JP2001012126A - 引き戸錠 - Google Patents

引き戸錠

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JP2001012126A
JP2001012126A JP11186379A JP18637999A JP2001012126A JP 2001012126 A JP2001012126 A JP 2001012126A JP 11186379 A JP11186379 A JP 11186379A JP 18637999 A JP18637999 A JP 18637999A JP 2001012126 A JP2001012126 A JP 2001012126A
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JP
Japan
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sliding door
trigger
resistance
sickle
lock
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JP11186379A
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Inventor
Kengo Inaga
健吾 伊永
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Nishi Seisakusho Co Ltd
Original Assignee
Nishi Seisakusho Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 鎌部材の出入り及びストライクとの係合・離
脱を共に自動的に行い得る戸先鎌錠を改良し、跳ね返り
に対しては強力な係合力を発揮し、人が操作する際には
容易に係合が解ける引き戸錠を開発する。 【解決手段】 引き戸錠1の構成部品は、ケース2、鎌
部材(閉止用係合部材)3と、トリガー5の他、リンク
部材6、てこ部材7、抵抗部材8、抵抗従動部材(連接
部材)10、揺動部材11、エネルギー蓄積バネ12、
ロックカム13、ロック棒14、遅延バネ15である。
引き戸錠1では、引き戸を閉じた瞬間にてこ部材7の係
止片78が鎌部材3の係止部61と係合し、鎌部材3を
回動不能に固定するが、暫く時間が経過すると、抵抗従
動部材10がトリガー5に遅れて移動し、揺動部材11
を揺動させてエネルギー蓄積バネ12の係合を解き、エ
ネルギー蓄積バネ12によっててこ部材7を作動させて
鎌部材3の固定を解く。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、引き戸に使用する
錠に関するものである。より詳細には、本発明は、引き
戸を閉めた時に自動的に閉止用係合部材が突出して戸枠
等のストライクと係合し、引き戸を開ける際には閉止用
係合部材がストライクから外れる形式の引き戸錠に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】引き戸用の錠前の一つとして、戸先鎌錠
と称される錠が知られている。この形式の錠は、引き戸
の端面から鎌状の閉止用係合部材(以下 鎌部材)が出
入りする。そして当該鎌部材が戸枠に設けられたストラ
イクと係合し、引き戸を施錠する。ここで戸先鎌錠の施
錠形式として、鎌部材の出入り及びストライクとの係合
・離脱を常に手動で行うものと、鎌部材が出てストライ
クと係合する際は自動的に行われ、ストライクとの離脱
のみを手動で行うもの、及び鎌部材の出入り及びストラ
イクとの係合・離脱を共に自動的に行い得るものが知ら
れている。
【0003】前記した三者の形式の戸先鎌錠の内、最後
の形式のものは、仮施錠状態と本施錠状態の二つの施錠
状態を持つものであり、特公昭56−33553号、実
公平3−24778号、特開平8−86132号、特開
平10−280769号他に開示されている。ここで本
施錠状態とは、鎌部材が引き戸から突出して戸枠のスト
ライクと係合したままの状態を維持する施錠状態であ
る。本施錠状態にあるときは、手動で開錠操作をしない
限り引き戸は開かない。一方、仮施錠状態とは、鎌部材
がストライクと係合しているものの、手動で開錠操作を
することなく引き戸が開く状態である。
【0004】以下、この種の引き戸錠の機能を簡単に説
明する。図9は、従来技術の引き戸錠の機能を説明する
説明図である。この種の引き戸錠100は、鎌部材10
1の他にトリガー102を持つ。そして常時は鎌部材1
01は錠ケース103の中にあり、トリガー102が錠
ケースから突出している。また鎌部材101とトリガー
102とは錠ケース103の内部でリンクしており、ト
リガー102が錠ケース103内に没入すると鎌部材1
01が突出し、トリガー102が突出すると鎌部材10
1が錠ケース103内に没入する関係にある。
【0005】引き戸錠100が装着された引き戸を閉じ
ると、引き戸の端面から突出したトリガー102が戸枠
の一部と当たり、トリガー102が没入して鎌部材10
1が回動しつつ突出する。その結果、鎌部材101の先
端部分がストライク105の内側に回り込み、ストライ
クと係合して仮施錠状態となる。
【0006】次に使用者が引き戸を開く方向に操作する
と、引き戸の移動力によって鎌部材が移動し、図示しな
い機構によって鎌部材は引き戸側に引き込む。従って、
使用者が引き戸を開き方向に操作すると、鎌部材101
とストライク105の係合が解け、鎌部材101は自動
的に引き戸の中に納まり、引き戸を開くことができる。
なお戸締りをする際には、サムターンやシリンダ等を操
作し、鎌部材101をロックして本施錠状態とする。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記した従来技術の引
き戸錠100は、引き戸を閉じることにより自動的に仮
施錠状態となり、またハンドル等を操作することなく引
き戸を開くことができるので、誠に使い勝手がよい。し
かしながら従来技術の引き戸錠100は、引き戸を勢い
よく閉じた時に引き戸がバウンドし、引き戸が開いてし
まうという構造上の欠陥がある。すなわちこの種の引き
戸錠100は、仮施錠状態の時については、引き戸に開
き方向の力を加えると、鎌部材101とストライク10
5の係合が自動的に解けて鎌部材101が引き戸の中に
引き込む。そのため引き戸を勢い良く閉じると、引き戸
が閉じた瞬間は鎌部材101が突出してストライク10
5と係合するものの、戸枠に当たった勢いで引き戸が跳
ね返ると、引き戸の移動力によって鎌部材101とスト
ライク105との係合が解けてしまう。
【0008】ここでこの跳ね返り対策として、鎌部材1
01の係合が解けにくい構造として、引き戸の跳ね返り
力に対抗し、上記した問題に対処する方策が考えられ
る。しかしながら、跳ね返り力は、引き戸の重量やレー
ルの滑り具合によっては相当に大きな力となるので、鎌
部材101の係合が解けにくい構造とすることにより、
跳ね返り力に抗することは容易ではない。また鎌部材1
01の係合が解けにくい構造にすると、通常の開閉作業
に支障を来し、肝心の操作性を損なう結果となる。すな
わちこの種の引き戸錠は、跳ね返りに対しては強力な係
合力を発揮し、人が操作する際には容易に係合が解ける
という二律背反する要求を満たす必要があるため、引き
戸の跳ね返りの問題を解決することは容易ではない。ま
たこの問題を解決するために、バネ力によって一定の方
向に鎌部材を付勢したり(特公昭56−33553号、
実公平3−24778号、特開平8−86132号)、
錘を有する部材によって瞬間的に鎌部材を支持する構成
(特開平10−280769号)が開示されているが、
いずれも動作の確実性を欠くという問題がある。
【0009】そこで本発明は、従来技術の上記した問題
点に注目し、跳ね返りに対しては強力な係合力を発揮
し、人が操作する際には容易に係合が解ける引き戸錠の
開発を課題とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】そして上記した課題を解
決するための請求項1に記載の発明は、引き戸又は戸枠
のいずれか一方の端面に設けられ、引き戸又は戸枠から
出退して他方と係合する閉止用係合部材と、トリガーを
有し、トリガーの没入に連動して閉止用係合部材が引き
戸から突出する引き戸錠において、閉止用係合部材又は
閉止用係合部材と連動する部材に設けられた係止部と、
前記係止部と当接及び離脱可能な係止片と、トリガーの
動作に遅れて作動する解除部材を有し、トリガーの移動
に応じて閉止用係合部材が引き戸から突出すると共に係
止片が係止部に当接し、解除部材が作動して係止片を係
止部から離脱させることを特徴とする引き戸錠である。
【0011】本発明の引き戸錠は、閉止用係合部材又は
閉止用係合部材と連動する部材に設けられた係止部を持
ち、引き戸が閉じてトリガーが移動すると、トリガーの
移動に応じて閉止用係合部材が引き戸から突出すると共
に係止片が係止部に当接する。そのため閉止用係合部材
は、係止片によって動作が規制され、閉止用係合部材は
引き戸内や戸枠内に引き込まない。また本発明の引き戸
錠では、特別の解除部材を有する。本発明で採用する解
除部材は、トリガーの動作に遅れて作動し、トリガーの
動作に遅れて係止片を係合部から離脱させ、閉止用係合
部材の規制を解除する。そのため本発明の引き戸錠で
は、引き戸が閉じてトリガーが移動すると、閉止用係合
部材が引き戸から突出し、同時に係止片が係止部に当接
して閉止用係合部材の動作を規制する。従って、引き戸
を閉じると同時に閉止用係合部材の動作が規制され、引
き戸の跳ね返り力に抗することができる。また本発明で
は、解除部材がトリガーの動作に遅れて作動し、閉止用
係合部材の規制を解く。そのため跳ね返り力が収まった
頃に解除部材が閉止用係合部材の規制を解き、引き戸を
手動で開くことができる様になる。
【0012】また上記した発明を改良した請求項2に記
載の発明は、抵抗を有して運動する抵抗部材を有し、ト
リガーの運動を弾性体を介して抵抗部材に伝達する連接
部材を備え、トリガーの運動に対して抵抗部材を遅延し
て動作させ、当該抵抗部材と連動して解除部材が作動
し、係止片を動作させる請求項1に記載の引き戸錠であ
る。
【0013】本発明の引き戸錠では、抵抗を有して運動
する抵抗部材を持つと共に、トリガーの運動を弾性体を
介して抵抗部材に伝達する連接部材を備える。本発明の
引き戸錠では、トリガーの運動が抵抗部材に伝達される
が、トリガーと抵抗部材との間には弾性体が介在されて
おり、さらに抵抗部材は抵抗を有して運動するので、抵
抗部材は、トリガーの動作に対して遅延した動作をす
る。
【0014】またさらに上記した発明を改良した請求項
3に記載の発明は、トリガーの運動に対して遅延して動
作する遅延部材と、弾性体と、弾性体の一部と係合・離
脱する弾性体係合部を有し、トリガーの移動に応じて弾
性体が変形し、遅延部材の動作によって弾性体係合部が
動作し、弾性体と弾性体係合部との係合が解けて弾性体
の変形が復帰し、弾性体によって係止片が動作して係止
片を係合部から離脱させることを特徴とする請求項1又
は2に記載の引き戸錠である。
【0015】本発明の引き戸錠では、弾性体を有し、当
該弾性体は、トリガーの移動に応じて変形し、弾性エネ
ルギーを蓄える。そして本発明の引き戸錠では、遅延部
材の動作によって弾性体係合部が動作して、弾性体と弾
性体係合部との係合が解け、弾性体の変形が復帰する。
遅延部材は、トリガーの運動に対して遅延して動作する
ので、弾性体に蓄えられたエネルギーがトリガーの動作
に遅延して発散される。そして本発明の引き戸錠では、
弾性体によって係止片が動作して係止片を係合部から離
脱させる構成となっているので、係止片は、トリガーの
動作に対して遅延し、且つ蓄えられた弾性エネルギーに
よって衝撃的に動作する。そして係止片が係合部から離
脱することにより、閉止用係合部材の規制が解け、引き
戸を手動で開くことができる様になる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態について
説明する。図1〜図7は、本発明の実施形態の引き戸錠
の正面図であり、仮施錠における動作を段階的に示すも
のである。図8は、抵抗部材と抵抗従動部材の周辺部分
の詳細図である。
【0017】各図において、1は、本発明の実施形態の
引き戸錠を示す。本実施形態の引き戸錠1は、戸先鎌錠
と称される錠であり、ケース2内から鎌部材(閉止用係
合部材)3と、トリガー5が出入りするものであり、ケ
ース2内には鎌部材3とトリガー5をリンクする機構部
品が内蔵されている。以下詳細に説明する。
【0018】引き戸錠1の構成部品は、前記したケース
2、鎌部材(閉止用係合部材)3と、トリガー5の他、
リンク部材6、てこ部材7、抵抗部材8、抵抗従動部材
(連接部材)10、揺動部材11、エネルギー蓄積バネ
12、ロックカム13、ロック棒14、遅延バネ15で
ある。またさらに付勢用のバネ16,17,18,2
0,21,22を有する。
【0019】ケース2は、公知の錠ケースと同様に鋼板
をプレスした後、曲げ加工し、必要に応じて溶接する等
により作られたものであり、正面板30とケース本体3
1によって構成されている。ケース2の正面板30は、
引き戸の端面に固定されるものであり、ケース本体31
の端面よりも大きい。ケース2の正面板30には、鎌部
材3が出入りする開口33と、トリガー5の先端が出入
りする開口35が設けられている。またケース本体31
には、ガイドや位置決め用の固定ピン40〜55が設け
られている。さらにケース本体31の正面板近傍の角に
は、長穴60が設けられている。長穴60は、固定ピン
51を中心とする円弧状に形成されている。
【0020】鎌部材(閉止用係合部材)3は、半円状の
板に大きな開口を設けた様な形状をしている。すなわち
鎌部材3は、概ねケース2から突出する部位と、内部の
残る部位とに分かれ、ケース2から突出する部位は、あ
たかも鎌の様な形状をしている。鎌部材3の外周形状
は、約180°にわたる円弧状をしている。ただし鎌部
材3の外周部の形状は、ケース2から突出する部位と、
ケース2の内部に残る部位とで外径が異なり、その境界
部分の近傍に段差が形成されている。そして当該段差
は、係止部61として機能する。その他、鎌部材3の内
部の残る部位には長穴63とピン64が設けられてい
る。
【0021】トリガー5についても、ケース2から出入
りする部位と内部に残る部位とで大きく形状が異なる。
すなわちトリガー5は、ケース2から出入りするピン状
部666と本体部67に分かれている。本体部67は、
図の様に概ね逆「L」字状をしている。そしてピン状部
66は、円柱状であり、本体部67の逆「L」字状の一
方の端面から突出状に設けられている。本体部67の端
部であって、ピン状部66が無い方の部位には、ピン状
部66の軸線方向に延びる貫通穴68が設けられてい
る。貫通穴68の中心線は、前記したピン状部66の軸
線と平行である。
【0022】また本体部67には他に長穴69が設けら
れている。長穴69は本体部67の厚さ方向(ピン状部
66の軸線に対して垂直方向)に貫通している。また長
穴67の中心円同士を結ぶ直線は前記したピン状部66
の軸線と一致する。すなわち長穴67は、ピン状部66
の軸線方向に延びている。またさらにトリガー5の本体
部67には厚みが薄く作られた部位があり、当該部位に
ピン70が設けられている。他に本体部67には半円状
の切り欠き71が設けられている。
【0023】リンク部材6は、鋼板をプレスした後、立
体的に曲げ加工をして作られたものであり、正面側部材
と裏面側部材を持つ。正面側部材と裏面側部材は連接部
62で繋がっており、両者の平面は互いに平行である
が、その形状は大きく異なる。すなわちリンク部材6の
正面側は、やや逆「く」の字状に曲がった形状をしてお
り、一方の端部に穴73が設けられ、他方の端部に長穴
75が設けられている。一方、裏面側には正面側の形状
に対して交差する方向に延びる押圧片76が設けられて
いる。押圧片76は、正面側の中央に設けられており、
裏面側は略「T」字状をしている。
【0024】てこ部材7は、緩やかな「S」字を描く部
品であり、一方の端部近傍に穴77があり、他方の端部
近傍に係止ピン74が設けられている。てこ部材7は、
穴77が設けられた方が作用点として機能し当該部位の
先端は係止片78として機能する。また係止ピン74側
は、力点79として機能する。
【0025】抵抗部材8は、図8の様にベース部80と
回転歯車81によって構成されており、回転歯車81
は、抵抗を有して回転する。すなわち抵抗部材のベース
部80は、円形の本体部82を持ち、その両脇に張出部
83が設けられている。そして本体部82に回転歯車8
1が設けられている。ここで回転歯車の回転軸84は、
本体部82によって支持されているが、本体部82の内
部には粘度の高いグリス又は他のゲル状部材が充填され
ており、当該グリス等が回転歯車の回転を妨げる。その
ため回転歯車81は、一定の力以上の回転力を与えた時
に回転を開始し、後は当初の力よりもやや小さい力で回
転する。なおベース部80の張出部83にはそれぞれ穴
85が設けられている。
【0026】抵抗従動部材10は、本体部86と突起部
87及び軸部88によって構成されている。本体部86
は、概ね正方形をしており、裏面側にラック89が形成
されている。また突起部87は本体部86の側面に設け
られている。そして突起部87の先端部分からは軸部8
8が突出している。軸部88は、金属によって作られた
ものであり、断面が円形の棒である。
【0027】揺動部材11は、板状の部材であり、一端
に幅方向に貫通する穴90が設けられている。また揺動
部材11の一方の面であって前記した穴90寄りの部位
に弾性体係合部94が設けられている。弾性体係合部9
4は、概ね三角形をした突起であり、前記した穴90に
向かう側は傾斜が緩やかであり、他方の面は傾斜が急で
ある。
【0028】エネルギー蓄積バネ12は、特殊形状をし
た板バネである。エネルギー蓄積バネ12の自然状態に
おける形状は、図1の様であり、中央から約180°に
折り返されている。従ってエネルギー蓄積バネ12は概
ね扇形をしたバネであって二辺を有し、一方の辺は押圧
側24として機能し、他方の辺25は作用側として機能
する。押圧側24は、さらに「S」字状に曲げ加工され
ている。
【0029】ロックカム13は、円弧面と垂直面を持つ
部材であり、中心にシリンダー(図示せず)の係合部が
係合する溝91が設けられている。
【0030】ロック棒14は、概ね「L」字状をした部
材である。すなわちロック棒14は長片96と短片97
を持ち、両者は約100°の角度で配置されている。
【0031】次に本実施形態の引き戸錠1の各部材同士
の組み立て構成について説明する。前記した各部材は、
いずれもケース2をベースとし、ケース本体31に内蔵
されている。すなわち鎌部材(閉止用係合部材)3は、
ケース本体31の内部であって、正面板30の開口33
近傍にあり、ピン40によってケース本体31に揺動自
在に取り付けられている。
【0032】またトリガー5は、正面板30の開口35
近傍にあり、本体部67の長穴69にケース本体31か
ら突出したピン52が係合している。そのためトリガー
5は、正面板30に対して垂直方向に摺動可能である。
またトリガー5と鎌部材3の間は、リンク部材6によっ
てリンクされている。すなわちリンク部材6の一端に設
けられた穴73にピン92が挿通され、当該ピン92が
鎌部材3の長穴63と係合している。リンク部材6の裏
面側に設けられた押圧片76は、正面板30に対して反
対側に延びている。
【0033】一方、鎌部材3とトリガー5の間にはてこ
部材7が配されている。てこ部材7は、ケース本体31
の正面板30近傍に設けられたピン41によって揺動自
在に取り付けられている。すなわち、ケース本体31の
正面板30近傍にはピン41が固定されており、てこ部
材7の一端寄りに設けられた穴77にピン41が挿通さ
れている。その結果、てこ部材7は、ピン41を中心
(支点)として揺動可能である。
【0034】一方、ケース本体の下端(図1の姿勢を基
準)の位置には抵抗部材8が揺動可能に取り付けられて
いる。抵抗部材8の取付け構造は図8の様であり、一方
の張出部83の穴85に、ケース本体31から突出した
ピン51を挿通し、他方の穴85にピン93を固定し、
当該ピン93がケース本体31の長穴60と係合してい
る。そのため抵抗部材8は、長穴60の長さの範囲でピ
ン51を中心として揺動する。
【0035】抵抗従動部材10は、ラック89が抵抗部
材8の回転歯車81と嵌合し、軸部88がトリガー5の
貫通穴68に挿通され、当該軸部88は、トリガー5の
後方(正面板30に対して反対側)に抜けている。また
軸部88には、遅延バネ15が外装されている。そして
軸部88の先端にはバネ当て部材95が固定されていて
遅延バネ15の脱落を阻止している。従って遅延バネ1
5は、軸部88に装着されていてバネ当て部材95とト
リガー5の後端部分との間にあり、両者が離れる方向に
付勢作用する。なお抵抗従動部材10の突起部87は、
トリガー5の貫通穴68の内径よりも大きいので、当該
突起部87は貫通穴68を通らない。
【0036】揺動部材11は、ケース本体31の後端側
(正面板30に対して反対側)に設けられ、先端の穴9
0にケース本体31から突出したピン48が挿通されて
いる。したがって揺動部材11は、端部に挿通されたピ
ン48を中心として揺動する。また揺動部材11の自由
側の端部は、前記した抵抗従動部材10の軸部88の延
長線上にある。
【0037】ロックカム13は、前記した抵抗従動部材
10の対角位置にあり、ケース本体31に回転可能に取
り付けられている。
【0038】ロック棒14は、前記したロックカム13
と鎌部材3の間に配されており、曲部がケース本体31
から突出したピン42と係合している。そしてロック棒
14の短辺側は、ロックカム13の近傍に位置してい
る。
【0039】エネルギー蓄積バネ12は、ケース本体3
1から突出したピン54に取り付けられている。すなわ
ちエネルギー蓄積バネ12は、前記した様に中央から約
180°に折り返されており、当該中央の折り返し部分
がピン54と係合している。そしてエネルギー蓄積バネ
12の位置は、トリガー5の後端部と、リンク部材6
と、てこ部材7の力点79と揺動部材11の弾性体係合
部94のいずれにも近接した位置である。従ってエネル
ギー蓄積バネ12は、これらの部材又は部材の部分に当
接可能である。
【0040】各部材の配置は、上記の通りであるが、こ
れらの部材は、それぞれバネによって特定の方向に付勢
されている。すなわち鎌部材3に設けられたピン64
と、ケース本体31から突出されたピン55の間には、
バネ16が圧縮状態で懸架され、鎌部材3をケース本体
31に収納される方向及びケース本体31から突出する
方向に付勢している。より詳細に説明すると、鎌部材3
は、ピン40を中心として揺動自在であり、バネ16を
支持するピン64は、揺動中心たるピン40とは離れた
位置に設けられている。またバネの他端側の支持部たる
ピン55は、ケース本体31に直接的に設けられてい
る。そのため鎌部材3がピン40を中心として揺動する
と、鎌部材3側の支持点(ピン64)は、揺動中心(ピ
ン40)と他方の支持部(ピン55)を結ぶ直線を横切
って移動することとなる。ここで本実施形態では、バネ
16は、鎌部材3に設けられたピン64と、ケース本体
31から突出されたピン55の間で圧縮状態で懸架され
ているから、例えば図1の様に鎌部材3に設けられたピ
ン64が、揺動中心(ピン40)と他方の支持部(ピン
55)を結ぶ直線よりもケース本体31側にある時に
は、鎌部材3は、バネ16によって反時計方向に付勢さ
れる。従って鎌部材3は、ケース本体に収納される方向
に付勢される。
【0041】一方、図2の様に、鎌部材3に設けられた
ピン64が、揺動中心(ピン40)と他方の支持部(ピ
ン55)を結ぶ直線よりも正面板30側にある時には、
鎌部材3は、バネ16によって時計方向に付勢される。
従って鎌部材3は、ケース本体31から突出する方向に
付勢される。
【0042】てこ部材7は、前記した様にピン41によ
って揺動自在に支持され、さらにてこ部材7に設けられ
たピン74と、ケース本体31の側面との間にバネ18
が懸架されている。従っててこ部材7は、常時時計方向
に付勢されている。言い換えると、てこ部材7は、常時
作用点たる係止片78が鎌部材3に当接する方向に付勢
されている。なおバネ18は、ケース本体31に設けら
れたピン47によって渦巻き部分が支持されている。
【0043】抵抗部材8は、ピン53に取り付けられた
バネ21によって常時反時計方向に付勢されている。こ
こで抵抗部材8は、ベース部80の一方の穴85が長穴
60と係合しており、揺動範囲は限定されている。また
抵抗部材8の回転歯車81は、抵抗従動部材10のラッ
ク89と嵌合しているが、抵抗従動部材10が、正面板
30から離れる方向に移動する際には抵抗部材8は、ラ
ック89によって反時計方向に力を受け、ラック89は
回転歯車81と噛み合う。すなわち抵抗従動部材10
が、正面板30から離れる方向に移動する時、抵抗部材
8は噛み込み方向に揺動し、ラック89と回転歯車81
は嵌合する。これに対して抵抗従動部材10が、正面板
30に向かって移動する場合には、抵抗部材8は時計方
向に回動し、回転歯車81はラック89から逃げる。す
なわち抵抗従動部材10が、正面板30に向かって移動
する場合には、抵抗部材8は、ラック89とは嵌合しな
い。
【0044】揺動部材11は、ピン49に取り付けられ
たバネ20によって自由端側が正面板30側に付勢され
ている。そして常時は、揺動部材11は、ピン56と当
接して位置決めされている。
【0045】ロック棒14は、ピン42に取り付けられ
たバネ22によって時計方向に付勢されている。バネ1
7は、ピン45に取り付けられ、ロックカム13と当接
している。バネ17は、ロックカム13の節度付けのた
めに使用されている。
【0046】次に本実施形態の引き戸錠1の機能につい
て、引き戸の開閉手順を追って説明する。引き戸錠1
は、従来技術と同様、通常は引き戸側に取り付けられ、
戸枠側にはストライクが取り付けられて使用される。本
実施例の引き戸錠1において、引き戸が開いている状態
の様子は、図1の通りであり、ケース2からトリガー5
が突出し、鎌部材3は、ケース2の中に沈んでいる。
【0047】またこの時のケース本体31の内部では、
トリガー5の本体部67及び抵抗従動部材10が、最も
正面板30側に寄った位置にある。てこ部材7は、バネ
18に付勢され、係止片78が鎌状の部位の外周部分と
当接している。揺動部材11は、バネ20に押されて自
由端側が正面板30側に有り、ピン56と当接してい
る。
【0048】エネルギー蓄積バネ12は、図1の様に開
いた状態であり、バネ12の押圧側24と作用側25
は、共に弾性体係合部94よりも下側(揺動部材11の
自由端側)にある。
【0049】この状態から引き戸を閉じると、戸枠に引
き戸から突出したトリガー5が当たり、引き戸の移動力
によって、図2に示すようにトリガー5がケース本体3
1の内部に移動する。一方、ケース本体31の内部で
は、トリガー5の本体部67が後退方向(正面板30に
対して反対方向)に移動し、トリガー5と鎌部材3間を
リンクするリンク部材6が移動して鎌部材3を正面板3
0側に押す。その結果、鎌部材3が時計回りに回転し、
さらに鎌部材3に設けられたピン64の位置が、揺動中
心(ピン40)と他方の支持部(ピン55)を結ぶ直線
よりも正面板30側に移動した時を境として、バネ16
が反発して鎌部材3を時計回りに付勢し、鎌部材3を正
面板30から一気に突出させる。その結果、鎌部材3
は、戸枠に設けられたストライクと係合する。
【0050】また同時に鎌部材3の突出と共に、てこ部
材7の係止片78が鎌部材3の外周部に設けられた係止
部61と係合する。すなわちてこ部材7は、バネ18に
よって常時時計方向に付勢されており、てこ部材7の係
止片78は常に鎌部材3の外周と接している。そのため
鎌部材3が時計方向に回転すると、てこ部材7の係止片
78は、鎌部材3の外周を習い、係止片78が係止部6
1に至ったところで、係止片78は係止部61に落ち込
む。従って鎌部材3が、正面板30から突出すると同時
に、てこ部材7の係止片78が鎌部材3の外周部に設け
られた係止部61と係合する。ここで係止部61は段状
であるため、係止片78が係合することにより、鎌部材
3は反時計方向への回転が阻止される。そのため外力に
よって鎌部材3がケース2内に戻ることはない。従っ
て、例え勢い良く引き戸を閉めて、引き戸が反発力を受
けても、鎌部材3とストライクとの係合は解けず、引き
戸が開くことはない。
【0051】またてこ部材7の揺動により、力点79
は、エネルギー蓄積バネ12の作用側25に近づく。
【0052】次にケース2の中程の動きに注目すると、
トリガー5の本体部67が後退する(正面板30に対し
て反対側に移動)ことにより、本体部67の後端側がエ
ネルギー蓄積バネ12の押圧側24に当たり、押圧側2
4を反時計方向に移動させる。その結果エネルギー蓄積
バネ12は、ピン54を中心として全体的に反時計回り
に回転を開始するが、その途中で作動側25が揺動部材
11の弾性体係合部94と当接する。そのためエネルギ
ー蓄積バネ12は、図2の様にトリガー5の本体部67
と揺動部材11の弾性体係合部94の間に挟まれ、閉じ
方向に押し縮められてエネルギーを蓄える。
【0053】一方ケース本体31の図面下側に注目する
と、トリガー5が移動することにより、図2の様にトリ
ガー5の端部と抵抗従動部材10のバネ当て部材95の
間が縮まり、両者の間に介在された遅延バネ15が押し
縮められる。ここで抵抗従動部材10のラック89は、
抵抗部材8の回転歯車81と係合しており、回転歯車8
1は粘度の高いグリス等の影響で回転に力を要する。そ
のためトリガー5が正面板30から離れる方向に移動し
ても、遅延バネ15が縮むだけであって抵抗従動部材1
0は即座には追随しない。従って抵抗従動部材10は、
トリガー5が移動しているにも係わらず、しばらくの
間、当初の位置で止まる。すなわち揺動部材11は、当
初の傾斜姿勢を維持し、前記したエネルギー蓄積バネ1
2は弾性体係合部94と当接した状態を続ける。
【0054】続いて、時間の経過と共に遅延バネ15の
反発力がトリガー5の端部と抵抗従動部材10のバネ当
て部材95の間を押し広げる作用をし、抵抗従動部材1
0が引かれ、グリス等の抵抗力に抗してゆっくりと後方
(正面板30に対して反対側)に移動する。そうして図
3の様に抵抗従動部材10の先端部、より具体的にはバ
ネ当て部材95の先端が、揺動部材11の表面と当接す
る。そしてさらに遅延バネ15の反発力によって抵抗従
動部材10が引かれ、バネ当て部材95の先端が、揺動
部材11を押圧し、図4の様にバネ20に抗して揺動部
材11を垂直方向に移動させる。
【0055】揺動部材11が傾斜姿勢から垂直姿勢に姿
勢変更するのにつれて、弾性体係止部94のエネルギー
蓄積バネ12との係合しろがしだいに小さくなってゆ
く。そして遂には図5の様にエネルギー蓄積バネ12の
作用側25は、弾性体係止部94を離れ、エネルギーを
開放し、爆発的に広がる。ここでエネルギー蓄積バネ1
2の押圧側24は、トリガー5と当接していて移動が阻
止されるので、エネルギー蓄積バネ12は作用側25だ
けが広がることとなる。
【0056】そして爆発的に広がった作用側25は、て
こ部材7の力点79と当接し、力点79を衝撃的に図面
上方に押し上げる。その結果、てこ部材7は、支点41
を中心として反時計回りに回転し、てこ部材7の作用点
たる係止片78は、図5の様に鎌部材3の係止部61を
離れる。その結果、鎌部材3の固定は解け、鎌部材3は
外力によってケース2内に没入することができる状態と
なる。すなわち本実施形態の引き戸錠1では、引き戸を
閉じた瞬間にてこ部材7の係止片78が鎌部材3の係止
部61と係合し、鎌部材3を回動不能に固定するが、暫
く時間が経過すると、抵抗従動部材10がトリガー5に
遅れて移動し、揺動部材11を揺動させてエネルギー蓄
積バネ12の係合を解き、エネルギー蓄積バネ12によ
っててこ部材7を作動させて鎌部材3の固定を解く。従
って、引き戸を手で開くことができる状態となる。
【0057】引き戸を手で開いた際の引き戸錠1の動作
は、図6の通りである。すなわち引き戸を開いて鎌部材
3がストライクから反時計方向の力を受けると、鎌部材
3は抵抗なく反時計方向に回動する。そして鎌部材3が
回動し、鎌部材3に設けられたピン64が、揺動中心
(ピン40)と他方の支持部(ピン55)を結ぶ直線よ
りもケース内部側に至ると、鎌部材3は、バネ16によ
って反時計方向に付勢され、鎌部材3は、バネ16の力
によって回動し、ケース本体31に収納される。
【0058】また鎌部材3の回動によってリンク部材6
が動作し、トリガー5を前進(正面板30方向への移
動)させる。またこの時、リンク部材6の姿勢が前傾姿
勢に変化し、押圧片76が傾斜してエネルギー蓄積バネ
12と当接し、エネルギー蓄積バネ12を時計方向に回
動させ、図6の様にエネルギー蓄積バネ12を弾性体係
合部94の下側に押し込む。
【0059】またトリガー5の前進によってトリガー5
の前端部分が抵抗従動部材10の突起部87と当接す
る。ここで突起部87は、トリガー5の貫通穴68より
も大きいので、トリガー5が当該突起部87と当接した
後は、抵抗従動部材10はトリガー5と一体的に移動す
ることとなる。また抵抗従動部材10が正面板30の方
向に移動する場合には、抵抗部材8は時計方向に回動
し、長穴60に沿った方向となるので、回転歯車81は
ラック89から逃げる。そのため抵抗従動部材10は、
極めて軽い力で移動する。トリガー5が図1の位置に復
帰すると同時に他の部材についても、図1の位置に復帰
する。
【0060】次に本実施形態の引き戸錠1を本施錠する
場合について説明する。上記した図1乃至図6に示した
仮施錠状態においては、ロックカム13が図の様に溝9
1が横となった状態で使用する。この時、ロック棒14
の短片97はロックカム13の円弧面と当接し、長片9
6は正面板30と平行姿勢となっている。またロック棒
14の長片96は、鎌部材3とは干渉しない位置にあ
る。一方、本施錠する場合は、ロックカム13を溝91
が縦方向となる様に回動させる。ロックカム13を溝9
1が縦方向となる様に回動させると、円弧面以外の面が
ロック棒14の短片97に面する。そして当該面は、円
弧面に比べて中心からの距離が短いので、ロック棒14
の短片97は、ロックカム13から離れ、バネ22の付
勢力によって時計方向に回動し、ピン43と当接して停
止する。このとき、ロック棒14の長片96の先端は、
鎌部材3のピン64の移動軌跡上であって、鎌部材3が
ケース2から突出状態にある場合のピン64の位置に至
る。従って、鎌部材3が図5の様に突出状態にある時に
ロックカム13を本施錠位置に回動させると、図7の様
にロック棒14の長片96の先端が鎌部材3のピン64
を押さえる。そのため鎌部材3は、回動が阻止され、本
施錠状態となる。
【0061】また本実施形態で採用する本施錠の機構
は、鎌部材3がケース2内に収納された状態でロックカ
ム13を回動させても、本施錠状態となる特徴を持って
いる。すなわち図1の様に鎌部材3がケース2内に入っ
た状態でロックカム13を回動させると、前記した場合
と同様にロック棒14の短片97は、ロックカム13か
ら離れ、バネ22の付勢力によって時計方向に回動す
る。ここで、図1に示した様に鎌部材3がケース2の中
に入っている場合は、ロック棒14の揺動軌跡中に鎌部
材3のピン64があり、ロック棒14の軸部分がピン6
4と当たる。そのためロック棒14は、ピン64と当た
った位置で停止し、さらにロック棒14は、揺動方向に
ピン64を押し続ける状態となる。
【0062】この状態の時に、引き戸を閉じて鎌部材3
を突出させると、ロック棒14の側面がピン64を習
い、ピン64がロック棒14の先端に達したところでロ
ック棒14のピン64の軌跡上に移動し、ロック棒14
の先端がピン64と当接する。従ってロック棒14とピ
ン64との位置関係は、前記した図7の様になり、ロッ
ク棒14の長片96の先端が鎌部材3のピン64を押さ
え、本施錠状態となる。
【0063】以上説明した実施形態では、抵抗部材8
は、回転歯車81が設けられており、粘度の高いグリス
又は他のゲル状部材の粘性によって抵抗付けられた構成
を例示した。しかしながら、本発明は抵抗部材の抵抗を
グリス又は他のゲル状部材の粘性によるものに限定され
るものではなく、乾式の抵抗板を面接触させたものや、
さらに抵抗板同士を互いに当接方向に押圧して抵抗を増
加させたものであっても良い。また勾配やテーパ面によ
って抵抗を設けたものであっても良い。さらに本実施形
態では、抵抗部材8に回転歯車81を設け、抵抗従動部
材10に設けたラック89を当該歯車と嵌合させたが、
歯車とラックとの嵌合に代わって摩擦車と摩擦部材との
係合を利用することもできる。またこれらの回転部材を
一切採用せずに、直線的な摺動によって抵抗を発生させ
る部材の活用も可能である。
【0064】
【発明の効果】以上説明した様に、本発明の引き戸錠
は、引き戸を閉じると同時に閉止用係合部材の動作が規
制されて引き戸の跳ね返りが阻止され、また解除部材が
トリガーの動作に遅れて作動し、閉止用係合部材の規制
を解くので、跳ね返り力が収まった頃に閉止用係合部材
の規制が解けて引き戸を手動で開くことができる様にな
る。そのため本発明の引き戸錠は、跳ね返りを確実に阻
止することができるばかりでなく、引き戸を手で軽く開
くことができる効果がある。
【0065】また請求項2に記載の引き戸錠は、抵抗を
有して運動する抵抗部材を持つと共に、トリガーの運動
を弾性体を介して抵抗部材に伝達する連接部材を備える
ので、抵抗部材は、トリガーの動作に対して遅延した動
作をする。その結果、解除部材がトリガーの動作に遅れ
て作動し、跳ね返りが納まった後に閉止用係合部材の規
制を解き、引き戸を手動で開くことができる状態とな
る。そのため本発明の引き戸錠は、前記した一連の動作
が円滑であるという効果がある。
【0066】さらに請求項3に記載の引き戸錠は、トリ
ガーの移動に応じて弾性体を変形させてエネルギーを蓄
え、このエネルギーによって係止片を衝撃的に作動させ
る。そのため本発明の引き戸錠は、動作が確実であって
信頼性が高いという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態の引き戸錠の正面図であり、
仮施錠における動作の第一段階を示すものである。
【図2】本発明の実施形態の引き戸錠の正面図であり、
仮施錠における動作の第二段階を示すものである。
【図3】本発明の実施形態の引き戸錠の正面図であり、
仮施錠における動作の第三段階を示すものである。
【図4】本発明の実施形態の引き戸錠の正面図であり、
仮施錠における動作の第四段階を示すものである。
【図5】本発明の実施形態の引き戸錠の正面図であり、
仮施錠における動作の第五段階を示すものである。
【図6】本発明の実施形態の引き戸錠の正面図であり、
仮施錠における動作の第六段階を示すものである。
【図7】本発明の実施形態の引き戸錠の正面図であり、
本施錠時における動作を示すものである。
【図8】抵抗部材と抵抗従動部材の周辺部分の詳細図で
ある。
【図9】従来技術の引き戸錠の機能を説明する説明図で
ある。
【符号の説明】
1 引き戸錠 2 ケース 3 鎌部材(閉止用係合部材) 5 トリガー 6 リンク部材 7 てこ部材 8 抵抗部材 10 抵抗従動部材 11 揺動部材 12 エネルギー蓄積バネ 13 ロックカム 14 ロック棒 15 遅延バネ 24 押圧側 25 作用側 61 係止部 76 押圧片 78 係止片 81 回転歯車 94 弾性体係合部

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 引き戸又は戸枠のいずれか一方の端面に
    設けられ、引き戸又は戸枠から出退して他方と係合する
    閉止用係合部材と、トリガーを有し、トリガーの没入に
    連動して閉止用係合部材が引き戸から突出する引き戸錠
    において、閉止用係合部材又は閉止用係合部材と連動す
    る部材に設けられた係止部と、前記係止部と当接及び離
    脱可能な係止片と、トリガーの動作に遅れて作動する解
    除部材を有し、トリガーの移動に応じて閉止用係合部材
    が引き戸から突出すると共に係止片が係止部に当接し、
    解除部材が作動して係止片を係止部から離脱させること
    を特徴とする引き戸錠。
  2. 【請求項2】 抵抗を有して運動する抵抗部材を有し、
    トリガーの運動を弾性体を介して抵抗部材に伝達する連
    接部材を備え、トリガーの運動に対して抵抗部材を遅延
    して動作させ、当該抵抗部材と連動して解除部材が作動
    し、係止片を動作させる請求項1に記載の引き戸錠。
  3. 【請求項3】 トリガーの運動に対して遅延して動作す
    る遅延部材と、弾性体と、弾性体の一部と係合・離脱す
    る弾性体係合部を有し、トリガーの移動に応じて弾性体
    が変形し、遅延部材の動作によって弾性体係合部が動作
    し、弾性体と弾性体係合部との係合が解けて弾性体の変
    形が復帰し、弾性体によって係止片が動作して係止片を
    係合部から離脱させることを特徴とする請求項1又は2
    に記載の引き戸錠。
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