JP2017148007A - 魚類種苗の育成システム - Google Patents

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智也 今道
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Abstract

【課題】掛け流しと同一またはそれ以上の良好な種苗生産を、海水の循環により得られる魚類種苗の育成システムを提供する。
【解決手段】水位調整槽4を有する種苗生産槽2と、水質管理槽3を含み、当該種苗生産槽2は海水で満たされ、その中に魚類種苗を収容すると共に、魚類流出防止ストレーナー10を有し、当該ストレーナー10を介して前記水位調整槽4と連通し、前記水質管理槽3は、海水で満たされその中に複数の植物プランクトン、動物プランクトン、営巣性水生昆虫および海藻類を収容し、前記水位調整槽4から前記水質管理槽3へ海水が流出するよう流出配管6a、6bが設けられ、前記水質管理槽3から前記種苗生産槽2へ海水が流入するよう流入配管7a、7bが設けられていることを特徴とする魚類種苗の育成システムである。
【選択図】図1

Description

本発明は、魚類種苗の育成システムに関し、更に詳細には、魚卵からの孵化後、種苗として養殖業者に出荷できるサイズにまで魚類を育てる魚類種苗の育成システムに関する。
近年、水産業では海の魚を漁獲する漁業から人工生産魚あるいは天然魚を人の手で育てる養殖業への動きが加速しつつあり、多くの魚種で養殖が行われ、またその試みがなされている。この養殖業においては、一般の養殖業者が養殖を開始する大きさまで、卵から魚を育てる種苗生産と、この種苗を市場で販売できる大きさまで育てる養殖とに分けられる。
養殖においては、海に網を浮かべて行なう海面生簀養殖と陸上水槽を用いた海水掛流し陸上養殖が行なわれている。近年、陸上養殖において揚水、加温経費を抑えるために閉鎖循環式養殖の研究や事業化に向けた取り組みが試みられている(非特許文献1)。
一方、種苗生産では、種苗生産槽内の老廃物を注水する海水により掛け流しながら、沈殿物を掃除する掛け流し式の種苗生産方法として、生産成功率、生産率、生産密度の向上に向けた技術的な発展を遂げてきた。
しかしながら、これら掛流しの方法では、海水を殺菌処理して注水したとしても、海水と共に運び込まれるウィルスなどによる疾病を完全に防御することは難しい(非特許文献2)。
また、掛流し生産の中で、種苗生産初期に止水飼育を行なうことで、動物プランクトンの生産・供給作業の省力化に特化した「ほっとけ飼育」方法が開発されているものの、従来の掛流し方法と生産方法が異なり、技術の習得と理論の熟知に経験を必要とするため一般的に普及しているとは言いがたい(非特許文献3、4)。
これら掛流し方法では、生残率、生産密度などの成績をあげつつ、生産初期を止水飼育するなど注水量を抑えたとしても、経費を抑えることには限界があるため、種苗の生産時期を早めるなど養殖現場の新たな要望や環境保全などの社会的な流れに対応することできず、生産方法において抜本的な発想の転換が求められている。
近年は、更なる経費節減や疾病防御、環境負荷低減などの目的で海水を循環使用するクローズド化された閉鎖循環式種苗生産の研究や事業化に向けた取り組みが行われつつある(非特許文献5、6、7)。
しかしながら、従来の閉鎖循環式のクローズド化された種苗生産方法では、魚類の排泄物や残存餌類を除去するためのフィルターシステム、泡沫分離装置などの設備投資が必要とされており、またこれらを動かすために多大なエネルギー、煩雑な設備管理、技術の習得、理論の熟知などを必要とし、コスト的な課題が残る。さらに、魚を育てるために与えた餌等から生じる排泄物などは生産水槽から外部に排出するため、物質循環の上から完全にクローズド化された生産方法には至っておらず、環境負荷低減化に向けた課題が残る。
したがって、魚卵からある程度の大きさとなるまでの魚を育てる種苗生産において、過重な設備、経費を費やすことなく、安価に自然海水を利用する掛け流し生産と同等ないしはそれ以上の結果を得ることが出来、同時に魚を含めた他生物の餌に利用できる海藻や動物プランクトンを生産することにより、外部への排泄物の排出を抑える環境負荷低減型の種苗生産方法が求められている。
特開2011−251286
「水産養殖とゼロエミッション研究」第III章、日野明徳、丸山俊朗、黒倉 寿編、恒星社厚生閣 1999年10月発行 「閉鎖循環式飼育システムを活用したキジハタのVNN疾病防除」、山田達夫、省力化・省エネ化・低コスト化に役立つ増養殖技術、平成23年度栽培漁業技術研修会、全国豊かな海づくり推進協会 2013年1月発行 「ヒラメの種苗生産マニュアル−「ほっとけ飼育」による飼育方法」、高橋庸一、栽培漁業技術シリーズ、日本栽培漁業協会 1998年2月発行 「省コスト・省力化・安定生産へのいざない」、栄 健次、省力化・省エネ化・低コスト化に役立つ増養殖技術、平成23年度栽培漁業技術研修会、全国豊かな海づくり推進協会 2013年1月発行 「閉鎖循環飼育の未来と可能性」、山本義久、アクアネット 2011年4月発行 「今から学べる循環式陸上養殖」、森田哲男、養殖ビジネス 2015年6月発行 「マダイの閉鎖循環式種苗生産における適正循環率の検討」、山本義久、Eco-Engineering 2013年、25号2
本発明は上記実情に鑑みなされたものであり、海水の循環により、第一に、掛け流しと同一またはそれ以上の良好な種苗生産成績を得ること、第二に、既存の簡素な種苗生産施設を使用し、従来の生産方法を継承しながら、その管理作業を軽減させること、第三に種苗生産過程で海水と共に外部に老廃物を排出しないこと、第四に、種苗生産過程で魚の餌となる動植物を同時に生産する技術および育成システム開発をその課題とするものである。
本発明者は、魚類の種苗生産においてリスク要因となる汚濁物等を自然の生態系の中で処理できる可能性について検討した結果、特定の植物プランクトン、動物プランクトン、水生昆虫類および海藻類を組み合わせた水槽を別途利用することで、飼育仔魚の排泄物、残存餌類等の汚濁物が除去可能であることを知った。そして、このような水槽を組み込んだ魚類育成システムを利用し、生物の生態機能を用いて処理した海水を循環させれば、複雑な機器を使用することがないため生産経費を抑え、省力化した管理で魚を育成することが可能となり、水槽中で増殖したプランクトンや水生昆虫類が育成仔魚の餌となるため、外部に老廃物を排出することなく、同時に投入する給餌量を減らすことも可能であることを見出し、本発明を完成した。
すなわち本発明は、種苗生産槽と、水質管理槽を含み、当該種苗生産槽は海水で満たされ、その中に魚類種苗を収容すると共に、魚類流出防止ストレーナーを有し、当該ストレーナーを介して前記水質管理槽と連通し、前記水質管理槽は、海水で満たされその中に複数の植物プランクトン、動物プランクトン、営巣性水生昆虫および海藻類を収容し、前記種苗生産槽から前記水質管理槽へ海水が流出するよう流出配管が設けられ、前記水質管理槽から前記種苗生産槽へ海水が流入するよう流入配管が設けられていることを特徴とする魚類種苗の育成システム育成システムである。
また本発明は、種苗生産槽中の海水を、複数の植物プランクトン、動物プランクトン、営巣性水生昆虫および海藻類を収容する水質管理槽中に送水し、当該水質管理槽中で海水中の有機物、アンモニアおよび有機懸濁物の量を低減させた後、種苗生産槽中にこの海水を返送することを特徴とする魚類種苗の育成方法である。
本発明によれば、高度な機械物理的なフィルター、殺菌処理技術や新たな飼育設備を利用することなく、自然の海域で卵から魚が育つ生態環境を、小さく簡素に再現させることができ、基本的に海水を循環させるポンプの動力と太陽光等の最少源エネルギーで、掛け流し法と同等かそれ以上の魚類種苗の育成が可能となる。
あわせて、飼育管理作業の簡素化や、外部環境への排泄物の低減化を達成することができると共に、魚の餌となる動植物プランクトンを同時に生産することが可能となるので、投入する餌料も低減される。
更にまた、従来の掛流し式、循環式の種苗生産では、必ず必要であった底掃除を必要としないものであり、従来の循環式種苗生産において必要であった泡沫分離装置、生物濾過装置、紫外線殺菌装置を必要としない生産方法が提供できる。
本システムの一実施態様を示す図面である。
以下、本発明の一実施態様を示す図面と共に本発明を更に詳しく説明する。
図1は、本発明の魚類種苗の育成システムの一態様を模式的に示した図面である。図中、2は種苗生産槽、3は水質管理槽、4は水位調整槽、10は魚流出防止ストレーナー、9はストレーナー、5はポンプを、6は流出配管、7は流入配管を示す。
本システムは、図1に模式的に示したように、種苗生産槽2と水質管理槽3を、種苗生産槽2の近傍に設けられた水位調整槽4を介して通水可能に構成されている。
種苗生産槽2は、魚類の仔魚を種苗として十分な大きさまで飼育するためのものであり、海水が入れられる。本実施態様の種苗生産槽2には、水位調整槽4と連通する水位調整管15が設けられ、種苗生産槽2側の中には魚流出防止ストレーナー10が設置され、種苗の他の槽への移動を防いでいる。魚流出防止ストレーナー10の目合いは、仔魚が通過できず、動・植物プランクトンが通過できる程度の大きさである。なお、この種苗生産槽2には、生産期間を通じて貝化石、サンゴ砂等の底質改良材17を散布し、これと営巣性水生昆虫が形成する巣管や、魚や餌生物、浄化生物の排泄物よりつくられる沈殿生成物層を形成させることが好ましい。同様の沈殿生成物層は、後記水質管理槽3において形成させても良い。また、通気装置16aを設けておき必要により通気しても良いが、その通気は沈殿作用を妨げ海水面が波打つほど過剰なものでないことが好ましい。
また、水位調整槽4は、種苗生産槽2と水位調整管15で連通しているが、この水位調整管15は、水位調整槽4の水面部まで伸びており、上部面から海水を排出するようにすることが好ましい。このように構成することで、種苗生産槽2と水位調整層槽4の水位の高低差を付けることが可能となり、常に種苗生産槽2から水位調整槽4へ海水が流出することとなる。
一方、水質管理槽3は、種苗の生育に使用された海水を一時収容し、海水中の過剰な有機物を植物プランクトンに摂取させたり、有機懸濁物を吸着するなどして海水を浄化し、魚の種苗生産に都合の良い安定した海水性状にするものである。
このため、この水質管理槽3中には、ナンノクロロプシス、珪藻類 、藍藻類等の植物プランクトン(微細藻類)、カイアシ類(コペポーダ類)、ワムシ類、ヨコエビ類等の動物プランクトンや、営巣性の水生昆虫、例えばユスリカの幼虫(アカムシ)が投入される。また、アオサ類、スジアオノリ類、オゴノリ類、イワヅタ類(海ぶどう類)等の海藻類も投入される。これらの動植物は、水温により増殖率が異なり、水温に応じた増減を繰り返すため、水質管理槽3中に存在すれば、その生物量が種苗生産魚類・生産時期に対応して変動しても良い。
なお、この水質管理槽3中には、通気装置16bを設けておいても良いが、沈殿物が舞い上がるなど、ユスリカ等の営巣性水生昆虫の産卵行動を妨げないために、海水面が波打つほどの過剰な通気は好ましくない。この通気装置における通気量は、槽内の1ないし複数の部分より1〜5L/分の範囲で空気を放出することが好ましい。
上記の水位調整槽4と水質管理槽3の間は、ポンプ5aを介した流出配管6aおよび6bで連結され、水質管理槽3と種苗生産槽2の間は、ポンプ5bを介した流出配管7aおよび7bで連結されている。これら何れの配管にも開閉弁8が設けられて流量を調整可能とするとともに、配管の吸引部には、ストレーナー9a、9bが取り付けられ、魚類、海藻などが他の槽に移動することを防止している。
ここで使用するポンプ5は、一般の電動式のものあって良く、ポンプ5の吸い口より、水槽水面が低い位置に水位を保つことがあるため自吸式のものが好ましい。また、種苗生産槽2と水質管理槽3の水位を一定に保ち、空転を防止するため、これらのポンプには、ポンプ空転防止センサー(図示せず)を取り付けても良い。
また、本発明システムにおいては、必要に応じて図1に示すように、水温調整装置14を種苗生産槽2や水質管理槽3に設けても良い。この水温調整装置は、ボイラーで温めた水や、冷却装置で冷やした水、あるいは恒温性の地下海水を通水して温度を調整するものである。これにより種苗生産槽2や水質管理槽3の水温を管理範囲に維持することができる。
本発明のシステムにおける、種苗生産槽2と水質管理槽3の容積の比は、飼育する種苗の種類、数等により変化し、限定されるものではないが、一般的には、1:0.5〜5.0程度であり、1:0.5〜1.0であることが好ましい。なお、水質管理槽3では、水槽壁面、投入あるいは増殖した海藻、水質管理槽3内の生物由来の沈殿生成物の接水面積およびその中の微生物群が水質浄化の機能を担っているため、管理槽3内に例えば網などの付着基質を投入することで、接水面積を増大させることができ、相対的に小さい容積であっても十分な効果を上げることができる。
また、本システムでの海水の循環速度も限定されるものではないが、一般的には、0.5〜4回転/日程度であり、0.5〜2.5回転/日程度であることが好ましい。
上記した本発明の種苗生産槽2および水位調整槽4と、水質管理槽3は、それぞれ、例えば透明塩化ビニルシート等の透明シート11で被覆しておくことが好ましい。これにより、太陽光が水質管理槽3内の植物プランクトンや海藻類の光合成に利用可能となるとともに、保温効果により内部の海水温を高め、種苗の生育を促進させることができる。また、透明シート11は、例えば、羽化したユスリカを再び槽内で産卵させるための飛散防止にも役立つものである。更に、基本的に海水を循環する本システムでは、循環海水中の水分の蒸発を防止することができ、さらに、外部環境の海水飛沫を通して侵入する細菌やウィルス類の侵入を抑える効果も併せ持つものである。
なお、本発明システムでは、循環させる海水が所定量より少なくなった場合には、これに対応した新鮮な砂濾過海水や水道水を追加することは可能である。
以上、図1に基づいて本発明システムを説明したが、用いる種苗生産槽2、水質管理槽3等については、その水槽の形状、水槽間の高低差、水槽間の距離等は様々に定めることができる。例えば、水槽の形状としては、上面が円形、正方形、長方形等のものの他、長い水路状の水槽、小さな個別の水槽をサイホンホースで連結したものであっても良い。また、水位調整槽4の水位調整管15の高さを調整し、種苗生産水槽2と水質管理槽3の水位に高低差を設けた場合は、ポンプのうち一台を省くことができる。更に、これら水槽の設置場所は、陸上に限らず海面に設定しても良く、例えば、海面浮体からビニール生地の水槽を海水中に浮かべても良い。
上記図1に示すものは、水位調整槽4を有するシステムであったが、これを省くことも可能である。水位調整槽4を有しないシステムでは、種苗生産槽2の魚流出防止ストレーナー10内に流出配管6を入れ、ポンプ5aを用いて、水質管理槽3に通水するようにすれば良い。
次に本発明のシステムを利用する魚類種苗の生産方法(以下、「種苗生産方法」という)について説明する。
本発明の種苗生産方法を実施するには、まず、図1の種苗生産槽2および水位調整槽4と、水質管理槽3とに海水を入れる必要がある。使用する海水としては、特に制約はなく、ろ過海水、人工海水等も使用できるが、種苗として飼育する魚類仔魚の生活環境を再現するという観点からは、同じ生態系が成立している地先から汲上げた海水を利用することが好ましく、特に珪砂濾過した海水を使用することが好ましい。これら海水には、天然域よりカイアシ類を含む海洋生物や、細菌・珪藻類の種・緑藻類の種等が混入しており、後の段階でこれらを加える必要がなくなる。なお、紫外線照射海水、電解水など殺菌処理された海水、あるいは人工海水、地下海水を使う場合には、必要とする動植物を後で投入すれば良い。
上記水質管理槽3に入れる海藻としては、緑藻類(アオサ類、スジアオノリ類、イワヅタ類)、紅藻類(オゴノリ類)等が挙げられる。このうちアオサ類、オゴノリ類、イワヅタ類(海ぶどう類)等については直接、藻体として槽内に投入する必要があり、例えば、別水槽で肥料を与えながら培養しているものから取出し、水質管理槽3に投入すればよい。一方、スジアオノリ類等は種で入り込み繁茂するので、特段藻体として入れる必要はない。しかし、短期間で水質管理槽3の浄化能力を高めるために、他の水槽で自然繁茂している藻体を投入しても良い。
更に、営巣性水生昆虫は、ナンノクロロプシスを培養する別水槽や他の水質管理槽3に生息する、例えばユスリカ幼虫(通称:アカムシ)を回収して水質管理槽3に投入すればよい。このユスリカ等の営巣性水生昆虫の投入量は、水質管理槽3中に、100〜1000個体/m程度で良い。
このような準備が出来た後、種苗生産槽2に魚卵ないしは仔魚を入れ、飼育を開始する。この種苗生産槽2での種苗の飼育は、従来の魚類種苗での方法と同一でよいが、後記するように水質管理槽3から、この槽で増殖した植物性プランクトンや動物性プランクトンが循環海水と共に流入するので、動物性プランクトン(ワムシ)の給餌量は1/3程度に減らしても良い。しかし、種苗生産槽2に給餌する冷凍コペポーダ、配合飼料は従来の掛流し種苗生産と同じ程度の量を与えことが好ましい。また、種苗生産水槽2または水質管理槽3の底面に沈殿生成物が発生するが、これ自体も水質浄化機能を有するため、従来行なっていた底掃除は実施しないことが望ましい。
飼育にあたっての、種苗生産槽2中の海水のチェック項目としては、水量(水位)、循環量(流出、流入量)、水温、塩分濃度、溶存酸素濃度(DO)、水素イオン濃度(pH)通気量等が挙げられる。また、チェックすることが好ましい主な項目としては、アンモニア濃度が挙げられ、必要により亜硝酸濃度、硝酸濃度等もチェックされる。このようなチェック項目のデータは、例えば、コントローラー12に送られ、ポンプ5a、5b、開閉弁8、通気装置16、水温調整器14等が必要に応じ、コントローラー12により作動される。なお、コントローラー12のような設備がない場合に手動で各機器を作動させても良いことは言うまでもない。
上記チェック項目に基づき、以下のように調製を行いシステムの管理を行う。すなわち、水量(水位)が一定水量より下がった場合には、所定の水位を保つよう、砂濾過海水、水道水を注水する。また、飼育種苗の種類毎に適切な飼育温度が決められるが、これに対応するため、水温を所定の温度に保つための水温調整装置14を設置することができる。例えば、ヤイトハタ種苗では、一般的には、水温は25〜30℃の範囲であり、26〜28℃程度であることが好ましい。また、ハマフエフキ種苗では、一般的には、22〜30℃の範囲であり、25〜28℃程度であることが好ましい。更に、マダイ種苗では、一般的には、16〜25℃の範囲であり、20〜23℃程度であることが好ましく、スギ種苗では、一般的には、27〜30℃の範囲であり、27〜28℃程度であることが好ましい。ミズン種苗では、一般的には、22〜30℃の範囲であり、22〜28℃程度であることが好ましい。
塩分濃度は、一般的に30〜40PSUの範囲であり、30〜36PSU程度であることが好ましい。塩分濃度が40PSU以上に上がった場合には、水道水を加えることで下げる。また、溶存酸素濃度は、一般的には、4〜7mg/Lの範囲であり、6〜7mg/Lであることが好ましい。溶存酸素濃度が5mg/L以下に下がった場合には、種苗生産槽3において通気装置16から水槽内に放出する空気量を増やせば良い。なお、通気量は、槽内の複数の箇所より、生産初期には1L/分程度の量の空気を放出し、その後徐々に通気量を上げて行き、最終的には5L/分程度の量に増加させることが好ましい。
更に、水素イオン濃度(pH)は、一般的には、6〜8の範囲であり、pH7〜8が好ましい。
本発明において、種苗生産槽2のアンモニア濃度は、一般的に0〜2mg/Lの範囲であり、0〜2mg/L程度であることが好ましい。アンモニア濃度が高い場合には、ポンプ5a、5b、開閉弁8を調整し、水質管理槽3への流出量を増やすことにより対応すればよい。また、水質管理槽3の側では、海藻類を増やし、アンモニアの吸収量を増大させれば良い。
更にまた、種苗生産槽2や水質管理槽3では、ワムシ、カイアシ類等動物プランクトンの密度や、ナンノクロロプシス等の植物プランクトン濃度を測定することが好ましい。
種苗生産槽2中のワムシ密度は、一般的に1〜30個体/mLの範囲であり、5〜20個体/mLであることが好ましい。ワムシ密度の下がった場合には、適正密度を保つように別水槽で培養したワムシを入れる。一日当りワムシ投入量は、種苗生産槽2で育成する仔魚の総魚体重量の約300〜500%の範囲に相当し、250%前後が好ましい。種苗生産槽2のカイアシ類密度は、一般的に0〜10個体/10mLの範囲であり、1〜2個体/10mLであることが好ましい。カイアシ類の密度を保つためには、別水槽で採集したカイアシ類を入れたり、市販の冷凍されたカイアシ類(コペポーダ類)を解凍して餌として加えても良い。また、育成魚の成長に応じて種苗生産槽2に投入する餌は、生きている動物プランクトンから人工的な配合飼料に切り替える。一日当り配合飼料投入量は、種苗生産槽2で育成する魚の総魚体重量の10〜30%の範囲で、10%前後が好ましい。
水質管理槽3のワムシは、一般的に0〜30個体/mLの範囲であり、5〜20個体/mLであることが好ましい。水質管理槽3のナンノクロロプシス濃度は、一般的に0〜10万細胞/mLの範囲であり、5万細胞/mLであることが好ましい。
更に、海藻類に関しては、水質管理槽3の中を目視することで管理できる。水質管理槽3の水面に藻体が繁茂し、太陽光が水槽底まで差し込まない状況においては、それら海藻の間引きを行なうことが必要となる。
前記のように、種苗の飼育により、過剰な有機物やアンモニア、あるいは有機懸濁物が増加した種苗生産槽2の海水は、水質管理槽3中で、種苗の生育に使用された海水を一時収容し、海水中の過剰な有機物を植物プランクトンによる有機物の除去、有機懸濁物の吸着除去などして浄化された後、種苗生産槽2に戻され、魚類の種苗が生産される。このような方法で生産される種苗としては、特に制約はないが、熱帯性〜温帯性の海水魚、例えば、ヤイトハタ、マダイ、ハマフエフキ、スギ、ミズン等が挙げられる。例えば、ヤイトハタの生産では、孵化直後の仔魚からその全長が13〜41mm程度に、マダイでは12〜40mm程度に、ハマフエフキでは10〜25mm程度に、スギでは、50〜110mmまで種苗を生育させることができる。また、ミズンでは、88〜113mmの種苗から成魚を育成させることができる。
本発明は、基本的には水質管理槽3中に、最終捕食者である魚類が存在しない疑似自然生態環境を形成することで、種苗生産槽2で生じた飼育仔魚の排泄物、残存餌類やそれらから生じる二次的老廃物を処理し、循環海水を清浄化するというものである。すなわち、種苗生産槽2で生じた上記老廃物に由来する栄養塩類は、海水と共に水質管理槽3中に流出するが、これらの栄養塩類はまず、植物プランクトンによって取り込まれ、植物プランクトンが増加する。そして、この植物プランクトンは、水質管理槽3中の動物プランクトンに摂取される。この動物プランクトンは、植物プランクトンを摂餌しつつ増加するが、その一部は、流入する海水と共に種苗生産槽2に移動し、当該水槽中の魚類仔稚魚により餌として補食される。一方、水質管理槽3中の海藻は、種苗生産槽2で生じた上記老廃物に由来する栄養塩類と魚類種苗に由来する二酸化炭素を利用し、太陽光を受けることで光合成を行ない、酸素を放出しつつ生長する。
さらに、営巣性水生昆虫、例えば、エビイケユスリカ等のユスリカ幼虫は、摂餌または巣を形成することで、流入海水中の浮遊有機懸濁物を固定する働きを行う。エビイケユスリカ等のユスリカ幼虫は、水質管理槽3の底や海藻類に付着し、体を包み込む巣管を造る。そして、ユスリカ幼虫が、海水中の動植物プランクトン、魚の糞やプランクトンの死骸など浮遊有機懸濁物、沈殿物などの様々な有機物(栄養塩類)を餌として摂餌するとともに、これらを巣の材料として吸収、吸着し固定することで循環海水の水質を浄化する。さらに、これらの幼虫が羽化して空中に飛び立つことで、水槽内の海水中に溜まった栄養塩類を外部に運び出す役割も担う。また、以上説明した全ての生物の排泄物や死骸は、水質管理槽3内でユスリカ幼虫の巣管を含む沈殿生成物を形成するが、その表面や内部の微生物群が増殖することで海水中の栄養塩を固定し、あるいはアンモニアを硝化し、取り除く役割を担う。
以上のように作用することで、本発明は海水の循環使用で掛け流しと同等かそれ以上の効果を得るのである。
次に実施例を挙げ、本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例に何ら制約されるものではない。
実 施 例 1
本発明の、図1に示すシステムを利用した方法(循環式種苗生産方法)と、従来の種苗育成槽に新たな海水を追加する方法(掛け流し法)を対比した結果を以下に示す。なお、掛け流し法は、沖縄県水産海洋技術センター石垣支所及び栽培漁業センターで1997〜2015年まで実施したヤイトハタの種苗生産での平均を取っており、循環式種苗生産方法は、同所で2012〜2015年に行った方法の平均をとった。
なお、循環式種苗生産方法で使用した装置は、種苗生産槽2が30〜60kL、水位調整槽4が0.5〜1.0kL、水質管理槽3が30〜150kLであり、これらの間の海水の循環量は、30kL/日より開始し、最大70kL/日とした。また、ユスリカの幼虫(アカムシ)は、水質管理槽3中に、100〜1000個体/m程度となるように加えた。水質管理槽3での管理項目およびその管理範囲は、次の通りであった。
( 管理項目 ) ( 管理範囲 )
水 量 30〜150kL
水 温 20〜30℃
循環水量(通水量) 30〜70kL/日
塩分濃度 25〜40PSU
水素イオン濃度 pH 7〜8
溶存酸素濃度 5〜16mg/L
アンモニア濃度 0〜2mg/L
ワムシ密度 10個体/mL以下
<種苗生産の成功率>
成功率は、種苗生産を実施した回数のうち種苗を生産するに至った回数の割合を示す。本発明の成功率は92%となり、掛流し生産の53%に比べ高く、本生産は安定的に種苗を生産することが出来る方法である。
Figure 2017148007
<種苗生産の生残率>
生残率は、種苗生産槽2に収容したふ化仔魚の数から種苗に育った魚の数の割合で示す。本発明の生残率は約10%であったのに対し、掛流し生産では約5%であり、循環式が生残率は2倍高い。
Figure 2017148007
<生産密度>
生産密度は、一般的に種苗生産槽3の単位容積(1m)当りに育った魚の数で表す。循環式生産では、新たな成績指標として、注水当り生産密度と通水(循環量)当り生産密度を求めた。注水当り生産密度は、海から揚水し、生産期間を通じて生産目的で注水した単位海水(1kL)当りに育った魚の数で算出した。一方、通水当りの生産密度は、生産で注水した海水を生産期間中に循環させた単位海水(1kL)量当りに育った魚の数で算出した。
容積当りの生産密度は、掛け流し生産では584尾/kLであったのに対し、循環式生産では1010尾/kLであった。注水当たりの生産密度は、掛け流し生産では9尾/kLであったのに対し、循環式生産では566尾/kLであった。一方、通水当たりの生産密度で見ると、掛け流し式生産は、9尾/kLであるのに対し、循環式生産では30尾/kLであった。
Figure 2017148007
Figure 2017148007
Figure 2017148007
<その他>
魚類の種苗生産では、時には1m当り10,000尾以上に達するほど高密度で魚を育てることがあり、動物プランクトンや配合飼料など大量の餌を種苗生産槽に投入するため、槽内には残った餌、死亡した魚、排泄物等が溜まり、疾病が発生し、種苗生産を取止めなければならない事例も起こる。掛流し生産では、中止例を減らすため、海水の注水量を種苗生産槽容積の最高10回転/日以上の回転率で掛け流すとともに、かなりの頻度で日常的に底掃除機による水槽沈殿物の排出が必要となる。この底掃除機は、水槽底を自走しながら、1回約30分〜1時間かけて水槽底の沈殿物を海水と共にポンプを用いて吸い出すものである。
なお、沖縄県水産海洋技術センター石垣支所及び栽培漁業センターで従前行っていた掛け流し生産においては、1回の種苗生産期間中(約40日)、平均22回の底掃除を実施する。これに対し、本発明の循環式生産では、種苗を取上げる目的で1度だけ水槽底の沈殿物を吸い出せば良く、恒常的な底掃除は必要としないので、電気代の節約、作業の省力化の面でも本発明は有利である。
実 施 例 2
本発明の、図1に示すシステムを利用した方法(循環式種苗生産)と、従来の種苗育成槽に新たな海水を追加する方法(掛け流し種苗生産)を、沖縄県栽培漁業センターで2014年に実施した生産の対比でしたマダイ種苗の生産結果を表6ないし表9に示す。
なお、循環式種苗生産で使用した装置は、種苗生産槽が60kL、水位調整槽が1kL、水質管理槽が50kLであり、掛け流し法で用いた種苗生産槽は60kLであった。また、循環式種苗生産では、各槽間の海水の循環量は、30kL/日より開始し、最大70kL/日とし、掛け流し法では、注水量を4kL/日より開始し、最大157kL/日とした。また、ユスリカの幼虫(アカムシ)は、100個体/mで加えた。更に、水質管理槽での管理項目およびその管理範囲は、次の通りとした。
( 管理項目 ) ( 管理範囲 )
水 量 50kL
水 温 20〜21℃
塩分濃度 34〜37PSU
水素イオン濃度 pH 7〜8
溶存酸素濃度 5〜7mg/L
アンモニア濃度 0〜2mg/L
<種苗生産の生残率>
生残率は、種苗生産槽に収容したふ化仔魚の数から種苗に育った魚の数の割合で示す。自然海水を利用する本発明の循環生産の生残率は100%であったのに対し、掛流し法では39%であり、循環式生産が生残率は2倍以上高い結果となった。
Figure 2017148007
<生産密度>
生産密度は、一般的に種苗生産槽の単位容積(1m)当りに育った魚の数で表す。循環式生産では、新たな成績指標として、注水当り生産密度と通水(循環量)当り生産密度を求めた。注水当り生産密度は、海から揚水し、生産期間を通じて生産目的で注水した単位海水(1kL)当りに育った魚の数で算出した。一方、通水当りの生産密度は、生産で注水した海水を生産期間中に循環させた単位海水(1kL)量当りに育った魚の数で算出した。
容積当り生産密度は、掛け流し生産では5549尾/kLであったのに対し、循環式生産では12018尾/kLであった。注水当たり生産密度は、掛け流し生産では79尾/kLであったのに対し、循環式生産では6370尾/kLであった。一方、通水当たり生産密度で見ると、掛け流し式生産は、79尾/kLであるのに対し、循環式生産では361尾/kLであった。
Figure 2017148007
Figure 2017148007
Figure 2017148007
従来の沖縄県栽培漁業センターで従前行っていた種苗の掛け流し生産においては、1回の種苗生産期間中(約40日)、28回の底掃除を実施していたのに対し、本実施例の循環式生産では、種苗を取上げる目的で1度だけ水槽底の沈殿物を吸い出したのみであり、電気代の節約、作業の省力化に益するものであった。
従来から、各地で循環式種苗生産の技術開発は進められていたが、それらは、飼育過程で与える多量の餌に起因する過剰な有機物等を、底掃除機、物理的な沈殿濾過槽、機械的な濾過装置、泡沫分離装置などを用いて恒常的に外部に排出し、循環水に含まれる毒性の高いアンモニアは硝化細菌を含む生物濾過槽装置により分解し、最終的に紫外線殺菌装置等を用いて循環水を殺菌処理するというものであった。従って従来法は、過大な設備投資が必要であるとともに、循環経路が複雑で各設備の設営、維持管理とそれらの取り扱い技術の習得ならびに理論の熟知に人手と経験を費やすものであった。
これに対し、本発明では、海藻、動物プランクトンなど海洋生物、営巣性の水生昆虫など生物の生態機能を活用したものであるため、上記した装置は基本的に不要であり、かつ多量の海水のくみ上げを必要としないものである。さらに、海藻・動物プランクトン・沈殿生成物などは、容易に分離回収可能で、イワズタ類など一部海藻は食用として、他は魚など生物の餌、陸上植物の肥料として利用できるものである。
従って、本発明は経済性が高く、海の沿岸環境に負担をかけない種苗の生産技術および複合養殖の技術として、水産業界において広く利用しうるものである。
1 …… 魚類種苗育成システム
2 …… 種苗生産槽
3 …… 水質管理槽
4 …… 水位調整槽
5 …… ポンプ
6 …… 流出配管
7 …… 流入配管
8 …… 開閉弁
9 …… ストレーナー
10 …… 魚流出防止ストレーナー
11 …… 透明シート
12 …… コントローラー
13 …… 水位計
14 ……水温調整装置
15 …… 水位調整管
16 …… 通気装置
17 …… 底質改良材(沈殿形成物層)

Claims (16)

  1. 種苗生産槽と、水質管理槽を含み、当該種苗生産槽は海水で満たされ、その中に魚類種苗を収容すると共に、魚類流出防止ストレーナーを有し、当該ストレーナーを介して前記水質管理槽と連通し、前記水質管理槽は、海水で満たされその中に複数の植物プランクトン、動物プランクトン、営巣性水生昆虫および海藻類を収容し、前記種苗生産槽から前記水質管理槽へ海水が流出するよう流出配管が設けられ、前記水質管理槽から前記種苗生産槽へ海水が流入するよう流入配管が設けられていることを特徴とする魚類種苗の育成システム。
  2. 前記種苗生産槽の近傍に前記魚類流出防止ストレーナーを介して連通する水位調整槽を設け、前記水質管理槽へ海水の流出が水位調整槽を経由して行うよう流出配管が設けられていることを特徴とする請求項1記載の魚類種苗の育成システム。
  3. 前記種苗生産槽と水質管理槽の容積比が、1:0.5から1:1.0である請求項1または2記載の魚類種苗の育成システム。
  4. 前記種苗生産槽と水質管理槽の間の海水の循環回数が、0.5から2.5回/日である請求項1ないし3の何れかの項記載の魚類種苗の育成システム。
  5. 種苗生産槽の海水のアンモニア濃度を、0〜2mg/Lの範囲に維持することで水質管理を行う請求項1ないし4の何れかの項記載の魚類種苗育成システム。
  6. 種苗生産槽および水質管理槽中の沈殿生成物を利用して水質管理を行う請求項1ないし5の何れかの項記載の魚類種苗育成システム。
  7. 前記魚類種苗が、熱帯性〜温帯性の海水魚である請求項1ないし6の何れかの項記載の魚類種苗育成システム。
  8. 前記魚類種苗が、ヤイトハタ、マダイ、ハマフエフキ、スギの種苗またはミズンの種苗から成魚である請求項1ないし7の何れかの項記載の魚類種苗育成システム。
  9. 前記植物プランクトンが、ナンノクロロプシス、珪藻類または藍藻類である請求項1ないし8の何れかの項記載の魚類種苗育成システム。
  10. 前記動物プランクトンが、カイアシ類(コペポーダ類)、ワムシ類またはヨコエビ類である請求項1ないし9の何れかの項記載の魚類種苗育成システム。
  11. 前記海藻類が、緑藻類または紅藻類である請求項1ないし10の何れかの項記載の魚類種苗育成システム。
  12. 前記海藻類が、アオサ類、スジアオノリ類、イワヅタ類(海ぶどう類)またはオゴノリ類である請求項1ないし11の何れかの項記載の魚類種苗育成システム。
  13. 前記営巣性の水生昆虫が、ユスリカの幼虫である請求項1ないし12の何れかの項記載の魚類種苗育成システム。
  14. 種苗生産槽の底部に、底質改良材と営巣性水生昆虫の巣管を含む沈殿生成物層が形成される請求項1ないし13の何れかの項記載の魚類種苗育成システム。
  15. 種苗生産槽中の海水を、複数の植物プランクトン、動物プランクトン、営巣性の水生昆虫および海藻類を収容する水質管理槽中に送水し、当該水質管理槽中で海水中の有機物、アンモニアおよび有機懸濁物の量を低減させた後、種苗生産槽中にこの海水を返送することを特徴とする魚類種苗の育成方法。
  16. 水質管理槽の底掃除を行わない請求項15記載の魚類種苗の育成方法。
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