駆動振
動Dを励振する。
【0009】本発明の好適形態においては、振動系内の
振動片22が細長い振動片であり、駆動振動が、振動片
の所定面内の屈曲振動である。駆動振動が、所定面に対
して垂直方向の振動成分を含んでいると、音叉型振動片
にねじれ振動が励起されるので、クロストークが生じや
すくなる。
【0010】本発明の好適形態においては、各対の音叉
型振動片が、直線加速度を測定するべき一方の軸に沿っ
て延びており、振動子の重心の両側にそれぞれ設けられ
ている。この場合には、各音叉型振動片の共振周波数の
変化の差をとることによって、一層正確な測定ができ
る。各音叉型振動片の各共振周波数およびその変化を検
出する際には、周波数カウンターの信号をデジタル演算
処理するか、あるいは、各音叉型振動片の各共振周波数
をf−v変換し、各信号を差動増幅器によって処理す
る。
【0011】図2は、この実施形態を模式的に図示する
正面図である。この振動子は、一対の音叉型振動片9
A、9Bからなる音叉型振動子6Aと、一対の音叉型振
動片9C、9Dからなる音叉型振動子6Bを備えてい
る。音叉型振動子6Aと6Bとは、一方の軸(X軸)方
向に延びている。各音叉型振動片の各一方の端部25に
各固定部7A、7Bが連結されており、各他方の端部2
6に振動系21が連結されている。10A、10Bは空
隙部である。振動系21の内部には、振動子全体の重心
GOと、駆動振動Dの全体の重心Dとが存在しており、
両者は重なっている。
【0012】特に好ましくは、更に、音叉型振動片の対
を、直線加速度を測定するべき他方の軸に沿って延びる
ように、振動子の重心の両側にそれぞれ設ける。これに
よって、所定面内の2軸に沿って直線加速度を測定でき
る。
【0013】また、本発明は、直線加速度を検出するた
めの直線加速度計であって、所定面内に延びる振動子を
備えており、振動子が、無荷重時に所定の共振周波数に
おいて共振する少なくとも四対の音叉型振動片、各音叉
型振動片の一方の端部を固定する各固定部、および各音
叉型振動片の各他方の端部を連結する連結部を備えてお
り、音叉型振動片が、所定面内の一方の軸の方向に延び
る少なくとも二対の一方の音叉型振動片と所定面内の他
方の軸の方向に延びる少なくとも二対の他方の音叉型振
動片とを含んでおり、各音叉型振動片の各共振周波数の
変化を検出することによって一方の軸の方向の直線加速
度を算出するのに際して、各一方の音叉型振動片の各共
振周波数の差を、他方の音叉型振動片の各共振周波数の
差に応じて補正することを特徴とする。この連結部は、
前述したような駆動振動系を備えている。
【0014】図3は、この実施形態を模式的に図示する
正面図である。この振動子は、一対の音叉型振動片9
A、9Bからなる音叉型振動子6A、一対の音叉型振動
片9C、9Dからなる音叉型振動子6B、音叉型振動片
9E、9Fからなる音叉型振動子6C、音叉型振動片9
G、9Hからなる音叉型振動子6Dを備えている。音叉
型振動子6A、6Bは、一方の軸(X軸)方向に延びて
おり、音叉型振動片6C、6Dは、他方の軸(Y軸)方
向に延びている。各音叉型振動片の各一方の端部25に
各固定部7A、7B、7C、7Dが連結されており、各
他方の端部26に振動系21が連結されている。10
A、10B、10C、10Dは空隙部である。連結部2
1は、好ましくは前述した振動系からなる。
【0015】こうしたセンサーの原理について述べる。
従来のセンサーでは、一方の軸の方向(図3におけるX
軸の方向)に音叉型振動片が延びており、この方向の直
線加速度を測定する。しかし、現実の直線加速度センサ
ーにおいては、Y軸方向にも直線加速度が加わるが、こ
の方向の直線加速度によっても音叉型振動片の共振周波
数に変化が生ずる。理論的には、音叉型振動子がX軸に
対して完全に対称な形状を有している場合には、こうし
たクロストークノイズは生じないはずであるが、実際の
センサーでは、ある程度の製造時の誤差が生ずる。そし
て、本来測定するべきX軸方向の直線加速度に基づく共
振周波数の変化から、Y軸方向の直線加速度に基づく共
振周波数の変化を分別する手段がないために、測定精度
が低下していた。
【0016】これに対して、図3に示すように2軸方向
にそれぞれ音叉型振動子を設けた場合には、X軸方向の
直線加速度に基づく共振周波数の変化を、Y軸方向、更
にはZ軸方向の各直線加速度に基づく共振周波数の変化
から分別し、補正できることが判明した。この補正によ
って、X軸方向、Y軸方向の各直線加速度を測定する際
の分解能を一層向上させ得る。
【0017】例えば、各音叉型振動子6A、6B、6
C、6Dの各共振周波数の変化をa、b、c、dとす
る。理想的には、a−bがX軸方向の直線加速度に比例
し、c−dがY軸方向の直線加速度に比例するはずであ
る。そして、X軸方向の直線加速度によって、音叉型振
動子6Aと6Bとに対して、反対方向の応力が加わる。
従って、aとbとは異符号であるはずである。
【0018】ところが、aとbとが共に正の値となった
り、共に負の値となったりした場合には、X軸方向の直
線加速度からは説明できないので、Y軸方向の直線加速
度からのクロストークノイズが生じていることを判別で
きる。この場合には、クロストークノイズの発生量がc
−dに比例するので、c−dに比例する適正な値をa−
bに対して補正することによって、X軸方向の直線加速
度の一層正確な測定値が得られる。以上のプロセスは、
Y軸方向の直線加速度を測定する際にも、まったく同様
に適用できる。
【0019】また、a、b、c、dのすべての値が同じ
符号である場合がある。こうした現象は、X軸方向、Y
軸方向の各直線加速度の変化によっては説明できないの
で、Z軸方向の直線加速度に基づくクロストークノイズ
が発生していることが分かる。このクロストークノイズ
は、X軸、Y軸方向の各音叉型振動子にすべて作用する
からである。ここで、各音叉型振動子6A−6Dに対す
る、Z軸方向の直線加速度に基づくクロストークノイズ
の大きさは、それぞれ異なっているはずである。従っ
て、予め、X軸、Y軸方向の各直線加速度を0にした状
態で、Z軸方向に直線加速度を加え、この際の各音叉型
振動子6A−6Dからの各クロストークノイズを測定す
る。Z軸方向の直線加速度は、種々変更する。そして、
X軸、Y軸方向の直線加速度が0のときの、Z軸方向の
各直線加速度に対する各クロストークノイズの値と、実
際のa、b、c、dの測定値とを比較し、Z軸方向の直
線加速度を算出する。
【0020】本発明の振動子においては、駆動振動の全
体の重心GDが、振動子の重心GOの近傍領域に位置し
ていることが好ましく、これによって直線加速度測定時
のクロストークノイズを最小限にできる。駆動振動の重
心GDが、振動子の重心GOの近傍領域に位置している
とは、具体的には、実質的に重心GO上に位置していて
もよいが、重心GOから直径1mmの円内に存在してい
ることを意味する。
【0021】本発明の振動子は所定面内に延びている
が、これは厚さにして1mm以下の範囲内に振動子が形
成されている場合を含む。
【0022】本発明の好適形態では、振動系内に、所定
面内で駆動振動および検出振動を生じさせ、回転角速度
を検出できる。この場合には、振動子の駆動振動および
検出振動、更に音叉型振動片の振動が、いずれも所定面
内で行われる。しかも、検出振動系には駆動振動の影響
が伝達されにくいので、検出信号に不可避的に発生して
いたノイズを、抑制ないし防止することができる。
【0023】本発明の好適形態においては、連結部の中
に振動子の重心が位置しており、連結部の周縁から、駆
動振動系、検出振動系および音叉型振動子が延びてい
る。この実施形態について、図4の模式的正面図を参照
しつつ、説明する。
【0024】例えば円形の連結部1からは、一方の軸
(X軸)の方向に延びるように、音叉型振動子6A、6
Bが延びており、他方の軸(Y軸)の方向に延びるよう
に、音叉型振動子6C、6Dが延びている。
【0025】連結部1の周縁1aから、駆動振動系2A
と2B、および検出振動系3A、3Bが放射状に突出し
ている。各空隙10A、10Bに、それぞれ駆動振動系
2A、2Bが設けられており、各空隙10C、10D
に、それぞれ検出振動系3A、3Bが設けられている。
連結部1、駆動振動系2A、2B、検出振動系3A、3
Bによって、振動系21Aが構成されている。
【0026】なお、図4、図5における各振動系2A、
2B、3A、3Bは、各振動系の具体的形態を図示する
ものではなく、各振動系を概念的に示すものである。こ
こで、Oは、回転軸Zと振動子の所定面との交点(回転
中心)である。GOは、振動子の全体の重心(非振動
時)であり、GDは、駆動振動の重心である。
【0027】複数の駆動振動系、あるいは複数の検出振
動系は、それぞれ、重心GOを中心として回転対称の位
置にあることが、比較的微小な検出振動への影響を抑制
できることから、好ましい。これは、重心GOを中心と
して、各振動系がそれぞれ所定面内で同じ所定角度離れ
ている状態を意味する。従って、一つの振動系を所定面
内で所定角度回転させる操作を行うと、他の振動系の位
置に位置する。例えば、図4においては、駆動振動系2
Aと2Bとは、180°離れているので、振動系2Aを
180°回転させる操作を行うと、振動系2Bの位置に
くる。
【0028】本例では、各駆動振動系中の振動片4A,
4Bの振動は、主として径方向に振動する振動成分(矢
印Aで示す)からなり、各検出振動系中の振動片5A、
5Bの振動は、主として周方向に振動する振動成分(矢
印Bで示す)からなる。周方向に振動する振動成分と
は、振動子の重心GOから見て所定面内で円周方向に振
動する振動成分のことを指している。径方向に振動する
成分とは、重心GOからみて所定面内で円の直径方向に
振動する振動成分のことを指しており、つまり、重心G
Oに対して遠ざかる方向と近づく方向とに対して、交互
に振動する成分のことを言う。
【0029】図5は、本発明の他の実施形態に係る振動
子を模式的に示す正面図である。図4に示した各部分と
同じ部分には同じ符号を付け、その説明を省略する。本
例では連結部が枠部11であり、枠部11中に空隙12
が設けられている。枠部11の内側面11bから、一方
の軸の方向に向かって、各駆動振動系2A、2Bが延び
ており、他方の軸の方向に向かって、各検出振動系3
A、3Bが延びている。枠部11の外側面11aから、
一方の軸の方向に向かって、各音叉型振動片9A、9
B、9C、9Dが延びており、他方の軸の方向に向かっ
て、各音叉型振動片9E、9F、9G、9Hが延びてい
る。連結部11、駆動振動系2A、2B、検出振動系3
A、3Bによって、振動系21Bが構成されている。
【0030】図4、図5においては、回転中心(回転軸
と所定面との交点)Oが、振動子の重心GOおよび駆動
振動の全体の重心GDと一致しているが、回転中心Oが
振動子の重心とは一致していない場合も、更には回転中
心Oが振動子の外部に位置している場合も、本願発明の
振動子は有用である。なぜなら、振動子が回転している
ときに、回転中心Oと振動子の重心GOとが一致してい
ない場合の振動子の各部分の変位は、回転中心Oが振動
子の重心GOと一致している場合の振動子の各部分の変
位(回転による振動子の各部分の変位)と、振動子の各
部分の並進運動による変位とのベクトル和となる。そし
て、振動子の各部分の並進運動による変位については、
コリオリ力は働かないので、振動型ジャイロスコープに
よって検出することなく、消去できるからである。
【0031】駆動振動系と検出振動系との一方における
径方向振動成分と周方向振動成分との振幅の大きさは、
1:0−3とすることが好ましく、1:0−1とするこ
とが更に好ましい。他方における径方向振動成分と周方
向振動成分との振幅の大きさは、0−1:5とすること
が好ましく、0−1:10とすることが更に好ましい。
ただし、ここで言う各振動成分の各振幅は、対象とする
振動系内に存在する、逆向きの振動を互いに相殺しない
場合の各振動成分の各振幅を意味する。
【0032】あるいは、駆動振動系と検出振動系との一
方における径方向振動成分と周方向振動成分との振幅の
大きさは、5:0−1とすることが好ましく、10:0
−1とすることが更に好ましい。他方における径方向振
動成分と周方向振動成分との振幅の大きさは、0−1:
5とすることが好ましく、0−1:10とすることが更
に好ましい。ただし、ここで言う各振動成分の各振幅
は、対象とする振動系内に存在する、逆向きの振動を互
いに相殺した後に残る各振動成分の各振幅を意味する。
【0033】駆動振動系の駆動振動の周波数は、音叉型
振動片の共振周波数と異なっていることが、回転角速度
および直線加速度の測定精度を向上させる上で特に好ま
しい。この場合には、両者の差を1Hz以上とすること
が好ましい。
【0034】各対の音叉型振動片は、互いに平行な平行
部分の他に、各平行部分に対して所定角度をもって交差
している傾斜部分を備えていることが好ましく、これに
よって直線加速度の測定感度が増加する。この観点から
は、平行部分と傾斜部分との角度は、30度−60度と
することが好ましい。
【0035】本発明の振動子の変位は、所定面内で生ず
る。このため、振動子の全体を、同一の圧電単結晶によ
って形成することができる。この場合には、まず圧電単
結晶の薄板を作製し、この薄板をエッチング、研削によ
り加工することによって、振動子を作製できる。振動子
の各部分は、別の部材によってそれぞれ形成することも
できるが、一体で構成することが特に好ましい。
【0036】また、振動子の材質は特に限定するもので
ないが、水晶、LiNbO3 、LiTaO3 、ニオブ酸
リチウム−タンタル酸リチウム固溶体(Li(Nb,T
a)O3 )単結晶、ホウ酸リチウム単結晶、ランガサイ
ト単結晶等からなる圧電単結晶を使用することが好まし
い。
【0037】圧電単結晶を使用すると、検出感度を良好
にすることができるとともに、検出ノイズを小さくでき
る。しかも、圧電単結晶を使用すると、温度変化に対し
て特に鈍感な振動子を作製でき、このような振動子は、
温度安定性を必要とする車載用として好適である。
【0038】即ち、振動子の全体が所定面内で振動する
ように設計されていることから、圧電単結晶のうち振動
周波数の温度変化がほとんどない結晶面のみを利用し
て、振動子を製造することができる。これによって、き
わめて温度安定性の高い直線加速度計を提供できる。
【0039】本発明の振動子を圧電性材料によって形成
した場合には、この振動子に駆動電極および検出電極を
設ける。圧電性材料としては、圧電単結晶の他に、PZ
T等の圧電セラミックスがある。
【0040】本発明の直線加速度計を構成する振動子
は、前述した圧電材料や恒弾性合金の他に、シリコンマ
イクロマシンにおいて使用されるように、シリコン半導
体プロセスによって形成することもできる。この場合に
は、振動子を駆動する際には、静電力等を利用する。
【0041】また、本発明の振動子を、エリンバー等の
恒弾性金属によって形成することもできる。この場合に
は、振動子の所定箇所に圧電体を取り付ける必要があ
る。
【0042】図6は、本発明の一実施形態に係る圧電単
結晶製の振動子を備えた直線加速度計を、概略的に示す
正面図である。連結部13は、振動子の重心GOを中心
として、4回対称の正方形をしている。連結部13の周
縁部13aから、四方に向かって、放射状に、二つの駆
動振動系2A、2Bと検出振動系3A、3Bとが突出し
ており、各振動系は互いに分離されている。駆動振動系
2Aと2Bとは重心GOを中心として2回対称であり、
検出振動系3Aと3Bとは重心GOを中心として2回対
称である。
【0043】駆動振動系2A、2Bは、連結部13の周
縁部13aから突出する支持部18と、支持部18の先
端18b側から支持部に直交する方向に延びる屈曲振動
片4A、4Bを備えている。各屈曲振動片4A、4B
は、更に詳細には屈曲振動片14Aと14B、および1
4Cと14Dからなる。各屈曲振動片には、それぞれ駆
動電極15が設けられている。検出振動系3A、3B
は、細長い周方向屈曲振動片5A、5Bからなり、各屈
曲振動片には検出電極16が設けられている。
【0044】連結部13からは、更に、一方の軸(X
軸)の方向に延びるように、音叉型振動子6A、6Bが
延びており、他方の軸(Y軸)の方向に延びるように、
音叉型振動子6C、6Dが延びている。各音叉型振動子
は、それぞれ、音叉型振動片9Iと9J,9Kと9L,
9Mと9N,9Pと9Qとの各対の音叉型振動片を備え
ており、各対の音叉型振動片の端部に固定部7E,7
F,7G,7Hが結合されている。各固定部は、固定ピ
ン8Aによって、図示しない固定部材に対して固定され
ている。
【0045】各音叉型振動片9I、9J、9M、9N
は、それぞれ、平行部分9b、および、平行部分9bと
連結部13とを連結する傾斜部分9aを備えている。各
音叉型振動片9K、9L、9P、9Qは、それぞれ、平
行部分9d、および、平行部分9dと連結部13とを連
結する傾斜部分9cを備えている。各対の音叉型振動片
の内側の空隙10A、10B、10C、10D内に、そ
れぞれ、各振動系2A、2B、3A、3Bが設けられて
いる。
【0046】駆動モードにおいては、各屈曲振動片14
A、14B、14C、14Dが、支持部18の先端部分
18b付近を中心として、矢印Aのように屈曲振動す
る。検出モードにおいては、各支持部18が、固定部1
8aを中心として周方向に屈曲振動し、これに対応し
て、各検出振動系の各屈曲振動片5A、5Bが、矢印B
のように屈曲振動する。連結部13、駆動振動系2A、
2B、検出振動系3A、3Bによって、振動系21Cが
構成されている。
【0047】図7に示す振動子は、図5に示す振動子の
一層具体的な形態を例示するものである。図5に示した
構成部分については、同じ符号を付け、その説明は省略
する。枠部11Aの外側面11aから、一方の軸(X
軸)の方向に延びるように、音叉型振動子6A、6Bが
延びており、他方の軸(Y軸)の方向に延びるように、
音叉型振動子6C、6Dが延びている。各音叉型振動子
は、それぞれ、音叉型振動片9Rと9S,9Tと9U,
9Vと9W,9Xと9Yとの各対の音叉型振動片を備え
ており、各対の音叉型振動片の端部に固定部7E,7
F,7G,7Hが結合されている。各音叉型振動片9
R、9S、9V、9Wは、それぞれ、平行部分9f、お
よび、平行部分9fと連結部11Aとを連結する傾斜部
分9eを備えている。各音叉型振動片9T、9U、9
X、9Yは、それぞれ、平行部分9h、および、平行部
分9hと連結部11Aとを連結する傾斜部分9gを備え
ている。
【0048】枠部11Aの内側面11bから、一方の軸
の方向に向かって、二つの駆動振動系2A、2Bが突出
しており、他方の軸の方向に向かって、二つの検出振動
系3A、3Bが突出している。駆動振動系2Aと2Bと
は重心GOを中心として2回対称であり、検出振動系3
Aと3Bとは重心GOを中心として2回対称である。各
駆動振動系2A、2Bは、連結部11Aの内側面11b
から突出する支持部18と、支持部18の先端18b側
から支持部に直交する方向に延びる屈曲振動片14A、
14B、14C、14Dを備えている。各検出振動系3
A、3Bは、細長い周方向屈曲振動片5A、5Bからな
る。枠部11A、駆動振動系2A、2B、検出振動系3
A、3Bによって、振動系21Dが構成されている。
【0049】駆動モードにおいては、各屈曲振動片14
A、14B、14C、14Dが、支持部18の先端部分
18b付近を中心として、矢印Aのように屈曲振動す
る。検出モードにおいては、各支持部18が、固定部1
8aを中心として周方向に屈曲振動し、これに対応し
て、各検出振動系の各屈曲振動片5A、5Bが、矢印B
のように屈曲振動する。
【0050】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、音
叉型振動片を使用した直線加速度センサーの感度を向上
させ得るような、あるいは、その測定誤差を少なくでき
るような、新たな動作原理に基づく直線加速度センサー
を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の原理を説明するための模式図である。
【図2】本発明の一実施形態の原理を説明するための模
式図である。
【図3】X軸およびY軸方向にそれぞれ一対の音叉型振
動子を設けた場合の動作原理について説明するための模
式図である。
【図4】本発明の一実施形態に係る振動子を模式的に示
す正面図である。
【図5】本発明の他の実施形態に係る振動子を模式的に
示す正面図である。
【図6】図4の振動子を更に具体化した振動子を模式的
に示す正面図である。
【図7】図5の振動子を更に具体化した振動子を模式的
に示す正面図である。
【符号の説明】
1、13 振動子の重心GOがある連結部 2A、
2B 駆動振動系 3A、3B 検出振動系
4A、4B、5A、5B、22振動片 6A、6
B、6C、6D 音叉型振動子 7A、7B、7
C、7D、7E、7F、7G、7H 固定部 8
固定手段 8A 固定用ピン 9A−9Y 音
叉型振動片 10A、10B、10C、10D音叉
型振動片の空隙部 11、11A 中空の枠部(中
空の連結部) 12枠部の空隙部 14A、14
B、14C、14D 屈曲振動片 15駆動電極
16 検出電極 18 支持部 21、2
1A、21B、21C、21D 振動系 25 音
叉型振動片の一方の端部 26音叉型振動子の他方
の端部 A、D 駆動振動 B 検出振動

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】直線加速度を検出するための直線加速度計
    であって、 所定面内に延びる振動子を備えており、この振動子が、
    少なくとも一対の音叉型振動片であって、無荷重時に所
    定の共振周波数において共振する音叉型振動片、これら
    の音叉型振動片の一方の端部を固定する固定部、および
    前記音叉型振動片の他方の端部に連結されている振動系
    を備えており、前記音叉型振動片の共振周波数の変化を
    検出することによって前記直線加速度を算出するのに際
    して、前記振動系の内部に駆動振動を励振することを特
    徴とする、直線加速度計。
  2. 【請求項2】前記直線加速度計が、前記所定面内におけ
    る一方の軸の方向の直線加速度を測定するものであり、
    この一方の軸の方向に向かって延びる前記音叉型振動片
    を少なくとも二対備えていることを特徴とする、請求項
    1記載の直線加速度計。
  3. 【請求項3】前記振動系の内部に励振される前記駆動振
    動の全体の重心が、前記一方の軸の方向に向かって延び
    る二対の前記音叉型振動片の間にあることを特徴とす
    る、請求項2記載の直線加速度計。
  4. 【請求項4】前記直線加速度計が、前記所定面内におけ
    る他方の軸の方向の直線加速度を測定するものであり、
    この他方の軸の方向に向かって延びる前記音叉型振動片
    を少なくとも二対備えていることを特徴とする、請求項
    2または3記載の直線加速度計。
  5. 【請求項5】前記振動系の内部に励振される前記駆動振
    動の全体の重心が、前記一方の軸の方向に向かって延び
    る前記各音叉型振動片および前記他方の軸の方向に向か
    って延びる前記各音叉型振動片の間にあることを特徴と
    する、請求項4記載の直線加速度計。
  6. 【請求項6】直線加速度を検出するための直線加速度計
    であって、 所定面内に延びる振動子を備えており、この振動子が、
    無荷重時に所定の共振周波数において共振する少なくと
    も四対の音叉型振動片、各音叉型振動片の一方の端部を
    固定する各固定部、および前記各音叉型振動片の各他方
    の端部を連結する連結部を備えており、前記音叉型振動
    片が、前記所定面内の一方の軸の方向に延びる少なくと
    も二対の一方の音叉型振動片と前記所定面内の他方の軸
    の方向に延びる少なくとも二対の他方の音叉型振動片と
    を含んでおり、各一方の音叉型振動片の各共振周波数の
    変化を検出することによって前記一方の軸の方向の直線
    加速度を算出するのに際して、各一方の音叉型振動片の
    各共振周波数の差を、前記他方の音叉型振動片の各共振
    周波数の差に応じて補正することを特徴とする、直線加
    速度計。
  7. 【請求項7】各他方の音叉型振動片の各共振周波数の変
    化を検出することによって前記他方の軸の方向の直線加
    速度を算出するのに際して、前記の各他方の音叉型振動
    片の各共振周波数の差を、前記一方の音叉型振動片の各
    共振周波数の差に応じて補正することを特徴とする、請
    求項6記載の直線加速度計。
  8. 【請求項8】各一方の音叉型振動片の各共振周波数およ
    び各他方の音叉型振動片の各共振周波数から、前記所定
    面に垂直な方向の直線加速度を算出することを特徴とす
    る、請求項6または7記載の直線加速度計。
  9. 【請求項9】前記連結部に駆動振動系が設けられてお
    り、前記音叉型振動片の共振周波数の変化を検出するこ
    とによって前記直線加速度を算出するのに際して、前記
    駆動振動系の内部に駆動振動を励振することを特徴とす
    る、請求項6−9のいずれか一つの請求項に記載の直線
    加速度計。
  10. 【請求項10】前記振動系の前記駆動振動の全体の重心
    が、前記振動子の重心の近傍にあることを特徴とする、
    請求項1−9のいずれか一つの請求項に記載の直線加速
    度計。
  11. 【請求項11】前記駆動振動が、前記振動片の前記所定
    面内の屈曲振動であることを特徴とする、請求項1−1
    0のいずれか一つの請求項に記載の直線加速度計。
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