JP2001004828A - 偏光分離装置の製造方法 - Google Patents
偏光分離装置の製造方法Info
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Abstract
切断加工を行う。 【解決手段】 本発明は、入射した光を2種類の直線偏
光光に分離する偏光分離装置の製造方法である。一方の
表面に偏光分離膜が形成された板状部材を少なくとも一
部に含む複数の板状部材を互いに接着して積層体を形成
する。そして、板状部材の積層体を板状部材の表面に対
し所定の角度で切断し、断面が略平行四辺形である複数
の角柱状部材が互いに接着されている構成の略平板状の
偏光分離装置ブロックを形成する。その後、偏光分離装
置ブロックの少なくとも一方の端部から、略台形の断面
を有する角柱形状の被切断部材を切り離して、略直方体
形状の偏光分離装置を形成する。被切断部材の断面の略
台形形状の上底の長さは、切断歯の歯厚の半分よりも大
きな値に設定されている。
Description
方法に関するものである。
のように、特定の偏光光を用いる装置において、小型の
偏光分離装置が採用されている。図9に、このような偏
光分離装置の斜視図を示す。偏光分離装置70は、三角
柱あるいは四角柱の形状をしたプリズム71、73、7
4等の間に、偏光分離膜75と反射膜76とが交互に配
置された構造となっている。プリズム71とプリズム7
3との間には、無機物の多層膜からなる偏光分離膜75
が配置されている。また、プリズム73とプリズム74
との間には、アルミニウム膜や無機物の多層膜からなる
反射膜76が配置されている。偏光方向がランダムな光
線77がプリズム72に入ると、偏光分離膜75で、P
偏光成分の光とS偏光成分の光とに分離される。P偏光
成分の光は偏光分離膜75を透過し、プリズム71を通
って外へ出ていく。一方、S偏光成分の光78は、偏光
分離膜75で反射され、プリズム73に入り、さらに反
射膜76で反射されて、外へ出ていく。このように、偏
光分離装置70は、入射した光を二種類の直線偏光光に
分離する機能を有している。さらに、このような偏光分
離装置の偏光光出射面に位相差板を設けて、2種類の偏
光光を1種類の偏光光に揃えることにより、偏光変換装
置を構成することができる。このようにして構成した偏
光変換装置は、特定の偏光光を用いる装置において、光
の利用効率を向上させるために利用される。
に示すような方法で製造される。すなわち、まず、略平
行四辺形の断面を有する板状の形状を有する偏光分離装
置ブロック70aを製造する。偏光分離装置ブロック7
0aは、平行四辺形の断面を有する角柱状部材を複数貼
り合わせた構成である。その後、図10に一点鎖線Cで
示すように、その両側端部の角柱状部材が三角柱の形状
となるように切断加工を施し、略直方体形状の偏光分離
装置を得る。このような切断加工が行われるのは、略直
方体形状の方が、投写型表示装置等の光学装置に組み込
み易いからである。
ては、切断対象である偏光分離装置ブロック70aを固
定する。そして、切断歯を偏光分離装置ブロックに対し
て固定台がある側と逆の側から接近させて、切断加工を
行う。切断歯の切り込みは、どちらの端部を切断する場
合も同じ側から行うようにした方が、便利である。
うとすると、図10に示すように、偏光分離装置ブロッ
クの両端のどちらか一方(図10において左側)は平行
四辺形断面の角に切断歯を切り込ませることになる。そ
のような加工においては、切断位置は切断が進行するに
つれて平行四辺形の斜辺に相当する側面の方にずれてい
きやすいという問題があった。
解決するためになされたものであり、切り込み位置ずれ
の少ない偏光分離素形材の切断加工を行うことを目的と
する。
述の課題の少なくとも一部を解決するため、本発明にお
いては、一方の表面に偏光分離膜が形成された板状部材
を少なくとも一部に含む複数の板状部材を互いに接着し
て積層体を形成する。そして、板状部材の積層体を板状
部材の表面に対し所定の角度で切断し、断面が略平行四
辺形である複数の角柱状部材が互いに接着されている構
成の略平板状の偏光分離装置ブロックを形成する。その
後、偏光分離装置ブロックの少なくとも一方の端部か
ら、略台形の断面を有する角柱形状の被切断部材を切り
離して、略直方体形状の偏光分離装置を形成する。
数の角柱状部材が互いに接着されている構成の略平板状
の偏光分離装置ブロックの端部から、略台形の断面を有
する角柱形状の被切断部材を切り離している。このた
め、切断の際には略平板状の偏光分離装置ブロックの平
らな部分に切断歯を切り込ませることができ、切り込み
位置がずれる可能性が低い。また、得られる偏光分離装
置は略直方体形状であるため、様々な機器に使用しやす
い。
底の長さは、切断歯の歯厚の半分よりも大きな値に設定
されていることが好ましい。このような態様とすれば、
切断歯の外側の面も、偏光分離装置ブロックの表面の端
よりも内側に位置することとなる。このため、切断歯の
切り込み位置がずれる可能性を低減させる効果を、より
確実なものとすることができる。
積層体の最も外側に位置する2枚の板状部材のうちの少
なくとも一方の板状部材の厚みが、その間に接着される
板状部材の厚みよりも大きく、略台形の断面を有する角
柱形状の被切断部材を切り離す工程においては、積層体
の最も外側に位置し厚みが大きく設定されていた上記板
状部材であった部分から、被切断部材が切り離されるこ
とが好ましい。
積層体から偏光分離装置ブロックを切り出すと、偏光分
離装置ブロックの側端部の角柱状部材を構成することと
なる。よって、このような態様とすれば、側端部の角柱
状部材の断面を大きくすることができ、第3の工程にお
いて、そこから略台形の断面を有する角柱形状の被切断
部材を切り離すことができる。
切断部材を切り離す工程においては、偏光分離装置ブロ
ックの両端を切断し、両端部の切断は、いずれも略平板
状の偏光分離装置ブロックの一方の側から切断歯を切り
込ませることによって行われることが好ましい。
なものとすることができる。すなわち、偏光分離装置ブ
ロックを反転させる必要がなく、また、偏光分離装置ブ
ロックを挟んで両側に切断歯の設備を設ける必要がな
い。そして、たとえば、同一の切断歯を位置を変えて2
回送ることで、偏光分離装置ブロックの両端を切り落と
すことができる。また、偏光分離装置ブロックの両側端
を切断する態様においては、両端のうちの一方について
は、偏光分離装置ブロックの端面と上面とがなす角部の
近辺に切り込むこととなる。そのような場合には、角部
によって切断歯の切り込み位置が端面側にずれる可能性
が高い。しかし、上記のような態様とすれば、切断歯
は、台形断面の上底の側の面に切り込むこととなり、偏
光分離装置ブロックの平らな部分に切り込むこととなる
ため、切り込み位置がずれる可能性が低い。
態様で実現することが可能である。 (1)偏光分離装置の製造装置。 (2)偏光分離装置の製造方法。 (3)上記の装置や方法を実現するためのコンピュータ
プログラム。 (4)上記の装置や方法を実現するためのコンピュータ
プログラムを記録した記録媒体。 (5)上記の装置や方法を実現するためのコンピュータ
プログラムを含み搬送波内に具現化されたデータ信号。
ームスプリッタアレイを製造する主要な工程を示す工程
断面図である。図1(A)の工程では、それぞれ板状の
複数の第1の透光性部材321と、複数の第2の透光性
部材322と、ダミーガラス324とが準備される。第
1の透光性部材321のほぼ平行な2つの表面(膜形成
面)のうちで、一方の表面上には偏光分離膜331が形
成されている。また、他方の表面上には、反射膜332
が形成されている。第2の透光性部材322とダミーガ
ラス324の表面上には、これらの膜のいずれも形成さ
れていない。
しては、板ガラスが用いられる。ただし、ガラス以外の
透光性の板状材料を用いることも可能である。また、第
1と第2の透光性部材の一方を、他方とは異なる色を有
する材料を用いるようにするようにしてもよい。こうす
れば、偏光ビームスプリッタアレイとして完成した後
に、2つの部材の区別をつけやすいという利点がある。
たとえば一方の部材を、無色透明な板ガラスで形成し、
他方を青色で透明な板ガラスで形成するようにしてもよ
い。なお、板ガラスとしては、磨き板ガラスやフロート
ガラスが好ましく、特に、磨き板ガラスが好ましい。
ずれか一方を選択的に透過させ、他方を選択的に反射す
る性質を有する膜である。通常は、このような性質を有
する誘電体多層膜を積層することによって偏光分離膜3
31が形成される。
ことによって形成される。もちろん、反射膜332を構
成する誘電体多層膜は、偏光分離膜331を構成するも
のとは異なる組成および構成を有している。反射膜33
2としては、偏光分離膜331で反射された直線偏光成
分(s偏光またはp偏光)のみを選択的に反射し、他の
直線偏光成分は反射しないような誘電体多層膜で構成さ
れたものが好ましい。
ことによって形成するようにしてもよい。誘電体多層膜
で反射膜332を形成した場合には、特定の直線偏光成
分(たとえばs偏光)を約98%程度の反射率で反射す
ることができる。一方、アルミニウム膜では、反射率は
高々92%程度である。従って、誘電体多層膜で反射膜
332を形成するようにすれば、偏光ビームスプリッタ
アレイから出射される光量を高めることができる。さら
に、誘電体多層膜は、アルミニウム膜よりも光の吸収が
少ないので、発熱も少ないという利点もある。なお、特
定の直線偏光成分の反射率を向上させるには、反射膜3
32を構成する誘電体多層膜(通常は2種類の膜が交互
に積層された構造である)を構成するそれぞれの膜の厚
さ、あるいは膜の材料を最適化すれば良い。
や反射膜が形成されていない平坦な板ガラスである。ダ
ミーガラス324は、最終的には偏光ビームスプリッタ
の端部を構成する部材であり、その厚みは第1や第2の
透光性部材321,322の厚みよりも厚く設定されて
いる。
性部材321,322が光学接着剤によって交互に貼り
合わされ、その最上層と最下層にはダミーガラス324
が貼り合わされる。この結果、光学接着剤層325が、
ダミーガラス324と反射膜332との間、偏光分離膜
331と第2の透光性部材322との間、透光性部材3
22と反射膜332との間、偏光分離膜331とダミー
ガラス324との間にそれぞれ形成される。なお、図1
および図2では、図示の便宜上、各層331,332,
325の厚みが誇張されている。また、貼り合わされる
ガラスの枚数についても省略されている。
光性部材321,322およびダミーガラス324の表
面にほぼ垂直な方向から紫外線を照射することによっ
て、光学接着剤層325を硬化させる。紫外線は、誘電
体多層膜を通過する。この実施例では、偏光分離膜33
1と反射膜332が、それぞれ誘電体多層膜で形成され
ている。従って、図2(A)に示すように、透光性部材
321,322およびダミーガラス324の表面にほぼ
垂直な方向から紫外線を照射することによって、複数の
光学接着剤層325を同時に硬化させることができる。
で形成した場合には、紫外線がアルミニウム膜で反射さ
れてしまう。従って、この場合には、図2(A)に破線
で示すように、紫外線を透光性部材321,322の表
面にほぼ平行な方向から照射する。この時、紫外線を入
射する側と反対側の部分では、紫外線による光学接着剤
層325の照射効率が低下する。従って、光学接着剤層
325が硬化するまでに比較的長い時間が必要になる。
一方、反射膜332を誘電体多層膜で形成するようにす
れば、透光性部材321,322の表面に平行でない方
向から紫外線を照射できるので、比較的短時間で効率よ
く光学接着剤層325を硬化させることができる。以上
のようにして積層体が形成されるが、この工程は、一方
の表面に偏光分離膜が形成された板状部材を少なくとも
一部に含む複数の板状部材を互いに接着するものであれ
ば他の方法であってもよい。
着された複数の透光性部材321,322、ダミーガラ
ス324からなる積層体を、その表面と所定の角度θを
なす切断面(図中、破線で示す)でほぼ平行に切断する
ことによって、光学素子ブロック(偏光分離装置ブロッ
ク)320’が切り出される。θの値は、約45度とす
ることが好ましい。この角度が、最終的に光ビームスプ
リッタアレイにおいて、偏光分離膜331、反射膜33
2が後述する光入射面320i、光出射面320oとな
す角を規定する。
ック320’を示す斜視図である。この図からわかるよ
うに、光学素子ブロック320’は、それぞれ断面が平
行四辺形の柱状の第1と第2の透光性部材321,32
2が、交互に貼り合わされた形状を有している。そして
両端には、同様に平行四辺形断面であるが第1と第2の
透光性部材321,322に比べて幅の広いダミーガラ
ス324が貼り合わされている。この後、この光学素子
ブロック320’の鋭角をなす両側端を切除して直方体
に整形し、その表面(切断面)を研磨することによっ
て、偏光ビームスプリッタアレイを得ることができる。
互いに平行な光入射面と光射出面とを有し前記光入射面
に入射した光の偏光分離を実行する偏光分離部(本実施
例においては第1と第2の透光性部材の繰り返し構造が
これに相当する。)と、光入射面及び光射出面とそれぞ
れ同一平面を構成する第1と第2の面を有し偏光分離部
の少なくとも一方の端部に設けられた被切断部(本実施
例においてはダミーガラスがこれに相当する。)と、を
備えた略平板状の光学素子ブロックとすることができ
る。また、本実施例では、光学素子ブロックの両端部に
ダミーガラスを設けているが、片側にのみ設ける構成と
しても良い。
部の切断 図4は、光学素子ブロック320’の両側端部を切断し
て端面を垂直な面に加工する工程を示す説明図である。
切り出された光学素子ブロック320’は、薄い略平行
四辺形の断面を有する略平板状の部材である。その光学
素子ブロック320’の薄い平行四辺形断面の両端の鋭
角部分を、平板の上下の表面、すなわち光入射面320
iと光出射面320oにほぼ垂直に切断することによっ
て、略直方体の偏光ビームスプリッタアレイ320(図
5)を得る。この工程は、光学素子ブロック320’を
構成する角柱状部材による繰り返し構造の縞の方向(角
柱部材の軸方向)に沿って、回転歯である1枚の切断歯
900を2回送ることにより行われる。なお、同一の切
断歯を2回送るのではなく、光学素子ブロック320’
に対して同じ側に設けられた一対の切断歯を一回送るこ
とで、両端の切断加工を行うこととしてもよい。
台上に接着固定された光学素子ブロック320’の上面
すなわち光入射面320iよりも上方にあり、切断歯9
00は光学素子ブロック320’に対して光入射面32
0i側から切り込む。その際、左端のダミーガラス32
4Lに対して切り込む切断歯900の切り込み位置は、
切断歯900の歯厚の中心が光入射面320iの端から
所定の距離Wだけ内側となる位置である。Wは、{(切
断歯900の厚み)/2}より長い寸法である。ここで
は、Wは10mmとする。一方、右側のダミーガラス3
24Rに対して切り込む切断歯900の切り込み位置
は、同様に、切断歯900の歯厚の中心が光出射面32
0oの端から距離Wだけ内側となる位置である。その結
果、切断歯900によって切除される部分は、図4に示
すように、ダミーガラス324の表面であった面を斜辺
とし、光入射面320iと光出射面320oを向かい合
う2辺とする台形断面を有する。台形断面の上底(台形
の向かい合う平行な二辺のうちの短い方の辺)の長さ
は、切断歯900の厚みの分だけ光学素子ブロック32
0’が削られた結果、{W−(切断歯900の厚み)/
2}である。
ク320’の光入射面320iおよび光出射面320o
は、それぞれ平坦に研磨される。図5は、こうして作成
された偏光ビームスプリッタアレイ320の斜視図であ
る。
光学素子ブロック320’の両端部を切断して、略直方
体形状の偏光ビームスプリッタアレイ320を得てい
る。このようにして得られる略直方体形状の偏光ビーム
スプリッタアレイ320は、投写型表示装置等の光学装
置に組み込む際に便利である。
プリッタアレイ320に対して同じ側から切断歯900
を切り込むこととしているため、同一の切断歯900を
2回送ることで偏光ビームスプリッタアレイ320の両
側端を切断することができる。また、そのような場合に
は、両端のうちの一方については、端面(本実施例にお
いては、もともとダミーガラス324Lの表面であった
面)と上面(光入射面320i)とが鈍角をなす角部の
近辺に切り込むこととなる。そのような場合には、2面
が鈍角をなす角部によって切断歯の切り込み位置が端面
側にずれる可能性が高い。しかし、本実施例において
は、切断歯900の切り込み位置は、切断歯900の歯
厚の中心が光入射面320iの端から所定の距離Wだけ
内側となる位置である。このため、偏光ビームスプリッ
タアレイ320の光入射面320iの平らな部分に切断
歯900を切り込ませることができ、切り込み位置がず
れる可能性が低い。また、当初から切断歯900の両側
に偏光ビームスプリッタアレイ320の素材がある状態
で切り進むことができ、切断歯900が片側からのみ圧
力を受けるということがないため、切り進むうちに切断
歯900の送りがずれる可能性が低い。さらに、同様の
理由から、切断歯900の片減りも低減できる。なお、
本実施例においては、切り込み位置は切断歯900の歯
厚の中心が光入射面320iの端から10mmだけ内側
となる位置であるとしたが、切り込み位置はこれに限ら
れるものではなく、端から{(切断歯900の厚み)/
2}の位置よりも内側の任意の位置とすることができ
る。すなわち、ダミーガラス324L(被切断部)の表
面または裏面の端部から所定の距離だけ内側に離れた切
断位置に切断歯を当てて、前記被切断部を切断するもの
であればよい。
状を有するため、それぞれ台形断面の上底または下底
(台形の向かい合う平行な二辺のうちの長い方の辺)
が、偏光分離装置ブロックを固定している固定台に接す
ることとなる。このため、被切断部分が固定台に接して
いる面積を十分大きく確保しておけば、すなわち、切断
歯を切り込ませる位置を端から十分内側にすれば、切除
後も被切断部が固定台に接着されたままで飛散すること
がなくなるので、切断面に割れや欠けが発生する可能性
を低減することができる。
ーガラス324は、第1と第2の透光性部材321,3
22よりも厚く設けられているため、偏光分離装置ブロ
ックの側端部の角柱状部材の断面は他の角柱状部材に比
べて大きい。よって、そこから容易に略台形の断面を有
する角柱形状の被切断部材を切り離すことができる。ま
た、このため、切断面が偏光分離膜331や反射膜33
2にかかることがなく、偏光分離膜331や反射膜33
2を一部切り取ってしまうということがない。
質の多層薄膜等で構成された偏光分離膜を表面に有する
板ガラスと、反射膜を表面に有する板ガラスとを交互に
貼り合わせた積層体から、貼り合わせ面に対して所定の
角度で切り出すことにより、偏光ビームスプリッタにお
ける偏光分離膜と反射面の繰り返し構造を、板ガラスの
厚さと数量に応じて設定できる。つまり、細かい繰り返
しで、多くの繰り返し構造を薄い板の中に偏光ビームス
プリッタとして、構成することが可能となり、また、各
面の平行性は板ガラスの精度で決まるので、容易に精度
の高い平行度が得られるとともに、偏光分離面と反射面
の、繰り返しピッチの精度も高く構成することができ
る。さらに、光の光入射面と光出射面が均一であるた
め、位相差板を貼ったり、反射防止膜を付ける等の処理
がしやすい。
透光性部材322と、ダミーガラス324とを貼り合わ
せて積層体を得る工程においては、以下のようにするこ
ともできる。すなわち、1枚の第1の透光性部材321
と、1枚の第2の透光性部材322とを貼り合わせるこ
とによって得られる積層体(「単位積層体」と呼ぶ)を
予め複数作成しておき、これらの単位積層体を順次積層
して、両端にダミーガラス324を貼り合わせるように
してもよい。また、接着剤層を介して1つの単位積層体
を積層し、接着剤層の気泡を追い出し、その後、紫外線
を照射して接着剤層を硬化させるようにしてもよい。こ
のような工程によっても、上記とほぼ同様な効果が得ら
れる。
精度は、それぞれの表面を研磨する際に管理することが
できる。また、接着剤層の厚みは、接着剤の塗布量や、
気泡を追い出す工程において圧力を部材表面にわたって
均一にすることにより、均一にすることが可能である。
用した投写型表示装置の光学要素:本実施例のビームス
プリッタアレイを使用した投写型表示装置について説明
する。図6は、実施例による偏光ビームスプリッタアレ
イ320の光出射面320oの一部に、λ/2位相差板
321を選択的に設けた偏光変換素子を示す平面断面図
である。
からは、s偏光成分とp偏光成分とを含むランダムな偏
光方向を有する入射光が入射される。この入射光は、ま
ず、偏光分離膜331によってs偏光とp偏光とに分離
される。s偏光は、偏光分離膜331によってほぼ垂直
に反射され、反射膜332によってさらに反射されて、
出射面326から出射される。一方、p偏光は、偏光分
離膜331をそのまま透過して、λ/2位相差板381
によってs偏光に変換されて出射される。従って、偏光
変換素子からは、s偏光のみが選択的に出射される。
光性部材321の出射面部分に選択的に設けるようにす
れば、偏光変換素子からp偏光のみを選択的に出射する
ことができる。
アレイ320では、偏光分離膜331を透過するp偏光
は、偏光ビームスプリッタアレイ320の入射面から出
射面までの間に光学接着剤層325を1回通過する。ま
た、偏光分離膜331で反射されるs偏光は、偏光ビー
ムスプリッタアレイ320の入射面から出射面までの間
に光学接着剤層325を1回も通過しない。光学接着剤
層325はほぼ透明であるが、いくらか光を吸収する性
質を有している。従って、光学接着剤層325を通過す
るたびに、光量は減少する。また、光学接着剤層325
を通過する際には、偏光方向が若干変わる可能性もあ
る。実施例の偏光ビームスプリッタアレイでは、s偏光
が光学接着剤層325を通る回数が少ないので、光の利
用効率がより高い。
0の光入射面側に、複数の小レンズ(集光レンズ)31
1がマトリクス状に配列された集光レンズアレイ310
を設けた状態を示す断面図である。偏光ビームスプリッ
タアレイ320の光入射面には、偏光分離膜331へ入
射して有効な偏光光に変換される光が入射する有効入射
領域EA(偏光分離膜331に対応する光の入射面)
と、反射膜332に入射して、無効な偏光光に変換され
る光が入射する無効入射領域UA(反射膜332に対応
する光の入射面)とが、交互に配置されている。この有
効入射領域EAおよび無効入射領域UAのx方向の大き
さWp は、集光レンズ311のx方向の大きさWL の1
/2に等しい。また、集光レンズ311の中心(レンズ
光軸)311cは、有効入射領域EAのx方向の中心と
等しくなるように配置されている。有効入射領域EA
は、偏光分離膜331を、偏光ビームスプリッタ320
の光入射面に投影した領域に相当する。従って、偏光分
離膜331のx方向のピッチは、集光レンズ311のレ
ンズ光軸311cのx方向のピッチに等しく設定されて
いる。
は、対応する偏光分離膜331や反射膜332が形成さ
れていない。これは、端部の集光レンズ311を通過す
る光量が比較的少ないので、これらの膜を設けなくても
光の利用効率にあまり影響がないためである。
の一例を示す概略構成図である。投写型表示装置800
は、照明光学系1と、色光分離光学系816と、リレー
光学系850と、3枚の液晶ライトバルブ803,80
5,811と、クロスダイクロイックプリズム813
と、投写光学系814とを備えている。
おり、偏光方向の揃った1種類の直線偏光光を射出す
る。照明光学系1から射出された光は、色光分離光学系
816において赤(R)、緑(G)、青(B)の3色の
色光に分離される。分離された各色光は、液晶ライトバ
ルブ803,805,811において画像情報に対応し
て変調される。ここで、液晶ライトバルブ803,80
5,811は、電気光学装置に相当する液晶パネルと、
その光入射面側および光射出面側に配置された偏光板と
によって構成されている。液晶ライトバルブ803,8
05,811において変調された各色光は、クロスダイ
クロイックプリズム813で合成され、投写光学系81
4によってスクリーン815上に投写される。これによ
り、スクリーン815上に画像が表示されることとな
る。
明光学系1は、第1の光学要素200と、第2の光学要
素300とを備えている。第1の光学要素200は矩形
状の輪郭を有する微小な光束分割レンズ201が縦横に
複数配列された構成を有している。この第1の光学要素
200は、光源光軸Rが第1の光学要素200の中心に
一致するように配置されている。
ズアレイ310と、本実施例の偏光ビームスプリッタア
レイ320と、選択位相差板380と、出射側レンズ3
90とを備えている。選択位相差板380は、λ/2位
相差板381が第2の透光性部材322の出射面部分に
のみ形成されており、第1の透光性部材321の出射面
部分は無色透明となっている板状体である。偏光ビーム
スプリッタアレイ320は略直方体形状となっているた
め、装置への組み込みが容易であり、組み込みの精度が
出しやすい。また、本実施例の偏光ビームスプリッタア
レイ320は、製造工程において割れ、欠けが発生しに
くく、製品精度が高いため、投写型表示装置は、高品質
の画像を投射することができる。
各部の構成および機能については、例えば、本願出願人
によって開示された特開平10−90520号公報およ
び特開平10−325954号公報に詳述されているの
で、本明細書において詳細な説明は省略する。
例や実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱
しない範囲において種々の態様において実施することが
可能であり、例えば次のような変形も可能である。
離装置を作成していたが、板ガラスに限らず、光学ガラ
スやプラスチック等の他の透光性基板を用いることも可
能である。
タアレイの両側について、端から等しい距離Wだけ内側
の位置を切断加工するものとしたが、両側のうち、切断
歯を角部に切り込ませる必要がない方(図4において右
側の側端部)の切断加工においては、他方よりも切断位
置の端からの距離を短くしてもよい。そうすることで、
偏光ビームスプリッタアレイの左右両端のプリズムの形
状が異なるものとなるため、光入射面と光射出面とが区
別しやすくなる。また、切除する素材を少なくすること
もできる。さらに、両側のうち、切断歯を角部に切り込
ませる必要がない方の切断加工においては、距離Wを0
として、三角形断面を有する部材を切除するものとして
もよい。そのようにすれば、切除する素材をより少なく
することができる。
アレイを製造する主要な工程を示す工程断面図。
アレイを製造する主要な工程を示す工程断面図。
斜視図。
端面を垂直な面に加工する工程を示す説明図。
側に、複数の小レンズ(集光レンズ)311がマトリク
ス状に配列された集光レンズアレイ310を設けた状態
を示す断面図。
の要部を示した概略構成図。
断して端面を垂直な面に加工する従来の工程を示す説明
図。
Claims (4)
- 【請求項1】 入射した光を2種類の直線偏光光に分離
する偏光分離装置の製造方法であって、(a)一方の表
面に偏光分離膜が形成された板状部材を少なくとも一部
に含む複数の板状部材を互いに接着して積層体を形成す
る第1の工程と、(b)前記板状部材の積層体を前記板
状部材の表面に対し所定の角度で切断し、断面が略平行
四辺形である複数の角柱状部材が互いに接着されている
構成の略平板状の偏光分離装置ブロックを形成する第2
の工程と、(c)前記偏光分離装置ブロックの少なくと
も一方の端部から、略台形の断面を有する角柱形状の被
切断部材を切り離して、略直方体形状の偏光分離装置を
形成する第3の工程と、を有することを特徴とする偏光
分離装置の製造方法。 - 【請求項2】 請求項1に記載の偏光分離装置の製造方
法であって、 前記被切断部材の断面の略台形形状の上底の長さは、前
記切断歯の歯厚の半分よりも大きな値に設定されている
偏光分離装置の製造方法。 - 【請求項3】 請求項1記載の偏光分離装置の製造方法
であって、 前記第1の工程において、積層体の最も外側に位置する
2枚の板状部材のうちの少なくとも一方の板状部材の厚
みが、その間に接着される板状部材の厚みよりも大き
く、 前記第3の工程において、積層体の最も外側に位置し厚
みが大きく設定されていた上記板状部材であった部分か
ら、被切断部材が切り離される、偏光分離装置の製造方
法。 - 【請求項4】 請求項1ないし3のいずれかに記載の偏
光分離装置の製造方法であって、 前記第3の工程において、前記偏光分離装置ブロックの
両端を切断し、 前記両端部の切断は、いずれも前記略平板状の偏光分離
装置ブロックの一方の側から切断歯を切り込ませること
によって行われる、偏光分離装置の製造方法。
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