JPH08259771A - 成形用樹脂組成物 - Google Patents

成形用樹脂組成物

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JPH08259771A
JPH08259771A JP6832395A JP6832395A JPH08259771A JP H08259771 A JPH08259771 A JP H08259771A JP 6832395 A JP6832395 A JP 6832395A JP 6832395 A JP6832395 A JP 6832395A JP H08259771 A JPH08259771 A JP H08259771A
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JP
Japan
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parts
weight
polyolefin resin
vinyl
resin
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Application number
JP6832395A
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English (en)
Inventor
Kenji Kurimoto
健二 栗本
Kazuhiko Tamai
和彦 玉井
Haruo Tomita
春生 冨田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
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Publication date
Application filed by Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd filed Critical Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ポリアミドとポリオレフィン系樹脂との相溶
性を改善し、機械特性、耐熱性および耐水性にすぐれた
成形用樹脂組成物を提供する。 【構成】 (A)ポリアミド、(B)ポリオレフィン系
樹脂および(C)グラフト変性ポリオレフィン系樹脂か
らなり、(A)ポリアミドの配合量が5〜95重量部、
(B)ポリオレフィン系樹脂の配合量が5〜95重量部
からなる前記(A)ポリアミドおよび(B)ポリオレフ
ィン系樹脂の樹脂組成物100重量部に対して、(C)
グラフト変性ポリオレフィン系樹脂の配合量が1〜10
0重量部である成形用樹脂組成物、ならびに該成形用樹
脂組成物100重量部に対して、1〜50重量部のフィ
ラーを配合してなる成形用樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は成形用樹脂組成物に関す
る。さらに詳しくは、本発明は、耐熱性、吸水時の寸法
・機械特性の安定性および成形流動性にすぐれた成形用
樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】ナイロン−6、ナイロン−66、ナイロ
ン−12に代表されるポリアミドは、高い耐熱性を有
し、また耐摩耗性にもすぐれており、種々の成形用途へ
の応用が検討されている。しかしながら、その反面、成
形物の寸法や機械的性質が吸水量に依存し、吸水によっ
て寸法変化、機械的性質の低下が生じることが指摘さ
れ、その改良が望まれている。
【0003】一方、ポリオレフィン系樹脂は、軽量かつ
耐衝撃性にすぐれ、成形性、耐水性、耐薬品性などにも
すぐれるという特長を有する。このため、それぞれにす
ぐれた特長を有するポリアミドとポリオレフィン系樹脂
とを配合することにより、両者の長所、たとえば高い耐
熱性の低下が小さく、軽量であり、吸水時の寸法変化、
特性低下が少ないなどの特長を有する成形用樹脂組成物
をつくる試みがなされている。
【0004】しかしながら、本来、ポリアミドとポリオ
レフィン系樹脂との相溶性は、わるく、溶融混練時にい
わゆるバラス効果がいちじるしく、安定した成形用樹脂
組成物をうることが困難であったり、混練物からえられ
た成形物の耐衝撃強度などの機械的性質が低下したり、
成形物間の機械的性質のばらつきが大きいという問題点
がある。
【0005】そこで、相溶性を改善するために、不飽和
カルボン酸またはその誘導体、とくに無水マレイン酸な
どの不飽和ジカルボン酸の無水物を付加したポリオレフ
ィン系樹脂を配合することが検討されている。しかしな
がら、かかる方法によれば、ポリオレフィン系樹脂に付
加させた未反応の酸とポリアミドとが反応して着色する
こと、ポリアミドの成形温度が高温であるため、ポリオ
レフィン系樹脂に付加させた未反応の酸が分解し、着色
を呈するとともに、充分な相溶性が呈されないという問
題がある。
【0006】また、グリシジルメタクリレートなどの不
飽和グリシジル単量体とオレフィン系単量体との共重合
体からなるエポキシ基含有ポリオレフィンを配合する方
法が検討されている。しかしながら、この方法によれ
ば、相溶性が改善されるものの、耐衝撃性の向上が充分
ではなく、また成形流動性が低下するという問題があ
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記従来技
術に鑑みてなされたものであり、相溶性を改善し、耐熱
性、吸水時の寸法安定性、機械的性質の安定化および成
形流動性にすぐれた成形用樹脂組成物を提供することを
目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、(A)ポリ
アミド、 (B)ポリオレフィン系樹脂、ならびに (C)(a)ポリオレフィン系樹脂100重量部に対し
て(b)変性剤として一般式(I):
【0009】
【化4】
【0010】(式中、Arは少なくとも1個のグリシジ
ルオキシ基と結合した炭素数6〜23の芳香族炭化水素
基、R1は水素原子またはメチル基を示す)で表わされ
るグリシジル基を有する化合物0.1〜30重量部およ
び(c)ビニル系単量体0〜500重量部ならびに
(d)前記(b)変性剤と(c)ビニル系単量体との合
計量100重量部に対してラジカル重合開始剤0.00
1〜10重量部を含有した水性懸濁液を調製し、該水性
懸濁液中の(b)変性剤および(c)ビニル系単量体を
(a)ポリオレフィン系樹脂に含浸させ、(b)変性剤
および(c)ビニル系単量体を重合させてなるグラフト
変性ポリオレフィン系樹脂からなり、前記(A)ポリア
ミドの配合量が5〜95重量部、(B)ポリオレフィン
系樹脂の配合量が5〜95重量部からなる(A)ポリア
ミドおよび(B)ポリオレフィン系樹脂の樹脂組成物1
00重量部に対して、(C)グラフト変性ポリオレフィ
ン系樹脂の配合量が1〜100重量部である成形用樹脂
組成物、 (A)ポリアミド、 (B)ポリオレフィン系樹脂、ならびに (C)(a)ポリオレフィン系樹脂100重量部に対し
て(b)(b1)一般式(I):
【0011】
【化5】
【0012】(式中、Arは少なくとも1個のグリシジ
ルオキシ基と結合した炭素数6〜23の芳香族炭化水素
基、R1は水素原子またはメチル基を示す)で表わされ
るグリシジル基を有する化合物および(b2)グリシジ
ルメタクリレートからなり、(b1)グリシジル基を有
する化合物と(b2)グリシジルメタクリレートとの重
量比((b1)グリシジル基を有する化合物/((b1
グリシジル基を有する化合物+(b2)グリシジルメタ
クリレート))が0.01〜0.99である変性剤0.
1〜30重量部および(c)ビニル系単量体0〜500
重量部ならびに(d)前記(b)変性剤と(c)ビニル
系単量体との合計量100重量部に対してラジカル重合
開始剤0.001〜10重量部を含有する水性懸濁液を
調製し、該水性懸濁液中の(b)変性剤および(c)ビ
ニル系単量体を(a)ポリオレフィン系樹脂に含浸さ
せ、(b)変性剤および(c)ビニル系単量体を重合さ
せてなるグラフト変性ポリオレフィン系樹脂からなり、
前記(A)ポリアミドの配合量が5〜95重量部、
(B)ポリオレフィン系樹脂の配合量が5〜95重量部
からなる(A)ポリアミドおよび(B)ポリオレフィン
系樹脂の樹脂組成物100重量部に対して、(C)グラ
フト変性ポリオレフィン系樹脂の配合量が1〜100重
量部である成形用樹脂組成物、 (A)ポリアミド、 (B)ポリオレフィン系樹脂、ならびに (C)(a)ポリオレフィン系樹脂100重量部に対し
て(b)変性剤としてグリシジルメタクリレート0.1
〜30重量部および(c)ビニル系単量体0〜500重
量部ならびに(d)前記(b)変性剤と(c)ビニル系
単量体との合計量100重量部に対してラジカル重合開
始剤0.001〜10重量部を含有する水性懸濁液を調
製し、該水性懸濁液中の(b)変性剤および(c)ビニ
ル系単量体を(a)ポリオレフィン系樹脂に含浸させ、
(b)変性剤および(c)ビニル系単量体を重合させて
なるグラフト変性ポリオレフィン系樹脂からなり、前記
(A)ポリアミドの配合量が5〜95重量部、(B)ポ
リオレフィン系樹脂の配合量が5〜95重量部からなる
(A)ポリアミドおよび(B)ポリオレフィン系樹脂の
樹脂組成物100重量部に対して、(C)グラフト変性
ポリオレフィン系樹脂の配合量が1〜100重量部であ
る成形用樹脂組成物、ならびに 前記成形用樹脂組成物100重量部に対して、シリ
カ、タルク、マイカ、ガラス繊維、ガラスビーズ、中空
ガラスビーズ、中性粘土類、炭素繊維、芳香族ポリアミ
ド繊維、芳香族ポリエステル繊維、ビニロン繊維、炭化
ケイ素繊維、アルミナ繊維、チタン酸カリウム繊維およ
び金属繊維のうちの少なくとも1種のフィラー1〜50
重量部を配合してなる成形用樹脂組成物に関する。
【0013】
【作用および実施例】本発明の成形用樹脂組成物は、
(A)ポリアミド、(B)ポリオレフィン系樹脂および
(C)グラフト変性ポリオレフィン系樹脂または(A)
ポリアミド、(B)ポリオレフィン系樹脂、(C)グラ
フト変性ポリオレフィン系樹脂およびフィラーからな
る。
【0014】本発明に用いられる(A)ポリアミドとし
ては、たとえば脂肪族アミノ酸、ラクタムまたはジアミ
ンと、ジカルボン酸とを主成分とするものなどがあげら
れる。また、ポリアミドとして、少量の芳香族成分や他
の脂肪族成分が共重合されたポリアミドを用いてもよ
い。
【0015】前記脂肪族アミノ酸としては、たとえば6
−アミノカプロン酸、11−アミノウンデカン酸、12
−アミノドデカン酸などがあげられる。
【0016】前記ラクタムとしては、たとえばε−カプ
ロラクタム、ω−ラウロラクタムなどがあげられる。
【0017】前記ジアミンとしては、たとえばテトラメ
チレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ウンデカメ
チレンジアミン、デカメチレンジアミン、2,4,4−
トリメチルヘキサメチレンジアミン、m−キシレンジア
ミン、p−キシレンジアミン、ドデカメチレンジアミン
などがあげられる。
【0018】前記ジカルボン酸としては、たとえばアジ
ピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二酸、ス
ベリン酸、シクロヘキサンジカルボン酸、テレフタル
酸、イソフタル酸、ジグリコール酸などがあげられる。
【0019】前記(A)ポリアミドの具体例としては、
たとえばナイロン−6、ナイロン−66、ナイロン−4
6、ナイロン−12、ナイロン−9、ナイロン−61
0、それらの混合物などがあげられる。
【0020】前記(A)ポリアミドの配合量は、前記
(A)ポリアミドおよび(B)ポリオレフィン系樹脂の
樹脂組成物100部(重量部、以下同様)に対して、5
〜95部、好ましくは10〜90部である。(A)ポリ
アミドの配合量が前記範囲よりも少ないばあいには、耐
熱性が低下し、前記範囲よりも多いばあいには、吸水に
よる寸法変化が大きくなり、また機械的性質の安定性が
おとるようになる。
【0021】本発明に用いられる(A)ポリアミドの分
子量は、とくに限定がないが、通常相対粘度η(JIS
K6810による)が0.5以上のものが、機械的強
度および耐熱性の点で好ましい。
【0022】本発明に用いられる(B)ポリオレフィン
系樹脂としては、たとえばエチレン、プロピレン、1−
ブテン、1−ペンテン、イソブテン、ブタジエン、イソ
プレン、クロロプレン、フェニルプロパジエン、シクロ
ペンタジエン、1,3−シクロヘキサジエン、1,4−
ヘキサジエン、1,3−オクタジエン、1,5−シクロ
オクタジエン、メチレンノルボルネン、1,5−ノルボ
ルナジエン、エチリデンノルボルネン、α,ω−非共役
ジエン類よりなる群から選ばれた少なくとも1種からな
る重合体があげられ、これらは単独でまたは2種以上を
混合して用いられる。
【0023】本発明に用いられる(B)ポリオレフィン
系樹脂の配合量は、前記(A)ポリアミドおよび(B)
ポリオレフィン系樹脂の樹脂組成物100部に対して、
5〜95部、好ましくは10〜90部である。(B)ポ
リオレフィン系樹脂の配合量が前記範囲よりも少ないば
あいには、吸水による寸法変化が大きくなり、また機械
的性質の安定性がおとり、前記範囲よりも多いばあいに
は、耐熱性、剛性の低下を招くようになる。
【0024】本発明に用いられる(B)ポリオレフィン
系樹脂の分子量は、とくに限定がないが、機械的強度な
どの点から10000以上であることが好ましい。
【0025】本発明に用いられる(C)グラフト変性ポ
リオレフィン系樹脂は、(a)ポリオレフィン系樹脂、
(b)変性剤として一般式(I):
【0026】
【化6】
【0027】(式中、Arは少なくとも1個のグリシジ
ルオキシ基と結合した炭素数6〜23の芳香族炭化水素
基、R1は水素原子またはメチル基を示す)で表わされ
るグリシジル基を有する化合物、(b1)一般式(I)
で表わされるグリシジル基を有する化合物および
(b2)グリシジルメタクリレートからなり、(b1)グ
リシジル基を有する化合物と(b2)グリシジルメタク
リレートとの重量比((b1)グリシジル基を有する化
合物/((b1)グリシジル基を有する化合物+(b2
グリシジルメタクリレート))が0.01〜0.99で
ある変性剤またはグリシジルメタクリレート、(c)ビ
ニル系単量体および(d)ラジカル重合開始剤を含有す
る水性懸濁液を調製し、該水性懸濁液中の(b)変性剤
および(c)ビニル系単量体を(a)ポリオレフィン系
樹脂に含浸させ、(b)変性剤および(c)ビニル系単
量体を重合させることによってえられる。
【0028】前記水性懸濁液中における(a)ポリオレ
フィン系樹脂、(b)変性剤および(c)ビニル系単量
体の割合は、(a)ポリオレフィン系樹脂100部に対
して、(b)変性剤0.1〜30部、好ましくは0.1
〜15部、(c)ビニル系単量体0〜500部、好まし
くは0〜200部、さらに好ましくは0〜100部であ
る。(b)変性剤の割合が前記割合よりも多いばあいに
は、えられる成形用樹脂組成物の機械特性および流動性
の低下を招き、少ないばあいには、(A)ポリアミドと
(B)ポリオレフィン系樹脂との相溶化効果が乏しくな
る。また、(c)ビニル系単量体の割合が前記割合より
も多いばあいには、ビニル系単量体同士の重合が主体と
なるため、重合時の水性懸濁液において過度の凝集、融
着、塊状化などが生じるようになる。
【0029】また、(b)変性剤として(b1)グリシ
ジル基を有する化合物および(b2)グリシジルメタク
リレートからなる変性剤を用いるばあいには、前記重量
比が0.01〜0.99の範囲外にあるばあいには
(A)ポリアミドと(B)ポリオレフィン系樹脂との相
溶性が良好とはならない。
【0030】(C)グラフト変性ポリオレフィン系樹脂
に用いられる(a)ポリオレフィン系樹脂としては、た
とえばエチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテ
ン、イソブテン、ブタジエン、イソプレン、クロロプレ
ン、フェニルプロパジエン、シクロペンタジエン、1,
3−シクロヘキサジエン、1,4−ヘキサジエン、1,
3−オクタジエン、1,5−シクロオクタジエン、メチ
レンノルボルネン、1,5−ノルボルナジエン、エチリ
デンノルボルネン、α,ω−非共役ジエン類よりなる群
から選ばれた少なくとも1種からなる重合体があげら
れ、これらは単独でまたは2種以上を混合して用いられ
る。
【0031】前記(a)ポリオレフィン系樹脂の分子量
はとくに限定されないが、機械的強度の点から1000
0以上であることが好ましい。
【0032】なお、(a)ポリオレフィン系樹脂は、前
記(B)ポリオレフィン系樹脂と同じであってもよく、
異なっていてもよい。
【0033】(a)ポリオレフィン系樹脂を変性するた
めの(b)変性剤のうちの1つである一般式(I)で表
わされるグリシジル基を有する化合物は、分子中に1個
のアクリルアミド基またはメタクリルアミド基と少なく
とも1個のグリシジルオキシ基をもつ炭素数6〜23の
芳香族炭化水素基を有する。一般式(I)で表わされる
単量体がアクリルアミド基またはメタクリルアミド基を
有するため、他のビニル系モノマーと接触したときに、
ラジカル重合開始剤の存在下でラジカル重合反応し、少
なくとも1個のグリシジル基を有するため、水酸基、酸
基、酸無水物基、アミド基などの活性プロトンを有する
化合物と接触したときにイオン開環反応する。
【0034】このようなグリシジル基を有する化合物
は、たとえば特開昭60−130580号公報に記載さ
れたような方法、すなわち少なくとも1個のフェノール
性水酸基を有する芳香族炭化水素と、N−メチロールア
クリルアミドまたはN−メチロールメタクリルアミドと
を酸性触媒の存在下で縮合させたのち、水酸基をエピハ
ロヒドリンによってグリシジル化させることによってう
ることができる。
【0035】前記少なくとも1個のフェノール性水酸基
を有する芳香族炭化水素としては、炭素数6〜23のフ
ェノール系化合物が用いられる。
【0036】前記フェノール系化合物の具体例として
は、たとえばフェノール、クレゾール、キシレノール、
カルバクロール、チモール、ナフトール、レゾルシン、
ヒドロキノン、ピロガロール、フェナントロールなどが
あげられる。これらのなかでは、アルキル置換基を有す
る1価のフェノールが好適である。
【0037】たとえば、出発物質として2,6−キシレ
ノールとN−メチロールアクリルアミドとを用いたばあ
いには、式(II):
【0038】
【化7】
【0039】で表わされる化合物をうることができる。
【0040】また、出発物質としてオルトクレゾールと
N−メチロールアクリルアミドとを用いたばあいには、
式(III):
【0041】
【化8】
【0042】で表わされる化合物をうることができる。
【0043】(a)ポリオレフィン系樹脂を変性するた
めの(b)変性剤のうちの他の1つであるグリシジルメ
タクリレートは、分子中に1個のメタクリル酸エステル
基と1個のグリシジル基を有する。グリシジルメタクリ
レートがメタクリル酸エステル基を有するため、他のビ
ニル系モノマーと接触したときにラジカル開始剤の存在
下でラジカル重合反応し、少なくとも1個のグリシジル
基を有するため、水酸基、酸基、酸無水物基、アミド基
などの活性プロトンを有する化合物と接触したときにイ
オン開環反応する。
【0044】また、(C)グラフト変性ポリオレフィン
系樹脂の構成要素の1つである(c)ビニル系単量体
は、(A)ポリアミドと(B)ポリオレフィン系樹脂と
の相溶性を向上させるため、および(b)変性剤の
(a)ポリオレフィン系樹脂への含浸性を向上させるた
めに用いられる成分である。
【0045】前記(c)ビニル系単量体の具体例として
は、たとえばスチレン、o−メチルスチレン、p−メチ
ルスチレン、m−メチルスチレン、α−メチルスチレ
ン、ビニルトルエン、ジビニルベンゼンなどの芳香族ビ
ニル化合物;メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチ
ル、メタクリル酸i−プロピル、メタクリル酸n−ブチ
ル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル酸2−エチル
ヘキシル、メタクリル酸ステアリルなどのアルキル基の
炭素数が1〜22のメタクリル酸アルキルエステル;ア
クリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸i−プ
ロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸t−ブチ
ル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ステア
リルなどのアルキル基の炭素数が1〜22のアクリル酸
アルキルエステル;ビニルメチルエーテル、ビニルエチ
ルエーテル、ビニルn−プロピルエーテル、ビニルi−
プロピルエーテル、ビニルi−ブチルエーテル、ビニル
n−アミルエーテル、ビニルi−アミルエーテル、ビニ
ル2−エチルヘキシルエーテル、ビニルオクタデシルエ
ーテルなどのアルキル基の炭素数が1〜22のビニルア
ルキルエーテル;アクリロニトリル、メタクリロニトリ
ルなどの不飽和ニトリル化合物;アクリルアミド、メタ
クリルアミドなどの不飽和アミド化合物;マレイン酸ジ
−n−アミルエステル、マレイン酸ジ−n−ブチルエス
テル、マレイン酸ジ−i−アミルエステル、マレイン酸
ジ−i−ブチルエステル、マレイン酸ジメチルエステ
ル、マレイン酸ジ−n−プロピルエステル、マレイン酸
ジ−オクチルエステル、マレイン酸ジノニルエステルな
どのアルキル基の炭素数が1〜9のマレイン酸ジアルキ
ルエステル;アリルエチルエーテル、アリルn−オクチ
ルエーテルなどのアルキル基の炭素数が1〜8のアリル
アルキルエーテル;ジシクロペンタジエン、ブタジエ
ン、イソプレン、クロロプレン、フェニルプロパジエ
ン、シクロペンタジエン、1,5−ノルボルナジエン、
1,3−シクロヘキサジエン、1,4−シクロヘキサジ
エン、1,5−シクロヘキサジエン、1,3−シクロオ
クタジエンなどのジエン化合物をはじめ、アクリル酸、
メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、酢酸ビニ
ル、アリルメタクリレートなどのその他のビニルモノマ
ーなどがあげられる。これらは単独で用いてもよく、2
種以上を併用してもよい。
【0046】(C)グラフト変性ポリオレフィン系樹脂
の合成の際に用いられる(d)ラジカル重合開始剤とし
ては、たとえばジ−t−ブチルパーオキサイド、クメン
ヒドロパーオキサイド、第三ブチルヒドロヒドロパーオ
キサイド、ベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパー
オキサイド、デカノイルパーオキサイド、アセチルパー
オキサイドなどのパーオキサイド系;1,1−ビス(t
−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、2,2−ビス
(t−ブチルパーオキシ)オクタン、2,2−ビス(t
−ブチルパーオキシ)ブタン、4,4−ビス(t−ブチ
ルパーオキシ)パリレート、1,1−ビス(t−ブチル
パーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン
などのパーオキシケタール系;アゾビスイソブチロニト
リルなどのアゾ化合物が単独でまたは2種以上を混合し
て用いられる。
【0047】前記(d)ラジカル重合開始剤の使用量
は、(b)変性剤と(c)ビニル系単量体との合計量1
00部に対して0.001〜10部、好ましくは0.0
1〜5部である。(d)ラジカル重合開始剤の使用量が
前記範囲よりも多いばあいには、(a)ポリオレフィン
系樹脂が過度の架橋を起こしたり(たとえば、(a)ポ
リオレフィン系樹脂としてエチレン−プロピレン共重合
体、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体などを用い
たばあい)、主鎖切断による分子量低下を起こす(たと
えば、(a)ポリオレフィン系樹脂としてポリプロピレ
ンなどを用いたばあい)ため、(a)ポリオレフィン系
樹脂の有する機械性質が低下する。また、(d)ラジカ
ル重合開始剤の使用量が前記範囲よりも少ないばあいに
は、重合反応が不充分となるため、(A)ポリアミドと
(B)ポリオレフィン系樹脂との良好な相溶性が実現で
きず、機械的性質が安定化しなくなるようになる。
【0048】前記(a)ポリオレフィン系樹脂、(b)
変性剤、(c)ビニル系単量体および(d)ラジカル重
合開始剤を含有する水性懸濁液の調製は、たとえば水性
媒体(通常水に0.005〜0.1重量%の乳化剤およ
び0.1〜3重量%の分散剤を加えたもの)に、(d)
ラジカル重合開始剤の分解温度(半減期が1時間となる
ときの温度)よりも30℃程度以上低い温度で、(a)
ポリオレフィン系樹脂、(b)変性剤、(c)ビニル系
単量体および(d)ラジカル重合開始剤を加えることに
よって行なわれる。また、水性媒体に(a)ポリオレフ
ィン系樹脂のみを加えることによって、あるいは(a)
ポリオレフィン系樹脂と、(b)変性剤、(c)ビニル
系単量体および(d)ラジカル重合開始剤の一部とを加
えることによって水性懸濁液を調製することも可能であ
り、このばあいには、残りの(b)変性剤、(c)ビニ
ル系単量体および(d)ラジカル重合開始剤は、重合終
了までに適宜加えればよい。水性媒体100部に対し
て、(a)ポリオレフィン系樹脂、(b)変性剤、
(c)ビニル系単量体および(d)ラジカル重合開始剤
の合計量が20〜100部となるように設定することが
好ましい。
【0049】かくして調製された水性懸濁液を密閉圧力
容器中、加熱することにより(b)変性剤、(c)ビニ
ル系単量体および(d)ラジカル重合開始剤の(a)ポ
リオレフィン系樹脂への含浸、および(b)変性剤と
(c)ビニル系単量体との重合が行なわれ、(B)グラ
フト変性ポリオレフィン系樹脂がえられる。ここで、水
性懸濁液の加熱の方式としては、(d)ラジカル重合開
始剤の分解温度よりも10〜50℃程度以上低い温度に
まで昇温し、その温度に保持したのち、再度(d)ラジ
カル重合開始剤の分解温度程度まで昇温し、重合終了ま
で保持する方式、単に(d)ラジカル重合開始剤の分解
温度程度まで昇温し、重合終了まで保持する方式などが
あげられる。
【0050】本発明に用いられる(C)グラフト変性ポ
リオレフィン系樹脂の配合量は、(A)ポリアミドと
(B)ポリオレフィン系樹脂との合計量100部に対し
て、1〜100部、好ましくは3〜50部である。
(C)グラフト変性ポリオレフィン系樹脂の配合量が前
記範囲よりも少ないばあいには、(A)ポリアミドと
(B)ポリオレフィン系樹脂との相溶性が不充分とな
り、また前記範囲よりも多いばあいには、耐熱性および
弾性率などが低下する。
【0051】本発明に用いられるフィラーとしては、た
とえばシリカ、タルク、マイカ、ガラス繊維、ガラスビ
ーズ、中空ガラスビーズ、中性粘土類、炭素繊維、芳香
族ポリアミド繊維、芳香族ポリエステル繊維、ビニロン
繊維、炭化ケイ素繊維、アルミナ繊維、チタン酸カリウ
ム繊維、金属繊維などがあげられる。これらは単独で用
いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0052】前記フィラーの配合量は、本発明の(A)
ポリアミド、(B)ポリオレフィン系樹脂および(C)
グラフト変性ポリオレフィン系樹脂からなる成形用樹脂
組成物100部に対して1〜50部、好ましくは5〜4
0部である。前記フィラーの配合量が前記範囲よりも少
ないばあいには、機械的強度、弾性率などのフィラー特
性が発現されず、前記範囲よりも多いばあいには、成形
流動性が低下する。
【0053】本発明の成形用樹脂組成物の製造方法とし
ては、とくに制限がなく、たとえば(A)ポリアミド、
(B)ポリオレフィン系樹脂および(C)グラフト変性
ポリオレフィン系樹脂を撹拌機などを用いて均一に混合
したのち、溶融混練する方法、(B)ポリオレフィン系
樹脂と(C)グラフト変性ポリオレフィン系樹脂とを溶
融混練したのちに、(A)ポリアミドを加えて溶融混練
する方法、(A)ポリアミドと(C)グラフト変性ポリ
オレフィン系樹脂とを溶融混練したのちに、(B)ポリ
オレフィン系樹脂を加えて溶融混練する方法などがあげ
られる。
【0054】溶融混練する方法についてもとくに制限が
なく、たとえば押出機、熱ロール、ブラベンダー、バン
バリミキサーなどのブレンダーを用いて溶融混練する方
法などがあげられる。
【0055】本発明の成形用樹脂組成物には、必要に応
じて、難燃化剤、(A)ポリアミドと(C)グラフト変
性ポリオレフィン系樹脂との反応性を高める触媒などを
添加してもよい。
【0056】前記難燃化剤としては、たとえばテトラブ
ロモビスフェノールA、2,2−ビス(4−ヒドロキシ
−3,5−ジブロモフェニル)プロパン、ヘキサブロモ
ベンゼン、トリス(2,3−ジブロモプロピル)イソシ
アヌレート、2,2−ビス(4−ヒドロキシエトキシ−
3,5−ジブロモフェニル)プロパン、デカブロモジフ
ェニルオキサイド、臭素化ポリフォスフェート、塩素化
ポリフォスフェート、塩素化パラフィンなどのハロゲン
化難燃化剤;リン酸アンモニウム、トリクレジルフォス
フェート、トリエチルフォスフェート、トリスクロロエ
チルフォスフェート、トリス(β−クロロエチル)フォ
スフェート、トリスジクロロプロピルフォスフェート、
クレジルフェニルフォスフェート、キシレニルジフェニ
ルフォスフェート、酸性リン酸エステル、含チッ素リン
化合物などのリン系難燃化剤;赤リン、酸化錫、三酸化
アンチモン、水酸化ジルコニウム、メタホウ酸バリウ
ム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウムなどの無
機系難燃化剤;臭素化ポリスチレン、臭素化ポリα−メ
チルスチレン、臭素化ポリカーボネート、臭素化エポキ
シ樹脂、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリα−メチルス
チレン、塩素化ポリカーボネート、塩素化エポキシ樹脂
などの高分子難燃化剤などがあげられる。これらの難燃
化剤は単独で用いてもよく、2種以上併用してもよい。
【0057】前記難燃化剤を用いるばあいには、該難燃
化剤の使用量は、本発明の成形用樹脂組成物中の(A)
ポリアミド、(B)ポリオレフィン系樹脂および(C)
グラフト変性ポリオレフィン系樹脂の合計量100部に
対して1〜50部、好ましくは1〜40部であることが
望ましい。
【0058】前記触媒にはとくに制限がなく、一般にカ
ルボン酸基、水酸基あるいはエステル基とグリシジル基
との反応を促進する化合物の中から1種以上の組み合わ
せで選択されるが、好ましくは3級アミン類、4級アン
モニウム塩などのアミン系化合物、フォスフォニウム
塩、フォスフィンなどのリン系化合物、イミダゾール類
などが単独でまたは2種以上を混合して用いられる。
【0059】前記触媒を用いるばあい、該触媒の使用量
は、本発明の成形用樹脂組成物中の(A)ポリアミド、
(B)ポリオレフィン系樹脂および(C)グラフト変性
ポリオレフィン系樹脂の合計量100部に対して0.0
1〜5部、好ましくは0.05〜3部であることが望ま
しい。
【0060】つぎに、本発明の成形用樹脂組成物を実施
例にもとづいてさらに具体的に説明するが、本発明はか
かる実施例のみに限定されるものではなく、その要旨を
変更しない範囲において適宜変更実施可能である。
【0061】製造例1(グラフト変性ポリオレフィン系
樹脂(MPO1)の製造) 耐圧密閉反応槽に純水1400部、エチレン−プロピレ
ン共重合体ゴム粒子(エチレン含有率26重量%、ペレ
ット形状)531部、N−[4−(2,3−エポキシプ
ロポキシ)−3,5−ジメチルベンジル]アクリルアミ
ド31.25部、スチレン62.5部、1,1−ビス
(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシ
クロヘキサン(分解温度108℃)1.3部、分散剤と
して第三リン酸カルシウム10.5部およびラテムルP
S(花王(株)製の乳化剤)0.315部を仕込み、混
合撹拌して水性懸濁液をえた。えられた水性懸濁液を9
5℃で1時間撹拌して、N−[4−(2,3−エポキシ
プロポキシ)−3,5−ジメチルベンジル]アクリルア
ミド、スチレンおよび1,1−ビス(t−ブチルパーオ
キシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサンをエチ
レン−ポリプロピレン共重合体ゴム粒子に含浸させたの
ち、110℃に昇温して3時間撹拌して重合を終了させ
た。
【0062】えられた粒子を水洗し、残存モノマー、第
三リン酸カルシウム、ラテムルPSおよび1,1−ビス
(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシ
クロヘキサンを除去したのち、乾燥させてグラフト変性
ポリオレフィン系樹脂(以下、MPO1という)をえ
た。
【0063】製造例2(グラフト変性ポリオレフィン系
樹脂(MPO2)の製造) 耐圧密閉反応槽に純水1400部、エチレン−プロピレ
ン共重合体ゴム粒子(プロピレン含有率26重量%、ペ
レット形状)531部、N−[4−(2,3−エポキシ
プロポキシ)−3,5−ジメチルベンジル]アクリルア
ミド6部、スチレン88部、1,1−ビス(t−ブチル
パーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン
(分解温度108℃)1.5部、分散剤として第三リン
酸カルシウム10.5部およびラテムルPS 0.31
5部を仕込み、混合撹拌して水性懸濁液をえた。えられ
た水性懸濁液を95℃で1時間撹拌して、N−[4−
(2,3−エポキシプロポキシ)−3,5−ジメチルベ
ンジル]アクリルアミド、スチレンおよび1,1−ビス
(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシ
クロヘキサンをエチレン−プロピレン共重合体ゴム粒子
に含浸させたのち、110℃に昇温して3時間撹拌して
重合を終了させた。
【0064】えられた粒子を水洗し、残存モノマー、第
三リン酸カルシウム、ラテムルPSおよび1,1−ビス
(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシ
クロヘキサンを除去したのち、乾燥させてグラフト変性
ポリオレフィン系樹脂(以下、MPO2という)をえ
た。
【0065】製造例3(グラフト変性ポリオレフィン系
樹脂(MPO3)の製造) 耐圧密閉反応槽に純水1400部、ポリプロピレン粒子
(エチレン含有率3重量%、DSC融点147℃、ペレ
ット形状)490部、N−[4−(2,3−エポキシプ
ロポキシ)−3,5−ジメチルベンジル]アクリルアミ
ド35部、スチレン175部、ジ−t−ブチルパーオキ
サイド(分解温度143℃)1.26部、分散剤として
第三リン酸カルシウム10.5部およびラテムルPS
0.315部を仕込み、混合撹拌して水性懸濁液をえ
た。えられた水性懸濁液を100℃で1時間撹拌して、
N−[4−(2,3−エポキシプロポキシ)−3,5−
ジメチルベンジル]アクリルアミド、スチレンおよびジ
−t−ブチルパーオキサイドをポリプロピレン粒子に含
浸させたのち、140℃に昇温して5時間撹拌して重合
を終了させた。
【0066】えられた粒子を水洗し、残存モノマー、第
三リン酸カルシウム、ラテムルPSおよびジ−t−ブチ
ルパーオキサイドを除去したのち、乾燥させてグラフト
変性ポリオレフィン系樹脂(以下、MPO3という)を
えた。
【0067】製造例4(グラフト変性ポリオレフィン系
樹脂(MPO4)の製造) 製造例2において、スチレン88部のかわりにスチレン
20部、メタクリル酸メチル65部およびアリルメタク
リレート3部を用いたほかは、製造例2と同様にしてグ
ラフト変性ポリオレフィン系樹脂(以下、MPO4とい
う)をえた。
【0068】製造例5(グラフト変性ポリオレフィン系
樹脂(MPO5)の製造) 製造例1において、N−[4−(2,3−エポキシプロ
ポキシ)−3,5−ジメチルベンジル]アクリルアミド
のかわりに、N−[4−(2,3−エポキシプロポキ
シ)−3,5−ジメチルベンジル]アクリルアミドとグ
リシジルメタクリレートとの混合液(N−[4−(2,
3−エポキシプロポキシ)−3,5−ジメチルベンジ
ル]アクリルアミドとグリシジルメタクリレートとの重
量比は0.5)を用いたほかは、製造例1と同様にして
グラフト変性ポリオレフィン系樹脂(以下、MPO5と
いう)をえた。
【0069】製造例6(グラフト変性ポリオレフィン系
樹脂(MPO6)の製造) 製造例3において、N−[4−(2,3−エポキシプロ
ポキシ)−3,5−ジメチルベンジル]アクリルアミド
のかわりに、グリシジルメタクリレートを用いたほか
は、製造例3と同様にしてグラフト変性ポリオレフィン
系樹脂(以下、MPO6という)をえた。
【0070】比較製造例1(グラフト変性ポリオレフィ
ン系樹脂(RPO1)の製造) 製造例1において、N−[4−(2,3−エポキシプロ
ポキシ)−3,5−ジメチルベンジル]アクリルアミド
を用いなかったほかは、製造例1と同様にしてグラフト
変性ポリオレフィン系樹脂(以下、RPO1という)を
えた。
【0071】比較製造例2(グラフト変性ポリオレフィ
ン系樹脂(RPO2)の製造) エチレン−プロピレン共重合体ゴム粒子(プロピレン含
有率26重量%、ペレット状)100部、N−[4−
(2,3−エポキシプロポキシ)−3,5−ジメチルベ
ンジル]アクリルアミド10部およびn−ブチル−4,
4−ビス(t−ブチルパーオキシ)バレレート0.23
部を撹拌混合したのち、押出機のシリンダー径が45m
mの2軸押出機にて、シリンダー温度200℃、吐出量
15kg/時間で溶融混練してペレット化した。このペ
レットを40℃で12時間乾燥してグラフト変性ポリオ
レフィン系樹脂(以下、RPO2という)をえた。
【0072】比較製造例3(グラフト変性ポリオレフィ
ン系樹脂(RPO3)の製造) 比較製造例2において、N−[4−(2,3−エポキシ
プロポキシ)−3,5−ジメチルベンジル]アクリルア
ミドのかわりに、無水マレイン酸5部を用いたほかは、
比較製造例2と同様にしてグラフト変性ポリオレフィン
系樹脂(以下、RPO3という)をえた。
【0073】実施例1〜12および比較例1〜7 表1に示す各成分を表1に示す割合で用い、成形用樹脂
組成物を製造し、各特性評価用の試験片を作製した。な
お、成形用樹脂組成物および試験片は、以下の方法で作
製した。
【0074】まず、表1に示す割合で各成分をヘンシェ
ルミキサーでドライブレンドしたのち、押出機のシリン
ダー径が45mmの2軸押出機に毎時15kgの速度で
投入し、シリンダー温度275℃で溶融混練し、ペレッ
ト化させた。該ペレットを真空乾燥させ、所望の成形用
樹脂組成物をえた。
【0075】えられた成形用樹脂組成物を用いて試験片
を作製し、曲げ特性、耐衝撃性、熱変形温度および吸水
率を下記方法により測定した。なお、試験片は、射出成
形機にてシリンダー温度280℃、金型温度80℃で、
えられた成形用樹脂組成物を射出成形することにより、
作製した。結果を表1に示す。
【0076】なお、表1中のNy66はナイロン−66
(宇部興産(株)製、商品名:UBE2026B)PP
はポリプロピレン(三井石油化学(株)製、商品名:B
200)、EPRはエチレン−プロピレン共重合体(日
本合成ゴム(株)製、商品名:EP02P)、MPO1
〜MPO6は製造例1〜6でえられたグラフト変性ポリ
オレフィン系樹脂、RPO1〜RPO3は比較製造例1
〜3でえられたグラフト変性ポリオレフィン系樹脂、B
Fはエチレン−グリシジルメタクリレート共重合体(住
友化学工業(株)製、商品名:ボンドファースト2C)
を示す。
【0077】また、フィラーとして用いたガラス短繊維
は、日本電気硝子(株)製、商品名:ECSO3T−1
95H/PSである。
【0078】(曲げ特性)ASTM D790にしたが
って曲げ弾性率を測定する。曲げ弾性率は、190kg
/mm2以上あることが望ましい。
【0079】(衝撃特性)ASTM D256にしたが
って23℃でのノッチ付きアイゾット衝撃強さを測定す
る。衝撃強さは、6kg・cm/cm以上であることが
望ましい。
【0080】(熱変形温度)ASTM D648にした
がって荷重4.6kg/cm2での熱変形温度を測定す
る。熱変形温度は、140℃以上であることが望まし
い。
【0081】(吸水率)23℃の水中で吸水が平衡に達
したときの吸収率(重量%)を測定。吸水率は2重量%
以上であることが望ましい。
【0082】
【表1】
【0083】表1に示された結果から、本発明の成形用
樹脂組成物は、比較例1、2、5、6および7でえられ
たグラフト変性ポリオレフィン系樹脂よりもすぐれた曲
げ弾性率、衝撃強さおよび吸水率を有しており、(A)
ポリアミドおよび(B)ポリオレフィン系樹脂に良好な
相溶性を付与していることがわかる。
【0084】また、比較例3に示されるように、本発明
に用いられるグラフト変性ポリオレフィン系樹脂とは異
なる方法で製造されたグラフト変性ポリオレフィン系樹
脂を用いた成形用樹脂組成物は、曲げ弾性率および熱変
形温度におとる。
【0085】さらに、比較例4に示されるように、本発
明に用いられるグラフト変性ポリオレフィン系樹脂のか
わりにBF(エチレン−グリシジルメタクリレート共重
合体)を用いた成形用樹脂組成物は、曲げ弾性率、衝撃
強さおよび熱変形温度におとる。
【0086】以上のことから、本発明の成形用樹脂組成
物は、グラフト変性ポリオレフィン系樹脂を配合するこ
とにより、(A)ポリアミドと(B)ポリオレフィン系
樹脂両者の特長を発現していることがわかる。
【0087】
【発明の効果】本発明の成形用樹脂組成物は、耐衝撃性
などの機械的性質、耐熱性および耐水性にすぐれ、たと
えば各種自動車部品、機械部品、電気・電子部品などの
成形品を好適にうることができるなどという、すぐれた
効果を奏するものである。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)ポリアミド、 (B)ポリオレフィン系樹脂、ならびに (C)(a)ポリオレフィン系樹脂100重量部に対し
    て(b)変性剤として一般式(I): 【化1】 (式中、Arは少なくとも1個のグリシジルオキシ基と
    結合した炭素数6〜23の芳香族炭化水素基、R1は水
    素原子またはメチル基を示す)で表わされるグリシジル
    基を有する化合物0.1〜30重量部および(c)ビニ
    ル系単量体0〜500重量部ならびに(d)前記(b)
    変性剤と(c)ビニル系単量体との合計量100重量部
    に対してラジカル重合開始剤0.001〜10重量部を
    含有した水性懸濁液を調製し、該水性懸濁液中の(b)
    変性剤および(c)ビニル系単量体を(a)ポリオレフ
    ィン系樹脂に含浸させ、(b)変性剤および(c)ビニ
    ル系単量体を重合させてなるグラフト変性ポリオレフィ
    ン系樹脂からなり、前記(A)ポリアミドの配合量が5
    〜95重量部、(B)ポリオレフィン系樹脂の配合量が
    5〜95重量部からなる(A)ポリアミドおよび(B)
    ポリオレフィン系樹脂の樹脂組成物100重量部に対し
    て、(C)グラフト変性ポリオレフィン系樹脂の配合量
    が1〜100重量部である成形用樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 (A)ポリアミド、 (B)ポリオレフィン系樹脂、ならびに (C)(a)ポリオレフィン系樹脂100重量部に対し
    て(b)(b1)一般式(I): 【化2】 (式中、Arは少なくとも1個のグリシジルオキシ基と
    結合した炭素数6〜23の芳香族炭化水素基、R1は水
    素原子またはメチル基を示す)で表わされるグリシジル
    基を有する化合物および(b2)グリシジルメタクリレ
    ートからなり、(b1)グリシジル基を有する化合物と
    (b2)グリシジルメタクリレートとの重量比((b1
    グリシジル基を有する化合物/((b1)グリシジル基
    を有する化合物+(b2)グリシジルメタクリレー
    ト))が0.01〜0.99である変性剤0.1〜30
    重量部および(c)ビニル系単量体0〜500重量部な
    らびに(d)前記(b)変性剤と(c)ビニル系単量体
    との合計量100重量部に対してラジカル重合開始剤
    0.001〜10重量部を含有する水性懸濁液を調製
    し、該水性懸濁液中の(b)変性剤および(c)ビニル
    系単量体を(a)ポリオレフィン系樹脂に含浸させ、
    (b)変性剤および(c)ビニル系単量体を重合させて
    なるグラフト変性ポリオレフィン系樹脂からなり、前記
    (A)ポリアミドの配合量が5〜95重量部、(B)ポ
    リオレフィン系樹脂の配合量が5〜95重量部からなる
    (A)ポリアミドおよび(B)ポリオレフィン系樹脂の
    樹脂組成物100重量部に対して、(C)グラフト変性
    ポリオレフィン系樹脂の配合量が1〜100重量部であ
    る成形用樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 (A)ポリアミド、 (B)ポリオレフィン系樹脂、ならびに (C)(a)ポリオレフィン系樹脂100重量部に対し
    て(b)変性剤としてグリシジルメタクリレート0.1
    〜30重量部および(c)ビニル系単量体0〜500重
    量部ならびに(d)前記(b)変性剤と(c)ビニル系
    単量体との合計量100重量部に対してラジカル重合開
    始剤0.001〜10重量部を含有する水性懸濁液を調
    製し、該水性懸濁液中の(b)変性剤および(c)ビニ
    ル系単量体を(a)ポリオレフィン系樹脂に含浸させ、
    (b)変性剤および(c)ビニル系単量体を重合させて
    なるグラフト変性ポリオレフィン系樹脂からなり、前記
    (A)ポリアミドの配合量が5〜95重量部、(B)ポ
    リオレフィン系樹脂の配合量が5〜95重量部からなる
    (A)ポリアミドおよび(B)ポリオレフィン系樹脂の
    樹脂組成物100重量部に対して、(C)グラフト変性
    ポリオレフィン系樹脂の配合量が1〜100重量部であ
    る成形用樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 (A)ポリアミドが、ナイロン−6、ナ
    イロン−66、ナイロン−46、ナイロン−12、ナイ
    ロン−9、ナイロン−610またはそれらの混合物であ
    る請求項1、2または3記載の成形用樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 (a)ポリオレフィン系樹脂が、エチレ
    ン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、イソブテ
    ン、ブタジエン、イソプレン、クロロプレン、フェニル
    プロパジエン、シクロペンタジエン、1,3−シクロヘ
    キサジエン、1,4−ヘキサジエン、1,3−オクタジ
    エン、1,5−シクロオクタジエン、メチレンノルボル
    ネン、1,5−ノルボルナジエン、エチリデンノルボル
    ネン、α,ω−非共役ジエン類よりなる群から選ばれた
    1種以上からなる重合体または該重合体の2種以上の混
    合物である請求項1、2、3または4記載の成形用樹脂
    組成物。
  6. 【請求項6】 グリシジル基を有する化合物が、式(I
    I): 【化3】 で表わされる請求項1、2または5記載の成形用樹脂組
    成物。
  7. 【請求項7】 (c)ビニル系単量体が、芳香族ビニル
    化合物、アルキル基の炭素数が1〜22のアクリル酸ア
    ルキルエステル、アルキル基の炭素数が1〜22のメタ
    クリル酸アルキルエステル、アルキル基の炭素数が1〜
    22のビニルアルキルエーテル、不飽和ニトリル化合
    物、不飽和アミド化合物、アルキル基の炭素数が1〜9
    のマレイン酸ジアルキルエステル、アルキル基の炭素数
    が1〜8のアリルアルキルエーテル、ジエン化合物、無
    水マレイン酸、マレイン酸、アクリル酸、メタクリル
    酸、酢酸ビニルおよびアリルメタクリレートよりなる群
    から選ばれた少なくとも1種である請求項1、2、3、
    4、5または6記載の成形用樹脂組成物。
  8. 【請求項8】 (c)ビニル系単量体がスチレン、メタ
    クリル酸メチル、アクリル酸ブチルおよびアリルメタク
    リレートから選ばれた少なくとも1種である請求項1、
    2、3、4、5または6記載の成形用樹脂組成物。
  9. 【請求項9】 請求項1、2、3、4、5、6、7また
    は8記載の成形用樹脂組成物100重量部に対して、シ
    リカ、タルク、マイカ、ガラス繊維、ガラスビーズ、中
    空ガラスビーズ、中性粘土類、炭素繊維、芳香族ポリア
    ミド繊維、芳香族ポリエステル繊維、ビニロン繊維、炭
    化ケイ素繊維、アルミナ繊維、チタン酸カリウム繊維お
    よび金属繊維のうちの少なくとも1種のフィラー1〜5
    0重量部を配合してなる成形用樹脂組成物。
JP6832395A 1995-03-27 1995-03-27 成形用樹脂組成物 Pending JPH08259771A (ja)

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