JP2001003228A - 分割型複合繊維 - Google Patents

分割型複合繊維

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JP2001003228A JP11177575A JP17757599A JP2001003228A JP 2001003228 A JP2001003228 A JP 2001003228A JP 11177575 A JP11177575 A JP 11177575A JP 17757599 A JP17757599 A JP 17757599A JP 2001003228 A JP2001003228 A JP 2001003228A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 柔軟性、嵩高性、緻密性に優れた繊維構造を
有し、さらに染色堅牢性が良好で染色斑がなく、かつ紡
糸延伸時における工程通過性が良好な分割型複合繊維を
提供する。 【解決手段】 ジカルボン酸単位がテレフタル酸単位か
らなり、ジアミン単位が1,9ノナンジアミン単位から
なる対数粘度0.4〜2.0の熱可塑性ポリアミドとポ
リエチレンテレフタレートとからなる分割型複合繊維で
あり、下記(1)〜(2)式を満足し、分割後の各単繊
維デニールが1dr以下である分割型複合繊維。 ブラック染色処理時L値≦20 (1) 繊維中のメタノール抽出物量≦4.0% (2)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、風合いが良好で、
染色堅牢性に優れた分割型複合繊維に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、種々のタイプの極細繊維が開発さ
れ、高級織編物、高級人工皮革、ワイピングクロス等に
使用されてその用途が急激に拡大されつつある。例え
ば、ポリアミドとポリエステルからなる分割型複合繊維
は物理的、化学的処理により両成分に分割することがで
き、得られる繊維構造物は嵩高性、柔軟性、上品な光沢
を有することが知られている。また、分割によって得ら
れるフィブリルが極細のものであればその効果は一層顕
著であり、加えて高密度の繊維構造物を得ることも知ら
れている。
【0003】複合繊維の分割の方法は、例えば特公昭5
3−35633号公報、特公昭61−37383号公報
にポリアミドの膨潤によるものが開示されている。特
に、特公昭61−37383号公報には、ポリアミドの
膨潤、収縮を大にすることにより繊維構造物を高密度化
せしめ、更にポリアミドが収縮して繊維構造物の表面に
露出しないので、染色した場合に色相が鮮明であること
が記載されている。しかしながら、これらにおいてはポ
リアミドが通常のものであるため膨潤熱処理によるポリ
アミドの収縮は十分なものでなく限界があり、得られる
繊維構造物の緻密さや嵩高性は不満足なものであり、さ
らに染色性においては、染色堅牢度が劣るため衣料用途
への展開は限られたものであった。また、通常のポリア
ミドはガラス転移温度が室温付近にあるため保管中に、
ポリマー物性の変化が生じ易くフィブリル化斑、分割斑
の発生原因となり実用性に問題があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、柔軟
性、嵩高性、緻密性に優れた繊維構造を有し、さらに染
色堅牢性が良好で染色斑がなく、かつ紡糸延伸時におけ
る工程通過性が良好な分割型複合繊維を提供するもので
ある。
【0005】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明は、ジカル
ボン酸単位の60〜100モル%が芳香族ジカルボン酸
単位からなり、ジアミン単位の60〜100モル%が脂
肪族ジアミン単位からなり対数粘度が0.4〜2.0で
ある熱可塑性ポリアミドとポリエステルとからなる分割
型複合繊維であって、下記(1)〜(2)式を満足し、分割後
の単繊維デニールが1デニール以下であることを特徴と
する分割型複合繊維である。 ブラック染色処理時のL値≦20 (1) 繊維中のメタノール抽出物量≦4.0% (2) さらに好ましくは、熱可塑性ポリアミドのジカルボン酸
単位がテレフタル酸単位からなりジアミン単位が1,9
−ノナンジアミン単位、および2−メチル−1,8−オ
クタンジアミン単位からなる分割型複合繊維である。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明を具体的に説明す
る。本発明の分割型複合繊維に用いられる熱可塑性ポリ
アミドは、実質的にジカルボン酸単位およびジアミン単
位からなる。ジカルボン酸単位としては、60〜100モル
%が芳香族ジカルボン酸単位からなっており、好ましく
は、芳香族ジカルボン酸単位として、テレフタル酸単位
を60モル%以上、より好ましくは75モル%以上含有
していることが好ましく、特に90モル%以上含有して
いることが好ましい。ジカルボン酸単位の含有率が60
モル%未満の場合には、得られる繊維の耐アルカリ性、
耐酸性、強度などの諸物性が低下するため好ましくな
い。
【0007】テレフタル酸単位以外の他のジカルボン酸
単位としては、例えば、マロン酸、ジメチルマロン酸、
コハク酸、3,3−ジエチルコハク酸、グルタル酸、
2,2−ジメチルグルタル酸、アジピン酸、2−メチル
アジピン酸、トリメチルアジピン酸、ピメリン酸、アゼ
ライン酸、セバシン酸、スベリン酸などの脂肪族ジカル
ボン酸;1,3−シクロペンタンジカルボン酸、1,4
−シクロヘキサンジカルボン酸などの脂環式ジカルボン
酸;イソフタル酸、2,6−ナフタシンジカルボン酸、
2,7−ナフタレンジカルボン酸、1,4−ナフタレン
ジカルボン酸、1,4−フェニレンジオキシジ酢酸、
1,3−フェニレンジオキシジ酢酸、ジフェン酸、4,
4′−オキシジ安息香酸、ジフェニルメタン−4,4′
−ジカルボン酸、ジフェニルスルホン−4,4′−ジカ
ルボン酸、4,4−ビフェニルジカルボン酸などの芳香
族ジカルボン酸から誘導される単位を1種または2種以
上含ませることができる。耐薬品性、耐熱性などの点か
ら、上記したジカルボン酸単位の中でも、芳香族ジカル
ボン酸単位を含ませるのが好ましい。さらに、トリメリ
ット酸、トリメシン酸、ピロメリット酸などの官能基を
3個以上有する多価カルボン酸を、繊維化が可能な範囲
内で含ませることができる。
【0008】ジアミン単位としては、脂肪族ジアミン単
位を60モル%〜100モル%含有していることが必要
であり、75モル%以上含有していることが好ましく、
90モル%以上含有していることがより好ましい。脂肪
族ジアミン単位の含有率が60モル%未満の場合には、
得られる繊維の耐酸性、強度などが低下する。
【0009】ジアミン単位として好ましいのは、1,9
−ノナンジアミンであるが、1,9−ノナンジアミン単
位以外の他のジアミン単位としては、例えば、エチレン
ジアミン、プロピレンジアミン、1,4−ブタンジアミ
ン、1,6−ヘキサンジアミン、1,8−オクタンジア
ミン、1,10−デカンジアミン、1,12−ドデカン
ジアミン、2−メチル−1,5−ペンタンジアミン、3
−メチル−1,5−ペンタンジアミン、2,2,4−ト
リメチル−1,6−ヘキサンジアミン、2,4,4−ト
リメチル−1,6−ヘキサンジアミン、2−メチル−
1,8−オクタンジアミン、5−メチル−1,9−ノナ
ンジアミンなどの脂肪族ジアミン;シクロヘキサンジア
ミン、メチルシクロヘキサンジアミン、イソホロンジア
ミンなどの脂環式ジアミン;p−フェニレンジアミン、
m−フェニレンジアミン、キシリレンジアミン、キシレ
ンジアミン、4,4′−ジアミノジフェニルメタン、
4,4′−ジアミノジフェニルスルホン、4,4′−ジ
アミノジフェニルエーテルなどの芳香族ジアミンから誘
導される単位を1種または2種以上含ませることができ
る。
【0010】1,9−ノナンジアミン単位以外の他のジ
アミン単位を含有させる場合は、例えば、電池セバレー
ターなどの耐熱性、耐加水分解性、耐薬品性等が要求さ
れる用途に用いることを考慮し、ジアミン単位として、
2−メチル1,8−オクタンジアミン単位を導入するこ
とが好ましい。
【0011】そして、ジアミン単位が、1,9−ノナン
ジアミン単位および2−メチル−1,8−オクタンジア
ミン単位を含有する場合は、ジアミン単位の60〜10
0モル%が1,9−ノナンジアミン単位および2−メチ
ル−1,8−オクタンジアミン単位からなり、かつ1,
9−ノナンジアミン単位と2−メチル−1,8−オクタ
ンジアミン単位のモル比が40:60〜99:1である
ことが好ましく、70:30〜95:5であることがさ
らに好ましい。
【0012】熱可塑性ポリアミドの製造法は特に制限さ
れず、結晶性ポリアミドを製造する方法として知られて
いる任意の製造方法を用いることができる。例えば、酸
クロライドとジアミンを原料とする溶液重合法あるいは
界面重合法、ジカルボン酸とジアミンを原料とする溶融
重合法、固相重合法、溶融押出機重合法などの方法によ
り重合可能である。
【0013】本発明で使用される熱可塑性ポリアミドの
対数粘度は0.4〜2.0以下の範囲であり、0.4未
満ではペレット化ができない。2.0より大きい場合は
重合が困難である。好ましくは0.6〜1.4であり、
より好ましくは0.7〜1.2である。
【0014】本発明の複合繊維を構成するポリエステル
は、熱可塑性ポリエステルであれば、ポリエチレンテレ
フタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリヘキサ
メチレンテレフタレートなどの芳香族ポリエステルやポ
リエチレンアジペート、ポリエチレンセバケート、ポリ
ブチレンアジペート、ポリ乳酸などの脂肪族ポリエステ
ルなどを使用することができ、好ましくは、テレフタル
酸を主たる酸成分とし、エチレングリコール、トリメチ
レングリコール、テトラメチレングリコールから選ばれ
る少なくとも1種のアルキレングリコールを主たるグリ
コール成分とする芳香族ポリエステルである。
【0015】また、テレフタル酸成分の一部を他の二官
能性カルボン酸成分で置換えたり、グリコール成分の一
部を主成分以外の上記グリコール著しくは、他のジオー
ル成分で置換えたポリエステルであつてもよい。テレフ
タル酸以外の二官能性カルボン酸としては、例えばジフ
ェノキシエタンジカルボン酸、β−ヒドロキシエトキシ
安息香酸、P−オキシ安息香酸アジピン酸、セバシン
酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸の如き芳香
族、脂肪族、脂環族の二官能性カルボン酸であげること
ができる。さらに、本発明の効果が実質的に奏せられる
範囲で5−ナトリウムスルホイソフタル酸を共重合成分
として用いてもよい。
【0016】また、上記グリコール以外のジオール化合
物としては、例えばシクロヘキサン−1,4−ジメタノ
ール、ネオペンチルグリコール、ビスフェノールA、ビ
スフェノールSの如き脂肪族、脂環族、芳香族のジオー
ル化合物及びポリオキシアルキレングリコール等をあげ
ることができる。
【0017】また、かかるポリエステルは任意の方法に
よって合成される。極限粘度が0.4〜1.2の範囲に
あるものが好ましい。ポリエステル又はポリアミドには
帯電防止剤、二酸化チタンなどの艶消剤及び熱安定性の
酸化防止剤等を添加しても構わない。
【0018】本発明の複合繊維は、ポリアミド成分及び
ポリエステル成分が単一フィラメントの横断面において
一方の成分が他方の成分を完全には包囲しない複合形態
で、単一フィラメントの長手方向に沿って接合されてい
るものをいい、分割後の単糸繊度が1.0デニール以下
となる極細繊維を発生させ得る分割型複合繊維であれば
各セグメントの形状は特に制限されない。
【0019】具体的には図1に示される如きサイドバイ
サイド型(A-B)の複合繊維、図2の如きサイドバイサイ
ドを繰返した型(-A-B-A-B-)の多層積層型複合繊維、
図3〜図6の如く放射形状を有する成分Aと該放射部を
補完する形状を有する他の成分Bからなる複合繊維、図
7の如く放射型の形状を有する成分A、繊維断面中心方
向に向いた楔型形状を有する他の成分Aおよびこれら成
分Aを補完するV字型の形状を有する成分Bとからなる複
合繊維及び図8の如く中心に中空部のあるサイドバイサ
イド繰返し型複合繊維などを挙げることができる。
【0020】複合繊維の分割方法は、機械的方法、膨潤
剤による方法、軽度の溶解剤(例えばポリエステルであ
ればアルカリ水溶液処理、ポリアミドであれば酸水溶液
処理)による方法の単独又は併用で採用することができ
る。機械的に分割する手段としては、例えば、本発明の
複合繊維からなる糸条又は他の糸条と複合して仮撚加工
を施したり、実撚を施すことにより複合繊維のポリアミ
ド成分とポリエステル成分を分割剥離させることができ
る。
【0021】また、本発明において分割後の極細繊維の
単糸繊度が1デニール以下であるということは、分割処
理によって発生した極細繊維がそれぞれ有する単糸繊度
のうち最小の単糸繊度をいうのであって、分割後に1デ
ニールを超える単糸繊度の繊維が少量含まれていても差
し支えない。
【0022】本発明の分割型複合繊維を構成するポリエ
ステルとポリアミドの複合割合は目的、用途に応じて適
宜選択されるが、製糸性の観点からは70/30〜30
/70の重量比の範囲のものが好ましい。
【0023】本発明の複合繊維は、分散染料のブラック
の染色処理を施したときに得られるL値が20以下、
好ましくは18以下であり、一般的に極細繊維は濃染化
が困難で通常のポリアミドを用いた極細繊維では得られ
なかった色の深みが発現した、極めて良好な染色性を有
したものである。さらに液汚染による染色堅牢度も良好
である。なお、このときのL*は下記の染色条件を採用し
たときのものである。 Kayalon Polyester Black G−SF 12%owf Tohosolt TD 0.5g/l Ultra Mt−N 0.7g/l 浴比50:1 135℃×40分染色後、還元洗浄を80℃で実施。 以上のような良好な発色性を最大限に引き出すために、
本発明の分割型複合繊維は、糸条としたときに糸条の側
糸として配置することが好ましい。
【0024】また、本発明の複合繊維は、繊維中のメタ
ノール抽出物量が4%以下と極めて少ない点に特徴を有
する。メタノール抽出ではモノマー、オリゴマーが定量
でき、溶融紡糸工程でポリマーからのモノマー、オリゴ
マーの発生量が少ないため紡糸口金への付着物がなく、
紡糸延伸の工程通過性は極めて良好である。通常のポリ
アミドを用いた分割型複合繊維ではメタノール抽出物量
が4%より多く、紡糸断糸、延伸毛羽が発生し工程通過
性は悪いものである。
【0025】つぎに本発明の分割型複合繊維の製造方法
について説明する。本発明の複合繊維の製造方法は、ま
ずポリエステルとポリアミドをそれぞれ別の押出機で溶
融押出し、各々紡糸ヘッドへ導入し、目的とする個々の
複合形状を形成させる紡糸口金を経由して溶融紡出す
る。この場合の溶融紡出温度、溶融紡出速度などは特に
制限されないが、複合2成分のうちより高い融点を持つ
ポリマーの融点Tm(℃)に対して、溶融紡出温度を(Tm+
約20℃〜Tm+約40℃)の範囲に設定し、かつ溶融紡
出速度(溶融紡出量)を約20〜50g/紡糸孔1mm
・分程度とすると、品質の良好な複合繊維を良好な紡
糸工程性で得ることができるので好ましい。
【0026】また、紡糸口金における紡糸孔の大きさや
数、紡糸孔の形状なども特に制限されず、目的とする複
合繊維の単繊維繊度、トータルデニール、断面形状など
に応じて調節することができるが、紡糸孔(単孔)の大
きさを約0.018〜0.07mm程度にしておくの
が望ましい。紡糸口金の孔周囲にノズル汚れが堆積して
糸切れが発生する場合は、ノズル孔出口がテーパー状に
広がった形状にしたり、口金下の雰囲気をスチームシー
ルして酸素を遮断する手法が好ましい。
【0027】そして、上記によって溶融紡出した複合繊
維を、一旦複合2成分ポリマーのうちガラス転移温度の
低い方のポリマーのガラス転移温度以下の温度、好まし
くはガラス転移温度よりも10℃以上低い温度に冷却す
る。この場合の冷却方法や冷却装置としては、紡出した
複合繊維をそのガラス転移温度以下に冷却できる方法や
装置であればいずれでもよく特に制限されないが、紡糸
口金の下に冷却風吹き付け筒などの冷却風吹き付け装置
を設けておいて、紡出されてきた複合繊維に冷却風を吹
き付けてガラス転移温度以下に冷却するようにすること
が好ましい。
【0028】その際に冷却風の温度や湿度、冷却風の吹
き付け速度、紡出繊維に対する冷却風の吹き付け角度な
どの冷却条件も特に制限されず、口金から紡出されてき
た複合繊維を繊維の揺れなどを生じないようにしながら
速やかに且つ均一にガラス転移温度以下にまでに冷却で
きる条件であればいずれでもよい。そのうちでも、冷却
風の温度を約20〜30℃、冷却風の湿度を20〜60
%、冷却風の吹き付け速度を0.4〜1.0m/秒程度
として、紡出繊維に対する冷却風の吹き付け方向を紡出
方向に対して垂直にして紡出した複合繊維の冷却を行う
のが、高品質の複合繊維を円滑に得ることができるので
好ましい。また、冷却風吹き付け筒を用いて前記の条件
下で冷却を行う場合は、紡糸口金の直下にやや間隔をあ
けてまたは間隔をあけないで、長さが約80〜160c
m程度の冷却風吹き付け筒を配置するのが好ましい。
【0029】
【実施例】次に本発明を具体的に実施例で説明するが、
本発明はこれら実施例に限定されるものではない。 ・ポリアミドの対数粘度:濃硫酸を用いて30℃の恒温
槽中でウベローゼ型粘度計を用いて測定した値から算
出。 ・ポリエステルの極限粘度:フェノールとテトラクロロ
エタンとの等重量混合溶媒を用い、30℃の恒温槽中で
ウベローデ型粘度計を用いて測定した値から算出。 ・L値:前述の染色条件で染色処理された染色物につ
いて日立307型カラーアナライザー(日立製作所製:
自動記録式分光光度計)を用いて測定した値。 ・メタノール抽出物量:ソックスレー抽出器を用いてメ
タノール抽出し、抽出前の重量(W)と抽出後の重量
(W)から次式で計算した。 W/W×100 ・複合繊維の工程性の評価基準: ◎:紡糸時に断糸が何ら発生せず、しかも得られた複合
繊維には毛羽が全く発生しておらず、紡糸性が極めて良
好である。 ○:紡糸時に断糸が発生せず、そして得られた複合繊維
には毛羽が僅かに発生していたが、紡糸性がほぼ良好で
ある。 △:1000kgを紡糸したときに、断糸が3回まで発
生し、紡糸性が不良である。 ×:1000kgを紡糸したときに、断糸が3回よりも
多く発生し、紡糸性が極めて不良である。
【0030】実施例および比較例で使用したポリアミド
の製造例を以下に示す。 参考例1〜7 表1に示す量のテレフタル酸、1,9−ノナンジアミ
ン、2−メチル−1,8−オクタンジアミン、安息香
酸、次亜リン酸ナトリウム−水和物(原料に対して0.
1重量%)および蒸留水2.2リットルを、内容積20
リットルのオートクレープに添加し、窒素置換を行っ
た。ついで100℃で30分間攪拌し、2時間かけて内
温を210℃に昇温した。この時、オートクレープは2
2kg/cmまで昇圧した。そのまま1時間反応を続
けた後、230℃に昇温し、その後2時間、230℃に
保ち、水蒸気を徐々に抜いて圧力を22kg/cm
保持しながら反応を続けた。次に、30分かけて圧力を
10kg/cmまで下げ、さらに1時間反応を続けて
プレポリマーを得た。このプレポリマーを100℃、減
圧下で12時間乾燥し、2mm以下の大きさまで粉砕し
た。粉砕物を230℃、0.1mmHg下にて10時間
固相重合することによりポリマーを得た。得られたポリ
マーの対数粘度を表1に示す。
【0031】
【表1】
【0032】実施例1 複合繊維を構成するポリアミド成分として表1に示した
参考例4のポリアミド(PA9MT)を用い、もう一方のポ
リエステル成分はポリエチレンテレフタレート(極限粘
度=0.66)を用いた。これらポリアミドとポリエス
テルを個別に溶融押出し、図2で示されるようなポリア
ミドが5層、ポリエステルが6層となる多層型複合形状
を形成させる紡糸ヘッドへ供給し、計量部分の径が0.
25mmφ、ランド長さ0.5mmでしかもノズル孔出
口がラッパ状に広がり出口径が0.5mmφになつてい
る24ホール丸孔ノズルから、紡糸温度285℃で溶融
紡出した(表2参照)。
【0033】紡糸口金直下に長さ1.0mの横吹き付け
型の冷却風吹き付け装置を設置しておき、口金から紡出
した複合繊維を直ちにその冷却風吹き付け装置に導入し
て、温度25℃、湿度65HR%に調整した冷却空気を
0.5m/秒の速度で紡出繊維に吹き付けて、繊維を5
0℃以下(冷却風吹き付け装置の出口での繊維の温度=
40℃)にまで冷却した。
【0034】吐出された該複合繊維の紡糸原糸を100
0m/分で引き取り、捲取ることなく連続して延伸し、
150℃で熱セットしながら3.5倍に延伸し3500
m/分で75デニール/24フィラメントの複合繊維延
伸糸を採取した。この繊維の繊維化工程性は良好で問題
なかった。また得られた複合繊維に仮撚処理を施したと
ころポリアミドとポリエステルとの分割極細繊維が得ら
れることが確認できた。つづいて筒編地を以下の処方で
分散染料の黒染めを実施した。 Kayalon Polyester Black G−SF 12%owf Tohosolt TD 0.5g/l Ultra Mt−N 0.7g/l 浴比50:1 135℃×40分染色後還元洗浄80℃
で実施、染着率は80%で十分な発色性を示し、かつ、
値は17.0であつた。その後、JISL−084
4 A−2法により液汚染による染色堅牢度を調べたと
ころ、5級で良好であった。
【0035】
【表2】
【0036】実施例2〜4 実施例2は、ポリアミド成分とポリエステル成分の複合
比率を変更したこと以外は実施例1と同様に実施した。
実施例3、4は断面形状を各々図6、図8としたこと以
外は実施例1と同様に実施した。
【0037】実施例5〜6 実施例5は表1の参考例3のポリアミドを用い、実施例
6は表1の参考例5のポリアミドを用いたこと以外は実
施例1と同様に実施した。
【0038】比較例1〜3 比較例1は、ポリアミドとしてカプロラクタムを開環重
合させたナイロン6(宇部興産社製:UBEナイロン
6、極限粘度1.4)を用い、比較例2はヘキサメチレ
ンジアミン(脂肪族ジアミン)とアジピン酸(脂肪族ジ
カルボン酸)とからなるナイロン66(宇部興産製;U
BEナイロン66、極限粘度1.41)を用い、比較例
3はメタキシリレンジアミン(芳香族ジアミン)とアジ
ピン酸(脂肪族ジカルボン酸)とからなるポリアミド
(三菱ガス化学社製;MXナイロン6007)を用いた
こと以外は実施例1と同様に実施した。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の分割型複合繊維の複合形態の一例を示
す繊維断面図。
【図2】本発明の分割型複合繊維の複合形態の他の一例
を示す繊維断面図。
【図3】本発明の分割型複合繊維の複合形態の他の一例
を示す繊維断面図。
【図4】本発明の分割型複合繊維の複合形態の他の一例
を示す繊維断面図。
【図5】本発明の分割型複合繊維の複合形態の他の一例
を示す繊維断面図。
【図6】本発明の分割型複合繊維の複合形態の他の一例
を示す繊維断面図。
【図7】本発明の分割型複合繊維の複合形態の他の一例
を示す繊維断面図。
【図8】本発明の分割型複合繊維の複合形態の他の一例
を示す繊維断面図。
【符号の説明】
A:分割型複合繊維の一成分 B:分割型複合繊維の他の一成分
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 原 哲也 岡山県倉敷市酒津1621番地 株式会社クラ レ内 Fターム(参考) 4L036 MA05 MA06 MA15 MA24 MA33 MA39 PA01 PA03 PA05 PA21 PA46 UA01 UA16 4L041 AA07 AA10 AA18 AA20 BA02 BA04 BA05 BA09 BA11 BA42 BC20 BD14 CA06 CA30 DD01 DD14 EE20

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ジカルボン酸単位の60〜100モル%
    が芳香族ジカルボン酸単位からなり、ジアミン単位の6
    0〜100モル%が脂肪族ジアミン単位からなり対数粘
    度が0.4〜2.0である熱可塑性ポリアミドとポリエ
    ステルとからなる分割型複合繊維であって、下記(1)〜
    (2)式を満足し、分割後の単繊維デニールが1デニール
    以下であることを特徴とする分割型複合繊維。 ブラック染色処理時のL値≦20 (1) 繊維中のメタノール抽出物量≦4.0% (2)
  2. 【請求項2】 熱可塑性ポリアミドのジカルボン酸単位
    がテレフタル酸単位からなり、ジアミン単位が1,9−
    ノナンジアミン単位からなる請求項1に記載の分割型複
    合繊維。
  3. 【請求項3】 熱可塑性ポリアミドのジカルボン酸単位
    がテレフタル酸単位からなりジアミン単位が1,9−ノ
    ナンジアミン単位および2−メチル−1,8−オクタン
    ジアミン単位からなり、かつ1、9−ノナンジアミン単
    位と2−メチル−1,8−オクタンンジアミン単位のモ
    ル比が40:60〜99:1である請求項1に記載の分
    割型複合繊維。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれか1項に記載の熱
    可塑性ポリアミドからなる単繊維デニールが1デニール
    以下であるポリアミドフィラメントと単繊維デニールが
    1デニール以下であるポリエステルフィラメントとを少
    なくとも側糸として含み、かつ撚が付与されていること
    を特徴とする糸条。
  5. 【請求項5】 仮撚糸である請求項4に記載の糸条。
  6. 【請求項6】 実撚糸である請求項4に記載の糸条。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN112111828A (zh) * 2019-06-19 2020-12-22 吴江海角工业用布有限公司 一种高强耐热锦纶弹簧丝的生产制备方法

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