JP2001011794A - 偽造防止用スレッドとそれを用いた偽造防止用紙 - Google Patents

偽造防止用スレッドとそれを用いた偽造防止用紙

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JP2001011794A
JP2001011794A JP18055999A JP18055999A JP2001011794A JP 2001011794 A JP2001011794 A JP 2001011794A JP 18055999 A JP18055999 A JP 18055999A JP 18055999 A JP18055999 A JP 18055999A JP 2001011794 A JP2001011794 A JP 2001011794A
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layer
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JP18055999A
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Yoji Iwamoto
要司 岩本
Osamu Nakamura
修 中村
Daisaku Haoto
大作 羽音
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Dai Nippon Printing Co Ltd
Original Assignee
Dai Nippon Printing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 偽造防止効果の高い偽造防止用スレッドとそ
れを使用した偽造防止用紙を提供する。 【解決手段】 本発明の偽造防止用スレッドは、偽造防
止用紙に抄き込んで使用するためのスレッドであって、
樹脂フィルムからなる基材表面に保磁力が0.5〜50
エルステッドであって、かつ角型比が0.7〜1.0で
ある強磁性材薄膜層15が設けられ、当該強磁性材薄膜
層上の一部に磁性材を含有してなる磁性インキ層が形成
されていることを特徴とする。この構成は、強磁性材薄
膜層を基材に設けてから、当該層上に磁性インキ層が形
成されたものであっても良い。本発明の偽造防止用紙は
このような偽造防止用スレッドを基紙に抄き込んだもの
である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、偽造防止用スレ
ッドおよびそれを用いた偽造防止用紙に関する。詳しく
は、基材樹脂フィルム上に特殊な強磁性材薄膜層を設
け、当該強磁性材薄膜層の上層または下層の一部に磁性
インキ層を形成するように構成されていることを特徴と
する偽造防止用スレッドとそれらを用いた偽造防止用紙
に関する。このような偽造防止用紙は、商品券、ギフト
券、証明書、チケット、投票券、切符、ラベル等の各種
セキュリティ媒体に使用することができる。
【0002】
【従来技術】各種セキュリティ媒体の偽造防止策とし
て、種々のスレッドを用紙に抄き込む手法がある。この
ようなスレッドによる偽造防止手段は用紙を製造する段
階において設けられるので、カラーコピーやスキャナー
取込み、製版印刷等による方法での偽造は困難である。
しかし、真正のスレッドに似せた偽造スレッドを抄き込
んだ偽造用紙が出回る場合があり、単純な磁気スレッド
や光輝性スレッドのみでは真正の判断には十分でない場
合が生じる。
【0003】一方、一般的な磁気記録材をスレッドに組
み合せた構造も磁気記録情報の改ざんが容易なため、高
度の偽造防止構造とはいえない。そのため、より高度の
偽造防止構造を有するデータ記録担体として、磁性膜を
応用した構造として、特開平10−55533号公報が
挙げられる。本発明はかかる特定の特性からなる磁性材
料を偽造防止用スレッドや偽造防止用紙に適用すること
で一層の偽造防止効果を図ろうとするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
の本発明の要旨の第1は、偽造防止用紙に抄き込んで使
用するためのスレッドであって、樹脂フィルムからなる
基材表面に保磁力が0.5〜50エルステッドであっ
て、かつ、角型比が0.7〜1.0である強磁性材薄膜
層が設けられ、当該強磁性材薄膜層上の一部に磁性材を
含有してなる磁性インキ層が形成されていることを特徴
とする偽造防止用スレッド、にある。かかる偽造防止用
スレッドであるため偽造、改ざんが困難である。
【0005】上記課題を解決するための本発明の要旨の
第2は、偽造防止用紙に抄き込んで使用するためのスレ
ッドであって、樹脂フィルムからなる基材表面の一部に
磁性材を含有してなる磁性インキ層が形成され、当該磁
性インキ層を覆うように、基材表面に保磁力が0.5〜
50エルステッドであって、かつ、角型比が0.7〜
1.0である強磁性材薄膜層が設けられていることを特
徴とする偽造防止用スレッド、にある。かかる偽造防止
用スレッドであるため偽造、改ざんが困難である。
【0006】上記偽造防止用スレッドにおいて、磁性イ
ンキ層が表面に形成された強磁性材薄膜層上または磁性
インキ層上の強磁性材薄膜層上に、さらに接着剤層が設
けられたものとすることができ、強磁性材薄膜層が形成
された面とは反対側の面に接着剤層を設けることもでき
る。このようにすることで、偽造防止用スレッドが偽造
防止用紙に抄き込んだ際の接着力を高めることができ
る。
【0007】上記課題を解決するための本発明の要旨の
第3は、上記偽造防止用スレッドを基紙に抄き込んでな
る偽造防止用紙、にある。かかる偽造防止用紙であるた
め偽造、改ざんが困難である。
【0008】上記において基紙は、該スレッドを間欠的
に露出する表出部と該表出部間であって該スレッドを間
欠的に覆う被覆部とを備えるようにでき、表出部と被覆
部が複数列設けられ、複数本の偽造防止用スレッドを抄
き込んだものとすることもできる。このようにすること
で偽造、改ざんが一層困難なものとなる。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明の偽造防止用スレッドは、
(1)基材表面に強磁性材薄膜をスパッタ等の気相法で
形成し、その上に磁性インキ層をシルクスクリーン印刷
法あるいはグラビア印刷法等の印刷手段により形成する
か、または、(2)基材表面に磁性インキ層をシルクス
クリーン印刷法あるいはグラビア印刷法等の印刷手段に
より形成した上に、強磁性材薄膜をスパッタ等の気相法
で形成する、方法により製造されるものである。
【0010】以下、本発明の実施形態を図面を参照して
説明することにする。図1は、本発明の偽造防止用スレ
ッドの一実施形態を示す断面図である。この実施形態の
場合、偽造防止用スレッド10は、樹脂フィルムからな
る基材11上に強磁性材薄膜層15が形成され、該強磁
性材薄膜層上に磁性インキ層12が設けられている。図
2は、本発明の偽造防止用スレッドの他の実施形態を示
す断面図である。この実施形態の場合は、基材11上に
まず磁性インキ層12を形成した後、強磁性材薄膜層1
5を被着して設ける。
【0011】また、基材11の強磁性材薄膜層15形成
面とは反対側の面(以下、「裏面」ともする。)に、接
着剤層16aを設け、強磁性材薄膜層15上面(以下、
「表面」ともする。)に接着剤層16bを設けることも
できる。これらの接着剤層は、スレッドを偽造防止用紙
に抄き込んだ際に用紙との接着強度を高める効果をもた
らす。
【0012】以下、偽造防止用スレッドの各構成要素に
ついてさらに詳細に説明する。基材11としては、耐水
性および耐熱性のある樹脂フィルムが使用でき、一般的
にはポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂フィル
ムをはじめとしてその他のポリエステル樹脂フィルム、
ポリアミド樹脂フィルム、ポリイミド樹脂フィルム、ポ
リカーボネート樹脂フィルム、ポリスチレン樹脂フィル
ム、ポリプロピレン樹脂フィルム、ポリサルホン樹脂フ
ィルム、ポリフェニレンサルファイド樹脂フィルム、セ
ルロース系樹脂フィルム、等が挙げられる。厚さは、1
〜300μm程度、好ましくは、5〜50μmの厚さが
推奨できる。
【0013】磁性インキは、保磁力が小さく異方性の小
さな強磁性粒子とバインダーを混練してなるインキが使
用できる。強磁性粒子としては、Fe、Co、Niの内
の1種または2種の混合物、合金、酸化物、窒化物、そ
の他の元素との混合物合金などが挙げられ、粒径0.0
1〜5μm、好ましくは0.5〜3μmの粒径のものが
使用できる。保磁力は50エルステッド以下、角型比は
0.5以下のものが好ましい。このような磁性インキの
磁気特性は例えば、図3(B)のヒステリシス曲線のよ
うになる。このような磁性インキをシルクスクリーン印
刷法やグラビア印刷法で所望のパターンに印刷する。磁
性インキの膜厚は乾燥後で、3〜10μmとなるのが好
ましい。
【0014】一方、本発明に使用する強磁性材は、図3
(A)のような高角型比の磁気特性を示す材料が好まし
く、その角型比は0.7〜1.0のものが好ましい。ま
た、保磁力が0.5〜50エルステッドのものが好まし
い。この磁性材からなる強磁性材薄膜層15と磁性イン
キ層12とが重なった部分を有する偽造防止用スレッド
の磁気特性を測定すると図3(A)と(B)の図形が合
成されたような特性が検出される。そして、磁性インキ
はある特定のパターンを容易に印刷形成できるので、結
果的にこの磁気パターンの情報を容易に得ることができ
る。さらに、図1の如く形成された磁性インキ層12を
含む強磁性材薄膜層上に隠蔽層を設けても良く、図2の
如く形成された磁性インキ層12を含む強磁性材薄膜層
上に隠蔽層を設けても良い。このような隠蔽層は、アル
ミニウム、チタン白、酸化珪素などの隠蔽性顔料をバイ
ンダーに混練してなるインキをシルクスクリーン印刷法
またはグラビア印刷法で印刷して形成することができ
る。
【0015】強磁性材薄膜層15は、結晶性あるいはア
モルファスの磁性材からなるものであっても良く、鉄
(Fe)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)のいず
れか1種または2種以上の組み合わせからなる磁性材料
を主成分として、これに、ほう素(B)、炭素(C)、
マグネシウム(Mg)、アルミニウム(Al)、珪素
(Si)、燐(P)、硫黄(S)、チタン(Ti)、バ
ナジウム(V)、クロム(Cr)、マンガン(Mn)、
銅(Cu)、亜鉛(Zn)、イットリウム(Y)、ジル
コニウム(Zr)、ニオブ(Nb)、モリブテン(M
o)、パラジウム(Pd)、銀(Ag)、インジウム
(In)、錫(Sn)、タンタル(Ta)、タングステ
ン(W)、イリジウム(Ir)、白金(Pt)、金(A
u)、鉛(Pb)から選ばれた数種の金属または非金属
元素の添加物から構成されている。
【0016】強磁性材薄膜層の形成は、主成分となる
鉄、コバルト、ニッケルからなる合金と添加元素からな
る材料あるいはこれらの混合物をターゲット材または蒸
着源として、スパッタリング、蒸着、イオンプレーティ
ングなどの真空プロセスを用いた手段で形成する。アモ
ルファス強磁性材の場合は、コバルトCo−ジルコニウ
ムZr系あるいは鉄Fe−珪素Siによるもので代表さ
れる。強磁性材薄膜層の厚みは、500〜5000Åが
適切である。当該層の下限値が500Å以下となる理由
は、磁性体層の厚みが薄くなるため、磁性体の絶対量の
減少と共に飽和磁束が減少し、磁気信号が小さくなるた
めであり、真偽判定に用いる磁気信号を得るためには磁
性体の厚みは、500Å以上が必要となるためである。
また、5000Åが上限値となる理由は、他の方法で作
製した磁性体膜(通常は厚さ1μm以上)と明確な区別
をつけるためであり、これ以上厚くすることは避けるこ
とが好ましいからである。さらに、これ以上の厚さとな
る場合は、膜の内部応力によるカール等でスレッドの特
性が悪くなり、しわ、クラックが発生する場合があるか
らである。強磁性材薄膜層の生産性および磁気信号の安
定性から、好ましい当該層の厚さは、1500〜300
0Å(0.15〜0.3μm)の範囲である。
【0017】このような強磁性材薄膜層は、Hc(保磁
力)、Bm(飽和磁束密度)において特異な特性を示
し、その磁気特性から通常印加の磁界強度とその磁界に
よって磁化される磁性体の磁束密度とは非線形のB−H
特性(ヒステリシス曲線)を有するので、一般の磁性材
料とは明確に区別することができる。図3は、磁性材料
のヒステリシス曲線を示すもので、平滑で凹凸のない基
材面では、図3(A)のように、強磁性材料は、保磁力
Hcが小さく、かつ高角型比(0.8〜1.0)のB−
Hヒステリシス曲線が得られる。一方、本発明に使用す
る磁性インキによる磁性インキ層では、図3(B)のよ
うに、飽和磁束密度Bmが減少した角型比の小さいヒス
テリシス特性が得られる。
【0018】図4は、スレッドに設ける磁気インキ層を
示す図である。磁性インキ層12のある部分は磁気信号
が強くなるので、この磁気インキ層の「有る」部分を
「1」、「無い」部分を「0」として、「有る」部分と
「無い」部分をスレッドの長さ方向に繰り返して設けれ
ば、1,0,1,0の繰り返し信号が得られることにな
る。磁性インキ層の「有る」部分と「無い」部分とがス
レッドの長さ方向に対して2個、1個の順で繰り返し形
成されている。この場合には、1,1,0,1,1,0
の繰り返し信号が得られることになる。
【0019】接着剤層16aは、偽造防止用スレッド1
0を用紙に抄き込んだ際に、用紙との接着強度を高める
ためのものであり、熱溶解温度60〜80°Cの水可溶
性バインダー等からなる接着剤層を基材11の裏面に設
けることができる。あるいは、接着剤層16bは、アモ
ルファス強磁性材層の上面(表面)に設けてもよい。具
体的には、水可溶性である、でんぷん、カゼイン、カル
ボキシメチルセルローズ、カルボキシエチルセルローズ
等からなる接着剤を採用することができる。あるいはま
た、接着剤層は、熱溶解温度60〜80°Cのホットメ
ルト型接着剤であってもよい。その塗布厚みは、数μm
以内のものであってよい。
【0020】次に、本発明の偽造防止用紙について説明
する。スレッドを窓部に表出するように入れた偽造防止
用紙は、従来のものは例えば基紙に光輝性スレッドや磁
気スレッド等を抄き込んだタイプの用紙であって、基紙
が光輝性スレッドを間欠的に露出する表出部(ウィン
ド)と、該表出部間で光輝性スレッドを間欠的に覆う被
覆部とを備えたものが知られている。この構成の偽造防
止用紙は、多筒式抄紙機の一つの抄き網部上に、スレッ
ドと同じ幅かそれより広幅の小さな凸部を設け、この凸
部の上にスレッドを載せた状態で紙料液を供給すること
によって製造できる。つまり、このようにすれば、凸部
のない位置ではスレッドが紙料液で挟まれるので被覆部
が形成され、凸部の位置ではスレッドが紙料液の下面側
から露出するので表出部が形成される。
【0021】上記の構成のようなウィンド付きスレッド
用紙においては、光輝性スレッド等が表出部において間
欠的に露出しているので、コピーした場合でも金属色が
再現されないことから偽造防止できる。また、偽造品か
どうかを見るために用紙の端面を確認する必要がなく、
しかも、光輝性スレッド等が基紙から剥がれてしまうの
を防止できる。
【0022】図5は、本発明の偽造防止用紙の1実施形
態を示す図である。図5(A)はその平面図、図5
(B)は、図5(A)のA−A線における断面を示して
いる。図5のように、本発明の偽造防止用紙20の第1
の実施形態では、基紙21にスレッド10を、1本抄き
込んだ構成であって、基紙21には、スレッド10を間
欠的に露出する複数の表出部26と、各表出部間でスレ
ッド10を間欠的に覆う被覆部27とを備えている。表
出部26はスレッドと同幅でもよいが、それより広幅と
してスレッド10の両サイドを透かし部28となるよう
にすることで、抄造時に発生するスレッドの公差(ブ
レ)を透かし部により吸収することができる。
【0023】ただし、基紙21は、スレッド10の両端
部分がいずれのスレッドに対しても被覆部17として構
成されていることが好ましい。スレッドの端部が露出し
ているとスレッドの剥離が生じるからである。使用する
スレッドの幅は用紙の使用目的にもより特に制限されな
いが、0.2mm〜5mm程度のものが通常使用され
る。
【0024】図6は、本発明の偽造防止用紙の第2の実
施形態を示す図である。図6(A)はその平面図、図6
(B)は、図6(A)のA−A線における断面を示して
いる。図6のように、本発明の偽造防止用紙の第2の実
施形態では、基紙21にスレッド10を複数本抄き込ん
だ構成であって、基紙21は、スレッド10を間欠的に
露出する複数の表出部26と、各表出部間でスレッド1
0を間欠的に覆う被覆部27とを備えていることは第1
の実施形態と同一ある。この第2の実施形態では、表出
部26と被覆部27とが複数本のスレッドに対してスレ
ッド端における用紙の端部からの同一位置において同一
状態に現れている特徴がある。すなわち、紙端からxの
位置においてはスレッド10aに対してもスレッド10
bに対しても共に表出部であり、紙端からyの位置にお
いてはスレッド10aに対してもスレッド10bに対し
ても共に被覆部となっている。
【0025】ただし、基紙21は、スレッド10の両端
部分がいずれのスレッドに対しても被覆部27として構
成されていることが好ましい。スレッドの端部が露出し
ているとスレッドの剥離が生じるからである。使用する
スレッドの幅は用紙の使用目的にもより特に制限されな
いが、0.2mm〜5mm程度のものが通常使用され
る。複数のスレッドの幅は同幅である必要はなく、また
色調、光学特性、発色特性、磁気特性等をそれぞれ変え
ることも任意である。このように、セキュリティ媒体に
2本以上の複数のスレッドを導入することにより、偽造
スレッドを単純に貼り付けるような方法は偽造コストが
増大し、工程が複雑となるため、偽造抑制効果が増大す
る。
【0026】図7は、本発明の偽造防止用紙の第3の実
施形態を示す図である。図7(A)はその平面図、図7
(B)は、図7(A)のA−A線における断面を示して
いる。図7のように、本発明の偽造防止用紙の第3の実
施形態では、基紙21にスレッド10を複数本抄き込ん
だ構成であって、基紙21は、スレッド10を間欠的に
露出する複数の表出部26と、各表出部間でスレッド1
0を間欠的に覆う被覆部27とを備えていることは第1
の実施形態と同一ある。この第3の実施形態では、表出
部26と被覆部27とが複数本のスレッドのうちの少な
くとも隣接する2本のスレッド間において、スレッド端
における用紙の端部からの同一位置において異なる状態
に現れている特徴がある。すなわち、紙端からxの位置
においてはスレッド10aに対しては表出部、スレッド
10bに対しては被覆部となっている。ただし、基紙2
1は、スレッド10の両端部分が被覆部27として構成
されていることが好ましいのは第1の実施形態と同一で
あり、以下の実施形態においても同様である。このよう
に、表出部をいわゆる千鳥状に設ける場合は、用紙を積
み重ねた場合のスレッド部の盛り上がりを低減すること
ができ、印刷加工を容易にし、巻き取り用紙の取扱い時
における巻崩れを防止することができる。
【0027】次に、本発明の偽造防止用紙の製造状態を
説明する。図8は、スレッド入り偽造防止用紙を抄き込
む状態を示す図である。図8(A)はスレッドに平行な
断面、図8(B)は、図8(A)においてスレッドに直
角なC−C線における断面、図8(C)は、同様D−D
線における断面を示している。図示のように、このスレ
ッド入り偽造防止用紙20は、スレッド10と同幅ある
いはそれよりも広幅のすき網部の凸部29aを抄紙機の
すき網部29に適宜な間隔で設け、この凸部29aの上
にスレッド10を載せた状態で紙料液22aを供給する
ことによって製造できる。つまり、このようにすれば、
凸部29aと凸部29aの間の位置ではスレッド10が
紙料液22aで挟まれるので被覆部27が形成され、凸
部29aの位置ではスレッド10が最下面となるので、
抄紙機のすき網から用紙を剥離した際には、スレッドが
表面に現れて表出部26が形成される。
【0028】すき網部の凸部29aを図8(D)のよう
に、スレッド10と同幅にする場合はスレッド10の両
側に透かし部28が入らないことになる。また、スレッ
ドをまたぐような広幅とする場合は、透かし部が入り装
飾的効果を高め、前記のようにスレッドのブレを吸収す
ることができる。また、複数のスレッド間あるいはその
周辺に透かし模様25を設ける場合は、凸部29aと同
様にすき網部に模様状の凸部を形成すれば良い。
【0029】なお、以上の実施形態の説明においては、
基材上に磁性インキでインキ層を形成してから強磁性材
薄膜層15を形成する例を説明したが、逆に、強磁性材
薄膜層を基材11上にパターニングして形成した後に、
磁性インキを平面的(ベタ)に塗布する方法であっても
良い。またさらに、基材11上に磁性インキをベタに塗
布してから、当該塗布磁性インキ層上に、強磁性材薄膜
層15をパターン状に被着させるものであっても良い。
【0030】
〔インキ組成〕
バインダー;塩酢ビ/ウレタン系樹脂 100重量部 磁性材 ;Fe−Ni(15%)を平均粒径2μmに粉砕した粒子 10重量部
【0031】続いて、この磁性インキ層上および基材上
の全面に、鉄Fe−珪素Si系からなる強磁性材薄膜層
15をスパッタリング法で、膜厚0.2μmになるよう
に成膜した。また、基材フィルムの裏面に、塩酢ビ系接
着剤を1μmの厚みに塗布した後、スリッタ機を使用し
て、幅2mmにスリッタして、本発明の偽造防止用スレ
ッドを完成した。
【0032】<偽造防止用紙の抄造>上記で製造した偽
造防止用スレッド10の2本が、図6のように偽造防止
用紙に現れるように、表出部26がピッチ10mm×幅
10mm、被覆部27がピッチ10mmで繰り返される
抄き網パターンの抄紙機で、90kg/四六版の上質紙
に抄造した。なお、被覆部27の上部の紙料が35g/
2 、被覆部の下部の紙料が69g/m2 となるように
抄き網部の凸部の高さを調整した。このようにして完成
した偽造防止用紙20は、磁気ヘッドで読み取った場
合、スレッドの長さ方向に対して、磁気インキ層の「有
る」部分が「1」、磁気インキ層の「無い」部分を
「0」、として、1,0,1,0の繰り返し信号が得ら
れた。
【0033】
【発明の効果】本発明の偽造防止用スレッドは、基材上
に磁性インキによる磁性インキ層を形成して、当該磁性
インキ層の上層または下層に強磁性体薄膜層が形成され
ているので特有の磁気特性のパターン情報を与えること
ができ、通常の磁気スレッドや光輝性スレッドでは得ら
れない偽造防止効果を有する。また、本発明の偽造防止
用紙は、基紙にこのような偽造防止用スレッドを抄き込
んであるので、複製が困難であり商品券やその他の有価
証券等の信頼性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の偽造防止用スレッドの一実施形態を
示す断面図である。
【図2】 本発明の偽造防止用スレッドの他の実施形態
を示す断面図である。
【図3】 磁性材料のヒステリシス曲線を示す図であ
る。
【図4】 スレッドに設ける磁気インキ層を示す図であ
る。
【図5】 本発明の偽造防止用紙の第1の実施形態を示
す図である。
【図6】 本発明の偽造防止用紙の第2の実施形態を示
す図である。
【図7】 本発明の偽造防止用紙の第3の実施形態を示
す図である。
【図8】 スレッド入り偽造防止用紙を抄き込む状態を
示す図である。
【符号の説明】
10 偽造防止用スレッド 11 基材 12 磁性インキ層 15 強磁性材薄膜層 16a,16b 接着剤層 20 偽造防止用紙 21 基紙 22a 紙料液 26 表出部 27 被覆部 28 透かし部 29 すき網部 29a すき網部の凸部
【手続補正書】
【提出日】平成12年7月3日(2000.7.3)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0019
【補正方法】変更
【補正内容】
【0019】接着剤層16aは、偽造防止用スレッド1
0を用紙に抄き込んだ際に、用紙との接着強度を高める
ためのものであり、熱溶解温度60〜80°Cの水可溶
性バインダー等からなる接着剤層を基材11の裏面に設
けることができる。あるいは、接着剤層16bは、強
性材薄膜層の上面(表面)に設けてもよい。具体的に
は、水可溶性である、でんぷん、カゼイン、カルボキシ
メチルセルローズ、カルボキシエチルセルローズ等から
なる接着剤を採用することができる。あるいはまた、接
着剤層は、熱溶解温度60〜80°Cのホットメルト型
接着剤であってもよい。その塗布厚みは、数μm以内の
ものであってよい。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0030
【補正方法】変更
【補正内容】
【0030】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照して説明
する。 (実施例) <偽造防止用スレッドの作製>偽造防止用スレッドの基
材フィルム11として、平滑性が良く透明なポリエチレ
ンテレフタレートフィルム(東レ株式会社製「ルミラー
S−28」)〔厚み;16μm〕に、下記磁性インキに
よる厚みが、5μm〜50μm程度になるように所定の
パターンをグラビア印刷法により印刷し乾燥した。本実
施例においては乾燥後の凹凸パターンの高さは7μmと
なるようにした。なお、凹凸パターンは、スレッドにス
リッタした際に、図4(A)のようになるように印刷
し、磁気インキ層の「無い」部分12nと、磁気インキ
層の「有る」部分12とがスレッドの長さ方向に対して
繰り返されるように構成した。 〔インキ組成〕 バインダー;塩酢ビ/ウレタン系樹脂 100重量部 磁性材 ;Fe−Ni(15%)を平均粒径2μmに粉砕した粒子 10重量部
【手続補正3】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図1
【補正方法】変更
【補正内容】
【図1】
【手続補正4】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図2
【補正方法】変更
【補正内容】
【図2】
【手続補正5】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図4
【補正方法】変更
【補正内容】
【図4】
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01F 10/26 G06K 19/00 B (72)発明者 羽音 大作 東京都新宿区市谷加賀町一丁目1番1号 大日本印刷株式会社内 Fターム(参考) 2C005 HA01 HA10 HB01 HB10 HB11 HB13 JB23 JB28 KA08 KA15 KA37 LA25 LB18 4L055 AG03 AG64 AG68 AG85 AG89 AH02 AH37 AJ03 AJ10 BE09 EA15 EA34 GA45 5B035 AA15 BA05 BB02 BC00 CA01 CA06 5D006 AA01 BB07 BB08 DA01 DA04 FA00 5E049 AA01 AA09 BA11 BA30 DB06

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 偽造防止用紙に抄き込んで使用するため
    のスレッドであって、樹脂フィルムからなる基材表面に
    保磁力が0.5〜50エルステッドであって、かつ、角
    型比が0.7〜1.0である強磁性材薄膜層が設けら
    れ、当該強磁性材薄膜層上の一部に磁性材を含有してな
    る磁性インキ層が形成されていることを特徴とする偽造
    防止用スレッド。
  2. 【請求項2】 偽造防止用紙に抄き込んで使用するため
    のスレッドであって、樹脂フィルムからなる基材表面の
    一部に磁性材を含有してなる磁性インキ層が形成され、
    当該磁性インキ層を覆うように、基材表面に保磁力が
    0.5〜50エルステッドであって、かつ、角型比が
    0.7〜1.0である強磁性材薄膜層が設けられている
    ことを特徴とする偽造防止用スレッド。
  3. 【請求項3】 磁性インキ層が表面に形成された強磁性
    材薄膜層上に、さらに接着剤層が設けられていることを
    特徴とする請求項1記載の偽造防止用スレッド。
  4. 【請求項4】 磁性インキ層上の強磁性材薄膜層上に、
    さらに接着剤層が設けられていることを特徴とする請求
    項2記載の偽造防止用スレッド。
  5. 【請求項5】 強磁性材薄膜層が形成された面とは反対
    側の面に接着剤層が設けられていることを特徴とする請
    求項1から請求項4記載の偽造防止用スレッド。
  6. 【請求項6】 請求項1から請求項5記載の偽造防止用
    スレッドを基紙に抄き込んでなる偽造防止用紙。
  7. 【請求項7】 上記基紙は、該スレッドを間欠的に露出
    する表出部と該表出部間であって該スレッドを間欠的に
    覆う被覆部とを備えていることを特徴とする請求項6記
    載の偽造防止用紙。
  8. 【請求項8】 表出部と被覆部が複数列設けられ、複数
    本の偽造防止用スレッドを抄き込んだことを特徴とする
    請求項7記載の偽造防止用紙。
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