JP3053793B2 - 甲殻類養殖システム及び方法 - Google Patents

甲殻類養殖システム及び方法

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JP3053793B2 JP9356081A JP35608197A JP3053793B2 JP 3053793 B2 JP3053793 B2 JP 3053793B2 JP 9356081 A JP9356081 A JP 9356081A JP 35608197 A JP35608197 A JP 35608197A JP 3053793 B2 JP3053793 B2 JP 3053793B2
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    • Y02ATECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE
    • Y02A40/00Adaptation technologies in agriculture, forestry, livestock or agroalimentary production
    • Y02A40/80Adaptation technologies in agriculture, forestry, livestock or agroalimentary production in fisheries management
    • Y02A40/81Aquaculture, e.g. of fish

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  • Farming Of Fish And Shellfish (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、クルマエビ等の甲
殻類を効率的に養殖するための甲殻類養殖システム及び
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】日本における海産魚養殖は、多くの場
合、自然の海況変動や季節変化の影響を受ける形で行わ
れている。このため、対象魚を最適条件下で飼育できる
期間が限定され、疾病に対する予防の方策も立てにく
い。さらに、小割イケスを用いた海面養殖では、残餌等
による自家汚染が発生し、それへの対策が強く求められ
ている。
【0003】このような問題意識から、本発明者は、
「環境汚染を招くことがなく、疾病に強く、水温等の飼
育環境条件を制御しやすく、したがって、効率的な養殖
が可能になる」という特徴を有する、外部環境から遮断
した飼育槽を使用するクルマエビなどの甲殻類の養殖生
産の開発に、着手した。
【0004】クルマエビ養殖は、1960年より開始さ
れ、その生産量は、1988年に3千トンに達し、漁業
生産量に匹敵するまでになり魅力ある産業として定着し
てきた。しかし、1988年以降その生産量はウイルス
感染症により激減し、クルマエビ養殖事業そのものの存
続が危ぶまれるまでに至っている。これへの対策には水
産庁、水産試験場、大学等の専門家とともに積極的に検
討されているものの有効な対応策は未だ見つかっていな
い。
【0005】生産量低下の直接の原因はウイルスである
が、クルマエビ養殖をとりまく環境は赤潮の多発等から
も分かるように海洋の水質汚染が進んでいることも根本
的な要因の一つであることは明白である。また個々の養
殖池についても、何十年にもわたって連作が行われたた
め、池の劣化が進みもはや安定した養殖環境が維持出来
なくなっていると思われる。このようなことから、クル
マエビの特性を考えた養殖の技術革新が必要とされてい
る。
【0006】クルマエビの養殖は、通常池底に約10c
m厚さの砂場を作り、水深2m位の海水を張り、池水の
入替は1日1回位の条件で養殖を行う瀬戸内海方式が大
部分である。しかし、養殖密度は比較的低く、他の養殖
魚種の数十分の一程度にすぎず、また広い面積を必要と
するなどの問題点がある。また飼育サイクルは5月頃稚
エビを入れ、10月頃から1月頃を出荷の基準としてい
る。
【0007】瀬戸内方式に対して流水式も考えられた。
この流水式は池底に約10cm厚さの砂場を作り、水深
0.9〜1.6mの海水を張り、池水入替は1日3〜4
回とし、クルマエビの糞尿、残餌、脱皮殻等をこの池水
入替によって除去しようとするもので、砂層を池底から
10〜15cm上方に離してネットによる二重底を設
け、砂層の上方から砂層内下方へ常時排水すると共に、
大量の排水時には中央の大排水弁を開くことによって砂
上の残餌、脱皮殻等を除去する構造となっている。この
方式による生産量は、従来に比べ高く、出荷は、3〜5
月、8月を主としている。クルマエビの養殖方式として
流水式は瀬戸内方式に比べ狭い面積で多収穫を可能とし
たが、一方、池水入替用の水の量が大量であるため大容
量のポンプを必要とし、この電気量のためランニングコ
ストが大となるなどの問題点がある。また流水によって
流し出すつもりでも、残餌、脱皮殻が砂の中に蓄積さ
れ、抜けきれず硫化水素、アンモニアの発生源となるな
どの問題点もある。このため、流水式では、養殖初期は
問題がないが、次第に砂層が汚染され、目詰まりをおこ
し本来の浄化機能を発揮しなくなり病気発生の原因とな
って生産量が揚げられなくなってきた。
【0008】以上のように、瀬戸内方式か流水式かを問
わず、従来のクルマエビの養殖では、外部に解放された
陸上の養殖池の中にクルマエビを入れて飼育する方式を
採用している。そして、クルマエビの糞尿、残餌、脱皮
殻などの有機物は、そのままだと養殖池内を汚染するた
め、養殖池内に植物プランクトンを繁殖させて、この植
物プランクトンに養殖池内の窒素、カリ、燐などを吸収
させるようにしている。その後、繁殖した大量の植物プ
ランクトンを含む水(言わば赤潮の状態の水)は、養殖
池の外に排出し、外海からの新しい海水と入れ替えるよ
うにしている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記の
ような従来の養殖方法によるときは、次のような問題点
を指摘することができる。まず第1に、養殖池内の水は
植物プランクトンが繁殖すると赤潮の状態の水になるの
で、養殖池内の水を必ず定期的に外海からの新しい海水
と入れ替える必要があるが、その入れ替えた新しい海水
から有害なウイルスや細菌が養殖池中に侵入してしまう
危険がある。また、従来のように、養殖池を外部の自然
環境に対して解放した状態に保つ場合は、前記海水以外
の経路からも、例えば風雨などを通じて、有害なウイル
スや細菌が養殖池中に侵入してしまう危険がある。
【0010】実際に、クルマエビ養殖業界では、199
3年から現在まで、RV−PJ(仮称)というウイルス
(バキュロウイルスとも呼ばれる)の感染症によりクル
マエビが大量死する被害が続出しており、養殖業者が転
廃業を迫られる等の深刻な問題に直面している。このウ
イルス被害は、「感染経路が特定できない」ため、養殖
池や器具類の消毒以外には有効な防疫対策がない、とい
うのが現状である(以上、1995年9月2日付け熊本
日日新聞、1995年10月5日付け読売新聞、199
5年4月14日付け朝日新聞、1995年4月14日付
け毎日新聞より)。
【0011】以上のように、従来のような、外部の自然
環境に対してオープンな養殖池を使用し、植物プランク
トンにより有機物を処理して養殖池の水を定期的に外海
からの新しい海水と入れ替える養殖方法に依存している
限りは、外部からの有害ウイルスや有害細菌などの侵入
を防ぐことは、原理的に不可能である。そして、このよ
うな外部からの有害ウイルスや有害細菌の侵入を完全に
防ぐためには、外部環境から遮断した飼育槽を使用する
方式を採用することが有効である。
【0012】また第2の問題として、従来のような外部
の自然環境に対してオープンな養殖池を使用して養殖す
る場合は、クルマエビが気温変化や風雨などの外部自然
環境に直接に晒されてしまうことになる。しかしなが
ら、クルマエビは本来的に暖海に生息し、低水温に弱い
という整理生態を有している。そのため、陸上に建設し
た養殖池では、その水温が外気の影響を受けるため、特
に水温が低下する時期は、クルマエビの成長が長期間停
滞し、クルマエビ生産性が著しく低下してしまう。この
ように、クルマエビの成長効率が養殖池の水温などによ
り強く影響される以上、従来のように、養殖池の飼育環
境を温度変化が激しく不安定でしかも風雨なども存在す
る外部自然環境に依存させたままの方法では、クルマエ
ビを安定的に効率よく成長させることは到底不可能であ
る。そして、外部環境に影響されずに安定的且つ効率的
にクルマエビを生育させるためには、外部環境から遮断
された飼育槽を使用する方式を採用することが有効であ
る。
【0013】さらに第3に、従来より、ヒラメや鰻など
の養殖についは、循環濾過式の養殖方法が提案されてい
る(例えば特公平7−55116号)。しかしながら、
クルマエビなどの甲殻類は「砂に潜って生活する」とい
う習性があるため、ヒラメや鰻と異なって、その飼育槽
内に「砂床」を設ることが必須になるという特徴があ
る。そのため、飼育槽の水流や照度などの様々な点で、
ヒラメや鰻の養殖と同じ方法を適用しても順調に飼育す
ることができないという問題がある。
【0014】本発明は前述のような従来技術の問題点に
着目してなされたもので、甲殻類を安定的に効率よく成
長させることができ、さらに、ウイルス感染症などを有
効に防ぐことができる、外部環境から遮断された飼育槽
を有する甲殻類養殖システム及び方法を提供することを
目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】以上のような従来技術の
課題を解決するための本発明による甲殻類飼育システム
は、外部環境から遮断された飼育槽と、甲殻類用の飼育
水の中の異物を除去するための濾過槽と、前記飼育水を
前記飼育槽と前記濾過槽との間で循環させるための循環
手段と、を備えたクルマエビ等の甲殻類の養殖システム
であって、前記飼育槽内の水温を、約23〜30°Cの
温度に調整するための水温調整手段と、前記飼育槽内の
水中の溶存酸素量をほぼ飽和の状態に保つための溶存酸
素量調整手段と、前記飼育槽内の水に、海水を電気分解
して得られる強アルカリ海水を添加することにより、前
記飼育槽内の水のpHを、甲殻類の飼育のために適した
値に調整するためのpH調整手段と、前記飼育槽の照度
を最適な値に調整するための照度調整手段と、前記飼育
槽内の水流を、前記飼育槽内の砂床の砂が流れないよう
な流速であって、約10〜20cm/秒の流速にするた
めの水流調整手段と、を含むことを特徴とするものであ
る。また、本発明の甲殻類養殖システムにおいては、前
記pH調整手段は、前記飼育槽内の水を、そのpHが約
8.2の値となるように調整するものであるのがよい。
また、本発明の甲殻類養殖システムを使用した甲殻類養
殖方法は、前記飼育槽内に、飼育槽内の病原菌の増殖を
抑える作用を有する微生物を混入させるようにした、こ
とを特徴とするものである。また、本発明の甲殻類の養
殖方法は、甲殻類の飼育槽への池入れ尾数と、甲殻類の
歩留まり100%時の理論投餌量と、甲殻類の飼育槽内
の在庫量と、甲殻類の飼育槽内の減耗量と、甲殻類の歩
留まり100%時の理論増肉係数とから、飼育槽への甲
殻類の飼育に必要な投餌量を求めるようにするのがよ
い。また、本発明の甲殻類の養殖方法は、飼育槽への累
積投餌量と、飼育槽内の甲殻類のへい死量と、飼育槽内
の累積換水量と、浄化係数とから、飼育槽内における甲
殻類の飼育のために必要な換水量を求めるようにするの
がよい。また、本発明の甲殻類の養殖方法は、甲殻類の
飼育槽への池入れ尾数と、甲殻類の飼育槽内の在庫量
と、飼育槽内の甲殻類のへい死量と、甲殻類の平均体重
とから、飼育槽内の甲殻類の間引き量及び間引き時期を
求めるようにするのがよい。
【0016】
【発明の実施の形態】実施形態1.図1は本発明の実施
形態1による循環濾過式のクルマエビ養殖システムの全
体構成を示す概略図である。図1において、51は外部
環境から遮断された飼育槽、52は前記飼育槽51内の
飼育水の中の異物を除去するための濾過槽である。これ
らの飼育槽51及び濾過槽52は、図示しないビニール
ハウスにより外部環境(風雨など)から遮断されてい
る。また、前記濾過槽52は、自然の海水を供給するた
めの配管(図示せず)が備えられているが、通常は、こ
の配管は閉じられており、外部から海水が濾過槽52及
び飼育槽51内に侵入することが防止されている。ま
た、本実施形態のハウス(ビニールハウス)には、遮光
ネットが備えられている。この遮光ネットにより、昼間
の太陽光からの光量は約70〜90%遮光され、前記飼
育槽51の周囲の照度が約15〜25ルクスに保持され
ている。
【0017】次に、本実施形態1の濾過槽52の構成を
説明する。前記濾過槽52には、複数のカセット形の濾
過材が備えられている。これらの複数の濾過材は、飼育
水中のゴミや汚れを物理的に除去するためのフィルター
部を構成するものと、飼育水中の有機物を微生物により
分解するための有機物分解部を構成するものと、から成
っている。
【0018】前記飼育槽51からの飼育水が前記濾過槽
52に供給されると、飼育水は、まず、不織布等の濾過
材などから成る前記フィルター部を通過する過程で、そ
の中のゴミや汚れなどが物理的に除去される。次に、こ
の飼育水は、微生物が繁殖した多孔質の微生物担体、例
えば、ロックウール、木炭、活性炭などを素材とする濾
過材から成る有機物分解部を通過する過程で、その中の
アンモニアやタンパク質などの有機物が微生物により分
解される。
【0019】このようにして有機物が分解された飼育水
は、その後、前記濾過槽52の図示上方の植物プランク
トン繁殖槽53に供給される。この植物プランクトン繁
殖槽53内には、ライト54からの光により、植物プラ
ンクトンが大量に繁殖している。前記飼育水は、この植
物プランクトン繁殖槽53内に配設された配管55内を
通過していく。この配管55は、前記飼育水に含まれる
無機物を内側から外側に透過させる半透膜により構成さ
れている。したがって、前記飼育水中の硝酸等の無機物
は、配管55を通過する過程で、前記半透膜により配管
55の外側に透過していき、植物プランクトン繁殖槽5
3内を浮遊する。この浮遊する無機物は、大量に繁殖し
ている植物プランクトンにより、栄養として、摂取され
る。以上により、前記飼育水中の無機物は、有効に除去
される。
【0020】なお、本実施形態1では、前記濾過槽52
の有機物分解部の最後の段階の濾過材として、活性炭か
ら成る濾過材を使用するようにしている。その理由は、
一般に、植物プランクトンは活性炭処理された水の中で
繁殖しやすいので、植物プランクトン繁殖槽53内で植
物プランクトンが繁殖しやすいように、前記飼育水を予
め活性炭処理しておくためである。
【0021】以上のようにしてゴミや汚れ、有機物、無
機物が有効に除去された飼育水は、ポンプ(図示せず)
などの循環手段により、配管56を介して、飼育槽51
に戻される。この配管56の途中には、紫外線照射器か
ら紫外線が照射され、飼育水中の有害な細菌やウイルス
を死滅させるようにしている。また、この配管56の途
中には、PSA酸素発生器からの酸素が飼育水に供給さ
れるようになっており、飼育水中の溶存酸素をほぼ飽和
に保つようにしている。
【0022】次に、飼育槽51の構成を説明する。飼育
槽51の底部には、砂床が設けられている。前記の濾過
・浄化された飼育水は、砂床の下方から飼育槽51内
へ、所定の水流で供給される。また、この飼育槽51に
は、サイホン機構61が設けられている。このサイホン
機構61は、飼育槽51内の飼育水の表面又はその表面
近くを浮遊している汚れやゴミを、表面近くの水と共
に、配管62を介して前記濾過槽52に送るためのもの
である。なお、このサイホン機構61の構成について
は、後述の実施形態2で詳述する。
【0023】また、飼育槽51には、飼育槽51内に所
定速度の水流(回流)を常時生じさせるためのブロワー
64が備えられている。このブロワー64は、前記濾過
槽52などにより濾過・浄化された水を、飼育槽51の
側壁の砂床のやや上方の位置から、例えば時計方向(又
は反時計方向)に所定量ずつ供給するものである。この
ブロワー64からの水の供給は、前記飼育槽51内の砂
床の砂が流れないような流速であって、例えば約10〜
20cm/秒の流速(より望ましくは16cm/秒の流
速)を生じさせるように、行われる(クルマエビは砂の
ある状態で飼育するため、効率的に汚れを集めるには砂
を流さないようにする必要があるため)。
【0024】また、飼育槽51には、自動投餌機63が
備えられている。この自動投餌機63は、コンピュータ
65により計算された最適量の餌を自動的に飼育槽51
内に投与するものである。
【0025】また、飼育槽51には、コンピュータ65
を含む飼育水温度調整システムが備えられている。この
飼育水温度調整システムは、飼育水の温度を常時温度セ
ンサで検出しながら、コンピュータ65により、飼育水
の温度が予め設定された23〜30°Cの温度に保持さ
れるように制御するものである。具体的には、コンピュ
ータ65は、例えば、ハウスの室内の温度が30°C以
上になったら換気扇を駆動させ、飼育水の温度が25°
C以下になったらボイラーを駆動させることなどによ
り、飼育水の温度を調節する。
【0026】また、飼育槽51には、海水を電気分解し
た強アルカリ海水を添加することにより、飼育水のpH
が約8.2に維持されるように調整するための、コンピ
ュータ65を含むpH調整システムが備えられている。
このpH調整システムは、飼育水中のpHを測定するセ
ンサからの信号に基づいて、コンピュータ65が添加す
る必要のある強アルカリ海水の量を算出し、アルカリ水
生成器を駆動させて、必要量の強アルカリ海水を飼育槽
51に添加するものである。
【0027】また、飼育槽51には、外部から遮断され
た前記飼育槽51内に、飼育槽内の病原菌の増殖を抑え
る作用を有する微生物を定量ずつ混入させるための定量
ポンプ(例えば、0.1リットル/時)が備えられてい
る。本実施形態では、前記定量ポンプにより混入させら
れる微生物として、アルテロモナス属又はシュードモナ
ス属に属する微生物が、使用されている。また、本実施
形態では、前記飼育槽51内の飼育水を、前記微生物に
とって増殖しやすい状態とするために、前記飼育水にミ
ネラル成分(例えば、ミネラルを多量に含む苦汁)を定
期的に供給するようにしている。
【0028】クルマエビ飼育マニュアルの開発.次に、
本発明者は、クルマエビ養殖の経験が少ない人でも、適
切な養殖事業を可能にできる「クルマエビ飼育マニュア
ル」の開発に取り組んだ。
【0029】1.クルマエビ養殖での生産性の評価方法 クルマエビ養殖生産量は、ウイルスによって激減してい
るが、生産現場では如何にその病害による減耗を防止す
るかに苦慮している。このような生産量低下に起因する
ものを取り除こうという思考方法が生まれるのは、生産
量という1つの数字のみで生産結果という基準を評価判
断しているためではないかと考えた。即ち、生産量の低
下は、一般に歩留まりが低下することによる。このた
め、生産性の評価基準としてよく歩留まりが使用され
る。この歩留まりとは、最終取り揚げ時の値である(こ
れを最終歩留まりと言う)。しかし、これで生産性を評
価するとした場合、次の表1に示されるようなケースで
は最終歩留まりでは評価できない。
【表1】 つまり、この表1のケースでは、生産量、歩留まりとも
変わらないのでケース1、2とも同じであるという判断
になる。しかし、ケース2は池入れ体重が大きく、この
ため増重量は低くなっている。
【0030】このようなことから、池入れからの成長、
歩留まりの減少傾向が問題になるのでは、と考えた。そ
こで、表2に平均体重と歩留まりの相関を求めた。表2
において、横軸を平均体重にしたのは、成長に関する餌
料、環境、病害をも含んだ飼育に関する要因を全て含ん
だ結果として体重があると考えたからである。
【表2】 表2から、平均体重と歩留まりには、高い負の相関がみ
られる。また、4つの回帰式が、同じ母集団についての
ものかどうか検定するため、共分散分析を行った。その
結果、切片には差が見られたが、傾きは同じであった、
従って、これら4式は互いに異なった式だといえた。し
かし、いずれも、平均体重が増加するにしたがって、歩
留まりが減少していることを示している。そこで、平均
体重と歩留まりの関係を 、 Y=−AX+B (1) Y:歩留まり(%) X:平均体重(g) A:直線の傾き B:切片 とした。この直線の傾きを生産性の評価として用いるこ
とを考えた。
【0031】この直線の傾きは、増重による平均体重と
歩留まりを含んだ結果としてあり、池入れ、取り揚げ平
均体重に違いがあっても生産性の評価の比較ができる。
池の収容能力(在庫量)がどれくらいであるかが分かれ
ば、池を如何に有効利用しているかが判断できる。そこ
で在庫量を求めた。在庫量は、 在庫量(Kg)=NYX (2) N:池入れ尾数(千尾) Y:歩留まり、計算上はT/100で行った。 X:平均体重(g) で表せる。 (2)式に(1)式をあてはめると、 在庫量=N(−AX+B)X (3) (3)式を微分して0とおくと X=B/2A (4) (4)式を(3)に代入すれば、 在庫量=NB2/4A (5) これは、(4)、(5)を頂点とする放物線となる。こ
の(4)を最大在庫量の時の平均体重、(5)を最大在
庫量とした。以上のことから、直線の傾きが良ければ、
最大在庫量も高くなる。このことは、池の生産性が高い
ということだと思われる。こう考えると、直線の傾きが
違う要因が分かれば、有効な生産方法が見つけられるの
では、と考えた。
【0032】2.クルマエビ養殖生産での池入れ尾数の
効果 生産の基本となる池入れ尾数と生産量に関する諸要因と
の相関をみた。池入れ尾数がある一定量以上多ければ、
歩留まりは低下するだろうと思われる。しかし、歩留ま
りは飼育期間及び最終取り揚げ体重の違いを含んでいな
い。そこで、色々な条件を含んだ結果として直線の傾き
があるとして、池入れ尾数と直線の傾きの関係をみた。
表3に密度を変えた実験結果を示した。実験は、平均体
重16g程度のエビを使い、密度を5段階に分け、各2
槽(200L水槽使用)ずつで、20日間飼育した。
尚、各々の水槽で開始平均体重が違うため、開始尾数は
1gで池入れしたと考えて補正し、場所の違いがでない
ように平米当りの尾数で示した。
【表3】 表1の実験結果より池入れ尾数と直線の傾きの関係は、
上限をもつ曲線であろうと考えられる。このことから曲
線のあてはめを行った。その結果、次の表4のように、
ゴンパーツ曲線がよく当てはまった。
【表4】 表4の結果をゴンパーツ曲線にあてはめた。
【表5】 これらの結果から池入れ尾数は、1g程度までは470
尾/m2、それ以降は33尾/m2以上池入れしても直線
の傾きは悪くなるだけであるという結果になった。池入
れ尾数と直線の傾きの関係は、上限をもつ曲線であろう
と推定された。このことは、池入れ尾数が幾らあっても
生産量は一定ではないかと考えられる。 各終了重量を
表6に示した。
【表6】 総重量、増重量とも多少の上下はあるもののほぼ安定し
ている。このことから池の最大在庫量は一定傾向にある
のではないかと考えた。即ち、開始尾数等と関係なく飼
育在庫量はほぼ一定である。以上のことから池入れ尾数
に関係なく池の在庫量は一定傾向にあり、これが池の生
産能力になっていると考えた。
【0033】3.効率的なクルマエビ養殖管理の検討 養殖生産で個人が行っていることは、投餌、換水、間引
き出荷である。養殖管理は、その投餌、換水、間引き出
荷を如何にするか判断することである。従って効率的な
養殖管理は、投餌、換水を少なくし、生産量を多く揚げ
る養殖方法のことである。そこで、効率的な投餌量の推
定を行った。
【0034】1)投餌量の推定 一般に、投餌量の決定は、増肉係数で推定する。しか
し、増肉係数は、池の在庫量、環境状態により一概に決
められないため、過去の経験から経済的な面も考慮に入
れて推定する。そこで今仮に、池入れ平均体重を無視
し、平均体重が幾らあっても、歩留まりは、絶えず10
0%だとして、累積増肉係数を求めると、 Z/NX=R (1) Z:累積投餌量(Kg) N:池入れ尾数(千尾) X:平均体重(g) R:100%歩留まりの時の累計増肉係数 となる。
【0035】クルマエビの摂餌量は体重ごとにほぼ決ま
っている。このことからRは、ほぼ一定になるはずであ
る。この累積増肉係数が一定にならないのはへい死があ
るからだと考えた。つまりへい死がなければ理論投餌量
(Z)は(I)よりZ=NXRとなる。また、へい死量
(減耗量)はN(1−Y)Xとなる。そこでこれらから
理論増肉係数を求めて以下に示した。 理論増肉係数(LCR)=NXR/(NYX−N(1−Y)X) (2) =R/(2Y−1) NXR:歩留まり100%の時の理論投餌量(Kg) NYX:在庫量(Kg) N(1−Y)X:減耗量(Kg) R:歩留まり100%の時の理論増肉係数
【0036】そこで(2)式から理論増肉係数を求め、
実際の増肉係数、100%歩留まりの累積増肉係数
(R)と比較して表7に示した。
【表7】 表7の結果より、理論増肉係数は、最大体重のとき無限
大となる。このことから最大体重に達するまでに取り揚
げるのが理想である。また、平均体重と100%歩留ま
りのときの累積増肉係数の関係を表7に示した。このこ
とから平均体重8g程度からこの累積増肉係数はほぼ横
ばいとなっている。
【0037】2)換水量の推定 一般に、換水は池の汚濁負荷軽減のために行われる。こ
れは、池の有機物量の減少につながる。今簡単に池の汚
濁負荷の原因を投餌量、減耗量であると考え、これを除
くものとして換水があるとした。そこで以下に示すよう
な式を池の浄化係数(K)として求めた。
【0038】 (Z+N(1−Y)X)/C=K (3) Z:累積投餌量(Kg) N(1−Y)X:へい死量(Kg) C:累積換水量(トン) K:浄化係数 とおける。これから、各平均体重でのKを求めて、表8
に示した。
【表8】 これより、浄化係数Kは平均体重10g以上でほぼ一定
となってくる。これは池に投与する投餌量が上限になっ
てきたためと考えられる。
【0039】3)間引き量と間引き時期の推定 間引きは、在庫量を減らし、残ったクルマエビの成長を
促し、また在庫量を減らして行き、生産量を上げていく
ための方法である。しかし、この間引きのタイミング、
間引き量の決定は明確には分からない。そこで、池の生
産性から最も増重量が多い時期に出荷すると考えた。間
引き量とその時期は、増重量の最大となる平均体重が間
引き時期となるため、 NYX−N(1−Y)X =NX(2Y−1) これにY=−AX+Bを代入して微分すると X=2(2B−1)/4A となる。この点が最も増重量が高い点であるから、間引
き時期として考えた。また、出荷量は、池の状態に合わ
せて決めてゆくのが現状である。つまり、経済的観点か
ら見れば、最大増重の時期であっても価格が安ければ採
算に合わない。しかし、へい死が続く状態であれば、在
庫量を減らして投餌量を減らせばよいと考えた。
【0040】以上のことから、飼育に関わる全ての値は
平均体重より求められることが分かる。このことから、
平均体重が推定し得れば、生産計画が立てられることが
分かる。そこで、季節、場所等の違いがあっても使用で
きるよう水温により平均体重を推定した。また、平均体
重は、池入れの平均体重の違いを避けるため平均増体重
とした。そこで、積算水温と平均体重の関係を表9に示
した。この結果からゴンペルツ曲線の当てはめを行っ
た。
【表9】 以上の結果から、水温が求められれば、飼育マニュアル
の作成が行える。その一例として、最終の取り揚げ体重
を20g以上、飼育期間を6ケ月とした場合の飼育マニ
ュアルは、次のとおりである。 1.タンク内の最大在庫量は3500g/m2である。 2.池入れ尾数と直線の傾きの関係より最大池入れ尾数
は300尾/m2前後である。このときの直線の傾きは
2.58となった。 3.積算温水と平均増体重の関係から、最終体重を20
g以上としたときの歩留まり計算式を求めると、 Y=−2.58X+106.98 4.表9の結果から成長予想曲線を出し、この予想平均
体重から理論累積増肉係数、換水量を決めた。 以上の結果をまとめると、以下の表10のようになっ
た。
【表10】
【0041】以上の検討から、本実施形態では、コンピ
ュータ65による飼育経費及び資金繰りの計算も可能に
なる。すなわち、本実施形態によれば、使用機器の電気
料が一定で、投餌量が推定できるため、上記のように求
められる各推定値に単価をかければ、飼育経費などが容
易に算出できるようになる。
【0042】実施形態2.次に、図2は本発明の実施形
態2による循環濾過式のクルマエビ養殖システムの概要
を示す図である。図2において、1はクルマエビの飼育
環境を外部環境と遮断するための透明なビニールハウ
ス、2は外部からの海水を濾過し浄化するための濾過
槽、3はこの濾過槽2からの水を紫外線照射や加熱など
の方法で滅菌処理するための滅菌処理部、4はこの滅菌
処理部3からの水が供給されるクルマエビ飼育槽、5は
前記飼育槽4からの汚れた水を前記濾過槽2に送るため
のポンプ、6は外海(外部の海)からの海水を前記濾過
槽2に送るためのポンプである。また、7は、外海と前
記濾過槽2との間を、外部から海水を補充する必要のあ
るときだけ解放するが、通常は閉鎖しておくための弁で
ある。また、8は前記濾過槽2により水と分離された異
物が沈殿される沈殿槽、9はこの沈殿槽に沈殿された異
物を外部に排出するための排出管である。
【0043】なお、図2において、31は濾過槽2から
の水を飼育槽4に送るための配管、32は飼育槽4から
の汚れた水を濾過槽2に送るための配管で、これらの配
管31及び32は、前記のポンプ5などと共に、クルマ
エビ飼育用の水を前記濾過槽2と前記飼育槽4との間で
循環させるための循環手段を構成している。
【0044】また、図2において、10は前記ハウス1
の天井に設けられた遮光ネットで、昼間の太陽光を約6
5%〜90%、より望ましくは約70%〜90%程度遮
光するための遮光ネットである。この遮光ネット10に
より、前記ハウス1内は、昼間は、約15〜25ルク
ス、より望ましくは約20ルクス前後の照度に調整され
るようになっている。
【0045】なお、本実施形態において、前記の照度調
整用の遮光ネット10を備えるようにしているのは、本
実施形態がクルマエビ飼育用の水を定期的に外海から補
充するのではなく、システム内部で循環濾過させること
により同じ水を使用するようにしていることと密接に関
連している。すなわち、従来の養殖池を使用した方法で
は、クルマエビの排泄物や残餌などの処理は植物プラン
クトンを利用することにより行っていたが、植物プラン
クトンを活動させるためには、太陽光をそのまま多量に
注ぎ込む必要がある。しかし、植物プランクトンを利用
する方法だと、植物プランクトンが大量に繁殖したとき
に赤潮の状態となるので、飼育槽の水をすべて外海から
の新しい海水と入れ替える必要があり、どうしても、外
部から有害ウイルスや細菌が侵入する危険にさらされる
ことになる。
【0046】そこで、本実施形態においては、「植物プ
ランクトンを利用することなく、システム内部で循環濾
過することにより、飼育用の水を調達する」という発想
から、飼育槽4内では植物プランクトンや藻類をなるべ
く生存させないようにしている。なぜなら、飼育槽4内
で藻類などが繁殖すると、濾材の目詰まりの原因とな
り、また水が汚れる原因ともなるからである。このよう
な目的からは、飼育槽4内には全く光を与えないことの
方がむしろ望ましいと言える。しかしながら、本発明者
の実験によれば、クルマエビに光を与えないようにして
暗闇の中に放置したままにしておくと、約30〜50日
後(平均的には約40日後)にはほぼ全て死滅してしま
うことが判明した。また、本発明者の実験によれば、昼
間に約20ルクス前後の明るさがあれば、クルマエビは
生存し続けることができることが判明した(天然のクル
マエビは海底20ルクス程度の明るさで生息しているこ
とからも、20ルクスが一つの目安となり得る)。ま
た、約20ルクス(又は約15〜25ルクス)前後であ
れば、珪藻などの藻類の繁殖も抑えることができる。
【0047】以上の点から、本実施形態では、前記遮光
ネット10を備えることにより、前記飼育槽4の照度が
昼間は約20ルクス前後になるように、調整しているの
である。また、本実施形態においては、前記ビニールハ
ウス1は、この遮光ネット10を保護するという役目を
も有している。
【0048】前述したように、本実施形態においては、
遮光ネット10により、太陽光が飼育槽4に直接に照射
されないため、藻類の繁殖が防止され、そのため飼育槽
4内の水を定期的に新しいものと取り替える必要がなく
なる。さらに、遮光ネット10が断熱効果を発揮するた
め、ハウス1の室内温度を安定させ、飼育槽4の水温を
安定化させられるようになる。
【0049】また、本実施形態では、図3(b)に示す
ように、ハウス1の天井の全体に備えられた遮光ネット
10(図3(a)参照)による遮光の度合いを、その日
の天気(晴天か曇天か雨天かなど)により調節するため
に、遮光ネットの巻上げ及び巻下げ機構11が備えられ
ている。例えば、飼育槽4の消毒を行う必要がある場合
や、飼育槽4内に植物プランクトンを繁殖させる必要が
生じた場合などは、遮光ネット10を前記の巻上げ及び
巻下げ機構11により巻き上げて、ハウス1内に太陽光
を取り入れることができる。
【0050】また、本実施形態では、特に図4に示すよ
うに、前記ハウス1内の温度を調節するための換気扇1
2が備えられている。この換気扇12は、マイクロコン
ピュータを内蔵したコントロールボックス13により制
御されている。コントロールボックス13は、ハウス1
内の温度を検出する温度センサ13からの信号に基づい
て、ハウス1内の温度が予め設定された基準温度よりも
上昇したとき、前記換気扇12を作動させて外気をハウ
ス1内に取り入れる。また逆に、ハウス1内の温度が前
記基準温度以下になったら、換気扇12を停止させる。
なお、図4において、15はインレットシャッターで、
前記換気扇12が駆動されているときに、外部からの外
気をハウス1内に取り入れるためのものである。
【0051】以上のように、本実施形態では、ハウス1
に換気扇12、コントロールボックス13、温度センサ
14などから成る自動換気装置を備えているので、次の
ような効果が得られるようになっている。まず、前記コ
ントロールボックス13のスイッチを入れておくだけ
で、自動的にハウス1内の温度や湿気の調整ができるの
で、外部からの空気の入流のためにいちいちビニールを
人手で開閉する作業が不要になり、作業の大幅な省力化
が実現できる。また、外が強風のときには、前記換気扇
12を駆動しておくと、換気扇12の排気作用によりハ
ウス1内の気圧が低下してビニールがハウス1の内側方
向にピッタリと押さえられるので、ビニールが強風でバ
タバタすることがなくなる。さらに、蒸散活動が活発に
なり、飼育槽4内より気化した物質が排出されるように
なる。
【0052】次に、本実施形態の飼育槽4の構成を図5
及び図6に基づいて説明する。図5は飼育槽4の断面
図、図6は飼育槽4の平面図である。図5及び図6にお
いて、21は飼育槽4の最下層に形成された注水部で、
前記濾過槽2からの水が注入される注水部、22はこの
注入部21の上に設けられたネットで、多数の微小な穴
が形成されたネット、23はこのネット22の上に備え
られたロックウール(粒状の石綿)製の砂床、24はこ
の砂床22の上に設けられ水が充填される水槽部、25
はこの平面4角形の水槽部24の4辺の図示下方の位置
に配置されたエアー配管で、水槽部24内の水に外部の
エアーポンプ26(図6参照)から空気(酸素)を供給
するための塩化ビニール製のエアー配管、25aはこの
エアー配管25の一部に形成されたエアー噴出用の穴
(図6参照)、27は前記水槽部24内の汚れた水を排
出して前記濾過槽に送るためのサイホン、28はサイホ
ン27の外環、28aは前記サイホン27の外環28の
図示下方(砂床23の上の位置)に形成された、ゴミを
含む汚れた水を入れるための穴、28bは前記サイホン
27の外環28の上方の位置(後述する「干潮線D」の
高さ位置)に形成された空気穴、29はサイホン27の
内環(前記濾過槽2に通じている)、である。
【0053】次に、図5及び図6に基づいて前記飼育槽
4の動作を説明する。前記濾過槽2からの濾過及び浄化
され滅菌された水(海水)は、図5の注入口21aから
注水部21に注入される。さらに、この注入された水
は、図5の矢印αに示すように、図の下方から上方に向
かって、前記ネット22及び砂床23を通過してその上
方の水槽部24内に、徐々に流入していく。
【0054】ところで、水槽部24内の水には、前記の
エアー配管25から空気が噴出されることにより、クル
マエビの飼育に必要な酸素が取り込まれるようになって
いる。また、本実施形態においては、前記エアー配管2
5に形成された前記エアー噴出用の穴25aは、エアー
配管25の全長の全てではなく、その一部のみに形成さ
れている。すなわち、図6に示すように、前記の平面が
四角形状(図6に示す前記水槽部24の4辺にほぼ平行
に沿う形状)に配設されたエアー配管25は、その4辺
共に、それぞれ半分のみに複数の空気噴出用の穴25a
が形成されている。そして、本実施形態において、前記
のエアー配管25の4辺の一部からそれぞれエアーが噴
出されると(図6の矢印β参照)、水槽部24内の水
は、図6の矢印γに示すように回転するようになる。こ
の回転により、水槽部24内の回転中心部には、渦巻き
が形成され、この渦巻きにより水槽部24内のゴミを含
む汚れた水が水槽部24の前記回転中心部(図6のサイ
ホン27の周辺部)に集まることになる。
【0055】さらに、前記注水部21からの水が水槽部
24に流入して行き、水が図5の満水線Aの高さまで達
すると、この時点からサイホン27が作動する。すなわ
ち、前記の渦巻きにより中心部に集められたゴミを含む
汚れた水が、前記穴28aからサイホン27の外環28
内に入り込み(図5の矢印B参照)、上昇していく。そ
して、この入り込んだ水が前記内環29の上端より高く
上昇すると、内環29内に入り込み(図5の矢印C参
照)、内環29内を下降して行く。この下降して行く汚
れた水は、飼育槽4から排水され、濾過槽2に循環され
る。そして、このサイホン27による排水動作の結果、
水槽部24内の水のレベルが図5のDで示す干潮線まで
下がると、前記空気穴28bからサイホン27内に空気
が吸い込まれて、サイホン27による排水動作が停止さ
れる。なお、以上のサイホン27による排水動作は、サ
イホンによる排水量の方が前記濾過槽2からの注水量よ
りも多いため、ほぼ定期的に行われるようになってい
る。
【0056】なお、本実施形態では、前述のように、飼
育槽4内の砂床23をロックウール(粒状の石綿)によ
り製造している。このロックウールは、次のような性質
を有している。まず、比重が大きいので、水中に沈む。
他方、砂よりも軽いので、運搬などの作業が楽である。
また、通常の砂よりも「しまりにくい」ため、水途(み
ずみち。水が図5の砂床23の下方から上方に通過する
ための途)ができやすい。よって、砂床がいつまでも柔
らかいためにクルマエビが容易に潜り込むことができ
る。また、砂床を水が通過しやすいので砂床が清潔に保
たれる。さらに、ロックウールはもともと製鉄の過程で
生産されるため、高熱下で滅菌されているので、有害な
細菌やウイルスが存在する可能性がない。さらに、ロッ
クウールは製鉄の過程で生産される関係から多量のミネ
ラル成分を含んでいるので、飼育槽4内の水にミネラル
成分を与えることができる。
【0057】なお、一般に、クルマエビは砂の中に潜る
習性を身につけており、日中は池底の砂層に潜り、夜間
は砂層から出て、採餌、遊泳等の活動を行っている。し
たがって、クルマエビの生息域は砂場であり、現在のと
ころでは、砂床はクルマエビ養殖の絶対条件の一つだと
されている。
【0058】次に、本実施形態における濾過槽2の構成
を説明する。前記濾過槽2は、図2に示すように、ロッ
クウールから成る濾材2a、石灰石から成る濾材、素焼
き玉から成る濾材、及び、活性炭(又は木炭)から成る
濾材などを備えている。以上の各濾材を通過する過程
で、飼育槽4からの排水(場合により外海からの水)
は、汚れの原因となる異物が除去されると共に、アンモ
ニアなどの有機物が微生物により分解処理される。な
お、本実施形態では、各濾材は、所定の金属製の枠体で
それぞれ互いに独立に濾過槽2から出し入れできるよう
になっている。したがって、各濾材を洗浄するときは、
チェーンブロックなどで各濾材を引き上げて、洗浄用の
場所に搬送した上で洗浄することができる。また、特
に、本実施形態では、前述のように、ロックウール製の
濾材2aを備えているため、濾過及び浄化の過程で、ロ
ックウールからのミネラル成分が水に与えられるように
なっている。
【0059】なお、この図2では図示していないが、図
2の濾過槽2の最後の活性炭から成る濾材を通過した飼
育水を、さらに、図1(実施形態1)の植物プランクト
ン繁殖槽53内に備えられた配管55(半透膜製)を通
過させることにより、飼育水中の無機物を除去するよう
にし、その後に、この飼育水を飼育槽4に戻すようにし
てもよい。
【0060】次に、本実施形態における滅菌処理部3
(図2参照)について説明する。この滅菌処理部3は、
公知の紫外線照射装置により構成されている。この紫外
線照射装置は、前記濾過槽2から飼育槽4へ繋がる配管
31の途中に配置され、飼育槽4に流れる水に紫外線を
照射して水中の細菌やウイルスを死滅させるものであ
る。これにより、飼育槽4内に流入される水の中には、
有害な細菌やウイルスはほぼ生存していないことになる
ので、飼育槽4内のクルマエビが細菌感染症やウイルス
感染症に罹ることがほぼ防止できるようになる。なお、
本実施形態では、前記の濾過槽2から飼育槽4へ流れる
水を滅菌するための方法として、紫外線照射の方法を使
用しているが、本発明はこれに限られるものではなく、
様々な方法を採用することができる。例えば、電気ヒー
ターなどによる加熱殺菌の方法も可能である。また、オ
ゾン殺菌の方法も採用できるが、オゾン殺菌の場合は飼
育槽4までオゾンが残存する可能性があるので余り望ま
しくはない。
【0061】次に、本実施形態では、前記飼育槽4に、
微生物を供給することで、病原菌の増殖を抑えるように
している。前記の微生物としては、様々なものを採用で
きる。細菌感染症防除用微生物としては、例えば、特公
平6−237665号公報により公開されているビブリ
オ感染症などの細菌感染症に対して治療効果を奏するデ
ロビブリオ属に属する微生物などが採用できる。また、
エビに対して害がなく有用な微生物としては、アルテロ
モナス属に属する微生物又はシュードモナス属に属する
微生物などを使用できる。
【0062】以上のように、本実施形態では、飼育槽4
に前記アルテロモナス属又はシードモナス属の微生物を
投与することにより、飼育槽4内に病原菌が増殖するこ
とを有効に防止することができる。また、本実施形態で
は、前述のように、濾過槽2からの水を、滅菌処理部3
において紫外線照射などの方法で滅菌した後に、飼育槽
4に供給するようにしている。そのため、飼育槽4に供
給される水から有害なウイルスや細菌がクルマエビに感
染することが、ほぼ阻止されている。本実施形態は、こ
のような前記滅菌処理部3で完全に滅菌されなかった有
害なウイルスや細菌が飼育槽4に混入した場合などで
も、前記の微生物の機能により、飼育槽4内で病原菌が
増殖することが防止される。
【0063】また、本実施形態では、前述のように、濾
過槽2の濾材としてロックウール製の濾材2aを使用し
ているので、このロックウール製濾材から水に与えられ
るミネラル成分が、前記の微生物の貴重な栄養素となっ
てくれている。また、本実施形態では、前述のように、
飼育槽4の砂床23をロックウール(粒状綿)で形成し
ているので、このロックウール製の砂床23からもミネ
ラル成分が水中に与えられ、前記の微生物の貴重な栄養
素となってくれている。なお、本明細書において、「ミ
ネラル」とは、栄養素として生理作用に必要な微量元素
の称であって、例えば、カルシウム、鉄、亜鉛、コバル
ト、マンガンなどの類を言う(株式会社岩波書店より1
994年9月12日に発行された「広辞苑 第4版」の
「ミネラル」の項)。
【0064】なお、本実施形態において、前記ロックウ
ール製の濾材2aや砂床23により飼育槽4内の水にミ
ネラルを供給するようにしているのは、本実施形態が、
前述のように「植物プランクトンを利用して有機物を処
理すること(この方式だと定期的に外海からの海水と新
しく入れ替える必要が出てくる)を行わないで、循環濾
過した同じ水を飼育用に使用して行くようにしたこと」
と密接な関連を有している。すなわち、本実施形態で
は、前述のように、飼育用の水を循環濾過して使用して
おり、また照度も約20ルクス前後にして珪藻などが繁
殖しないようにしている。その結果、本実施形態の飼育
槽内の水は、前記微生物が生存しにくい性質になる可能
性がある。そこで、本実施形態では、前記ロックウール
製の濾材2aや砂床23から前記水にミネラルを供給す
ることにより、前記飼育槽4内を言わば人工的に微生物
が生存しやすい環境に変えようとしているのである。
【0065】なお、本実施形態では、前記飼育用の水に
ミネラルを供給するために、ロックウール製の濾材2a
や砂床23を使用しているが、本発明はこれに限られる
ものではなく、様々な手段や方法を採用することができ
る。例えば、麦飯石やミロナイトなどの天然鉱石を微小
な粒状に粉砕したものを濾材や砂床の素材として使用す
るようにしてもよい。また、前記濾材や砂床によらない
で、例えば、苦汁(にがり)を飼育槽4内に供給するこ
とにより、ミネラルを補充するようにしてもよい。この
苦汁は、製塩の過程で高熱下で得られるものであるた
め、有害なウイルスや細菌が生存している可能性はな
く、安全である。
【0066】また、本実施形態では、図2に示すよう
に、滅菌処理部3を、濾過槽2から飼育槽4に水が送ら
れる途中に配置して、濾過槽2で濾過された水を滅菌す
るようにしているが、本発明はこれに限られるものでは
なく、例えば、飼育槽4から濾過2に水が送られる途中
に配置するようにしてもよい。また、本実施形態では、
クルマエビの養殖システム及び養殖方法について述べて
いるが、本発明はこれに限られるものではなく、例えば
伊勢エビやカニなどの他の甲殻類についても適用できる
ことはもちろんである。
【0067】
【発明の効果】以上に述べたように、本発明の甲殻類養
殖システムでは、飼育槽を外部環境から遮断し、前記飼
育槽内に、海水を電気分解して得られる強アルカリ海水
を添加することにより、飼育槽内の水のpHを甲殻類に
とって適した条件に調整するようにしているので、甲殻
類の成長を早め、その養殖生産性を大幅に向上させるこ
とができる。 特に、本発明では、前記飼育槽内の飼育水
のpHを約8.2に調整することにより、甲殻類の成長
を早めることができるようになる。 また、本発明の甲殻
類の養殖方法においては、外部から遮断された前記飼育
槽内に微生物を混入させることにより、飼育槽内の病原
菌の増殖を有効に抑えることができる。また、本発明の
甲殻類の養殖方法では、甲殻類の飼育槽への池入れ尾数
と、甲殻類の歩留まり100%時の理論投餌量と、甲殻
類の飼育槽内の在庫量と、甲殻類の飼育槽内の減耗量
と、甲殻類の歩留まり100%時の理論増肉係数とか
ら、飼育槽への甲殻類の飼育に必要な投餌量を求めるよ
うにしたので、甲殻類の養殖の経験の少ない素人でも、
効率的な甲殻類養殖管理が可能になる。また、本発明の
甲殻類の養殖方法では、飼育槽への累積投餌量と、飼育
槽内の甲殻類のへい死量と、飼育槽内の累積換水量と、
浄化係数とから、飼育槽内における甲殻類の飼育のため
に必要な換水量を求めるようにしたので、甲殻類の養殖
の経験の少ない素人でも、効率的な甲殻類養殖管理が可
能になる。また、本発明の甲殻類の養殖方法では、甲殻
類の飼育槽への池入れ尾数と、甲殻類の飼育槽内の在庫
量と、飼育槽内の甲殻類のへい死量と、甲殻類の平均体
重とから、飼育槽内の甲殻類の間引き量及び間引き時期
を求めるようにしたので、甲殻類の養殖の経験の少ない
素人でも、効率的な甲殻類養殖管理が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態1によるクルマエビの循環
濾過式養殖システムの全体構成を示す図である。
【図2】 本発明の実施形態2によるクルマエビの循環
濾過式養殖システムの全体構成を示す図である。
【図3】 本実施形態におけるハウス内の照度調整のた
めの機構を説明するための図である。
【図4】 本実施形態におけるハウス内の自動換気装置
を説明するための図である。
【図5】 本実施形態における飼育槽の構成及び動作を
説明するための図である。
【図6】 本実施形態における飼育槽の構成及び動作を
説明するための図である。
【符号の説明】
1 ハウス 2,52 濾過槽 2a ロックウール製濾材 3 滅菌処理部 4,51 飼育槽 5,6 ポンプ 7 弁 8 沈殿槽 9,31,32 配管 10 遮光ネット 11 巻き上げ・巻下げ機構 12 換気扇 13 コントロールボックス 14 温度センサ 15 インレットシャッター 21 注水部 21a 注入穴 22 ネット 23 砂床 24 水槽部 25 エアー配管 25a 空気噴出用の穴 26 エアーポンプ 27 サイホン 28 サイホンの外環 28a 穴 28b 空気穴 29 サイホンの内環 53 植物プランクトン繁殖槽 54 ライト 55,56,62 配管 61 サイホン機構 63 自動投餌機 64 ブロワー 65 コンピュータ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A01K 61/00 A01K 63/04 A01K 63/06

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 外部環境から遮断された飼育槽と、甲殻
    類用の飼育水の中の異物を除去するための濾過槽と、前
    記飼育水を前記飼育槽と前記濾過槽との間で循環させる
    ための循環手段と、を備えたクルマエビ等の甲殻類の養
    殖システムであって、 前記飼育槽内の水温を、約23〜30°Cの温度に調整
    するための水温調整手段と、 前記飼育槽内の水中の溶存酸素量をほぼ飽和の状態に保
    つための溶存酸素量調整手段と、 前記飼育槽内の水に、海水を電気分解して得られる強ア
    ルカリ海水を添加することにより、前記飼育槽内の水の
    pHを、甲殻類の飼育のために適した値に調整するため
    のpH調整手段と、 前記飼育槽の照度を最適な値に調整するための照度調整
    手段と、 前記飼育槽内の水流を、前記飼育槽内の砂床の砂が流れ
    ないような流速であって、約10〜20cm/秒の流速
    にするための水流調整手段と、 を含むことを特徴とする甲殻類養殖システム。
  2. 【請求項2】 請求項1において、前記pH調整手段
    は、前記飼育槽内の水を、そのpHが約8.2の値とな
    るように調整するものである、ことを特徴とする甲殻類
    養殖システム。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の甲殻類養殖システムを
    使用した甲殻類の養殖方法であって、 前記飼育槽内に、飼育槽内の病原菌の増殖を抑える作用
    を有する微生物を混入させるようにした、ことを特徴と
    する甲殻類の養殖方法。
  4. 【請求項4】 請求項1に記載の甲殻類養殖システムを
    使用した甲殻類の養殖方法であって、 甲殻類の飼育槽への池入れ尾数と、甲殻類の歩留まり1
    00%時の理論投餌量と、甲殻類の飼育槽内の在庫量
    と、甲殻類の飼育槽内の減耗量と、甲殻類の歩留まり1
    00%時の理論増肉係数とから、飼育槽への甲殻類の飼
    育に必要な投餌量を求めるようにした、ことを特徴とす
    る甲殻類の養殖方法。
  5. 【請求項5】 請求項1に記載の甲殻類養殖システムを
    使用した甲殻類の養殖方法であって、 飼育槽への累積投餌量と、飼育槽内の甲殻類のへい死量
    と、飼育槽内の累積換水量と、浄化係数とから、飼育槽
    内における甲殻類の飼育のために必要な換水量を求める
    ようにした、ことを特徴とする甲殻類の養殖方法。
  6. 【請求項6】 請求項1に記載の甲殻類養殖システムを
    使用した甲殻類の養殖方法であって、 甲殻類の飼育槽への池入れ尾数と、甲殻類の飼育槽内の
    在庫量と、飼育槽内の甲殻類のへい死量と、甲殻類の平
    均体重とから、飼育槽内の甲殻類の間引き量及び間引き
    時期を求めるようにした、ことを特徴とする甲殻類の養
    殖方法。
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