JP2001011793A - 偽造防止用スレッドとそれを用いた偽造防止用紙 - Google Patents

偽造防止用スレッドとそれを用いた偽造防止用紙

Info

Publication number
JP2001011793A
JP2001011793A JP18022299A JP18022299A JP2001011793A JP 2001011793 A JP2001011793 A JP 2001011793A JP 18022299 A JP18022299 A JP 18022299A JP 18022299 A JP18022299 A JP 18022299A JP 2001011793 A JP2001011793 A JP 2001011793A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
thread
paper
counterfeit
roughened
preventing
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP18022299A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4334681B2 (ja
Inventor
Yoji Iwamoto
要司 岩本
Osamu Nakamura
修 中村
Daisaku Haoto
大作 羽音
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Dai Nippon Printing Co Ltd
Original Assignee
Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Dai Nippon Printing Co Ltd filed Critical Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority to JP18022299A priority Critical patent/JP4334681B2/ja
Publication of JP2001011793A publication Critical patent/JP2001011793A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4334681B2 publication Critical patent/JP4334681B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Credit Cards Or The Like (AREA)
  • Paper (AREA)
  • Magnetic Record Carriers (AREA)
  • Thin Magnetic Films (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 偽造防止効果の高い偽造防止用スレッドとそ
れを用いた偽造防止用紙を提供する。 【解決手段】 本発明の偽造防止用スレッド10は、偽
造防止用紙に抄き込んで使用するためのスレッドであっ
て、樹脂フィルムからなる基材11上に粗面化インクに
よる粗化部13が設けられ、当該樹脂フィルム基材上お
よび粗化部上に被着された強磁性材薄膜層15をさらに
備えることを特徴とする。粗化部が有る部分と無い部分
とが一定の読み出し信号を与えるように組み合わされた
構成とすることができ、強磁性材薄膜層と粗化部および
基材との間には光反射層14を備えても良い。本発明の
偽造防止用紙はこのような偽造防止用スレッドを基紙に
抄き込んだものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、偽造防止用スレ
ッドおよびそれを用いた偽造防止用紙に関する。詳しく
は、基材樹脂フィルムに表面が粗面化されるようなイン
キで粗化部を設け、当該樹脂フィルム上または粗化部上
に被着された強磁性材薄膜層をさらに備えることを特徴
とする偽造防止用スレッドとそれを用いた偽造防止用紙
に関する。このような偽造防止用紙は、商品券、ギフト
券、証明書、チケット、投票券、切符、ラベル等の各種
セキュリティ媒体に使用することができる。
【0002】
【従来技術】各種セキュリティ媒体の偽造防止策とし
て、種々のスレッドを用紙に抄き込む手法がある。この
ようなスレッドによる偽造防止手段は用紙を製造する段
階において設けられるので、カラーコピーやスキャナー
取込み、製版印刷等による方法での偽造は困難である。
しかし、真正のスレッドに似せた偽造スレッドを抄き込
んだ偽造用紙が出回る場合があり、単純な磁気スレッド
や光輝性スレッドのみでは真正の判断には十分でない場
合が生じる。
【0003】一方、一般的な磁気記録材をスレッドに組
み合せた構造も磁気記録情報の改ざんが容易なため、高
度の偽造防止構造とはいえない。そのため、より高度の
偽造防止構造を有するデータ記録担体として、粗化部と
磁性膜を組み合せた構造として、特開平10−6405
1号公報では、磁気パターニングされた磁性体板等が提
案されている。そこで、本発明はこのような磁性体板に
さらに改良を加えて偽造防止用スレッドやそれを用いた
偽造防止用紙に適用することで一層の偽造防止効果を図
ろうとするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
の本発明の要旨の第1は、偽造防止用紙に抄き込んで使
用するためのスレッドであって、樹脂フィルムからなる
基材上に粗面化インキによる粗化部が設けられ、当該樹
脂フィルム基材上および粗化部上に被着された強磁性材
薄膜層をさらに備えることを特徴とする偽造防止用スレ
ッド、にある。かかる偽造防止用スレッドであるため偽
造、改ざんが困難である。このような偽造防止用スレッ
ドは、粗化部の有る部分と無い部分とが一定の読み出し
信号を与えるように組み合わされた構成とすることがで
き、強磁性材薄膜層と粗化部および基材との間に光反射
層を備えていることもできる。また、スレッドの粗化部
が形成される面とは反対側の面または強磁性材薄膜層上
に接着剤層を設ければ、偽造防止用紙における基紙との
接着を強固にすることができる。
【0005】上記課題を解決するための本発明の要旨の
第2は、基紙に上記の偽造防止用スレッドを抄き込んで
設けた偽造防止用紙であって、上記基紙は、該スレッド
を間欠的に露出する表出部と該表出部間であって該スレ
ッドを間欠的に覆う被覆部とを備えていることを特徴と
する偽造防止用紙、にある。かかる偽造防止用紙である
ため、偽造、改ざんが困難である。このような偽造防止
用紙は、表出部と被覆部が複数列設けられ、複数本の偽
造防止用スレッドを抄き込んだものとすることもでき
る。このようにすることで、偽造、改ざんが一層困難と
なる。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明は、樹脂フィルムからなる
基材上に粗化部を設け、その表面に強磁性材薄膜をスパ
ッタ等の気相法で形成した偽造防止用スレッドとそれを
使用した偽造防止用紙に関する。本発明で利用する強磁
性材薄膜は基本的には蒸着またはスパッタ等の気相成長
による薄膜であるため、その薄膜の磁気特性を検出する
場合には、その薄膜を形成する基材の表面粗さはおよそ
数μm以下でなければ、本来その磁性体が有する磁気特
性が現れてこない。例えば、基材としては表面粗さが
0.01〜0.1μm程度の平坦な表面領域を有するP
ETフィルムが必要となるが、このとき基材の表面粗さ
が数μm以上で多孔質状にした非平坦な領域に磁性体を
成膜すると、その成膜された磁性体の本来の磁気特性が
現れず、磁気検出信号が弱くなるか消失してしまう。本
発明はこのような現象を偽造防止用スレッドに利用した
ものである。
【0007】以下、本発明の実施形態を図面を参照して
説明することにする。図1は、本発明の偽造防止用スレ
ッドの一実施形態を示す断面図である。この実施形態の
場合、偽造防止用スレッド10は、樹脂フィルムからな
る基材11上に粗面化インキによる粗化部13が形成さ
れ、当該樹脂フィルム表面上および粗化部表面上にかけ
ては、強磁性材薄膜層15が粗化部13に追従するよう
に被着されて設けられている。前記のように粗化部13
部分は磁気ヘッドによって角型比の小さい磁気特性を与
え、粗面化インキの無い平滑な部分では角型比の大きい
磁気特性を与えて読み取られる。粗化部13の表面は粗
面であることが要求されるが、粗化部の基材表面からの
厚みΔh自体は磁気特性に重要な影響を与える要素では
ない。本発明の好ましい実施形態では、後述するように
粗化部13が、有る部分と無い部分とが組み合わされた
構成からなり、その固有パターン構成から読み出し磁気
特性に対してそれぞれ固有の識別情報を与えることにあ
る。
【0008】基材11の粗化部13形成面とは反対側の
面(以下、「裏面」ともする。)に、接着剤層16aを
設け、強磁性材料薄膜層14上面(以下、「表面」とも
する。)に接着剤層16bを設けることもできる。これ
らの接着剤層は、スレッドを偽造防止用紙に抄き込んだ
際に用紙との接着強度を高める効果をもたらす。
【0009】以下、偽造防止用スレッドの各構成要素に
ついてさらに詳細に説明する。基材11としては、耐水
性および耐熱性のある樹脂フィルムが使用でき、一般的
にはポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂フィル
ムをはじめとしてその他のポリエステル樹脂フィルム、
ポリアミド樹脂フィルム、ポリイミド樹脂フィルム、ポ
リカーボネート樹脂フィルム、ポリスチレン樹脂フィル
ム、ポリプロピレン樹脂フィルム、ポリサルホン樹脂フ
ィルム、ポリフェニレンサルファイド樹脂フィルム、セ
ルロース系樹脂フィルム、等が挙げられる。厚さは、1
〜300μm程度、好ましくは、5〜50μmの厚さが
推奨できる。
【0010】粗面化インキは、非磁性金属、カーボン、
セラミック、あるいはアルミナ、シリカ、チタニア等の
酸化物、炭酸カルシウム、樹脂粉などのサブミクロン〜
数十μm、好ましくは1〜30μmの粒子12pをバイ
ンダー(樹脂等)で結合させ、溶剤に溶解してインキ化
したものである。インキは基材表面を凹凸や粗面化する
ことが目的であるため着色の必要はない。本発明におい
ては、この粗面化インキによる粗化部表面の粗さが強磁
性材薄膜層15の厚さに比べて十分大きくなることが好
ましい。粗面化インキによる粗化部は三次元的に点在す
るものであっても良く、一定の凹凸ストライプが一定方
向に配列するように形成しても良い。ただし、ストライ
プ状であっても印刷で設けるような粗いピッチであるた
め回折格子のような効果を生じることはない。粗面化イ
ンキによる粗化部の厚みΔhは、1μm〜数十μmとな
るので、強磁性材薄膜層15の厚さに比べて十分厚いも
のとすることができる。ただし、インキ層の厚みが大き
くなるとクラック、磁性膜のクラック等が発生するこ
と、測定に影響を及ぼすため50μm程度が限界と考え
られる。このような粗面化インキの印刷は、シルクスク
リーン印刷やグラビア等の凹版印刷により印刷すること
ができる。
【0011】次に、強磁性材薄膜層15は、結晶性ある
いはアモルファスのものであっても良く、鉄(Fe)、
コバルト(Co)、ニッケル(Ni)のいずれか1種ま
たは2種以上の組み合わせからなる磁性材料を主成分と
して、これに、ほう素(B)、炭素(C)、マグネシウ
ム(Mg)、アルミニウム(Al)、珪素(Si)、燐
(P)、硫黄(S)、チタン(Ti)、バナジウム
(V)、クロム(Cr)、マンガン(Mn)、銅(C
u)、亜鉛(Zn)、イットリウム(Y)、ジルコニウ
ム(Zr)、ニオブ(Nb)、モリブテン(Mo)、パ
ラジウム(Pd)、銀(Ag)、インジウム(In)、
錫(Sn)、タンタル(Ta)、タングステン(W)、
イリジウム(Ir)、白金(Pt)、金(Au)、鉛
(Pb)から選ばれた数種の金属または非金属元素の添
加物から構成されている。
【0012】強磁性材薄膜層の形成は、主成分となる
鉄、コバルト、ニッケルからなる合金と添加元素からな
る材料あるいはこれらの混合物をターゲット材または蒸
着源として、スパッタリング、蒸着、イオンプレーティ
ングなどの真空プロセスを用いた手段で形成する。強磁
性材としては、コバルトCo−ジルコニウムZr系ある
いは鉄Fe−珪素Si系によるもので代表される。強磁
性材薄膜層の厚みは、500〜5000Åが適切であ
る。当該層の下限値が500Å以下となる理由は、磁性
体層の厚みが薄くなるため、磁性体の絶対量の減少と共
に飽和磁束が減少し、磁気信号が小さくなるためであ
り、真偽判定に用いる磁気信号を得るためには磁性体の
厚みは、500Å以上が必要となるためである。また、
5000Åが上限値となる理由は、他の方法で作製した
磁性体膜(通常は厚さ1μm以上)と明確な区別をつけ
るためであり、これ以上厚くすることは避けることが好
ましいからである。さらに、これ以上の厚さとなる場合
は、膜の内部応力によるカール等でスレッドの特性が悪
くなり、しわ、クラックが発生する場合があるからであ
る。強磁性材薄膜層の生産性および磁気信号の安定性か
ら、好ましい当該層の厚さは、1500〜3000Å
(0.15〜0.3μm)の範囲である。
【0013】このような強磁性材薄膜層は、Hc(保磁
力)、Bm(飽和磁束密度)において特異な特性を示
し、その磁気特性から通常印加の磁界強度とその磁界に
よって磁化される磁性体の磁束密度とは非線形のB−H
特性(ヒステリシス曲線)を有するので、一般の磁性材
料とは明確に区別することができる。本発明に使用する
強磁性材薄膜層はHc(保磁力)が、0.5〜50O
e、Rsq(角型比)が、0.75〜1.0であること
が好ましい。図2は、強磁性材薄膜層のヒステリシス曲
線を示すもので、平滑で凹凸のない基材面では、図2
(A)のように、強磁性材薄膜層15は、保磁力Hcが
小さく、かつ高角型比(0.8〜1.0)のB−Hヒス
テリシス曲線が得られる。一方、凹凸のある基材面で
は、図2(B)のように、飽和磁束密度Bmが減少し低
角型比(0.5以下)のヒステリシス特性が得られる。
なお、角型比Rsqは、 Rsq=Br(残留磁束密度)/Bm(飽和磁束密度) で表される。
【0014】強磁性材薄膜層15と粗化部13あるいは
基材11との間には、光反射層14として非磁性金属膜
を設けることができる。このようにする場合には強磁性
体薄膜の色に影響されることなしに、非磁性金属の光沢
色が反射光として外部から観測されるようになり、外見
上は一般の光輝性スレッドと変わらない偽造防止用スレ
ッドが与えられる。このような光反射層は反射性の非磁
性金属材料が使用され、金、銀、アルミニウム、クロ
ム、ニッケル等が使われる。一般的にはコストとよび技
術上の問題からアルミニウムが好ましく採用され、その
厚さは、100Å〜2000Å程度の厚みに形成できる
が、好ましくは200Å〜1000Å程度の厚みであ
る。
【0015】図3は、偽造防止用スレッドの粗化部の例
を示す図である。前記のように特定の磁気特性を与える
ように組み合わされた構成のパターンを示すものであ
り、粗化部13と粗化部の「無い」部分13nが、磁気
ヘッドの走査方向またはスレッドの長さ方向に対して異
なる読み取り磁気特性を与えるようにされている。図3
(A)では、粗化部の「有る」部分13と「無い」部分
13nとがスレッドの長さ方向に対して交互に繰り返し
形成されている。前記のように、粗化部が有る部分は磁
気信号が弱くなるか消失するので、この粗化部の「有
る」部分を「0」、「無い」部分を「1」とすれば、
0,1,0,1の繰り返し信号が得られることになる。
図3(B)では、粗化部の「有る」部分13と「無い」
部分13nとがスレッドの長さ方向に対して2個、1個
の順で繰り返し形成されている。この粗化部の「有る」
部分を「0」、「無い」部分を「1」とすれば、0,
0,1,0,0,1の繰り返し信号が得られることにな
る。
【0016】接着剤層16aは、偽造防止用スレッド1
0を用紙に抄き込んだ際に、用紙との接着強度を高める
ためのものであり、熱溶解温度60〜80°Cの水可溶
性バインダー等からなる接着剤層を基材11の裏面に設
けることができる。あるいは、接着剤層16bは、強磁
性材層の上面(表面)に設けてもよい。具体的には、水
可溶性である、でんぷん、カゼイン、カルボキシメチル
セルローズ、カルボキシエチルセルローズ等からなる接
着剤を採用することができる。あるいはまた、接着剤層
は、熱溶解温度60〜80°Cのホットメルト型接着剤
であってもよい。その塗布厚みは、数μm以内のもので
あってよい。
【0017】次に、本発明の偽造防止用紙について説明
する。スレッドを窓部に表出するように入れた偽造防止
用紙は、従来のものは例えば基紙に光輝性スレッドや磁
気スレッド等を抄き込んだタイプの用紙であって、基紙
が光輝性スレッドを間欠的に露出する表出部(ウィン
ド)と、該表出部間で光輝性スレッドを間欠的に覆う被
覆部とを備えたものが知られている。この構成の偽造防
止用紙は、多筒式抄紙機の一つの抄き網部上に、スレッ
ドと同じ幅かそれより広幅の小さな凸部を設け、この凸
部の上にスレッドを載せた状態で紙料液を供給すること
によって製造できる。つまり、このようにすれば、凸部
のない位置ではスレッドが紙料液で挟まれるので被覆部
が形成され、凸部の位置ではスレッドが紙料液の下面側
から露出するので表出部が形成される。
【0018】上記の構成のようなウィンド付きスレッド
用紙においては、光輝性スレッド等が表出部において間
欠的に露出しているので、コピーした場合でも金属色が
再現されないことから偽造防止できる。また、偽造品か
どうかを見るために用紙の端面を確認する必要がなく、
しかも、光輝性スレッド等が基紙から剥がれてしまうの
を防止できる。
【0019】図4は、本発明の偽造防止用紙の第1の実
施形態を示す図である。図4(A)はその平面図、図4
(B)は、図4(A)のA−A線における断面を示して
いる。図4のように、本発明の偽造防止用紙20の第1
の実施形態では、基紙21にスレッド10を、1本抄き
込んだ構成であって、基紙21には、スレッド10を間
欠的に露出する複数の表出部26と、各表出部間でスレ
ッド10を間欠的に覆う被覆部27とを備えている。表
出部26はスレッドと同幅でもよいが、それより広幅と
してスレッド10の両サイドを透かし部28となるよう
にすることで、抄造時に発生するスレッドの公差(ブ
レ)を透かし部により吸収することができる。
【0020】ただし、基紙21は、スレッド10の両端
部分がいずれのスレッドに対しても被覆部17として構
成されていることが好ましい。スレッドの端部が露出し
ているとスレッドの剥離が生じるからである。使用する
スレッドの幅は用紙の使用目的にもより特に制限されな
いが、0.2mm〜5mm程度のものが通常使用され
る。
【0021】図5は、本発明の偽造防止用紙の第2の実
施形態を示す図である。図5(A)はその平面図、図5
(B)は、図5(A)のA−A線における断面を示して
いる。図5のように、本発明の偽造防止用紙の第2の実
施形態では、基紙21にスレッド10を複数本抄き込ん
だ構成であって、基紙21は、スレッド10を間欠的に
露出する複数の表出部26と、各表出部間でスレッド1
0を間欠的に覆う被覆部27とを備えていることは第1
の実施形態と同一ある。この第2の実施形態では、表出
部26と被覆部27とが複数本のスレッドに対してスレ
ッド端における用紙の端部からの同一位置において同一
状態に現れている特徴がある。すなわち、紙端からxの
位置においてはスレッド10aに対してもスレッド10
bに対しても共に表出部であり、紙端からyの位置にお
いてはスレッド10aに対してもスレッド10bに対し
ても共に被覆部となっている。
【0022】ただし、基紙21は、スレッド10の両端
部分がいずれのスレッドに対しても被覆部27として構
成されていることが好ましい。スレッドの端部が露出し
ているとスレッドの剥離が生じるからである。使用する
スレッドの幅は用紙の使用目的にもより特に制限されな
いが、0.2mm〜5mm程度のものが通常使用され
る。複数のスレッドの幅は同幅である必要はなく、また
色調、光学特性、発色特性、磁気特性等をそれぞれ変え
ることも任意である。このように、セキュリティ媒体に
2本以上の複数のスレッドを導入することにより、偽造
スレッドを単純に貼り付けるような方法は偽造コストが
増大し、工程が複雑となるため、偽造抑制効果が増大す
る。
【0023】図6は、本発明の偽造防止用紙の第3の実
施形態を示す図である。図6(A)はその平面図、図6
(B)は、図6(A)のA−A線における断面を示して
いる。図6のように、本発明の偽造防止用紙の第3の実
施形態では、基紙21にスレッド10を複数本抄き込ん
だ構成であって、基紙21は、スレッド10を間欠的に
露出する複数の表出部26と、各表出部間でスレッド1
0を間欠的に覆う被覆部27とを備えていることは第1
の実施形態と同一ある。この第3の実施形態では、表出
部26と被覆部27とが複数本のスレッドのうちの少な
くとも隣接する2本のスレッド間において、スレッド端
における用紙の端部からの同一位置において異なる状態
に現れている特徴がある。すなわち、紙端からxの位置
においてはスレッド10aに対しては表出部、スレッド
10bに対しては被覆部となっている。ただし、基紙2
1は、スレッド10の両端部分が被覆部27として構成
されていることが好ましいのは第1の実施形態と同一で
あり、以下の実施形態においても同様である。このよう
に、表出部をいわゆる千鳥状に設ける場合は、用紙を積
み重ねた場合のスレッド部の盛り上がりを低減すること
ができ、印刷加工を容易にし、巻き取り用紙の取扱い時
における巻崩れを防止することができる。
【0024】次に、本発明の偽造防止用紙の製造状態を
説明する。図7は、スレッド入り偽造防止用紙を抄き込
む状態を示す図である。図7(A)はスレッドに平行な
断面、図7(B)は、図7(A)においてスレッドに直
角なC−C線における断面、図7(C)は、同様D−D
線における断面を示している。図示のように、このスレ
ッド入り偽造防止用紙20は、スレッド10と同幅ある
いはそれよりも広幅のすき網部の凸部29aを抄紙機の
すき網部29に適宜な間隔で設け、この凸部29aの上
にスレッド10を載せた状態で紙料液22aを供給する
ことによって製造できる。つまり、このようにすれば、
凸部29aと凸部29aの間の位置ではスレッド10が
紙料液22aで挟まれるので被覆部27が形成され、凸
部29aの位置ではスレッド10が最下面となるので、
抄紙機のすき網から用紙を剥離した際には、スレッドが
表面に現れて表出部26が形成される。
【0025】すき網部の凸部29aを図7(D)のよう
に、スレッド10と同幅にする場合はスレッド10の両
側に透かし部28が入らないことになる。また、スレッ
ドをまたぐような広幅とする場合は、透かし部が入り装
飾的効果を高め、前記のようにスレッドのブレを吸収す
ることができる。また、スレッドの周辺に透かし模様2
5を設ける場合は、凸部29aと同様にすき網部に模様
状の凸部を形成すれば良い。
【0026】
〔インキ組成〕
バインダー;塩酢ビ/ウレタン系樹脂 100重量部 粒状物 ;マイクロシリカ(粒径5.5μm) 10重量部
【0027】続いて、この粗化部上および粗化部のない
基材表面上に、Alによる蒸着膜を厚み、300Åに形
成してから、同様に鉄Fe−珪素Si系からなる強磁性
材薄膜層15をスパッタリング法で、膜厚0.2μmに
なるように成膜した。また、基材フィルムの裏面に、塩
酢ビ系接着剤を1μmの厚みに塗布した後、スリッタ機
を使用して、粗化部のストライプに直交するように幅2
mmにスリッタして、本発明の偽造防止用スレッドを完
成した。
【0028】このスレッドの磁気特性を測定した結果、
粗面化インキによる粗化部の無い平滑部13nでの角型
比は0.9であった。また、粗化部13での角型比は
0.2であった。測定は、VSM(試料振動型磁束計)
の直流磁場による計測であるが、交流磁場によるB−H
アナライザーによる計測でも同じ結果となった。
【0029】<偽造防止用紙の抄造>上記で製造した偽
造防止用スレッド10の2本が、図4のように偽造防止
用紙に現れるように、表出部26がピッチ10mm×幅
10mm、被覆部27がピッチ10mmで繰り返される
抄き網パターンの抄紙機で、90kg/四六版の上質紙
に抄造した。なお、被覆部27の上部の紙料が35g/
2 、被覆部の下部の紙料が69g/m2 となるように
抄き網部の凸部の高さを調整した。このようにして完成
した偽造防止用紙20は、磁気ヘッドで読み取った場
合、スレッドの長さ方向に対して、粗化部の「有る」部
分が「0」、粗化部の「無い」部分が「1」として、
0,1,0,1,の繰り返し信号が得られた。
【0030】
【発明の効果】本発明の偽造防止用スレッドは、基材上
に粗面化インキによる粗化部を形成して、当該粗化部上
および粗化部でない基材上に強磁性体薄膜層が形成され
ているので特有の磁気特性を与えることができ、通常の
磁気スレッドや光輝性スレッドでは得られない偽造防止
効果を有する。また、本発明の偽造防止用紙は、基紙に
このような偽造防止用スレッドを抄き込んであるので、
複製が困難であり商品券やその他の有価証券等の信頼性
を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の偽造防止用スレッドの一実施形態を
示す断面図である。
【図2】 強磁性材薄膜層のヒステリシス曲線を示すも
のである。
【図3】 偽造防止用スレッドの粗化部の例を示す図で
ある。
【図4】 本発明の偽造防止用紙の第1の実施形態を示
す図である。
【図5】 本発明の偽造防止用紙の第2の実施形態を示
す図である。
【図6】 本発明の偽造防止用紙の第3の実施形態を示
す図である。
【図7】 スレッド入り偽造防止用紙を抄き込む状態を
示す図である。
【符号の説明】
10 偽造防止用スレッド 11 基材 13 粗化部 14 光反射層 15 強磁性材薄膜層 16a,16b 接着剤層 20 偽造防止用紙 21 基紙 22a 紙料液 26 表出部 27 被覆部 28 透かし部 29 すき網部 29a すき網部の凸部
【手続補正書】
【提出日】平成12年7月3日(2000.7.3)
【手続補正1】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図1
【補正方法】変更
【補正内容】
【図1】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 羽音 大作 東京都新宿区市谷加賀町一丁目1番1号 大日本印刷株式会社内 Fターム(参考) 2C005 HA01 HB10 HB11 HB13 JB11 JB23 JB28 KA15 KA37 KA48 LB18 4L055 AG03 AG47 AH37 AJ05 AJ10 BE08 BE20 GA40 GA45 5D006 BB01 CA01 CA05 CA06 DA01 DA04 FA00 5E049 AA01 AA04 AA09 BA11 BA30 CC05

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 偽造防止用紙に抄き込んで使用するため
    のスレッドであって、樹脂フィルムからなる基材上に粗
    面化インキによる粗化部が設けられ、当該樹脂フィルム
    基材上および粗化部上に被着された強磁性材薄膜層をさ
    らに備えることを特徴とする偽造防止用スレッド。
  2. 【請求項2】 粗化部の有る部分と無い部分とが一定の
    読み出し信号を与えるように組み合わされた構成とされ
    ていることを特徴とする請求項1記載の偽造防止用スレ
    ッド。
  3. 【請求項3】 強磁性材薄膜層と粗化部および基材との
    間に光反射層を備えていることを特徴とする請求項1お
    よび請求項2記載の偽造防止用スレッド。
  4. 【請求項4】 基材の粗化部が形成される面とは反対側
    の面に接着剤層が設けられていることを特徴とする請求
    項1から請求項3記載の偽造防止用スレッド。
  5. 【請求項5】 強磁性材薄膜層上に接着剤層が設けられ
    ていることを特徴とする請求項1から請求項4記載の偽
    造防止用スレッド。
  6. 【請求項6】 基紙に請求項1から請求項5記載の偽造
    防止用スレッドを抄き込んで設けた偽造防止用紙であっ
    て、上記基紙は、該スレッドを間欠的に露出する表出部
    と該表出部間であって該スレッドを間欠的に覆う被覆部
    とを備えていることを特徴とする偽造防止用紙。
  7. 【請求項7】 表出部と被覆部が複数列設けられ、複数
    本の偽造防止用スレッドを抄き込んだことを特徴とする
    請求項6記載の偽造防止用紙。
JP18022299A 1999-06-25 1999-06-25 偽造防止用スレッドとそれを用いた偽造防止用紙 Expired - Fee Related JP4334681B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP18022299A JP4334681B2 (ja) 1999-06-25 1999-06-25 偽造防止用スレッドとそれを用いた偽造防止用紙

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP18022299A JP4334681B2 (ja) 1999-06-25 1999-06-25 偽造防止用スレッドとそれを用いた偽造防止用紙

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2001011793A true JP2001011793A (ja) 2001-01-16
JP4334681B2 JP4334681B2 (ja) 2009-09-30

Family

ID=16079540

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP18022299A Expired - Fee Related JP4334681B2 (ja) 1999-06-25 1999-06-25 偽造防止用スレッドとそれを用いた偽造防止用紙

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4334681B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001283429A (ja) * 2000-01-28 2001-10-12 Dainippon Printing Co Ltd 磁気情報転写箔およびそれを用いた磁気情報形成方法

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001283429A (ja) * 2000-01-28 2001-10-12 Dainippon Printing Co Ltd 磁気情報転写箔およびそれを用いた磁気情報形成方法
JP4514904B2 (ja) * 2000-01-28 2010-07-28 大日本印刷株式会社 磁気情報転写箔およびそれを用いた磁気情報形成方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP4334681B2 (ja) 2009-09-30

Similar Documents

Publication Publication Date Title
PL185817B1 (pl) Zabezpieczony dokument, element zabezpieczający iZabezpieczony dokument, element zabezpieczający isposób wytwarzania zabezpieczonego dokumentu i elesposób wytwarzania zabezpieczonego dokumentu i elementu zabezpieczającegomentu zabezpieczającego
JP4268258B2 (ja) 偽造防止用紙
US7703810B2 (en) Security device
JP5140994B2 (ja) 偽造防止材及びこれを備えた印刷基材
JP2001011794A (ja) 偽造防止用スレッドとそれを用いた偽造防止用紙
JP4390914B2 (ja) 偽造防止用スレッドとそれを用いた偽造防止用紙
JP4390913B2 (ja) 偽造防止用スレッドとそれを用いた偽造防止用紙
JP2001032192A (ja) 偽造防止用スレッドとそれを用いた偽造防止用紙
JP4249553B2 (ja) 偽造防止用紙と偽造防止用感熱紙、スレッド素子
JP2001011793A (ja) 偽造防止用スレッドとそれを用いた偽造防止用紙
JP2001331770A (ja) 磁気情報転写箔およびそれを用いた磁気情報形成方法
JP4508674B2 (ja) 磁性体入り用紙とその読取り方法
JP3967137B2 (ja) 偽造防止用スレッドとそれを用いた偽造防止用紙
JPH11286194A (ja) 回折格子パターンを有する有価証券印刷物
JP4034605B2 (ja) 偽造防止用スレッド、それを用いた偽造防止用紙および真偽判定方法
JP4043811B2 (ja) 情報記録用紙と情報記録用紙の利用方法
JP4686042B2 (ja) 偽造防止用磁気転写箔
JP4508675B2 (ja) 磁性体入り用紙の読み取り方法
JP3876746B2 (ja) 偽造防止用紙
JP2004053870A (ja) 偽造防止用スレッドと偽造防止用紙
JP4480105B2 (ja) 偽造防止感熱紙と偽造防止券紙
JP2003103972A (ja) 偽造防止用紙
JP4514904B2 (ja) 磁気情報転写箔およびそれを用いた磁気情報形成方法
JPH07243139A (ja) 偽造防止用スリット糸
EP3871898B1 (en) Optical display body, pair of pages, product, printed product, passport, card, bill, label, tag, and ticket

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060525

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20081022

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20081028

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20081212

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090402

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090528

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20090623

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20090624

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120703

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120703

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130703

Year of fee payment: 4

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees