JP2000268345A - 磁気記録媒体およびその製造方法 - Google Patents

磁気記録媒体およびその製造方法

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JP2000268345A
JP2000268345A JP7003099A JP7003099A JP2000268345A JP 2000268345 A JP2000268345 A JP 2000268345A JP 7003099 A JP7003099 A JP 7003099A JP 7003099 A JP7003099 A JP 7003099A JP 2000268345 A JP2000268345 A JP 2000268345A
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JP7003099A
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English (en)
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Yasuaki Yoshioka
康明 吉岡
Osamu Nakamura
修 中村
Nobuaki Wakamatsu
伸明 若松
Hiroyuki Yamaguchi
博之 山口
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Dai Nippon Printing Co Ltd
Original Assignee
Dai Nippon Printing Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 磁気ヘッドによる読み取り可能な所望の固定
情報をもつとともに、この固定情報に高出力部分と低出
力部分とからなるパターンによるバーコード状の情報を
付加することができる磁気記録媒体と、この磁気記録媒
体の製造方法を提供する。 【解決手段】 磁気記録媒体を、第1磁性層と、所定方
向に沿って磁性材料を所定の疎密パターンで含有し、こ
の疎密パターンは磁性材料の含有密度が異なる少なくと
も2種の密部分を有する第2磁性層とが、この順に基材
上に積層された磁気記録層を有するものとし、このよう
な磁気記録媒体は、基材上に第1磁性層を形成し、この
第1磁性層に所定方向に沿って所望の磁気記録を行った
後、第1磁性層上に磁性塗料を塗布して形成した磁性塗
膜に、上記の所定方向に沿ってバイアス磁界を間欠的に
印加して磁気配向処理を施し、その後、前記磁性塗膜を
乾燥して、磁性材料の疎密パターンからなる固定情報を
有する第2磁性層を形成し、第1磁性層および前記第2
磁性層からなる磁気記録層を形成して製造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁気記録媒体、特
に偽造、変造が困難な磁気記録媒体と、その製造方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】基材の片面あるいは両面の全域またはス
トライプ状に磁気記録層が形成された磁気記録媒体は、
例えば、プリペイドカード、定期券、乗車券、入場券、
車券、馬券、商品券、株券、証書、通帳、磁気タグ等の
金券、証券類や、IDカード、キャッシュカード、クレ
ジットカード、会員カード等のカード類、磁気ラベル等
として幅広く使用されている。従来、このような磁気記
録媒体は、磁気記録層に高い記録密度で情報を書込み、
外部から簡単には記録情報を読み出せないようにしてい
る。
【0003】しかし、磁気記録層の特性上、記録された
情報の書換え、消去が自在であるため、偽造、変造が可
能であり、近年、大きな社会問題としてクローズアップ
されている。特に、現在は磁気ストライプの入手が容易
であるため、類似のカードを製造することも可能であ
り、さらに、現在の仕様のように、磁気記録媒体の表面
に磁気記録層が露出している場合、磁気記録情報を読み
取ったり、磁気転写技術により磁気記録情報を他の磁気
記録層に移すことが容易にできてしまうという問題もあ
る。
【0004】このような磁気記録情報の可逆性という本
質的な欠点に基づく問題を解決するために、磁気記録情
報の書き換えを困難にする種々の方法が提案されてい
る。例えば、BaフェライトやSrフェライト等の高保
磁力磁性材料、高保磁力低キュリー点(高Hc低Tc)の磁
性材料、MnBiを含有する磁性材料等を用いることに
より、磁気情報を消去されにくくした磁気記録媒体等が
開発されている。
【0005】また、磁気的な書き換えが不可能となるよ
うに、磁性層に物理的変化を与えることにより磁気記録
情報をもたせた磁気記録媒体も開発されている。例え
ば、印刷により磁気バーコードを設けた磁気記録媒体、
磁性層にレーザー等によりマーキングを施した磁気記録
媒体等が挙げられる。
【0006】さらに、基材上に比較的低い保磁力の磁性
材料を含む第1磁性層を形成し、この第1磁性層に磁気
記録を行った後、高保磁力の磁性材料を含む第2磁性層
を塗布形成して積層した磁気記録媒体も開発されてい
る。この磁気記録媒体では、第1磁性層の磁気記録パタ
ーンが第2磁性層にコピー(磁気転写)されているの
で、偽造、変造を目的とした磁気ヘッドによる書き換え
が困難である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ような単に高保磁力磁性材料を用いた磁気記録媒体は、
外部磁場の影響による磁気記録情報の消去を防ぐことは
可能であるが、これは逆に磁気ヘッドで情報を書き込む
際には磁化されにくく、書き込み装置に制限ができると
いう新たな問題を生じている。
【0008】また、高Hc低Tc磁性材料やMnBi含有磁
性材料を有する磁気記録媒体では、温度による保磁力の
急激な低下を利用し、その条件下で磁気書き込みを行う
ことも可能であるが、常温において磁気記録情報の消去
や書き込みができないため、装置が大掛かりになるとい
う問題がある。さらに、磁気バーコードのように磁性層
に物理的変化を与えた磁気記録媒体では、磁気記録情報
の消去と、新たな情報の書き込みが不可能である。
【0009】また、第2磁性層に磁気転写された磁気記
録情報を備える磁気記録媒体は、非常に強い磁界が加わ
ると、磁気転写による第2磁性層の磁気記録が消去され
てしまうという問題があり、さらに、高保磁力磁性材料
を含む第2磁性層に磁気転写を効率良く行うことが困難
なため、読み取りに必要な磁気出力が第2磁性層から得
られないという問題もあった。
【0010】本発明は、このような実情に鑑みてなされ
たものであり、磁気ヘッドにより読み取り可能な所望の
固定情報をもつとともに、この固定情報に高出力部分と
低出力部分とからなるパターンによるバーコード状の情
報を付加することができる磁気記録媒体と、この磁気記
録媒体の製造方法を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】このような目的を達成す
るために、本発明の磁気記録媒体は、基材と、該基材上
に磁気記録層とを有し、該磁気記録層は基材側から順に
第1磁性層と第2磁性層とが積層されたものであり、該
第2磁性層は所定方向に沿って磁性材料を所定の疎密パ
ターンで含有し、該疎密パターンは磁性材料の含有密度
が異なる少なくとも2種の密部分を有するような構成と
した。
【0012】また、本発明の磁気記録媒体は、基材と、
該基材上に磁気記録層とを有し、該磁気記録層は基材側
から順に第1磁性層と第2磁性層とが積層されたもので
あり、該第2磁性層は磁性材料を所定の疎密パターンで
含有する部位が所望の間隔で所定方向に沿って配列して
いるような構成とした。
【0013】さらに、本発明の磁気記録媒体は、前記疎
密パターンにおいて、磁性材料の密部分の間隔が2種以
上存在するような構成、第1磁性層と第2磁性層との間
に磁気シールド層を備えるような構成とした。
【0014】本発明の磁気記録媒体の製造方法は、基材
上に第1磁性層を形成し、該第1磁性層に所定方向に沿
って所望の磁気記録を行った後、前記第1磁性層上に磁
性塗料を塗布し、該磁性塗膜に前記所定方向に沿ってバ
イアス磁界を間欠的に印加して磁気配向処理を施した
後、前記磁性塗膜を乾燥して、前記第1磁性層の磁気記
録パターンに対応した磁性材料の疎密パターンからなる
固定情報を有する第2磁性層を形成して、前記第1磁性
層および前記第2磁性層からなる磁気記録層を形成する
ような構成とした。
【0015】また、本発明の磁気記録媒体の製造方法
は、基材上に第1磁性層を形成し、該第1磁性層に所定
方向に沿って間欠的に所望の磁気記録を行った後、前記
第1磁性層上に磁性塗料を塗布し、該磁性塗膜に前記所
定方向に沿ってバイアス磁界を印加して磁気配向処理を
施しながら、あるいは、磁気配向処理を施した後、前記
磁性塗膜を乾燥して、前記第1磁性層の磁気記録パター
ンに対応した磁性材料の疎密パターンからなる固定情報
を有する第2磁性層を形成して、前記第1磁性層および
前記第2磁性層からなる磁気記録層を形成するような構
成とした。
【0016】さらに、本発明の磁気記録媒体の製造方法
は、前記第1磁性層への磁気記録において、書き込み密
度を変化させるような構成、前記第1磁性層上に磁気シ
ールド層を形成した後、前記第2磁性層を形成するよう
な構成とした。
【0017】上記のような本発明では、磁性材料の疎密
パターンからなる固定情報が第2磁性層に記録され、こ
の固定情報は疎密パターンによるディジタルデータに加
え、疎密パターンの密部分における磁性材料の含有密度
の違いによるコード化、あるいは、複数の疎密パターン
部位によるコード化が可能であり、バーコード状の情報
付加ができる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明について図面を参照
しながら説明する。磁気記録媒体 図1は本発明の磁気記録媒体の一実施形態を説明するた
めにカード形状の磁気記録媒体の斜視図であり、図2は
図1のA−A断面矢視図である。
【0019】図1および図2において、本発明の磁気記
録媒体1は、基材2と、この基材2の一方の面に設けら
れた磁気記録層3を備えており、磁気記録層3は第1磁
性層3aと第2磁性層3bとが積層されて構成されてい
る。磁気記録層3には、磁気ヘッドによる読み取り方向
(図1の矢印a方向)に沿ってストライプ状に固定情報
領域4が設定されている。そして、第2磁性層3bは、
上記の固定情報領域4に磁性材料の疎密パターンからな
る固定情報を有するものである。
【0020】本発明の磁気記録媒体1を構成する基材2
は、基材として要求される耐熱性、強度、剛性等を考慮
して、PET、PET−G、PEN等のポリエステル、
塩化ビニル、ポリカーボネート、ポリエチレン、ポリプ
ロピレン、ポリスチレン、ポリ乳酸等の樹脂、生分解性
樹脂、銅、アルミニウム等の金属、紙、含浸紙、合成紙
等の材料の中から適宜選択した材料の単独あるいは組み
合わせた複合体により構成することができる。このよう
な基材2の厚さは、100μm〜1mm、好ましくは1
50〜250μm程度とすることができる。
【0021】上記の磁気記録層3を構成する第1磁性層
3aは、保磁力が300〜6000Oeの範囲にある磁
性材料を含有する。この磁性材料の保磁力が300Oe
未満であると、外部磁界に対する耐性が不十分であり、
6000Oeを超えると、磁気ヘッドによる安定した記
録が難しくなり好ましくない。尚、磁気ヘッドによる記
録が安定して行えるならば、6000Oeを超える磁性
材料を用いることもできる。
【0022】第1磁性層3aを構成する上記のような保
磁力300〜6000Oeの範囲にある磁性材料として
は、例えば、γ−Fe23 、Co被着γ−Fe2
3 、Fe34 、CrO2 、Fe、Co、Ni、Fe−
Co、Co−Ni、Fe−Ni、Baフェライト、Sr
フェライト等の磁性微粒子が挙げられる。
【0023】この第1磁性層3aは、上記の磁性微粒子
を適当な樹脂あるいはインキビヒクル中に分散してなる
磁性塗料を、グラビア法、ロール法、ナイフエッジ法等
の公知の塗布方法に従って塗布し乾燥することにより形
成することができる。また、上記の磁性材料を用いて、
真空蒸着法、スパッタリング法、メッキ法等により第1
磁性層3aを形成することもできる。
【0024】また、第1磁性層3aの厚さは、塗布方法
により形成される場合、乾燥後の膜厚で1〜50μm、
好ましくは3〜20μm程度である。この第1磁性層3
aには、第2磁性層3bの形成前に、矢印a方向に沿っ
て所望の磁気情報が記録される。
【0025】上記の磁気記録層3を構成する第2磁性層
3bに含有される磁性材料としては、例えば、Al、S
i、Fe等からなる磁性合金材料、パーマロイ、センダ
スト、Mn−Znフェライト、Co−Znフェライト、
Ni−Znフェライト等のフェライト、γ−Fe2
3 、Co被着γ−Fe23 、Fe34 等の鉄酸化
物、Fe、Co、Ni、Fe−Cr、Fe−Co、Fe
−Ni、Co−Cr、Co−Ni、CrO2 、Baフェ
ライト、Srフェライト等の保磁力が1〜10000O
eの範囲の磁性材料を挙げることができるが、保磁力1
0000Oeを超える磁性材料を用いることもできる。
【0026】この第2磁性層3bは、上記の磁性材料が
適当な樹脂あるいはインキビヒクル中に分散されてなる
磁性塗料を、所望の磁気記録を行った第1磁性層3a上
にグラビア法、ロール法、ナイフエッジ法等の公知の塗
布方法に従って塗布し、磁性塗膜に矢印a方向に沿って
バイアス磁界を間欠的に印加して磁気配向処理を施した
後、磁性塗膜を乾燥することにより形成することができ
る。この第2磁性層3bの厚さは、乾燥後の膜厚で1〜
50μm、好ましくは3〜20μm程度である。尚、配
向処理には磁気ヘッドを用いることが好ましい。
【0027】このような第2磁性層3bは、上記の固定
情報領域4において、矢印a方向に沿って磁性材料を所
定の疎密パターンで含有する。この疎密パターンは、磁
性材料の含有密度が異なる2種の密部分を有するもので
ある。図3は、このような疎密パターンの一例を示す図
である。図3において、疎密パターンの密部分は、磁性
材料の含有密度が高い密部分5aと、磁性材料の含有密
度が低い密部分5bとから構成され、各密部分は疎部分
6を介してそれぞれ所定の数連続して存在するようなパ
ターンで配列している。この磁性材料の含有密度が高い
密部分5aが連続する部位は、上述の間欠的な磁気配向
処理において、バイアス磁界が印加された部位に相当す
る。尚、図示では、密部分5aの形成密度は、密部分5
bの半分となっている。
【0028】このような構成である本発明の磁気記録媒
体1では、磁気記録層3の固定情報領域4上を矢印a方
向に磁気ヘッドで再生すると、図4(A)に示すよう
に、再生出力の高い部分と低い部分とが交互に現れるよ
うな出力波形が得られる。図4(B)は、図4(A)の
出力波形の一部を拡大したものであり、磁性材料の含有
密度が高い密部分5aが連続する部位で出力が高く、磁
性材料の含有密度が低い密部分5bが連続する部位で出
力が低くなっている。本発明では、第2磁性層の形成時
のバイアス磁界の間欠印加を調整することにより、上記
の出力波形において、再生出力の高い部分の長さと低い
部分の長さによるコード化が可能である。これにより、
この固定情報は、疎密パターンによるディジタルデータ
に加え、バーコード状の情報付加が可能となる。しか
も、上記の第2磁性層3bにおける固定情報は、第1磁
性層3aへの磁気記録によって、あるいは、バイアス磁
界の間欠印加の制御によって、磁気記録媒体個々に任意
に設定することができる。尚、上記の本発明の磁気記録
媒体1では、基材2の全面に磁気記録層3が形成された
構成となっているが、一部にストライプ状に磁気記録層
3を形成した構成であってもよい。
【0029】また、上記の本発明の磁気記録媒体1の他
の態様として、以下のものが可能である。上記の磁気記
録媒体1の例では、固定情報領域4内で疎密パターンが
連続しているが、これに限定されるものではなく、図5
に示されるように、固定情報領域4内に疎密パターンが
存在しない部位7(出力が得られない部位)があっても
よい。さらに、上記の磁気記録媒体1の例では、磁性材
料の含有密度が高い密部分5aが連続する部位、磁性材
料の含有密度が低い密部分5bが連続する部位におい
て、それぞれ記録密度が一定であるが、図6に示される
ように、記録密度に変化がある(磁性材料の密部分の間
隔が2種以上存在する)ような態様でもよい。このよう
な態様は、いずれも、後述する本発明の製造方法におい
て、第1磁性層3aへの磁気記録の有無、記録密度の変
化により可能となる。
【0030】また、本発明の磁気記録媒体は、上記の第
1磁性層3aと第2磁性層3bとの間に磁気シールド層
が設けられたものでもよい。この磁気シールド層は、磁
性材料として、センダストやパーマロイ等の高透磁率の
磁性材料を用いて、上述の塗布方法、真空成膜方法等に
より形成することができる。磁気シールド層の厚みは、
塗布方法による場合、3〜20μm程度とすることがで
きる。
【0031】このように磁気シールド層を設けると、磁
性材料の疎密パターンにおいて、上述の磁性材料の含有
密度が低い密部分5bが連続する部位は存在せず、磁性
材料の含有密度が高い密部分5aが連続する部位のみが
存在する。そして、図7に示されるように、磁気ヘッド
による再生出力において、出力が得られない部位が現れ
る。これは、第2磁性層3bの形成時にバイアス磁界が
印加されない部位では、磁気シールド層の存在により第
1磁性層3aの磁化の影響が第2磁性層3bに及ばず、
磁性材料の含有密度が低い密部分5bが形成されないた
めである。
【0032】また、本発明では、磁気記録媒体1の磁気
記録層3上に、保護、隠蔽、装飾効果をもたせるための
保護層、着色層や絵柄を設けてもよい。保護層、着色層
や絵柄はエチルセルロース、硝酸セルロース、エチルヒ
ドロキシエチルセルロース、セルロースアセテートプロ
ピオネート、酢酸セルロース等のセルロース誘導体、ポ
リスチレン、ポリ−α−メチルスチレン等のスチレン樹
脂、あるいはスチレン共重合樹脂、ポリメタクリル酸メ
チル、ポリメタクリル酸エチル、ポリアクリル酸エチ
ル、ポリアクリル酸ブチル等のアクリル樹脂またはメタ
クリル樹脂の単独あるいは共重合樹脂、ロジン、ロジン
変性マレイン酸樹脂、ロジン変性フェノール樹脂、重合
ロジン等のロジンエステル樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、
クマロン樹脂、ビニルトルエン樹脂、塩化ビニル樹脂、
ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ブチラール樹脂
等のバインダーに、着色すべき色に応じて各種の顔料を
添加し、必要に応じて磁気ヘッドのクリーニング効果を
もたせるよう、酸化チタン、アルミナ粉末、マイクロシ
リカ等を添加し、さらに必要に応じて、可塑剤、安定
剤、ワックス、グリース、乾燥剤、乾燥補助剤、硬化
剤、増粘剤、分散剤を添加した後、溶剤あるいは希釈剤
で充分に混練してなる着色塗料あるいはインキを用い
て、通常のグラビア法、ロール法、ナイフエッジ法、オ
フセット法等の塗布方法あるいは印刷方法により、所望
部分に形成できる。
【0033】次に、本発明の磁気記録媒体の他の実施形
態について説明する。図8は本発明の磁気記録媒体の他
の実施形態を説明するためにカード形状の磁気記録媒体
の斜視図であり、図9は図8のB−B断面矢視図であ
る。
【0034】図8および図9において、本発明の磁気記
録媒体11は、基材12と、この基材12上にストライ
プ状に設けられた磁気記録層13を備えており、磁気記
録層13は第1磁性層13aと第2磁性層13bとが積
層されて構成されている。そして、磁気記録層13の第
2磁性層13bは、磁気ヘッドによる読み取り方向(図
8の矢印a方向)に沿って磁性材料の疎密パターンから
なる固定情報を有している。
【0035】本発明の磁気記録媒体11を構成する基材
12は、上述の磁気記録媒体1を構成する基材2と同様
とすることができ、ここでの説明は省略する。
【0036】また、上記の磁気記録層13を構成する第
1磁性層13aは、上述の磁気記録層3を構成する第1
磁性層3aと同様とすることができ、この第1磁性層1
3aには、第2磁性層13bの形成前に矢印a方向に沿
って間欠的に所望の磁気情報が記録される。
【0037】上記の磁気記録層13を構成する第2磁性
層13bは、上述の磁気記録層3を構成する第2磁性層
3bと同様とすることができる。ただし、この第2磁性
層13bは、間欠的な所望の磁気記録を行った第1磁性
層13a上に、上述の磁性材料が適当な樹脂あるいはイ
ンキビヒクル中に分散されてなる磁性塗料を塗布し、こ
の磁性塗膜に矢印a方向に沿ってバイアス磁界を一様に
印加して磁気配向処理を施しながら、あるいは、磁気配
向処理を施した後、磁性塗膜を乾燥することにより形成
する。このような第2磁性層13bは、矢印a方向に沿
って磁性材料を所定の疎密パターンで含有する。そし
て、この疎密パターンは、上述の磁気記録媒体1とは異
なり、磁性材料を所定の疎密パターンで含有する部位
が、所望の間隔で矢印a方向に沿って配列しているもの
である。図10は、このような疎密パターンの一例を示
す図である。図10において、複数の密部分15と疎部
分16とからなる疎密パターン部位14が、所望の間隔
を設けて複数配列している。この疎密パターン部位14
は、第1磁性層において磁気記録が行なわれた部位に相
当する。尚、各疎密パターン部位14を構成する密部分
15の数および密度は、一定でもよく、また、個々の疎
密パターン部位14ごとに異なってもよい。
【0038】このような構成である本発明の磁気記録媒
体11では、磁気記録層13上を矢印a方向に磁気ヘッ
ドで再生すると、図11(A)に示すように、再生出力
のある部分とない部分とが交互に現れるような出力波形
が得られる。図11(B)は、図11(A)の出力波形
の一部を拡大したものであり、磁性材料の疎密パターン
部位14が存在する個所で出力が得られている。本発明
では、第1磁性層13aへの磁気記録時の間欠記録を調
整することにより、再生出力を生じる疎密パターン部位
によるコード化が可能である。これにより、この固定情
報は、疎密パターンによるディジタルデータに加え、バ
ーコード状の情報付加が可能となる。しかも、上記の第
2磁性層13bにおける固定情報は、第1磁性層13a
への磁気記録の間欠制御によって、磁気記録媒体個々に
任意に設定することができる。
【0039】尚、上記の本発明の磁気記録媒体11で
は、基材12上にストライプ状の磁気記録層13が形成
された構成となっているが、基材12の全面に磁気記録
層13を形成した構成であってもよい。
【0040】また、上記の本発明の磁気記録媒体11の
他の態様として、以下のものが可能である。上記の磁気
記録媒体11の例では、磁性材料の疎密パターン部位1
4における密部分15の記録密度が一定であるが、図1
2に示されるように、記録密度に変化がある(磁性材料
の密部分の間隔が2種以上存在する)ような態様でもよ
い。このような態様は、後述する本発明の製造方法にお
いて、第1磁性層13aへの記録密度の変化により可能
となる。
【0041】また、本発明の磁気記録媒体11において
も、上述のような磁気シールド層を第1磁性層13aと
第2磁性層13bとの間に設けてもよい。さらに、磁気
記録媒体11の磁気記録層13を覆うように、全面に保
護、隠蔽、装飾効果をもたせるための保護層、着色層や
絵柄を設けてもよい。
【0042】磁気記録媒体の製造方法 次に、本発明の磁気記録媒体の製造方法の一実施形態に
ついて、上述の磁気記録媒体1を例として図13を参照
しながら説明する。まず、基材2に第1磁性層3aを形
成し、この第1磁性層3aに所望の磁気記録を行う(図
13(A))。これにより、磁化方向が相違する磁気パ
ターンが第1磁性層3aの所定方向全域に亘って形成さ
れる。
【0043】この第1磁性層3aの形成は、上述の保磁
力300〜6000Oeの範囲にある磁性材料を適当な
樹脂あるいはインキビヒクル中に分散してなる磁性塗料
を、グラビア法、ロール法、ナイフエッジ法等の公知の
塗布方法に従って塗布し乾燥することにより形成するこ
とができる。樹脂あるいはインキビヒクルとしては、ブ
チラール樹脂、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体樹脂、
ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、セルロース樹脂、ア
クリル樹脂、スチレン/マレイン酸共重合体樹脂等が用
いられ、必要に応じてニトリルゴム等のゴム系樹脂ある
いはウレタンエラストマー等が添加される。また、耐熱
性を考慮して、ポリアミド、ポリイミド、ポリエーテル
サルホン等のガラス転移温度(Tg)の高い樹脂、ある
いは硬化反応によりTgが上昇する系を用いることがで
きる。上記のような樹脂あるいはインキビヒクル中に磁
性材料が分散されてなる磁性塗料中に、必要に応じて分
散剤、可塑剤、硬化剤、帯電防止剤、顔料等を適宜含有
させてもよい。また、第1磁性層3aは、上記の磁性材
料を用いて、真空蒸着法、スパッタリング法、メッキ法
等により形成することもできる。
【0044】次に、第2磁性層3bを形成する。まず、
上述の磁性材料が適当な樹脂あるいはインキビヒクル中
に分散されてなる磁性塗料を、所望の磁気記録が行われ
た第1磁性層3a上に、グラビア法、ロール法、ナイフ
エッジ法等の公知の塗布方法に従って塗布して、磁性塗
膜3´bを形成する。そして、第1磁性層3aの記録方
向と同一方向に沿ってバイアス磁界を間欠的に印加し
て、磁性塗膜3´bに磁気配向処理を施す(図3
(B))。磁性塗料に使用する樹脂あるいはインキビヒ
クルは、上述の第1磁性層3aの形成で挙げたものを使
用することができ、また、必要に応じて分散剤、可塑
剤、硬化剤、帯電防止剤、顔料等を磁性塗料に適宜含有
させてもよい。
【0045】上記の磁気配向処理は、基材2の裏面側か
ら磁気ヘッドにより行うことができる。この磁気配向処
理により、バイアス磁界が印加された部分では、第1磁
性層3aから発生する磁力線によって磁性塗膜3′b中
に存在する磁化方向と、バイアス磁界の方向とが一致す
る部位に、磁性材料が移動して集まり、未乾燥の磁性塗
膜3´b中に磁性材料が極めて密な部分が形成される。
また、バイアス磁界が印加されない部分では、第1磁性
層3aから発生する磁力線のみによる磁性材料の弱い移
動が生じて、磁性材料がやや多く存在する密部分が形成
される。印加するバイアス磁界は150〜3000Gの
範囲で、第1磁性層3aの磁気記録が消去されないよう
に、使用する磁性材料に応じて適宜設定することができ
る。その後、磁性塗膜3´bを乾燥することにより、第
1磁性層3aの磁気記録パターンに対応した磁性材料の
疎密パターン(磁性材料の含有密度が高い密部分5a
と、含有密度が低い密部分5bとをもつ)からなる固定
情報を有する第2磁性層3bを形成する(図13
(C))。
【0046】次に、第1磁性層3aの磁気記録が消去さ
れるようなバイアス磁界を一定方向に加えて、第1磁性
層3aの磁気記録を消去するとともに、第2磁性層3b
の上記固定情報に着磁を行い、磁気記録媒体1とする
(図13(D))。尚、このバイアス磁界の向きは、上
記の磁気配向処理におけるバイアス磁界の向きと同じ、
逆、いずれでもよい。
【0047】このように製造される本発明の磁気記録媒
体1では、磁気記録層3の第2磁性層3bにおける固定
情報は、磁性材料が未乾燥状態の磁性塗膜中を移動して
形成された疎密パターンからなるので、強磁界が加わっ
ても消去されることがない。そして、磁気ヘッドで読み
取ったときの磁気出力波形は、再生出力の高い部分と低
い部分とが交互に現れるような出力波形となる。この出
力波形は、第2磁性層3bの形成時のバイアス磁界の間
欠印加を調整することにより、再生出力の高い部分の長
さと低い部分の長さの制御が可能である。また、上記の
第2磁性層3bにおける固定情報は、第1磁性層3aへ
の磁気記録によって磁気記録媒体個々に任意に設定する
ことができる。
【0048】尚、基材としてポリエチレンテレフタレー
トフィルムのような樹脂フィルムを使用し、上述のよう
な製造方法で基材上に第1磁性層と第2磁性層とを順に
積層して磁気記録層を設けることにより磁気テープを作
製し、この磁気テープをカード基材等の全面、あるい
は、一部に貼合して磁気記録媒体を製造してもよい。
【0049】次に、本発明の磁気記録媒体の製造方法の
他の実施形態について、上述の磁気記録媒体11を例と
して図14を参照しながら説明する。まず、基材12に
ストライプ状の第1磁性層13aを形成し、この第1磁
性層13aに所望の磁気記録を間欠的に行う(図14
(A))。これにより、磁化方向が相違する磁気パター
ンが第1磁性層13aに間欠的に形成される。
【0050】この第1磁性層13aの形成は、上述の保
磁力300〜6000Oeの範囲にある磁性材料を適当
な樹脂あるいはインキビヒクル中に分散してなる磁性塗
料を、グラビア法、ロール法、ナイフエッジ法等の公知
の塗布方法に従って塗布し乾燥することにより形成する
ことができる。樹脂あるいはインキビヒクルとしては、
上述の製造方法で挙げた材料を使用することができる。
また、第1磁性層13aは、真空蒸着法、スパッタリン
グ法、メッキ法等により形成することもできる。
【0051】次に、第2磁性層13bを形成する。ま
ず、上述の磁性材料が適当な樹脂あるいはインキビヒク
ル中に分散されてなる磁性塗料を、間欠的な所望の磁気
記録が行われた第1磁性層13a上に、グラビア法、ロ
ール法、ナイフエッジ法等の公知の塗布方法に従って塗
布して、磁性塗膜13´bを形成する。そして、第1磁
性層13aの記録方向と同一方向に沿ってバイアス磁界
を一様に印加して、磁性塗膜13´bに磁気配向処理を
施す(図13(B))。磁性塗料に使用する樹脂あるい
はインキビヒクルは、上述の第1磁性層13aの形成で
挙げたものを使用することができ、また、必要に応じて
分散剤、可塑剤、硬化剤、帯電防止剤、顔料等を磁性塗
料に適宜含有させてもよい。
【0052】上記の磁気配向処理は、基材12の裏面側
から磁気ヘッドにより行うことができ、また、ソレノイ
ド型の電磁石配向装置を用いてもよい。この磁気配向処
理により、第1磁性層13aの磁気記録がなされた部分
では、第1磁性層13aから発生する磁力線によって磁
性塗膜13′b中に存在する磁化方向と、バイアス磁界
の方向とが一致する部位に、磁性材料が移動して集ま
り、未乾燥の磁性塗膜13´b中に磁性材料が密な部分
が形成される。
【0053】印加するバイアス磁界は150〜3000
Gの範囲で、第1磁性層13aの磁気記録が消去されな
いように、使用する磁性材料に応じて適宜設定すること
ができる。
【0054】上記の磁気配向処理を施しながら、あるい
は、磁気配向処理を施した後、磁性塗膜13´bを乾燥
することにより、第1磁性層13aの磁気記録パターン
に対応した磁性材料の疎密パターン(密部分15と疎部
分16とをもつ)からなる固定情報を有する第2磁性層
13bを形成する(図14(C))。
【0055】次に、第1磁性層13aの磁気記録が消去
されるようなバイアス磁界を一定方向に加えて、第1磁
性層13aの磁気記録を消去するとともに、第2磁性層
13bの上記固定情報に着磁を行い、磁気記録媒体11
とする(図14(D))。尚、このバイアス磁界の向き
は、上記の磁気配向処理におけるバイアス磁界の向きと
同じ、逆、いずれでもよい。
【0056】このように製造される本発明の磁気記録媒
体11では、磁気記録層13の第2磁性層13bにおけ
る固定情報は、磁性材料が未乾燥状態の磁性塗膜中を移
動して形成された疎密パターンからなるので、強磁界が
加わっても消去されることがない。そして、磁気ヘッド
で読み取ったときの磁気出力波形は、再生出力のある部
分とない部分とが交互に現れるような出力波形となる。
この出力波形は、第1磁性層13aへの磁気記録時の間
欠記録を調整することに制御可能であり、このような再
生出力を生じる疎密パターン部位によるコード化が可能
となる。また、上記の第2磁性層13bにおける固定情
報は、第1磁性層13aへの磁気記録の間欠制御によっ
て、磁気記録媒体個々に任意に設定することができる。
【0057】尚、基材としてポリエチレンテレフタレー
トフィルムのような樹脂フィルムを使用し、上述のよう
な製造方法で基材上に第1磁性層と第2磁性層とを順に
積層して磁気記録層を設けることにより磁気テープを作
製し、この磁気テープをカード基材等の全面、あるい
は、一部に貼合して磁気記録媒体を製造してもよい。
【0058】
【実施例】次に、実施例を示して本発明を更に詳細に説
明する。
【0059】(実施例1)まず、基材として、厚さ18
8μmのポリエチレンテレフタレート(東レ(株)製E
−22)を準備し、この基材の片面に下記の組成を有す
る第1磁性層形成用の磁性塗料をグラビアコート法によ
り塗布し乾燥して、厚み15μmの第1磁性層を形成し
た。
【0060】 (第1磁性層形成用の磁性塗料) ・Baフェライト(保磁力=4000Oe) … 80重量部 ・塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体樹脂 … 10重量部 ・ウレタン樹脂 … 10重量部 ・メチルエチルケトン … 50重量部 ・トルエン … 50重量部 ・メチルイソブチルケトン … 50重量部 ・イソシアネート系硬化剤 … 3重量部
【0061】次に、この第1磁性層に書込み電流100
0mAで磁気記録Dを行った。このときの記録密度は2
00bpi(FM記録)とした。
【0062】次いで、この第1磁性層上に、下記の組成
を有する第2磁性層形成用の磁性塗料をグラビアコート
法により塗布して磁性塗膜を形成した。
【0063】 (第2磁性層形成用の磁性塗料) ・Baフェライト(保磁力=1000Oe) … 80重量部 ・塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体樹脂 … 10重量部 ・ウレタン樹脂 … 10重量部 ・メチルエチルケトン … 50重量部 ・トルエン … 50重量部 ・メチルイソブチルケトン … 50重量部 ・イソシアネート系硬化剤 … 3重量部
【0064】次に、基材の裏面に磁気ヘッドを走査させ
て2000Gの磁界を間欠的に磁性塗膜に加えて磁気配
向処理を施した。その後、磁性塗膜を乾燥することによ
り厚み10μmの第2磁性層を形成した。この第2磁性
層の上記2000Gの磁界が印加された部分は、第1磁
性層の磁気記録Dに対応した磁性材料の疎密パターンか
らなる固定情報D′1を有するものであった。また、第
2磁性層の上記2000Gの磁界が印加されなかった部
分は、第1磁性層の磁気記録Dに対応した磁性材料の疎
密パターンからなる固定情報D′2を有するものであっ
た。この固定情報D′2の記録密度は、固定情報D′1
の記録密度の2倍であった。これにより、第1磁性層と
第2磁性層との積層体からなる磁気記録層を基材上に形
成した。上記のように磁気記録層を形成した基材を86
mm×54mmの大きさのカード状に打ち抜いて本発明
の磁気記録媒体を得た。
【0065】次いで、この磁気記録媒体の磁気記録層に
ソレノイドによる12000Gの直流バイアス磁界を第
1磁性層の記録方向に沿って一方向に印加して、第1磁
性層の磁気記録Dを消去するとともに、第2磁性層の磁
性材料の疎密パターンからなる固定情報D′1、D′2
に着磁を行った。
【0066】この磁気記録媒体をバイアス磁界なしでカ
ードリーダーを用いて読み取った結果、固定情報D′1
に対応した再生出力の高い部分と、固定情報D′2に対
応した再生出力の低い部分とが交互に現れる図4に示す
ような出力波形が得られ、高出力部は低出力部の約5倍
の出力を示した。また、各高出力部、低出力部では、上
記の疎密パターンに対応したディジタルデータが得られ
た。
【0067】(実施例2)まず、実施例1と同様にし
て、基材上に厚み15μmの第1磁性層を形成し、この
第1磁性層に書込み電流1000mAで磁気記録Dを行
った。このときの記録密度は200bpi(FM記録)
とした。
【0068】次いで、この第1磁性層上に、下記の組成
を有する磁気シールド層用の磁性塗料をグラビアコート
法により塗布し乾燥して、磁気シールド層(厚み約10
μm)を形成した。
【0069】 (磁気シールド層形成用の磁性塗料) ・パーマロイ(保磁力=10Oe) … 80重量部 ・塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体樹脂 … 10重量部 ・ウレタン樹脂 … 10重量部 ・メチルエチルケトン … 50重量部 ・トルエン … 50重量部 ・メチルイソブチルケトン … 50重量部 ・イソシアネート系硬化剤 … 3重量部
【0070】次に、この磁気シールド層上に、実施例1
と同様にして、第2磁性層用の磁性塗料を塗布して磁性
塗膜を形成した。その後、基材の裏面に磁気ヘッドを走
査させて2000Gの磁界を間欠的に磁性塗膜に加えて
磁気配向処理を施した。その後、磁性塗膜を乾燥するこ
とにより厚み10μmの第2磁性層を形成した。この第
2磁性層の上記2000Gの磁界が印加された部分は、
第1磁性層の磁気記録Dに対応した磁性材料の疎密パタ
ーンからなる固定情報D′を有するものであった。ま
た、第2磁性層の上記2000Gの磁界が印加されなか
った部分では、固定情報の記録はなされなかった。これ
により、第1磁性層と第2磁性層との積層体からなる磁
気記録層を基材上に形成した。上記のように磁気記録層
を形成した基材を86mm×54mmの大きさのカード
状に打ち抜いて本発明の磁気記録媒体を得た。
【0071】次いで、この磁気記録媒体の磁気記録層に
ソレノイドによる12000Gの直流バイアス磁界を第
1磁性層の記録方向に沿って一方向に印加して、第1磁
性層の磁気記録Dを消去するとともに、第2磁性層の磁
性材料の疎密パターンからなる固定情報D′に着磁を行
った。
【0072】この磁気記録媒体をバイアス磁界なしでカ
ードリーダーを用いて読み取った結果、再生出力が所定
の間隔をおいて現れる図7に示すような出力波形が得ら
れた。また、各出力部では、上記の疎密パターンに対応
したディジタルデータが得られた。
【0073】(実施例3)まず、実施例1と同様にし
て、基材上に厚み15μmの第1磁性層を形成した。そ
して、この第1磁性層に書込み電流1000mAで磁気
記録Dを間欠的に行った。このときの記録密度は、書き
込みがある部分で200bpi(FM記録)とした。
【0074】次いで、この第1磁性層上に、実施例1と
同様にして、第2磁性層用の磁性塗料を塗布して磁性塗
膜を形成した。その後、2000Gのバイアス磁界を一
定方向に加えて磁性塗膜に磁気配向処理を施した。その
後、磁性塗膜を乾燥することにより厚み10μmの第2
磁性層を形成した。この第2磁性層の内、第1磁性層に
磁気記録がなされた部分は、第1磁性層の磁気記録Dに
対応した磁性材料の疎密パターンからなる固定情報D′
を有するものであった。また、第2磁性層の内、第1磁
性層に磁気記録がなされなかった部分は、固定情報の記
録はなされなかった。これにより、第1磁性層と第2磁
性層との積層体からなる磁気記録層を基材上に形成し
た。上記のように磁気記録層を形成した基材を86mm
×54mmの大きさのカード状に打ち抜いて本発明の磁
気記録媒体を得た。
【0075】次いで、この磁気記録媒体の磁気記録層に
ソレノイドによる12000Gの直流バイアス磁界を第
1磁性層の記録方向に沿って一方向に印加して、第1磁
性層の磁気記録Dを消去するとともに、第2磁性層の磁
性材料の疎密パターンからなる固定情報D′に着磁を行
った。
【0076】この磁気記録媒体をバイアス磁界なしでカ
ードリーダーを用いて読み取った結果、再生出力が所定
の間隔をおいて現れる図11に示すような出力波形が得
られた。また、各出力部では、上記の疎密パターンに対
応したディジタルデータが得られた。
【0077】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば基
材に設けられた磁気記録層が第1磁性層と第2磁性層と
をこの順に基材上に積層したものであり、第2磁性層は
磁性材料の疎密パターンからなる固定情報を有し、この
固定情報は疎密パターンによるディジタルデータに加
え、疎密パターンの密部分における磁性材料の含有密度
の違いによるコード化、あるいは、複数の疎密パターン
によるコード化が可能であり、固定情報として、高出力
部分と低出力部分とからなるパターンによるバーコード
状の情報を付加することができ、これにより、変造の困
難な磁気記録媒体が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の磁気記録媒体の一実施形態を説明する
ためのカード形状の磁気記録媒体の斜視図である。
【図2】図1に示される磁気記録媒体のA−A断面矢視
図である。
【図3】本発明の磁気記録媒体の疎密パターンの一例を
示す図である。
【図4】本発明の磁気記録媒体の再生出力波形の一例を
示す図であり、(B)は(A)の一部を拡大したもので
ある。
【図5】本発明の磁気記録媒体の疎密パターンの他の例
を示す図である。
【図6】本発明の磁気記録媒体の疎密パターンの他の例
を示す図である。
【図7】本発明の磁気記録媒体の再生出力波形の他の例
を示す図である。
【図8】本発明の磁気記録媒体の他の実施形態を説明す
るためのカード形状の磁気記録媒体の斜視図である。
【図9】図8に示される磁気記録媒体のB−B断面矢視
図である。
【図10】本発明の磁気記録媒体の疎密パターンの他の
例を示す図である。
【図11】本発明の磁気記録媒体の再生出力波形の他の
例を示す図であり、(B)は(A)の一部を拡大したも
のである。
【図12】本発明の磁気記録媒体の疎密パターンの他の
例を示す図である。
【図13】本発明の磁気記録媒体の製造方法の一例を示
す工程図である。
【図14】本発明の磁気記録媒体の製造方法の他の例を
示す工程図である。
【符号の説明】
1,11…磁気記録媒体 2,12…基材 3,13…磁気記録層 3a,13a…第1磁性層 3b,13b…第2磁性層 4…固定情報領域 5a…磁性材料の含有密度の高い密部分 5b…磁性材料の含有密度の低い密部分 14…疎密パターン部位 15…密部分
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G11B 5/845 G11B 5/845 Z (72)発明者 若松 伸明 東京都新宿区市谷加賀町一丁目1番1号 大日本印刷株式会社内 (72)発明者 山口 博之 東京都新宿区市谷加賀町一丁目1番1号 大日本印刷株式会社内 Fターム(参考) 2C005 HA02 HB04 HB05 HB09 HB10 HB11 HB13 JA03 JB23 KA19 LA05 LA18 LA25 LB18 5D006 BA19 BA20 CA05 DA01 FA00 5D112 AA05 AA06 AA11 AA28 CC19 DD04 DD08

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材と、該基材上に磁気記録層とを有
    し、該磁気記録層は基材側から順に第1磁性層と第2磁
    性層とが積層されたものであり、該第2磁性層は所定方
    向に沿って磁性材料を所定の疎密パターンで含有し、該
    疎密パターンは磁性材料の含有密度が異なる少なくとも
    2種の密部分を有することを特徴とする磁気記録媒体。
  2. 【請求項2】 基材と、該基材上に磁気記録層とを有
    し、該磁気記録層は基材側から順に第1磁性層と第2磁
    性層とが積層されたものであり、該第2磁性層は磁性材
    料を所定の疎密パターンで含有する部位が所望の間隔で
    所定方向に沿って配列していることを特徴とする磁気記
    録媒体。
  3. 【請求項3】 前記疎密パターンにおいて、磁性材料の
    密部分の間隔が2種以上存在することを特徴とする請求
    項1または請求項2に記載の磁気記録媒体。
  4. 【請求項4】 第1磁性層と第2磁性層との間に磁気シ
    ールド層を備えることを特徴とする請求項1乃至請求項
    3のいずれかに記載の磁気記録媒体。
  5. 【請求項5】 基材上に第1磁性層を形成し、該第1磁
    性層に所定方向に沿って所望の磁気記録を行った後、前
    記第1磁性層上に磁性塗料を塗布し、該磁性塗膜に前記
    所定方向に沿ってバイアス磁界を間欠的に印加して磁気
    配向処理を施した後、前記磁性塗膜を乾燥して、前記第
    1磁性層の磁気記録パターンに対応した磁性材料の疎密
    パターンからなる固定情報を有する第2磁性層を形成し
    て、前記第1磁性層および前記第2磁性層からなる磁気
    記録層を形成することを特徴とする磁気記録媒体の製造
    方法。
  6. 【請求項6】 基材上に第1磁性層を形成し、該第1磁
    性層に所定方向に沿って間欠的に所望の磁気記録を行っ
    た後、前記第1磁性層上に磁性塗料を塗布し、該磁性塗
    膜に前記所定方向に沿ってバイアス磁界を印加して磁気
    配向処理を施しながら、あるいは、磁気配向処理を施し
    た後、前記磁性塗膜を乾燥して、前記第1磁性層の磁気
    記録パターンに対応した磁性材料の疎密パターンからな
    る固定情報を有する第2磁性層を形成して、前記第1磁
    性層および前記第2磁性層からなる磁気記録層を形成す
    ることを特徴とする磁気記録媒体の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記第1磁性層への磁気記録において、
    書き込み密度を変化させることを特徴とする請求項5ま
    たは請求項6に記載の磁気記録媒体の製造方法。
  8. 【請求項8】 前記第1磁性層上に磁気シールド層を形
    成した後、前記第2磁性層を形成することを特徴とする
    請求項5乃至請求項7に記載の磁気記録媒体の製造方
    法。
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