JP2001008574A - 回遊魚の養殖方法および水中生物の養殖装置 - Google Patents

回遊魚の養殖方法および水中生物の養殖装置

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勝司 芝村
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ウナギ等の回遊魚に自然に近い状態で容器内
で産卵をさせ、のちに成魚にまで生育し得る健康な稚魚
を効率的に得る。 【解決手段】 耐圧タンク60内の水中に成魚のつがい
を入れ、そのタンク60内の水の温度、圧力、またはさ
らに水質等の条件を、次第に産卵場の条件に一致させる
べく変化させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】請求項の発明は、ウナギやサ
ケなどの回遊魚を所定の容器内で産卵させ繁殖させる回
遊魚の養殖方法、およびその方法等によって水中生物の
養殖が可能な養殖装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ウナギ(ニホンウナギ)の養殖は、通
常、成魚になる前の若いシラスウナギを池に入れて成長
させる。「原料」などとも呼ばれるシラスウナギは、卵
から孵化したのち親と同じ形になった段階のもので、冬
に群をなして海から沿岸に寄せてくるものを捕獲するの
が一般的である。
【0003】また魚の種類によっては、養殖用の多数の
稚魚を得るために、切開法や搾出法によって桶などの中
に卵を取り出し、それに精子を振りかけることによって
受精させる方法もとられている。
【0004】そのほか、特開平9−109号公報には、
海洋魚を人工的に生育させるために耐圧型の海洋生物飼
育タンクを使用することが提案されている。タンク内の
水圧を深海と同程度に保つことにより、そのタンク内で
海洋生物(とくに深海生物)を飼育しようというもので
ある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上に述べた従来の魚の
養殖方法には、それぞれつぎのような短所がある。すな
わち、 イ)池で行うウナギの一般的な養殖方法をとる場合は、
シラスウナギの捕獲が必ずしも容易には行えない。その
ため、シラスウナギにかなりのコストがかかるなど、効
率的で有利な養殖を行えないこともある。
【0006】ロ)メスの腹から強制的に卵を取り出して
受精させる方法は、多数の稚魚を効率的に孵化させるこ
とが可能だが、魚によっては、そのようにして得られる
稚魚が成魚にまで生育し得ないことがある。ウナギの場
合も、そのように人工的に孵化した稚魚は、体長10c
m程度以上に生育させることは一般に難しい。
【0007】ハ)特開平9−109号公報に記載の技術
は、飼育タンク内の水圧を高く設定して深海生物の生育
環境を整えるものではあるが、回遊魚等をタンク内で産
卵させ繁殖させることが可能なものではない。また、提
案された飼育タンクには別のタンク等を経由させずに直
接に海水を供給するので、水質の調整ができず、また給
餌が容易でない(複数の開閉弁を介して飼育タンクに給
餌管を設け、給餌の際には、圧力保持のためそれらの開
閉弁を交互に開かなければならない)といった課題がと
もなう。停電等の場合には深海生物の生育環境が維持さ
れ難いという問題もある。
【0008】請求項の発明は、ウナギ等の回遊魚にでき
るだけ自然に近い状態で容器内で産卵をさせ、のちに成
魚にまで生育し得る健康な稚魚を効率的にもたらすこと
等によって、魚の養殖業における上記の課題を解決しよ
うとするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載した回遊
魚の養殖方法は、容器(後述の耐圧タンク等)内の水中
に成魚(親魚であるメスとオス)を入れ、その容器内の
水(淡水または海水)の温度、圧力、またはさらに水質
(たとえば塩分・pH・溶存酸素量)等の条件を、次第
に産卵場の条件に一致させるべく変化させることを特徴
とする。なお、上記のように水質を変化させることに
は、水そのものを、別の採取場のものに変えることを含
む。
【0010】たとえばウナギは、産卵のために淡水から
海洋中に回遊するいわゆる降河回遊魚である。ニホンウ
ナギの場合、産卵期を迎えると、日本国内の河川からフ
ィリピン沖の海洋にまで産卵回遊を行う。そして、ウナ
ギ自身が生まれた場所に近い海域の、深さ400メート
ル前後の深海で産卵をするといわれている。したがって
ウナギは、自身の回遊にともなって変化する海水の温度
や圧力、またはさらに塩分等の水質が特定の条件になっ
たことをもって産卵場を決定しているものと推定され
る。
【0011】請求項1の養殖方法は、親魚を容器内に閉
じ込めるのではあるが、その容器内の水の温度や圧力・
水質等を徐々に変化させ、やがて適切な時期に産卵場の
条件(たとえばニホンウナギの場合にはフィリピン沖の
深海の条件に近い、圧力が40キロ近くて温度が10℃
前後)に近づけるものである。そのような条件の設定が
適切であれば、容器内の親魚は、自身が産卵回遊を行っ
ているときと同様の水の変化を経験し、温度や圧力等が
産卵海域のそれにほぼ一致した時点で産卵・受精を行う
と考えられる。
【0012】産卵と受精がうまくいけば、孵化によって
得られる稚魚を適切な時期に適切な養殖場に移して生育
させることにより、全体として極めて効率的な養殖を行
うことができる。たとえばウナギの場合、一回の産卵か
ら最大で数十万匹以上の稚魚を得ることができ、しかも
このような自然の産卵によって得られる稚魚は、切開法
などの強制的な産卵・受精による稚魚と違って成魚にま
で成長するため、請求項1の方法が養殖業に及ぼす効果
は著しい。また、このような方法がうなぎ以外の回遊魚
の養殖にも効果的であることは言うまでもない。
【0013】請求項2に記載した水中生物の養殖装置
は、水中生物とともに水(やはり淡水または海水)を入
れる耐圧タンクと、その耐圧タンクへ供給する水を大気
圧下で一旦貯留し調整(水質・餌量等の調整)する中継
タンクと、中継タンク内の水を耐圧タンク内に供給する
(その後に排出し、または中継タンクに戻して循環させ
ることを含む)水供給手段と、水の温度調整手段と、耐
圧タンク内の水の圧力調整手段とを含めて構成したもの
である。
【0014】この養殖装置では、耐圧タンク内に親魚と
ともに水を入れ、上記の温度調整手段および圧力調整手
段を操作すれば、そのタンク内の水の温度や圧力を任意
に調整し設定することができる。耐圧タンクのほかに上
記のとおり中継タンクを設けるので、耐圧タンク内の水
圧が高い状態にあるときでも水質調整や給餌を適切に行
える。水質のチェックや添加物の投入、水の入れ替え、
給餌といった作業を、大気圧状態にある中継タンクを利
用することによって容易に行え、したがって調整度の正
確さを高めることも可能だからである。かかる特徴に基
づいて、この養殖装置では、請求項1に記載のような回
遊魚の養殖方法を円滑に実施することができる。
【0015】なお、この養殖装置(および以下の各請求
項の養殖装置)は、回遊魚以外の水中生物についての、
請求項1以外の養殖方法にも使用することができる。耐
圧タンク内の水の温度や圧力・水質等を、深海の生息域
における条件に合わせて設定しその状態を維持すれば、
そのような深海に生息する魚やエビ・カニ等の生物を生
育させ、または繁殖させることができるからである。
【0016】請求項3に記載した養殖装置はとくに、耐
圧タンク内の水の圧力調整手段として、耐圧タンクの上
流側(上記の水供給手段のうち耐圧タンクまでの水の供
給側)に水の加圧ポンプを設けるとともに下流側(上記
の水供給手段のうち耐圧タンクからの水の排出側)に絞
り弁を設けること、耐圧タンクの下流側に、停電時に水
路を閉じる遮断弁を設けること、および、耐圧タンクの
上部に、停電時に開く通気弁を介して圧力調整弁つきの
高圧空気ボンベ(空気供給手段。停電時にも機能するア
キュムレータ等を含む)を接続していることを特徴とす
る。
【0017】この養殖装置における耐圧タンク内の水の
圧力は、つぎのようにして設定できる。すなわち、前記
した中継タンクからの水を加圧ポンプによって耐圧タン
ク内に供給し、耐圧タンクの下流側に設けた絞り弁の開
度を適切に設定することにより同タンク内の水を任意の
安定した圧力にする。加圧ポンプ(その駆動手段を含
む)の運転条件と絞り弁の開度とを設定することによっ
て、耐圧タンク内に水を流しながらもそのタンク内の水
圧を適切に定めるのである。
【0018】耐圧タンク内のその水圧は、この養殖装置
においては、停電等によって加圧ポンプが停止した場合
にも低下しない。加圧ポンプはモータによって駆動され
停電時には停止するのが一般的だが、上記のように遮断
弁や高圧空気ボンベ等を接続したこの養殖装置では、停
電の際、遮断弁が閉じることによって耐圧タンク内の水
の流出を防ぐとともに、通気弁が開くことによりボンベ
の高圧空気を同タンク内に供給し、もって同タンク内の
水圧が維持されるからである。高圧ボンベは停電の影響
を受けずに高圧空気を供給できるうえ、圧力調整弁によ
って適切な圧力の空気を同タンク内に供給することがで
きる。同タンク内の水圧がこうして維持されると、水中
生物の安定的な生育にとって好ましいことは言うまでも
ない。
【0019】請求項4に記載の養殖装置は、上記した養
殖装置において、水への曝気(エアレーション)手段お
よび水の温度調整手段(加熱手段および冷却手段)を、
上記の耐圧タンク以外の部分に(たとえば中継タンクや
水供給手段のうちに)設けたことを特徴とする。
【0020】このように、水への曝気や温度調整を行う
手段を耐圧タンク以外の部分に設けると、耐圧タンクに
はそれらの手段を設ける必要がなくなる。そのため、水
中生物を入れる耐圧タンク内に、水中生物の実際の生息
環境に近い、静かで温度むらの少ない環境を形成するこ
とが可能になる。
【0021】
【発明の実施の形態】図1は、発明の実施について一形
態を示すもので、ニホンウナギを産卵させて稚魚を得る
ことを目的とした養殖装置1の全体系統図である。また
図2は、その養殖装置1のうち耐圧タンク60について
の横断面図(図1のII−II断面図)である。この装
置1では、耐圧タンク60内に海水とともにウナギ(つ
がい)を入れ、海水の温度や圧力その他の条件を適宜変
更して次第に産卵場の条件に一致させることにより、ウ
ナギを自然発生的に産卵させ繁殖させる。図において符
号10は、トラック等によって運ばれる海水の受け入れ
タンク、同20は、その海水を貯留する中継タンク、同
30は、中継タンク20と耐圧タンク60との間で海水
を循環させる水供給手段、同70は、耐圧タンク60へ
の空気供給手段である。図中の弁(符号を付していない
ものを含む)のうち、白抜きに図示したものは定常運転
時(保守作業中でもなく後述の充水中でもないとき)に
開いており、黒塗りのものは定常運転時に閉じているこ
とを示す。以下、各部の構成と作用を説明する。
【0022】まず中継タンク20は、受け入れタンク1
0の海水を大気圧状態でケーシング21内に一旦貯留す
るもので、通常はフロート弁22によって水量を一定に
保っている。適量の酸素がつねに海水中に含まれるよう
にタンク20内に曝気手段23を設けているほか、海水
の温度調整手段の一つ(温めるもの)としてヒーター2
4を、温度センサー25とともに外壁に設けている。ま
た、タンク20の上部には、餌や薬液等の投入または水
質検査等のために投入口25および点検口26を設けて
いる。
【0023】中継タンク20から海水を供給される耐圧
タンク60は、耐圧ケーシング61を主要部とし、内部
の観察を行えるよう複数箇所に強化ガラス付きの観察窓
62を設けるとともに、観察時などに点灯可能な耐圧型
の照明灯62aを内側の中央上部に設置している。観察
窓62の外側には拡大鏡(図示せず)を付設可能であ
る。タンク60の上部にはさらに、リリーフ弁63、圧
力計64および蓋付きのマンホール65を設けている。
一方、タンク60の下部には、加圧中にも内部の海水や
稚魚を取り出すことができるように二つの仕切弁を有す
る海水取出し管66を設け、それら仕切弁の間に圧力計
66aと温度計66bを備え付けている。タンク60の
最下部には排水口68を設けて後述の水供給手段30に
接続し、排水口68のすぐ上にはナイロンフィルター6
7を延べ広げて海水中の夾雑物を取り除くこととしてい
る。
【0024】耐圧タンク60の上部には空気供給手段7
0を接続している。空気供給手段70は、40kg/c
以上の高圧空気ボンベ71や圧力調整弁72、リリ
ーフ弁73とともに逆止弁や通気弁74を有するもの
で、これらによって、停電時にタンク60内の水圧の低
下を防止する。停電時には、後述する遮断弁47が閉じ
て水を流出を止めるとともに、通常は閉じている通気弁
74が開くことにより、空気の圧力をタンク60内に及
ぼすのである。
【0025】中継タンク20と耐圧タンク60との間に
は、両者間に海水を循環させ加圧するために水供給手段
30を接続している。水供給手段30としては、耐圧タ
ンク60内に最初に海水を入れるための充水系35と、
耐圧タンク60内に規定量の海水が入ったのちにその海
水を加圧しながら中継タンク20との間で循環させる加
圧系40とを設けている。このうち充水系35は、中継
タンク20と耐圧タンク60との間の配管に、吐出量の
大きい充水用ポンプ36を設けるほか、逆止弁や開閉弁
等を接続したものである。耐圧タンク60への充水は、
下流側にある絞り弁48などを閉じて行い、タンク60
およびマンホール65内に海水を満たすものとする。
【0026】水供給手段30のうち加圧系40は、中継
タンク20と耐圧タンク60との間の往きと戻りの配管
(図中に太い線で示した)に、まず、40kg/cm
以上の吐出圧をもつ加圧ポンプ41と、開度調整の可能
な絞り弁(玉形弁)48とをそれぞれ設けている。耐圧
タンク60の上流側(往き、つまり耐圧タンクまでの水
の供給側)の部分に設けた加圧ポンプ41によって耐圧
タンク60へ海水を送るとともに、耐圧タンク60より
も下流側(戻り、つまり耐圧タンクからの水の排出側)
の部分に設けた絞り弁48の開度を絞ることにより、当
該ポンプ41から絞り弁48までの部分(耐圧タンク6
0を含む)の圧力を高く保ちながら、中継タンク20・
耐圧タンク60間で海水を循環させるのである。なお、
耐圧タンク60内の海水の圧力設定のためにはリリーフ
弁63も機能をなし、その圧力は圧力計64等によって
確認される。
【0027】加圧系40のうち耐圧タンク60の上流側
には、加圧ポンプ41のほか、圧力変動をなくすための
アキュムレータ42や圧力計43を種々の弁とともに設
けたほか、耐圧タンク60の内部には、海水の対流を起
こさせる噴水管44を接続している。一方、加圧系40
のうち耐圧タンク60の下流側には、上記の絞り弁48
に加えて停電時用の遮断弁47などを接続し、それらの
前後に圧力計46・49を設けている。停電等によって
加圧ポンプ41のモータが停止した場合は、前記のとお
り、遮断弁47が閉じることによって耐圧タンク60内
の水位の低下が防止されるとともに、空気供給手段70
からの空気圧によって耐圧タンク60内の圧力が保持さ
れる。
【0028】上記した加圧系40の上流側には、海水の
温度調整手段の一つ(冷やす手段)として、チラー装置
51に接続した熱交換器53を接続している。チラー装
置51に通す冷媒はポンプ52によって熱交換器53に
送り、そこで加圧系40の海水を冷却する。海水の冷却
が必要でない場合には、三方弁54によりバイパスさせ
て冷媒を熱交換器53へは送らないようにする。なお、
このチラー装置51へは、クーリングタワー55を経た
冷却水を別のポンプ56によって通している。
【0029】ウナギの糞など、細かい浮遊物によって海
水が濁るのを防止するために、加圧系40の海水は適宜
に濾過装置58に通せるようにしている。すなわち、加
圧系40の下流側には開閉弁を介して濾過装置58への
分岐管を設け、濾過装置58以降は、ポンプ59を含む
管路によって中継タンク20に接続している。
【0030】以上のように構成した養殖装置1を使用す
れば、耐圧タンク60内に入れたつがいのウナギに自然
に近い態様での産卵と受精をさせ、それによって健康な
多数の稚魚を効率的に得ることができる。そのために
は、ウナギを入れた耐圧タンク60内の海水に関し、
海水そのものを、まずは当該ウナギの捕獲場(たとえば
河口に近い汽水域)で採取される海水(または淡水)と
し、数か月間に、ウナギの回遊経路にある海域の海水
へと順次変更するとともにその温度や圧力も回遊経路に
合わせて適切に変化させていき、やがて適切な時期
(ウナギが自然に産卵する時期、または産卵を促進する
早めの時期)に、産卵場といわれるフィリピン沖の海水
を使用してその温度と圧力を、産卵深度とされる深さ約
400mでのもの(10℃前後・約40kg/cm
にする。海水の入れ替えや給餌は中継タンク20におい
て行い、海水温度の調整は、同じく中継タンク20内で
ヒーター24等により温め、水供給手段30においてチ
ラー装置51等にて冷やすことにより行う。また耐圧タ
ンク60内の水圧の調整は、前記した圧力調整手段(加
圧ポンプ41・絞り弁48等)によって行う。このよう
にして耐圧タンク60内に産卵場までの擬似的な海水環
境を順次形成すれば、ウナギは、実際に産卵回遊を行っ
た場合と同様に産卵し精子の放出を行う。その受精卵が
孵化すると、やがて、養殖池に移すのに適した若いシラ
スウナギとなる。なお、一回の産卵によって数十万匹を
超える稚魚が孵化し得るので、耐圧タンク60の容量に
応じて、適当数の稚魚を早めに海水取出し管66から取
り出すのがよい。
【0031】
【発明の効果】請求項1に記載した回遊魚の養殖方法に
よると、条件の設定が適切に行える場合、容器内の親魚
に自然な状態で産卵をさせ、健康な多数の稚魚を効率的
に得ることができるので、極めて有利にその魚の養殖を
行うことができる。
【0032】請求項2に記載した水中生物の養殖装置に
よると、水質のチェックや添加物の投入、水の入れ替
え、給餌などの作業をつねに適切かつ容易に行えるた
め、請求項1に記載の養殖方法または他の水中生物の養
殖を円滑に実施することが可能である。
【0033】請求項3に記載の養殖装置は、耐圧タンク
内の水の圧力を適切に定めることができ、停電等の際に
もその圧力を維持できるので、水中生物を生育させるう
えで好ましい。
【0034】請求項4に記載の養殖装置ならさらに、耐
圧タンク内に、水中生物の実際の生息環境に近い、静か
で温度むらの少ない環境を形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】発明の実施について一形態を示すもので、ニホ
ンウナギを産卵させて稚魚を得ることを目的とした養殖
装置1の全体系統図である。
【図2】図1の養殖装置1のうち耐圧タンク60につい
ての横断面図(図1のII−II断面図)である。
【符号の説明】
1 養殖装置 20 中継タンク 24 ヒーター 30 水供給手段 41 加圧ポンプ 47 遮断弁 48 絞り弁 51 チラー装置 60 耐圧タンク 70 空気供給手段

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 容器内の水中に成魚を入れ、その容器内
    の水の温度、圧力、またはさらに水質等の条件を、次第
    に産卵場の条件に一致させるべく変化させることを特徴
    とする回遊魚の養殖方法。
  2. 【請求項2】 水中生物とともに水を入れる耐圧タンク
    と、その耐圧タンクへ供給する水を大気圧下で一旦貯留
    し調整する中継タンクと、中継タンク内の水を耐圧タン
    ク内に供給する水供給手段と、水の温度調整手段と、耐
    圧タンク内の水の圧力調整手段とを有することを特徴と
    する水中生物の養殖装置。
  3. 【請求項3】 耐圧タンク内の水の圧力調整手段とし
    て、耐圧タンクの上流側に水の加圧ポンプを備えるとと
    もに下流側に絞り弁を備えること、 耐圧タンクの下流側に、停電時に水路を閉じる遮断弁を
    備えること、 および、耐圧タンクの上部に、停電時に開く通気弁を介
    して圧力調整弁つきの高圧空気ボンベが接続されている
    ことを特徴とする請求項2に記載の水中生物の養殖装
    置。
  4. 【請求項4】 水への曝気手段および水の温度調整手段
    が、上記の耐圧タンク以外の部分に設けられていること
    を特徴とする請求項2または3に記載の水中生物の養殖
    装置。
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