JP2001011266A - 難燃性樹脂組成物 - Google Patents

難燃性樹脂組成物

Info

Publication number
JP2001011266A
JP2001011266A JP11178489A JP17848999A JP2001011266A JP 2001011266 A JP2001011266 A JP 2001011266A JP 11178489 A JP11178489 A JP 11178489A JP 17848999 A JP17848999 A JP 17848999A JP 2001011266 A JP2001011266 A JP 2001011266A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
resin
component
weight
flame
styrene
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP11178489A
Other languages
English (en)
Inventor
Toshihiro Tai
利弘 田井
Takayuki Asano
隆幸 浅野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Daicel Corp
Original Assignee
Daicel Chemical Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Daicel Chemical Industries Ltd filed Critical Daicel Chemical Industries Ltd
Priority to JP11178489A priority Critical patent/JP2001011266A/ja
Publication of JP2001011266A publication Critical patent/JP2001011266A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 難燃性及び耐衝撃性が優れた難燃性樹脂組成
物を得る。 【解決手段】 (A)スチレン系樹脂、(B)ポリアミ
ド系樹脂、(C)カルボキシル基含有ゴム強化スチレン
系樹脂及び(D)赤燐系難燃剤を含む難燃性樹脂組成
物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、難燃性及び耐衝撃
性に優れた非ハロゲン系の難燃性樹脂組成物及びその成
形品に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】ABS
樹脂に代表されるスチレン系樹脂は、成形性、寸法安定
性に優れることに加え、耐衝撃性、剛性、電気絶縁性に
優れていることから、家電部品、OA機器部品を始めと
する多岐の分野で使用され、最近では安全上の問題から
難燃性の要求も高まってきている。
【0003】難燃性を付与するために種々の難燃剤が使
用されているが、焼却時における安全性等を考慮して、
非ハロゲン系難燃剤に替えて水酸化アルミニウム、水酸
化マグネシウム等の水和金属化合物を添加する方法が知
られている。しかし、水和金属化合物単体で十分な難燃
性を得るには多量に添加する必要があり、樹脂本来の特
性が失われるという欠点を有していた。
【0004】一方、このような水和金属化合物を用いな
い方法として、(i)熱可塑性樹脂にフェノール・アルデ
ヒド樹脂、有機窒素化合物、有機リン化合物を配合して
なる難燃性樹脂組成物(米国特許第4,632,946
号明細書)、(ii)ビニル芳香族化合物、ポリフェニレン
エーテル、有機リン化合物、トリアジン及び/又はその
誘導体より選ばれる含窒素化合物によりなる難燃性樹脂
組成物(特開昭54−38348号公報、特開昭54−
38439号公報、欧州特許第311,109号明細
書)が開示されている。しかし、樹脂組成物(i)には多
種多量の添加剤が含まれ、樹脂本来の特性が損なわれ
る。また、樹脂組成物(ii)は、いずれもハロゲン化合物
を必要とする結果、樹脂組成物の熱変形温度が著しく低
下してしまう。
【0005】また、特開昭63−161056号公報に
は、ポリテトラメチレンアジパミド(ナイロン46)、
難燃剤及び官能基(カルボキシル基等)変性スチレン系
樹脂からなる組成物が開示されている。この先行技術に
は、難燃剤としてハロゲン化エポキシオリゴマー、ハロ
ゲン化ポリスチレン、ハロゲン化フェニレンエーテル等
のハロゲン化物、リン系難燃剤、グアナミン化合物等を
使用しても良いことが記載されている。しかし、ポリア
ミド及びスチレン系樹脂は、その構造が限定されてお
り、一般的な樹脂に対して高い難燃性を付与できない。
【0006】本発明の目的は、難燃剤としてハロゲン系
化合物を使用することなく、優れた難燃性や耐衝撃性を
付与できる樹脂組成物及びそれから得られる成形品を提
供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、(A)スチレ
ン系樹脂、(B)ポリアミド系樹脂、(C)カルボキシ
ル基含有ゴム強化スチレン系樹脂及び(D)赤燐系難燃
剤を含む難燃性樹脂組成物及びそれから得られる成形品
を提供する。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明で用いる(A)成分のスチ
レン系樹脂は、芳香族ビニル化合物の単独又は共重合体
が使用できる。芳香族ビニル化合物としては、スチレ
ン、スチレン誘導体、(例えば、o−又はp−メチルス
チレン等のビニルトルエン類、p−エチルスチレン、p
−イソプロピルスチレン、ブチルスチレン、p−t−ブ
チルスチレン、2,4−ジメチルスチレン等のビニルキシ
レン類等のアルキル置換スチレン類、α−メチルスチレ
ン、α−メチル−p−メチルスチレン等のα−アルキル
置換スチレン等)、ビニルキシレン、ナフタレン誘導体
(例えば、ビニルナフタレン等)等から選ばれる1種以
上が挙げられ、これらの中でもスチレン、ビニルトルエ
ン及びα−メチルスチレンが好ましい。また、ポリスチ
レンと他の芳香族ビニル化合物との共重合体にした場
合、スチレン単位含有量が50重量%以上であることが
好ましい。
【0009】また、(A)成分には、芳香族ビニル化合
物と共重合可能な単量体との共重合体も含まれる。前記
共重合可能な単量体としては、マレイミド系単量体〔例
えば、マレイミド、N−アルキルマレイミド(N−メチ
ルマレイミド、N−エチルマレイミド、N−ブチルマレ
イミド等のN−C14アルキルマレイミド)、シクロア
ルキルマレイミド(N−シクロヘキシルマレイミド等の
N−C312シクロアルキルマレイミド)、N−アリー
ルマレイミド(N−フェニルマレイミド等のC620
レイミド等)〕、(メタ)アクリロニトリル等のビニル
シアン化合物、(メタ)アクリル酸アルキルエステル
〔例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メ
タ)アクリレート、プロピレン(メタ)アクリレート、
ブチル(メタ)アクリレートt−ブチル(メタ)アクリ
レート等のC16アルキル(メタ)アクリレート等〕、
ビニルエステル系単量体〔例えば、酢酸ビニル等〕、カ
ルボキシル基含有単量体〔例えば、(メタ)アクリル
酸、フマル酸、無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水
シトラコン酸等の不飽和酸無水物等〕が挙げられる。
【0010】(A)成分を芳香族ビニル化合物と他の単
量体との共重合体にした場合、共重合体中における芳香
族ビニル化合物単位の含有量は、50重量%以上が好ま
しく、70重量%以上がより好ましい。
【0011】(A)成分は、芳香族ビニル化合物を含む
単量体(特に、スチレン、ビニルトルエン及びα−メチ
ルスチレンから選択された少なくとも1種のスチレン誘
導体と、(メタ)アクリロニトリルとを含む単量体)
と、ゴム成分の共重合体にすることができる。ゴム成分
としては、ブタジエンゴム、イソプレンゴム等のジエン
ゴムスチレン−ブタジエンゴム、スチレン−イソプレン
ゴム等のスチレン−ジエン共重合ゴム、エチレン−酢酸
ビニル共重合体、アクリルゴム、エチレン−プロピレン
ゴム(EPDM)等から選ばれる1種以上が挙げられ、
これらの中でもブタジエン、イソプレン、2−クロロ−
1,3−ブタジエン、1−クロロ−1,3−ブタジエン等の共
役1,3−ジエンゴム又はその誘導体等のジエン系ゴムが
好ましく、ブタジエン系ゴムがより好ましい。ゴム成分
の重量平均分子量は、1×104〜2×106程度であ
り、好ましくは5×104〜1×106、より好ましくは
1×105〜5×105である。(A)成分中のゴム成分
の含有量は、好ましくは1〜60重量%、より好ましく
は3〜50重量%、さらに好ましくは10〜50重量%
である。
【0012】(A)成分としては、ポリスチレン、AS
樹脂、MS樹脂、HIPS、ABS樹脂、AES樹脂、
AAS樹脂等から選ばれる1種以上が挙げられ、これら
の中でもポリスチレン、ABS樹脂、HIPS等が好ま
しい。(A)成分の重量平均分子量は、1×104〜2
×106程度であり、好ましくは5×104〜5×1
、より好ましくは1.5×10〜3×105であ
る。
【0013】本発明で用いる(B)成分のポリアミド系
樹脂は、ジアミンとジカルボン酸とから誘導されるポリ
アミド、アミノカルボン酸又はラクタムと、必要に応じ
てジアミン及び/又はジカルボン酸とを併用して得られ
るポリアミドが含まれる。また、少なくとも2種の異な
ったポリアミド形成成分により形成されるコポリアミド
及び上記ポリアミドの混合物も含まれる。
【0014】ジアミンとしては、エチレンジアミン、ト
リメチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ペンタ
メチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、デカメチ
レンジアミン、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジア
ミン、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジアミン等の
脂肪族ジアミン;1,3−又は1,4−ビス(アミノメチル)
シクロヘキサン、ビス(p−アミノシクロヘキサン)メ
タン等の脂環族ジアミン;フェニレンジアミン、m−又
はp−キシリレンジアミン等の芳香族ジアミン等から選
ばれる1種以上が挙げられ、これらの中でも脂肪族ジア
ミンが好ましい。
【0015】ジカルボン酸としては、グルタル酸、アジ
ピン酸、ピメリン酸、スペリン酸、アゼライン酸、セバ
シン酸、オクタデカン二酸等のC420脂肪族ジカルボ
ン酸;シクロヘキサンジカルボン酸等の脂環式ジカルボ
ン酸等の芳香族ジカルボン酸;フタル酸、無水フタル
酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレンカルボン
酸等の芳香族ジカルボン酸;リノレン酸の二量体等の二
量体化脂肪酸等から選ばれる1種以上が挙げられ、これ
らの中でも脂肪族ジカルボン酸が好ましい。
【0016】アミノカルボン酸としては、6−アミノカ
プロン酸、アミノナン酸、1,1−アミノウンデカン酸、
1,2−アミノデカ酸等のC420アミノカルボン酸等から
選ばれる1種以上が挙げられる。
【0017】ラクタムとしては、ブチロラクタム、ヒバ
ロラクタム、ε−カプロラクタム、カプリルラクタム、
エナントラクタム、ウンデカノラクタム、ω−ドデカラ
クタム等のC420ラクタム等から選ばれる1種以上が
挙げられる。
【0018】(B)成分としては、ナイロン6(ポリカ
プロアミド)、ナイロン66(ポリヘキサメチレンジア
ミパミド)、ナイロン12(ポリドデカアミド)、ナイ
ロン610(ポリヘキサメチレンセバカミド)、ナイロ
ン46、ナイロン610、ナイロン612、ナイロン1
1、ナイロン12等の脂肪族ポリアミド、芳香族ジカル
ボン酸(例えば、テレフタル酸)と脂肪族ジアミン(例
えば、ヘキサメチレンジアミン)とから得られるポリア
ミド、芳香族ジカルボン酸(例えば、テレフタル酸)と
脂肪族ジアミン(例えば、ヘキサメチレンジアミン)と
から得られるポリアミドが挙げられる。これらの中でも
(B)成分としては、工業的に安価かつ大量に製造され
ているナイロン6、ナイロン66、ナイロン12、ナイ
ロン610、ナイロン46等の脂肪族ポリアミド及びこ
れらの共重合体(特に、ナイロン6単位を主成分として
含むコポリアミド)又は混合物が好ましい。
【0019】(B)成分の重合度(分子量)は特に制限
されず、通常、相対粘度(ポリマー1gを98%H2
4 100mlに溶解し、25℃で測定)が、1.8〜
6.0、好ましくは2〜5程度のポリアミドを用いるこ
とができる。重合度が上記範囲のポリアミドを使用する
と、耐衝撃性と成形加工性のバランスの優れた組成物を
得ることができる。ポリアミド系樹脂の分子構造につい
ても特に制限されず、線状ポリアミド、分岐ポリアミド
のいずれでもよい。
【0020】本発明で用いる(C)成分のカルボキシル
基含有ゴム強化スチレン系樹脂は、ゴム成分の存在下
に、芳香族ビニル単量体とカルボキシル基含有不飽和化
合物、必要に応じて、これらと共重合可能な単量体とを
重合して得られる共重合体(特に、グラフト共重合体)
及びこれらの混合物が含まれる。なお、(C)成分を構
成するゴム成分又はスチレン系樹脂のうち、少なくとも
一方がカルボキシル基を有していればよい。
【0021】芳香族ビニル単量体及びそれと共重合可能
な単量体としては、(A)成分と同じものを使用するこ
とができる。
【0022】カルボキシル基含有不飽和化合物として
は、(メタ)アクリル酸、フマル酸、無水マレイン酸、
無水イタコン酸、無水シトラコン酸等の不飽和酸無水物
等のカルボキシル基含有化合物が挙げられ、これらの中
でも、(メタ)アクリル酸、マレイン酸、無水マレイン
酸が好ましい。
【0023】(C)成分中のカルボキシル基含有不飽和
化合物の含有量は、好ましくは0.1〜10重量%、よ
り好ましくは0.1〜8重量%、さらに好ましくは0.
2〜7重量%である。(C)成分中のゴム成分の含有量
は、好ましくは1〜60重量%、より好ましくは3〜5
0重量%、さらに好ましくは10〜50重量%である。
【0024】(C)成分としては、例えば、下記の各態
様のものを使用することができる。 (1)カルボキシル基含有不飽和化合物を共重合したゴム
存在下に、少なくとも芳香族ビニル単量体を含む単量体
(又は芳香族ビニル単量体とカルボキシル基含有不飽和
化合物とを含む単量体)を重合して得られたグラフト共
重合体。 (2)ゴム成分の存在下に、芳香族ビニル単量体とカルボ
キシル基含有不飽和化合物とを共重合して得られたグラ
フト共重合体。 (3)カルボキシル基含有不飽和化合物が共重合されてい
ないゴム強化スチレン系樹脂と、カルボキシル基含有ス
チレン系樹脂(例えば、カルボキシル基含有不飽和化合
物と芳香族ビニル単量体とを含む単量体の共重合体)と
の混合物。 (4)上記グラフト共重合体(1)、(2)と、カルボキシル基
含有スチレン系樹脂(例えば、カルボキシル基含有不飽
和化合物と芳香族ビニル単量体を含む共重合体)との混
合物。 (5)上記グラフト共重合体(1)及び(2)、樹脂混合物(3)及
び(4)から選択された少なくとも1種と、スチレン系樹
脂(例えば、芳香族ビニル単量体を含む共重合体)との
混合物。 なお、このような樹脂混合物において、グラフト重合に
より、カルボキシル基含有スチレン系樹脂又はスチレン
系樹脂が、マトリックスとして生成してもよい。
【0025】(C)成分としては、(メタ)アクリル
酸、マレイン酸及びフマル酸から選ばれる1種以上で変
性されたものがより好ましく、カルボキシル基含有AB
S樹脂、メタクリル酸変性ABS樹脂がさらに好まし
い。
【0026】(A)、(B)及び(C)成分の含有量
は、下記のとおりである。(B)成分の含有量は、
(A)、(B)及び(C)成分の合計量中、好ましくは
10〜90重量%、より好ましくは20〜80重量%、
さらに好ましくは35〜70重量%、特に好ましくは4
0〜70重量%である。(A)成分と(B)成分の割合
[(A)/(B)(重量比)]は、好ましくは5/95〜
80/20、より好ましくは30/70〜80/20、
さらに好ましくは30/70〜70/30である。
(A)成分と(C)成分の割合[(A)/(C)(重量
比)]は、好ましくは20/80〜80/20、より好
ましくは30/70〜70/30、さらに好ましくは4
0/60〜60/40である。
【0027】本発明で用いる(D)成分の赤燐系難燃剤
は、赤燐又は燐を含む化合物を挙げることができる。赤
燐は、黄リンを転化した後に粉砕したもの、転化前に黄
リンの状態で細かく分けて転化したもの等を使用でき、
表面が未処理のものや経時変化により黒リンを含有して
いるものも使用できる。燐を含む化合物は、10重量%
以上の燐を含むものが好ましい。
【0028】(D)成分は、安全性等を考慮すると、ポ
リアミド、スチレン系樹脂、ポリアミド及びスチレン系
樹脂の混合物、ポリアミド、スチレン系樹脂及びカルボ
キシル基含有ゴム強化スチレン系樹脂の混合物から選ば
れる1種以上のベース樹脂でマスターバッチ化されてい
るものが好ましい。
【0029】(D)成分の含有量は、(A)、(B)及
び(C)成分の合計量100重量部に対して、燐含量と
して、好ましくは3〜30重量部、より好ましくは5〜
20重量部、さらに好ましくは5〜15重量部である。
【0030】本発明の難燃性樹脂組成物には、難燃助剤
及び機械的性質の向上のため、さらに(E)成分として
無機充填剤を配合することができ、(E)成分の配合に
より(D)成分の配合量を減少させることもできる。
(E)成分は、繊維状(短繊維又は長繊維)、フレーク
状、板状、ウィスカー、粒状等の形状のものを用いるこ
とができ、例えば繊維状のものの場合には、補強効果、
作業性及び成形性等を考慮すると、長さが0.5〜20
mm程度で、直径が5〜20μm程度のものが好まし
い。(E)成分の材質は、ガラス、炭素、ケイ酸塩(例
えば、タルク、シリカ、カオリン、マイカ等)、炭酸塩
(例えば、炭酸カルシウム、塩基性炭酸マグネシウム、
塩基性炭酸亜鉛等)、硫酸塩(例えば、硫酸カルシウ
ム、硫酸マグネシウム等)、金属酸化物(例えば、酸化
鉄、酸化チタン、酸化亜鉛)、アルカリ金属酸化物、水
酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム等のアルカリ土
類金属の水和物等から選ばれる1種以上が挙げられ、こ
れらの中でもガラス繊維と水酸化マグネシウムを併用す
ることが好ましい。
【0031】(E)成分の表面は、(A)成分との接着
性を向上させるため、シラン、エポキシ樹脂、アクリル
樹脂、チタン酸塩等のカップリング剤で処理してもよ
い。
【0032】(E)成分の含有量は、(A)、(B)及
び(C)成分の合計量100重量部に対して、好ましく
は0.1〜200重量部、より好ましくは0.1〜60
重量部、さらに好ましくは1〜30重量部である。ま
た、ガラス繊維と水酸化マグネシウムを併用する場合
は、(A)、(B)及び(C)成分の合計量100重量
部に対して、ガラス繊維が10〜110重量部で、水酸
化マグネシウムが5〜30重量部が好ましい。
【0033】本発明の難燃性樹脂組成物は、さらに難燃
剤(例えば、窒素含有難燃剤、硫黄含有難燃剤、ケイ素
含有難燃剤、アルコール系難燃剤、無機系難燃剤等)を
配合できる。配合量は、(A)、(B)及び(C)成分
の合計量100重量部に対して、好ましくは1〜50重
量部、より好ましくは5〜40重量部、さらに好ましく
は10〜30重量部である。
【0034】また、本発明の難燃性樹脂組成物は、ドリ
ッピング防止のため、フッ素含有樹脂を配合できる。フ
ッ素含有樹脂としては、ポリテトラフルオロエチレン、
ポリフッ化ビニリデン、テトラフルオロエチレン−ヘキ
サフルオロプロピレン共重合体等が挙げられる。これら
のフッ素含有樹脂のフッ素含有量は、好ましくは65〜
76重量%、より好ましくは70〜76重量%である。
また、フッ素含有樹脂の密度は、1.2〜2.3g/cm3
程度が好ましい。フッ素含有樹脂は、通常、粉粒状で使
用され、平均粒径は、好ましくは0.05〜100μ
m、より好ましくは0.05〜100μm、さらに好ま
しくは0.08〜20μmである。
【0035】フッ素含有樹脂の配合量は、(A)、
(B)及び(C)成分の合計量100重量部に対して、
好ましくは0.1〜10重量部、より好ましくは0.1
〜5重量部、さらに好ましくは0.5〜5重量部であ
る。
【0036】本発明の樹脂組成物は、慣用の添加剤、酸
化防止剤(例えば、フェノール系酸化防止剤、リン系酸
化防止剤、イオウ系酸化防止剤等)、紫外線吸収剤、耐
光安定剤等の安定剤、可塑剤、帯電防止剤、滑剤、耐衝
撃改良剤、補強剤、着色剤、色相改良剤等を配合でき
る。
【0037】本発明の成形品は、難燃性樹脂組成物を押
出成形、射出成形等の種々の成形法により成形して得る
ことができ、必要に応じて、電気めっき、無電解めっ
き、溶融めっき、衝撃めっき、真空めっき、化学蒸着等
の公知の金属めっき法により成形品の表面を金属めっき
することができる。このようにして得られた成形品は、
高い難燃性を有するため、家電やOA機器部品等に有用
である。
【0038】
【実施例】以下実施例に基づいて本発明をより詳細に説
明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるも
のではない。実施例及び比較例では、下記の各成分を用
いた。
【0039】(A)成分:ABS樹脂(スチレン量45
重量%、アクリロニトリル量15重量%、ゴム量40重
量%) (B)成分:ナイロン6(ユニチカ製 ユニチカナイロ
ンA1030BRL) (C)成分:メタクリル酸変性ABS樹脂(スチレン量
48重量%、アクリロニトリル量12重量%、ゴム量4
0重量%、メタクリル酸量3重量%) (D)成分:赤燐含有マスターバッチ(ナイロン6マス
ターバッチ、ナイロン6含有量70重量%,赤燐含有量
30重量%) (D’)赤燐15重量%含有ABSマスターバッチ(A
BS含有量85重量%)(E−1)成分:ガラス繊維
(日本板硝子製) (E−2)成分:水酸化マグネシウム(協和化学製 キ
スマ5E) (他の成分):フェノール系酸化防止剤(日本チバガイ
ギー製 イルガノックス1010)硫黄系酸化防止剤
(住友化学製 スミライザーTPS)。
【0040】以下において行った各試験方法は、下記の
とおりである。 実施例1〜3、比較例1〜5 表1に示す組成[(A)、(B)、(C)は重量%表
示、他の成分は(A)、(B)、(C)の合計量100
重量部に対する重量部表示]の各成分を配合し、押出機
にて溶融混錬し、ペレット状の樹脂組成物を得た。な
お、表1の配合量において、(D)成分の赤燐マスター
バッチに含まれるナイロン6は、(B)成分の量として
表示した。また、(D)成分の赤燐の配合量は、赤燐マ
スターバッチに含まれている赤燐自体の配合量である。
さらに、比較例1は、(D’)成分の赤燐マスターバッ
チ中のABS樹脂を100重量%として表示し、赤燐の
量をABS樹脂100重量部に対する配合量に換算して
表示した。
【0041】次に、射出成形機(シリンダー温度250
℃、金型温度60℃)を用い、前記ペレット状樹脂組成
物から、難燃試験用に厚み1/8インチの試験片、アイ
ゾット試験用にノッチ付きの1/4インチの試験片を作
成した。難燃試験は、米国UL規格に指定されている垂
直燃焼性試験(94V−0)に準拠して行った。アイゾ
ット衝撃試験はASTM D 256に準拠し、23℃
にて測定した。また、飽和吸水率(%)は、ASTM
D575−59aTに基づいて長時間浸漬試験を行い評
価し、耐熱性(HDT)は、厚さ1/4インチの射出成
形片に対して、ASTM D648−82に基づいて荷
重たわみ試験(1.82MPa)を行い評価した。各試
験結果を表に示す。
【0042】
【表1】
【0043】
【発明の効果】本発明の難燃性樹脂組成物から得られた
成形品は、難燃性及び耐衝撃性が優れており、さらにハ
ロゲン系化合物を含有していないので、特に燃焼時にお
ける安全性も高い。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4J002 BC01X BC03X BC04X BC06X BC07X BC08X BC09X BN06X BN07X BN12X BN14X BN14Y BN15X CL01W CL03W CL05W DA056 FB266 FD010 FD136 GQ00

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)スチレン系樹脂、(B)ポリアミ
    ド系樹脂、(C)カルボキシル基含有ゴム強化スチレン
    系樹脂及び(D)赤燐系難燃剤を含む難燃性樹脂組成
    物。
  2. 【請求項2】 (C)成分が、(メタ)アクリル酸、マ
    レイン酸及びフマル酸から選択された1種以上で変性さ
    れたものである請求項1記載の難燃性樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 (C)成分が、カルボキシル基含有AB
    S樹脂である請求項1記載の難燃性樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 (C)成分が、メタクリル酸変性ABS
    樹脂である請求項1記載の難燃性樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 (D)成分が、ポリアミド、スチレン系
    樹脂、ポリアミド及びスチレン系樹脂の混合物、ポリア
    ミド、スチレン系樹脂及びカルボキシル基含有ゴム強化
    スチレン系樹脂の混合物から選ばれる1種以上のベース
    樹脂でマスターバッチ化されている請求項1〜4のいず
    れか1記載の難燃性樹脂組成物。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5のいずれか1記載の難燃性
    樹脂組成物からなる成形品。
  7. 【請求項7】 金属めっきされている請求項6記載の成
    形品。
JP11178489A 1999-04-30 1999-06-24 難燃性樹脂組成物 Pending JP2001011266A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11178489A JP2001011266A (ja) 1999-04-30 1999-06-24 難燃性樹脂組成物

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11-123374 1999-04-30
JP12337499 1999-04-30
JP11178489A JP2001011266A (ja) 1999-04-30 1999-06-24 難燃性樹脂組成物

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001011266A true JP2001011266A (ja) 2001-01-16

Family

ID=26460325

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP11178489A Pending JP2001011266A (ja) 1999-04-30 1999-06-24 難燃性樹脂組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2001011266A (ja)

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006131821A (ja) * 2004-11-09 2006-05-25 Daicel Polymer Ltd 金属蒸着用樹脂組成物、金属蒸着成形品及び金属蒸着成形品の製造方法
JP2007162016A (ja) * 2005-11-21 2007-06-28 Mitsubishi Rayon Co Ltd 共重合体の製造方法、熱可塑性樹脂組成物及び成形体
JP2009108130A (ja) * 2007-10-26 2009-05-21 Daicel Polymer Ltd 押出成形機加工用の樹脂組成物とその成形加工方法
CN102153829A (zh) * 2011-01-04 2011-08-17 合肥美的荣事达电冰箱有限公司 高抗冲聚苯乙烯用增韧色母粒、复合板材和制冷设备内胆
JP2014132070A (ja) * 2012-12-04 2014-07-17 Nippon A&L Inc 消臭性能を有する熱可塑性樹脂組成物及び成形体
CN104479349A (zh) * 2014-12-18 2015-04-01 陈梓煜 一种用于3d打印的阻燃复合材料及其制备方法
CN104725757A (zh) * 2011-01-04 2015-06-24 合肥美的电冰箱有限公司 高抗冲聚苯乙烯用增韧色母粒、复合板材和制冷设备内胆

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006131821A (ja) * 2004-11-09 2006-05-25 Daicel Polymer Ltd 金属蒸着用樹脂組成物、金属蒸着成形品及び金属蒸着成形品の製造方法
JP2007162016A (ja) * 2005-11-21 2007-06-28 Mitsubishi Rayon Co Ltd 共重合体の製造方法、熱可塑性樹脂組成物及び成形体
JP2009108130A (ja) * 2007-10-26 2009-05-21 Daicel Polymer Ltd 押出成形機加工用の樹脂組成物とその成形加工方法
CN102153829A (zh) * 2011-01-04 2011-08-17 合肥美的荣事达电冰箱有限公司 高抗冲聚苯乙烯用增韧色母粒、复合板材和制冷设备内胆
CN104725757A (zh) * 2011-01-04 2015-06-24 合肥美的电冰箱有限公司 高抗冲聚苯乙烯用增韧色母粒、复合板材和制冷设备内胆
JP2014132070A (ja) * 2012-12-04 2014-07-17 Nippon A&L Inc 消臭性能を有する熱可塑性樹脂組成物及び成形体
CN104479349A (zh) * 2014-12-18 2015-04-01 陈梓煜 一种用于3d打印的阻燃复合材料及其制备方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN110446756B (zh) 含pvp的阻燃聚酰胺
JPH01158A (ja) 熱可塑性樹脂組成物
US20030181582A1 (en) Weather-resistant polymer blends
JPH05179124A (ja) 低光沢の熱可塑性樹脂組成物
JP2001011266A (ja) 難燃性樹脂組成物
US20120172515A1 (en) Polyphenylene Ether Thermoplastic Resin Composition
JPH05262930A (ja) ポリオレフィン系組成物
WO2001032781A1 (fr) Composition de resine thermoplastique
EP0779307A1 (en) Graft ethylene-vinyl acetate copolymer and resin composition containing the same
JP3341974B2 (ja) 難燃性ポリアミド樹脂組成物
JPH08208972A (ja) 熱可塑性樹脂組成物
JP4361154B2 (ja) 難燃性樹脂組成物
JP3387220B2 (ja) 高流動性ナイロン系樹脂組成物および電子部品
JPH0733947A (ja) 熱可塑性樹脂組成物
KR100501511B1 (ko) 폴리아미드 수지 조성물
JPH08291250A (ja) 樹脂組成物
JP2006002005A (ja) 難燃性ポリアミド樹脂組成物
JP4968863B2 (ja) カバー、ケース又は筐体類
JPH08239574A (ja) 難燃性樹脂組成物
KR20050122086A (ko) 자동차 내장재용 폴리아마이드계 수지 조성물
JPH1036628A (ja) 帯電防止性樹脂組成物
JPH08259771A (ja) 成形用樹脂組成物
JPH01263152A (ja) 熱可塑性樹脂組成物
JPH04348150A (ja) 熱可塑性樹脂組成物
US20240043675A1 (en) Thermoplastic Resin Composition and Molded Product Manufactured Therefrom