JP2000268352A - 磁気記録媒体およびその製造方法 - Google Patents

磁気記録媒体およびその製造方法

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JP2000268352A
JP2000268352A JP11066060A JP6606099A JP2000268352A JP 2000268352 A JP2000268352 A JP 2000268352A JP 11066060 A JP11066060 A JP 11066060A JP 6606099 A JP6606099 A JP 6606099A JP 2000268352 A JP2000268352 A JP 2000268352A
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magnetic
layer
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recording medium
coercive force
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Yasuaki Yoshioka
康明 吉岡
Osamu Nakamura
修 中村
Nobuaki Wakamatsu
伸明 若松
Hiroyuki Yamaguchi
博之 山口
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Dai Nippon Printing Co Ltd
Original Assignee
Dai Nippon Printing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 磁気ヘッドによる読み取りにおいて出力レベ
ルおよび波形が多様に変化可能な固定情報をもち、他の
磁気記録媒体との判別が確実に行え偽造、改ざん等の不
正行為を防止できる磁気記録媒体と、この磁気記録媒体
の製造方法を提供する。 【解決手段】 磁気記録媒体を、第1磁性層と、保磁力
の異なる2種以上の磁性材料を所定の疎密パターンで含
有する第2磁性層とが、この順に基材上に積層された磁
気記録層を有するものとし、このような磁気記録媒体
は、基材上に第1磁性層を形成し、この第1磁性層に所
望の磁気記録を行った後、第1磁性層上に保磁力の異な
る2種以上の磁性材料を含有する磁性塗料を塗布し、磁
性塗膜にバイアス磁界による磁気配向処理を施しなが
ら、あるいは、磁気配向処理を施した後に乾燥して、磁
性材料の疎密パターンからなる固定情報を有する第2磁
性層を形成し、第1磁性層および前記第2磁性層からな
る磁気記録層を形成して製造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁気記録媒体、特
に偽造、変造が困難な磁気記録媒体と、その製造方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】基材の片面あるいは両面の全域またはス
トライプ状に磁気記録層が形成された磁気記録媒体は、
例えば、プリペイドカード、定期券、乗車券、入場券、
車券、馬券、商品券、株券、証書、通帳、磁気タグ等の
金券、証券類や、IDカード、キャッシュカード、クレ
ジットカード、会員カード等のカード類、磁気ラベル等
として幅広く使用されている。従来、このような磁気記
録媒体は、磁気記録層に高い記録密度で情報を書込み、
外部から簡単には記録情報を読み出せないようにしてい
る。
【0003】しかし、磁気記録層の特性上、記録された
情報の書換え、消去が自在であるため、偽造、変造が可
能であり、近年、大きな社会問題としてクローズアップ
されている。特に、現在は磁気ストライプの入手が容易
であるため、類似のカードを製造することも可能であ
り、さらに、現在の仕様のように、磁気記録媒体の表面
に磁気記録層が露出している場合、磁気記録情報を読み
取ったり、磁気転写技術により磁気記録情報を他の磁気
記録層に移すことが容易にできてしまうという問題もあ
る。
【0004】このような磁気記録情報の可逆性という本
質的な欠点に基づく問題を解決するために、磁気記録情
報の書き換えを困難にする種々の方法が提案されてい
る。例えば、BaフェライトやSrフェライト等の高保
磁力磁性材料、高保磁力低キュリー点(高Hc低Tc)の磁
性材料、MnBiを含有する磁性材料等を用いることに
より、磁気情報を消去されにくくした磁気記録媒体等が
開発されている。
【0005】また、磁気的な書き換えが不可能となるよ
うに、磁性層に物理的変化を与えることにより磁気記録
情報をもたせた磁気記録媒体も開発されている。例え
ば、印刷により磁気バーコードを設けた磁気記録媒体、
磁性層にレーザー等によりマーキングを施した磁気記録
媒体等が挙げられる。
【0006】さらに、基材上に比較的低い保磁力の磁性
材料を含む第1磁性層を形成し、この第1磁性層に磁気
記録を行った後、高保磁力の磁性材料を含む第2磁性層
を塗布形成して積層した磁気記録媒体も開発されてい
る。この磁気記録媒体では、第1磁性層の磁気記録パタ
ーンが第2磁性層にコピー(いわゆる磁気転写)されて
いるので、偽造、変造を目的とした磁気ヘッドによる書
き換えが困難である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ような単に高保磁力磁性材料を用いた磁気記録媒体は、
外部磁場の影響による磁気記録情報の消去を防ぐことは
可能であるが、これは逆に磁気ヘッドで情報を書き込む
際には磁化されにくく、書き込み装置に制限ができると
いう新たな問題を生じている。
【0008】また、高Hc低Tc磁性材料やMnBi含有磁
性材料を有する磁気記録媒体では、温度による保磁力の
急激な低下を利用し、その条件下で磁気書き込みを行う
ことも可能であるが、常温において磁気記録情報の消去
や書き込みができないため、装置が大掛かりになるとい
う問題がある。
【0009】さらに、磁気バーコードのように磁性層に
物理的変化を与えた磁気記録媒体では、磁気記録情報の
消去と、新たな情報の書き込みが不可能である。
【0010】また、第2磁性層に磁気転写された磁気記
録情報を備える磁気記録媒体は、非常に強い磁界が加わ
ると、磁気転写による第2磁性層の磁気記録が消去され
てしまうという問題があり、さらに、高保磁力磁性材料
を含む第2磁性層に磁気転写を効率良く行うことが困難
なため、読み取りに必要な磁気出力が第2磁性層から得
られないという問題もあった。
【0011】本発明は、このような実情に鑑みてなされ
たものであり、磁気ヘッドによる読み取りにおいて出力
レベルおよび波形が多様に変化可能な固定情報をもち、
他の磁気記録媒体との判別が確実に行え、偽造や改ざん
等の不正行為を防止できる磁気記録媒体と、この磁気記
録媒体の製造方法を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】このような目的を達成す
るために、本発明の磁気記録媒体は、基材と、該基材上
に磁気記録層とを有し、該磁気記録層は基材側から順に
第1磁性層と第2磁性層とが積層されたものであり、該
第2磁性層は保磁力の異なる2種以上の磁性材料を所定
の疎密パターンで含有するような構成とした。
【0013】また、本発明の磁気記録媒体は、前記第2
磁性層に含有される磁性材料に、保磁力大小関係で隣り
合う磁性材料間において保磁力の比が2以上であるよう
な組み合わせが少なくとも1つ存在するような構成とし
た。
【0014】本発明の磁気記録媒体の製造方法は、基材
上に第1磁性層を形成し、該第1磁性層に所望の磁気記
録を行った後、前記第1磁性層上に保磁力の異なる2種
以上の磁性材料を含有する磁性塗料を塗布し、磁性塗膜
にバイアス磁界による磁気配向処理を施しながら、ある
いは、磁気配向処理を施した後に乾燥して、前記第1磁
性層の磁気記録パターンに対応した磁性材料の疎密パタ
ーンからなる固定情報を有する第2磁性層を形成して、
前記第1磁性層および前記第2磁性層からなる磁気記録
層を形成するような構成とした。
【0015】また、本発明の磁気記録媒体の製造方法
は、保磁力大小関係で隣り合う磁性材料間において保磁
力の比が2以上であるような組み合わせが少なくとも1
つ存在する2種以上の磁性材料を用いて第2磁性層を形
成するような構成とした。
【0016】上記のような本発明では、保磁力の異なる
2種以上の磁性材料の疎密パターンからなる固定情報を
有する第2磁性層を磁気ヘッドで読み取る際に、含有す
る2種以上の磁性材料の保磁力に対応した所定のバイア
ス磁界の有無、および、その向きによって、得られる磁
気出力レベルおよび波形が変化する。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明について図面を参照
しながら説明する。図1は本発明の磁気記録媒体の実施
形態の一例を示す概略断面図である。図1において、本
発明の磁気記録媒体1は、基材2と、この基材2上にス
トライプ状に設けられた磁気記録層3を備えており、磁
気記録層3は第1磁性層3aと第2磁性層3bとが積層
されて構成されている。
【0018】本発明の磁気記録媒体1を構成する基材2
は、基材として要求される耐熱性、強度、剛性等を考慮
して、PET、PET−G、PEN等のポリエステル、
塩化ビニル、ポリカーボネート、ポリエチレン、ポリプ
ロピレン、ポリスチレン、ポリ乳酸等の樹脂、生分解性
樹脂、銅、アルミニウム等の金属、紙、含浸紙、合成紙
等の材料の中から適宜選択した材料の単独あるいは組み
合わせた複合体により構成することができる。このよう
な基材2の厚さは、100μm〜1mm、好ましくは1
50〜250μm程度とすることができる。
【0019】上記の磁気記録層3を構成する第1磁性層
3aは、保磁力が300〜6000Oeの範囲にある磁
性材料を含有する。この磁性材料の保磁力が300Oe
未満であると、第2磁性層形成時の配向磁界に対する耐
性が不十分であり、6000Oeを超えると、磁気ヘッ
ドによる安定した記録が難しくなり好ましくない。尚、
磁気ヘッドによる記録が安定して行えるならば、保磁力
が6000Oeを超える磁性材料を使用することは可能
である。
【0020】第1磁性層3aを構成する上記のような保
磁力300〜6000Oeの範囲にある磁性材料として
は、例えば、γ−Fe23 、Co被着γ−Fe2
3 、Fe34 、CrO2 、Fe、Co、Ni、Fe−
Co、Co−Ni、Fe−Ni、Baフェライト、Sr
フェライト等の磁性微粒子が挙げられる。
【0021】この第1磁性層3aは、上記の磁性微粒子
を適当な樹脂あるいはインキビヒクル中に分散してなる
磁性塗料を、グラビア法、ロール法、ナイフエッジ法等
の公知の塗布方法に従って塗布し乾燥することにより形
成することができる。また、上記の磁性材料を用いて、
真空蒸着法、スパッタリング法、めっき法等により第1
磁性層3aを形成することもできる。
【0022】第1磁性層3aの厚さは、塗布方法により
形成される場合、乾燥後の膜厚で1〜50μm、好まし
くは3〜20μm程度である。
【0023】また、上記の磁気記録層3を構成する第2
磁性層3bは、保磁力の異なる2種以上の磁性材料を所
定の疎密パターンで含有するものである。保磁力の異な
る2種以上の磁性材料としては、保磁力大小関係で隣り
合う磁性材料間において保磁力の比が2以上、好ましく
は3倍以上であるような組み合わせが少なくとも1つ存
在するような磁性材料が好ましい。例えば、低保磁力の
磁性材料A、高保磁力の磁性材料Bの2種の磁性材料か
らなる場合、磁性材料Bの保磁力は磁性材料Aの保磁力
の2倍以上となるように設定する。また、低保磁力の磁
性材料A、中間保磁力の磁性材料B、高保磁力の磁性材
料Cの3種の磁性材料からなる場合、保磁力大小関係
で隣り合う磁性材料A、B間において、磁性材料Bの保
磁力は磁性材料Aの保磁力の2倍以上となる、保磁力
大小関係で隣り合う磁性材料B、C間において、磁性材
料Cの保磁力は磁性材料Bの保磁力の2倍以上となる、
という上記、の少なくとも一方が成立するように設
定する。
【0024】上記のような保磁力の異なる2種以上の磁
性材料において、保磁力大小関係で隣り合う磁性材料間
で保磁力の比が2以上であるような組み合わせが少なく
とも1つ存在するので、第2磁性層に所定の磁界を与え
て保磁力の低い磁性材料のみ着磁の向きを反転させるこ
とができる。このような着磁の向きの反転を完全に行う
ためには、上記の保磁力の比を3倍以上とすることが好
ましい。
【0025】このような第2磁性層3bを構成する磁性
材料としては、例えば、Al、Si、Fe等からなる磁
性合金材料,パーマロイ、センダスト、Mn−Znフェ
ライト、Co−Znフェライト、Ni−Znフェライト
等のフェライト、γ―Fe23、Co被着γ―Fe
23、Fe34等の鉄酸化物、Fe、Co、Ni、Fe
−Cr、Fe−Co、Fe−Ni、Co−Cr、Co−
Ni、CrO2、Baフェライト、Srフェライト等の
保磁力が1〜10000Oeの範囲の磁性材料を挙げる
ことができる。そして、これらの磁性材料の中から上記
の保磁力の比の関係を満足する2種以上の磁性材料の組
み合わせを適宜選択することができる。尚、全磁性材料
中に占める上記保磁力関係(保磁力大小関係で隣り合う
磁性材料間で保磁力の比が2以上)を有する磁性材料の
割合は、80〜100重量%の範囲であることが好まし
い。
【0026】この第2磁性層3bは、上記の磁性材料が
適当な樹脂あるいはインキビヒクル中に分散されてなる
磁性塗料を、所望の磁気記録を行った第1磁性層3a上
にグラビア法、ロール法、ナイフエッジ法等の公知の塗
布方法に従って塗布し、所定のバイアス磁界による磁気
配向処理を施しながら、あるいは、磁気配向処理を施し
た後、磁性塗膜を乾燥することにより形成することがで
きる。この第2磁性層3bは、磁性材料の疎密パターン
からなる固定情報を有するものである。尚、配向処理に
用いる配向装置としては、ソレノイド型の電磁石配向装
置が好ましい。また、第2磁性層3bの厚さは、1〜5
0μm、好ましくは3〜20μm程度である。
【0027】このような構成である本発明の磁気記録媒
体1では、磁気記録層3の第2磁性層3bが保磁力の異
なる2種以上の磁性材料を所定の疎密パターンで含有
し、この疎密パターンからなる固定情報を有している。
この第2磁性層3bにおける固定情報は、磁気記録層3
を磁気ヘッドで読み取る際に、第2磁性層3bに含有さ
れる2種以上の磁性材料の保磁力に対応した所定のバイ
アス磁界の有無、または、その向きによって、得られる
磁気出力レベルおよび波形が変化する。すなわち、第
2磁性層3bに含有される高保磁力磁性材料を充分着磁
させられる磁界強度で着磁した後、バイアス磁界なし
で読み取ると、高い磁気出力が得られ、低保磁力磁性
材料の磁化反転を生じない向きでのバイアス磁界による
読み取りにより、さらに高い磁気出力が得られ、低保
磁力磁性材料のみ磁化反転させた後、バイアス磁界な
しで読み取ると、上記よりも低い磁気出力となる。
【0028】例えば、上述のような低保磁力の磁性材料
A、高保磁力の磁性材料Bの2種の磁性材料を用いた場
合、全ての磁性材料の磁化の向きが一致しているときに
磁気出力レベルが高いものとなる(バイアス磁界ありで
読み取った場合の磁気出力レベルが一番高い)。また、
低保磁力の磁性材料Aの磁化方向が、高保磁力の磁性材
料Bの磁化方向に対して反転している場合、磁気出力は
相対的に低くなる。特に、第2磁性層3bに含有される
磁性材料Aと磁性材料Bの磁化および角形比(読み取り
バイアス磁界における)がほぼ等しい場合、バイアス磁
界なしで読み取ると、ほとんど磁気出力が得られない。
通常、バイアス磁界なしでの読み取りでは、磁気出力レ
ベルは|Br(A)+Br(B)|に比例し、バイアス
磁界ありでの読み取りでは、磁気出力レベルは|Bm
(A)+Bm(B)|に比例する。ただし、Br(A)
とBr(B)は、それぞれ磁性材料Aと磁性材料Bの残
留磁化、Bm(A)+Bm(B)は、それぞれ磁性材料
Aと磁性材料Bのバイアス磁界における残留磁化であ
り、磁化の向きが逆の場合、Br、Bmは負の値をと
る。
【0029】しかも、上記の第2磁性層3bにおける固
定情報は、第1磁性層3aへの磁気記録によって磁気記
録媒体個々に任意に設定することができる。したがっ
て、他の磁気記録媒体との判別が可能となり、磁気記録
媒体の真偽判定が確実に行える。
【0030】尚、上記の本発明の磁気記録媒体では、基
材2の一部にストライプ状に磁気記録層3を形成した構
成となっているが、図2に示されるように、磁気記録層
3が基材の一方の面の全面に形成された構成であっても
よい。
【0031】また、本発明では、磁気記録媒体1の磁気
記録層3上に、保護、隠蔽、装飾効果をもたせるための
保護層、着色層や絵柄を設けてもよい。
【0032】保護層、着色層や絵柄はエチルセルロー
ス、硝酸セルロース、エチルヒドロキシエチルセルロー
ス、セルロースアセテートプロピオネート、酢酸セルロ
ース等のセルロース誘導体、ポリスチレン、ポリ−α−
メチルスチレン等のスチレン樹脂、あるいはスチレン共
重合樹脂、ポリメタクリル酸メチル、ポリメタクリル酸
エチル、ポリアクリル酸エチル、ポリアクリル酸ブチル
等のアクリル樹脂またはメタクリル樹脂の単独あるいは
共重合樹脂、ロジン、ロジン変性マレイン酸樹脂、ロジ
ン変性フェノール樹脂、重合ロジン等のロジンエステル
樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、クマロン樹脂、ビニルトル
エン樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウ
レタン樹脂、ブチラール樹脂等のバインダーに、着色す
べき色に応じて各種の顔料を添加し、必要に応じて磁気
ヘッドのクリーニング効果をもたせるよう、酸化チタ
ン、アルミナ粉末、マイクロシリカ等を添加し、さらに
必要に応じて、可塑剤、安定剤、ワックス、グリース、
乾燥剤、乾燥補助剤、硬化剤、増粘剤、分散剤を添加し
た後、溶剤あるいは希釈剤で充分に混練してなる着色塗
料あるいはインキを用いて、通常のグラビア法、ロール
法、ナイフエッジ法、オフセット法等の塗布方法あるい
は印刷方法により、所望部分に形成できる。
【0033】次に、本発明の磁気記録媒体の製造方法の
一実施形態について、図3を参照しながら説明する。ま
ず、基材2に第1磁性層3aを形成する(図3
(A))。この第1磁性層3aの形成は、上述の保磁力
300〜6000Oeの範囲にある磁性材料を適当な樹
脂あるいはインキビヒクル中に分散してなる磁性塗料
を、グラビア法、ロール法、ナイフエッジ法等の公知の
塗布方法に従って塗布し乾燥することにより形成するこ
とができる。樹脂あるいはインキビヒクルとしては、ブ
チラール樹脂、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体樹脂、
ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、セルロース樹脂、ア
クリル樹脂、スチレン/マレイン酸共重合体樹脂等が用
いられ、必要に応じてニトリルゴム等のゴム系樹脂ある
いはウレタンエラストマー等が添加される。また、耐熱
性を考慮して、ポリアミド、ポリイミド、ポリエーテル
サルホン等のガラス転移温度(Tg)の高い樹脂、ある
いは硬化反応によりTgが上昇する系を用いることがで
きる。上記のような樹脂あるいはインキビヒクル中に磁
性材料が分散されてなる磁性塗料中に、必要に応じて分
散剤、可塑剤、硬化剤、帯電防止剤、顔料等を適宜含有
させてもよい。また、第1磁性層3aは、上記の磁性材
料を用いて、真空蒸着法、スパッタリング法、めっき法
等により形成することもできる。
【0034】次に、第1磁性層3aに所望の磁気記録を
行う(図3(B))。これにより、第1磁性層3aに磁
化方向が相違する磁気パターンが形成される。次に、第
2磁性層3bを形成する。まず、上述の保磁力関係を有
する2種以上の磁性材料が適当な樹脂あるいはインキビ
ヒクル中に分散されてなる磁性塗料を、所望の磁気記録
が行われた第1磁性層3a上に、グラビア法、ロール
法、ナイフエッジ法等の公知の塗布方法に従って塗布し
て、磁性塗膜3´bを形成する(図3(C))。磁性塗
料に使用する樹脂あるいはインキビヒクルは、上述の第
1磁性層3aの形成で挙げたものを使用することがで
き、また、必要に応じて分散剤、可塑剤、硬化剤、帯電
防止剤、顔料等を磁性塗料に適宜含有させてもよい。
【0035】次いで、バイアス磁界を一定方向に加えて
磁気配向処理を施す(図3(D))。これにより、第1
磁性層3aから発生する磁力線によって磁性塗膜3′b
中に存在する磁化方向と、バイアス磁界の方向とが一致
する部位に、磁性材料が移動して集まり、未乾燥の磁性
塗膜3´b中に磁性材料が密な部分が形成される。印加
するバイアス磁界は150〜3000Gの範囲で、第1
磁性層3aの磁気記録が消去されないように、使用する
磁性材料に応じて適宜設定することができる。その後、
磁性塗膜3´bを乾燥することにより、第1磁性層3a
の磁気記録パターンに対応した磁性材料の疎密パターン
からなる固定情報を有する第2磁性層3bを形成する。
【0036】次に、第1磁性層3aの磁気記録が消去さ
れるようなバイアス磁界を一定方向に加えて、第1磁性
層3aの磁気記録を消去するとともに、第2磁性層3b
の上記固定情報に着磁を行い、磁気記録媒体1とする
(図3(E))。尚、このバイアス磁界の向きは、上記
の磁気配向処理におけるバイアス磁界の向きと同じ、
逆、いずれでもよい。
【0037】このように製造される本発明の磁気記録媒
体1では、磁気記録層3の第2磁性層3bにおける固定
情報は、磁性材料が磁性塗膜中を移動して形成された疎
密パターンからなるので、強磁界が加わっても消去され
ることがない。そして、磁気ヘッドで読み取ったときの
磁気出力波形は、第2磁性層3bに含有される2種以上
の磁性材料のそれぞれの着磁の状態と、読み取りバイア
ス磁界の有無、および、その向きによって変化する。第
2磁性層3bの含有される2種以上の磁性材料が同一方
向に一様に着磁されており、バイアス磁界なしで読み取
った場合は、磁性材料の疎密の境界部分で生じる磁化の
変化によって、疎密パターンに対応した磁気出力(図3
(E)に鎖線で示す)が得られる。
【0038】一方、例えば、上述のような低保磁力の磁
性材料A、高保磁力の磁性材料Bの2種の磁性材料を用
い、磁性材料Aと磁性材料Bの磁化および角形比(読み
取りバイアス磁界における)がほぼ等しい場合、低保磁
力の磁性材料Aの着磁の向きのみを反転させるような磁
界強度でバイアス磁界を印加しながら磁気ヘッドで読み
取ると、磁性材料Aによる磁気出力と磁性材料Bによる
磁気出力とが相殺されて、ほとんど磁気出力が得られな
い。また、上述のような低保磁力の磁性材料A、高保磁
力の磁性材料Bの2種の磁性材料を用いた場合、磁性材
料Aの着磁の方向のみを反転させるような磁界を与えた
後、バイアス磁界なしで読み取っても、ほとんど磁気出
力が得られない。
【0039】本発明では、上記の第2磁性層3bにおけ
る固定情報は、第1磁性層3aへの磁気記録によって磁
気記録媒体個々に任意に設定することができるので、他
の磁気記録媒体との判別が可能となる。
【0040】尚、基材としてポリエチレンテレフタレー
トフィルムのような樹脂フィルムを使用し、上述のよう
な製造方法で基材上に第1磁性層と第2磁性層とを順に
積層して磁気記録層を設けることにより磁気テープを作
製し、この磁気テープをカード基材等の全面、あるい
は、一部に貼合して磁気記録媒体を製造してもよい。
【0041】
【実施例】次に、実施例を示して本発明を更に詳細に説
明する。まず、基材として、厚さ188μmのポリエチ
レンテレフタレート(東レ(株)製E−22)を準備
し、この基材の片面に下記の組成を有する第1磁性層形
成用の磁性塗料をグラビアコート法により塗布し乾燥し
て、厚み10μmの第1磁性層を形成した。
【0042】 (第1磁性層形成用の塗工液) ・Baフェライト(保磁力=4000Oe) … 80重量部 ・塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体樹脂 … 10重量部 ・ウレタン樹脂 … 10重量部 ・メチルエチルケトン … 50重量部 ・トルエン … 50重量部 ・メチルイソブチルケトン … 50重量部 ・イソシアネート系硬化剤 … 3重量部
【0043】次に、この第1磁性層に書込み電流100
0mAで磁気記録Dを行った。このときの記録密度は2
00bpi(FM記録)とした。
【0044】次いで、この第1磁性層上に、下記の組成
を有する第2磁性層形成用の磁性塗料をグラビアコート
法により塗布して磁性塗膜を形成した。
【0045】 (第2磁性層形成用の塗工液) ・γ−Fe23 (保磁力=100Oe) … 40重量部 ・Baフェライト(保磁力=800Oe) … 40重量部 ・塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体樹脂 … 10重量部 ・ウレタン樹脂 … 10重量部 ・メチルエチルケトン … 50重量部 ・トルエン … 50重量部 ・メチルイソブチルケトン … 50重量部 ・イソシアネート系硬化剤 … 3重量部
【0046】次に、上記の磁性塗膜に2000Gのソレ
ノイドによる直流バイアス磁界を第1磁性層の記録方向
に沿って一方向に加えて磁気配向処理を施した。その
後、磁性塗膜を乾燥することにより厚み10μmの第2
磁性層を形成した。この第2磁性層は、第1磁性層の磁
気記録Dに対応した磁性材料の疎密パターンからなる固
定情報D′を有するものであった。これにより、第1磁
性層と第2磁性層との積層体からなる磁気記録層を基材
上に形成した。
【0047】上記のように磁気記録層を形成した基材を
86mm×54mmの大きさのカード状に打ち抜いて本
発明の磁気記録媒体を得た。
【0048】次いで、この磁気記録媒体の磁気記録層に
ソレノイドによる12000Gの直流バイアス磁界を第
1磁性層の記録方向に沿って一方向に印加して、第1磁
性層の磁気記録Dを消去するとともに、第2磁性層の磁
性材料の疎密パターンからなる固定情報D′部に着磁を
行った。
【0049】この磁気記録媒体をバイアス磁界なしでカ
ードリーダーを用いて読み取った結果、第2磁性層の磁
性材料の疎密パターンに対応した磁気出力波形(磁気出
力=3.0V(p−p))が得られた。しかし、上記の
磁気記録媒体に300Gの直流バイアス磁界を第1磁性
層の記録方向と反対の方向に沿って印加しながらカード
リーダーを用いて読み取った結果、ほとんど磁気出力が
得られなかった。
【0050】次に、磁気記録媒体の磁気記録層に、ソレ
ノイドによる300Gの直流バイアス磁界を、第1磁性
層の記録方向と反対の方向に沿って印加した。上記のバ
イアス磁界は、第2磁性層の保磁力100Oeの磁性材
料の着磁方向のみを反転させ、保磁力800Oeの磁性
材料の着磁方向は反転しないような強度である。その
後、磁気記録媒体をバイアス磁界なしでカードリーダー
を用いて読み取った結果、ほとんど磁気出力が得られな
かった。しかし、上記の磁気記録媒体を、300Gの直
流バイアス磁界を第1磁性層の記録方向に沿って印加し
ながらカードリーダーを用いて読み取った結果、上記の
着磁方向反転前と同じパターン(第1磁性層に書き込ん
だ磁気記録のパターン)で磁気出力波形(磁気出力=
3.0V(p−p))が得られた。
【0051】このことから、本発明の磁気記録媒体の第
2磁性層の固定情報は、磁気的に消去できない磁気情報
として利用できること、および、この固定情報の磁気出
力は、バイアス磁界の有無、および、その方向により変
化することが確認された。
【0052】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば基
材に設けられた磁気記録層が第1磁性層と第2磁性層と
をこの順に基材上に積層したものであり、第2磁性層は
保磁力の異なる2種以上の磁性材料の疎密パターンから
なる固定情報を有するので、磁気記録層を磁気ヘッドで
読み取る場合、第2磁性層に含有される2種以上の磁性
材料の保磁力に対応した所定のバイアス磁界の有無、お
よび、その向きによって、得られる磁気出力レベルおよ
び波形が変化し、これにより、他の磁気記録媒体との判
別が可能となり、磁気記録媒体の真偽判定が確実に行え
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の磁気記録媒体の実施形態の一例を示す
概略断面図である。
【図2】本発明の磁気記録媒体の他の実施形態を示す概
略断面図である。
【図3】本発明の磁気記録媒体の製造方法の実施形態の
一例を示す工程図である。
【符号の説明】
1…磁気記録媒体 2…基材 3…磁気記録層 3a…第1磁性層 3b…第2磁性層
フロントページの続き (72)発明者 若松 伸明 東京都新宿区市谷加賀町一丁目1番1号 大日本印刷株式会社内 (72)発明者 山口 博之 東京都新宿区市谷加賀町一丁目1番1号 大日本印刷株式会社内 Fターム(参考) 5B035 AA15 BA03 BA05 BB02 BB11 5D006 BA08 BA19 BA20 DA01 EA05 FA00

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材と、該基材上に磁気記録層とを有
    し、該磁気記録層は基材側から順に第1磁性層と第2磁
    性層とが積層されたものであり、該第2磁性層は保磁力
    の異なる2種以上の磁性材料を所定の疎密パターンで含
    有することを特徴とする磁気記録媒体。
  2. 【請求項2】 前記第2磁性層に含有される磁性材料に
    は、保磁力大小関係で隣り合う磁性材料間において保磁
    力の比が2以上であるような組み合わせが少なくとも1
    つ存在することを特徴とする請求項1に記載の磁気記録
    媒体。
  3. 【請求項3】 基材上に第1磁性層を形成し、該第1磁
    性層に所望の磁気記録を行った後、前記第1磁性層上に
    保磁力の異なる2種以上の磁性材料を含有する磁性塗料
    を塗布し、磁性塗膜にバイアス磁界による磁気配向処理
    を施しながら、あるいは、磁気配向処理を施した後に乾
    燥して、前記第1磁性層の磁気記録パターンに対応した
    磁性材料の疎密パターンからなる固定情報を有する第2
    磁性層を形成して、前記第1磁性層および前記第2磁性
    層からなる磁気記録層を形成することを特徴とする磁気
    記録媒体の製造方法。
  4. 【請求項4】 保磁力大小関係で隣り合う磁性材料間に
    おいて保磁力の比が2以上であるような組み合わせが少
    なくとも1つ存在する2種以上の磁性材料を用いて第2
    磁性層を形成することを特徴とする請求項3に記載の磁
    気記録媒体の製造方法。
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