JP2002242097A - 磁気防止用スレッドとそれを用いた偽造防止用紙及び真偽判定方法 - Google Patents

磁気防止用スレッドとそれを用いた偽造防止用紙及び真偽判定方法

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JP2002242097A
JP2002242097A JP2001039602A JP2001039602A JP2002242097A JP 2002242097 A JP2002242097 A JP 2002242097A JP 2001039602 A JP2001039602 A JP 2001039602A JP 2001039602 A JP2001039602 A JP 2001039602A JP 2002242097 A JP2002242097 A JP 2002242097A
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Yoji Iwamoto
要司 岩本
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Dai Nippon Printing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 偽造防止効果の高い偽造防止用スレッドとそ
れを用いた偽造防止用紙と真偽判定方法を提供する。 【解決手段】 本発明の偽造防止用スレッド10は、偽
造防止用紙に抄き込んで使用するためのスレッドであっ
て、樹脂フィルムからなる基材11上に2層または3層
以上の強磁性体層15が積層して形成されていることを
特徴とする。強磁性体層は真空成膜法または印刷法で形
成でき、強磁性体層間には非磁性体層16を設けること
ができる。また、光回折格子またはホログラムパターン
を有していても良い。本発明の偽造防止用紙は、このよ
うな偽造防止用スレッド10を基紙に抄き込んでなるこ
とを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、偽造防止用スレ
ッドとそれを用いた偽造防止用紙および真偽判定方法に
関する。詳しくは、樹脂フィルムからなる基材上に複数
の強磁性体層を、スパッタ等の真空成膜法もしくは印刷
法で積層形成した偽造防止用スレッドとそれを用いた偽
造防止用紙および真偽判定方法に関する。このような偽
造防止用スレッドおよび偽造防止用紙は、商品券、ギフ
ト券、証明書、パスポート、チケット、投票券、切符、
ラベル等の各種セキュリティ媒体に使用することができ
る。
【0002】
【従来技術】各種セキュリティ媒体の偽造防止策とし
て、種々の偽造防止用スレッドを用紙に抄き込む手法が
ある。このようなスレッドによる偽造防止手段は用紙を
製造する段階において抄き込まれるので、カラーコピー
やスキャナー取込み、製版印刷等による方法での偽造は
困難である。しかし、真正のスレッドに似せた偽造スレ
ッドを抄き込んだ偽造用紙が出回る場合があり、単純な
磁気スレッドや光輝性スレッドのみでは真正の判断には
十分でない。
【0003】一方、一般的な磁気記録材をスレッドに組
み合せた構造も磁気記録情報の改ざんが容易なため、高
度の偽造防止構造とはいえない。そのため、より高度の
偽造防止構造を有するデータ記録担体として、磁性膜を
応用した構造として、特開平10−55533号公報が
挙げられる。本発明はかかる特定の特性からなる磁性材
料を2層以上に積層形成して偽造防止用スレッドや偽造
防止用紙に適用することで一層の偽造防止効果を図ろう
とするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
の本発明の要旨の第1は、偽造防止用紙に抄き込んで使
用するためのスレッドであって、樹脂フィルムからなる
基材上に2層の強磁性体層が積層して形成されているこ
とを特徴とする偽造防止用スレッド、にある。本発明の
要旨の第2は、偽造防止用紙に抄き込んで使用するため
のスレッドであって、樹脂フィルムからなる基材上に3
層以上の強磁性体層が積層して形成されていることを特
徴とする偽造防止用スレッド、にある。
【0005】本発明の要旨の第3は、偽造防止用紙に抄
き込んで使用するためのスレッドであって、樹脂フィル
ムからなる基材上に磁気特性が異なる強磁性体層が2層
積層して形成されていることを特徴とする偽造防止用ス
レッド、にある。本発明の要旨の第4は、偽造防止用紙
に抄き込んで使用するためのスレッドであって、樹脂フ
ィルムからなる基材上に磁気特性が異なる強磁性体層が
3層積層して形成されていることを特徴とする偽造防止
用スレッド、にある。
【0006】本発明の要旨の第5は、上記の偽造防止用
スレッドを基紙に抄き込んでなる偽造防止用紙にあり、
本発明の要旨の第6は、上記の偽造防止用紙に交流磁界
を印加することにより発生する磁界変化を読み取ること
を特徴とする真偽判定方法、にある。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明の偽造防止用スレッドは、
樹脂フィルムからなる基材上に複数の強磁性体層を、蒸
着等の真空成膜法または印刷法により積層形成するもの
である。本発明の偽造防止用スレッドにおいて、複数の
強磁性体層からなる強磁性体層の磁気特性を強磁性体層
間の相互作用無しに検知するためには、強磁性体層間に
非磁性体層を形成し、磁気的相互作用を消滅させる必要
がある場合がある。この非磁性体層は、複数の強磁性体
層が真空成膜法により形成された薄膜である場合に必要
となってくる。強磁性体層が印刷法のみで形成されてい
る場合、もしくは印刷法と真空成膜法により形成されて
いる場合には非磁性体層を省略することも可能である。
これらの条件により各種の実施形態が出現する。本発明
の偽造防止用紙はこれらの偽造防止用スレッドを基紙に
抄き込んでなる用紙に係る。
【0008】以下、本発明の実施形態を図面を参照して
説明する。図1は、本発明の偽造防止用スレッドの実施
形態を示す図である。図1(A)は、基材11上に2層
の強磁性体層151,152を非磁性体層161を介し
て積層した偽造防止用スレッドの斜視図、図1(B)
は、その断面図である。偽造防止用スレッド10の複数
の強磁性体層151,152は真空成膜法または印刷法
により形成される。強磁性体層間には前記のように必要
により非磁性体層161が設けられ、これも同等の手段
で形成される。また、基材11の強磁性体層を形成しな
い側の面または強磁性体層の最表面には必要により接着
剤層が形成される。これは基紙に抄き込んで偽造防止用
紙とした場合に接着力を高める効果をもたらすものであ
る。図1の場合、基材11の下面側の接着剤層17のみ
が図示されている。偽造防止用スレッド10の幅Wは特
に制限されないが、用紙の使用目的により0.2mm〜
5.0mm程度のものが通常使用される。
【0009】樹脂フィルム基材11としては、耐溶剤性
および耐熱性のある樹脂フィルムが使用でき、一般的に
はポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂フィルム
をはじめとしてその他のポリエステル樹脂フィルム、ポ
リアミド樹脂フィルム、ポリイミド樹脂フィルム、ポリ
カーボネート樹脂フィルム、ポリスチレン樹脂フィル
ム、ポリプロピレン樹脂フィルム、ポリサルホン樹脂フ
ィルム、ポリフェニレンサルファイド樹脂フィルム、セ
ルロース系樹脂フィルム、ポリエチレンナフタレート樹
脂フィルム等が挙げられる。厚さは、5〜300μm程
度、好ましくは、10〜20μm程度のものを推奨でき
る。
【0010】強磁性体層15は、蒸着、スパッタ、イオ
ンプレーティング法等の真空成膜法あるいはグラビア、
オフセット等の印刷法により形成する。真空成膜法の場
合、その厚みは1μm以下の薄膜、通常、10nm〜3
00nmの厚みであるのに対し、磁性インキの印刷法に
よる膜厚は乾燥後で0.5μm〜10μm、一般的には
1μm〜5μmとなるのが通常である。
【0011】図3は、磁性材料のヒステリシス曲線を示
す図である。本発明に使用する強磁性材は、図3(A)
のような高角型比の磁気特性を示す材料が好ましく、そ
の角型比は0.7〜1.0のものが好ましい。また、保
磁力が0.5〜50エルステッドのものが好ましい。こ
のような強磁性材は、Hc(保磁力)、Bm(飽和磁束
密度)において特異な特性を示し、その磁気特性から通
常印加の磁界強度とその磁界によって磁化される磁性体
の磁束密度とは非線形のB−H特性(ヒステリシス曲
線)を有するので、図3(B)図示のような一般の磁性
材料とは明確に区別できる。本発明に使用する強磁性材
は、Hcが、40〜4000A/m(0.5〜50エル
ステッド)、Rsq(角型比)が、0.7〜1.0であ
ることが好ましい。なお、角型比Rsqは、 Rsq=Br(残留磁束密度)/Bm(飽和磁束密度) で表される。
【0012】次に、強磁性体層15は、真空成膜法によ
り形成される場合、結晶性あるいはアモルファスのもの
であっても良く、鉄(Fe)、コバルト(Co)、ニッ
ケル(Ni)のいずれか1種または2種以上の組み合わ
せからなる磁性材料を主成分として、これに、ほう素
(B)、炭素(C)、マグネシウム(Mg)、アルミニ
ウム(Al)、珪素(Si)、燐(P)、硫黄(S)、
チタン(Ti)、バナジウム(V)、クロム(Cr)、
マンガン(Mn)、銅(Cu)、亜鉛(Zn)、イット
リウム(Y)、ジルコニウム(Zr)、ニオブ(N
b)、モリブテン(Mo)、パラジウム(Pd)、銀
(Ag)、インジウム(In)、錫(Sn)、タンタル
(Ta)、タングステン(W)、イリジウム(Ir)、
白金(Pt)、金(Au)、鉛(Pb)から選ばれた数
種の金属または非金属元素の添加物から構成されてい
る。
【0013】真空成膜法の場合、強磁性体層の形成は、
主成分となる鉄、コバルト、ニッケルからなる合金と添
加元素からなる材料あるいはこれらの混合物をターゲッ
ト材または蒸着源として、蒸着、スパッタリング、イオ
ンプレーティングなどの真空プロセスを用いた成膜法で
形成する。真空成膜法の場合、層厚10nmが下限値と
なる理由は、強磁性体層15の厚みが薄くなるため、磁
性体の絶対量の減少と共に飽和磁束が減少し、磁気信号
が小さくなるためであり、真偽判定に用いる磁気信号を
得るためには磁性体の厚みは、10nm以上が必要とな
るためである。また、300nmが上限値となる理由
は、他の方法で作製した磁性体膜(通常は厚さ1μm以
上)と明確な区別をつけるためであり、これ以上厚くす
ることは避けることが好ましいからである。さらに、こ
れ以上の厚さとなる場合は、膜の内部応力によるカール
等で磁気スレッドの特性が悪くなり、しわ、クラックが
発生する場合があるからである。
【0014】次に、強磁性体層15が印刷法により形成
される場合、ここで用いられる印刷インキは、強磁性体
を顔料として含み、顔料を分散するバインダーおよび溶
剤で構成されている。用いられる強磁性体は、粒径10
nmから数十μmまで幅広い粒径の粉体を用いることが
できる。粒径は、印刷適性を考えると、数μm以下であ
ることが好ましい。この粉体の形状は、粉体が上記の粒
径の範囲内であり、印刷適性を保持する限りどのような
形状であっても問題はない。印刷法の場合、膜厚0.5
μmが下限となるのは、均一した厚みの層を安定して機
械的に付着させる限界となるからであり、10μmが上
限となるのは、それ以上は安定した塗布が困難であり、
必要性もないからである。また、強磁性体は、金属粉体
であっても酸化物粉体、窒化物粉体、酸化窒化物粉体で
あってもかまわない。金属粉体を用いる場合、上記の真
空成膜法により形成される場合と同様の材料で良い。酸
化物、窒化物強磁性体の場合、上記金属の酸化、窒化化
合物を使用することになる。
【0015】積層して形成される強磁性体層15の数
は、原理的には何層でも可能であり、請求項2では「3
層以上・が積層」としているが、交流磁界印加によるパ
ルス観測方法では、判定の安定性を考えると、強磁性体
層が2層もしくは3層が適当と考えられる。複数の強磁
性体層には、角型比が異なる強磁性材料あるいはアモル
ファス材料を併用すると特異の読み取り波形を与えて偽
造を一層困難にする。非磁性体層16の数は、強磁性体
層15の間に入るので、通常は1層または2層となる。
【0016】非磁性体層16には、非磁性体の金属や非
金属を使用できる。これには例えば、アルミニウム(A
l)、銅(Cu)、亜鉛(Zn)、錫(Sn)、銀(A
g)、金(Au)、珪素(Si)、チタン(Ti)、バ
ナジウム(V)、クロム(Cr)やこれらの合金、ある
いはこれらの酸化物、窒化物、酸化窒化物粉体を使用す
ることができる。強磁性体層15を印刷して形成する場
合は印刷インキのバインダーが非磁性体層を兼ねるの
で、印刷層に隣接して別に非磁性体層16を設ける必要
はない。
【0017】図2は、本発明の偽造防止用スレッドの他
の実施形態を示す図である。図2(A)は、基材11上
に光回折格子またはホログラムパターン13を形成し、
さらに、2層の強磁性体層151,152を非磁性体層
161を介して積層した構成の偽造防止用スレッドであ
ってその斜視図、図2(B)は、その断面図である。基
材11と強磁性体層の間には、樹脂層12が設けられ、
当該樹脂層表面には光回折格子またはホログラムパター
ン13が形成されている。光回折格子またはホログラム
パターン13は、アルミニウム等の光反射層14を介在
させるかまたは単独で用いて、特有の光輝性および3次
元表示効果を出現させる。これと強磁性体層による磁気
特性とから、通常の光輝性スレッドでは得られない複合
した効果を有して、偽造、改ざんを一層困難なものとす
ることができる。
【0018】樹脂層12を構成する材料は、光回折格子
またはホログラムの微小凹凸形状を付与できうる合成樹
脂が使用できる。この合成樹脂としては、熱可塑性合成
樹脂、例えば、ポリ塩化ビニル、アクリル樹脂(例えば
ポリメチルメタクリレート等)、ポリカーボネート、も
しくはポリスチレン等、または熱硬化性合成樹脂、例え
ば不飽和ポリエステル、メラミン、エポキシ、ポリエス
テル(メタ)アクリレート(本明細書においては、(メ
タ)アクリレートの語は、アクリレートおよびメタクリ
レートの双方を包含する意味である。)、ウレタン(メ
タ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ポ
リエーテル(メタ)アクリレート、ポリオール(メタ)
アクリレート、メラミン(メタ)アクリレート、もしく
はトリアジン系(メタ)アクリレート等が挙げられる。
あるいは上記熱可塑性合成樹脂および熱硬化性合成樹脂
を混合して使用しても良い。
【0019】さらに合成樹脂としては、特に、熱プレス
によりホログラムの微小凹凸形状をエンボスでき、エン
ボス後には、硬化して充分な耐久性を生じるものが良
く、いわゆる紫外線硬化性樹脂、電子線硬化性樹脂、熱
硬化、自然硬化型の反応性の樹脂等が用いられうる。本
発明においては、紫外線もしくは電子線で硬化する樹脂
が適している。具体的には、例えばメチル(メタ)アク
リレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メ
タ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、イソ
ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アク
リレート、イソアミル(メタ)アクリレート、シクロヘ
キシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メ
タ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アク
リレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレ
ート、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリ
メチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメ
チロールプロパンジ(メタ)アクリレート、ペンタエリ
スリトールテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリス
リトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリ
トールヘキサ(メタ)アクリレート、エチレングリコー
ルグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、ポリエ
チレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレン
ングリコールジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレ
ート、ポリプロピレンングリコールジグリシジルエーテ
ルジ(メタ)アクリレート、ソルビトールテトラグリシ
ジルエーテルテトラ(メタ)アクリレート、等のラジカ
ル重合性不飽和基を有する単量体が用いられる。
【0020】さらに、熱成形性を有する紫外線または電
子線硬化性樹脂としては、以下の化合物(1)〜(8)
を重合もしくは共重合させた重合体に対し、後述する方
法(イ)〜(ニ)によりラジカル重合性不飽和基を導入
したものが用いられうる。
【0021】(1)水酸基を有する単量体:N−メチロ
ール(メタ)アクリルアミド、2−ヒドロキシエチル
(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メ
タ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アク
リレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル
(メタ)アクリレート等。 (2)カルボキシル基を有する単量体:(メタ)アクリ
ル酸、(メタ)アクリロイルオキシエチルモノサクシネ
ート等。 (3)エポキシ基を有する単量体:グリシジル(メタ)
アクリレート等。
【0022】(4)アジリジニル基を有する単量体:2
−アジリジニルエチル(メタ)アクリレート、2−アジ
リジニルプロピオン酸アリル等。 (5)アミノ基を有する単量体:(メタ)アクリルアミ
ド、ダイアセトン(メタ)アクリルアミド、ジメチルア
ミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチ
ル(メタ)アクリレート等。 (6)スルフォン基を有する単量体:2−(メタ)アク
リルアミド−2−メチルプロパンスルフォン酸等。 (7)イソシアネート基を有する単量体:2,4−トル
エンジイソシアネートと2−ヒドロキシエチル(メタ)
アクリレートの1モル対1モル付加物等のジイソシアネ
ートと活性水素を有するラジカル重合性単量体の付加物
等。
【0023】(8)さらに、上記の重合体のガラス転移
点を調節したり、硬化膜の物性を調節したりするため
に、上記の化合物と、この化合物と共重合可能な以下の
ような単量体とを共重合させることができる。このよう
な共重合可能な単量体としては、例えばメチル(メタ)
アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル
(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、
イソブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)
アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、シク
ロヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル
(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0024】次に、上述のようにして得られた重合体を
以下に述べる方法(イ)〜(ニ)により反応させ、ラジ
カル重合性不飽和基を導入することによって、紫外線も
しくは電子線硬化性樹脂が得られる。 (イ)水酸基を有する単量体の重合体または共重合体の
場合には、(メタ)アクリル酸等のカルボキシル基を有
する単量体等を縮合反応させる。 (ロ)カルボキシル基、スルフォン基を有する単量体の
重合体または共重合体の場合には、前述の水酸基を有す
る単量体を縮合反応させる。 (ハ)エポキシ基、イソシアネート基あるいはアジリジ
ニル基を有する単量体の重合体または共重合体の場合に
は、前述の水酸基を有する単量体もしくはカルボキシル
基を有する単量体を付加反応させる。 (ニ)水酸基あるいはカルボキシル基を有する単量体の
重合体または共重合体の場合には、エポキシ基を有する
単量体あるいはアジリジニル基を有する単量体あるいは
ジイソシアネート化合物と水酸基含有アクリル酸エステ
ル単量体の1モル対1モルの付加物を付加反応させても
良い。またさらに、前述の単量体と、上記の熱成形性の
紫外線または電子線硬化性樹脂とを混合して用いること
もできる。
【0025】また、上記のものは、電子線照射により十
分に硬化可能であるが、紫外線照射で硬化させる場合に
は、増感剤として、ベンゾキノン、ベンゾイン、ベンゾ
インメチルエーテル等のベンゾインエーテル類、ハロゲ
ン化アセトフェノン類等の紫外線照射によりラジカルを
発生するものも用いることができる。当該樹脂層は着色
することもでき、その場合には紫外線や電子線の照射に
対して変退色のない染料が好ましい。具体的には、1−
2型アゾ系金属錯塩染料、1−1型アゾ系金属錯塩染
料、金属フタロシアニン系染料等を使用することができ
る。
【0026】上記の合成樹脂により構成される着色され
または無色透明な光回折格子またはホログラムパターン
樹脂層12は、グラビアコート法、ナイフコート法、ロ
ールコート法、ダイコート法等のコーティング方法によ
り、厚さ0.1〜100μm、望ましくは、0.5〜5
0μmに塗布形成される。
【0027】光回折格子パターンは、格子間隔0.4〜
5.0μm、深さ0.1〜1.0μmの範囲で形成され
た回折格子パターンを前記樹脂層12に形成したもの
で、入射光を特定の回折角度で回折するため、観察方向
により変化した色光を与えるものである。この回折格子
は格子間隔dが一定であれば、光の波長によって回折角
度φが異なり、また光の波長が一定であれば、格子間隔
dによって回折角度φが異なる。この関係は下記の(式
1)で示される。 λ=d(sinω+sinφ) (式1) λ:波長 d:格子間隔 ω:入射角度 φ:回
折角度 この光回折格子パターンの形成法としては、機械的に切
削するもののほか、電子線描画装置によりレジスト上に
パターン形成しフォトエッチングの方法で蝕刻すること
ができ、これらの原版を複製用の型版にとり、型押しし
て転写する方法が採用される。
【0028】一方、ホログラムパターン13は、2また
は3次元画像を再生可能な表面凹凸パターンとして形成
されたものである。この表面凹凸パターンとしては、物
体光と参照光との光の干渉による干渉縞の光の強度分布
が凹凸模様で記録されたレリーフホログラムを使用可能
であり、その他のホログラムとしては、フレネルホログ
ラム、フラウンホーファホログラム、レンズレスフーリ
エ変換ホログラム、イメージホログラム等のレーザ再生
ホログラム、およびレインボーホログラム等の白色光再
生ホログラム、さらにそれらの原理を利用したカラーホ
ログラム、コンピュータホログラム、ホログラムディス
プレイ、マルチプレックスホログラム、ホログラフィッ
クスステレオグラム等が挙げられる。ホログラムの場合
も干渉縞のピッチ、凹凸の深さは、回折格子と同程度の
ものである。
【0029】強磁性体層15と樹脂層12または基材1
1との間には、光反射層14を設けることができる。す
なわち、強磁性体層15を設ける前に、樹脂層12また
は基材11上に直接光反射層を全面に設ける。このよう
にする場合には、非磁性金属の光沢色が反射光として外
部から観測されるようになり、外見上は一般の光輝性ス
レッドと変わらない偽造防止用スレッドが与えられる。
このような光反射層は反射性の非磁性金属材料が使用さ
れ、金、銀、アルミニウム、クロム、ニッケル等が使わ
れる。一般的にはコストおよび技術上の問題からアルミ
ニウムが好ましく採用され、その厚さは、10nm〜2
00nm程度に形成できるが、好ましくは20nm〜1
00nm程度の厚みである。
【0030】接着剤層は、偽造防止用スレッド10を偽
造防止用紙に抄き込んだ際に、用紙との接着強度を高め
るためのものであり、熱溶解温度60〜80°Cの水可
溶性バインダー等からなる接着剤層17を基材11の裏
面もしくは強磁性体層の上面(表面)または双方に設け
ることができる。使用する接着剤は水可溶性である、で
んぷん、カゼイン、カルボキシメチルセルローズ(CM
C)等からなる接着剤を採用することができる。あるい
はまた、接着剤層は、熱溶融温度60〜80°Cのホッ
トメルト型接着剤であってもよい。その塗布厚みは、数
μm以内のものであればよい。
【0031】次に、偽造防止用スレッドの実施形態につ
いてさらに説明する。図5は、偽造防止用スレッドの各
種実施形態の断面構成を示す図である。なお、いずれも
接着剤層は省略されている。図5(A)は、基材11上
に2層の真空成膜法による強磁性体層151,152を
非磁性体層161を介して積層した場合を示す。この場
合、強磁性体層151,152は同一の強磁性体からな
る層であっても角型比の異なる強磁性体であってもよ
い。また、いずれかまたは双方の強磁性体がアモルファ
ス強磁性体であってもよい。これらの強磁性体層に交流
磁界を印加した際に後述するようにそれぞれ異なる読み
取り特性を与えることになる。また、角型比の異なる強
磁性体の場合は、図4のようなヒステリシス曲線を示す
ことになる。前述のように非磁性体層16も真空成膜法
または印刷法により設ける。当該層は省略してもよいが
設けた場合には後述するように波形の分離が明瞭とな
る。
【0032】図5(B)は、3層の真空成膜法による強
磁性体層151,152,153を、非磁性体層16
1,162を介して積層した場合を示す。強磁性体層1
51,152,153および非磁性体層161,162
は、図5(A)の場合と同様に形成することができる。
図5(C)は、印刷法による強磁性体層151と真空成
膜法による強磁性体層152の積層を示す。印刷法によ
る強磁性体層が入る場合、印刷インキのバインダーが非
磁性体層の役割を兼ねるので当該強磁性体層151に隣
接して非磁性体層を設ける必要はない。図5(D)は、
2層の真空成膜法による強磁性体層151,152と非
磁性体層161を積層し、さらに樹脂層12とホログラ
ムパターン13および光反射層14を設けた場合を示
す。光反射層14はホログラムパターンと重畳して設け
られることが多い。この場合、強磁性体層151,15
2と非磁性体層161の効果は図5(A)の場合と同等
であるが、スレッドを観察した場合、ホログラムパター
ン13や光反射層14により光輝性をもたらす効果を有
する。
【0033】次に、本発明の真偽判定方法について説明
する。図6は、読取り装置を説明する図である。図6
(A)は、磁気ヘッド41を交流励磁し(5〜10kH
z,2〜5Vpp)、検知コイル43で出力電圧を検知
する装置、図6(B)は、磁気ヘッド41を交流励磁し
参照コイル44の信号波形と、検知コイル出力波形を比
較して検知する場合を示す。
【0034】図7は、図5(A)の磁気層が2層のスレ
ッドに交流磁界を印加する状態を示す。図8は、スレッ
ドに交流磁界を印加した場合の出力波形を示す。図6
(A)の磁気ヘッドを用いて図8(A)に示す交流磁界
を印加した場合、検知コイルからの出力は、磁性体が無
い場合、図8(B)のようになる。本発明で使用する保
磁力(Hc)が小さく角型比が大きい強磁性体がある場
合は図8(C)のようになる。これらの信号の差分をと
ると図8(D)の信号が得られる。この信号は、強磁性
体固有の特性を表わすB−H曲線の微分値であり、B−
H特性同様強磁性体材料固有の信号である。図6(B)
の磁気ヘッドを用いた場合、検知コイルからの出力と参
照コイルからの出力の差分を取ることにより、図8
(D)の信号を得ることができる。
【0035】図9は、2層以上の強磁性体層による再生
波形を示す。図6(A)の磁気ヘッドを用いて図8
(A)に示す交流磁界を印加し本発明における偽造防止
用スレッドの測定を行うと、2層もしくは2層以上の強
磁性体の磁気特性を一度に測定することになり、それぞ
れの強磁性体層の磁気特性を反映する信号を重ね合せた
図9のような特殊な信号が得られる。それぞれの信号の
強度は、強磁性体の磁気特性だけでなく強磁性体の膜厚
によってもコントロールが可能である。したがって、こ
の信号の、ピーク強度の比や、ピークの位置、ピ
ークの半値幅、それらの組み合わせから、あるいは
ピーク重ね合わせ時のピークの形状、1/3値幅、1/
2値幅の比較、またはからの組み合わせを考察する
ことにより、使用した磁性体材料や層構成が分かり真偽
判定が可能となる。
【0036】さらに、図7のように、磁気ヘッド31に
近い第2の強磁性体層152と磁気ヘッド31から遠い
第1の強磁性体層151とでは、磁気ヘッドからの出力
磁界が同じ場合でも、第2の強磁性体層152は第1の
強磁性体層151よりも大きな磁場が印加されている。
これにより、非磁性体層をはさんで同一の磁性体があっ
てもピーク出力位置に違いが出るため、2層の磁性体が
あることが明瞭に確認できる。また、異なった磁性体を
使用した場合、磁気ヘッド31に近い第2の強磁性体層
152に保磁力が小さい材料を、第1の強磁性体層15
1に第2の強磁性体層152と比較して保磁力が大きい
材料を使用することにより明確にそれぞれの磁性体の特
徴を判別することが可能となる。そのため、再生磁束や
再生電圧波形の発生位置も異なってくる。この判別原理
は強磁性体のB−H特性を利用したもので材料固有の特
性を示す。非磁性体層161がある場合は、無い場合よ
りも読み取り再生波形ピークの分離が明瞭となる。ただ
し、同一の強磁性体層が非磁性体層が無い状態で積層さ
れた場合でも異なる工程で形成すれば通常分離したピー
クを出現する。
【0037】前記のように、2層の強磁性体層の場合
は、図9(A)のように強弱の2点のピークP1,P2
が出現し、3層の強磁性体層からなる場合は、図9
(B)のように、3つのピークP1,P2,P3を有す
る再生波形を出現する。また、強磁性体層が印刷法によ
り形成された層である場合は、印刷インキ中の強磁性体
には各種粒径の粒子が混在し、強磁性体であっても一律
な磁化特性を示さないため、ピークもシャープな形状を
出現しないことになる。従って、例えば、印刷法による
1層の強磁性体層と真空成膜法による1層の強磁性体層
とからなる合成再生波形は、図9(C)のような波形を
出現する。また、アモルファス強磁性体の場合は、Hc
(保磁力)を小さく、かつ角型比を大きくし易いので一
層シャープなピークを出現する。本発明の真偽判定方法
はこのように使用する磁性体材料の特性により再生波形
の顕著な変化を特徴として把握することにより模造や偽
造スレッドを明確に検出できる。
【0038】次に、本発明の偽造防止用紙について説明
する。図10は、偽造防止用紙の1実施形態を示す図で
ある。図10(A)はその平面図、図10(B)は図1
0(A)のA−A線における断面を示している。図10
のように、本発明の偽造防止用紙20の1実施形態で
は、基紙21にスレッド10を、1本抄き込んだ構成で
あって、基紙21には、偽造防止用スレッド10を間欠
的に露出する複数の表出部26と、各表出部間でスレッ
ド10を間欠的に覆う被覆部27とを備えている。表出
部26はスレッドと同幅でもよいが、それより広幅とし
てスレッド10の両サイドを透かし部28となるように
することで、抄造時に発生するスレッドの交差(ブレ)
を透かし部により吸収することができる。ただし、基紙
21は、スレッド10の両端部分がいずれのスレッドに
対しても被覆部27として構成されていることが好まし
い。スレッドの端部が露出しているとスレッドの剥離が
生じるからである。
【0039】図11は、偽造防止用紙の他の実施形態を
示す図である。図11(A)はその平面図、図11
(B)は図11(A)のA−A線における断面を示して
いる。図11のように、本発明の偽造防止用紙の他の実
施形態では、基紙21に偽造防止用スレッド10を複数
本抄き込んだ構成であって、基紙21は、スレッド10
を間欠的に露出する複数の表出部26と、各表出部間で
スレッド10を間欠的に覆う被覆部27とを備えている
ことは前記実施形態と同一である。図11の実施形態で
は、表出部26と被覆部27とが複数本のスレッド10
a,10bに対してスレッド端における用紙端部からX
の距離における同一位置において異なる状態に現われて
いる(すなわち、千鳥の状態で現われている。)が、同
一状態で現われるものであってもよい。ただし、基紙2
1は、スレッド10の両端部分が被覆部27として構成
されていることが好ましいのは第1の実施形態と同一で
ある。表出部を千鳥状に設ける場合は、用紙を積み重ね
た場合のスレッド部の盛り上がりを低減することができ
る。
【0040】次に、偽造防止用紙の製造状態について説
明する。図12は、スレッドを偽造防止用紙に抄き込む
状態を示す図である。図12(A)はスレッドに平行な
断面、図12(B)は、図12(A)においてスレッド
に直角なC−C線における断面、図12(C)は同様D
−D線における断面を示している。図示のように、この
スレッド入り偽造防止用紙20は、スレッド10と同幅
あるいはそれよりも広幅のすき網部の凸部29aを抄紙
機のすき網部29に適宜な間隔で設け、この凸部29a
の上にスレッド10を載せた状態で紙料液22aを供給
することによって製造できる。つまり、このようにすれ
ば、凸部29aと凸部29aの間の位置ではスレッド1
0が紙料液22aで挟まれるので被覆部27が形成さ
れ、凸部29aの位置ではスレッド10が最下面となる
ので、抄紙機のすき網から用紙を剥離した際には、スレ
ッドが表面に現れて表出部26が形成される。
【0041】すき網部の凸部29aを図12(D)のよ
うに、スレッド10と同幅にする場合はスレッド10の
両側に透かし部28が入らないことになる。また、スレ
ッドをまたぐような広幅とする場合は、透かし部が入り
装飾的効果を高め、前記のようにスレッドのブレを吸収
することができる。また、複数のスレッド間あるいはそ
の周辺に透かし模様を設ける場合は、凸部29aと同様
にすき網部に模様状の凸部を形成すれば良い。
【0042】
【実施例】<偽造防止用スレッドの作製>以下、本発明
の実施例1〜4を図面を参照して説明する。なお、実施
例2以下において使用する基材は実施例1と同条件であ
る。 (実施例1)偽造防止用スレッドのフィルム基材11と
して、平滑性が良く透明なポリエチレンテレフタレート
フィルム(東レ株式会社製「ルミラーS−28」)〔厚
み;16μm〕を使用し、この基材上全面に、鉄Fe−
珪素Si系からなる第1の強磁性体層151を真空成膜
法で、膜厚150nmになるように成膜した。続いて、
この強磁性体層151上に非磁性体層161として、厚
み50nmのアルミ層を真空成膜法で形成し、さらに非
磁性体層161上に、鉄Fe−珪素Si系からなる第2
の強磁性体層152を、膜厚150nmになるよう同様
に真空成膜法で成膜した。
【0043】(実施例2)実施例1と同一の基材11を
使用し、鉄Fe−珪素Si系からなる第1の強磁性体層
151を真空成膜法で、膜厚150nmになるように成
膜した。続いて、この第1の強磁性体層151上に、下
記インキ組成からなる強磁性体インキをグラビア印刷法
により膜厚3μmになるように塗工した。 〔インキ組成〕 バインダー;塩酢ビ/ウレタン系樹脂 100重量部 粒状物 ;酸化鉄(フェライト)(15%)を平均粒径2μmに粉砕した粒子 10重量部
【0044】(実施例3)実施例1と同一の基材11を
使用し、第1の強磁性体層151、非磁性体層161、
第2の強磁性体層152の形成までを実施例1と同一の
工程で行った。続いて、この第2の強磁性体層152上
に、実施例2と同一インキ組成からなる強磁性体インキ
をグラビア印刷法により膜厚3μmになるように塗工し
た。
【0045】(実施例4)実施例1と同一の基材11上
に、常温で固体であり熱成形性を有する塩酢ビ系熱可塑
性樹脂を厚み、3μmに塗工した。ホログラムパターン
が凹凸状に形成されている原版を加圧接触させてホログ
ラムパターンを転写し、空冷して硬化させた。この面
に、光反射層としてAlによる蒸着膜を厚み30nmに
形成してから、実施例1と同一の条件で第1の強磁性体
層151、非磁性体層161、第2の強磁性体層152
を形成した。
【0046】<偽造防止用紙の作製>実施例1〜実施例
4の基材の裏面(強磁性体層形成面と反対側の面)に、
CMC接着剤を塗工した後、スリッタ機を使用して切断
し幅2mmの偽造防止用スレッドに仕上げた。当該偽造
防止用スレッド10が、図11のように偽造防止用紙に
現われるように、表出部26がピッチ15mm×幅10
mm、被覆部がピッチ15mmで繰り返される抄き網パ
ターンの抄紙機で、90kg/四六版の上質紙に抄造し
た。
【0047】このようにして完成した各実施例の偽造防
止用紙のスレッド部分に、図6の装置に交流磁界を印加
して磁気特性を測定した。実施例1の場合は、図9
(A)のような波形を示し、実施例2の場合は、図9
(C)のような波形を示し、実施例3の場合は、図9
(D)のような波形を示し、実施例4の場合は、図9
(A)のような波形を示した。
【0048】
【発明の効果】本発明の偽造防止用スレッドやそれを使
用した偽造防止用紙は、上述のように強磁性体層の2層
以上の積層構成を有するので特有の磁気特性を有して、
真偽判定が容易であるため、通常の磁気スレッドや光輝
性スレッドでは得られない模造、偽造防止効果を有す
る。また、本発明の真偽判定方法によれば、スレッドに
交流磁界を印加して発生する磁界変化に特有の特徴を有
するので、模造、偽造スレッドを容易に検出することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の偽造防止用スレッドの実施形態を示
す図である。
【図2】 本発明の偽造防止用スレッドの他の実施形態
を示す図である。
【図3】 磁性材料のヒステリシス曲線を示す図であ
る。
【図4】 角型比が異なる2層の強磁性体層によるヒス
テリシス曲線を示す図である。
【図5】 偽造防止用スレッドの各種実施形態の断面構
成を示す図である。
【図6】 読取装置を説明する図である。
【図7】 磁気層が2層のスレッドに交流磁界を印加す
る状態を示す。
【図8】 スレッドに交流磁界を印加した場合の出力波
形を示す。
【図9】 複数の強磁性体層による再生波形を示す。
【図10】 偽造防止用紙の1実施形態を示す図であ
る。
【図11】 偽造防止用紙の他の実施形態を示す図であ
る。
【図12】 スレッドを偽造防止用紙に抄き込む状態を
示す図である。
【符号の説明】
10 偽造防止用スレッド 11 基材 12 樹脂層 13 光回折格子またはホログラムパターン 14 光反射層 15,151,152,153 強磁性体層 16,161 非磁性体層 17 接着剤層 20 偽造防止用紙 21 基紙 22a 紙料液 26 表出部 27 被覆部 28 透かし部 29 抄き網 31 磁気ヘッド

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 偽造防止用紙に抄き込んで使用するため
    のスレッドであって、樹脂フィルムからなる基材上に2
    層の強磁性体層が積層して形成されていることを特徴と
    する偽造防止用スレッド。
  2. 【請求項2】 偽造防止用紙に抄き込んで使用するため
    のスレッドであって、樹脂フィルムからなる基材上に3
    層以上の強磁性体層が積層して形成されていることを特
    徴とする偽造防止用スレッド。
  3. 【請求項3】 偽造防止用紙に抄き込んで使用するため
    のスレッドであって、樹脂フィルムからなる基材上に磁
    気特性が異なる強磁性体層が2層積層して形成されてい
    ることを特徴とする偽造防止用スレッド。
  4. 【請求項4】 偽造防止用紙に抄き込んで使用するため
    のスレッドであって、樹脂フィルムからなる基材上に磁
    気特性が異なる強磁性体層が3層積層して形成されてい
    ることを特徴とする偽造防止用スレッド。
  5. 【請求項5】 複数の強磁性体層間に非磁性体層を形成
    して積層した構造を持つことを特徴とする請求項1から
    請求項4記載の偽造防止用スレッド。
  6. 【請求項6】 複数の強磁性体層または非磁性体層のう
    ち少なくとも1層以上が真空成膜法により形成された層
    であることを特徴とする請求項1から請求項5記載の偽
    造防止用スレッド。
  7. 【請求項7】 複数の強磁性体層または非磁性体層のう
    ち少なくとも1層以上が印刷法により形成された層であ
    ることを特徴とする請求項1から請求項5記載の偽造防
    止用スレッド。
  8. 【請求項8】 少なくとも1層以上の強磁性体層がアモ
    ルファス強磁性体であることを特徴とする請求項1から
    請求項7記載の偽造防止用スレッド。
  9. 【請求項9】 強磁性体層と基材との間に光回折格子ま
    たはホログラムパターンを設けたことを特徴とする請求
    項1から請求項8記載の偽造防止用スレッド。
  10. 【請求項10】 強磁性体層と基材との間に光回折格子
    またはホログラムパターンのいずれかと光反射層を設け
    たことを特徴とする請求項1から請求項9記載の偽造防
    止用スレッド。
  11. 【請求項11】 基材の強磁性体層が形成されている側
    の面と反対側の面に接着剤層が形成されていることを特
    徴とする請求項1から請求項10記載の偽造防止用スレ
    ッド。
  12. 【請求項12】 基材の強磁性体層が形成されている側
    の最上層の面に接着剤層が形成されていることを特徴と
    する請求項1から請求項11記載の偽造防止用スレッ
    ド。
  13. 【請求項13】 請求項1から請求項12記載の偽造防
    止用スレッドを基紙に抄き込んでなる偽造防止用紙。
  14. 【請求項14】 請求項1から請求項12記載の偽造防
    止用スレッドを基紙に抄き込んでなる偽造防止用紙に交
    流磁界を印加することにより発生する磁界変化を読み取
    ることを特徴とする真偽判定方法。
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