JP2000137914A - 磁気記録媒体およびその製造方法 - Google Patents

磁気記録媒体およびその製造方法

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JP2000137914A
JP2000137914A JP32450598A JP32450598A JP2000137914A JP 2000137914 A JP2000137914 A JP 2000137914A JP 32450598 A JP32450598 A JP 32450598A JP 32450598 A JP32450598 A JP 32450598A JP 2000137914 A JP2000137914 A JP 2000137914A
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Yasuaki Yoshioka
康明 吉岡
Osamu Nakamura
修 中村
Hiroyuki Yamaguchi
博之 山口
Nobuaki Wakamatsu
伸明 若松
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Dai Nippon Printing Co Ltd
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Dai Nippon Printing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 磁気ヘッドによる消去、書き換え、および強
磁界や交流消磁による消去が困難な固定磁気情報を有す
る磁気記録層を備えた磁気記録媒体と、この磁気記録媒
体の製造方法を提供する。 【解決手段】 磁気記録媒体を、保磁力が250〜50
00Oeの範囲にある磁性材料を含有する第1磁性層
と、保磁力が6000〜20000Oeの範囲にある磁
性材料を含有し、かつ、所定方向に沿って配列された複
数の微細な凹凸を有する第2磁性層とが、この順に基材
上に積層されてなる磁気記録層を有するものとし、この
ような磁気記録媒体は、基材上に保磁力が250〜50
00Oeの範囲にある磁性材料を含有する磁性塗料を塗
布し乾燥して第1磁性層を形成した後、第1磁性層上に
保磁力が6000〜20000Oeの範囲にある磁性材
料を含有する磁性塗料を塗布して乾燥し、その後、物理
的除去により所定方向に沿って複数の微細な凹凸を設け
て、凹凸パターンからなる固定磁気情報を有する第2磁
性層を形成することにより、第1磁性層および第2磁性
層からなる磁気記録層を形成して製造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁気記録媒体、特
に偽造や変造が困難な磁気記録媒体と、その製造方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】基材の片面あるいは両面の全域またはス
トライプ状に磁気記録層が形成された磁気記録媒体は、
例えば、プリペイドカード、定期券、乗車券、入場券、
車券、馬券、商品券、株券、証書、通帳、磁気タグ等の
金券、証券類や、IDカード、キャッシュカード、クレ
ジットカード、会員カード等のカード類、磁気ラベル等
として幅広く使用されている。従来より、このような磁
気記録媒体は、磁気記録層に高い記録密度で情報を書込
み、外部から簡単には記録情報を読み出せないようにし
ている。
【0003】しかし、磁気記録層の特性上、記録された
情報の書換え、消去が自在であるため、偽造や変造が可
能であり、近年、大きな社会問題としてクローズアップ
されている。特に、現在は磁気ストライプの入手が容易
であるため、類似のカードを製造することも可能であ
り、さらに、現在の仕様のように、磁気記録媒体の表面
に磁気記録層が露出している場合、磁気記録情報を読み
取ったり、磁気転写技術により磁気記録情報を他の磁気
記録層に移すことが容易にできてしまうという問題もあ
る。
【0004】このような問題を解消しつつ、磁気記録の
利便性を高める方法として、基材上に比較的低い保磁力
の磁性材料を含む第1磁性層を形成し、この第1磁性層
に磁気記録を行った後、高保磁力の磁性材料を含む第2
磁性層を積層した磁気記録媒体が開発されている。この
磁気記録媒体では、第1磁性層の磁気記録パターンが、
磁気ヘッドでは容易に記録できない第2磁性層に磁気転
写され、あるいは、第1磁性層の磁気記録パターンに対
応した磁性材料の疎密パターンが第2磁性層に形成され
ているので、偽造や変造を目的とした磁気ヘッドによる
書き換えが困難である。また、磁性材料からなるバーコ
ードを設けて固定磁気情報とした磁気記録媒体も開発さ
れている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ような磁気転写を用いた磁気記録媒体は、非常に強い磁
界が加わると、磁気転写による第2磁性層の磁気記録が
消去されてしまうという問題があり、また、高保磁力磁
性材料を含む第2磁性層に磁気転写を効率良く行うこと
が困難であり、製造上の管理が煩雑になるという問題が
あった。さらに、高保磁力磁性材料の形状、保磁力等の
特性によっては、読み取りに必要な磁気出力が第2磁性
層から得られず、磁性材料の選択範囲が狭いという欠点
もあった。
【0006】また、磁気バーコードを備えた磁気記録媒
体においても、非常に強い交流消磁が行われると、磁気
バーコードの磁化が消滅して、磁気ヘッドによる固定磁
気情報の読み取りが不可能になるという問題があった。
【0007】本発明は、このような実情に鑑みてなされ
たものであり、磁気ヘッドによる消去、書き換え、およ
び強磁界や交流消磁による消去が困難な固定磁気情報を
有する磁気記録層を備えた磁気記録媒体と、この磁気記
録媒体の製造方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】このような目的を達成す
るために、本発明の磁気記録媒体は、基材と、該基材上
に磁気記録層とを有し、該磁気記録層は基材側から順に
第1磁性層と第2磁性層とが積層されたものであり、前
記第1磁性層は保磁力が250〜5000Oeの範囲に
ある磁性材料を含有し、前記第2磁性層は保磁力が60
00〜20000Oeの範囲にある磁性材料を含有する
とともに、所定方向に沿って配列された複数の微細な凹
凸を有するような構成とした。
【0009】また、本発明の磁気記録媒体の製造方法
は、基材上に保磁力が250〜5000Oeの範囲にあ
る磁性材料を含有する磁性塗料を塗布し乾燥して第1磁
性層を形成した後、前記第1磁性層上に保磁力が600
0〜20000Oeの範囲にある磁性材料を含有する磁
性塗料を塗布して乾燥し、その後、物理的除去により所
定方向に沿って複数の微細な凹凸を設けて、凹凸パター
ンからなる固定磁気情報を有する第2磁性層を形成する
ことにより、前記第1磁性層および前記第2磁性層から
なる磁気記録層を形成するような構成とした。
【0010】上記のような本発明では、磁気記録層を構
成する第2磁性層が、保磁力6000〜20000Oe
の範囲の磁性材料を含有し、かつ、所定方向に沿って配
列された複数の微細な凹凸を有するので、この凹凸パタ
ーンからなる固定磁気情報は強磁界や交流消磁で消去さ
れることがなく、かつ、この固定磁気情報は読み取りに
必要な磁気出力を有する。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照しながら説明する。
【0012】図1は本発明の一実施形態を説明するため
のカード状の磁気記録媒体の斜視図であり、図2は図1
のA−A線における断面矢視図であり、本発明の理解を
容易にするために、断面状態を拡大して模式的かつ簡略
に描いたものである。図1および図2に示されるよう
に、本発明の磁気記録媒体1は、基材2と、この基材2
の上に形成された磁気記録層3とを備えている。この磁
気記録層3は、第1磁性層3aと第2磁性層3bとが積
層された構造となっている。そして、磁気記録層3には
磁気ヘッドの走査方向(図示の矢印a方向(基材2の長
辺と平行))に沿って記録部4が設定されている。
【0013】磁気記録層3の記録部4では、第2磁性層
3bに、磁気ヘッドの走査方向(図示の矢印a方向)に
沿って配列された複数の微細な凹凸5が形成され、この
凹凸5からなる固定磁気情報が記録されている。
【0014】本発明の磁気記録媒体1を構成する基材2
は、基材として要求される耐熱性、強度、剛性等を考慮
して、PET、PET−G、PEN等のポリエステル、
塩化ビニル、ポリカーボネート、ポリエチレン、ポリプ
ロピレン、ポリスチレン、ポリ乳酸等の樹脂、生分解性
樹脂、銅、アルミニウム等の金属、紙、含浸紙、合成紙
等の材料の中から適宜選択した材料の単独あるいは組み
合わせた複合体により構成することができる。このよう
な基材2の厚さは、100μm〜1mm、好ましくは1
50〜250μm程度とすることができる。
【0015】本発明の磁気記録媒体1では、上記の磁気
記録層3を構成する第1磁性層3aは、保磁力が250
〜5000Oeの範囲にある磁性材料を含有する。この
磁性材料の保磁力が250Oe未満であると、十分な磁
気出力が得られなかったり、外部磁界に対する耐性が不
十分であり、5000Oeを超えると、磁気ヘッドによ
る安定した記録が難しくなり好ましくない。
【0016】また、上記の磁気記録層3を構成する2磁
性層3bは、保磁力が6000〜20000Oeの範囲
にある磁性材料を所定の疎密パターンで含有する。この
磁性材料の保磁力が6000Oe未満であると、強磁界
により磁化が消失ないし減少するおそれがあり、200
00Oeを超えると、固定磁気情報を磁化することが難
しくなり、十分な出力が得られないこととなり好ましく
ない。
【0017】第1磁性層3aを構成する保磁力250〜
5000Oeの範囲にある磁性材料としては、例えば、
γ−Fe23 、Co被着γ−Fe23 、Fe3
4 、CrO2 、Fe、Co、Ni、Fe−Co、Co−
Ni、Fe−Ni、Baフェライト等の磁性微粒子が挙
げられる。第1磁性層3aは、上記の磁性微粒子を適当
な樹脂あるいはインキビヒクル中に分散してなる磁性塗
料を、グラビア法、ロール法、ナイフエッジ法等の公知
の塗布方法に従って塗布し乾燥することにより形成する
ことができる。また、上記の磁性材料を用いて、真空蒸
着法、スパッタリング法、メッキ法等により第1磁性層
3aを形成することもできる。
【0018】第2磁性層3bを構成する保磁力6000
〜20000Oeの範囲にある磁性材料としては、例え
ば、SmCo5 ,CeCo5 等の希土類コバルト系、M
n−Bi、Srフェライト等のフェライト系等が挙げら
れる。第2磁性層3bは、上記の磁性微粒子が適当な樹
脂あるいはインキビヒクル中に分散されてなる磁性塗料
を第1磁性層3a上にグラビア法、ロール法、ナイフエ
ッジ法等の公知の塗布方法に従って塗布し乾燥すること
により形成することができる。また、上記の磁性材料を
用いて、真空蒸着法、スパッタリング法、メッキ法等に
より第2磁性層3bを形成することもできる。
【0019】微細な凹凸5は、第2磁性層3bを部分的
に物理的除去して形成されており、凹凸5を構成する凹
部5aおよび凸部5bの寸法は、適宜設定できる。例え
ば、凹凸5の凹部5aの深さ(凸部5bの高さ)は2〜
30μm、好ましくは5〜20μm程度、凹部5a,凸
部5bの幅(磁気ヘッドの走査方向の長さ)は30μm
〜1mm程度の範囲から、磁気ヘッド特性、磁気ヘッド
と磁気記録媒体との相対的走査速度等を考慮して適宜設
定することができる。また、上述のように真空蒸着法、
スパッタリング法、メッキ法等により第2磁性層3bを
形成する場合、微細な凹凸5の凹部5aの深さ(凸部5
bの高さ)は100〜1000Å、好ましくは400〜
600Å程度の範囲から適宜設定することができる。
【0020】上述の微細な凹凸5を構成する凹部5a
(凸部5b)の形状には特に制限はなく、磁気ヘッドの
走査方向(図示の矢印a方向)とほぼ直交する方向に連
続した溝形状でもよく、磁気ヘッドの走査方向(図示の
矢印a方向)とほぼ直交する方向に所定の間隔を設けて
ドット状の凹部5aを1列あるいは多数列に配列した形
状としてもよい。
【0021】尚、凹凸5を構成する各凹部5a(凸部5
b)の幅を変えることによって読み取り出力の波形に差
異をもたせ、“0”,“1”のディジタル信号値にデー
タ判別することができる。
【0022】上記のような第1磁性層3aおよび第2磁
性層3bの厚さは、塗布方法により形成される場合には
1〜20μm、好ましくは3〜10μm程度であり、真
空蒸着法、スパッタ法、メッキ法等により形成される場
合には200〜1000Å、好ましくは400〜800
Å程度である。
【0023】このような構成である本発明の磁気記録媒
体1では、磁気記録層3の第1磁性層3aにおいて磁気
情報の消去、書き換えが可能である。一方、第2磁性層
3bは、上述のように、保磁力が6000〜20000
Oeの範囲にある磁性材料を含有し、かつ、第2磁性層
3bを部分的に物理的除去して形成された複数の微細な
凹凸5からなる固定磁気情報を有している。これによ
り、第2磁性層3bにおける固定磁気情報は、強磁界が
加わっても消去されることがなく、また、交流消磁で磁
性材料の磁化が消去されることがなく、さらに、読み取
りに必要な高い磁気出力を有する。図3は、上述の磁気
記録媒体1の固定磁気情報の信号検出の例を示す図であ
る。図3(A)に示される固定磁気情報を構成する複数
の微細な凹凸5上を、読取用の磁気ヘッドが図中矢印で
示されるように左から右へ等速で走査することにより、
図3(B)に示される磁気出力波形が得られる。
【0024】尚、上記の本発明の磁気記録媒体では、磁
気記録層3が基材2の全面に形成された構成となってい
るが、磁気ヘッドの操作方向に沿って基材2の一部にス
トライプ状に磁気記録層3が形成された構成であっても
よい。
【0025】また、本発明では、磁気記録媒体1の磁気
記録層3上に、保護、隠蔽、装飾効果をもたせるための
保護層、着色層や絵柄を設けてもよい。
【0026】保護層、着色層や絵柄はエチルセルロー
ス、硝酸セルロース、エチルヒドロキシエチルセルロー
ス、セルロースアセテートプロピオネート、酢酸セルロ
ース等のセルロース誘導体、ポリスチレン、ポリ−α−
メチルスチレン等のスチレン樹脂、あるいはスチレン共
重合樹脂、ポリメタクリル酸メチル、ポリメタクリル酸
エチル、ポリアクリル酸エチル、ポリアクリル酸ブチル
等のアクリル樹脂またはメタクリル樹脂の単独あるいは
共重合樹脂、ロジン、ロジン変性マレイン酸樹脂、ロジ
ン変性フェノール樹脂、重合ロジン等のロジンエステル
樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、クマロン樹脂、ビニルトル
エン樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウ
レタン樹脂、ブチラール樹脂等のバインダーに、着色す
べき色に応じて各種の顔料を添加し、必要に応じて磁気
ヘッドのクリーニング効果をもたせるよう、酸化チタ
ン、アルミナ粉末、マイクロシリカ等を添加し、さらに
必要に応じて、可塑剤、安定剤、ワックス、グリース、
乾燥剤、乾燥補助剤、硬化剤、増粘剤、分散剤を添加し
た後、溶剤あるいは希釈剤で充分に混練してなる着色塗
料あるいはインキを用いて、通常のグラビア法、ロール
法、ナイフエッジ法、オフセット法等の塗布方法あるい
は印刷方法により、所望部分に形成できる。
【0027】次に、本発明の磁気記録媒体の製造方法の
一実施形態について、上述の図1および図2に示される
磁気記録媒体1を例として説明する。
【0028】まず、基材2に第1磁性層3aを形成す
る。この第1磁性層3aの形成は、上述の保磁力250
〜5000Oeの範囲にある磁性材料を適当な樹脂ある
いはインキビヒクル中に分散してなる磁性塗料を、グラ
ビア法、ロール法、ナイフエッジ法等の公知の塗布方法
に従って塗布し乾燥することにより形成することができ
る。樹脂あるいはインキビヒクルとしては、ブチラール
樹脂、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体樹脂、ウレタン
樹脂、ポリエステル樹脂、セルロース樹脂、アクリル樹
脂、スチレン/マレイン酸共重合体樹脂等が用いられ、
必要に応じてニトリルゴム等のゴム系樹脂あるいはウレ
タンエラストマー等が添加される。また、耐熱性を考慮
して、ポリアミド、ポリイミド、ポリエーテルサルホン
等のガラス転移温度(Tg)の高い樹脂、あるいは硬化
反応によりTgが上昇する系を用いることができる。上
記のような樹脂あるいはインキビヒクル中に磁性材料が
分散されてなる磁性塗料中に、必要に応じて分散剤、可
塑剤、硬化剤、帯電防止剤、顔料等を適宜含有させても
よい。
【0029】また、第1磁性層3aは、上記の磁性材料
を用いて、真空蒸着法、スパッタリング法、メッキ法等
により形成することもできる。
【0030】尚、形成した第1磁性層3aに所望の磁気
記録を行ってもよい。
【0031】次に、第1磁性層3a上に、上述の保磁力
6000〜20000Oeの範囲にある磁性材料が適当
な樹脂あるいはインキビヒクル中に分散されてなる磁性
塗料を、グラビア法、ロール法、ナイフエッジ法等の公
知の塗布方法に従って塗布し乾燥して第2磁性層3bを
形成する。この磁性塗料に使用する樹脂あるいはインキ
ビヒクルは、上述の第1磁性層3aの形成で挙げたもの
を使用することができ、また、必要に応じて分散剤、可
塑剤、硬化剤、帯電防止剤、顔料等を磁性塗料に適宜含
有させてもよい。
【0032】尚、第2磁性層3bは、上記の磁性材料を
用いて、真空蒸着法、スパッタリング法、メッキ法等に
より形成することもできる。
【0033】次いで、第2磁性層3bに複数の微細な凹
凸5を形成する。この凹凸5の形成は、例えば、凹部5
a形成の対応位置にレーザー光を照射する方法や、電子
線を照射する方法、放電による破壊、ルーチング(彫
刻)加工等により行うことができる。
【0034】レーザー光を用いる場合には、基材2の材
料物性や、除去すべき線幅等を考慮しつつ、用いるレー
ザーの種類、レーザー波長、レーザーパワー等を適宜設
定すればよい。
【0035】気体レーザーとしては、He−Neレーザ
ー、He−Cdレーザー、アルゴンレーザー(0.48
8μm連続発振,0.1〜20W)等の稀ガスイオンレ
ーザー;炭酸ガスレーザー(10.6μm連続発振,1
W〜10kW);金属蒸気レーザー等を使用することが
できる。また、固体レーザーとしては、ルビーレーザー
(0.6943μmパルス発振,10〜1000J)、
Ndガラスレーザー(1.06μmパルス発振,10〜
1000J)、Nd:YAGレーザー等のパルス励起固
体レーザー;あるいはルビーレーザー、Ndガラスレー
ザー、Nd:YAGレーザー(1.06μm連続発振,
1〜200W)、Nd:YAlO3 レーザー等の連続励
起固体レーザー等を使用することができる。また、液体
レーザーとしては、色素レーザー、ラマンレーザー、キ
レートレーザー、Nd3+液体レーザー等を使用すること
ができ、半導体レーザーとしては、GaAsダイオード
レーザー等を使用することができる。
【0036】これらの中でも特に、波長10.6μmの
CO2 ガスレーザー(出力0.5W〜20W)、波長
0.488μm(または0.5145μm)のArガス
レーザー(出力0.5W〜20W)、波長1.06μm
のNd:YAGレーザー(出力0.5W〜20W)が好
適例として挙げられる。尚、レーザーの出力が大きくな
り過ぎると、高温による基材2の損傷により凹凸パター
ンの精度不良がおこり、この一方で出力が小さ過ぎる
と、十分な凹凸パターンの形成ができないので、第2磁
性層3bを除去して形成すべき形状等を考慮しながら、
適宜レーザー出力を設定する必要がある。
【0037】上述の工程により、凹凸5のパターンから
なる固定磁気情報を有する第2磁性層3bを形成し、磁
気記録媒体1とする。
【0038】尚、基材としてポリエチレンテレフタレー
トフィルムのような樹脂フィルムを使用し、上述のよう
な製造方法で基材上に第1磁性層と凹凸パターンからな
る固定磁気情報を有する第2磁性層とを順に積層して磁
気記録層を設けることにより磁気テープを作製し、この
磁気テープをカード基材等の全面、あるいは、一部に貼
合して磁気記録媒体を製造してもよい。
【0039】
【実施例】次に、実施例を示して本発明を更に詳細に説
明する。 (実施例1)基材として、厚さ188μmのポリエチレ
ンテレフタレート(東レ(株)製E−22)を準備し、
この基材の片面に下記の組成を有する第1磁性層形成用
の磁性塗料をグラビアコート法により塗布し乾燥して、
厚み10μmの第1磁性層を形成した。
【0040】 (第1磁性層形成用の塗工液) ・Baフェライト(保磁力=2750Oe) … 80重量部 ・塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体樹脂 … 10重量部 ・ウレタン樹脂 … 10重量部 ・メチルエチルケトン … 50重量部 ・トルエン … 50重量部 ・メチルイソブチルケトン … 50重量部 ・イソシアネート系硬化剤 … 3重量部 次いで、この第1磁性層上に、下記の組成を有する第2
磁性層形成用の磁性塗料をグラビアコート法により塗布
し乾燥して、厚み10μmの第2磁性層を形成した。
【0041】 (第2磁性層形成用の塗工液) ・Srフェライト(保磁力=8000Oe) … 80重量部 ・塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体樹脂 … 10重量部 ・ウレタン樹脂 … 10重量部 ・メチルエチルケトン … 50重量部 ・トルエン … 50重量部 ・メチルイソブチルケトン … 50重量部 ・イソシアネート系硬化剤 … 3重量部 次いで、波長λ=1.06μm、出力15WのNd:Y
AGレーザー光(一定出力)を用いて第2磁性層にカー
ド基材の長辺方向に沿って下記の寸法の凹凸の形成を行
い、固定磁気情報(記録密度約150bpi)を第2磁
性層に記録した。これにより、第1磁性層と第2磁性層
との積層体からなる磁気記録層を基材上に形成した。
【0042】 固定磁気情報の凹凸の寸法 ・凹部の深さ : 8μm ・凹部の長さ(磁気ヘッド走査方向に直交する方向の長さ): 3mm ・凹部の幅(磁気ヘッド走査方向の長さ): 170μm、85μm ・凹部の形成間隔(凸部の幅) : 170μm、85μm さらに、磁気記録層上に下記組成の隠蔽層用の塗料をグ
ラビアコートにより塗布して厚み3μmの隠蔽層を形成
した。
【0043】 隠蔽層用の塗料の組成 ・アルミニウム … 5重量部 ・酸化チタン … 5重量部 ・ウレタン樹脂 … 40重量部 ・メチルエチルケトン … 40重量部 ・トルエン … 50重量部 上記のように磁気記録層を形成した基材を86mm×5
4mmの大きさのカード状に打ち抜いて本発明の磁気記
録媒体を得た。
【0044】この磁気記録媒体を20kGで着磁した
後、カードリーダーを用いて読み取った結果、図3
(B)に示されるような磁気出力波形が得られ、磁気出
力は5V(p−p)であった。
【0045】次に、30kGの強磁界を加え、また、交
流消去を施した後、この磁気記録媒体をカードリーダー
を用いて再度読み取った。その結果、処理前と同じパタ
ーンで磁気出力波形(磁気出力=5V(p−p))が得
られた。このことから、第2磁性層の固定磁気情報は、
磁気的に消去できない磁気情報として利用できること、
および、この固定磁気情報の磁気出力は、読み取りに十
分なものであることが確認された。 (実施例2)第2磁性層形成用の塗工液に使用する磁性
材料として、Srフェライトの代わりにSmCo5 (保
磁力=12000Oe)を使用した他は、実施例1と同
様にして本発明の磁気記録媒体を得た。
【0046】この磁気記録媒体を20kGで着磁した
後、カードリーダーを用いて読み取った結果、図3
(B)に示されるような磁気出力波形が得られ、磁気出
力は6V(p−p)であった。
【0047】次に、30kGの強磁界を加え、また、交
流消去を施した後、この磁気記録媒体をカードリーダー
を用いて再度読み取った。その結果、処理前と同じパタ
ーンで磁気出力波形(磁気出力=6V(p−p))が得
られた。このことから、第2磁性層の固定磁気情報は、
磁気的に消去できない磁気情報として利用できること、
および、この固定磁気情報の磁気出力は、読み取りに十
分なものであることが確認された。 (比較例1)第2磁性層に用いる磁性材料をBaフェラ
イト(保磁力=1750Oe)に代えた他は、実施例と
同様にして磁気記録媒体を作製した。
【0048】この磁気記録媒体を5kGで着磁した後、
カードリーダーを用いて読み取った結果、図3(B)に
示されるような磁気出力波形が得られた。この磁気出力
は5V(p−p)であり、実施例と同程度のものであっ
た。
【0049】しかし、交流消去を施した後、この磁気記
録媒体をカードリーダーを用いて再度読み取ったが、磁
気出力波形が得られなかった。 (比較例2)実施例と同様にして、第1磁性層を形成し
た後、書込み電流100mAで磁気記録(記録密度約1
50bpi)を行い、その後、実施例と同様に第2磁性
層を形成し、凹凸形成を行わずに、第1磁性層の磁気パ
ターンを第2磁性層に磁気転写した他は、実施例と同様
にして磁気記録媒体を作製した。
【0050】この磁気記録媒体の第1磁性層を交流消磁
した後、カードリーダーを用いて再度読み取った結果、
第1磁性層に書き込んだ磁気記録のパターンに対応した
磁気出力波形が得られた。この磁気出力は3V(p−
p)であり、実施例の磁気記録媒体に比べて低いもので
あった。
【0051】次に、10kGの強磁界を加えた後、磁気
記録媒体をカードリーダーを用いて再度読み取った結
果、交流消去前と同じパターン(第1磁性層に書き込ん
だ磁気記録のパターン)で磁気出力波形が得られたもの
の、その磁気出力は1V(p−p)であり、安定した読
み取りには不十分な磁気出力であった。
【0052】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば基
材に設けられた磁気記録層が、保磁力250〜5000
Oeの範囲にある磁性材料を含有する第1磁性層と、保
磁力6000〜20000Oeの範囲にある磁性材料を
含有し、かつ、所定方向に沿って配列された複数の微細
な凹凸を有する第2磁性層とを、この順に基材上に積層
したものであり、磁気記録層を構成する第2磁性層は凹
凸パターンからなる固定磁気情報を有し、この固定磁気
情報は強磁界が加わっても消去されることがなく、ま
た、交流消磁によっても第2磁性層の磁性材料の磁化が
失われることがないので、偽造、変造を目的とした固定
磁気情報の消去、書き換えは不可能であり、かつ、第2
磁性層の固定磁気情報は読み取りに必要な磁気出力を有
するので、上記の保磁力の範囲内で磁性材料の選択範囲
が広がり、さらに、固定磁気情報は真偽判定の磁気情報
として確実に使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を説明するためのカード状
の磁気記録媒体の斜視図である。
【図2】図1に示される磁気記録媒体のA−A線におけ
る断面矢視図である。
【図3】本発明の磁気記録媒体の固定磁気情報の信号検
出の例を示す図である。
【符号の説明】
1…磁気記録媒体 2…基材 3…磁気記録層 3a…第1磁性層 3b…第2磁性層 5…凹凸
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G11B 5/716 G11B 5/716 5/84 5/84 Z (72)発明者 山口 博之 東京都新宿区市谷加賀町一丁目1番1号 大日本印刷株式会社内 (72)発明者 若松 伸明 東京都新宿区市谷加賀町一丁目1番1号 大日本印刷株式会社内 Fターム(参考) 2C005 HA02 KA06 KA10 KA15 KA19 LA11 LA18 LB04 LB28 5D006 BA19 BA20 BB07 BB08 DA01 FA00 5D112 AA05 AA11 AA28 GA02 GA19

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材と、該基材上に磁気記録層とを有
    し、該磁気記録層は基材側から順に第1磁性層と第2磁
    性層とが積層されたものであり、前記第1磁性層は保磁
    力が250〜5000Oeの範囲にある磁性材料を含有
    し、前記第2磁性層は保磁力が6000〜20000O
    eの範囲にある磁性材料を含有するとともに、所定方向
    に沿って配列された複数の微細な凹凸を有することを特
    徴とする磁気記録媒体。
  2. 【請求項2】 基材上に保磁力が250〜5000Oe
    の範囲にある磁性材料を含有する磁性塗料を塗布し乾燥
    して第1磁性層を形成した後、前記第1磁性層上に保磁
    力が6000〜20000Oeの範囲にある磁性材料を
    含有する磁性塗料を塗布して乾燥し、その後、物理的除
    去により所定方向に沿って複数の微細な凹凸を設けて、
    凹凸パターンからなる固定磁気情報を有する第2磁性層
    を形成することにより、前記第1磁性層および前記第2
    磁性層からなる磁気記録層を形成することを特徴とする
    磁気記録媒体の製造方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002242097A (ja) * 2001-02-16 2002-08-28 Dainippon Printing Co Ltd 磁気防止用スレッドとそれを用いた偽造防止用紙及び真偽判定方法
JP2011165233A (ja) * 2010-02-04 2011-08-25 Dainippon Printing Co Ltd 磁気記録媒体及び磁気記録媒体への磁気記録方法
JP2011170920A (ja) * 2010-02-19 2011-09-01 Dainippon Printing Co Ltd 磁気記録媒体及び磁気記録方法

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